(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180228
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】シングルペアイーサネットハイブリッドラインのための分割ユニット、およびハイブリッドイーサネット電力システム
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20231213BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H04L25/02 K
H02J1/00 304A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092166
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】22177856.6
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
(71)【出願人】
【識別番号】503168201
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ネーデルランド ビーヴイ
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Nederland BV
【住所又は居所原語表記】Rietveldenweg 32,NL-5222 AR’s-Hertogenbosch,The NETHERLANDS,
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】イェルーン ヨゼフ マリア デュ ブルーイン
(72)【発明者】
【氏名】ウィナンド ファン ヒルス
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ディルク イエーガー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヒルグナー
【テーマコード(参考)】
5G165
5K029
【Fターム(参考)】
5G165EA01
5G165FA01
5G165GA07
5G165HA09
5K029DD25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ツリー構造であり、長いケーブル長さに渡って高いデータ伝送速度を有し、信号に外乱を加えることなく高い電力密度を有するシングルペアイーサネット(SPE)ハイブリッドラインのための分割ユニット及びハイブリッドイーサネット(登録商標)電力システムを提供する。
【解決手段】ハイブリッドイーサネット電力システム90において、分割ユニット14は、入力接続要素11、第1の出力接続要素15及び少なくとも1つの第2の出力接続要素13を備える。入力接続要素及び第1、第2の出力接続要素は、電力及びデータを伝送する。分割ユニット14はさらに、電力及びデータを第2の出力接続要素に供給するように動作可能な少なくとも1つのアクティブユニット7を備え、前記アクティブユニットは、給電装置3を含む。給電装置は、入力接続要素と出力接続要素のうちの少なくとも1つとに接続され、電力線16からデータ線18上に電力を引き出す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルペアイーサネット(SPE)ハイブリッドラインのための分割ユニット(14)であって、前記分割ユニット(14)は、
入力接続要素(11)と、
第1の出力接続要素(15)と、
少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)と
を備え、
前記入力接続要素(11)、前記第1の出力接続要素(15)、および前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)は、電力およびデータを伝送するように構成され、
前記分割ユニット(14)は、
電力およびデータを前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)に供給するように動作可能な少なくとも1つのアクティブユニット(7)を備え、
前記少なくとも1つのアクティブユニット(7)は給電装置(PSE)(3)を含み、前記給電装置(3)は、前記入力接続要素(11)と前記出力接続要素(13、15)のうちの少なくとも1つとに接続され、電力線(16)からデータ線(18)上に電力を引き出すように動作可能である、
分割ユニット(14)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアクティブユニット(7)は、少なくとも1つのSPE切替ユニット(6)を含み、前記SPE切替ユニット(6)は、前記入力接続要素(11)と前記出力接続要素(13、15)のうちの少なくとも1つとに接続され、前記出力接続要素(13、15)のうちの少なくとも1つにデータを割り当てるように動作可能である、請求項1に記載の分割ユニット(14)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアクティブユニット(7)は、前記入力接続要素(11)に設けられた前記データ線(18)を分割し、前記分割された線の間で切替えを行うように動作可能である、請求項1または2に記載の分割ユニット(14)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアクティブユニット(7)は、前記分割ユニット(14)の前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)に接続された電子デバイス(101)に電力を出力するように動作可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の分割ユニット(14)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクティブユニット(7)は、前記データ線(18)の信号をリフレッシュするように動作可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の分割ユニット(14)。
【請求項6】
前記分割ユニット(14)は成形接続ユニットとして形成され、前記入力接続要素(11)、前記第1の出力接続要素(15)、および前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)は、オーバモールドコネクタ要素として設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の分割ユニット(14)。
【請求項7】
前記分割ユニット(14)の前記入力接続要素(11)、前記第1の出力接続要素(15)、または前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)の差込口のうちの少なくとも1つが、はんだ接続および/または圧着接続および/または圧接接続および/またはねじ接続および/または貫通接続および/またはポークイン接続によって、ケーブル(8、10)またはワイヤに取り付け可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の分割ユニット(14)。
【請求項8】
前記分割ユニット(14)の前記入力接続要素(11)、前記第1の出力接続要素(15)、または前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)の差込口のうちの少なくとも1つが、ねじ接続および/またはラッチ接続および/またはプッシュプル接続および/またはプラグイン接続によって、分離可能なコネクタ(12)に取り付け可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の分割ユニット(14)。
【請求項9】
前記分割ユニットはT字形接続ユニットとして形成されている、請求項6に記載の分割ユニット(14)。
【請求項10】
前記分割ユニットは傾斜した接続ユニットとして形成されている、請求項6に記載の分割ユニット(14)。
【請求項11】
シングルペアイーサネット(SPE)ネットワークのためのハイブリッドイーサネット電力システム(90)であって、前記システムは、
少なくとも1つの第1の電子デバイス(9)と、
少なくとも1つの第2の電子デバイス(1)と、
