IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コルボ ユーエス インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-180246無線通信システムで使用するためのアンテナアセンブリおよびアンテナモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180246
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】無線通信システムで使用するためのアンテナアセンブリおよびアンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/27 20060101AFI20231213BHJP
   H01Q 15/14 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H01Q9/27
H01Q15/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023094065
(22)【出願日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】63/350,062
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/358,941
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/175,943
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517216431
【氏名又は名称】コルボ ユーエス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ズウェールス,ヤン-ウィレム
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
(57)【要約】
【課題】無線通信システムの一部として制御ユニットに結合されたアンテナモジュールの一部を形成するアンテナアセンブリを提供する。
【解決手段】二つの主要な垂直偏波を有するアンテナモジュールの一部を形成する、最適化された伝搬遅延を有する一つ以上の交差偏波アンテナアセンブリを備える無線通信システム。各アンテナモジュールにおける分離またはクロストークは、セクター化された平面分離および相関エンハンサーを、グランドプレーン開口部構造の形態で実装することによって最小化される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端部および第二の端部を有する、第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、
前記第一の端部から外側に、前記第二の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第一のらせんセグメントと、
前記第二の端部から外側に、前記第一の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第二のらせんセグメントと、を備え、
前記細長い中央セグメント、前記第一のらせんセグメント、および前記第二のらせんセグメントの各々が導電性であり、アンテナ素子を形成する、アンテナアセンブリ。
【請求項2】
前記細長い中央セグメント、前記第一のらせんセグメント、および前記第二のらせんセグメントが、第一の平面内に存在する、請求項1に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項3】
前記第一のらせんセグメントおよび前記第二のらせんセグメントが、前記細長い中央セグメントの反対側にある、請求項2に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項4】
その上またはその中に前記アンテナ素子が存在するアンテナ基板をさらに備え、前記アンテナ基板が誘電材料を含む、請求項3に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項5】
前記細長い中央セグメントに接続され、かつそこから延在する接続部材をさらに備え、前記接続部材が導電性である、請求項4に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項6】
上面および底面を有するグランドプレーンを備えるグランドプレーンアセンブリと、
前記グランドプレーンの上面の上に配置された複数のアンテナアセンブリと、を備え、各アンテナアセンブリが、
第一の端部および第二の端部を有する、第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、
前記第一の端部から外側に、前記第二の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第一のらせんセグメントと、
前記第二の端部から外側に、前記第一の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第二のらせんセグメントと、を備え、
前記細長い中央セグメント、前記第一のらせんセグメント、および前記第二のらせんセグメントの各々が導電性であり、アンテナ素子を形成する、アンテナモジュール。
【請求項7】
前記グランドプレーンに複数の中央開口部をさらに備え、各中央開口部が、第一の端部および第二の端部を有する細長い開口部であり、前記複数の中央開口部が、グランドプレーン開口部構造の一部を形成する、請求項6に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記複数のアンテナアセンブリが、前記グランドプレーンアセンブリ上の点の周りに半径方向に同じ距離で配置され、かつ120度に等しい角度で均等に分布した三つのアンテナアセンブリを含む、請求項7に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記グランドプレーンアセンブリが円形であり、前記グランドプレーンアセンブリ上の点が、前記グランドプレーンアセンブリの中心点である、請求項8に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記グランドプレーン開口部構造が、等しい長さで半径方向に外側に延在し、120度に等しい角度で均等に分布した三つの中央開口部を備え、三つの中央開口の各々は、前記中心点で交差する第一の端部と、前記グランドプレーンにY字型を形成する前記複数のアンテナアセンブリの隣接する対の間に延在する第二の端部とを有する、請求項9に記載のアンテナモジュール。
