(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180248
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】複合材料コンポーネントおよび複合材料コンポーネントを緻密化する方法
(51)【国際特許分類】
C04B 35/80 20060101AFI20231213BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
C04B35/80
C23C16/44 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023094172
(22)【出願日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】17/835,083
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジョン・シアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド・ホッグ・ウィーバー
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030CA05
4K030CA13
(57)【要約】
【課題】複合材料コンポーネントおよび複合材料コンポーネントを緻密化する方法が提供される。
【解決手段】たとえば、複合材料コンポーネント(100)は、第1の方向(116)に延在する繊維トウ(102)の一方向配列のうちの第1の複数の配列(114)を有する第1のプライ(112)および第2の方向(126)に延在する繊維トウ(102)の一方向配列のうちの第2の複数の配列(124)を有する第2のプライ(122)を備える。第1の流体経路(115)は、第1の幅(w
1)よりも大きい第1の長さ(l
1)を有する第1のプライ(112)内に画成され、第2の流体経路(125)は、第2の幅(w
2)よりも大きい第2の長さ(l
2)を有する第2のプライ内に画成される。第1および第2の流体経路(115、125)は、複合材料(100)内の緻密化流体の浸透を改善することによって複合材料(100)の緻密化を改善し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料コンポーネントであって、
第1の方向に延在する繊維トウの第1の複数の一方向配列を有する第1のプライと、
第2の方向に延在する繊維トウの第2の複数の一方向配列を有する第2のプライと、
前記第1のプライ内に画成された第1の流体経路であって、前記第1の流体経路は第1の長さ方向の第1の長さと前記第1の長さ方向の法線方向の第1の幅方向の第1の幅とを有し、前記第1の長さは前記第1の幅よりも大きい、第1の流体経路と、
前記第2のプライ内に画成された第2の流体経路であって、前記第2の流体経路は第2の長さ方向の第2の長さと前記第2の長さ方向の法線方向の第2の幅方向の第2の幅とを有し、前記第2の長さは前記第2の幅よりも大きい、第2の流体経路とを備える、複合材料コンポーネント。
【請求項2】
前記第1のプライは、第1のプライの第2の表面に対向する第1のプライの第1の表面を有し、前記第2のプライは、第2のプライの第2の表面に対向する第2のプライの第1の表面を有し、
前記第1の流体経路は前記第1のプライの第1の表面から前記第1のプライの第2の表面まで延在する第1の深さを備え、前記第1の長さは前記第1の深さよりも大きく、
前記第2の流体経路は前記第2のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第2の深さを備え、前記第2の長さは前記第2の深さよりも大きい、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項3】
前記第1のプライは、前記第1のプライの第2の表面が前記第2のプライの第1の表面に接触するように前記第2のプライとともに積み重ねられ、
前記第1の流体経路は、前記第2の流体経路と交差して、前記第1の流体経路から前記第2の流体経路への連続する流体経路を画成する、請求項2に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項4】
前記第2の方向は前記第1の方向と異なる、請求項3に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項5】
前記第2の方向は前記第1の方向から90°オフセットされる、請求項3に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項6】
第3の方向に延在する繊維トウの第3の複数の一方向配列を有する第3のプライと、
前記第3のプライ内に画成された第3の流体経路であって、前記第3の流体経路は第3の長さ方向の第3の長さと前記第3の長さ方向の法線方向の第3の幅方向の第3の幅とを有し、前記第3の長さは前記第3の幅よりも大きい、第3の流体経路とをさらに備える、請求項2に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項7】
前記第2の深さは、前記第2のプライの第1の表面から前記第2のプライの第2の表面まで延在し、
前記第3のプライは第3のプライの第2の表面に対向する第3のプライの第1の表面を有し、
前記第3の流体経路は前記第3のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第3の深さを備え、前記第3の長さは前記第3の深さよりも大きい、請求項6に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項8】
前記第1のプライ、第2のプライ、および第3のプライは、前記第1のプライの第2の表面が前記第2のプライの第1の表面に接触し、前記第2のプライの第2の表面が前記第3のプライの第1の表面に接触するように一緒に積み重ねられ、
前記第1の流体経路は、前記第2の流体経路と交差して、前記第1の流体経路から前記第2の流体経路への第1の連続する流体経路を画成し、
前記第2の流体経路は、前記第3の流体経路と交差して、前記第2の流体経路から前記第3の流体経路への第2の連続する流体経路を画成する、請求項7に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項9】
前記第2の方向は前記第1の方向と異なり、前記第3の方向は前記第1の方向と同じである、請求項8に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項10】
前記第1のプライ、前記第2のプライ、および前記第3のプライは、最外層および最内層を有するプライスタック内にレイアップされ、複数の流体経路は、前記第1のプライ、前記第2のプライ、および前記第3のプライの各々の中に画成され、複数の前記プライのうちの1つのプライの単位面積当たりの前記複数の流体経路の前記流体経路の数は前記最外層から前記最内層へ向かうにつれ減少する、請求項6に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項11】
前記第1のプライは第1のプライの厚さt1を有し、複数の第1の流体経路を画成し、前記複数の第1の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、前記距離mと前記第1のプライの厚さt1との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項12】
前記第1のプライ内に画成された第1の複数の細孔と前記第2のプライ内に画成された第2の複数の細孔とをさらに備え、
前記第1の複数の細孔の各細孔および前記第2の複数の細孔の各細孔は、前記第1の流体経路および前記第2の流体経路の両方よりも寸法的に小さく、前記第1の複数の細孔、前記第2の複数の細孔、前記第1の流体経路、および前記第2の流体経路は各々、前記複合材料コンポーネント内の空隙であり、前記複合材料コンポーネントは、空隙サイズの二峰性分布を有する、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項13】
前記複合材料コンポーネントは、特徴的な細孔径を有し、前記第1の幅および前記第2の幅の各々は、前記特徴的な細孔径よりも大きい、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項14】
前記複合材料コンポーネントは、特徴的な細孔径を有し、前記第1の流体経路および前記第2の流体経路の特徴的な幅は、前記特徴的な細孔径の2倍から20倍の大きさの範囲内にある、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項15】
前記複合材料コンポーネントは、化学蒸気浸透緻密化セラミックマトリックス複合材料コンポーネントである、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項16】
複合材料コンポーネントであって、
繊維トウの第1の複数の一方向配列を有する第1のプライであって、前記第1のプライは複数の第1の流体経路を画成し、前記複数の第1の流体経路の各第1の流体経路は第1の幅よりも大きい第1の長さを有する、第1のプライと、
繊維トウの第2の複数の一方向配列を有する第2のプライであって、前記第2のプライは複数の第2の流体経路を画成し、前記複数の第2の流体経路の各第2の流体経路は第2の幅よりも大きい第2の長さを有する、第2のプライとを備え、
前記複数の第1の流体経路のうちのそれぞれの1つの第1の流体経路は前記複数の第2の流体経路のうちの少なくとも1つの第2の流体経路に流体的に接続され、
前記第1のプライは第1のプライの厚さt1を有し、前記複数の第1の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、
前記距離mと前記第1のプライの厚さt1との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、複合材料コンポーネント。
【請求項17】
前記第2のプライは第2のプライの厚さt2を有し、前記複数の第2の流体経路は、前記距離mだけ互いから横方向に離間し、
前記距離mと前記第2のプライの厚さt2との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、請求項16に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項18】
前記複合材料コンポーネントは、複数の細孔を画成し、前記複数の細孔は、特徴的な細孔径を有し、前記複数の第1の流体経路および前記複数の第2の流体経路の特徴的な幅は、前記特徴的な細孔径の2倍から20倍の大きさの範囲内にある、請求項16に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項19】
複数の追加のプライであって、前記複数の追加のプライの各追加のプライは繊維トウの複数の一方向配列を有し、前記複数の追加のプライの各追加のプライは複数の流体経路を画成し、前記複数の流体経路の各流体経路は幅よりも大きい長さを有し、
前記複数の追加のプライの各追加のプライは、各プライがプライスタック内の層となるように、また各層内の前記複数の流体経路のそれぞれの流体経路が各隣接する層内の前記複数の流体経路のうちの少なくとも1つの流体経路と流体的に接続されて前記プライスタックを通る連続する流体経路を形成するように、プライスタック内の前記第1のプライおよび前記第2のプライとともに連続して積み重ねられる、複数の追加のプライをさらに備える、請求項16に記載の複合材料コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、一般に、複合材料コンポーネントに関する。より詳細には、本主題は、複合材料コンポーネントを緻密化(densifying)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
強化マトリックス材料とともに形成される材料を含む、複合材料は、様々な用途に合わせてコンポーネントを形成するために使用され得る。たとえば、同じまたは異なる組成の連続セラミックマトリックス(continuous ceramic matrix)中に分散された繊維を含む強化セラミックマトリックス複合材料(「CMC」)は、その強靱性、耐熱性、高温強度、および化学安定性により構造用途によく適している。そのような複合材料は、典型的には、高い強度対重量比を有するので、航空用途など、重量が問題となる用途において魅力的な材料となる。高温で安定していることから、CMCは、ガスタービンエンジンなどにおいて中のコンポーネントが高温ガスと接触する用途に非常に適している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
当業者を対象とする、最良の態様を含む、完全で有用な開示は、添付図を参照する、本明細書において述べられている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】複合材料プライから形成された複合材料コンポーネントの一部を示す概略図である。
【
図2】
図1の複合材料コンポーネントを形成する複数の複合材料プライの分解図である。
【
図3】繊維トウの各複数の一方向配列の繊維方向を例示する、
図1の複合材料コンポーネントの部分などの、複合材料コンポーネントの概略断面図である。
【
図4】複合材料コンポーネントが複合材料コンポーネントの外側層から内側に向かって減少する空隙の勾配を有するように中に画成された複数の流体経路を有する複数の複合材料プライから形成された複合材料コンポーネントの概略図である。
【
図5】複合材料コンポーネントを形成する方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
次に、1つ以上例が添付図面に示されている、本開示の本実施形態の詳細が参照される。詳細な説明では、図面内の特徴を参照するために数字および文字の記号表示を使用する。図面および説明の中の同様のまたは類似の記号表示は、開示されている実施形態の同様のまたは類似の部分を参照するために使用される。
【0006】
本明細書において使用されているように、「第1」、「第2」、および「第3」という語は、1つのコンポーネントを別の構成要素から区別するために入れ換え可能に使用されてよく、個別のコンポーネントの配置または重要度を意味することを意図されていない。
【0007】
「結合される」、「固定される」、「に取り付けられる」、および同様の言い回しは、本明細書で特に指定されていない限り、直接的な結合、固定、または取り付け、さらには1つ以上中間コンポーネントもしくは特徴を介した間接的な結合、固定、または取り付けの両方を指す。
