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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180250
(43)【公開日】2023-12-20
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/10 20060101AFI20231213BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20231213BHJP
   B62J 41/00 20200101ALI20231213BHJP
   B62J 31/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
F01P11/10 A
F28D1/047 Z
F01P11/10 H
B62J41/00
B62J31/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023094414
(22)【出願日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】A 50399/2022
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(71)【出願人】
【識別番号】516256272
【氏名又は名称】ケーティーエム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】KTM AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン マゲーレ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA03
3L103AA05
3L103BB39
3L103CC01
3L103CC22
3L103DD13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】冷却剤の良好な冷却能力を実現し、省スペースであり、付加的な構成部品の簡単かつ低コストの取り付けを可能にする冷却装置を提供する。
【解決手段】液冷式の冷却装置(2)、特に自動二輪車のエンジンの液冷式の冷却装置であって、この冷却装置(2)は、冷却剤と周囲空気との間の熱交換のためにプレート状の冷却網(3)を有しており、冷却網(3)は平らな中央領域(12)を有しており、冷却網(3)は、平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部(101,102)を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液冷式の冷却装置(2)、特に自動二輪車のエンジンの液冷式の冷却装置であって、冷却剤と周囲空気との間の熱交換のためにプレート状の冷却網(3)を有している冷却装置(2)において、
前記冷却網(3)は平らな中央領域(12)を有しており、前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部(101,102)を有していることを特徴とする、冷却装置(2)。
【請求項2】
前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、同じ方向に湾曲しており、好ましくは、前記冷却網(3)全体は、第1の側から見て凹状に形成されており、第2の側から見て凸状に形成されている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項3】
前記冷却網(3)は、ある方向(R)に沿っては湾曲しておらず、好ましくは前記方向は、前記冷却網(3)の幅方向(B)の方向(R)に相当する、請求項1または2記載の冷却装置(2)。
【請求項4】
前記平らな中央領域(12)は、
・実質的に矩形に成形されている、かつ/または
・前記冷却網(3)の面中央に配置されている、かつ/または
・前記冷却網(3)の総面積の4分の1を超える面積、特に3分の1を超える面積を占めている、かつ/または
・200~400平方センチメートル、特に約330平方センチメートルの面積を占めている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項5】
前記冷却網(3)は、実質的に、湾曲している矩形のプレートとして形成されており、前記冷却網(3)は、長手方向(L)と幅方向(B)とを有しており、前記冷却網(3)は、長手方向(L)において幅方向(B)における長さよりも長く、前記長手方向(L)は前記幅方向(B)に直交している、請求項1から4までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項6】
前記平らな中央領域(12)は、
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において、前記冷却網(3)の前記幅方向(B)における長さよりも短く、かつ/または
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において140mm~150mm、好ましくは約145mmの長さであり、かつ/または
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において、前記冷却網(3)の長さの4分の1を超える長さ、特に3分の1を超える長さを占めており、かつ/または
・前記冷却網(3)の全幅にわたって延在している、
請求項5記載の冷却装置(2)。
【請求項7】
前記平らな中央領域(12)を部分的に画定する少なくとも2つの前記湾曲部(101,102)は、
・同じ曲げ半径および/または同じ曲げ角度を有しており、かつ/または
・少なくとも1つの湾曲部(101,102)の前記曲げ半径は、180mm~220mmの間、特に約200mmであり、かつ/または
・少なくとも1つの湾曲部(101,102)の前記曲げ角度は、18°~22°の間、特に約20°である、