【請求項11】
前記グランドプレーン開口部構造が、九つのサブ中央開口部をさらに備え、九つのサブ中央開口部の各々三つは、中央開口部の隣接する対に平行に延在する前記三つのサブ中央開口部のうちの二つを有する中央開口部の三つの隣接する対のうちの一つと、前記中心点に延在して接続する前記三つのサブ中央開口部のうちの一つとの間に形成される角度の二等分線上の点から、120度に等しい角度で均等に分布して半径方向に外側に延在する、請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項12】
前記グランドプレーン開口部構造が、三つの外側開口部をさらに備え、各外側開口部は、三つのアンテナアセンブリのうちの一つに平行で、かつ前記中心点に関して前記アンテナアセンブリの反対側にある、前記グランドプレーンの細長い開口部である、請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項13】
前記グランドプレーン開口部構造が、前記グランドプレーン開口部構造に結合された一つ以上の負荷をさらに備える、請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項14】
前記複数のアンテナアセンブリの各々が、互いに同じである、請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項15】
前記複数のアンテナアセンブリの各々が、前記グランドプレーンアセンブリに対して実質的に垂直である、請求項14に記載のアンテナモジュール。
【請求項16】
その上またはその中に前記アンテナ素子が存在するアンテナ基板をさらに備え、前記アンテナ基板が誘電材料を含む、請求項15に記載のアンテナモジュール。
【請求項17】
前記グランドプレーンアセンブリが、その上またはその中に前記グランドプレーンが存在するグランドプレーン基板をさらに含む、請求項16に記載のアンテナモジュール。
【請求項18】
前記グランドプレーン基板が、前記グランドプレーン開口部構造の底面の一部を形成する、請求項17に記載のアンテナモジュール。
【請求項19】
前記第一のらせんセグメントおよび前記第二のらせんセグメントが、前記細長い中央セグメントの反対側にある、請求項18に記載のアンテナモジュール。
【請求項20】
前記細長い中央セグメント、前記第一のらせんセグメント、および前記第二のらせんセグメントが、第一の平面内に存在する、請求項19に記載のアンテナモジュール。
【請求項21】
前記グランドプレーンアセンブリが、複数の貫通孔をさらに備える、請求項20に記載のアンテナモジュール。
【請求項22】
前記三つのアンテナアセンブリの各々が、前記細長い中央セグメントに接続され、そこから延在する接続部材をさらに備え、前記接続部材が導電性であり、それぞれの貫通孔の各々に挿入されている、請求項21に記載のアンテナモジュール。
【請求項23】
前記グランドプレーンアセンブリが平面状であり、第二の平面内に存在する、請求項22に記載のアンテナモジュール。
【請求項24】
前記アンテナモジュールの動作周波数が5~20GHzの範囲である、請求項23に記載のアンテナモジュール。
【請求項25】
制御ユニットと、
前記制御ユニットと関連付けられたアンテナモジュールであって、
上面および底面を有するグランドプレーンを備えるグランドプレーンアセンブリと、
前記グランドプレーンの上面の上に配置された複数のアンテナアセンブリと、を備える、アンテナモジュールと、を備え、各アンテナアセンブリが、
第一の端部および第二の端部を有する、第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、
前記第一の端部から外側に、前記第二の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第一のらせんセグメントと、
前記第二の端部から外側に、前記第一の端部に向かって後方に、かつ前記細長い中央セグメントに沿って少なくとも部分的に内側に延在する第二のらせんセグメントと、を備え、
前記細長い中央セグメント、前記第一のらせんセグメント、および前記第二のらせんセグメントの各々が導電性であり、アンテナ素子を形成する、無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2022年6月8日に出願された仮特許出願第63/350,062号、および2022年7月7日に出願された仮特許出願第63/358,941号の利益を主張するものであり、それらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、無線通信システムで使用するためのアンテナアセンブリおよびアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、無線充電技術を使用して電気車両(EV)を充電するには、電気車両が、グランドプレーン充電パッド(GPCP)の上に位置付けられ、最も正確に整列されることを必要とする。こうした正確度を有する無線充電技術は、GPCPと、GPCPに関連してEVの位置を識別することが可能なEVとの間に、信頼できる無線通信ネットワークを確立するための無線通信システムを必要とする。
【0004】
したがって、GPCPからEVの距離および方向を決定するために使用される超広帯域(UWB)信号を送信および/または受信しながら、低い出力相関、低交差偏波、および高利得を有する二つの主要な垂直偏波で動作するように最適化された無線通信システムの一部として、制御ユニットに結合されたアンテナモジュールの一部を形成するアンテナアセンブリを開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
これを考慮して、本開示の実施形態は、先行技術に関連する技術的問題を解決するために、無線通信システムの一部として制御ユニットに結合されたアンテナモジュールの一部を形成するアンテナアセンブリを提供する。
【0006】
