(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180289
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】移動体使用管理システム、及び、移動体使用管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231214BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20231214BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093439
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 敬子
(72)【発明者】
【氏名】山口 彰太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】複数のユーザが共同購入した移動体について、公平性を考慮した利用を可能とする。
【解決手段】複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する管理装置を有し、管理装置は、移動体をユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれのユーザが移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶する記憶部と、ユーザが移動体を使用する時間の所定期間における累積値が占有上限時間を超えないように、ユーザから移動体の使用の申込を受け付けて予約情報を生成または更新する受付部と、を備え、占有上限時間は、移動体の購入のために各々のユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する管理装置を有し、
前記管理装置は、
前記移動体を前記ユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれの前記ユーザが前記移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶する記憶部と、
前記ユーザが前記移動体を使用する時間の所定期間における累積値が前記占有上限時間を超えないように、前記ユーザから前記移動体の使用の申込を受け付けて前記予約情報を生成または更新する受付部と、を備え、
前記占有上限時間は、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理システム。
【請求項2】
前記予約情報は、複数の前記ユーザに含まれる第1ユーザが前記移動体を占有する占有時間帯を指定する占有時間情報を含み、
前記受付部は、前記第1ユーザが前記占有時間帯において前記移動体を使用しないことの申込を受け付けた場合に、複数の前記ユーザに含まれる第2ユーザから、前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付ける、請求項1に記載の移動体使用管理システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記第2ユーザから前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付ける場合に、前記第2ユーザが、前記第2ユーザの前記占有上限時間を超えて前記移動体を使用することを許容する、請求項2に記載の移動体使用管理システム。
【請求項4】
前記受付部には、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する前記ユーザ間の優先度が設定され、
前記受付部は、前記第2ユーザ、及び、複数の前記ユーザに含まれる第3ユーザから、前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付けた場合に、前記優先度に従って前記移動体の使用の申込を受け付ける、請求項2に記載の移動体使用管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記移動体が使用された履歴に関する使用履歴情報を、前記移動体を使用した前記ユーザに対応付けて記憶し、
前記管理装置は、
前記使用履歴情報及び前記予約情報に基づいて、前記移動体のメンテナンスを実行するタイミングを特定し、特定したタイミングに基づいて、前記メンテナンスを実行する前記ユーザの候補を複数の前記ユーザから選択するメンテナンス管理部と、を備える、請求項1から請求項4のいずれかに記載の移動体使用管理システム。
【請求項6】
前記メンテナンス管理部は、前記ユーザの候補として複数の前記ユーザに含まれる第4ユーザを選択した場合、次に前記ユーザの候補を選択する場合は前記第4ユーザとは異なる前記ユーザを選択する、請求項5に記載の移動体使用管理システム。