請求項1から6までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項8】
前記平らな中央領域(12)に少なくとも1つのファン(14)が配置されており、好ましくは、前記ファン(14)の面積の大部分、特に好適には4分の3を超える部分が、前記平らな中央領域(12)の内側に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項9】
前記ファン(14)は、前記冷却網(3)に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置されており、特に好適には、前記ファン(14)は、取り付け手段(15)によって前記冷却網(3)に直接的に取り付けられている、請求項8記載の冷却装置(2)。
【請求項10】
前記冷却網(3)を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダ(30)が、前記冷却網(3)に、または前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面における少なくとも1つの側帯(11)に配置されており、特に好適には、前記少なくとも1つのホルダ(30)は、ろう接によって前記冷却網(3)または前記少なくとも1つの側帯(11)に取り付けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項11】
前記平らな中央領域(12)は前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面まで延在しており、前記少なくとも1つの端面の前記少なくとも1つの側帯(11)は、前記平らな中央領域(12)に隣接する区間(29)において直線状に成形されており、前記少なくとも1つのホルダ(30)は、前記少なくとも1つの側帯(11)の前記直線状の区間(29)に配置されている、請求項10記載の冷却装置(2)。
【請求項12】
・前記冷却網(3)、および/または
・前記冷却網(3)を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダ(30)、および/または
・前記冷却網(3)の端面における少なくとも1つの側帯(11)
は、アルミニウムから作製されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項13】
少なくとも1つの湾曲部、好ましくは両方の湾曲部(101,102)の、前記平らな中央領域(12)とは反対側に位置する側に、
・前記冷却網(3)の平らな側方領域(13)、および/または
・冷却剤入口(7)および/または冷却剤出口(8)、および/または
・冷却剤容器(4,41,42)
が配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の冷却装置(2)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の冷却装置(2)を備える自動二輪車であって、冷却網(3)が、前記自動二輪車の前輪とエンジンとの間に配置されている、自動二輪車。
【請求項15】
前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、前記前輪の方向に湾曲している、請求項14記載の自動二輪車。
【請求項16】
前記冷却網(3)と前記エンジンとの間にファン(14)が配置されている、請求項14または15記載の自動二輪車。
【請求項17】
冷却剤管路が前記冷却装置(2)から
・前記エンジンへ、かつ/または
・オイル、たとえば前記エンジン用のエンジンオイルを冷却するための熱交換器
へ通じている、請求項14から16までのいずれか1項記載の自動二輪車。
【請求項18】
冷却装置(2)、特に請求項1から13までのいずれか1項記載の冷却装置を製造する方法であって、
・実質的にプレート状で、平らな、好ましくは矩形の冷却網(3)を提供するステップと、
・前記冷却網(3)を少なくとも2つの箇所で曲げ加工するステップであって、これによって前記冷却網(3)が、平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部(101,102)を有する、ステップと、
を有している、方法。
【請求項19】
・前記平らな中央領域(12)に少なくとも1つのファン(14)を配置するステップであって、前記ファン(14)を前記冷却網(3)に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置するステップと、
・前記少なくとも1つのファン(14)を、取り付け手段(15)を用いて前記冷却網(3)に直接的に取り付けるステップと、
を有している、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記冷却網(3)を、前記曲げ加工の前にろう接し、好ましくは、前記ろう接前に、前記冷却網(3)または前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面における少なくとも1つの側帯(11)に少なくとも1つのホルダ(30)を配置し、前記少なくとも1つのホルダ(30)を、前記冷却網(3)の前記ろう接時に、前記冷却網(3)または前記少なくとも1つの側帯(11)に一緒にろう接する、請求項18または19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷式の冷却装置、特に自動二輪車のエンジンの液冷式の冷却装置に関し、この冷却装置は、冷却剤と周囲空気との間の熱交換のためにプレート状の冷却網を有している。さらに本発明は、このような冷却装置を備える自動二輪車に関する。さらに本発明は、冷却装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「冷却網」とは一般に、冷却剤と周囲空気との熱交換の大部分が行われる、冷却装置の一部を指す。冷却網は、少なくとも1つの冷却管を有していてよく、少なくとも1つの冷却管は、複数の、特にメアンダ状の曲線で、冷却網を通って導かれる。さらに、冷却網は冷却フィンを有していてよく、冷却フィンは、少なくとも1つの冷却管と熱接続されている。少なくとも1つの冷却管および冷却フィンは大きな表面積を有しているので、少なくとも1つの冷却管内に存在する冷却剤と周囲空気との効率的な熱交換を行うことができる。