請求項1から10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの分割ユニット(14)と
を備え、
前記少なくとも1つの第1の電子デバイス(9)は、前記少なくとも1つの分割ユニット(14)の前記入力接続要素(11)に接続可能であり、
前記少なくとも1つの第2の電子デバイス(1)は、前記少なくとも1つの分割ユニット(14)の前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)に接続可能である、
ハイブリッドイーサネット電力システム(90)。
【請求項12】
前記システムは、データおよび電力を前記少なくとも1つの第1の電子デバイス(9)と前記少なくとも1つの分割ユニット(14)との間で伝送するように動作可能である、請求項11に記載のハイブリッドイーサネット電力システム(90)。
【請求項13】
前記システムは、データおよび電力を前記少なくとも1つの分割ユニット(14)と前記少なくとも1つの第2の電子デバイス(1)との間で伝送するように動作可能である、請求項11または12に記載のハイブリッドイーサネット電力システム(90)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの分割ユニット(14)のうちの1つが、前記第1の出力接続要素(15)においてフィールド終端ユニット(22)により終端されている最後の分割ユニットである、請求項11から13のいずれか一項に記載のハイブリッドイーサネット電力システム(90)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの分割ユニット(14)は成形接続ユニットとして形成され、前記少なくとも1つの分割ユニット(14)の前記入力接続要素(11)、前記第1の出力接続要素(15)、および前記少なくとも1つの第2の出力接続要素(13)は、ケーブル(8、10)に取り付けられた相手側コネクタ要素に接続されている、請求項11から14のいずれか一項に記載のハイブリッドイーサネット電力システム(90)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力およびデータを伝送するシングルペアイーサネット(SPE)ハイブリッドラインのための分割ユニット(splitting unit)、ならびにハイブリッドイーサネット電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シングルペアイーサネットは、制御レベルから電源を含むフィールドレベルまでの連続したインターネットプロトコルベースの通信を可能にし、コストを削減し、設置を簡単にすることを意図している。単一のツイストワイヤペアのみを有する銅ケーブル上でイーサネット接続を確立するために使用可能な、電気電子技術者協会(IEEE)802.3bp-2016(1000Base-T1)、IEEE802.3bw-2015(100Base-T1)、およびIEEE802.3cg-2019(10Base-T1)などの異なる規格がある。これらの規格は、10Mbit/s~100Mbit/s超、最高1000Mbit/sの異なる速度を定義する。ブリッジできる最大距離は、15m、40m、および1000mの間で変化する。
【0003】
単一のワイヤペアのみを全二重信号の伝送に使用できるため、信号はワイヤペアにおいて両方向に同時に伝送される。信号は、ケーブルを反対方向に流れて重なる。
【0004】
LAN配線用のパワーオーバイーサネットと同様に、シングルペアイーサネットにより、動作に必要な電気エネルギーを、銅ケーブルを介してデバイスに供給することも可能である。最大50Wの電力を外部デバイスに供給できるパワーオーバデータライン(PoDL)、規格IEEE802.3bu-2016が、このために作成された。これは、エネルギー供給に関与する給電装置(PSE、power sourcing equipment)と、供給された電力を使用する受電デバイス(PD、powered device)との間で異なる。
【0005】
ハイブリッドイーサネットシステムでは、電力およびデータ信号が、主線である幹線ケーブルにおいてネットワークに供給される。この幹線ケーブルからスパーケーブル(分岐ケーブル、spur cable)が分岐され、このスパーケーブルは、デバイスを主線に、および最終的にネットワークに接続する。これにより、高いデータ伝送速度を有する長いスパーケーブル長さに到達することを目標とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ツリー構造のイーサネットシステムを作成し、長いケーブル長さにわたって高いデータ伝送速度を可能にし、同時に、信号に外乱を加えることがなく、高い電力密度を可能にする分割ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の主題によって解決される。本開示の有利な例は、従属請求項の主題である。
【0008】
本開示は、1つの構成要素である分割ユニットが、アクティブユニット(active unit)を備え、したがって、デバイスへのデータおよび電力の伝送と、必要なケーブル厚さおよびケーブル長さの柔軟な調節とを可能にするという考えに基づく。
【0009】
特に、シングルペアイーサネット(SPE)ハイブリッドラインのための分割ユニットは、入力接続要素と、第1の出力接続要素と、少なくとも1つの第2の出力接続要素とを有する。入力接続要素、第1の出力接続要素、および少なくとも1つの第2の出力接続要素は、電力およびデータを伝送するように構成されている。さらに、分割ユニットは、電力およびデータを少なくとも1つの第2の出力接続要素に供給するように動作可能な少なくとも1つのアクティブユニットを備える。少なくとも1つの分割ユニットは、入力接続要素と出力接続要素のうちの少なくとも1つとに接続されているPSEを備える。PSEは、電力線からデータ線上に電力を引き出す(電力線からデータ線に電力を供給する、taps power from a power line onto a data line)。PSEをSPE技術と組み合わせることにより、1対の銅ワイヤ上で電力およびデータを伝送することが可能になる。したがって、デバイスへの追加の電力ケーブルが不要であるため、コストが削減され、幹線ケーブルと比較してスパーケーブルの直径を小さくすることができる。PoDLケーブルの供給電圧は、6V~60VDCであり、電流は100mA~1.579Aである。IEEE802.3buまたはIEEE802.3cgに従ってPDで使用可能な最大電力は、それぞれ50Wまたは52Wである。したがって、分割ユニットにPSEを含めることによって、ネットワークにおける高い電力密度が実現される。
【0010】
本開示によれば、分割ユニットの少なくとも1つのアクティブユニットは、少なくとも1つのSPE切替ユニットを有し、このSPE切替ユニットは、入力接続要素と出力接続要素のうちの少なくとも1つとに接続され、出力接続要素のうちの少なくとも1つにデータを割り当てる。SPE切替ユニットは、少なくとも1つの集積回路を含むことが好ましい。集積回路は、シリコンなどの半導体材料から作製されることが好ましい。さらに、集積回路は、純粋なデジタルシステムと物理媒体との間の伝送を可能にする少なくとも1つのSPEトランシーバ(物理層(PHY)チップ(physical layer (PHY) chip))と、1つのイーサネットスイッチとを例示的に含み、両方が1つの集積回路に実装されている。しかしながら、少なくとも1つのSPEトランシーバとイーサネットスイッチとを2つの異なる集積回路に実装してもよいことが明らかである。集積回路は、分割ユニットを通って分割ユニットから伝送可能な伝送速度を向上させ、同時に、サイズが非常に小さく、電力消費量が非常に低いことが好ましい。SPE切替ユニットを分割ユニットに統合することは、入力信号が2つの出力信号に分割されるが、幹線ケーブルの信号外乱は制限されたままであって増加しないという利点を有する。したがって、10cmよりも長いスパーケーブル長さが実現可能である。
【0011】
本開示の有利なさらなる発展によれば、少なくとも1つのアクティブユニットは、入力接続要素に設けられたデータ線を分割し、分割された線の間で切替えを行う。データ線の分割により、ネットワークにおいて複数のデバイスおよび分割ユニットを接続することが可能になり、それにより、デバイスは、細いスパーケーブルを介して分割ユニットに接続される。分割ユニットは、データをデバイスに選択的に供給して、ネットワークの伝送速度を高く維持する。同時に、すべてのケーブル分岐線におけるデバイスの部品の複雑さおよび数を低減させることができ、リング構造を維持することができる。