【0008】
英語原文中の冠詞「a」、「an」、および「the」が付く単数形は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数形を含む。
【0009】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して使用されるような、近似を意味する言葉は、それが関係する基本機能の変化を結果としてもたらすことなく許容可能に変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用される。したがって、「おおよそ」、「約」、および「実質的に」などの、1つ以上語によって修飾される値は、指定された正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例では、近似を意味する言葉は、値を測定するための器具の精度、またはコンポーネントおよび/もしくはシステムを構築するかもしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応し得る。近似を意味する言葉は、個々の値、値の範囲、および/または値の範囲を定義する端点のいずれかにおいて、±1、2、4、5、10、15、または20パーセントのマージン内にあることを指すものとしてよい。
【0010】
ここで、また本明細書および特許請求の範囲全体を通して、範囲の限定は組み合わされ、交換され、そのような範囲は、文脈または言葉がそうでないことを示さない限り、識別され、そこに含まれるすべての部分範囲を含む。たとえば、本明細書において開示されるすべての範囲は、端点を包含し、端点は、互いに独立して組合せ可能である。
【0011】
複合材料コンポーネントを形成する際に、空隙または開口部が、コンポーネントの初期処理後に複合材料コンポーネント中に残ることがあり、空隙または開口部は、緻密化プロセスを通じて充填され得る。たとえば、CMCコンポーネントについては、溶融浸透(MI)緻密化プロセス、化学蒸気浸透(CVI)緻密化プロセス、またはMIとCVIの両方が、たとえば多段階緻密化プロセスにおいて、セラミックマトリックス材料を前駆体材料から所望のセラミックマトリックス材料に転換する間に空隙または開口部を充填するために使用され得る。MIプロセスは、通常、空隙または開口部を充填する緻密化流体として溶融または液体物質を利用し、CVIプロセスは、典型的には、ガスまたは蒸気緻密化流体を利用する。繊維複合材料プリフォームのCVIは、結果として、セラミックマトリックス(たとえば、炭化ケイ素(SiC)マトリックス)がたとえばケイ素(Si)の反応溶融浸透によって形成される複合材料よりも実質的に高い温度能力を有する(たとえば、少なくとも300°F高い)材料をもたらすことができる。しかしながら、CVIは、典型的には、有効ガス拡散率と化学反応速度との間にトレードオフの関係があるので、比較的薄いコンポーネントに限定される。たとえば、蒸気がコンポーネント内の空隙に浸透してコンポーネントを緻密化するときに、コンポーネントの外側表面の近くの空隙空間は、空隙が外側表面からさらに内側に向かってコンポーネント内の空隙に到達する前に、浸透によって充填され、それによって浸透経路を「絞って閉塞」し、コンポーネントの内側部分の緻密化を妨げ得る。そのような絞って閉塞することは、MIなどの他の緻密化プロセスでも同様に起こり得る。したがって、改善された緻密化があれば望ましい。
【0012】
一般的に、本主題は、プライレイアップの緻密化を促進するために複合材料コンポーネントを形成するプライレイアップ内に画成された流体経路を有する、複合材料コンポーネント、および複合材料コンポーネントを形成する方法を提供する。たとえば、流体経路は、複合材料マトリックス前駆体材料内に画成された典型的な細孔に比べて1つ以上寸法に関して大きい。隣接するプライまたは層の流体経路は、交差して、化学蒸気浸透プロセスの反応ガスなどの緻密化流体が複合材料マトリックス前駆体材料内に形成された典型的な寸法の小さな空隙で通常達成されるプライレイアップ内により深く浸透するための経路を画成し得る。そのようなものとして、本明細書において説明されている複合材料コンポーネントおよび方法は、緻密化流体のための経路が「絞って閉塞される」または固形物を早期に充填されることを防ぐことによりより深いより完全な緻密化を有する。
【0013】
次に図面を参照すると、同一の番号は図全体を通して同じ要素を指示し、
図1は、複合材料コンポーネント100、たとえば、非限定的な例では、ガスタービンエンジンの翼(ファンブレード、圧縮機またはタービンブレード、圧縮機またはタービンノズルなど)、シュラウド、燃焼器ライナーなどの概略図である。少なくともいくつかの実施形態において、ガスタービンエンジンは、ファンセクションと、ファンセクションから下流のところに配設されたコアタービンエンジンとを含むターボファンジェットエンジンであってもよい。コアタービンエンジンは、一般的に、直列流関係で、ブースターまたは低圧(LP)圧縮機および高圧(HP)圧縮機を含む圧縮機セクション、燃焼セクション、高圧(HP)タービンおよび低圧(LP)タービンを含むタービンセクション、ならびにジェット排気ノズルセクションを収容する実質的に管状の外側ケーシングを備える。高圧(HP)シャフトまたはスプールは、HPタービンをHP圧縮機に駆動的に接続する。低圧(LP)シャフトまたはスプールは、LPタービンをLP圧縮機に駆動的に接続する。ターボファンジェットエンジンの運転中、一定体積の空気が、ファンセクションに配設されているファンのファンブレードを横切って通過する。空気の第1の部分は、バイパス空気流通路内に導かれるか、または送り込まれ、空気の第2の部分は、LP圧縮機内に導かれるか、または送り込まれる。空気の第1の部分と空気の第2の部分との間の比は、一般にバイパス比と呼ばれる。
【0014】
空気が高圧(HP)圧縮機を通り燃焼セクション内に送り込まれるとともに空気の第2の部分の圧力が増大し、燃焼室において空気は燃料と混合され、燃焼して燃焼ガスを供給する。燃焼ガスは、HPタービンを通して送られ、そこで燃焼ガスからの熱エネルギーおよび/または運動エネルギーの一部が、コアタービンエンジンの外側ケーシングに結合されているHPタービンステータベーンおよびHPシャフトまたはスプールに結合されているHPタービンロータブレードの順次段階を介して抽出され、それによりHPシャフトまたはスプールが回転させられ、それによってHP圧縮機の動作をサポートする。燃焼ガスは、次いで、LPタービンを通して送られ、そこで熱エネルギーおよび運動エネルギーの第2の部分が燃焼ガスからコアタービンエンジンの外側ケーシングに結合されているLPタービンステータベーンおよびLPシャフトまたはスプールに結合されているLPタービンロータブレードの順次段階を介して抽出され、それによりLPシャフトまたはスプールが回転させられ、それによってLP圧縮機の動作および/またはファンの回転をサポートする。燃焼ガスは、その後、コアタービンエンジンのジェット排気ノズルセクションに通され、推進力をもたらす。
【0015】
同時に、空気の第1の部分の圧力は、空気の第1の部分がファンノズル排気セクションから排気される前にバイパス空気流通路を通って送られるときに実質的に増大し、これも推進力をもたらす。HPタービン、LPタービン、およびジェット排気ノズルセクションは、燃焼ガスをコアタービンエンジンを通して送るための高温ガス経路を少なくとも部分的に画成する。
【0016】
いくつかの実施形態において、ガスタービンエンジンのコンポーネントは、高温能力を有するセラミックマトリックス複合材料(CMC)、またはポリマーマトリックス複合材料(PMC)などの複合材料を含み得る。本明細書において使用されているように、CMCは、セラミックマトリックス相によって囲まれた強化材料(たとえば、強化繊維)を含む材料のクラスを指す。一般的に、強化繊維は、セラミックマトリックスに構造的完全性を付与する。CMCのマトリックス材料のいくつかの例は、限定はしないが、非酸化ケイ素系材料(たとえば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、もしくはそれらの混合物)、酸化物セラミックス(たとえば、オキシ炭化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、アルミノケイ酸塩、もしくはこれらの混合物)、またはこれらの混合物を含み得る。任意選択で、セラミック粒子(たとえば、Si、Al、Zr、Y、およびこれらの組合せの酸化物)ならびに無機充填剤(たとえば、葉ろう石、珪灰石、雲母、滑石、藍晶石、およびモンモリロナイト)もCMCマトリックス内に含まれ得る。
【0017】
CMCの強化繊維のいくつかの例は、限定はしないが、非酸化ケイ素系材料(たとえば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、もしくはこれらの混合物)、非酸化炭素系材料(たとえば、カーボン)、酸化物セラミックス(たとえば、オキシ炭化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、ムライトなどのアルミノケイ酸塩、もしくはこれらの混合物)、またはこれらの混合物を含むことができる。
【0018】
一般的に、特定のCMCは、繊維のタイプ/マトリックスのタイプのそれらの組合せとして参照され得る。たとえば、炭素繊維強化炭化ケイ素に対するC/SiC、炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素に対するSiC/SiC、炭化ケイ素繊維強化窒化ケイ素に対するSiC/SiN、炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素/窒化ケイ素マトリックス混合物に対するSiC/SiC-SiNなどである。他の例では、CMCは、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、アルミノケイ酸塩、およびそれらの混合物などの酸化物系材料を含むマトリックスおよび強化繊維から構成され得る。アルミノケイ酸塩は、ムライト(3Al2O3 2SiO2)などの結晶性物質、さらにはガラス状アルミノケイ酸塩を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、強化繊維は、マトリックス内に包含される前に、束ねられおよび/またはコーティングされ得る。たとえば、繊維の束は、一方向強化テープなどの強化テープとして形成され得る。複数のテープが一緒にレイアップされてプリフォームコンポーネントを形成し得る。繊維の束は、プリフォームを形成する前に、またはプリフォームを形成した後に、スラリー組成物を含浸され得る。次いで、プリフォームは、プリフォーム中に高炭化物残留物をもたらす硬化またはバーンアウトなどの熱処理、およびシリコンによる溶融浸透などのその後の化学処理を受け、所望の化学組成を有するCMC材料から形成されたコンポーネントに到達し得る。
【0020】
そのような材料は、特定のモノリシックセラミック(すなわち、強化材料を含まないセラミック材料)とともに、高温用途に特に適している。それに加えて、これらのセラミック材料は、超合金と比較して軽量でありながら、そこから作られるコンポーネントに強度と耐久性を付与することができる。したがって、このような材料は、現在、翼(たとえば、タービン、およびベーン)、燃焼器、シュラウド、および他の類似のコンポーネントなどの、ガスタービンエンジンのより高い温度のセクションで使用される多くのガスタービンコンポーネントに対して検討されてり、これはこれらの材料が提供することができるより軽量およびより高温の能力の恩恵を受けるであろう。
【0021】
PMC材料は、典型的には、布または一方向テープに樹脂(プリプレグ)を含浸し、その後、硬化することによって加工される。含浸の前に、布は「乾燥」布と称されるものとしてよく、典型的には2つまたは複数の繊維層(プライ)のスタックを含む。繊維層は、様々な材料から形成されてよく、その非限定的な例は、炭素(たとえば、グラファイト)、ガラス(たとえば、グラスファイバー)、ポリマー(たとえば、Kevlar(登録商標))繊維、および金属繊維を含む。繊維状の強化材料は、比較的短いチョップドファイバー、一般的に長さが2インチ未満、より好ましくは1インチ未満、または長連続繊維の形態で使用することができ、後者は織布または一方向テープの生産に使用されることが多い。PMC材料は、乾燥繊維を金型内に分散し、強化繊維の周りにマトリックス材料を流すことによって、またはプリプレグを使用することによって生産することができる。たとえば、プリプレグの複数の層が部品の適切な厚さおよび配向に合わせて積み重ねられ、次いで樹脂は、硬化され固化されて繊維強化複合材料部品にされ得る。PMCマトリックス材料用の樹脂は、一般的に熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に分類され得る。熱可塑性樹脂は、一般的に、化学的変化よりはむしろ物理的変化に起因して加熱されたときに軟化して流動化し、十分に冷却されたときに硬化することを繰り返し行われ得るポリマーとして分類される。熱可塑性樹脂の注目に値する例示的なクラスは、ナイロン、熱可塑性ポリエステル、ポリアリールエーテルケトン、およびポリカーボネート樹脂を含む。航空宇宙用途で使用することを企図された高性能熱可塑性樹脂の具体例は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)を含む。対照的に、熱硬化性樹脂は、完全に硬化して硬い剛性固体になると、加熱されたときに著しい軟化を受けないが、その代わりに、十分に加熱されたときに熱分解する。熱硬化性樹脂の注目に値する例は、エポキシ樹脂、ビスマレイミド(BMI)樹脂、およびポリイミド樹脂を含む。したがって、一般的に、PMC材料は、熱硬化性もしくは熱可塑性であるマトリックスおよび限定はしないが、任意の長さ、サイズ、もしくは配向のガラス、グラファイト、アラミド、もしくは有機繊維、またはこれらの強化材の組合せを含む強化材を含み、さらに、限定はしないが、射出成形、樹脂トランスファー成形、プリプレグテープレイアップ(手作業または自動)、引抜成形、または強化ポリマーマトリックス複合構造の製造に適している任意の他の方法もしくはこれらの製造方法の組合せによって製造されることを含むと理解される。
【0022】
ガスタービンエンジンコンポーネントではなくむしろ、複合材料コンポーネント100は、複合材料コンポーネントを利用する別のアセンブリまたはシステムの複合材料コンポーネントであってもよいことは理解されるであろう。そのような実施形態では、複合材料コンポーネント100は、CMCコンポーネント、PMCコンポーネントであり得るか、または任意の他の好適な複合材料から形成され得る。
【0023】