第一の態様では、本開示の一実施形態は、第一の端部および第二の端部を有する第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、第一の端部から外側に、第二の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って内側に延在する第一のらせんセグメントと、第二の端部から外側に、第一の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って延在する第二のらせんセグメントとを備える、アンテナアセンブリを提供する。同じ実施形態によれば、細長い中央セグメント、第一のらせんセグメント、および第二のらせんセグメントの各々は導電性であり、アンテナ素子を形成する。一実施形態では、細長い中央セグメント、第一のらせんセグメント、および第二のらせんセグメントは、第一の平面内に存在する。さらに別の実施形態では、第一のらせんセグメントおよび第二のらせんセグメントは、細長い中央セグメントの反対側にある。アンテナアセンブリは、アンテナ素子がその上および/またはその中に存在するアンテナ基板をさらに備え、アンテナ基板は誘電材料を含む。一実施形態によれば、アンテナアセンブリは、細長い中央セグメントに接続され、かつそこから延在する接続部材を備え、接続部材は導電性である。
【0007】
第二の態様では、本開示の一実施形態は、上面および底面を有するグランドプレーンをさらに含むグランドプレーンアセンブリを備えるアンテナモジュールを提供する。アンテナモジュールは、グランドプレーンの上面の上に配置された複数のアンテナアセンブリをさらに備え、各アンテナアセンブリは、第一の端部および第二の端部を有する第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、第一の端部から外側に、第二の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って内側に延在する第一のらせんセグメントと、第二の端部から外側に、第一の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って延在する第二のらせんセグメントとを備える。細長い中央セグメント、第一のらせんセグメント、および第二のらせんセグメントの各々は導電性であり、アンテナ素子を形成する。
【0008】
一実施形態によれば、アンテナモジュールは、グランドプレーンに複数の中央開口部をさらに備え、各中央開口部は、第一の端部および第二の端部を有する細長い開口部であり、複数の中央開口部は、グランドプレーン開口部構造の一部を形成する。さらに別の実施形態では、複数のアンテナアセンブリは、グランドプレーンアセンブリ上の点の周りに半径方向に同じ距離で配置され、かつ120度に等しい角度で均等に分布した三つのアンテナアセンブリを含む。一実施形態によれば、グランドプレーンアセンブリは円形であり、グランドプレーンアセンブリ上の点は、グランドプレーンアセンブリの中心点である。グランドプレーン開口部構造は、等しい長さで半径方向に外側に延在し、120度に等しい角度で均等に分布した三つの中央開口部を備える。三つの中央開口の各々は、中心点で交差する第一の端部と、グランドプレーンにY字型を形成する複数のアンテナアセンブリの隣接する対の間に延在する第二の端部とを有する。
【0009】
一実施形態では、グランドプレーン開口部構造は、九つのサブ中央開口部をさらに備え、九つのサブ中央開口部の各々三つは、中央開口部の隣接する対に平行に延在する三つのサブ中央開口部のうちの二つを有する中央開口部の三つの隣接する対のうちの一つと、中心点に延在して接続する三つのサブ中央開口部のうちの一つとの間に形成される角度の二等分線上の点から、120度に等しい角度で均等に分布して半径方向に外側に延在する。グランドプレーン開口部構造は、三つの外側開口部をさらに備えてもよく、各外側開口部は、三つのアンテナアセンブリのうちの一つに平行で、かつ中心点に関してアンテナアセンブリの反対側にある、グランドプレーンの細長い開口部である。グランドプレーン開口部構造は、グランドプレーン開口部構造に結合された一つ以上の負荷をさらに備えてもよい。
【0010】
一実施形態では、複数のアンテナアセンブリの各々は、互いに同一である。複数のアンテナアセンブリの各々は、グランドプレーンアセンブリに対して実質的に垂直である。アンテナモジュールは、アンテナ素子がその上またはその中に存在するアンテナ基板をさらに備え、アンテナ基板は誘電材料を含む。グランドプレーンアセンブリは、グランドプレーンがその上またはその中に存在するグランドプレーン基板をさらに含む。グランドプレーン基板は、グランドプレーン開口部構造の底面の一部を形成する。
【0011】
一実施形態によると、第一のらせんセグメントおよび第二のらせんセグメントは、細長い中央セグメントの反対側にある。細長い中央セグメント、第一のらせんセグメント、および第二のらせんセグメントは、第一の平面内に存在する。グランドプレーンアセンブリは、複数の貫通孔をさらに備える。三つのアンテナアセンブリの各々は、細長い中央セグメントに接続され、そこから延在する接続部材をさらに備え、接続部材は導電性であり、それぞれの貫通孔の各々に挿入される。グランドプレーンアセンブリは平面状であり、第二の平面内に存在する。アンテナモジュールの動作周波数は、5~20GHzの範囲内であってもよい。
【0012】
第三の態様では、本開示の実施形態は、制御ユニットおよび制御ユニットと関連付けられたアンテナモジュールを備える無線通信システムを提供する。アンテナモジュールは、上面および底面を有するグランドプレーンをさらに含むグランドプレーンアセンブリを備える。アンテナモジュールは、グランドプレーンの上面の上に配置された複数のアンテナアセンブリをさらに備え、各アンテナアセンブリは、第一の端部および第二の端部を有する第一の軸に沿った細長い中央セグメントと、第一の端部から外側に、第二の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って内側に延在する第一のらせんセグメントと、第二の端部から外側に、第一の端部に向かって後方に、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメントに沿って延在する第二のらせんセグメントとを備える。細長い中央セグメント、第一のらせんセグメント、および第二のらせんセグメントの各々は導電性であり、アンテナ素子を形成する。
【0013】
別の態様では、前述の態様のいずれかを、個別にまたは一緒に、および/または本明細書に記載される様々な別個の態様および特徴を、さらなる利益のために組み合わせてもよい。本明細書に開示する様々な特徴および要素のいずれも、本明細書にこれと反対の指示がない限り、一つ以上の他の開示された特徴および要素と組み合わせることができる。
【0014】
当業者であれば、添付図面に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、本開示の範囲を理解し、その追加的な態様を悟るであろう。
【0015】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本開示の一実施形態による例示的なアンテナアセンブリの正面図を示す。
図2A図2Aは、細長い中央セグメントから延在する接続部材を有するアンテナアセンブリを示す。