【0003】
「プレート状」とは、深さの次元が、他の2つの次元よりも格段に小さいことを意味している。本願では「プレート状」とは、湾曲したプレートも意味する。これは、このプレートが変形形式「曲げ加工」によって湾曲したのではない場合も当てはまる。
【0004】
冒頭に述べた形式の冷却装置は、従来技術として既に知られている。冷却装置は一般に、エンジン、エンジンオイルまたは自動二輪車の別の構成部品を液状の冷却剤によって冷却するために使用される。典型的に、冷却装置の冷却剤入口と冷却剤出口とに接続されている冷却管路が、冷却装置から、自動二輪車の冷却されるべき部分へと通じている。この管路内では、液状の冷却剤が、場合によってはポンプによって駆動されて循環する。液状の冷却剤は、たとえば水とグリコールとの混合物であってよい。しかし、オイルのような他の冷却剤も想定されていてよく、この場合、冷却装置は、特にオイルクーラ管として形成されていてよい。
【0005】
これによって、冷却されるべき構成部品からの熱の排出が可能になり、特に冷却網を通流する際の周囲空気への放出が可能になる。効率的な熱交換を保証するために、冷却網は、冷却剤が通流する大きな表面積を有する、屈曲した管を有している。
【0006】
自動二輪車の低速走行時または停止時には、熱の周囲空気への放出を緩慢にしか行うことができない。したがって、多くの場合には、必要に応じてスイッチオンされるファンが冷却網に設けられている。典型的に、ファンは、冷却網とエンジンとの間に配置されており、冷却網を通して空気を吸い込む。
【0007】
同じく、従来技術として、湾曲形状を有する冷却網が知られている。これによって、側方の広がりが等しい場合に、冷却網の面積を増大させることができる。
【0008】
しかし、ファンの大部分が冷却網に直接的に当接せず、かつファンのサイズが湾曲部によって制限されてしまうので、湾曲している冷却網にファンを配置することには問題がある。これによって、冷却能力が低下してしまう。さらに、たとえば、冷却装置を自動二輪車に取り付けるためのホルダ等の付加的な構成部品を、冷却網の曲げ加工の後にしか組み付けることができない。好ましくは、冷却網のろう接の後に曲げ加工が実行されるので、ろう接前に付加的な構成部品を冷却網に配置することはできない。したがって、この構成部品を一緒にろう接することはできない。
【0009】
平らな冷却網に対する、湾曲形状を有する冷却網の別の欠点は、冷却装置の動作状態において、表面の大部分が走行方向に対して斜めに配向されているということである。冷却フィンは典型的に冷却網の表面に対して実質的に垂直に配向されているので、方向変換を伴わすに空気が冷却網を通流することができなくなる。これによって、抵抗が高くなってしまう。
【0010】
冷却網の「湾曲部」とは、少なくとも1°の、実質的にプレート状の冷却網のカーブを指す。このカーブは、変形形式「曲げ加工」によって、平らな冷却網を起点として形成することができる。しかし、別の製造形式も可能である。
【0011】
特許第6428346号明細書には、湾曲している冷却網が示されており、ここでは、ファンは、偏心的な、平らな側面に配置されている。しかし、自動二輪車の残りの部分も、ファンのこのような偏心的な配置に合わせられなければならず、これは、構造的なコストの増加を必然的に伴う。また、自動二輪車にファンを取り付けるためのホルダを、後からしか、冷却網の湾曲部に取り付けることができないか、またはホルダを冷却網の側面に取り付けなければならない。したがって、両方の場合とも、製造技術的なコストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に回避する冷却装置、冷却装置を備える自動二輪車および冷却装置を製造する方法を提供することである。特に、冷却剤の良好な冷却能力を実現し、省スペースであり、付加的な構成部品の簡単かつ低コストの取り付けを可能にする冷却装置が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題は、請求項1記載の冷却装置、請求項14記載の自動二輪車および請求項18記載の冷却装置を製造する方法によって解決される。
【0014】
本発明によれば、冷却網が平らな中央領域を有しており、冷却網が、平らな中央領域の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部を有していることが想定されている。
【0015】
これによって、湾曲している冷却網の利点が、平らな冷却網の利点と組み合わせられる。
【0016】
冷却網が平らな中央領域を有していることによって、本発明は、中央領域において、平らな冷却網の利点を有している。
【0017】
特に、冷却フィンが、冷却網の表面に対して実質的に垂直に配向されているので、平らな中央領域では、より良好に空気が通流することができる。空気は、中央領域において、実質的にまっすぐに冷却網を通流することができる。
【0018】
平らな冷却網の利点は、ファンの、中央での簡単な組付けおよび冷却網への直接的な組付けであり、この場合には、標準化された構成でより大きなファンを取り付けることもできる。これによって冷却性能が高められるのと同時に、コストが節減される。平らな冷却網のさらなる利点は、冷却網を自動二輪車に取り付けるためのホルダ等の付加的な構成部品を、冷却網と一緒に1つのステップでろう接できることである。これによって、付加的な構成部品の後からの溶接またはねじ締結が省略される。
【0019】
冷却網が、平らな中央領域の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部を有していることによって、本発明は、湾曲している冷却網の利点も有している。湾曲している冷却網の利点は、側方の広がりが等しい場合に、冷却網の面積がより大きくなることにある。これによって、自動二輪車の側方の広がりが小さくなり、または自動二輪車の他の構成部品、たとえばスポイラ用のスペースが大きくなる。