コールアウトが複合材料コンポーネント100のセグメントの拡大図を描いている
図1のコールアウトに示されているように、複合材料コンポーネント100は、マトリックス材料104内に配設された繊維トウ102を含む。たとえば、複合材料コンポーネント100は、本明細書において説明されているようなセラミックマトリックス104内に配設されている、繊維トウ102の複数の一方向配列に集められたセラミック強化繊維を有するCMCコンポーネントである。他の実施形態では、複合材料コンポーネント100は、樹脂または他のポリマーマトリックス104内に配設されている、繊維トウ102の複数の一方向配列に集められた強化繊維(たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、および/またはポリマー繊維)を有するPMCコンポーネントである。さらに、複合材料コンポーネント100を形成する材料または媒体は、特徴的なまたは平均的な細孔径を有する。本明細書において使用されているように、「繊維トウの一方向配列」は、束の中の強化繊維が実質的に単一の方向に沿って延在する強化繊維の束の配列を指すことは理解されるであろう。
【0024】
図1~
図3に示されているように、複合材料コンポーネント100は、第1の方向116に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第1の複数の配列114を有する第1のプライ112を備える。さらに、第1のプライ112は、第1のプライの第2の表面120に対向する第1のプライの第1の表面118と、第1の厚さt
1とを有する。複合材料コンポーネント100は、第2の方向126に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124を有する第2のプライ122をさらに備える。さらに、第2のプライ122は、第2のプライの第2の表面130に対向する第2のプライの第1の表面128と、第2の厚さt
2とを有する。
【0025】
特に
図2を参照すると、第1の流体経路115が第1のプライ112内に画成されている。第1の流体経路115は、示されている実施形態における第1の方向116(
図3)である、第1の長さ方向の第1の長さl
1と、第1の長さ方向、すなわち示されている実施形態における第1の方向116に垂直な、または法線方向の第1の幅方向117(
図3)の第1の幅w
1とを有する。第1の長さl
1は、第1の幅w
1よりも大きい。さらに、第1の流体経路115は、第1のプライの第1の表面118から第1のプライの第2の表面120まで延在する第1の深さd
1を含み、それにより第1の流体経路115は、第1のプライ112の厚さt全体を貫通し、第1の深さd
1は、第1のプライの厚さt
1に等しい。さらに、第1の長さl
1は、第1の深さd
1よりも大きい。第1の長さ方向は第1の方向116と同じである必要はなく、それにより、第1の流体経路115の第1の長さl
1は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第1の複数の配列114(
図3)に平行に延在する必要がないことは理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態において、第1の幅w
1は、第1の深さd
1および/または第1の長さl
1に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第1の長さl
1は、第1の幅w
1のすべての値よりも大きくてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、第1の深さd
1は、第1の長さl
1および/または第1の幅w
1に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第1の長さl
1は、第1の深さd
1のすべての値よりも大きくてもよい。
【0026】
同様に、第2の流体経路125が、第2のプライ122内に画成される。第2の流体経路125は、示されている実施形態における第2の方向126(
図3)である、第2の長さ方向の第2の長さl
2と、第2の長さ方向、すなわち示されている実施形態における第2の方向126の法線方向の第2の幅方向127(
図3)の第2の幅w
2とを有する。第2の長さl
2は、第2の幅w
2よりも大きい。さらに、第2の流体経路125は、第2のプライの第1の表面128から第2のプライの第2の表面130まで延在する第2の深さd
2を含み、それにより第2の流体経路125は、第2のプライ122の厚さt全体を貫通し、第2の深さd
2は、第2のプライの厚さt
2に等しい。さらに、第2の長さl
2は、第2の深さd
2よりも大きい。第1の長さ方向と同様に、第2の長さ方向は第2の方向126と同じである必要はなく、それにより、第2の流体経路125の第2の長さl
2は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124(
図3)に平行に延在する必要がないことは理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態において、第2の幅w
2は、第2の深さd
2および/または第2の長さl
2に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第2の長さl
2は、第2の幅w
2のすべての値よりも大きくてもよい。それに加えて、または代替的に、いくつかの実施形態において、第2の深さd
2は、第2の長さl
2および/または第2の幅w
2に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第2の長さl
2は、第2の深さd
2のすべての値よりも大きくてもよい。
【0027】
図1および
図3に例示されているように、第1のプライ112は、第1のプライの第2の表面120が第2のプライの第1表面128に接触するように、第2のプライ122とともに積み重ねられる。さらに、第1の流体経路115は、第2の流体経路125と交差して、第1の流体経路115から第2の流体経路125への連続する流体経路を画成する。そのようなものとして、本明細書において説明されている様々な緻密化プロセスで使用されるような蒸気または溶融したもしくは他の液体材料などの緻密化流体は、複合材料コンポーネント100に関して内側に向かって流動し得る。たとえば、緻密化流体は、第1のプライの第1の表面118によって画成された複合材料コンポーネント100の外側表面から、第1の流体経路115内に流れ込み、第1の流体経路115および第2の流体経路125によって画成される連続する流体経路を通り、複合材料コンポーネント100に浸透し、第1および第2の流体経路115、125に緻密化流体を充填して複合材料コンポーネント100を緻密化し得る。一般的に、1つ以上追加のプライ(たとえば、最大n個までの複合材料プライ)を第1のプライ112および第2のプライ122とともに積み重ねて、プライスタックまたはプライレイアップ108を形成し得る。第1のプライ112および第2のプライ122と同様に、複数の追加のプライの各追加のプライは、繊維トウ102の複数の一方向配列を有し得る。さらに、複数の追加のプライの各追加のプライは、複数の流体経路を画成し、複数の流体経路の各流体経路は、幅wよりも大きい長さlを有するものとしてよい。複数の追加のプライの各追加のプライは、各プライがプライスタック内の層となるように、また各層内の複数の流体経路のそれぞれの流体経路が各隣接する層内の複数の流体経路のうちの少なくとも1つの流体経路と流体的に接続されてプライスタックを通る連続する流体経路を形成するように、プライスタック内の第1のプライ112および第2のプライ122とともに連続して積み重ねられる。
【0028】
たとえば、
図1~
図3に描かれている実施形態では、複合材料コンポーネント100は、第3のプライ132、第4のプライ142、および第5のプライ152をさらに備える。第3のプライ132は、第3の方向126に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第3の複数の配列134を有する。さらに、第3のプライ132は、第3のプライの第2の表面140に対向する第3のプライの第1の表面138と、第3の厚さt
3とを有する。複合材料コンポーネント100は、また、第4の方向146に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第4の複数の配列144を有する第4のプライ142をさらに備える。さらに、第4のプライ142は、第4のプライの第2の表面150に対向する第4のプライの第1の表面148と、第4の厚さt
4とを有する。複合材料コンポーネント100は、第5の方向156に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第5の複数の配列154を有する第5のプライ152をさらに備える。さらに、第5のプライ152は、第5のプライの第2の表面160に対向する第5のプライの第1の表面158と、第5の厚さt
5とを有する。
【0029】
第1のプライ112および第2のプライ122と同様に、第3のプライ132、第4のプライ142、および第5のプライ152の各々は、それぞれのプライ内に貫入する深さを有するそれぞれの流体経路を画成する。たとえば、第3の流体経路135が、第3のプライ132内に画成される。第3の流体経路135は、描かれている実施形態における第3方向136である第3の長さ方向の第3の長さl3と、第3の長さ方向、すなわち図示されているような第3の方向136の法線方向の第3の幅方向137の第3の幅w3とを有する。第3の長さl3は、第3の幅w3よりも大きい。さらに、第3の流体経路135は、第3のプライの第1の表面138から第3のプライの第2の表面140まで延在する第3の深さd3を含み、それにより第3の流体経路135は、第3のプライ132の厚さt全体を貫通し、第3の深さd3は、第3のプライの厚さt3に等しい。さらに、第3の長さl3は、第3の深さd3よりも大きい。第3の長さ方向は第3の方向136と同じである必要はなく、それにより、第3の流体経路135の第3の長さl3は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第3の複数の配列134に平行に延在する必要がないことは理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態において、第3の幅w3は、第3の深さd3および/または第3の長さl3に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第3の長さl3は、第3の幅w3のすべての値よりも大きくてもよい。それに加えて、または代替的に、いくつかの実施形態において、第3の深さd3は、第3の長さl3および/または第3の幅w3に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第3の長さl3は、第3の深さd3のすべての値よりも大きくてもよい。
【0030】
同様に、第4の流体経路145が、第4のプライ142内に画成される。第4の流体経路145は、図示されている実施形態における第4方向146である第4の長さ方向の第4の長さl4と、第1の長さ方向、すなわち描かれている実施形態における第4の方向146の法線方向の第4の幅方向147の第4の幅w4とを有する。第4の長さl4は、第4の幅w4よりも大きい。さらに、第4の流体経路145は、第4のプライの第1の表面148から第4のプライの第2の表面150まで延在する第4の深さd4を含み、それにより第4の流体経路145は、第4のプライ142の厚さt全体を貫通し、第4の深さd4は、第4のプライの厚さt4に等しい。さらに、第4の長さl4は、第4の深さd4よりも大きい。第4の長さ方向は第4の方向146と同じである必要はなく、それにより、第4の流体経路145の第4の長さl4は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第4の複数の配列144に平行に延在する必要がないことは理解されるであろう。さらに、いくつかの実施形態において、第4の幅w4は、第4の深さd4および/または第4の長さl4に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第4の長さl4は、第4の幅w4のすべての値よりも大きくてもよい。それに加えて、または代替的に、いくつかの実施形態において、第4の深さd4は、第4の長さl4および/または第4の幅w4に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第4の長さl4は、第4の深さd4のすべての値よりも大きくてもよい。
【0031】
同様に、第5の流体経路155が、第5のプライ152内に画成される。第5の流体経路155は、例示されている実施形態における第5方向156である第5の長さ方向の第5の長さl5と、第5の長さ方向、すなわち図示されている実施形態における第5の方向156の法線方向の第5の幅方向157の第5の幅w5とを有する。第5の長さl5は、第5の幅w5よりも大きい。さらに、第5の流体経路155は、第5のプライの第1の表面158から第5のプライの第2の表面160まで延在する第5の深さd5を含み、それにより第5の流体経路155は、第5のプライ152の厚さt全体を貫通し、第5の深さd5は、第5のプライの厚さt5に等しい。さらに、第5の長さl5は、第5の深さd5よりも大きい。第5の長さ方向は第5の方向156と同じである必要はなく、それにより、第5の流体経路155の第5の長さl5は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第4の複数の配列154に平行に延在する必要がないことは理解されるであろう。それに加えて、または代替的に、いくつかの実施形態において、第5の深さd5は、第5の深さd5および/または第5の長さl5に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第5の長さl5は、第5の幅w5のすべての値よりも大きくてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、第5の深さd5は、第5の長さl5および/または第5の幅w5に沿って変化してもよく、そのような実施形態では、第5の長さl5は、第5の深さd5のすべての値よりも大きくてもよい。
【0032】
図1および