【0012】
本開示の有利なさらなる発展によれば、少なくとも1つのアクティブユニットは、分割ユニットの少なくとも1つの第2の出力接続要素に接続された電子デバイスに電力を出力する。分割ユニットは、専用の電力線を介して電力を供給することができ、またはデータ線を介して(PoDL方式を適用することにより)電力を供給することができる。加えて、第2の出力接続部は、1本の追加の電力線を用いて、または用いることなく、1つのデバイスへの(PoDLによる)1本のデータおよび電力線を設けることもできる。追加の電力線は、例えば、最高600VDCの電圧と最高16Aの電流を供給することができる。様々な電力供給の選択肢により、分割ユニットは、非常に柔軟性があり、異なる適用における異なるデバイスに電力を供給することができる。
【0013】
本開示の有利なさらなる発展によれば、少なくとも1つのアクティブユニットは、データ線の信号をリフレッシュ(refresh)する。信号のリフレッシュにより、ケーブル長さが増加し、その長さで、好ましくは10Mbit/s~1Gbit/sの伝送速度を維持することができ、同時に、すべてのケーブル分岐線に必要な接続部のサイズおよび量が低減する。
【0014】
本開示の有利なさらなる発展によれば、分割ユニットは成形接続ユニットとして形成され、入力接続要素、第1の出力接続要素、および少なくとも1つの第2の出力接続要素は、オーバモールドコネクタ要素として設けられている。このタイプの分割ユニットは、特に小型でシステムに組み込みやすいため、様々なタイプのネットワークアプリケーションに適用可能である。
【0015】
本開示の有利なさらなる発展によれば、分割ユニットの入力接続要素、第1の出力接続要素、または少なくとも1つの第2の出力接続要素の差込口(outlets)のうちの少なくとも1つを、はんだ接続および/または圧着接続および/または圧接接続および/またはねじ接続および/または貫通接続(pierece connection))および/またはポークイン接続(poke-in connection)によって、ケーブルまたはワイヤに取り付けることができる。分割ユニットの入力接続要素、第1の出力接続要素、または少なくとも1つの第2の出力接続要素の差込口のうちの少なくとも1つを、ねじ接続および/またはラッチ接続および/またはプッシュプル接続(push-pull connection)および/またはプラグイン接続によって、分離可能なコネクタに取り付けることができると有利である。
【0016】
本開示の有利なさらなる発展によれば、分割ユニットはT字形接続ユニットとして形成されている。T字形接続ユニットは、省コストで製造することができ、それでも様々なシステムに組み込むことのできる小型の形態を提供する。
【0017】
本開示の有利なさらなる発展によれば、分割ユニットは傾斜した接続ユニットとして形成されている。傾斜した接続ユニットは、空間節約型の分割ユニットを提供し、複数の接続ユニットを互いに接続することを可能にする。分割ユニットは90°に傾斜していることが好ましい。
【0018】
本開示はさらに、少なくとも1つの第1の電子デバイスと、少なくとも1つの第2の電子デバイスと、本開示による少なくとも1つの分割ユニットとを有するシングルペアイーサネットネットワークのためのハイブリッドイーサネット電力システムに関する。少なくとも1つの第1の電子デバイスは、少なくとも1つの分割ユニットの入力接続要素に接続され、少なくとも1つの第2の電子デバイスは、少なくとも1つの分割ユニットの少なくとも1つの第2の出力接続要素に接続されている。このようなイーサネットシステムは、電力およびデータが2つ以上のデバイス間で伝送される様々な状況に容易に適用可能である。システムは、適用に応じて、マルチドロップトポロジまたはポイントツーポイント(P2P)トポロジとして動作することができる。
【0019】
本開示の有利な例によれば、システムは、データおよび電力を少なくとも1つの第1の電子デバイスと少なくとも1つの分割ユニットとの間で伝送する。システムが、データおよび電力を少なくとも1つの分割ユニットと少なくとも1つの第2の電子デバイスとの間で伝送することが有利である。
【0020】
本開示の有利な例によれば、少なくとも1つの分割ユニットのうちの1つが、第1の出力接続要素においてフィールド終端ユニットにより終端されて、信号反射により生じる伝送エラーを低減させる、最後の分割ユニットである。
【0021】
本開示の有利な例によれば、少なくとも1つの分割ユニットは成形接続ユニットとして形成され、少なくとも1つの分割ユニットの入力接続要素、第1の出力接続要素、および少なくとも1つの第2の出力接続要素は、ケーブルに取り付けられた相手側コネクタ要素に接続されている。
【0022】
本開示をよりよく理解するために、以下の図面に示す例を使用して、本開示をより詳細に説明する。ここでは、同一の部分は、同一の参照数字および同一の部品名で示される。さらに、図示し説明する様々な例のいくつかの特徴または特徴の組合せは、独立した解決策、本発明の解決策、または本開示による解決策も表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】分割ユニットを有するイーサネットシステムの概要を示す図である。
【
図2】本開示による分割ユニットを有するイーサネットシステムの有利な例を示す図である。
【
図3】本開示による分割ユニットの有利な例の回路図である。
【
図4】本開示による分割ユニットを有するイーサネットシステムのさらなる有利な例を示す図である。
【
図5】本開示による分割ユニットを有するイーサネットシステムのさらなる有利な例を示す図である。
【
図6】本開示による分割ユニットを有するイーサネットシステムのさらなる有利な例を示す図である。
【
図7】本開示による分割ユニットの第1の構成の有利な例の回路図である。
【
図8】本開示による分割ユニットのさらなる構成の有利な例の回路図である。
【
図9】本開示による分割ユニットを有するイーサネットシステムのさらなる有利な例を示す図である。
【
図10】本開示による分割ユニットの有利な例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下で、図面を参照しながら、本開示についてより詳細に説明する。
図1は、イーサネットシステムおよび分割ユニットの全体的な第1の例の概要を示す。
【0025】
図1は、本開示によるイーサネットシステムおよびその構成要素のトポロジの全般的な理解をもたらす。イーサネットシステム90は、3つの分割ユニット14と、1つの第1の電子デバイス9と、2つの第2の電子デバイス1とを例示的に備える。しかしながら、システム90はこの構成に限定されない。任意の数の分割ユニット14および電子デバイス9、1が実現可能である。各分割ユニット14は、入力接続要素11と、第1の出力接続要素15と、1つの第2の出力接続要素13とを備える。分割ユニットの差込口の数は変化してもよく、4つ以上であってもよい。また、1つのネットワークにおける複数の分割ユニットの差込口の数は、接続される必要なデバイスに応じて変化してもよい。提示される分割ユニット14は、ケーブル構造体に追加の分岐線を加えるための容易な解決策を提供する。
【0026】
さらに、分割ユニットを、オーバモールド接続ユニット(図示せず)として形成してもよい。入力接続要素、第1の出力接続要素、および少なくとも1つの第2の出力接続要素は、このオーバモールドコネクタのインターフェース要素であり、分割ユニットは、ケーブル8、10またはワイヤに容易に接続可能な小型の一部品として形成されるようになっている。分割ユニット14をケーブル8、10に接続するために、コネクタ要素は、ケーブル8、10に取り付けられた相手側コネクタ要素(図示せず)に嵌合する。
【0027】
入力接続要素11、第1の出力接続要素15、および第2の出力接続要素13の差込口は、コネクタ12を介してケーブルに取り付けられている。コネクタ12を、ねじ接続、ラッチ接続、プッシュプル接続、および/またはプラグイン接続によって固定することができる。しかしながら、コネクタ12を差込口11、13、15に取り付ける必要はなく、差込口11、13、15を、はんだ接続、圧着接続、圧接接続、ねじ接続、貫通接続、および/またはポークイン接続により、ケーブル8、10またはワイヤに直接取り付けることも可能である。さらに、分割ユニット14の3つの差込口11、13、15を同じ方法で接続する必要はない。分割ユニット14の各差込口を異なる方法で接続することができる。これにより、コネクタ12を用いる、またはコネクタ12を用いない分割ユニット14の接続部は、現場および非現場で設置可能であり、したがって多くの用途に適用可能である。