【0020】
好適な実施例では、冷却網は、平らな中央領域の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、同じ方向に湾曲している。つまり、換言すると、2つの湾曲部は、第1の側から見て凹状に形成されており、第2の側から見て凸状に形成されている。自動二輪車における組込み位置において、冷却装置が、自動二輪車の前面から見て凹状に形成されている場合、走行中により多くの空気を集めることができ、これによって冷却能力が高くなる。この場合、好適には、冷却網全体が、第1の側から見て凹状に形成されており、第2の側から見て凸状に形成されていることが想定されている。
【0021】
ある実施例では、冷却網は、ある方向に沿っては湾曲していない。換言すると、冷却網の全ての湾曲部の湾曲軸線は互いに平行であり、かつ上述した方向に対して平行である。この場合、好ましくは、この方向が、冷却網の幅方向の方向に相当することが想定されている。したがって、冷却網は、長手方向においては湾曲しており、幅方向においては湾曲していない。
【0022】
平らな中央領域が実質的に矩形に成形されていることが想定されていてよい。
【0023】
付加的にまたは代替的に、平らな中央領域が、冷却網の面中央に配置されていてよい。したがって、ファンおよび/または冷却網を自動二輪車に取り付けるためのホルダを中央に配置することができる。
【0024】
好適には、平らな中央領域が、冷却網の総面積の4分の1を超える面積、特に3分の1を超える面積を占めていることが想定されている。これによって、比較的大きなファンを、平らな中央領域に配置することができる。
【0025】
さらなる実施例では、平らな中央領域が、200~400平方センチメートル、特に約330平方センチメートルの面積を占めていることが想定されていてよい。したがって、たとえば直径約195mmを有する比較的大きなファンの大部分を、平らな領域に配置することもできる。
【0026】
ファンが、冷却網の平らな中央領域に当接していることによって、ファンを容易に、冷却網を通って延在している適切な取り付け手段によって、特に冷却網に直接的に取り付けることができる。
【0027】
冷却網が、実質的に、湾曲している矩形のプレートとして形成されており、冷却網が長手方向と幅方向とを有しており、冷却網が長手方向において幅方向における長さよりも長く、長手方向が幅方向に直交していることが想定されていてよい。
【0028】
平らな中央領域が長手方向において、冷却網の幅方向における長さよりも短くてよい。付加的にまたは代替的に、平らな中央領域は、冷却網の長手方向において140mm~150mm、好ましくは約145mmの長さであってよい。したがって、たとえば約195mmの直径を有するファンの大部分が、平らな中央領域に配置されていてよい。
【0029】
冷却網の長手方向において、平らな中央領域は、冷却網の長さの4分の1を超える長さ、特に3分の1を超える長さを占めていてよい。
【0030】
平らな中央領域は、冷却網の全幅にわたって延在していてよい。したがって、この区間における、冷却網の隣接する端面も直線状に形成されている。このような直線状の区間に、構成部品、特に、冷却網を自動二輪車に取り付けるためのホルダを、冷却網の曲げ加工の前でも取り付けることができる。
【0031】
ある実施例では、平らな中央領域を部分的に画定する2つの湾曲部は、同じ曲げ半径および/または同じ曲げ角度を有している。これによって、冷却網を実質的に鏡面対称に成形することができる。
【0032】
好適には、少なくとも1つの湾曲部の曲げ半径は、180mm~220mm、特に約200mmであってよく、かつ/または少なくとも1つの湾曲部の曲げ角度は、18°~22°、特に約20°であってよい。これによって、従来技術から知られている、単に湾曲している冷却網の外形寸法と同様の外形寸法を得ることができる。したがって、この冷却装置を、同じ構造様式の自動二輪車に取り付けることができる。
【0033】
大きな曲げ角度は有利には、冷却網の表面積が等しい場合に、広がりをより小さくする。しかし、曲げ角度が大きくなると、冷却網内での空気の方向変換もより強くなる。なぜなら、表面の面法線が、湾曲部を越えた先で、自動二輪車の走行時の空気の流れ方向と、より大きく異なってしまうからである。すなわち、曲げ角度に対しては、上述の条件を考慮しながら、妥協点が見出されるべきである。
【0034】
特に好適な実施例では、平らな中央領域に少なくとも1つのファンが配置されており、好ましくは、ファンの面積の大部分、特に好適には4分の3を超える部分が、平らな中央領域の内側に配置されている。これによって、大きな標準的なファンを、間隙を伴わずに、冷却網に配置することが可能になり、これによって冷却能力が高くなる。
【0035】
したがって、ファンが、冷却網に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置されていることが想定されていてよい。この場合、ファンは、特に好適には、取り付け手段によって冷却網に直接的に取り付けられている。したがって、冷却器用のさらなる取り付け装置は不要であり、これによって構成部品およびコストが節減される。
【0036】
別の実施例では、冷却網を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダが、冷却網に、または冷却網の少なくとも1つの端面における少なくとも1つの側帯に配置されている。特に好適には、少なくとも1つのホルダは、ろう接によって冷却網または少なくとも1つの側帯に取り付けられている。したがって、ホルダを、冷却網自体と一緒に1つの作業ステップで、ろう接によって冷却網に取り付けることができる。これによって、ホルダを後から溶接したりねじ締結したりする必要がなくなる。
【0037】