図3に例示されているように、第3のプライ132は、第2のプライの第2の表面130が第3のプライの第1表面138に接触するように、第1のプライ112および第2のプライ122とともに積み重ねられる。さらに、第3の流体経路135は、第2の流体経路125と交差し、これは上で説明されているように第1の流体経路115と交差して第1の流体経路115から第3の流体経路135への連続する流体経路を画成する。さらに、第4のプライ142は、第3のプライの第2の表面140が第4のプライの第1表面148に接触するように、第1のプライ112、第2のプライ122、および第3のプライ132とともに積み重ねられる。第4の流体経路145は、第3の流体経路135と交差して、第1の流体経路115から第4の流体経路145への連続する流体経路を画成する。それに加えて、
図1および
図3の例示されている実施形態において、第5のプライ152は、第4のプライの第2の表面150が第5のプライの第1表面158に接触するように、第1のプライ112、第2のプライ122、第3のプライ132、および第4のプライ142とともに積み重ねられる。さらに、第5の流体経路155は、第4の流体経路145と交差して、第1の流体経路115から第5の流体経路155への連続する流体経路を画成する。
【0033】
そのようなものとして、本明細書において説明されている様々な緻密化プロセスで使用されるような蒸気または溶融したもしくは他の液体材料などの緻密化流体は、複合材料コンポーネント100に関して内側に向かって流動し得る。たとえば、緻密化流体は、第1のプライの第1の表面118によって画成された複合材料コンポーネント100の外側表面から、第1の流体経路115内に流れ込み、第1の流体経路115、第2の流体経路125、第3の流体経路135、第4の流体経路145、および第5の流体経路155によって画成される連続する流体経路を通り、複合材料コンポーネント100に浸透し、経路115、125、135、145、155に緻密化流体を充填して複合材料コンポーネント100を緻密化し得る。
【0034】
さらに、
図1~
図3に例示されているように、1つ以上プライ112、122、132、142、152は、複数の流体経路115、125、135、145、155を画成し、これは複合材料コンポーネント100の内側部分への緻密化流体の追加の浸透を可能にし得る。すなわち、1つのプライ112、122、132、142、152から隣接するプライ112、122、132、142、152に延在して本明細書において説明されているように外側表面(すなわち、第1のプライの第1表面118)から複合材料コンポーネント100への流体経路を形成する、追加の流体経路115、125、135、145、155は、緻密化流体が複合材料コンポーネント100内に流れ込むためのより多くの開口を提供する。
【0035】
図1~
図3に示されているように、単一の層またはプライ内の流体経路は、距離mだけ離間されている。たとえば、第1のプライ112内に画成された2つの第1の流体経路115は、第1の距離mだけ横方向に離間し、第2のプライ122内に画成された2つの第2の流体経路125は、第1の距離mと同じであるかまたは異なり得る、第2の距離mだけ横方向に離間する。層またはプライ内の追加の流体経路については、追加の流体経路は、隣接する流体経路から距離mだけ離間してよく、距離mは、層またはプライ内の流体経路間の各間隔について同じであるか、または少なくとも1つの距離mは、互いに離間する複数の流体経路を有する層またはプライについて、層またはプライの流体経路間の少なくとも1つの間隔に対して異なり得る。
【0036】
層またはプライ内の流体経路間の距離mは、効果的な強化および浸透をもたらすようにある範囲内であり得る。たとえば、流体経路間の間隔が近すぎる場合、プライが、たとえば高負荷の下で効果的な強化を提供するために有する繊維量が不十分である。しかしながら、流体経路の間隔が空きすぎた場合、緻密化流体の浸透のための経路が不十分である。流体経路間の間隔は、距離mとプライ厚さtとの比として表され、比m:tは約0.25:1から約10:1の範囲内であり得る。すなわち、単一の層またはプライの流体経路間の横方向距離mは、プライ厚さtの約1/4からプライ厚さtの約10倍の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、比率m:tは約0.4:1から約7:1の範囲内にあり、いくつかの実施形態において、比率m:tは約0.5:1から約5:1の範囲内にあり得る。
【0037】
さらに、各流体経路115、125、135、145、155の幅wは一定または同じである必要はないが、各流体経路115、125、135、145、155の幅wは、複合材料コンポーネント100が形成されている媒体の特徴的な細孔径より大きくてもよい。特性的な細孔径は、流体経路115、125、135、145、155を除く媒体の平均細孔径であり、浸透中に封鎖が生じる典型的な細孔径であり得る。いくつかの実施形態において、特徴的な細孔径は、媒体の繊維直径の約1/20から、最小負荷率に対応する媒体の繊維-繊維端距離の範囲内であってよく、繊維間の距離は、
【0038】
【0039】
に比例し得る。いくつかの実施形態において、特徴的な細孔径は、約0.5ミクロンから約20ミクロンの範囲内であり、いくつかの実施形態では約1ミクロンから約15ミクロンの範囲内にあり、いくつかの実施形態では約2ミクロンから約10ミクロンの範囲内であり得る。
【0040】
特徴的な細孔径よりも大きな流体経路幅wを有することは、1つ以上流体経路115、125、135、145、155の封止前に多孔質媒体が充填されるか、または浸透されるのを確実にするのに役立つ。しかしながら、流体経路の幅wが大きすぎると、浸透処理時間が長くなるか、または1つもしくは複数の流体経路の不完全な充填に起因して内側層もしくはプライに過剰な空隙が形成されるかのいずれかが生じ得る。不完全な流体経路の浸透または緻密化からの過剰な残留ポロシティは、複合材料コンポーネント100の機械的特性の低下につながる可能性がある。したがって、複合材料コンポーネント100の流体経路115、125、135、145、155などの流体経路の特徴的または平均幅wは、媒体の特徴的な細孔径の約2倍から約20倍の大きさの範囲内にあり得る。たとえば、特徴的な流体経路の幅wは、複合材料コンポーネント100を形成する媒体の特徴的な細孔径の少なくとも2倍、最大10倍であってもよい。
【0041】
流体経路115、125、135、145、155は、典型的な細孔よりも寸法的に大きいので、緻密化流体は、流体経路を閉塞または閉鎖することなく、複合材料コンポーネント100の内部深く流れ込むことができる。緻密化流体がより深く浸透することで、緻密化後の複合材料コンポーネント100は、より少ない細孔または開口部を有し、これは、特にコンポーネントの内側部分の浸透が典型的により小さい細孔の絞りによる閉塞によって妨げられる可能性のあるより厚いコンポーネントに対して、以前の技術を使用して作られた複合材料コンポーネントと比較して複合材料コンポーネント100の機械的性能を高めることができる。
【0042】
プライの例示されている数、および流体経路の例示されている数、配置、および相対的サイズは、例としてのみ示されていることは理解されるであろう。様々な実施形態において、複合材料コンポーネント100は、
図1~
図3に描かれているように1つ、2つ、もしくはそれ以上のプライ112、122、132、142、152などの任意の数のプライを含んでよく、各プライは同じプライ厚さtを有し得るか、または少なくとも1つのプライの厚さtは1つもしくは複数のプライの厚さtと異なり得る。各プライは、1つ、2つ、またはそれ以上の流体経路115、125、135、145、155などの、任意の数の流体経路を画成し得る。たとえば、
図1~
図3に描かれている複合材料コンポーネントの部分に示されているように、第1のプライ112は2つの第1の流体経路115を画成し、第2のプライ122は2つの第2の流体経路125を画成し、第3のプライ132は1つの流体経路135を画成し、第4のプライ142は1つの流体経路145を画成し、第5のプライ152は2つの流体経路155を画成するが、異なる数の流体経路がそれぞれのプライ内で画成され得る。さらに、それぞれのプライ内の各流体経路の配置は、
図1~
図3に示されている構成または配置と異なっていてもよく、各描かれた流体経路115、125、135、145、155は、一般的に、同じサイズであり(たとえば、各経路115、125、135、145、155の長さl、幅w、および深さdは一般的に等しい)、他の実施形態では、1つ以上流体経路115、125、135、145、155は、別の流体経路115、125、135、145、155の同じ寸法とは異なる寸法l、w、d(大きいかまたは小さいかのいずれか)を有し得る。
【0043】
次に
図3を参照すると、プライ112、122、132、142、152は、同じ方向または異なる方向に延在する繊維トウ102の一方向配列でレイアップされ得る。たとえば、
図3に例示されているように、プライ112、122、132、142、152は、残りのプライとは異なる方向である、同じ方向に延在するそれらの繊維トウ102を有する交互プライでレイアップされる。より詳細には、
図3の実施形態において、第2の方向126は、第1の方向116と異なる。さらに、第1の方向116、第3の方向136、および第5の方向156はすべて同じ方向(これは第1の方向116と称され得る)であり、第2の方向126は第4の方向146と同じ(これは第2の方向126と称され得る)であるが第1の方向116と異なる。
【0044】
異なる方向116、126は、互いから90°オフセットされてもよく、たとえば、
図3では、第2の方向126は、第1の方向116から90°オフセットされる。たとえば、交互配置されるプライは、0°/90°であってもよく、それぞれのプライの繊維トウ102の一方向配列は、複合材料コンポーネント100の基準軸RAに関して0°または90°のいずれかにある。一例として、第1のプライ112、第3のプライ132、および第5のプライ152は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第1の複数の配列114、第3の複数の配列134、および第5の複数の配列154が基準軸RAに整列された状態で0°のプライであってよく、第2のプライ122および第4のプライ142は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124および第4の複数の配列144が基準軸RAの垂直方向に延在している状態で90°のプライであり得る。第1の方向116と第2の方向126との間の90°のオフセットの他の実施形態では、交互配置プライは、90°/0°プライ、-45°/+45°プライ、+45°/-45°プライ、または第1の方向116および第2の方向126が互いから90°隔たる任意の他の配向にあってよい。
【0045】
もちろん、他の実施形態では、第1の方向116および第2の方向126は、第1の方向116および第2の方向126が非平行であるような任意の角度測定によって互いからオフセットされ得る。たとえば、プライは、第1の方向116が基準軸RAに関して30°の角度を成し、第2の方向126が基準軸RAに関して60°の角度を成すように30°/60°プライであり得る。さらに他の実施形態において、プライは、2つまたは複数の異なる方向に沿ってレイアップされてもよく、たとえば、第3の方向136および/または第5の方向156は、第1の方向116と異なり、および/または第4の方向146は、第2の方向126と異なり得る。たとえば、第1の方向116、第2の方向126、第3の方向136、第4の方向146、および第5の方向156の各々は、異なる方向であり得るか、または5つの方向116、126、136、146、156のうちの4つは異なる方向であり得るか、または5つの方向116、126、136、146、156のうちの3つは異なる方向であり得る。さらに、いくつかの実施形態において、2つまたはそれ以上の隣接するプライは、繊維トウ102の一方向配列のうちのそれぞれの複数の配列が互いに平行に延在するようにレイアップされてもよく、たとえば、隣接するプライ(たとえば、第2のプライ122および第3のプライ132など)は、同じ方向に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの複数の配列(たとえば、所与の例については、第2の方向126は第3の方向136と同じである)を有し得る。
【0046】
図2に戻って参照すると、複合材料プライ112、122、132、142、152は、流体経路115、125、135、145、155に加えて、複数の細孔106を画成し得る。たとえば、第1のプライ112は、細孔106のうちの第1の複数の細孔106aを画成し、第2のプライ122は、細孔106のうちの第2の複数の細孔106bを画成し、第3のプライ132は、細孔106のうちの第3の複数の細孔106cを画成し、第4のプライ142は、細孔106のうちの第4の複数の細孔106dを画成し、第5のプライ152は、細孔106のうちの第5の複数の細孔106eを画成し得る。複合材料プライ112、122、132、142、152が一緒にレイアップされたときに、複数の細孔106のうちの1つ以上細孔106は、隣接する複合材料プライ112、122、132、142、152の細孔106または流体経路115、125、135、145、155と流体的に結合するものとしてよいが、しかしながら、細孔106同士の間、または細孔106と流体経路115、125、135、145、155との間の流体的結合は、流体経路115、125、135、145、155の流体的結合に関して本明細書において説明されているような緻密化流体に対する連続する経路を形成しない。
【0047】
細孔106のうちの第1の複数の細孔106a、第2の複数の細孔106b、第3の複数の細孔106c、第4の複数の細孔106d、および第5の複数の細孔106eの各細孔106は、第1の流体経路115および第2の流体経路125の両方よりも寸法的に小さい。たとえば、第1の流体経路115の長さl1および第2の流体経路125の長さl2は各々、それぞれのプライ112、122の繊維トウ102の一方向配列と同じ方向に延在する各細孔106の長さまたは寸法よりも大きい。本明細書において説明されているように、複合材料コンポーネント100は、特徴的なまたは平均の流体経路幅wよりも小さい細孔106の特徴的なまたは平均の細孔径を有し、たとえば、特徴的な流体経路幅wは、細孔106の特徴的な細孔径の約2倍から約20倍の大きさの範囲内にあり得る。さらに、各流体経路115、125、135、145、155の深さdは、それぞれのプライ112、122、132、142、152において画成されたそれぞれの細孔106の深さよりも大きいかまたは深いものとしてよい。
【0048】
さらに、細孔106および流体経路115、125、135、145、155は各々、プライ112、122、132、142、152内の空隙または開口部であり、細孔106は上で説明されているように流体経路115、125、135、145、155より寸法的に小さい。そのようなものとして、複合材料コンポーネント100は、二峰性空隙サイズ分布を有する。たとえば、本明細書において説明されているように、プライ112、122、132、142、152を含むプライレイアップ108を浸透させて多孔質マトリックス材料を緻密化し複合材料コンポーネント100を形成する前に、プライ112、122、132、142、152は、繊維トウ102の一方向配列のうちの複数の配列114、124、134、144、154(