図2B図2Bは、例示的なアンテナアセンブリの等角図を示す。
図3図3は、本開示の一実施形態による例示的なアンテナモジュールを示す。
図4図4は、グランドプレーンアセンブリの一部を形成する貫通孔を有するアンテナモジュールの例示的な図を示す。
図5図5は、アンテナモジュールの例示的な実施形態を示す。
図6図6は、グランドプレーンアセンブリの一部を形成する接続端子を有するアンテナモジュールの例示的な実施形態を示す。
図7A図7Aは、本開示によるアンテナアセンブリの他の例示的な実施形態の概略図を示す。
図7B図7Bは、本開示によるアンテナアセンブリの他の例示的な実施形態の概略図を示す。
図8A図8Aは、本開示の実施形態に従って設計されたアンテナモジュールの放射パターンを示す。
図8B図8Bは、本開示の実施形態に従って設計されたアンテナモジュールの放射パターンを示す。
図9図9は、三つの実質的に類似したアンテナアセンブリを含むアンテナモジュールの例示的な実施形態を示す。
図10図10は、グランドプレーン開口部構造をさらに備えるアンテナモジュールの例示的な実施形態を示す。
図11図11は、三つの二次的グランドプレーン開口部をさらに含む、図10のアンテナモジュールの上面図を示す。
図12図12は、グランドプレーン開口部構造の一部を形成する容量性負荷を有するアンテナモジュールの例示的な実施形態を示す。
図13図13は、単数かつ単一のグランドプレーン開口部構造の一部を形成する追加のグランドプレーン開口部をさらに含む、図10に示す例示的なアンテナモジュールを示す。
図14図14は、図13のアンテナモジュールの上面図である。
図15A図15Aは、電気車両の底面下に取り付けられた第一のネットワーキング装置と、グランドプレーン充電パッドの上面の上に取り付けられた第二のネットワーキング装置とを有する無線通信システムを示す。
図15B図15Bは、電気車両の底面下に取り付けられた第一のネットワーキング装置と、グランドプレーン充電パッドの上面の上に取り付けられた第二のネットワーキング装置とを有する無線通信システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実践する最善モードを例示する。添付の図面に照らして以下の説明を読んだ後、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書に特に記載されていないこれらの概念の適用を認識するであろう。当然のことながら、これらの概念および適用は、本開示の範囲および付随する特許請求の範囲に含まれる。
【0018】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のあらゆるすべての組み合わせを含む。層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上へ」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上へ延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上へ」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上に延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上に」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。
【0019】
本明細書で使用される場合、別段の明示的な記載がない限り、一つの構成要素/特徴が、別の構成要素/特徴と直接物理的に接触することを意味する。同様に、別段の明示的な記載がない限り、「結合された」または「連結された」または「接合された」とは、一つの構成要素/特徴が、別の構成要素/特徴に直接的または間接的に結合され(または直接的もしくは間接的に通信し)、必ずしも物理的に直接接続されていないことを意味する。したがって、図は、要素の配置の例を描写している場合があるが、追加の介在要素、装置、特徴、または構成要素が、実際の実施形態には存在してもよい。
【0020】
図に示すように、一つの要素、層、または領域と別の要素、層、または領域との関係を記述するために、本明細書では、例えば「~より下」または「~より上」または「上の」または「下の」などの相対的用語が使用され得る。これらの用語および上述したものは、図に描写された配向に加えて、装置の異なる配向を包含することが意図されていることが理解される。
【0021】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のみに使用され、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別途明確に示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、および/または「including(含む)」は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはそのグループの存在または追加を妨げないことがさらに理解されるであろう。
【0022】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および学術用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0023】
「電磁場」という用語は、電界、磁界、またはそれらの組み合わせを指す。より具体的には、電磁場は、静止荷電物体間、または距離を置いて移動している荷電物体間の力の相互作用の強さを記述する。例えば、電磁場は、無線通信におけるアンテナおよび/または他の物体の相互作用を記述するために用いられ得る。電磁場は、一定または時変のいずれかであり得る。
【0024】
さらに、以下の記述では、方向は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の用語を使用して記述されることがある。X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、互いに直交する。さらに、以下の記述では、「上面において見た」とは、問題の物体をZ軸方向から見ていることを示し、一方、「正面から見た」または「正面図」は、問題の物体をY軸方向から見ていることを示す。
【0025】
さらに、本開示において、「同じ」、「実質的に類似した」、「実質的に等しい」という用語は、同一である物体を指すのではなく、「実質的に同じ」物体を指す。例えば、物体として「実質的に同じ」とは、二つの間の差が製造誤差の範囲内に留まる別の物体を指し得る。
【0026】