【0028】
コネクタの相手側インターフェース(図示せず)は、当然、それぞれの差込口11、13、15に伝送される信号に常に依存する。伝送される線(データおよび/または電力)の数に応じて、コネクタ12は、異なる数のピンを含むことができる。様々な実施形態の対応するピンの数については、以下でさらに詳細に説明する。
【0029】
図示の分割ユニット14は、示されたT字形に限定されず、複数の接続した複数の分割ユニットを互いに直接積み重ねることができる、傾斜した形状であってもよい。これを使用して、スパーケーブルのさらなる分岐線をネットワークシステムに追加することができる。さらに、分割ユニットは、Y字形に形成されても、任意の他の既知の接続形状に形成されてもよい。
【0030】
図1の第1の分割ユニット14(左側)は、幹線ケーブル8を介して第1の電子デバイス9および第2の分割ユニット14に接続されている。幹線ケーブル8は、イーサネットネットワークの主線を示し、図示の3つの分割ユニット14と第1の電子デバイス9とを接続する。第2の出力接続要素13において、分割ユニット14は、スパーケーブル10を介して第2の電子デバイス1に接続されている。スパーケーブル10は、幹線ケーブルの分岐線を示し、外部デバイスに向けられる。幹線ケーブル8は、電力線16およびデータ線18を3つの分割ユニット14に沿って導く。
【0031】
第1の入力接続要素11、第1の出力接続要素15、および第2の出力接続要素13は、電力およびデータを伝送する。分割ユニットは、様々なモードで動作することができる。分割ユニットは、第2の出力接続要素13において、(PoDLによる)単一の線におけるデータおよび電力を、スパーケーブル10を介して第2の電子デバイス1に供給するか、スパーケーブルが第2の出力接続要素13に接続されていないか、または、(PoDLによる)単一の線におけるデータおよび電力に加えて、1本の追加の電力線が第2の電子デバイス1に渡される。
【0032】
さらに、少なくとも電力が、分割ユニット14のアクティブユニット7によって第2の出力接続要素13に割り当てられる。分割ユニット14は、少なくとも1つのアクティブユニット7を含む。アクティブユニット7のタイプおよび位置に応じて、分割ユニット14は異なる機能を果たすことができる。
【0033】
第1の電子デバイス9は、電力をネットワークに供給し、第2の電子デバイス1は、ネットワークによって電力供給される。さらに、両方の電子デバイス9、1は、データを伝送して処理するための集積回路も含む。供給される電力は、例示的に、最高600VDCの電圧と最高16Aの電流とを有する。したがって、分割ユニットおよびネットワークシステムは、ロボットまたは機械などの工業用途に適用可能である。しかしながら、様々な用途の必要に応じて異なる電圧値および電流値も実現可能である。
【0034】
第1の電子デバイス9および第2の電子デバイス1は、コネクタ12を介して幹線ケーブル8およびスパーケーブル10にそれぞれ接続されている。あるいは、第1の電子デバイス9および第2の電子デバイス1を、前述した方法のうちの1つにより、ケーブルまたはワイヤに直接接続してもよい。
【0035】
前述したシステムおよび構成要素の構成は、当然、本開示の以下の例にも有効である。
【0036】
マルチドロップトポロジのネットワークを有する本開示の第1の例が、
図2に概略的に示されている。以下の図面は、その有利な例である。
【0037】
IEEE規格802.3cgは、短い範囲の変形例10BASE-T1Sと長い範囲の変形例10BASE-T1Lとの2つの変形例について定義された。この規格は、最高10Mbit/sの伝送速度を定義する。10BASE-T1Sの場合、幹線ケーブル長さは、最大25mと定義され、スパーケーブル長さは最大10cmと定義される。10BASE-T1Lの場合、ポイントツーポイントケーブル長さは、最大1000mと定義される。
【0038】
さらに、短い範囲の変形例10BASE-T1Sは、マルチドロップトポロジを使用する。この変形例の場合に実現可能なスパーケーブル長さを増加させるために、本発明による分割ユニットをこのようなトポロジに含めることができる。
【0039】
この例において、第1の電子デバイス109は、電力を供給するための外部(非PoDL)PSE102と、例示的にPHYとして選択される、データを処理するための集積回路106aとを含む。分割ユニット114の入力接続要素111および第1の出力接続要素115に沿って進む幹線ケーブル108は、電力線116とデータ線118とを含む。
【0040】
分割ユニット114は、PSE103である1つのアクティブユニット107を備える。PSE103は、入力接続要素111および第2の出力接続要素113に接続されている。分割ユニット114は、データ線および電力線を分割し、一方の分岐線が、第1の出力接続要素115を通って第2の分割ユニット114まで進み、他方の分岐線が、第2の出力接続要素113を通って第2の電子デバイス101まで進む。
【0041】
分割ユニット114の一部であるPSE103は、第2の出力接続要素113を通り、かつ幹線ケーブル108に沿って進まないデータ線の分岐線においてのみ、電力線116からデータ線118上に電力を供給する。このようにして、スパーケーブル110と比較して幹線ケーブル108のケーブル長さを長くすることができる。本実施形態において、1つのPSEを含む1つのアクティブユニットが示されているが、複数のアクティブユニット、したがって複数のPSEが分割ユニットの一部であってもよいことが明らかである。
【0042】
電力がデータ線に引き出されると、第2の電子デバイス101は、第2の出力接続要素113において、1本の線のみを介して分割ユニット114に接続される。この線120は、(PoDLによる)データおよび電力線であり、第2の電子デバイス101の集積回路106aにデータおよび電力を供給することができる。この集積回路106aはPHYであってよい。さらに、PoDLケーブル120は、第2の電子デバイス101の対応する電力要素105のための電力も供給する。PoDL技術により、1本のツイストケーブルペアのみを介して電子デバイス101に電力およびデータを供給することができる。したがって、スパーケーブル110は、幹線ケーブル108よりも小さい直径を有することができる。
【0043】
第1の出力接続要素115において、分割ユニット114は、幹線ケーブル108を介して別のさらなる分割ユニット114(中央)に例示的に接続されている。これらの分割ユニット114間で、データおよび電力が伝送される。第1の例で提示された分割ユニット114によれば、例示的な幹線ケーブル長さb1は、例示的な伝送速度10Mbit/sで最大25mであってよい。この構成により、大きいネットワークであっても部品数を減らすことができる。データ信号は、分割ユニットによってリフレッシュされず、この構成により到達できる実現可能なスパーケーブル長さd1が例示的に10cmであるようになっている。幹線ケーブルおよびスパーケーブルの到達するケーブル長さおよび伝送速度は、IEEE802.3cg規格10BASE-T1Sの要件に対応する。
【0044】
図2に見られるように、左側の第1の分割ユニットと同じアクティブユニットの部品を有して例示的に示す第2の分割ユニット114(中央)は、第2の出力接続要素113において第2の電子デバイス101に接続されていない。この場合にも、アクティブユニット107は、電力線からデータ線上に電力を引き出す。しかしながら、第2の出力接続要素113に設けられたPoDL120は、さらに使用されることはない。幹線ケーブルのデータ線および電力線は、単に分割ユニット114を通る。
【0045】
第3の分割ユニット114(
図2の右側)は、イーサネットシステム100の最後の分割ユニットとして例示的に示されている。しかしながら、4つ以上の分割ユニットをシステム100に組み込んでもよいことが明らかである。第3の分割ユニット114も、スパーケーブルを介して第2の電子デバイス101に接続されている。この分割ユニットは、第1の分割ユニットおよび第2の分割ユニットと同じ機構を例示的に含む。しかしながら、ここでは、第2の電子デバイス101は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線120を介して接続されているだけでなく、さらに1本の電力線116を介して接続されている。この電力線116は、幹線ケーブル108の主電力線116の分岐線である。この追加の電力線116により、電子デバイス101のさらなるPD部品104に電力を供給することができる。したがって、分割ユニット114は、PoDL技術の規格である1つのノードに電力を供給するだけでなく、第2の出力接続要素113に別個の電力線をさらに設けるときに、複数のノードにも電力を供給するため、有利である。