図3)とマトリックス前駆体、およびいくつかの実施形態ではポリマー粒子などの細孔形成剤を含む。プライ112、122、132、142、152を硬化させてマトリックス前駆体を熱分解し、含まれるときに、細孔形成剤をバーンアウトさせた後、硬化したプライ112、122、132、142、152は、繊維トウ102の一方向配列および二峰性空隙サイズ分布を有する多孔質マトリックス骨格を含む。そのようなものとして、細孔106のうちの複数の細孔106a、106b、106c、106d、106eおよび複数の流体経路115、125、135、145、155を含む、プライレイアップ108内の空隙は、空隙サイズ分布曲線上に2つの明確に識別可能な最大値を有する。
【0049】
次に
図4を参照すると、本明細書において説明されているように、複合材料コンポーネント100は、複数のプライ112、122、132、142、152が複数の層であるようにプライスタックまたはレイアップ108でレイアップされる、複数のプライ112、122、132、142、152内に複数の流体経路115、125、135、145、155を画成する。少なくともいくつかの実施形態において、複数のプライ112、122、132、142、152のプライの単位面積当たりの流体経路115、125、135、145、155の数は、第1のプライ112から別のプライ152まで数が減少するように任意選択で、また代替的に配置構成され得る。1つの非限定的な例において、第1のプライ112は複合材料コンポーネント100の最外層を形成することができ、他のプライ152は複合材料コンポーネント100の最内層を形成することができる。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はない。
図4の例示されている代替的な例において、複合材料コンポーネント100は、流体経路115、125、135、145、155に関して空隙またはポロシティの勾配を有し、勾配は第1のプライの第1の表面118によって画成された複合材料コンポーネントの外側表面から第5のプライ152まで内側に向かって減少する。いくつかの実施形態において、単位面積当たりの流体経路115、125、135、145、155の数は、最外層またはプライ112から最内層またはプライ152まで単調に内側に向かって減少する。
【0050】
図5は、複合材料コンポーネント100を形成する方法500の流れ図である。方法500は、第1のプライ112をレイアップすること(502)と、第1のプライ112と接触する第2のプライ122をレイアップしてプライレイアップ108を形成すること(504)とを含む。第1のプライ112および第2のプライ122は各々本明細書において説明されているように構成される。たとえば、
図1および
図3に示されているように、第1のプライ112は、第1の方向116に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第1の複数の配列114を含む。第1の流体経路115が第1のプライ112内に画成され、これは第1のプライの第2の表面120に対向する第1のプライの第1の表面118と、第1のプライの厚さt
1とを有する。第1の流体経路115は、第1の方向116の第1の長さl
1と、第1の方向116の法線方向の第1の幅方向117の第1の幅w
1と、第1のプライの第1の表面118から第1のプライの第2の表面120まで延在する第1の深さd
1とを有する。第1の長さl
1は、第1の幅w
1および第1の深さd
1の両方よりも大きい。少なくともいくつかの実施形態において、第1の幅w
1が第1の深さd
1および/または第1の長さl
1に沿って変化する場合、第1の長さl
1は第1の幅w
1のすべての値よりも大きく、第1の深さd
1が第1の長さl
1および/または第1の幅w
1に沿って変化する場合、第1の長さl
1は第1の深さd
1のすべての値よりも大きい。
【0051】
同様に、上で説明されているように、第2のプライ122は、第2の方向126に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124を含む。第2の流体経路125が第2のプライ122内に画成され、これは第2のプライの第2の表面130に対向する第2のプライの第1の表面128と、第2のプライの厚さt2とを有する。第2の流体経路125は、第2の方向126の第2の長さl2と、第2の方向126の法線方向の第2の幅方向127の第2の幅w2と、第2のプライの第1の表面128から第2のプライの第2の表面130の方へ内側に向かって延在する第2の深さd2とを有する。例示的な実施形態において、第2の深さd2は、第2のプライの第1の表面128から第2のプライの第2の表面130まで延在する。第2の長さl2は、第2の幅w2および第2の深さd2の両方よりも大きい。少なくともいくつかの実施形態において、第2の幅w2が第2の深さd2に沿って変化する場合、第2の長さl2は第2の幅w2のすべての値よりも大きく、第2の深さd2が第2の方向126に沿って変化する場合、第2の長さl2は第2の深さd2のすべての値よりも大きい。
【0052】
少なくともいくつかの実施形態において、方法500は、プライレイアップ108が第3のプライ132を含むように第2のプライ122と接触する第3のプライ132をレイアップすること(506)も含む。方法500は、プライレイアップ108が第4のプライ142を含むように第3のプライ132と接触する第4のプライ142をレイアップすること(508)をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、方法500は、プライレイアップ108が第5のプライ152を含むように第4のプライ142と接触する第5のプライ152をレイアップすること(510)も含む。方法500は、任意の追加の数n個の複合材料プライをレイアップして複合材料コンポーネント100に対するプライレイアップ108を画成すること(512)を含むことができる。
【0053】
第3のプライ132、第4のプライ142、および第5のプライ152は、本明細書において説明されているように構成され得る。たとえば、第3のプライ132は、第3の方向136に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第3の複数の配列134を含む。第3の流体経路135が第3のプライ132内に画成され、これは第3のプライの第2の表面140に対向する第3のプライの第1の表面138と、第3のプライの厚さt3とを有する。第3の流体経路135は、第3の方向136の第3の長さl3と、第3の方向136の法線方向の第3の幅方向137の第3の幅w3と、第3のプライの第1の表面138から第3のプライの第2の表面140まで延在する第3の深さd3とを有する。第3の長さl3は、第3の幅w3および第3の深さd3の両方よりも大きい。同様に、上で説明されているように、第4のプライ142は、第4の方向146に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第4の複数の配列144を含む。第4の流体経路145が第4のプライ142内に画成され、これは第4のプライの第2の表面150に対向する第4のプライの第1の表面148と、第4のプライの厚さt4とを有する。第4の流体経路145は、第4の方向146の第4の長さl4と、第4の方向146の法線方向の第4の幅方向147の第4の幅w4と、第4のプライの第1の表面148から第4のプライの第2の表面150まで延在する第4の深さd4とを有する。第4の長さl4は、第4の幅w4および第4の深さd4の両方よりも大きい。同様に、上で説明されているように、第5のプライ152は、第5の方向156に延在する繊維トウ102の一方向配列のうちの第5の複数の配列154を含む。第5の流体経路155が第5のプライ152内に画成され、これは第5のプライの第2の表面160に対向する第5のプライの第1の表面158と、第5のプライの厚さt5とを有する。第5の流体経路155は、第5の方向156の第5の長さl5と、第5の方向156の法線方向の第5の幅方向157の第5の幅w5と、第5のプライの第1の表面158から第5のプライの第2の表面160の方へ内側に向かって延在する第5の深さd5とを有する。例示的な実施形態において、第5の深さd5は、第5のプライの第1の表面158から第5のプライの第2の表面160まで延在する。第5の長さl5は、第5の幅w5および第5の深さd5の両方よりも大きい。
【0054】
プライレイアップ108内の追加のプライは、第1のプライ112、第2のプライ122、第3のプライ132、第4のプライ142、および第5のプライ152と同様に構成され得ることは理解されるであろう。さらに、第1のプライ112、第2のプライ122、第3のプライ132、第4のプライ142、および第5のプライ152は、上で説明されているような追加の特徴を含み得る。たとえば、各プライ112、122、132、142、152は、任意の数の流体経路115、125、135、145、155を画成し、各流体経路は単一のプライ内に距離mだけ横方向に離間して画成され、これは同じであるか、または流体経路間で異なっていてもよい。本明細書において説明されているように、プライ112、122、132、142、152の流体経路間の横方向の距離mと、それぞれのプライ112、122、132、142、152の厚さtとの比は、約0.25:1から約10:1の範囲内にあり得る。いくつかの実施形態において、比率m:tは約0.4:1から約7:1の範囲内にあり、いくつかの実施形態において、比率m:tは約0.5:1から約5:1の範囲内にあり得る。
【0055】
さらに、各プライ112、122、132、142、152は、複数の細孔106a、106b、106c、106d、106e(
図2)を含むものとしてよく、これらは流体経路115、125、135、145、155のようにそれぞれのプライ内の空隙または開口部であるが、各流体経路115、125、135、145、155より寸法的に小さい。すなわち、複合材料コンポーネント100は、細孔106の特徴的な細孔径を有し、特徴的な細孔径の約2倍から約20倍の範囲内の特徴的な流体経路幅wを有し得る。そのようなものとして、プライレイアップ108は、空隙サイズの二峰性分布を含み得る。
【0056】
さらに、それぞれのプライ112、122、132、142、152をレイアップすることは、複合材料コンポーネント100の基準軸RAに関して所与の方向に沿って各プライ内の繊維トウ102の一方向配列を整列することを含み得る。
図3を参照すると、例としてのみであるが、第1のプライ112、第3のプライ132、および第5のプライ152は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第1の複数の配列114、第3の複数の配列134、および第5の複数の配列154が第1の方向116に沿って延在するようにレイアップされ、第2のプライ122および第4のプライ142は、繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124および第4の複数の配列144が第2の方向126に沿って延在するようにレイアップされ得る。第2の方向126は、たとえば、第1のプライ112と接触する第2のプライ122をレイアップすることが、繊維トウ102の一方向配列のうちの第2の複数の配列124が繊維トウ102の一方向配列の第1の複数の配列114からオフセットされるように第2のプライ122をレイアップすることを含むように第1の方向116と異なる。本明細書において説明されているように、いくつかの実施形態において、第2の方向126は、交互配置プライが複合材料コンポーネント100の基準軸RAに関して0°/90°、+45°/-45°、-45°/+45°などを取り得るように第1の方向116から90°だけオフセットされる。他の実施形態では、第1の方向116と第2の方向126との間のオフセットは、基準軸RAに関して異なる角度測定値であり得、および/またはプライレイアップ108内の2つよりも多いプライは、繊維トウ102の一方向配列が同じ方向に沿って延在し、互いに平行であるようにレイアップされ得る。
【0057】
本明細書においてさらに説明されているように、プライ112、122、132、142、152がプライレイアップ108内でレイアップされたときに、第1の流体経路115は第2の流体経路125と交差して、第1の流体経路115から少なくとも第2の流体経路125までの連続する流体経路を画成する。さらに、第3の流体経路135は、第2の流体経路125と交差して、第1の流体経路115から少なくとも第3の流体経路135への連続する流体経路を画成する。それに加えて、第4の流体経路145は、第3の流体経路135と交差して、第1の流体経路115から少なくとも第4の流体経路145への連続する流体経路を画成する。さらに、第5の流体経路155は、第4の流体経路145と交差して、第1の流体経路115から少なくとも第5の流体経路155への連続する流体経路を画成する。
【0058】
少なくともいくつかの実施形態において、方法500は、プライレイアップ108を硬化させること(514)をさらに含む。いくつかの実施形態において、プライレイアップ108を硬化することは、プライレイアップ108を圧縮することを含み、これはそれに加えてプライレイアップ108をオートクレーブすることを含み得る。それに加えて、または代替的に、プライレイアップ108を硬化することは、プライレイアップ108を焼成するかまたはバーンアウトさせることを含み得る。バーンアウトの間、プライレイアップ108は、真空または不活性雰囲気中で加熱されるか、または焼成され、たとえば前駆体セラミックマトリックス材料中の任意の結合剤を分解し、任意の溶媒を除去し、前駆体セラミックマトリックス材料を望ましいセラミックマトリックス材料に転換し得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、圧密および/またはバーンアウトは必要とされ得ないか、または省かれ得ることは理解されるであろう。たとえば、複合材料コンポーネント100がポリマーマトリックス複合材料(PMC)から形成される場合、PMCプライレイアップは、バーンアウトされる必要がある充填剤、溶媒などを含まず、またPMCプライレイアップは、バーンアウトプロセスが省かれ得るようなバーンアウトの温度に耐えることができない。そのようなものとして、いくつかの複合材料コンポーネント100について、プライレイアップ108を硬化すること(514)は、圧密、オートクレービング、および/または焼成/バーンアウトを含まない。