本明細書に記載される様々な例示的な実施形態の特徴は、別段の記載がない限り、互いに組み合わされてもよいことが理解されるべきである。本明細書に記載される特定の実施形態は、本出願の単なる例示であり、本出願を限定することを意図するものではない。本出願は、本明細書および添付の特許請求の範囲によって定義される本出願の趣旨および範囲内に含まれ得る、任意の代替物、修正物、等価物、および代替物を網羅することを意図している。
【0027】
図1は、本開示の一実施形態による例示的なアンテナアセンブリ100の正面図を示す。アンテナアセンブリ100は、アンテナ基板20の中および/または上に存在するアンテナ素子10を備える。一実施形態によれば、アンテナ基板20は、アンテナ素子10に機械的支持および/または電気的分離を提供し得る。アンテナ基板20は、プリント回路基板材料、集積回路パッケージ基板、および/または誘電材料またはFR-4などの任意の他の適切な絶縁層を含む非導電性作製アンテナバッキング構造のうちの一つ以上であってもよい。
【0028】
アンテナ素子10は、第一の軸Pに沿って延在し、かつ第一の端部12aおよび第二の端部12bを有する細長い中央セグメント12と、第一のらせんセグメント14と、第二のらせんセグメント16とを備える。細長い中央セグメント12、第一のらせんセグメント14、および第二のらせんセグメント16は、導電性であり、第一の平面T内に存在する単片の部品を形成する。実施形態によれば、第一の軸Pに沿ったアンテナ素子10の高さHは、7mm~13mmの範囲である。さらに別の実施形態では、第一の平面Tの軸Lに沿い、第一の軸Pに垂直なアンテナ素子10の幅W1は、6~15の範囲である。
【0029】
図2Aは、接続部材18を有するアンテナアセンブリ100の例示的な実施形態を示す。一実施形態によれば、第一のらせんセグメント14は、細長い中央セグメント12の第一の端部12aから外側に延在する第一のセクション14aと、細長い中央セグメント12の第二の端部12bに向かって後方に延在する第二のセクション14bと、内側へ、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメント12に沿って延在する第三のセクション14cとをさらに備える。同じ実施形態では、第二のらせんセグメント16は、細長い中央セグメント12の第二の端部12bから外側に延在する第四のセクション16aと、細長い中央セグメント12の第一の端部12aに向かって後方に延在する第五のセクション16bと、内側へ、かつ少なくとも部分的に細長い中央セグメント12に沿って延在する第六のセクション16cとをさらに備える。
【0030】
一実施形態によれば、第一のらせんセグメント14および第二のらせんセグメント16は、細長い中央セグメント12の反対側にある。一実施形態では、その構造平面に沿ったアンテナ素子10の厚さは、均一または不均一であってもよく、0.1mm~2mmの範囲であってもよい。一実施形態によれば、軸Pに垂直な軸Lに沿ったアンテナ素子10の各セグメントおよびセクションの幅は、その構造形状に沿って、かつ表1に従って、均一または非均一であってもよい。
【表1】
【0031】
なお、図2Aはアンテナアセンブリ100を単一ユニットとして描写しているが、アンテナ基板20の中および/または上に存在するアンテナ素子10のセグメントおよびセクションの寸法は、6GHz~12GHZの範囲およびそれを超えるアンテナアセンブリ100の動作周波数に影響を与え得る。
【0032】
図2Bは、接続部材18を有するアンテナアセンブリ100の等角図を示す。接続部材18は、導電性であり、アンテナ素子10の細長い中央セグメント12に機械的に接続し、そこから延在する。一実施形態では、接続部材18は、アンテナアセンブリ100に機械的支持を提供する。さらに別の実施形態では、接続部材18は、アンテナ基板20の中および/または上に存在するアンテナ素子10に、信号供給ラインおよび制御ユニット(図示せず)のうちの少なくとも一つへの電気接続経路を提供するように構成される。
【0033】
図3は、本開示の一実施形態による例示的なアンテナモジュール110を示す。アンテナモジュール110は、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に配置されたアンテナアセンブリ100を備える。アンテナアセンブリ100は、図1ならびに図2Aおよび2Bに記載されるアンテナアセンブリ100と実質的に類似しており、論じられたものと類似の参照を有する。
【0034】
ここで再び図3を参照すると、アンテナアセンブリ100は、アンテナ素子10およびアンテナ基板20を備える。グランドプレーンアセンブリ30は、グランドプレーン基板34の中および/または上に存在するグランドプレーン32を備える。一実施形態によれば、接続部材18は、グランドプレーンアセンブリ30を通して差し込み、アンテナアセンブリ100に機械的支持を提供し、グランドプレーンアセンブリ30の上方にアンテナアセンブリ100を機械的に保持する役割を果たす。さらに別の実施形態によれば、接続部材18はさらに、アンテナ素子10を信号供給ラインおよび制御ユニット(図示せず)のうちの少なくとも一つに電気的に接続するように構成される。接続部材18、それゆえアンテナ素子10は、必ずしも「接地」されていない場合があるグランドプレーン32から電気的に分離される。グランドプレーン32は、アンテナ素子10に対する電磁基準を提供し得る。グランドプレーン32は、アンテナ素子10によって放射される電磁波に対する反射体として機能する。
【0035】
図4は、グランドプレーンアセンブリ30に貫通孔36を有するアンテナモジュール110の例示的な図を示す。一実施形態によれば、貫通孔36は、グランドプレーンアセンブリ30に垂直に延在する穴を備え、グランドプレーン32の上面の上に上面開口部と、グランドプレーンアセンブリ30の底面30bの上に底面開口部(図示せず)とを形成する。グランドプレーンアセンブリ30は、第二の平面Tにおいて平面状であってもよい。
【0036】
接続部材18は、上面開口部から貫通孔36に入り、グランドプレーンアセンブリ30の電気的に分離されたチャネルを通過し、底面開口部(図示せず)から出て、接続部材18およびアンテナ素子10に、グランドプレーンアセンブリ30の底面の上の、およびアンテナアセンブリ100が存在する表面とは反対の、信号供給ラインおよび制御ユニット(図示せず)のうちの少なくとも一つへの接続経路を提供し得る。前述のように、貫通孔36は、接続部材18、それゆえアンテナ素子10をグランドプレーン32から電気的に分離する。一実施形態では、貫通孔36は、アンテナアセンブリ100を、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に所望の配向で保持するための機械的支持をさらに提供する。グランドプレーン32は、20mm~60mmの範囲およびそれを超える直径Dを有する円形であってもよい。一実施形態では、その構造平面に沿ったグランドプレーン32の厚さは、均一であっても不均一でもよく、0.001mm~0.5mmの範囲であってもよい。特定の実施形態では、アンテナモジュール110のインピーダンス整合および放射図は、グランドプレーン32の大きさの関数である。