【請求項7】
複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する移動体使用管理方法であって、
管理装置に、前記移動体を前記ユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれの前記ユーザが前記移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶し、
前記ユーザが前記移動体を使用する時間の所定期間における累積値が前記占有上限時間を超えないように、前記ユーザから前記移動体の使用の申込を受け付けて前記予約情報を生成または更新し、
前記占有上限時間は、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体使用管理システム、及び、移動体使用管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けてシェアリングに関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。車両等の移動体をシェアリングするための技術として、例えば、特許文献1は、複数のユーザの予約に対応して一台の共有車両を利用する配車サービスを行うシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、移動体のシェアリングにおいては、移動体の利用機会をユーザに適切に配分することが課題である。例えば、移動体を購入するための資金を各ユーザが出資した金額が、ユーザ毎に異なる場合、移動体を利用する機会を全てのユーザに均等に配分することは、かえって不公平感を生む可能性がある。
本願は上記課題の解決のため、複数のユーザが共同購入した移動体について、公平性を考慮した利用を可能とすることを目的としたものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための一態様は、複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する管理装置を有し、前記管理装置は、前記移動体を前記ユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれの前記ユーザが前記移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶する記憶部と、前記ユーザが前記移動体を使用する時間の所定期間における累積値が前記占有上限時間を超えないように、前記ユーザから前記移動体の使用の申込を受け付けて前記予約情報を生成または更新する受付部と、を備え、前記占有上限時間は、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理システムである。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、複数のユーザが共同購入した移動体を占有できる時間を、ユーザが移動体の購入のために出資した金額に対応して制限することができる。このため、ユーザによる移動体の予約に出資金額の差を反映させることができ、ユーザ間の公平性を考慮した利用を実現できる。これにより、ユーザに快適な共有体験を提供することができ、持続可能な輸送システムの発展への寄与を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】管理装置が記憶する情報の一例を示す模式図。
【
図5】ユーザ端末が表示する予約画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.管理システムの概要]
図1は、本実施形態の管理システム1の概要を示す説明図である。
管理システム1は、移動体Mを複数のユーザUが使用するための予約の受付および管理を行うシステムである。管理システム1は、移動体使用管理システムの一例に対応する。管理システム1が管理するユーザUの数、及び、移動体Mの数に制限はない。本実施形態では、一例として、1台の移動体Mを3人のユーザU1、U2、U3が使用する場合を説明し、ユーザU1、U2、U3を区別しない場合にユーザUと表記する。
【0009】
移動体Mは、ユーザUが乗車可能な移動体であり、例えば、四輪自動車、自動二輪車、自転車、三輪の自動車である。移動体Mは乗用車であっても貨物車両であってもよく、大型車両であってもよい。また、移動体Mは船舶や飛行体であってもよい。
図1には移動体Mの一例として自動二輪車を図示する。ユーザU1、U2、U3は、購入資金を出し合って移動体Mを購入した人であり、移動体Mを共同で保有する。
【0010】
ユーザUは、ユーザ端末210を使用する。