【0060】
なおも
図5を参照すると、方法500は、プライレイアップ108を緻密化すること(516)も含む。少なくともいくつかの実施形態において、プライレイアップ108は、化学蒸気浸透法(CVI)を使用して緻密化されるが、他の実施形態では、溶融浸透法(MI)または同様の方法などの他の緻密化方法が使用され得る。硬化プロセス中、たとえばバーンアウト中の結合剤または他の材料(細孔形成剤など)の分解に起因して、プライレイアップ108は多孔質であるか、または細孔106および流体経路115、125、135、145、155を含む、空隙または開口部を中に有する。たとえば、CMCプライレイアップ108のバーンアウト中に、各プライ112、122、132、142、152内のマトリックス材料104は収縮し、繊維トウ102は、マトリックス材料104の収縮を通して流体経路115、125、135、145、155が広がるような体積的制約をもたらす。したがって、プライレイアップ108は、緻密化、たとえば、化学蒸気浸透法(CVI)、溶融浸透法(MI)、またはポリマー浸透および熱分解(PIP)を受け、ポロシティ、空隙、または開口部を充填して緻密化CMCコンポーネント100を形成し得る。
【0061】
緻密化のための特定の処理技術およびパラメータは、材料の特定の組成に依存し得る。例示的な実施形態において、プライレイアップ108を緻密化すること(516)は、高温の反応性ガスの使用によってマトリックス材料が繊維プリフォーム内に浸透され、繊維強化複合材料を形成する、CVIプロセスを使用することを含み、したがって反応ガスは緻密化流体である。CVI複合材料マトリックスは、典型的には、遊離ケイ素相を有さず、したがって、良好な耐クリープ性を有し、約2570°Fを超える温度で動作する潜在的可能性がある。CVIは、たとえば、炭素繊維強化炭化ケイ素マトリックス(C/SiC)CMC、SiC/SiC CMCなどに使用され得る。
【0062】
プライレイアップ108は、CVIプロセスを単独で使用するか、または部分的CVIとその後のシリコン(Si)、シリコン合金、もしくは希土類二ケイ酸塩(RE2Si2O7)などの酸化物によるMIとの組合せを使用するか、またはMIの前にスラリー浸透を使用することで緻密化され得る。他の緻密化技術は、限定はしないが、シリコンMIプロセスおよび反応MIプロセス(たとえば、炭化ケイ素CMCコンポーネントは溶融シリコンを浸透され、したがって溶融シリコンは緻密化流体である)、PIPプロセス(たとえば、炭化ケイ素強化材料コンポーネントはポリシラザンなどのプレセラミックポリマーを浸透され、次いで熱処理されてSiCマトリックスを形成し、したがってプレセラミックポリマーは緻密化流体である)、および酸化物/酸化物プロセス(たとえば、アルミニウムまたはアルミノシリケート強化材料コンポーネント用)を含み、各々単独で、または1つもしくは複数の他の緻密化プロセスと組み合わせて、使用され得る。
【0063】
(実施例)
3つの異なる7層プリフォームE1、CE1、およびCE2が調製され、化学蒸気浸透法(CVI)を使用して緻密化され、詳細に調べられた。3つのプリフォームの各層またはプライの典型的な厚さtは、約190ミクロンであった。各プリフォームについて、隣接するプライの間で0°および90°のプライ配向が交互した。第1のプリフォームE1は、本明細書において説明されている主題の仕様に適合し、
図5に関して説明されている方法500に従って(ただし、方法500に関して説明されている5つのプライではなく、7つのプライで)調製された。第2のプリフォームCE1は、一時的な繊維で調製され、一時的な繊維は、第2のプリフォームCE1の所与の層をほぼ貫通した第2のプリフォームCE1内に大きなほぼ円形の溝状空隙を残した。第2のプリフォームCE1の大きな空隙は、CVIによるその後の緻密化においてほとんど未充填のままであった。第3のプリフォームCE2は、本明細書において説明されている方法とは異なる方式で調製され、第3のプリフォームCE2は、すべての層において本主題の流体経路構造を示さなかった。そのようなものとして、3つのプリフォームE1、CE1、およびCE2は、ポロシティの異なる値、ならびに細孔の異なる形状および寸法を有していた。
【0064】
CVIに続いて、試料は切断されるか、または切片化され、層間引張(ILT)強度が測定された。試料の小片が研磨され、光学顕微鏡を使用して調べられた。これらの測定結果から、繊維の体積分率、繊維の平均分離、細孔幅(CVI充填または浸透セクションおよび残留未充填または未浸透セクションの両方を含む)、典型的な細孔深さ、典型的な繊維径、および細孔の体積パーセントが取得された。分析結果がTable 1(表1)に与えられている。
【0065】
【0066】
すでに浸透されたプリフォームが与えられた場合、緻密化プロセスの前に特徴的な細孔長スケールを直接的に測定することは困難である。繊維間分離距離は、上限推定値を形成する。充填剤および炭化物が存在することに起因して、特徴的な細孔径の実際の値は、繊維間分離距離の値から低減される。プリフォームE1内の流体経路の間に配置される残留細孔のCVIプロセスからの堆積物の厚さの観察結果は、特徴的な細孔径は繊維間分離距離の約半分(1/2)であり、3.6:1から7.2:1の範囲内の流体経路幅と細孔径との比の範囲をもたらすことを示唆している。さらに、プリフォームE1では、流体経路間の典型的な分離距離は約430ミクロンであり、分離距離は7層スタック内で320ミクロンから650ミクロンの間で変化する。さらに、プリフォームE1は、プリフォームCE1およびプリフォームCE2と比べて、観察された緻密化後ポロシティが低く、ILTの値が高い。
【0067】
したがって、本明細書において説明されているように、本主題は、複合材料コンポーネントおよび複合材料コンポーネントを形成する方法を提供し、複合材料コンポーネントの層内の流体経路は、ガスもしくは蒸気または溶融セラミック材料などの緻密化流体が最外層より下の層に接近することを可能にする。浸透の前に、流体経路の間の空間は、繊維、充填剤、および結合剤材料、ならびに細孔または他の空隙空間を含むことができる。典型的には、繊維含有領域内の細孔または空隙空間の寸法は、流体経路の典型的な幅に比べてかなり小さく、細孔または空隙空間が浸透によって充填されると、細孔または空隙空間によって形成される浸透経路は「絞られて閉塞する」。流体経路の寸法的に大きな構造は、緻密化流体、たとえば反応ガスがプリフォームまたはプライレイアップ内により深く侵入または浸透することを可能にし、構造強度は、流体経路間の繊維含有複合材料によって提供される。浸透処理の最終段階において、最外層プライの流体経路は、緻密化流体によって生成される固形物で満たされる。したがって、細孔またはより小さい空隙のみを有する複合材料コンポーネントと比較して本明細書において説明されているような流体経路を有する複合材料コンポーネントに対してより完全な緻密化が達成され得る。そのようなものとして、たとえばCVIプロセスを使用して緻密化されたより厚いコンポーネントは、一方向プライ構造で作られ、CVIプロセスを使用して緻密化されたより薄い部品と同じレベルの機械的性能を有することができる。したがって、より多様な、たとえば、高温ガスタービンエンジンコンポーネントが、コンポーネントを冷却するためのハイブリッドまたは専用冷却構造に頼ることなく作られ得る。本明細書において説明されている主題の他の利点も、当業者によって実現され得る。
【0068】
本開示のさらなる態様は、次の項の主題によって提供される。
【0069】
複合材料コンポーネントであって、第1の方向に延在する繊維トウの第1の複数の一方向配列を有する第1のプライと、第2の方向に延在する繊維トウの第2の複数の一方向配列を有する第2のプライと、第1のプライ内に画成された第1の流体経路であって、第1の流体経路は第1の長さ方向の第1の長さと第1の長さ方向の法線方向の第1の幅方向の第1の幅とを有し、第1の長さは第1の幅よりも大きい、第1の流体経路と、第2のプライ内に画成された第2の流体経路であって、第2の流体経路は第2の長さ方向の第2の長さと第2の長さ方向の法線方向の第2の幅方向の第2の幅とを有し、第2の長さは第2の幅よりも大きい、第2の流体経路とを備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0070】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライは第1のプライの第2の表面に対向する第1のプライの第1の表面を有し、第2のプライは第2のプライの第2の表面に対向する第2のプライの第1の表面を有し、第1の流体経路は第1のプライの第1の表面から第1のプライの第2の表面まで延在する第1の深さを備え、第1の長さは第1の深さよりも大きく、第2の流体経路は第2のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第2の深さを備え、第2の長さは第2の深さよりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0071】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライは、第1のプライの第2の表面が第2のプライの第1の表面に接触するように第2のプライとともに積み重ねられ、第1の流体経路は、第2の流体経路と交差して、第1の流体経路から第2の流体経路への連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0072】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第2の方向は第1の方向と異なる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0073】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第2の方向は第1の方向から90°オフセットされる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0074】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第3の方向に延在する繊維トウの第3の複数の一方向配列を有する第3のプライと、第3のプライ内に画成された第3の流体経路であって、第3の流体経路は第3の長さ方向の第3の長さと第3の長さ方向の法線方向の第3の幅方向の第3の幅とを有し、第3の長さは第3の幅よりも大きい、第3の流体経路とをさらに備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0075】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第2の深さは、第2のプライの第1の表面から第2のプライの第2の表面まで延在し、第3のプライは第3のプライの第2の表面に対向する第3のプライの第1の表面を有し、第3の流体経路は第3のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第3の深さを備え、第3の長さは第3の深さよりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0076】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライ、第2のプライ、および第3のプライは、第1のプライの第2の表面が第2のプライの第1の表面に接触し、第2のプライの第2の表面が第3のプライの第1の表面に接触するように一緒に積み重ねられ、第1の流体経路は、第2の流体経路と交差して、第1の流体経路から第2の流体経路への第1の連続する流体経路を画成し、第2の流体経路は、第3の流体経路と交差して、第2の流体経路から第3の流体経路への第2の連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0077】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第2の方向は第1の方向と異なる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0078】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第3の方向は第1の方向と同じである、複合材料コンポーネントが提供される。
【0079】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第3の方向は第2の方向と異なる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0080】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第4の方向に延在する繊維トウの第4の複数の一方向配列を有する第4のプライと、第4のプライ内に画成された第4の流体経路であって、第4の流体経路は第4の長さ方向の第4の長さと第4の長さ方向の法線方向の第4の幅方向の第4の幅とを有し、第4の長さは第4の幅よりも大きい、第4の流体経路とをさらに備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0081】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第3の深さは、第3のプライの第1の表面から第3のプライの第2の表面まで延在し、第4のプライは第4のプライの第2の表面に対向する第4のプライの第1の表面を有し、第4の流体経路は第4のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第4の深さを備え、第4の長さは第4の深さよりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0082】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライ、第2のプライ、第3のプライ、および第4のプライは、第1のプライの第2の表面が第2のプライの第1の表面に接触し、第2のプライの第2の表面が第3のプライの第1の表面に接触し、第3のプライの第2の表面が第4のプライの第1の表面に接触するように一緒に積み重ねられる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0083】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の流体経路は、第2の流体経路と交差して、第1の流体経路から第2の流体経路への第1の連続する流体経路を画成し、第2の流体経路は、第3の流体経路と交差して、第2の流体経路から第3の流体経路への第2の連続する流体経路を画成し、第3の流体経路は、第4の流体経路と交差して、第3の流体経路から第4の流体経路への第3の連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0084】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の流体経路は第2の流体経路と交差し、第2の流体経路は第3の流体経路と交差し、第3の流体経路は第4の流体経路と交差して、第1の流体経路から第4の流体経路への連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0085】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、連続する流体経路は、第1の連続する流体経路と、第2の連続する流体経路と、第3の連続する流体経路とを含む、複合材料コンポーネントが提供される。