【0046】
図2は、分割ユニット114の様々なモードを示す。電力およびデータを、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線に分配することができ、または、組み合わせた電力およびデータ線の他に、追加の電力線を設け、または、分割ユニットのみが、ノードに接続することなく信号をリフレッシュする。
【0047】
分割ユニット114の差込口111、113、115に供給される信号に応じて、コネクタ112は異なる数のピンを含む。この図では、例示的に、データおよび電力が別個の線を介して伝送される、差込口111、115に取り付けられたコネクタ112は、4本のピンを含む。2本のピンはデータ伝送用、2本のピンは電力伝送用であり、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線のみがスパーケーブル110に沿って設けられているか、またはさらに1本の追加の電力線が設けられているかに応じて、差込口113に取り付けられたコネクタ112は異なる数のピンを含む。後者の場合、コネクタ112は4本のピンを含み、これは4本のワイヤがスパーケーブル110に沿って進むことを意味し、そうでない場合には、コネクタ112は2本のピンのみを含んで、2本のワイヤがスパーケーブル110に沿って進むようになっている。
【0048】
図示のように、PoDL技術は、外部デバイス101をネットワークに接続するスパーケーブル110のみに使用され、幹線ケーブル108には使用されない。これにより、より長い幹線ケーブルに沿ってより多くの電力を伝送することができ、分割ユニット114の様々なモードを接続されたアプリケーションに適応させる能力を確立する。電力線からデータ線上に電力を引き出さないこと、したがって第2の電子デバイス101をPoDLにより接続するのではなく、別個の電力およびデータ線(図示せず)により接続することも可能である。分割ユニット114の接続モードに応じて、分割された線は、デバイス101に接続されるか、または単に第2の出力接続要素113で終端される。
【0049】
第2の電子デバイス101が分割ユニット114に接続されないときはいつでも、最後の分割ユニットで信号がフィールド終端ユニット122により終端されるまで、信号は単に幹線を通って送られる。この終端ユニットは任意のタイプのものであってよく、ここでは、100オームのデータ線および0.1μFの電力線を終端するものとして例示的に選択されている。
【0050】
図3に、PSE103を有する分割ユニット114の例示的な回路設計が示されている。この例示的な回路図は、電力116とデータ118とが別個の線を介して供給される1つの入力接続要素111および第1の出力接続要素115と、1本の線であるPoDL120を介して電力およびデータが供給される第2の出力接続要素113とを有する分割ユニット114に対応する。
【0051】
第1の入力接続要素111から第1の出力接続要素115へ進む電力線が引き出され、第2の出力接続要素113につながる分岐された電力線は、1ポートPSEコントローラ138を通ることができる。このコントローラは、データ線118への電力線116の投入を制御するように動作可能である。したがって、分割ユニットは、第2の出力接続要素113に(PoDLによる)1本の電力およびデータ線のみを設ける。
【0052】
データ線118は、入力接続要素111を通って幹線ケーブルに沿って第1の出力接続要素115まで進む。分割ユニット114のある点で、このデータ線は引き出され、データ線の分岐線が第2の出力接続要素113まで進む。データ線が分割ユニット114から出る前に、分岐された電力線は、PSEコントローラ138によってデータ線上に引き出される(tapped)。
【0053】
さらに、分割ユニット114は、電源ユニット(PSU)134によって電力が供給されるホスト中央処理装置(CPU)132も含む。電源ユニット134は、電力線116の電力を、分割ユニット114の部品用のより低い電力に変換する。変換されたより低い電力は、PSEコントローラ138にも供給される。ホストCPU132は、管理データ入力/出力(MDIO)143のインターフェースを介してPSEコントローラ138に双方向に接続されて、PSEコントローラ138の制御および状態を読み書きする。MDIOは、IEEE802.3規格のイーサネットファミリについて定義されたシリアルバスである。
【0054】
図4に、ポイントツーポイント(P2P)トポロジのネットワークを有する本開示の別のさらなる有利な例が、概略的に示されている。
【0055】
この例では、第1の電子デバイス209が、電力を供給するための外部(非PoDL)PSE202と、PHYとして例示的に選択された、データを処理するための集積回路206aとを含む。分割ユニット214の入力接続要素211および第1の出力接続要素215に沿って進む幹線ケーブル208は、電力線216とデータ線218とを含む。
【0056】
分割ユニット214は、電力線を分割し、一方の分岐線が、第1の出力接続要素215を通って第2の分割ユニット214まで進み、他方の分岐線が、第2の出力接続要素213を通って第2の電子デバイス201まで進む。入力接続要素211を通って受けられるデータ線218は、アクティブユニット207に、次いで第2の出力接続要素213に導かれる。
【0057】
第2の出力接続要素213を通る分岐線において、分割ユニット214は、PSE203であるアクティブユニット207を備える。PSE203は、入力接続要素211および第2の出力接続要素213に接続されている。PSE203は、分岐された電力線からデータ線上に電力を供給し、したがって、分割ユニット214は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線220を第2の出力接続要素213に設ける。この線220は、スパーケーブル210を通って第2の電子デバイス201まで進む。この第2の電子デバイスにおいて、第1の集積回路206aがデータを処理し、PD205に電力が供給される。加えて、第2の電子デバイス201は、スパーケーブル210に沿って分割ユニット214の第2の出力接続要素213まで進むデータ線218を介してネットワークに接続されている第2の集積回路206aを含む。2つの集積回路によって得られるデータが交換され、リフレッシュされる。
【0058】
このデータ線218は、分割ユニット214の第1の出力接続要素215を通って、電力線216に隣接する幹線ケーブル208に沿って進む。図示の例では、幹線ケーブル208は、これらの線をさらなる幹線ケーブルに接続するインラインコネクタ217によって接続されている。
【0059】
図示の第2の分割ユニット214は、左側の第1の分割ユニット214と同じ部品を含む。しかしながら、この分割ユニット214は、その第2の出力接続要素213において異なるタイプの第2の電子デバイス201に接続されている。分割ユニット214と第2の電子デバイス201とを接続するスパーケーブル210は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線220、1本の電力線216、ならびに1本のデータ線218を含む。(PoDLによる)電力およびデータ線220は、第2の電子デバイス201に電力およびデータを供給し、第2の集積回路806aは、データ線218のみを介してネットワークに接続される。(PoDLによる)電力およびデータ線220の他に、追加の電力線216が、デバイス201のさらなる部品204に電力供給することができ、したがって、1つの分割ユニット214を介して複数のノードに電力供給することもできる。
【0060】
この図では、例示的に、分割ユニット214(
図4の左側の分割ユニットおよび右側の分割ユニット)の差込口211、215に取り付けられたコネクタ212は、例示的に4本のピンを含む。2本のピンはデータ伝送用に設けられ、2本のピンは電力伝送用に設けられている。差込口213に取り付けられたコネクタ212は、図の右側の分割ユニットと比較して、図の左側に示す分割ユニットについて異なる数のピンを含む。