平らな中央領域が冷却網の少なくとも1つの端面まで延在しており、少なくとも1つの端面の少なくとも1つの側帯が、平らな中央領域に隣接する区間において直線状に成形されており、少なくとも1つのホルダが、少なくとも1つの側帯のこの直線状の区間に配置されていることが想定されていてよい。これによって、少なくとも1つのホルダを、冷却網の曲げ加工の前に、少なくとも1つの側帯に取り付けることが可能になる。これによって、少なくとも1つのホルダを、曲げ加工の前に行われる必要のある冷却網のろう接の際に、少なくとも1つの側帯に一緒にろう接することが可能になる。したがって、少なくとも1つのホルダを後から手動で溶接したりまたはその他の形式で取り付けたりすることがもはや不要になる。
【0038】
冷却網および/または冷却網を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダおよび/または冷却網の端面における少なくとも1つの側帯が、アルミニウムから作製されていることが想定されていてよい。これは、解体を伴わない共通のリサイクルを可能にする。
【0039】
少なくとも1つの湾曲部、好ましくは両方の湾曲部の、平らな中央領域とは反対側に位置する側に、冷却網の平らな側方領域が配置されていることが想定されていてよい。
【0040】
少なくとも1つの湾曲部、好ましくは両方の湾曲部の、平らな中央領域とは反対側に位置する側に、冷却剤容器が配置されていることが想定されていてよい。特に好適には、冷却網の両方の端部に、湾曲部を越えた先に、それぞれ1つの冷却剤容器が配置されている。冷却網内の冷却管は、一方の冷却剤容器から他方の冷却剤容器へ通じている。
【0041】
少なくとも1つの湾曲部、好ましくは両方の湾曲部の、平らな中央領域とは反対側に位置する側に、冷却剤入口および/または冷却剤出口が配置されていることが想定されていてよい。冷却剤出口および/または冷却剤入口には、自動二輪車のエンジンに通じる冷却管路が取り付け可能である。冷却剤は、少なくとも1つの冷却管を通って、冷却剤入口から冷却剤出口へと流れることができる。冷却剤入口は好ましくは第1の冷却剤容器に配置されており、これに対して冷却剤出口は好ましくは第2の冷却剤容器に配置されている。
【0042】
さらに、本発明によれば、上述の冷却装置を備える自動二輪車が想定されており、冷却網は、自動二輪車の前輪とエンジンとの間に配置されている。
【0043】
自動二輪車の好適な実施例では、冷却網は、平らな中央領域の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、前輪の方向に湾曲している。これによって、走行中に前輪方向から流入する空気をより良好に捕捉することができる。
【0044】
好ましくは、冷却網とエンジンとの間にファンが配置されていることが想定されている。この中央の配置によって、ファンは保護され、かつ見えにくいように配置されている。
【0045】
冷却剤管路が冷却装置からエンジンへ通じており、かつ/またはオイル、たとえばエンジン用のエンジンオイルを冷却するための熱交換器へ通じていることが想定されていてよい。冷却剤管路は、冷却剤入口と冷却剤出口とに接続されており、これによって冷却剤は、冷却装置、特に冷却網内の少なくとも1つの冷却管を通流することができる。
【0046】
本発明に係る、冷却装置を製造する方法は、
・実質的にプレート状で、平らな、好ましくは矩形の冷却網を提供するステップと、
・冷却網を少なくとも2つの箇所で曲げ加工するステップであって、これによって冷却網が、平らな中央領域の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部を有する、ステップと、
を有している。
【0047】
好適な実施例では、
・平らな中央領域に少なくとも1つのファンを配置するステップであって、ファンを冷却網に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置する、ステップと、
・少なくとも1つのファンを、取り付け手段を用いて冷却網に直接的に取り付けるステップと、
が想定されている。
【0048】
好適には、冷却網は、冷却網の曲げ加工の前にろう接される。この場合、冷却網の個々の部品、特に少なくとも1つの冷却管および/または冷却フィンが一緒にろう接される。さらに、側帯を一緒にろう接することができる。次いで、場合によっては側帯と一緒に、ろう接が完了した冷却網を湾曲させることができる。
【0049】
さらに、ろう接前に、冷却網または冷却網の端面における少なくとも1つの側帯にホルダが配置され、ホルダが、冷却網のろう接時に、冷却網または側帯に一緒にろう接されることが想定されていてよい。これによって、ホルダが、付加的な作業ステップにおいて溶接されるまたはその他の形式で取り付けられる必要がなくなる。ホルダを、側帯の、平らな領域に隣接する区間に、または直接的に冷却網に配置することができ、この区間は曲げ加工によって湾曲させられておらず、直線状の区間として維持される。
【0050】
さらなる実施例および詳細は図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】湾曲している冷却網を備える冷却装置(従来技術)の斜視図を示す図である。
図2a】平らな領域と2つの湾曲部とホルダとを備える冷却装置の斜視図を示す図である。
図2b】平らな領域と2つの湾曲部とを備え、ホルダを備えていない冷却装置の代替的な斜視図を示す図である。
図3図1に示された冷却装置と図2bに示された冷却装置との比較を示す図である。
図4】ファンを備える、図2bに示された冷却装置を示す図である。
図5】曲げ加工装置を示す図である。
図6】冷却装置を製造する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1には、従来技術から知られている冷却装置1が示されている。冷却装置1は、冷却網28と、2つの冷却剤容器4、特に第1の冷却剤容器41および第2の冷却剤容器42と、自動二輪車に冷却装置1を取り付けるためのホルダ5とを含んでいる。
【0053】
冷却網28は、冷却フィン6を有している。冷却フィン6は、少なくとも1つの冷却管と熱伝導性に結合されており、少なくとも1つの冷却管は、冷却網28の内部に配置されているので、見て取れない。
【0054】
少なくとも1つの冷却管を通って、冷却剤が第1の冷却剤容器41から第2の冷却剤容器42へ流れることができ、冷却剤が経路上で、周囲空気との熱交換によって冷却される。
【0055】