【0086】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第4の方向は第2の方向と同じである、複合材料コンポーネントが提供される。
【0087】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第4の方向は第1の方向と異なる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0088】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第5の方向に延在する繊維トウの第5の複数の一方向配列を有する第5のプライと、第5のプライ内に画成された第5の流体経路であって、第5の流体経路は第5の長さ方向の第5の長さと第5の長さ方向の法線方向の第5の幅方向の第5の幅とを有し、第5の長さは第5の幅よりも大きい、第5の流体経路とをさらに備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0089】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第4の深さは、第4のプライの第1の表面から第4のプライの第2の表面まで延在し、第5のプライは第5のプライの第2の表面に対向する第5のプライの第1の表面を有し、第5の流体経路は第5のプライの第1の表面から内側に向かって延在する第5の深さを備え、第5の長さは第5の深さよりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0090】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライ、第2のプライ、第3のプライ、第4のプライ、および第5のプライは、第1のプライの第2の表面が第2のプライの第1の表面に接触し、第2のプライの第2の表面が第3のプライの第1の表面に接触し、第3のプライの第2の表面が第4のプライの第1の表面に接触し、第4のプライの第2の表面が第5のプライの第1の表面に接触するように一緒に積み重ねられる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0091】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の流体経路は、第2の流体経路と交差して、第1の流体経路から第2の流体経路への第1の連続する流体経路を画成し、第2の流体経路は、第3の流体経路と交差して、第2の流体経路から第3の流体経路への第2の連続する流体経路を画成し、第3の流体経路は、第4の流体経路と交差して、第3の流体経路から第4の流体経路への第3の連続する流体経路を画成し、第4の流体経路は、第5の流体経路と交差して、第4の流体経路から第5の流体経路への第4の連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0092】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の流体経路は第2の流体経路と交差し、第2の流体経路は第3の流体経路と交差し、第3の流体経路は第4の流体経路と交差し、第4の流体経路は第5の流体経路と交差して、第1の流体経路から第5の流体経路への連続する流体経路を画成する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0093】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、連続する流体経路は、第1の連続する流体経路と、第2の連続する流体経路と、第3の連続する流体経路と、第4の連続する流体経路とを含む、複合材料コンポーネントが提供される。
【0094】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第5の方向は第1の方向と同じである、複合材料コンポーネントが提供される。
【0095】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第5の方向は第2の方向と異なる、複合材料コンポーネントが提供される。
【0096】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライは第1のプライの厚さt1を有し、複数の第1の流体経路を画成し、複数の第1の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、距離mと第1のプライの厚さt1との比は、約0.25:1から約10:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0097】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、距離mと第1のプライの厚さt1との比は、約0.4:1から約7:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0098】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、距離mと第1のプライの厚さt1との比は、約0.5:1から約5:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0099】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライ、第2のプライ、第3のプライ、第4のプライ、または第5のプライのうちの少なくとも1つは、プライの厚さtを有し、複数の流体経路を画成し、複数の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、距離mとプライの厚さtとの比は、約0.25:1から約10:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0100】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、距離mとプライの厚さtとの比は、約0.4:1から約7:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0101】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、距離mとプライの厚さtとの比は、約0.5:1から約5:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0102】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1のプライ内に画成された第1の複数の細孔と第2のプライ内に画成された第2の複数の細孔とをさらに備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0103】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の複数の細孔の各細孔および第2の複数の細孔の各細孔は、第1の流体経路および第2の流体経路の両方よりも寸法的に小さい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0104】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の複数の細孔、第2の複数の細孔、第1の流体経路、および第2の流体経路は各々、複合材料コンポーネント内の空隙であり、複合材料コンポーネントは、空隙サイズの二峰性分布を有する、複合材料コンポーネントが提供される。
【0105】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複合材料コンポーネントは、特徴的な細孔径を有し、第1の幅および第2の幅の各々は、特徴的な細孔径よりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0106】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の幅および第2の幅の各々は、特徴的な細孔径の約2倍から約20倍の大きさの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0107】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の幅および第2の幅の各々は、特徴的な細孔径の約2倍から約10倍の大きさの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0108】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複合材料コンポーネントは、特徴的な細孔径を有し、第1の幅、第2の幅、第3の幅、第4の幅、および第5の幅の各々は、特徴的な細孔径よりも大きい、複合材料コンポーネントが提供される。
【0109】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の幅、第2の幅、第3の幅、第4の幅、および第5の幅の各々は、特徴的な細孔径の約2倍から約20倍の大きさの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0110】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第1の幅、第2の幅、第3の幅、第4の幅、および第5の幅の各々は、特徴的な細孔径の約2倍から約10倍の大きさの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0111】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、特徴的な細孔径は、約0.5ミクロンから約20ミクロンの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0112】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、特徴的な細孔径は、約1ミクロンから約15ミクロンの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0113】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、特徴的な細孔径は、約2ミクロンから約10ミクロンの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0114】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複合材料コンポーネントは、セラミックマトリックス複合材料コンポーネントである、複合材料コンポーネントが提供される。
【0115】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複合材料コンポーネントは、化学蒸気浸透プロセスを使用して緻密化するように構成される、複合材料コンポーネントが提供される。
【0116】
複合材料コンポーネントを形成する方法であって、第1の方向に延在する繊維トウの第1の複数の一方向配列を有する第1のプライをレイアップすることと、第1のプライに接触している第2のプライをレイアップしてプライレイアップを形成することであって、第2のプライは第2の方向に延在する繊維トウの第2の複数の一方向配列を有する、形成することと、プライレイアップを硬化して第1のプライ内の少なくとも1つの第1の流体経路と第2のプライ内の少なくとも1つの第2の流体経路とを形成することと、化学蒸気浸透法を使用してプライレイアップを緻密化することとを含み、少なくとも1つの第1の流体経路は、少なくとも1つの第2の流体経路と交差して、少なくとも1つの第1の流体経路から少なくとも1つの第2の流体経路への連続する流体経路を画成する、方法が提供される。
【0117】
任意の先行する項の方法であって、第2のプライに接触している第3のプライを、第3のプライがプライレイアップの一部となるようにレイアップすることであって、第3のプライは第3の方向に延在する繊維トウの第3の複数の一方向配列を有する、レイアップすることをさらに含み、プライレイアップを硬化することで第3のプライ内に少なくとも1つの第3の流体経路を形成し、少なくとも1つの第3の流体経路は、少なくとも1つの第2の流体経路と交差して、少なくとも1つの第1の流体経路から少なくとも1つの第3の流体経路への連続する流体経路を画成する、方法が提供される。
【0118】
任意の先行する項の方法であって、第2の方向は、第1のプライと接触する第2のプライをレイアップすることが、繊維トウの第2の複数の一方向配列が繊維トウの第1の複数の一方向配列からオフセットされるように第2のプライをレイアップすることを含むように第1の方向と異なる、方法が提供される。
【0119】
任意の先行する項の方法であって、第3の方向は第1の方向と同じである、方法が提供される。
【0120】
任意の先行する項の方法であって、第3のプライに接触している第4のプライを、第4のプライがプライレイアップの一部となるようにレイアップすることであって、第4のプライは第4の方向に延在する繊維トウの第4の複数の一方向配列を有する、レイアップすることをさらに含み、プライレイアップを硬化することで第4のプライ内に少なくとも1つの第4の流体経路を形成し、少なくとも1つの第4の流体経路は、少なくとも1つの第3の流体経路と交差して、少なくとも1つの第1の流体経路から少なくとも1つの第4の流体経路への連続する流体経路を画成する、方法が提供される。
【0121】