図1の例では、ユーザU1はユーザ端末210Aを使用し、ユーザU2はユーザ端末210Bを使用し、ユーザU3はユーザ端末210Cを使用する。ユーザ端末210A、210B、210Cを区別しない場合にユーザ端末210と表記する。ユーザ端末210は、可搬型のコンピュータであり、例えば、スマートフォン等のモバイルデバイス、或いは、ハンドヘルドコンピュータと呼ばれる携帯型のコンピュータである。
【0011】
管理システム1は、管理装置100を有する。管理装置100は、移動体Mの使用に関する情報を管理するコンピュータであり、例えば、サーバコンピュータである。管理装置100は、ユーザUが移動体Mを占有して使用する場合に、ユーザUによる予約を受け付ける。例えば、後述するように、管理装置100は、ユーザUが使用するユーザ端末210から予約の申込を受け付ける。ユーザUは、管理装置100によって予約が受け付けられた場合に、予約した時間帯に移動体Mを占有して使用することができる。
【0012】
管理装置100は、通信ネットワーク500を介してユーザ端末210と通信可能に接続される。通信ネットワーク500は、例えば、セルラー通信網、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局等を含む。これらの構成要素は、それぞれ通信ネットワーク500を介さずに、直接、無線通信を行ってもよい。
【0013】
移動体Mは、移動体端末270を搭載する。移動体端末270は、通信ネットワーク500を介して管理装置100と通信可能である。移動体端末270は、移動体Mの状態に関する情報を管理装置100に送信する。
【0014】
[2.管理システムの構成]
図2は、管理システム1のブロック図であり、管理システム1を構成する管理装置100、ユーザ端末210、及び、移動体端末270の機能的構成を示す。
図3は、管理装置100が記憶する情報の一例を示す模式図である。
【0015】
管理装置100は、プロセッサ10、記憶部20、及び、通信部30を備える。プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)やマイクロコントローラ等の情報処理デバイスである。記憶部20は、プロセッサ10によって実行されるプログラムや、プロセッサ10が処理するデータを記憶する。記憶部20は、フラッシュメモリ等の半導体メモリデバイス、磁気的記憶デバイス、光学的記憶デバイス等を用いて構成される不揮発性の記憶装置が挙げられる。また、記憶部20は、半導体メモリデバイスで構成される揮発性の記憶領域を備え、この揮発性の記憶領域によってプロセッサ10のワークエリアを形成してもよい。また、プロセッサ10が揮発性メモリを統合した統合型のデバイスで構成される場合、記憶部20は不揮発性の記憶装置で構成される。
【0016】
記憶部20は、制御用プログラム21、移動体情報22、ユーザ情報23、予約情報24、履歴情報25、及び、メンテナンス参照情報26を記憶する。制御用プログラム21は、プロセッサ10が管理装置100を制御するために実行するプログラムである。
【0017】
図3に示すように、移動体情報22は、移動体ID(IDentifier)、及び、メンテナンス情報を含む。移動体IDは、移動体Mを識別する識別情報である。移動体IDは、移動体Mの個体毎に付与された固有の情報であり、移動体Mを個体毎に識別可能な情報である。移動体IDは、例えば、移動体Mの製造者が付与した番号、法令に基づき移動体Mに付与される番号、管理システム1により移動体Mに付与された番号である。メンテナンス情報は、移動体Mのメンテナンスに関する情報である。移動体Mのメンテナンスとは、移動体Mが動作可能な状態を維持するために必要な作業を指す。例えば、移動体Mのメンテナンスは、法令により義務付けられる移動体Mの検査、移動体Mが備える消耗部品の交換、移動体Mが備える部品の調整等を含んでもよい。移動体Mが内燃機関を有する場合、移動体Mのメンテナンスは、例えば、燃料の補給、内燃機関の潤滑油または作動油の補充または交換を含む。移動体Mが駆動源としてバッテリを有する場合、移動体Mのメンテナンスは、例えば、移動体Mのバッテリの充電またはバッテリの交換を含む。メンテナンス情報は、移動体Mにおけるメンテナンスの必要性やメンテナンスを行うべきタイミングを判定するための情報である。例えば、メンテナンス情報は、移動体Mの走行距離、移動体Mの燃料の残量、移動体Mのバッテリの残容量等のいずれか1以上を含む。
【0018】
ユーザ情報23は、移動体ID、ユーザID、出資情報、占有上限時間、及び、メンテナンス履歴を含む。移動体IDは上述した通りである。ユーザIDは、ユーザUに付与された固有の情報であり、各々のユーザUを識別可能な情報である。ユーザIDは、管理システム1によりユーザUに付与された番号であってもよいし、法令に基づきユーザUに付与される番号等であってもよく、例えば、運転免許証番号が挙げられる。ユーザ情報23は、移動体IDおよびユーザIDに対応付けて記憶部20に記憶される。例えば、1人のユーザU1が複数の移動体Mを保有する場合、このユーザU1に対応付けて、ユーザU1が保有する各々の移動体Mに対応するユーザ情報23が記憶部20に記憶される。