【0037】
図5は、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に配置されたアンテナアセンブリ100を備える、アンテナモジュール110の例示的な実施形態を示す。アンテナアセンブリ100は、第一の平面Tにおいて平面状であり、第一の軸Pを有する。グランドプレーンアセンブリ30は、第二の平面Tにおいて平面状である。アンテナアセンブリ100は、グランドプレーンアセンブリ30の上面30a上の点Qで、グランドプレーンアセンブリ30の上に配置されてもよい。
【0038】
アンテナアセンブリ100は、アンテナ素子10が、グランドプレーンアセンブリ30の上面30a上の点Qから第二の平面Tの第一の側に向かって面するように配向されてもよい。角度θは、点Qにおいて、第二の平面Tの第一の側に対する第一の平面Tの第一の軸Pの間で決定される。アンテナアセンブリ100は、グランドプレーンアセンブリ30と45~180度の範囲の非ゼロ角度θを形成する。特定の実施形態では、アンテナモジュール110の性能は、角度θの関数である。
【0039】
図6は、グランドプレーンアセンブリ30の一部を形成する接続端子38を有するアンテナモジュール110の例示的な実施形態を示す。接続端子38は、グランドプレーンアセンブリ30の底面の上の第二のポート38bと一つ以上の接続経路を共有する、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上の第一のポート38aを備える。一実施形態では、第一のポート38aは、アンテナアセンブリ100をグランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に構造的に保持し、接続部材18、それゆえアンテナ素子10に第二のポート38bへの第一の接続経路を提供するように構成される。
【0040】
第二のポート38bは、第一のポート38aに、接続部材18への第一の接続経路と、グランドプレーン32への第二の接続経路とを提供するように構成されてもよく、第一の接続経路と第二の接続経路は互いに分離されている。別の実施形態によると、第一のポート38aは、接続部材18、それゆえアンテナ素子10をグランドプレーン32から電気的に分離する。一実施形態では、第二のポート38bは、単一または複数ラインの信号供給ラインのうちの一つをアンテナモジュール110(図示せず)に接続するためのインターフェースを提供する。
【0041】
図7Aおよび7Bは、アンテナアセンブリ100の二つの例示的な実施形態を示す。図7Aおよび7Bに示されるアンテナアセンブリ100′および100″の各々はそれぞれ、図1ならびに図2Aおよび2Bに示されるアンテナアセンブリ100を参照して以前に記載された要素を備える。したがって、それらは、引き続き同じ参照番号を有する。それにもかかわらず、本開示の様々な実施形態によれば、アンテナアセンブリ100′および100″は、図1を参照して上述したように、高さHおよび/または幅Wと関連付けられた値のうちの少なくとも一つにおいてアンテナアセンブリ100とは異なってもよい。
【0042】
それぞれが、アンテナ基板20の上および/または中に存在するアンテナ素子10を備えるアンテナアセンブリ100’および100’は、W12、W14a、W14b、W14c、W16a、W16b、W16cによってパラメータ化される、細長い中央セグメント12、第一のセクション14a、第二のセクション14b、第三のセクション14c、第四のセクション16a、第五のセクション16b、第六のセクション16cの不均一な幅の値範囲を含む、アンテナ素子10のセグメントまたはセクションと関連付けられた値の範囲のうちの少なくとも一つにおいて、アンテナアセンブリ100とは異なっていてもよい。
【0043】
図8Aおよび8Bは、本開示の実施形態に従って設計されたアンテナモジュール110の放射パターンを示す。図8Aおよび8Bに示すように、アンテナモジュール110の放射パターンは、全方向性および半球状の両方である。アンテナモジュール110の様々な部分と関連付けられた構造設計、幾可学的形状、および寸法は、第一の支配的な偏波に対して垂直な第二の支配的な偏波を導入する。第二の支配的な偏波は、アンテナモジュール110の出力ゲインを増加させ、アンテナモジュール110と関連付けられた任意の出力相関を低減させる場合があり、これによって、より広い帯域幅、低交差偏波、およびより高い分離を必要とする用途に対する良い候補となる。
【0044】
図9は、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に配置された三つの実質的に類似したアンテナアセンブリ100を備える、アンテナモジュール110′の例示的な実施形態を示す。図9に示す三つのアンテナアセンブリ100の全ては、図1ならびに図2Aおよび2Bを参照して記述されたアンテナアセンブリ100に実質的に類似しており、論じられたものと同じ参照番号を引き続き有する。グランドプレーンアセンブリ30は、図3~6を参照して記載したグランドプレーンアセンブリ30と実質的に類似している。図3~6を参照して以前に記載したグランドプレーンアセンブリ30に関して、図9に示すすべての要素は、論じたものと同じ参照番号を引き続き有する。
【0045】
三つのアンテナアセンブリ100のみが図9に示されているが、本開示の様々な他の実施形態によると、同じ設計が、アンテナモジュール110′を形成するために、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に配置された複数のアンテナアセンブリ100の任意の数に適用できる。図9に示す三つのアンテナアセンブリ100のすべてが、(同じ参照番号を有する要素を有して)互いに実質的に類似しているため、本開示の簡略化のために、三つのアンテナアセンブリ100のうちの一つのみが図9に記載されている。
【0046】