ここでは、第1の冷却剤容器41が冷却剤入口7を有しており、第2の冷却剤容器42が冷却剤出口8を有している。冷却剤入口7および冷却剤出口8に取り付けられている冷却管路は、冷却剤を冷却装置1から自動二輪車の冷却されるべき構成部品、たとえばエンジン、または、オイル(たとえばエンジンオイル)を冷却するための熱交換器へ導く。さらに、加熱された冷却剤は、冷却管路を通って再び冷却装置1に戻るように導かれ、そこで冷却網28において冷却される。
【0056】
2つの冷却剤容器4のうちの1つの冷却剤容器は、カバーを備えた充填開口9を有しており、この充填開口9を通して冷却剤を冷却装置1に注入し、さらに後充填することができる。
【0057】
冷却網28は、実質的に矩形の、湾曲しているプレートとして成形されている。冷却網28は湾曲部10を有しており、この湾曲部は、冷却網28の大部分にわたって、特に冷却網28の中心も通って延在している。
【0058】
冷却網28は長手方向および幅方向を有しており、冷却網28は長手方向では湾曲しており、幅方向では湾曲していない。
【0059】
ホルダ5が、冷却網28の端面における側帯11に取り付けられている。側帯11は湾曲部10の領域に配置されているため、側帯11も湾曲している。ホルダ5は、必然的にこの湾曲部10に合わせられている。
【0060】
図2aおよび図2bには、本発明に係る冷却装置2が示されている。従来技術(冷却網28)とは異なり、ここでは、冷却網3は平らな中央領域12を有しており、冷却網3は平らな中央領域12の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部101,102を有している。つまり、少なくとも2つの湾曲部、すなわち第1の湾曲部101および第2の湾曲部102が設けられている。
【0061】
冷却網3の他の特性は、従来技術の冷却網28に相当していてよい。
【0062】
2つの湾曲部101,102は、同じ曲げ半径および同じ曲げ角度を有している。
【0063】
曲げ半径は、この実施例では約200mmであり、曲げ角度は約20°である。しかし、別の寸法も考えられる。
【0064】
冷却網3の幅方向Bに相当する方向Rに沿っては、冷却網3は湾曲していない。
【0065】
平らな中央領域12は、実質的に矩形に成形されており、冷却網3の面中央に配置されている。平らな中央領域12は、冷却網3の総面積の4分の1を超える面積、特に3分の1超える面積を占めている。絶対的な数値では、平らな中央領域12は、約200~400平方センチメートルの面積、特に約330平方センチメートルの面積を占めることができる。しかし、別の寸法も考えられる。
【0066】
さらに、平らな中央領域12は、冷却網3の長手方向Lにおいて、冷却網3の幅方向Bにおける長さよりも短い。絶対的な数値では、平らな中央領域12は、冷却網3の長手方向Lにおいて140mm~150mm、好ましくは約145mmであってよい。これは、冷却網3の長さの4分の1を超える長さ、特に3分の1を超える長さに相当する。しかし別の寸法も考えられる。
【0067】
平らな中央領域12は冷却網3の全幅にわたって延在している。したがって、中央領域12は、両側で冷却網3の端面まで延在しており、そのため、側帯11は、隣接する区間29において直線状である。
【0068】
側帯11のこれらの直線状の区間29には、冷却装置2を自動二輪車に取り付けるためのホルダ30を配置することができる。このようなホルダは、図2aに示されている。
【0069】
ホルダ30を側帯11の直線状の区間29に配置することが可能なことによって、ホルダ30を、冷却網3の曲げ加工の前にも、側帯11に取り付けることが可能になる。特に、ホルダ30を、冷却網3(冷却管および冷却フィン)および側帯11のろう接と一緒にろう接することができる。
【0070】
従来技術と同様に、湾曲部101,102の、平らな中央領域12とは反対側に位置する側には、それぞれ1つの平らな側方領域13、冷却剤入口7、冷却剤出口8およびそれぞれ1つの冷却剤容器4,41,42が配置されている。
【0071】
図3には、従来技術による冷却装置1(図1)と本発明に係る冷却装置2(特に図2b)とが図式的に重ねられている。ホルダ5はここでは、図1の湾曲しているホルダ5に相当する。端部領域における曲げ角度は、ほぼ等しい。
【0072】
図3から見て取れるように、平らな中央領域12は、従来技術(図1)の冷却装置1の湾曲部10をより短い距離に縮める。これによって、平らな中央領域12を備えた冷却装置2の奥行は、従来技術の冷却装置1の奥行よりも浅くなる。これによって、自動二輪車での組付け状態において、前輪とエンジンとの間により大きなスペースが得られる。
【0073】
これによって、特に、図4に示されているファン14用のより大きなスペースも残される。
【0074】
図4には、平らな中央領域12を備えた冷却装置2が示されており、ここではファン14も示されている。ファン14は、平らな中央領域12に配置されている。ファンの大部分、特に4分の3を超える部分が、平らな中央領域12の内側に配置されている。
【0075】
ファン14は、冷却網3に直接に、特に冷却フィン6に直接に配置されている。ファン14は、取り付け手段15によって冷却網3に直接に取り付けられている。これによって、たとえば側帯11における、手間のかかる取り付けが不要になる。
【0076】
図4に示されたファン14は、ファンの典型的な標準的な構成に相当する。平らな中央領域12における組付けに基づいて、特に、ファン14が標準的なケーシング17を有することも可能であり、その場合でも、ファン14は冷却網3に面状に載置される。
【0077】
したがって、平らな中央領域12によって、一貫して湾曲している冷却網28の場合よりも大きなファン14を選択することができる。これによって、冷却剤をより効率的に冷却することが可能になる。
【0078】
ファン14は、約195mmの長さを有し得る回転可能なファンブレードを有している。これは、平らな中央領域12を過度に越えて突出していない。回転可能なファンブレードは、図4ではケーシング17によって覆い隠される。
【0079】
ファン14は、好ましくは電気的に作動し、このために電流端子16を有している。