【0019】
出資情報は、ユーザUが移動体Mを購入する際に、ユーザUが出資した金額に関する情報である。例えば、ユーザU1がユーザU2及びユーザU3と共同で移動体Mを購入した場合、ユーザU1に対応するユーザ情報23は、移動体Mの購入時にユーザU1が出資した金額に関する情報を含む。出資情報は、例えば、移動体Mの購入金額の全体に対してユーザU1の出資金額が占める割合を示す情報や、移動体Mの購入金額とユーザU1の出資金額とを示す情報である。
【0020】
占有上限時間は、ユーザUが移動体Mを占有する時間の上限を示す情報である。占有上限時間は、所定期間においてユーザUが移動体Mを占有する時間を累積した値の上限である。例えば、ユーザU1の占有上限時間は、1ヶ月間にユーザU1が移動体Mを使用する時間の累積値の上限である。ユーザU1は、1ヶ月間の移動体Mの使用時間がユーザU1の占有上限時間を超えない範囲で移動体Mを使用できる。ユーザU2、及び、ユーザU3についても同様である。所定期間は1ヶ月に限らない。例えば、占有上限時間は、1週間、1年、或いはその他の単位における、ユーザU1が移動体Mを使用可能な時間の上限であってもよい。
【0021】
ここで、移動体Mを占有することは、移動体Mを使用することと言い換えることができる。移動体Mが複数の人を乗車させることが可能な場合、移動体Mを占有するユーザUは、移動体Mを運転または操縦するユーザUである。
【0022】
占有上限時間は、移動体Mの購入のためにユーザUが出資した出資金額に対応する時間となるように定められる。例えば、3人のユーザU1、U2、U3が共同で移動体Mを購入した場合、ユーザU1、U2、U3の占有上限時間は、ユーザU1、U2、U3の出資金額の割合と同じ割合となるように定められる。この場合、移動体Mを共同購入した全てのユーザUの占有上限時間の合計は、所定期間の全てに相当する時間でなくてもよい。
占有上限時間の割合とユーザUの出資金額の割合とが一致しなくてもよい。例えば、占有上限時間は、ユーザUの出資金額の割合に相当する時間を1時間単位または5時間単位で区切った長さであってもよい。
【0023】
ユーザ情報23は、占有上限時間を必ず含むが、出資情報を含まない構成であってもよい。例えば、占有上限時間が出資金額の割合を反映している場合、占有上限時間の割合と出資情報の内容とが近似または一致するので、出資情報を省略できる。
【0024】
メンテナンス履歴は、ユーザUが移動体Mのメンテナンスを実行する人物の候補として選択された履歴を示す。後述するように移動体Mのメンテナンスを実行する人物の候補を選択する処理において、ユーザU1が選択された場合に、メンテナンスのタイミングやメンテナンスの内容に関する情報がユーザU1のユーザ情報23に追加される。
【0025】
予約情報24は、移動体Mの使用の予約に関する情報であり、ユーザUが移動体Mを使用する予約を行った場合に生成される。予約情報24は、予約ID、移動体ID、ユーザID、及び、使用時間情報を含む。
予約IDは、1つの予約情報24に付与される識別情報である。予約情報24は、1人のユーザUが1回の予約を行う毎に生成される。使用時間情報は、移動体Mの使用が予約された時間を示す情報である。使用時間情報は、例えば、移動体Mの使用開始の日時および使用終了の日時を含む。
【0026】
履歴情報25は、例えば、予約ID、及び、使用結果を含む。使用結果は、予約情報24に基づき移動体Mが使用された結果に関する情報である。具体的には、使用結果は、移動体Mが使用された後の移動体Mの状態に関する情報を含み、メンテナンス情報と同様の内容とすることができる。
【0027】
メンテナンス参照情報26は、移動体Mのメンテナンスに係る情報を含む。具体的には、移動体Mのメンテナンスを実行可能な場所を示す情報を含む。この場所は、例えば、ガソリンスタンド、充電ステーション、整備工場等である。また、メンテナンス参照情報26は、移動体Mのメンテナンスが必要な時期を判断する基準となる情報を含む。例えば、メンテナンス参照情報26は、移動体Mの燃料の残量あるいはバッテリの残容量と、移動体Mが移動可能な時間および/または移動距離とを対応付ける情報を含む。
【0028】
図2に戻り、通信部30は、通信ネットワーク500に接続される通信装置である。通信部30は、例えば、Ethernet(登録商標)ケーブルが接続されるコネクタ、及び、ケーブルを通じて信号を送受信する通信インターフェース回路を備える。通信部30は、アンテナやRF(Radio Frequency)回路を備え、無線データ通信を実行する通信装置であってもよい。