ここで図9を参照すると、アンテナアセンブリ100の各々は、アンテナ素子10に機械的に接続し、そこから延在する接続部材18を備える。アンテナ素子10は、アンテナアセンブリ100を形成するために、アンテナ基板20の上および/または中に存在する。接続部材18は、グランドプレーンアセンブリ30上の三つの仮想点Qのうちの一つで、グランドプレーンアセンブリ30を通して挿入される。グランドプレーンアセンブリ30上の点Qは、均等に分布した角度φで、グランドプレーンアセンブリ30上の仮想中心点Cの周りに放射状に配設される。角度φは、120度に実質的に等しい。グランドプレーンアセンブリ30上の点Qは、中心点Cから等しく離れている。三つの点Qの各々は、中心点Cから1/4波長の範囲内において、実質的に等しい距離Rを共有する。二つの隣接する点Qの各々の間の距離RRは、実質的に等しく、1/4波長の範囲である(最高使用周波数での波長)。実施形態によれば、接続部材18の各々は、各アンテナアセンブリ100のアンテナ素子10が外に向かってかつ中心点Cに対して反対方向に面するように、アンテナアセンブリ100を、空間定位のグランドプレーンアセンブリ30上のそれぞれの点Qの上に、機械的に支持し、保持する。
【0047】
角度θは、グランドプレーンアセンブリ30およびアンテナアセンブリ100およびグランドプレーンアセンブリ30上の三つの点Qの各々において形成される。ここで図9に示すアンテナモジュール110′を参照すると、三つのアンテナアセンブリ100の各々は、グランドプレーンアセンブリ30と30~120度の範囲の非ゼロ角度θを形成し得る。実施形態によれば、アンテナアセンブリ100の各々は、実質的に等しい角度θを、グランドプレーンアセンブリ30と共有してもよい。アンテナアセンブリ100の三つすべてが、60~120度の範囲の角度を有するグランドプレーンアセンブリ30に対して実質的に垂直であってもよい。
【0048】
アンテナモジュール110′は、超広帯域および全方向性放射モジュールとして機能するように構成される。アンテナアセンブリ100は、異なる周波数またはバンド、同じ周波数またはバンド、またはそれらのいくつかの組み合わせに調整されてもよい。
【0049】
図10は、グランドプレーン開口部構造50をさらに備えるアンテナモジュール110″の例示的な実施形態を示す。図9に記載されるアンテナモジュール110′の構造的大きさおよび幾何学的寸法は、低減されることになる。アンテナモジュール110′の構造的大きさを低減するために、アンテナアセンブリ100は、グランドプレーンアセンブリ30の上面30aの上に互いにより近くに配置されてもよい。それにもかかわらず、偏波ミスマッチ損失、伝搬遅延歪み、干渉、または信号の位相変位などの意図しない結果が生じ得る。これらの制限を克服するために、グランドプレーン開口部構造50の形態のセクター化された平面分離および相関エンハンサーが導入される。グランドプレーン開口部構造50は、アンテナモジュール110′の一部を形成して、多入力多出力(MIMO)技術を含むがこれに限定されない様々な技術における意図しない信号干渉および位相変位を防止する。グランドプレーン開口部構造50は、アンテナモジュール110′の一部を形成して、信号相関を低減し、信号分離を強化し、アンテナモジュール110′による信号の到来角(AoA)を決定する際の信号干渉および位相変位の悪影響を防止する。
【0050】
一実施形態では、三つの実質的に類似した中央開口部52は、グランドプレーン32に形成される。各中央開口部52は、第一の端部および第二の端部を有し、グランドプレーンアセンブリ30の中心点Cから均等に分布した角度で半径方向外側に延在する、スロットなどの細長い開口部である。共に、三つの中央開口部は、中央開口部52の隣接する対が120度の角度を形成する、「Y」字型を形成する。グランドプレーン基板34は、中央開口部52の底面を形成してもよい。三つの中央開口部52の各々の第一の端部は、中心点C上で互いに交差して、グランドプレーン32と関連付けられた近傍界インピーダンスをキャンセルするように構成されたグランドプレーン32の単一開口部の一部を形成する。三つの中央開口部52の各々は、三つの中央開口部52の各々の第二の端部が、二つの隣接するアンテナアセンブリ100の各々の間に、スロットなどの開口部を形成するように延在する。
【0051】
図11は、三つの外側開口部56をさらに含む、図10に示すようなグランドプレーン開口部構造50を有するアンテナモジュール110′の上面図である。三つのアンテナアセンブリ100は、グランドプレーン基板34の上に存在するグランドプレーン32の上面の上に配置される。三つの中央開口部52の各々の構造形状および寸法は、グランドプレーン開口部構造50を所望の分離の中心周波数に最適化するように調整されてもよい。グランドプレーン開口部構造50の開口部部分は、グランドプレーン開口部構造50を所望の分離の中心周波数にさらに調整するように構成された誘電率εを有する誘電材料(図示せず)で充填されてもよい。一実施形態では、三つの外側開口部56の各々が、中心点Cの周りの三つの等距離の弦のうちの一つに部分的に沿って延在し、かつグランドプレーン32にスロットなどの開口部を形成するように、三つの外側開口部56は、グランドプレーン開口部構造50の一部を形成する。
【0052】
外側開口部56は、複数のアンテナアセンブリ100のうちの一つに平行で、かつ点Cに関連して複数のアンテナアセンブリ100のうちの一つの反対側にある、グランドプレーン32の細長い開口部である。外側開口部56は、グランドプレーンアセンブリ30の平面Tの各中央開口部52に沿って延在し、かつアンテナアセンブリ100の隣接する対の間の領域を通過する仮想線 が、外側開口部56に対して垂直な二等分線となるように形成される。各外側開口部56は、三つの中央開口部52のうちの一つに結合されて、分離周波数をさらに調整してもよい。中央開口部52は、長さLおよび幅Wを有する長方形であってもよい。一実施形態では、Lは1/4波長の範囲にあり、Wは0.5mm~2mmの範囲にある。隣接する中央開口部52の各対は、中心点Cから延在し、互いに等しい角度αを共有する。角度aは、120度と実質的に等しくてもよい。
【0053】
図12は、図10のアンテナモジュール110″の例示的な実施形態を示し、グランドプレーン開口部構造50は、各々が三つの中央開口部52のうちの一つのそれぞれの第一の端部の一部を形成する三つの容量性負荷54をさらに備える。容量性負荷54は、さらに分離を強化し、偏波ミスマッチ損失を低減し、および/または伝搬遅延歪みを最小化するために、意図される中心周波数ωでグランドプレーン開口部構造50を調整するために、グランドプレーン開口部構造50に結合された、可変無効負荷、能動負荷と無効負荷の組み合わせ、およびスイッチ(図示せず)のうちの少なくとも一つで置換されてもよい。一実施形態によれば、意図される中心周波数ωは、アンテナモジュール110″が超広帯域(UWB)無線技術を使用して信号を送信および/または受信する周波数または中心周波数に対応し得る。
【0054】