【0080】
図5には、冷却装置2を曲げ加工するための、特に冷却網3を製造するための曲げ加工装置18が示されている。曲げ加工装置18は、可動プレート21に取り付けられている型19を有している。この型19において、湾曲していない冷却網を、中央領域でクランプすることができる。凸状の型19は、平らな中央領域を有しており、かつ平らな中央領域の互いに反対側に位置する2つの側に、2つのカーブを有している。
【0081】
固定のテーブル22には、回転可能に支持されている2つの対応部材20が配置されている。2つの対応部材20は、これらが、湾曲していない冷却網の側方の縁部領域の実質的に下方に配置されるように、相互に離間して配置されている。
【0082】
次に、曲げ加工のために、可動プレート21が、型19およびクランプされている冷却網3と一緒に、下方に向かって、これら2つの対応部材20に押し付けられ、これによって冷却網3を湾曲させる。この圧着中、対応部材20は回動し、これによって、これらの対応部材20は、曲げ加工プロセスの終了時に、冷却網3の平らな側方領域13のように傾斜して、これらの平らな側方領域13に当接する。
【0083】
この曲げ加工プロセスの間、冷却網3は、(場合によって側帯11を含めて)好ましくは既にろう接されている。さらに、ホルダ30が、湾曲されるべきではない領域に、既に取り付けられていてよく、特にろう接されていてよい。
【0084】
図6には、冷却装置2を製造する方法のブロック図が示されている。
【0085】
ステップ23では、実質的にプレート状の平らな冷却網3が提供される。この段階では、冷却フィン6と少なくとも1つの冷却管とは、まだ互いに固定的に結合されていない。
【0086】
これに並行して、自動二輪車に冷却装置2を取り付けるためのホルダが提供される(ステップ24)。
【0087】
次のステップ25では、ホルダが、冷却網3に、または冷却網3の端面における側帯11に配置される。特に好適には、ホルダ30は、冷却網3または側帯11の中央領域に配置される。さらに、結合箇所にろうが取り付けられる。
【0088】
次のステップ26では、冷却網3およびホルダ30、ならびに場合によっては側帯11が、好ましくは炉内でろう接される。すなわち、1つのステップで、冷却網3自体(冷却フィン6および冷却管)、側帯11およびホルダ30をろう接することができる。
【0089】
最後のステップ27では、冷却網3を、好ましくは図5の曲げ加工装置18によって少なくとも2つの箇所で湾曲させ、これによって、冷却網3は、平らな中央領域12の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部101,102を有する。
【0090】
ホルダ30は、ホルダ30が冷却網3または側帯11の直線状の区間29にとどまるように配置されている。したがって、ホルダ30は、曲げ加工の影響を受けない。特に、ホルダ30が一緒に湾曲することはなく、これは製造技術を用いても不可能であるかまたは極めて困難であると考えられる。
【符号の説明】
【0091】
1 冷却装置(従来技術)
2 冷却装置
3 冷却網
4 冷却剤容器
41 第1の冷却剤容器
42 第2の冷却剤容器
5 ホルダ(従来技術)
6 冷却フィン
7 冷却剤入口
8 冷却剤出口
9 充填開口
10 湾曲部
101 第1の湾曲部
102 第2の湾曲部
11 側帯
12 平らな中央領域
13 平らな側方領域
14 ファン
15 取り付け手段
16 電流端子
17 ケーシング
18 曲げ加工装置
19 型
20 対応部材
21 可動プレート
22 テーブル
23 平らな冷却網の提供
24 ホルダの提供
25 配置
26 ろう接
27 曲げ加工
28 冷却網(従来技術)
29 側帯の直線状の区間
30 ホルダ
B 幅方向
L 長手方向
R 湾曲のない方向
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液冷式の冷却装置(2)、特に自動二輪車のエンジンの液冷式の冷却装置であって、冷却剤と周囲空気との間の熱交換のためにプレート状の冷却網(3)を有している冷却装置(2)において、
前記冷却網(3)は平らな中央領域(12)を有しており、前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部(101,102)を有していることを特徴とする、冷却装置(2)。
【請求項2】
前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、同じ方向に湾曲しており、好ましくは、前記冷却網(3)全体は、第1の側から見て凹状に形成されており、第2の側から見て凸状に形成されている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項3】
前記冷却網(3)は、ある方向(R)に沿っては湾曲しておらず、好ましくは前記方向は、前記冷却網(3)の幅方向(B)の方向(R)に相当する、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項4】
前記平らな中央領域(12)は、
・実質的に矩形に成形されている、かつ/または
・前記冷却網(3)の面中央に配置されている、かつ/または
・前記冷却網(3)の総面積の4分の1を超える面積、特に3分の1を超える面積を占めている、かつ/または
・200~400平方センチメートル、特に約330平方センチメートルの面積を占めている、
請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項5】
前記冷却網(3)は、実質的に、湾曲している矩形のプレートとして形成されており、前記冷却網(3)は、長手方向(L)と幅方向(B)とを有しており、前記冷却網(3)は、長手方向(L)において幅方向(B)における長さよりも長く、前記長手方向(L)は前記幅方向(B)に直交している、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項6】
前記平らな中央領域(12)は、
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において、前記冷却網(3)の前記幅方向(B)における長さよりも短く、かつ/または