図4の左側の分割ユニットの差込口213のコネクタ212は、4本のピンを含む。言い換えると、4本のワイヤがスパーケーブル210に沿って進む。しかしながら、右側の分割ユニットの差込口213のコネクタ212は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線220ならびに追加の電力線216の他に、追加のデータ線218もスパーケーブル210に沿って引かれるため、6本のピンを含む。
【0061】
ネットワークを介してデータを送受信する2つの第2の電子デバイス201間の、スパーケーブルおよび幹線ケーブルを含む例示的なケーブル長さa2は、例示的な伝送速度1Gbit/sで40mである。
【0062】
マルチドロップまたはP2Pトポロジでネットワークを構成する選択は、その適用が支持することができ、かつ支持すべきである長さおよび速度のみに依存する。
【0063】
本実施形態についての回路図はここでは省略するが、この構成は、
図3において差込口113を通って差込口115まで進む1本のデータ線を追加することによって、
図3に示す例から明確に推測することができる。
【0064】
図5に、P2Pトポロジのネットワークを有する本開示の別のさらなる有利な例が、概略的に示されている。
【0065】
この例では、第1の電子デバイス309が、電力を供給するための外部(非PoDL)PSE302と、PHYとして例示的に選択された、データを処理するための集積回路306aとを含む。分割ユニット314の入力接続要素311および第1の出力接続要素315に沿って進む幹線ケーブル308は、電力線316とデータ線318とを含む。
【0066】
分割ユニット314は、電力線を分割し、一方の分岐線が、第1の出力接続要素315を通って第2の分割ユニット314まで進み、他方の分岐線が、第2の出力接続要素313を通って第2の電子デバイス301まで進む。入力接続要素311を通って受けられるデータ線318は、アクティブユニット307に、次いで第2の出力接続要素313に導かれる。
【0067】
第2の出力接続要素313を通る分岐線において、分割ユニット314は、PSE303であるアクティブユニット307を備える。PSE303は、入力接続要素311および出力接続要素313、315に接続されている。PSE303は、分岐された電力線からデータ線上に電力を供給し、したがって、分割ユニット314は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線320を第2の出力接続要素313に設ける。この(PoDLによる)1本の電力およびデータ線320は、スパーケーブル310を通って第2の電子デバイス301まで進む。この第2の電子デバイスにおいて、第1の集積回路306aがデータを処理し、第1のPD305に電力が供給される。加えて、第2の電子デバイス301は、第2の集積回路306aおよび第2のPD305も含む。これらの部品は、(PoDLによる)第2の電力およびデータ線320により、スパーケーブル310を介して分割ユニット314の第2の出力接続要素313に接続される。(PoDLによる)第2の電力およびデータ線320は、アクティブユニットを通り、次いで第1の出力接続要素315を通って幹線ケーブル308まで進む。
【0068】
第2の電子デバイス301において集積回路306aにより受信されるデータ信号は、交換されネットワークに送られる。図に見られるように、幹線ケーブル308に沿って進む電力線とデータと線は、別個の線である。分割ユニットは、スパーケーブル310を介して外部デバイスを接続するための(PoDLによる)1本の電力およびデータ線のみを設ける。加えて、先の例と同様に、分割ユニット314は、さらなるノードを接続するための1つの別個の電力線316を、第2の出力接続要素313に設けることもできる。
【0069】
この図では、例示的に、分割ユニット314(
図5の左側の分割ユニットおよび右側の分割ユニット)の差込口311、315に取り付けられたコネクタ312は、4本のピンを含む。差込口313に取り付けられたコネクタ312は、図の右側の分割ユニットと比較して、図の左側に示す分割ユニットについて異なる数のピンを含む。左側の分割ユニットの差込口313のコネクタ312は、4本のピンを含み、これは4本のワイヤがスパーケーブル310に沿って進むことを意味する。しかしながら、右側の分割ユニットの差込口313のコネクタ312は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線320ならびに追加の電力線316の他に、(PoDLによる)さらなる電力およびデータ線320もスパーケーブル310に沿って引かれるため、6本のピンを含む。
【0070】
ネットワークを介してデータを送受信する2つの第2の電子デバイス301間の、スパーケーブルおよび幹線ケーブルを含む例示的なケーブル長さa3は、例示的な伝送速度1Gbit/sで40mである。
【0071】
本実施形態についての回路図はここでは省略するが、この構成は、
図3において差込口115を通って差込口113まで進むデータ線を追加することによって、
図3に示す例から明確に推測することができる。このデータ線が差込口113で分割ユニットから出る前に、電力線は、PoDLコントローラによってこの追加のデータ線に引き出され、
図3の例とは対照的に、(PoDLによる)第2の電力およびデータ線が差込口113に設けられるようになっている。
【0072】
図6に、本開示によるP2P構成のネットワークおよび分割ユニットの別のさらなる有利な例が、概略的に示されている。幹線ケーブル408は、電力およびデータを電力線416およびデータ線418のそれぞれにおいて伝送する。電力は、外部(非PoDL)PSE402を介して第1の電子デバイス409に供給される。データ信号は、第1の電子デバイス409の集積回路406aによって供給される。
【0073】
さらに、本開示の有利な例によれば、分割ユニット414は、2つのアクティブユニット407と、SPE切替ユニット406と、PSE403とを備える。SPE切替ユニット406は、入力接続要素411および出力接続要素415、413に接続されている。PSE403は、入力接続要素411および第2の出力接続要素413に接続されている。分割ユニットは、データおよび電力信号を2本のケーブル、すなわち幹線ケーブルにおいて水平方向に延びる1本のケーブルと、スパーケーブルにおいて垂直方向に延びる1本のケーブルとに分割する。分割された分岐線は、スパーケーブル410を介して第2の電子デバイス401に接続されている。さらに、SPE切替ユニット406は、2つの分割されたデータ線の間で切替えを行うことができ、したがって、データを出力接続要素413、415間で割り当てる。第2の電子デバイスは、データを処理するための集積回路406aと、供給される電力によって電力供給される1つのPD405とを含む。
【0074】
幹線ケーブル408に沿って分割ユニット414を通って進む電力信号も、スパーケーブル410に沿って電力を送ることができるように分岐される。PSE403は、分岐された電力線416からデータ線418上に電力を供給する。
【0075】
電力がデータ線上に引き出されると、第2の電子デバイス401は、第2の電子デバイス401の集積回路406aにデータを供給することができるPoDLケーブルを介して、第2の出力接続要素413において分割ユニット414に接続される。この集積回路406aはSPEトランシーバであってよい。さらに、PoDLケーブル420は、第2の電子デバイス401の対応する電力要素405のための電力も供給する。
【0076】
第1の出力接続要素415において、分割ユニット414は、幹線ケーブル408を介して別のさらなる分割ユニット414(
図6の中央)に例示的に接続されている。これらの分割ユニット414間で、データおよび電力が伝送される。第1の分割ユニット414を通って進むデータは、SPE切替ユニット406によってリフレッシュされ、次の分割ユニット414に送られる。この機構により、2つのデバイス間の距離を増加させることができ、同時に、高い伝送速度でデータを伝送することができるため、有利である。第1の例で提示された分割ユニット414によれば、2つの分割ユニット414間または第1の電子デバイス409と1つの分割ユニット414との間の幹線の距離a
4は、例示的な伝送速度1Gbit/sで、例示的に最大40mであってよい。この構成により、大きいネットワークであっても部品数を減らすことができる。加えて、アクティブユニット407を組み込むことにより、スパーケーブル410の例示的な長さa