任意の先行する項の方法であって、第4の方向は第2の方向と同じである、方法が提供される。
【0122】
任意の先行する項の方法であって、第4のプライに接触している第5のプライを、第5のプライがプライレイアップの一部となるようにレイアップすることであって、第5のプライは第5の方向に延在する繊維トウの第5の複数の一方向配列を有する、レイアップすることをさらに含み、プライレイアップを硬化することで第5のプライ内に少なくとも1つの第5の流体経路を形成し、少なくとも1つの第5の流体経路は、少なくとも1つの第4の流体経路と交差して、少なくとも1つの第1の流体経路から少なくとも1つの第5の流体経路への連続する流体経路を画成する、方法が提供される。
【0123】
任意の先行する項の方法であって、第5の方向は第1の方向と同じである、方法が提供される。
【0124】
任意の先行する項の方法であって、第1のプライは、複数の第1の流体経路を備える、方法が提供される。
【0125】
任意の先行する項の方法であって、複合材料コンポーネントは、セラミックマトリックス複合材料コンポーネントである、方法が提供される。
【0126】
任意の先行する項の方法であって、プライレイアップを圧密することをさらに含む、方法が提供される。
【0127】
任意の先行する項の方法であって、プライレイアップを硬化することはプライレイアップを焼成するか、またはバーンアウトすることを含む、方法が提供される。
【0128】
複合材料コンポーネントであって、複数のプライであって、各プライは繊維トウの複数の一方向配列を含み、複数のプライは複数の層を有するプライスタック内にレイアップされ、複数の層は最外層と最内層とを有する、複数のプライと、複数のプライ内に画成された複数の流体経路であって、複数の流体経路のうちの各流体経路はそれぞれのプライの繊維トウのそれぞれの複数の一方向配列に平行に延在する長さを有し、複数のプライのうちの1つのプライの単位面積当たりの複数の流体経路の流体経路の数は最外層から最内層へ向かうにつれ減少する、複数の流体経路とを備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0129】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複数のプライは少なくとも第1のプライおよび第2のプライを含む、複合材料コンポーネントが提供される。
【0130】
複合材料コンポーネントであって、繊維トウの第1の複数の一方向配列を有する第1のプライであって、第1のプライは複数の第1の流体経路を画成し、複数の第1の流体経路の各第1の流体経路は第1の幅よりも大きい第1の長さを有する、第1のプライと、繊維トウの第2の複数の一方向配列を有する第2のプライであって、第2のプライは複数の第2の流体経路を画成し、複数の第2の流体経路の各第2の流体経路は第2の幅よりも大きい第2の長さを有する、第2のプライとを含み、複数の第1の流体経路のうちのそれぞれの1つの第1の流体経路は複数の第2の流体経路のうちの少なくとも1つの第2の流体経路に流体的に接続され、第1のプライは第1のプライの厚さt1を有し、複数の第1の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、距離mと第1のプライの厚さt1との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0131】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、第2のプライは第2のプライの厚さt2を有し、複数の第2の流体経路は、距離mだけ互いから横方向に離間し、距離mと第2のプライの厚さt2との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0132】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複合材料コンポーネントは、複数の細孔を画成し、複数の細孔は、特徴的な細孔径を有し、複数の第1の流体経路および複数の第2の流体経路の特徴的な幅は、特徴的な細孔径の2倍から20倍の大きさの範囲内にある、複合材料コンポーネントが提供される。
【0133】
任意の先行する項の複合材料コンポーネントであって、複数の追加のプライであって、複数の追加のプライの各追加のプライは繊維トウの複数の一方向配列を有し、複数の追加のプライの各追加のプライは複数の流体経路を画成し、複数の流体経路の各流体経路は幅よりも大きい長さを有し、複数の追加のプライの各追加のプライは、各プライがプライスタック内の層となるように、また各層内の複数の流体経路のそれぞれの流体経路が各隣接する層内の複数の流体経路のうちの少なくとも1つの流体経路と流体的に接続されてプライスタックを通る連続する流体経路を形成するように、プライスタック内の第1のプライおよび第2のプライとともに連続して積み重ねられる、複数の追加のプライをさらに備える、複合材料コンポーネントが提供される。
【0134】
本明細書では、実施例を使用して、最良の態様を含む、本開示の実施形態を開示し、また当業者が任意のデバイスまたはシステムを製作し、使用すること、および組み込まれている方法を実行することも含めて、本開示を実施することを可能にする。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者であれば思い付く他の実施例を含むものとしてよい。このような他の実施例は、これらの実施例が特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、またはこれらの実施例が特許請求の範囲の文言との違いがわずかである同等の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0135】
100 複合材料コンポーネント
102 繊維トウ
104 マトリックス材料
106 細孔
106a 第1の複数の細孔
106b 第2の複数の細孔
106c 第3の複数の細孔
106d 第4の複数の細孔
106e 第5の複数の細孔
108 プライスタックまたはプライレイアップ
112 第1のプライ
114 第1の複数の配列
115 第1の流体経路
116 第1の方向
118 第1のプライの第1の表面
120 第1のプライの第2の表面
122 第2のプライ
124 第2の複数の配列
125 第2の流体経路
126 第2の方向
128 第2のプライの第1の表面
130 第2のプライの第2の表面
132 第3のプライ
134 第3の複数の配列
135 第3の流体経路
136 第3の方向
137 第3の幅方向
138 第3のプライの第1の表面
140 第3のプライの第2の表面
142 第4のプライ
144 第4の複数の配列
145 第4の流体経路
146 第4の方向を有する
147 第4の幅方向
148 第4のプライの第1の表面
150 第4のプライの第2の表面
152 第5のプライ
154 第5の複数の配列
155 第5の流体経路
156 第5の方向
157 第5の幅方向
158 第5のプライの第1の表面
160 第5のプライの第2の表面
500 方法
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料コンポーネント(100)であって、
第1の方向(116)に延在する繊維トウ(102)の第1の複数の一方向配列(114)を有する第1のプライ(112)と、
第2の方向(126)に延在する繊維トウ(102)の第2の複数の一方向配列(124)を有する第2のプライ(122)と、
前記第1のプライ(112)内に画成された第1の流体経路(115)であって、前記第1の流体経路は第1の長さ方向の第1の長さ(l
1
)と前記第1の長さ方向の法線方向の第1の幅方向(117)の第1の幅(w
1
)とを有し、前記第1の長さ(l
1
)は前記第1の幅(w
1
)よりも大きい、第1の流体経路と、
前記第2のプライ(124)内に画成された第2の流体経路(125)であって、前記第2の流体経路は第2の長さ方向の第2の長さ(l
2
)と前記第2の長さ方向の法線方向の第2の幅方向(127)の第2の幅(w
2
)とを有し、前記第2の長さ(l
2
)は前記第2の幅(w
2
)よりも大きい、第2の流体経路とを備える、複合材料コンポーネント。
【請求項2】
前記第1のプライ(112)は第1のプライの第2の表面(120)に対向する第1のプライの第1の表面(118)を有し、前記第2のプライ(122)は第2のプライの第2の表面(130)に対向する第2のプライの第1の表面(128)を有し、
前記第1の流体経路(115)は前記第1のプライの第1の表面(118)から前記第1のプライの第2の表面(120)まで延在する第1の深さ(d
1
)を備え、前記第1の長さ(l
1
)は前記第1の深さ(d
1
)よりも大きく、
前記第2の流体経路(125)は前記第2のプライの第1の表面(128)から内側に向かって延在する第2の深さ(d
2
)を備え、前記第2の長さ(l
2
)は前記第2の深さ(d
2
)よりも大きい、請求項1に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項3】
前記第1のプライ(112)は、前記第1のプライの第2の表面(120)が前記第2のプライの第1の表面(128)に接触するように前記第2のプライ(122)とともに積み重ねられ、
前記第1の流体経路(115)は、前記第2の流体経路(125)と交差して、前記第1の流体経路(115)から前記第2の流体経路(125)への連続する流体経路を画成する、請求項2に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項4】
前記第2の方向(126)は前記第1の方向(116)と異なる、請求項3に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項5】
前記第2の方向(126)は前記第1の方向(116)から90°オフセットされる、請求項3または4に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項6】
第3の方向(136)に延在する繊維トウ(102)の第3の複数の一方向配列(134)を有する第3のプライ(132)と、
前記第3のプライ(132)内に画成された第3の流体経路(135)であって、前記第3の流体経路は第3の長さ方向の第3の長さ(l
3
)と前記第3の長さ方向の法線方向の第3の幅方向(137)の第3の幅(w
3
)とを有し、前記第3の長さは前記第3の幅よりも大きい、第3の流体経路とをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項7】
前記第2の深さ(d
2
)は、前記第2のプライの第1の表面(128)から前記第2のプライの第2の表面(130)まで延在し、
前記第3のプライ(132)は第3のプライの第2の表面(140)に対向する第3のプライの第1の表面(138)を有し、
前記第3の流体経路(135)は前記第3のプライの第1の表面(138)から内側に向かって延在する第3の深さ(d
3
)を備え、前記第3の長さ(l
3
)は前記第3の深さ(d
3
)よりも大きい、請求項6に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項8】
前記第1のプライ(112)、第2のプライ(122)、および第3のプライ(132)は、前記第1のプライの第2の表面(120)が前記第2のプライの第1の表面(128)に接触し、前記第2のプライの第2の表面(130)が前記第3のプライの第1の表面(138)に接触するように一緒に積み重ねられ、
前記第1の流体経路(115)は、前記第2の流体経路(125)と交差して、前記第1の流体経路(115)から前記第2の流体経路(125)への第1の連続する流体経路を画成し、
前記第2の流体経路(125)は、前記第3の流体経路(135)と交差して、前記第2の流体経路(125)から前記第3の流体経路(135)への第2の連続する流体経路を画成する、請求項7に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項9】
前記第2の方向(126)は前記第1の方向(116)と異なる、請求項8に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項10】
前記第3の方向(136)は前記第1の方向(116)と同じである、請求項9に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項11】
前記第1のプライ(112)は第1のプライの厚さ(t
1
)を有し、複数の第1の流体経路(115)を画成し、前記複数の第1の流体経路(115)は、距離(m)だけ互いから横方向に離間し、前記距離(m)と前記第1のプライの厚さ(t
1
)との比は、0.25:1から10:1の範囲内にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項12】
前記第1のプライ(112)内に画成された第1の複数の細孔(106)と前記第2のプライ(122)内に画成された第2の複数(106)の細孔とをさらに備え、
前記第1の複数の細孔(106)の各細孔(106)および前記第2の複数の細孔(106)の各細孔(106)は、前記第1の流体経路(115)および前記第2の流体経路(125)の両方よりも寸法的に小さく、前記第1の複数の細孔(106)、前記第2の複数の細孔(106)、前記第1の流体経路(115)、および前記第2の流体経路(125)は各々、前記複合材料コンポーネント(100)内の空隙であり、前記複合材料コンポーネント(100)は、空隙サイズの二峰性分布を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項13】
前記複合材料コンポーネント(100)は、特徴的な細孔径を有し、前記第1の幅(w
1
)および前記第2の幅(w
2
)の各々は、前記特徴的な細孔径よりも大きい、請求項1から12のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項14】
前記複合材料コンポーネント(100)は、特徴的な細孔径を有し、前記第1の幅(w
1
)および前記第2の幅(w
2
)の各々は、前記特徴的な細孔径の2倍から20倍の大きさの範囲内にある、請求項1から13のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【請求項15】
前記複合材料コンポーネント(100)は、セラミックマトリックス複合材料コンポーネントであって、前記複合材料コンポーネント(100)は、化学蒸気浸透プロセスを使用して緻密化するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の複合材料コンポーネント。
【外国語明細書】