通信部30は、プロセッサ10の制御に従って、通信ネットワーク500を通じてユーザ端末210、及び、移動体端末270との間でデータ通信を実行する。
【0029】
プロセッサ10は、制御用プログラム21を実行することによって、管理装置100の機能を実現する。プロセッサ10が構成する機能部として、情報取得部11、予約受付部12、及び、メンテナンス管理部13を示す。これらの各機能部は、プロセッサ10が制御用プログラム21を実行することによってソフトウェアとハードウェアの協働により実現される。
【0030】
情報取得部11は、ユーザ端末210、及び、移動体端末270から情報を取得する。
予約受付部12は、情報取得部11がユーザ端末210から取得する情報に基づいて、移動体Mの使用に関する予約申込の受付、及び、予約取消申込の受付を実行する。予約受付部12は、移動体Mの使用が予約された日時にユーザ端末210に対する通知を行い、ユーザUに移動体Mの予約を知らせる。また、予約受付部12は、予約に基づいて移動体Mが使用された後に、移動体Mのメンテナンス情報を取得して移動体情報22を更新する。予約受付部12は、受付部の一例に対応する。
【0031】
メンテナンス管理部13は、移動体情報22に基づいて、移動体Mのメンテナンスを実行するタイミングを特定する。メンテナンス管理部13は、移動体Mのメンテナンスを行うユーザUの候補を選択し、選択したユーザUに対し、メンテナンスを依頼する。
【0032】
ユーザ端末210は、プロセッサ211、記憶部212、通信部213、タッチパネル214、カメラ215、及び、GNSS216を有する。
プロセッサ211は、CPUやマイクロコントローラ等の情報処理デバイスである。記憶部212は、フラッシュメモリ等の半導体メモリデバイスを用いて構成される不揮発性の記憶装置が挙げられる。記憶部212は、揮発性の記憶領域を有し、プロセッサ211のワークエリアを形成する構成であってもよい。記憶部212は、プロセッサ211によって実行されるプログラムや、プロセッサ211が処理するデータを記憶する。
プロセッサ211は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行し、ユーザ端末210を制御する。
【0033】
通信部213は、アンテナ、RF回路等を備え、モバイル通信回線を通じて無線データ通信を実行する通信装置である。通信部213は、通信ネットワーク500に接続し、プロセッサ211の制御に従って、管理装置100との間でデータ通信を実行する。
【0034】
タッチパネル214は、プロセッサ211の制御に従って各種の画像を表示する。タッチパネル214は、タッチパネル214に対するタッチ操作を検出し、検出した操作を示す操作データをプロセッサ211に出力する。
【0035】
カメラ215は、プロセッサ211の制御に従って撮影を行い、撮影画像をプロセッサ211に出力する。
GNSS(Global Navigation Satellite System)216は、プロセッサ211の制御に従ってユーザ端末210の位置を検出する。
【0036】
ユーザ端末210は、タッチパネル214に対するユーザUの操作に従って、管理装置100に対して予約申込または予約取消申込を送信する。また、ユーザ端末210は、管理装置100が送信する通知を受信して、ユーザUに対する通知を実行する。ユーザ端末210が実行する通知は、例えば、タッチパネル214に通知メッセージを表示することである。ユーザ端末210がスピーカを備える場合、ユーザ端末210は、音声または音を出力することによって通知を実行してもよい。
【0037】
移動体端末270は、制御部271、及び、通信部272を備える。制御部271は、移動体端末270を制御するプロセッサを有する。通信部272は、アンテナ、RF回路等を備え、モバイル通信回線を通じて無線データ通信を実行する通信装置である。通信部272は、通信ネットワーク500に接続し、制御部271の制御に従って、管理装置100との間でデータ通信を実行する。移動体端末270は、移動体Mの駆動を制御する制御装置等に組み込まれた装置であってもよいし、移動体Mに着脱可能に装着された装置であってもよい。例えば、移動体端末270は、移動体Mに取り付けられたスマートフォンであってもよい。
【0038】
[3.管理システムの動作]
図4は、管理システム1の動作を示すフローチャートである。
図4のステップSA11はユーザ端末210の動作を示し、ステップSB11~SB19は管理装置100の動作を示す。詳細には、ステップSA11はプロセッサ211により実行され、SB11~SB19は予約受付部12により実行される。
【0039】
ユーザ端末210は、管理装置100に対して予約申込を送信する(ステップSA11)。ステップSA11でユーザ端末210が送信する情報は、例えば、ユーザUのユーザID、移動体Mの移動体ID、移動体Mの使用開始日時および使用終了日時を含む。