4は、例示的な伝送速度1Gbit/sで最大40mまで増加する。これによっても、大きいケーブル長さにわたるPoDL技術の使用が可能になる。幹線ケーブルおよびスパーケーブルの到達するケーブル長さおよび伝送速度は、IEEE802.3bp規格1000BASE-T1の要件に対応する。SPE切替ユニットは、SPEトランシーバまたは相当する部品などの少なくとも1つの集積回路を含むことができる。システムの機能について、異なる分割ユニット414のSPE切替ユニット406が同じタイプおよび/または数の部品を含む必要はない。
【0077】
図6に見られるように、左側の第1の分割ユニットと同じアクティブユニットの部品を有して例示的に示す第2の分割ユニット414は、第2の出力接続要素413において第2の電子デバイス401に接続されていない。この場合にも、アクティブユニット407は、電力線からデータ線上に電力を引き出す。しかしながら、第2の出力接続要素413に設けられた(PoDLによる)電力およびデータ線420は、さらに使用されることはない。ここでは、主にデータ線418のデータ信号がリフレッシュされ、第3の分割ユニット414(
図6の右側)に伝送される。
【0078】
図6の右側に示す別の構成で、分割ユニット414は、第2の出力接続要素413において、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線420と1本の追加の電力線416とを出力することもできる。この電力線416は、幹線ケーブル408の主電力線416の分岐線である。この追加の電力線416により、電子デバイス401のさらなるPD部品404に電力を供給することができる。したがって、分割ユニット414は、PoDL技術の規格である1つのノードに電力を供給するだけでなく、第2の出力接続要素413に別個の電力線をさらに設けるときに、複数のノードにも電力を供給するため、有利である。
【0079】
図6は、分割ユニット414の様々なモードを示す。電力およびデータを、1本のPoDLに分配することができ、または、PoDLの他に、追加の電力線を設け、または、分割ユニットのみが、ノードに接続することなく信号をリフレッシュする。
【0080】
この図では、例示的に、分割ユニット414(3つすべてが図示される)の差込口411、415に取り付けられたコネクタ412は、4本のピンを含む。差込口413に取り付けられたコネクタ412は、図の右側の分割ユニットと比較して、図の左側に示す分割ユニットについて異なる数のピンを含む。左側の分割ユニットの差込口413のコネクタ412は、2本のピンを含み、これは2本のワイヤがスパーケーブル410に沿って進むことを意味する。右側の分割ユニットの差込口413のコネクタ412は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線420の他に、1本の追加の電力線416がスパーケーブル410に沿って引かれるため、4本のピンを含む。
【0081】
図7に、アクティブユニットを有する分割ユニット414の例示的な回路設計が、第1の構成で示されている。この例示的な回路図は、電力416とデータ418とが別個の線を介して供給される1つの入力接続要素411および第1の出力接続要素415と、1本の線であるPoDL420を介して電力およびデータが供給される第2の出力接続要素413とを有する分割ユニット414に対応する。
【0082】
分割ユニット414は、1つのSPE切替ユニット406と1つのPSE403とを含む。第1の入力接続要素411から第1の出力接続要素415まで進む電力線は引き出され、第2の出力接続要素413につながる分岐された電力線は、1ポートPSEコントローラ438に供給することができる。このコントローラは、データ線418への電力線416の投入を制御するように動作可能である。したがって、分割ユニットは、第2の出力接続要素413に(PoDLによる)1本の電力およびデータ線420のみを設ける。
【0083】
以下で、データ線の分割および切替えについて説明する。SPE切替ユニット406は、1つのイーサネット3ポートスイッチ430と、3つのSPEトランシーバ(PHY)436a、436b、436cとを例示的に含む。すべてのPHY436a、436b、436cは、媒体独立インターフェース(MII)444または低減された媒体独立インターフェース(RMII)を介して、スイッチ430のイーサネットポートのうちの1つに双方向に接続されている。PHY436a、436cは、入力接続要素411から第1の出力接続要素415まで進む主データ線に配置されている。PHY436bは、第2の出力接続要素413に接続される主線の分岐線に配置されている。スイッチ430により、主線の分割が可能になり、分割された線を選択的に切り替えることができる。この例では、1つのSPE切替ユニットおよび1つのPSEである2つのアクティブユニットが示されているが、3つ以上のアクティブユニット、したがって複数のPSEおよび/または複数のSPE切替ユニットを分割ユニットに組み入れてもよいことが明らかである。さらに、SPEトランシーバ436a、436b、436cは、任意の他のタイプの集積回路であってもよく、PHYに限定されないことが明らかである。
【0084】
入力接続要素411を通って幹線ケーブルに沿って進むデータ線418は、変圧器ユニット441に接続されている。この変圧器ユニット441は、変圧器と、干渉周波数を抑制するコモンモードチョークと、静電放電(ESD)などの有害な電圧過渡変化から電子を保護するための過渡電圧サプレッサ(TVS)ダイオードとを含む。変圧器ユニット441は、媒体依存インターフェース(MDI)442を介してPHY436aに接続されている。第1の出力接続要素415において、PHY436cも、第1の出力接続要素415に接続される前に、MDI接続442を介して、フィルタ要素を有する変圧器440に接続されている。同様に、PHY436bは、フィルタ要素を有する変圧器440に接続され、次いで第2の出力接続要素413に接続されている。データ線418が第2の出力接続要素413において分割ユニット414から出る前に、電力線416がデータ線418上に引き出される。
【0085】
さらに、分割ユニット414は、PSU434によって電力が供給されるホストCPU432も含む。電源ユニット434は、電力線416の電力を、分割ユニット414の部品用のより低い電力に変換する。CPU432の他に、PSU434は、PHY436a、イーサネットスイッチ430、およびPSEコントローラ438に接続され、電力445をこれらの部品に供給する。ホストCPU432は、MDIO443インターフェースを介してPHY436a、436cおよびイーサネットスイッチ430に双方向に接続されて、PHYの制御レジスタおよび状態レジスタを読み書きする。
【0086】
図8にも分割ユニット414が示されているが、追加の電力線416が第2の出力接続要素413に設けられている。この電力線は、PSEコントローラ438を通らず、第2の出力接続要素413に直接接続されている。この図は、
図6にも示す分割ユニット414の有利な例に対応する。
【0087】
図9に、マルチドロップトポロジのネットワークを有する本開示の別のさらなる有利な例が、概略的に示されている。
【0088】
分割ユニット514も、2つのアクティブユニット507を含むが、異なる構成を有する。見て取れるように、SPE切替ユニット506が、PSE503と並列に配置されている。また、SPE切替ユニットは、分割ユニット514を通る幹線に配置されるのではなく、第2の電子デバイス501に向かう分岐された線に配置される。SPE切替ユニット506は、入力接続要素511および第2の出力接続要素513に接続されている。PSE503は、入力接続要素511および第2の出力接続要素513に接続されている。
【0089】
この例では、第1の電子デバイス509は、1つの集積回路506aと、電力をネットワークに供給する1つの外部(非PoDL)PSE502とを含む。第2の電子デバイス501は、集積回路506aと、ネットワークによって電力供給される1つの受電デバイス505とを含む。加えて、第2の電子デバイス501は、追加の電力線によって電力供給され得る第2のPSE504を含むこともできる。
【0090】
この構成において、分割ユニット514のPSE503も、電力線からデータ線上に電力を引き出すことを可能にし、したがって、スパーケーブル510を介して第2の電子デバイス501にPoDL信号520を確立する。しかしながら、SPE切替ユニット506の位置が異なることにより、電力線516およびデータ線518から構成される幹線が、データ信号をリフレッシュすることなく分割ユニット514を通って送られる。したがって、この構成により実現可能な例示的な幹線ケーブルの全長b5は、例示的な伝送速度10Mbit/sで25mである。
【0091】