図13は、単数かつ単一のグランドプレーン開口部構造50′の一部を形成する追加のサブ中央開口部52′を備える、アンテナモジュール110'''の例示的な実施形態を示す。実施形態によれば、図13に示すように、グランドプレーン開口部構造50′は、図10を参照して記載したように、三つの中央開口部52に平行に延在する複数の追加のサブ中央開口部52′をさらに備える。
【0055】
図14は、図13で以前に示したアンテナモジュール110'''の上面図を示す。グランドプレーン開口部構造50′は、図13に示すように、九つのサブ中央開口部52′および三つの中央開口部52を備える。グランドプレーンアセンブリ30上の三つの仮想点Eは、点Cと、グランドプレーンアセンブリ30上の三つの点Qの各々との間に延在する三つの直線CQのうちの一つの上にある。各点Eに対して、三つのサブ中央開口部52′は、120度の均等に分布した角度で外側に延在し、グランドプレーン32に追加の開口部を形成する。一実施形態によれば、点Eは、中心点Cから実質的に等しい距離を共有する。
【0056】
サブ中央開口部52′は、点Eから均等に分布した角度で半径方向外側に延在してもよく、各点Eに対して、三つのサブ中央開口部52′のうちの二つは、それぞれの隣接する中央開口部52に平行に延在し、三つのサブ中央開口部52′のうちの一つは、中心点Cに向かって延在してそれに接続し、単一のグランドプレーン開口部構造50′を形成する。
【0057】
複数の中央開口部52およびサブ中央開口部52′の各々の形状、寸法、またはそれらの組み合わせは、グランドプレーン開口部構造50′を所望の中心周波数にさらに調整して、意図する中心周波数ωにおけるおよびその周囲での信号の分離および相関性を強化してもよい。意図する中心周波数ωは、アンテナモジュール110'''が超広帯域(UWB)無線技術を使用して信号を送信および/または受信する周波数または周波数帯の中心周波数に対応し得る。グランドプレーン開口部構造50′の中空部分は、誘電率εを有する誘電材料で充填されていて、アンテナモジュール110'''の放射の中心周波数に対して、グランドプレーン開口部構造50′の動作を最適に調整するように構成される。
【0058】
図15Aおよび15Bは、電気車両60の底面下に取り付けられた第一のネットワーキング装置111と、グランドプレーン充電パッド62の上面62aの上に取り付けられた第二のネットワーキング装置111′とを有する無線通信システム200を示す。第一のネットワーキング装置111および第二のネットワーキング装置111の各々は、第一の制御ユニット64または第二の制御ユニット64′のうちの一つに結合された一つ以上のアンテナモジュール110″を備える。
【0059】
アンテナモジュール110″は、図10~14を参照して記載されるアンテナモジュール110″と実質的に類似しており、論じたものと同じ参照番号を引き続き有する。第一のネットワーキング装置111および第二のネットワーキング装置111′は、グランドプレーン充電パッド62に対する電気車両60の位置決め、方向付け、およびアライメントに関連する情報信号66を受信、処理、および送信するように構成された無線通信システム200を形成する。
【0060】
図15Aは、二つのシナリオの第一のシナリオを示し、それによると、電気車両60が、電気車両60の前面または後面の一方とグランドプレーン充電パッド62との間の水平ギャップが存在する遠方界から、グランドプレーン充電パッド62の上面に近づく。一実施形態によれば、遠方界アプローチの間、放射線伝搬は、地面70の上方の水平経路に沿っている。アンテナモジュール110″の第二の支配的な偏波は、第一のネットワーキング装置111と第二のネットワーキング装置111′との間の主要な見通し線の方向におけるアライメントを容易にし、第一のネットワーキング装置111の一つ以上のアンテナモジュール110″と、第二のネットワーキング装置111″の一つ以上のアンテナモジュール110″との間の超広帯域無線通信をさらに強化する。
【0061】
情報信号66は、第一のネットワーキング装置111と第二のネットワーキング装置111′との間の距離、またはその距離に関連する機能に対応する情報データを含む。別の実施形態では、情報信号66はさらに、第一のネットワーキング装置111と第二のネットワーキング装置111′との間の角度、または前記角度に関連する機能に対応する情報データを含んでもよい。
【0062】
グランドプレーン充電パッド62に対する電気車両60の位置を決定することは、電気車両60のグランドプレーン充電パッド62への方向および距離の両方を決定することを含む。第一のネットワーキング装置111の制御ユニット64および第二のネットワーキング装置111′の制御ユニット64′による、送信および/または受信された情報信号66のリアルタイム分析および処理は、電気車両60をグランドプレーン充電パッド62に向かって方向付けることを可能にする情報を電気車両60に提供する。
【0063】
図15Bは、二つのシナリオのうちの第二のものを示し、それによると、電気車両60は、グランドプレーン充電パッド62の表面の上方に正確に整列することを必要とし得る。第二のシナリオによれば、電気車両60の底面の少なくとも一部分と、グランドプレーン充電パッド62の上面の一部分とが垂直に重なる。近傍界アプローチおよびアライメントは、グランドプレーン充電パッド62の第二のネットワーキング装置111′上方で、横方向および縦方向に電気車両60の第一のネットワーキング装置111を正確に位置決めおよび整列させることを必要とする。
【0064】
第一のネットワーキング装置111および第二のネットワーキング装置111′は、情報信号66を送受信するための無線通信システム200を形成する。一実施形態によれば、情報信号66は、第一のネットワーキング装置111と第二のネットワーキング装置111′との間の距離、またはその距離に関連する機能に対応する情報データを含む。情報信号66はさらに、第一のネットワーキング装置111と第二のネットワーキング装置111′との間の角度、または前記角度に関連する機能に対応する情報データを含んでもよい。
【0065】
第一のネットワーキング装置111の制御ユニット64および第二のネットワーキング装置111′の制御ユニット64′による、送信および/または受信された情報信号66のリアルタイム分析および処理は、電気車両60をグランドプレーン充電パッド62に向かって方向付けること、およびグランドプレーン充電パッド62の上面に対するその横方向オフセットを決定することを可能にする。
【0066】
当業者であれば、本開示の好ましい実施形態に対する改善および変更を認識するであろう。こうしたすべての改善および変更は、本明細書に開示される概念および以下の特許請求の範囲内であると見なされる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
【外国語明細書】