【0040】
管理装置100は、ユーザ端末210が送信する予約申込を取得する(ステップSB11)。管理装置100は、予約申込に含まれるユーザIDに基づいてユーザ情報23を参照し、占有上限時間を取得する(ステップSB12)。管理装置100は、予約申込を行ったユーザUの予約情報24を取得する(ステップSB13)。すなわち、管理装置100は、予約申込に含まれるユーザIDに対応する予約情報24を、記憶部20から取得する。
【0041】
管理装置100は、予約申込を受け付けた場合に占有上限時間を超えるか否かを判定する(ステップSB14)。例えば、ステップSB14で、管理装置100は、ステップSB13で取得した予約情報24に含まれる使用時間情報の合計を算出する。さらに、管理装置100は、ステップSB11で取得した予約申込の使用開始日時および使用終了日時をもとに、予約申込みされた時間の長さを算出する。管理装置100は、予約情報24に含まれる使用時間情報の合計と予約申込された時間の長さとの所定期間における合計が、占有上限時間を超えるか否かを判定する。
【0042】
占有上限時間を超えないと判定した場合(ステップSB14;NO)、管理装置100は、予約申込を受け付けることを決定する(ステップSB15)。管理装置100は、ステップSB11で取得した予約申込の内容に基づいて予約情報24を生成し、記憶部20に記憶する(ステップSB16)。管理装置100は、予約申込を受け付けたことの通知をユーザ端末210に送信し(ステップSB17)、本処理を終了する。ここで、ユーザ端末210は、予約申込を受け付けたことの通知を管理装置100から受信したことに対応して、ユーザUへの通知を実行してもよい。
【0043】
占有上限時間を超えると判定した場合(ステップSB14;YES)、管理装置100は、予約申込を拒否することを決定する(ステップSB18)。管理装置100は、予約申込が不可であることの通知をユーザ端末210に送信し(ステップSB19)、本処理を終了する。ここで、ユーザ端末210は、予約申込が不可であることの通知を管理装置100から受信したことに対応して、ユーザUへの通知を実行してもよい。
【0044】
図5は、ユーザ端末210が表示する予約画面301の一例を示す図である。
ユーザUは、ユーザ端末210を操作することにより管理装置100にアクセスし、予約画面301をタッチパネル214に表示させることができる。予約画面301は、例えば、ユーザ端末210によるアクセス時点を含む数日間における移動体Mの予約の状況が、日付および時間帯に対応付けて表示される。予約画面301において、移動体Mの予約をしたユーザUを示すアイコンや文字列を表示してもよい。
【0045】
移動体Mの使用の予約は、ユーザUが
図4の動作を実行して行うほか、予め管理装置100に設定されてもよい。具体的には、ユーザU1、U2、U3のそれぞれに対応付けて、特定の時期に予約が設定されていてもよい。この予約は、例えば、1年のうちの特定の日、一月のうちの特定の日付、1週間のうちの特定の曜日を指定する予約である。この予約は、自動的に、ユーザUの操作がなくても、全ての年、月または週において、指定された日付または曜日に設定される。この予約に関して、日付または曜日に加えて時間帯が指定されてもよい。例えば、月曜日の朝9時から昼12時までユーザU1が移動体Mを使用する予約が設定された場合、ユーザU1がユーザ端末210Aを操作して予約を行わなくても、毎週月曜日の朝9時から昼12時まではユーザU1の予約がなされた状態となる。このように、管理システム1では、ユーザ端末210による操作を必要としない予約が可能であり、この予約が設定される時間帯は占有時間帯の一例に対応する。また、この種の予約に関する予約情報24は占有時間情報の一例に対応する。
【0046】
ユーザ端末210が予約画面301を表示する機能、予約申込を行う機能、及び、後述する予約取消申込を行う機能は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータのアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)として、ユーザ端末210に実装することができる。この場合、管理装置100は、ユーザ端末210が実装するアプリとデータを送受信するWebサーバとして構成することができる。ユーザUは、ユーザ端末210に予約画面301が表示された状態で、新規の予約申込や予約取消申込を行うことができる。
【0047】
図6は、管理システム1の動作を示すフローチャートである。
図6のステップSA21~SA23はユーザ端末210の動作を示し、プロセッサ211により実行される。ステップSB21~SB26は管理装置100の動作を示し、予約受付部12により実行される。ステップSC21は移動体端末270の動作を示し、制御部271により実行される。
【0048】