分割ユニット514において、電力線516およびデータ線518が分岐され、データ線518の垂直分岐線に、SPE切替ユニットが位置する。したがって、データ信号は、この垂直方向においてのみリフレッシュされる。したがって、電力をデータ線上に引き出した後、第2の電子デバイス501を接続する(PoDLによる)1本の電力およびデータ線520を有する例示的なスパーケーブル510は、例示的な伝送速度10Mbit/sで最大1kmの長さc5に到達する。
【0092】
分割ユニット514をこのマルチドロップトポロジに含めることより、幹線ケーブルの10BASE-T1Sと、スパーケーブルの10BASE-T1Lとを使用することができる。したがって、この分割ユニット514の構成は、幹線ケーブルと外部デバイスとの距離が非常に大きいネットワークに適用可能である。
【0093】
ここでも、分割ユニット514により、第2の出力接続要素513に電力およびデータを供給する様々なモードが可能になる。または、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線520は、スパーケーブル510を通って第2の電子デバイス501まで進む、またはスパーケーブル、したがって第2の電子デバイスが、第2の出力接続要素513に接続されず、電力およびデータ信号は単に分割ユニット514を通って送られる。あるいは、第2の電子デバイス501は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線520だけでなく、追加の電力線516にも接続される。したがって、ここでも、分割ユニット514を介して複数のノードに電力供給することができる。この最後のモードについてのスパーケーブル510の到達可能な長さc5は、前述したものと同じである。分割ユニット514の接続モードに応じて、分割された線は、デバイス501に接続されるか、または単に第2の出力接続要素513で終端される。
【0094】
この図では、例示的に、分割ユニット514(3つすべてが図示される)の差込口511、515に取り付けられたコネクタ512は、4本のピンを含む。差込口513に取り付けられたコネクタ512は、図の右側の分割ユニットと比較して、図の左側に示す分割ユニットについて異なる数のピンを含む。左側の分割ユニットの差込口513のコネクタ512は、2本のピンを含み、これは2本のワイヤがスパーケーブル510に沿って進むことを意味する。右側の分割ユニットの差込口513のコネクタ512は、(PoDLによる)1本の電力およびデータ線520の他に、1本の追加の電力線516がスパーケーブル510に沿って引かれるため、4本のピンを含む。
【0095】
このマルチドロップイーサネット構成500において、最後の分割ユニット(右側)514は、第1の出力接続要素515においてフィールド終端ユニット522により終端されている。この終端ユニットは、任意のタイプのものであってよく、ここでは、100オームのデータ線および0.1μFの電力線を終端するものとして例示的に選択されている。
【0096】
図10に、分割ユニット514の例示的な回路設計が示されている。この例示的な回路図は、電力516とデータ518とが別個の線を介して供給される1つの入力接続要素511および第1の出力接続要素515と、1本の線であるPoDL520を介して電力およびデータが供給される第2の出力接続要素513とを有する分割ユニット514に対応する。
【0097】
分割ユニット504は、1つのPSE503と1つのSPE切替ユニット506とを含む。第1の入力接続要素511から第1の出力接続要素515まで進む電力線546は引き出され、第2の出力接続要素513につながる分岐された電力線は、1ポートPSEコントローラ538を通ることができる。このコントローラは、データ線518への電力線516の投入を制御するように動作可能である。したがって、分割ユニットは、第2の出力接続要素513に(PoDLによる)1本の電力およびデータ線のみを設ける。
【0098】
本実施形態において、SPE切替ユニット506は、2つのSPEトランシーバ(PHY)536a、536bと1つのイーサネット2ポートスイッチ530とを含む。図に見られるように、データ線518は、幹線に沿って分割ユニット514を通って入力接続要素511から第1の出力接続要素515まで進む。このデータ線518は引き出され、分岐された線が変圧器ユニット541に接続されている。この変圧器ユニット541は、変圧器と、干渉周波数を抑制するコモンモードチョークと、静電放電などの有害な電圧過渡変化から電子を保護するための過渡電圧サプレッサダイオードとを含む。変圧器ユニット541は、MDI542を介してPHY536aに接続されている。このPHYはイーサネットスイッチ530と双方向に通信し、イーサネットスイッチ530は第2のPHY536bとも双方向に通信する。このPHY536bは、MDI542を介して、フィルタ要素を有する変圧器540に接続されている。変圧器から出るデータ線は、第2の出力接続要素513に向けられる。このデータ線518が分割ユニット514から出る前に、電力線516は、データ線518上に引き出されて、第2の出力接続要素513に(PoDLによる)1本の電力およびデータ線520を設ける。
【0099】
分割ユニット514にイーサネットスイッチ530を含めることにより、非常に短いスパーケーブルを有する幹線ケーブルに存在する10BASE-T1Sの欠点をなくし、実現可能なスパーケーブル長さを最大1000mまで増加させるため、有利である。
【0100】
さらに、分割ユニット514は、電源ユニット534によって電力が供給されるホスト中央処理ユニット532も含む。電源ユニット534は、電力線516の電力を、分割ユニット514の部品用のより低い電力に変換する。CPU532の他に、PSU534は、PHY536a、イーサネットスイッチ530、およびPSEコントローラ538に接続され、電力545をこれらの部品に供給する。ホストCPU532は、MDIO543のインターフェースを介してPHY536aおよびイーサネットスイッチ530に双方向に接続されて、PHYの制御レジスタおよび状態レジスタを読み書きする。
【0101】
また、本実施形態において、主電力線518(図示せず)から引き出された追加の電力線を第2の出力接続要素513に設けることもできる。
【符号の説明】
【0102】
90、100、200、300、400、500 ハイブリッドイーサネット電力システム
9、109、209、309、409、509 第1の電子デバイス
1、101、201、301、401、501 第2の電子デバイス
102、202、302、402、502 電子デバイスのPSE(非PoDL)
3、103、203、303、403、503 アクティブユニットのPSE(PoDL)
104、204、304、404、504 電子デバイスのPD(非PoDL)
5、105、205、305、405、505 電子デバイスのPD(PoDL)
106、206、306、406、506 SPE切替ユニット
106a、206a、306a、406a、506a 電子デバイスの集積回路
7、107、207、307、407、507 アクティブユニット
8、108、208、308、408、508 幹線ケーブル
10、110、210、310、410、510 スパーケーブル
11、111、211、311、411、511 入力接続要素
12、112、212、312、412、512 コネクタ
13、113、213、313、413、513 第2の出力接続要素
14、114、214、314、414、514 分割ユニット
15、115、215、316、415、515 第1の出力接続要素
16、116、216、316、416、516 電力線
217、317 インラインコネクタ
18、118、218、318、418、518 データ線
20、120、220、320、420、520 (PoDLによる)データおよび電力線
122、522 終端装置
430、530 イーサネットスイッチ
132、432、532 ホストCPU
134、434、534 電源ユニット
436a、436b、436c、536a、536b SPEトランシーバ(PHY)
138、438、538 PSEコントローラ(PoDL)
440、540 フィルタ要素を有する変圧器
441、541 変圧器ユニット
442、542 媒体依存インターフェース
143、443、543 管理データ入力/出力
444、544 媒体独立インターフェース(MII)
145、445、545 電力
a2、a3、a4 ケーブル長さ
b1、b5 ケーブル長さ
c5 ケーブル長さ
d1 ケーブル長さ
【外国語明細書】