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において140mm~150mm、好ましくは約145mmの長さであり、かつ/または
・前記冷却網(3)の前記長手方向(L)において、前記冷却網(3)の長さの4分の1を超える長さ、特に3分の1を超える長さを占めており、かつ/または
・前記冷却網(3)の全幅にわたって延在している、
請求項5記載の冷却装置(2)。
【請求項7】
前記平らな中央領域(12)を部分的に画定する少なくとも2つの前記湾曲部(101,102)は、
・同じ曲げ半径および/または同じ曲げ角度を有しており、かつ/または
・少なくとも1つの湾曲部(101,102)の前記曲げ半径は、180mm~220mmの間、特に約200mmであり、かつ/または
・少なくとも1つの湾曲部(101,102)の前記曲げ角度は、18°~22°の間、特に約20°である、
請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項8】
前記平らな中央領域(12)に少なくとも1つのファン(14)が配置されており、好ましくは、前記ファン(14)の面積の大部分、特に好適には4分の3を超える部分が、前記平らな中央領域(12)の内側に配置されている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項9】
前記ファン(14)は、前記冷却網(3)に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置されており、特に好適には、前記ファン(14)は、取り付け手段(15)によって前記冷却網(3)に直接的に取り付けられている、請求項8記載の冷却装置(2)。
【請求項10】
前記冷却網(3)を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダ(30)が、前記冷却網(3)に、または前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面における少なくとも1つの側帯(11)に配置されており、特に好適には、前記少なくとも1つのホルダ(30)は、ろう接によって前記冷却網(3)または前記少なくとも1つの側帯(11)に取り付けられている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項11】
前記平らな中央領域(12)は前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面まで延在しており、前記少なくとも1つの端面の前記少なくとも1つの側帯(11)は、前記平らな中央領域(12)に隣接する区間(29)において直線状に成形されており、前記少なくとも1つのホルダ(30)は、前記少なくとも1つの側帯(11)の前記直線状の区間(29)に配置されている、請求項10記載の冷却装置(2)。
【請求項12】
・前記冷却網(3)、および/または
・前記冷却網(3)を自動二輪車に取り付けるための少なくとも1つのホルダ(30)、および/または
・前記冷却網(3)の端面における少なくとも1つの側帯(11)
は、アルミニウムから作製されている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項13】
少なくとも1つの湾曲部、好ましくは両方の湾曲部(101,102)の、前記平らな中央領域(12)とは反対側に位置する側に、
・前記冷却網(3)の平らな側方領域(13)、および/または
・冷却剤入口(7)および/または冷却剤出口(8)、および/または
・冷却剤容器(4,41,42)
が配置されている、請求項1記載の冷却装置(2)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の冷却装置(2)を備える自動二輪車であって、冷却網(3)が、前記自動二輪車の前輪とエンジンとの間に配置されている、自動二輪車。
【請求項15】
前記冷却網(3)は、前記平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、互いに反対側に位置する側において、前記前輪の方向に湾曲している、請求項14記載の自動二輪車。
【請求項16】
前記冷却網(3)と前記エンジンとの間にファン(14)が配置されている、請求項14記載の自動二輪車。
【請求項17】
冷却剤管路が前記冷却装置(2)から
・前記エンジンへ、かつ/または
・オイル、たとえば前記エンジン用のエンジンオイルを冷却するための熱交換器
へ通じている、請求項14記載の自動二輪車。
【請求項18】
求項1から13までのいずれか1項記載の冷却装置(2)を製造する方法であって、
・実質的にプレート状で、平らな、好ましくは矩形の冷却網(3)を提供するステップと、
・前記冷却網(3)を少なくとも2つの箇所で曲げ加工するステップであって、これによって前記冷却網(3)が、平らな中央領域(12)の少なくとも2つの、好ましくは互いに反対側に位置する側に、それぞれ1つの湾曲部(101,102)を有する、ステップと、
を有している、方法。
【請求項19】
・前記平らな中央領域(12)に少なくとも1つのファン(14)を配置するステップであって、前記ファン(14)を前記冷却網(3)に直接的に、好ましくは間隙を伴わずに配置するステップと、
・前記少なくとも1つのファン(14)を、取り付け手段(15)を用いて前記冷却網(3)に直接的に取り付けるステップと、
を有している、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記冷却網(3)を、前記曲げ加工の前にろう接し、好ましくは、前記ろう接前に、前記冷却網(3)または前記冷却網(3)の少なくとも1つの端面における少なくとも1つの側帯(11)に少なくとも1つのホルダ(30)を配置し、前記少なくとも1つのホルダ(30)を、前記冷却網(3)の前記ろう接時に、前記冷却網(3)または前記少なくとも1つの側帯(11)に一緒にろう接する、請求項18記載の方法。
【外国語明細書】