管理装置100は、現在時刻が、記憶部20が記憶する予約情報24に含まれる使用時間情報に基づいて、予約日時から所定時間前であるか否かを判定する(ステップSB21)。予約日時から所定時間前の時刻に到達していない場合(ステップSB21;NO)、管理装置100はステップSB21で待機する。予約日時から所定時間前の時刻に到達したと判定した場合(ステップSB21;YES)、管理装置100はユーザ端末210に対し、予約日時の通知を送信する(ステップSB22)。ステップSB22で、管理装置100は、ステップSB21で参照した予約情報24に含まれるユーザIDに基づき、通知を行う対象のユーザ端末210を特定することができる。例えば、ユーザU1が移動体Mを使用する予約について予約日時すなわち使用開始日時から所定時間前の時刻となった場合、管理装置100は、ユーザU1が使用するユーザ端末210Aに通知を送信する。
【0049】
ユーザ端末210は、管理装置100から予約日時の通知を受信したことに対応して、ユーザUに対する通知を行う(ステップSA21)。その後、ユーザUは、移動体Mの使用を開始する際に、ユーザ端末210を操作して移動体Mの使用を開始したことを入力する。ユーザ端末210は、ユーザUの入力に応じて、管理装置100に対して移動体Mの使用の開始を通知する(ステップSA22)。
【0050】
管理装置100は、ユーザ端末210から使用の開始の通知を受信すると、移動体Mの使用開始を受け付ける(ステップSB23)。
ユーザUは、移動体Mの使用を終了する際に、ユーザ端末210を操作して移動体Mの使用を終了したことを入力する。ユーザ端末210は、ユーザUの入力に応じて、管理装置100に対して移動体Mの使用の終了を通知する(ステップSA23)。
管理装置100は、ユーザ端末210から使用の終了の通知を受信すると、移動体Mの使用終了を受け付ける(ステップSB24)。
【0051】
管理装置100は、移動体端末270に対し、情報送信を要求する(ステップSB25)。ステップSB25で要求される情報は、上述したメンテナンス情報に相当する。具体的には、移動体Mの走行距離、移動体Mの燃料の残量、移動体Mのバッテリの残容量等である。
【0052】
移動体端末270は、管理装置100から要求を受信したことに対応して、移動体Mに関する情報を管理装置100に送信する(ステップSC21)。
管理装置100は、移動体端末270が送信した情報に基づいて、移動体Mの使用結果を生成し、履歴情報25を生成する(ステップSB26)。
【0053】
図6の動作により、ユーザUが予約した移動体Mの実際の使用、及び、移動体Mの使用に関する履歴の生成が行われる。
なお、管理装置100は、ステップSB25において、メンテナンス情報の送信をユーザ端末210に対して要求してもよい。この場合、移動体Mを使用したユーザUが、移動体Mに関する情報をユーザ端末210に入力し、ユーザ端末210から管理装置100に送信させてもよい。
【0054】
図7、及び、
図8は、管理システム1の動作を示すフローチャートである。
図7のステップSA31はユーザ端末210の動作を示し、プロセッサ211により実行される。ステップSB31~SB35及びステップSB41~SB48は管理装置100の動作を示し、予約受付部12により実行される。
【0055】
ユーザ端末210は、タッチパネル214に対するユーザUの操作に基づいて、管理装置100に対して予約取消申込を送信する(ステップSA31)。
管理装置100は、記憶部20が記憶する予約情報24のうち、ユーザ端末210から受信した予約取消申込に対応する予約情報24を特定する(ステップSB31)。管理装置100は、特定した予約情報24に関する予約を取り消す処理を実行する(ステップSB32)。ステップSB32の予約取消処理は、例えば、予約情報24を無効とする処理、或いは、予約情報24を消去する処理を含む。
管理装置100は、ユーザ端末210に対して予約取消を行ったことを通知する(ステップSB33)。ここでユーザ端末210は、管理装置100から通知を受信したことに対応して、ユーザUに対する通知を行ってもよい。
【0056】
ここで、管理装置100は、取消を行った予約が占有時間帯の予約であるか否かを判定する(ステップSB34)。取消を行った予約が占有時間帯の予約でない場合(ステップSB34;NO)、管理装置100は本処理を終了する。
【0057】
取消を行った予約が占有時間帯の予約である場合(ステップSB34;YES)、管理装置100は、再予約受付処理を実行する(ステップSB35)。再予約受付処理は、占有時間帯に設定された予約が取り消された時間帯に、別のユーザUの予約を受け付ける処理である。上述のように、管理システム1では移動体Mの使用に関して一部または全部のユーザUに対応する占有時間帯が設定可能である。占有時間帯は、例えば、指定された曜日または日付に自動的に予約されるため、占有時間帯に移動体Mを使用する予定のユーザUが、移動体Mを使用しないことがあり得る。このような場合に、移動体Mを有効に利用するため、管理システム1は、占有時間帯の予約の取消と、他のユーザUによる移動体Mの使用を可能とする。
【0058】
図8において、管理装置100は、予約が取り消された時間帯における予約申込の受付を開始する(ステップSB41)。ステップSB41の後、管理装置100は、ユーザ端末210からの予約申込の受信を待機する。
【0059】
管理装置100は、少なくとも1つのユーザ端末210から予約申込を受信するまで待機する(ステップSB42)。予約申込を受信した場合(ステップSB42;YES)、管理装置100は、複数のユーザUから予約申込が行われたか否かを判定する(ステップSB43)。
【0060】
1人のユーザUから予約申込が行われた場合(ステップSB43;NO)、管理装置100は、予約申込に基づいて予約情報24を生成し(ステップSB44)、ユーザ端末210に対して予約が行われたことを通知する(ステップSB45)。
【0061】
複数のユーザUから予約申込が行われた場合(ステップSB43;YES)、管理装置100は、予約申込を行ったユーザUの優先度を判定する(ステップSB46)。管理装置100は、ユーザUの優先度を、ユーザUが出資した購入金額の割合に基づき判定する。具体的には、複数のユーザUのうち、ユーザ情報23の出資情報が示す出資金額の割合が最も大きいユーザU、または、占有上限時間が最も長いユーザUの優先度を、他のユーザUより高くする。対象のユーザUが3人以上である場合は、出資情報が示す出資金額の割合が大きい順、または、占有上限時間が長い順に、優先度を判定する。この場合、出資金額の割合が大きいユーザUほど優先度が高くなる。
【0062】
管理装置100は、ステップSB47で判定した優先度が高いユーザUの予約申込を受け付ける(ステップSB47)。管理装置100は、予約申込が受け付けられなかったユーザUが使用するユーザ端末210に対して、予約申込が受け付けられなかったことを通知し(ステップSB48)、ステップSB44に移行する。
【0063】
図8のステップSB44で、管理装置100は、予約を受け付けるユーザUの占有上限時間を超えるか否かを判定しない。つまり、占有時間帯の予約が取り消され、取り消された占有時間帯における移動体Mの予約を受け付ける場合、管理装置100は、占有上限時間による制限を行わない。これにより、ユーザUに対応する占有時間帯の予約が取り消された場合に、他のユーザUが移動体Mを使用しやすくなるので、移動体Mを有効に利用できる。
【0064】
図9は、管理システム1の動作を示すフローチャートであり、管理装置100の動作を示す。ステップSB51~SB60はメンテナンス管理部13により実行される。
【0065】
管理装置100は、移動体情報22のメンテナンス情報を取得する(ステップSB51)。管理装置100は、予約情報24を取得し(ステップSB52)、メンテナンス情報及び予約情報24に基づいてメンテナンス実行タイミングを決定する(ステップSB53)。ステップSB53で、管理装置100は、例えば、メンテナンス情報に基づいて、メンテナンスを実行するまでに移動体Mを使用可能な時間および/または移動距離を算出する。ここで、時間および/または距離を算出する処理において、管理装置100は、メンテナンス参照情報26を参照してもよい。管理装置100は、算出した時間および/または移動距離と予約情報24とに基づいて、メンテナンスを行わなければ実行できない予約を特定する。管理装置100は、特定した予約の前を、メンテナンス実行タイミングとして決定する。
【0066】
例として、記憶部20が、移動体Mを使用する第1の予約の予約情報24と、第1の予約の次に実行される第2の予約の予約情報24とを記憶している場合を想定する。この例で、第1の予約はメンテナンスを実行しなくても支障がなく、第2の予約の使用中にメンテナンスが必要になると仮定する。この場合、メンテナンスを行わなければ第2の予約を完了できないので、例えば、移動体Mの使用中に、移動体Mの走行が不可能になる可能性もある。この例で、管理装置100は、第2の予約が実行される前を、メンテナンス実行タイミングとする。より詳細には、メンテナンス実行タイミングは、第1の予約の開始後から第2の予約の開始前の間に決定される。
【0067】
管理装置100は、メンテナンス実行タイミングが到来するまで待機する(ステップSB54)。メンテナンス実行タイミングが到来した場合(ステップSB54;YES)、管理装置100は、移動体Mを使用するユーザUの位置情報を取得する(ステップSB55)。ステップSB55で、管理装置100は、例えば、各々のユーザ端末210に位置情報の送信を要求し、この要求に応じてユーザ端末210が送信する位置情報を取得する。
【0068】
管理装置100は、メンテナンス参照情報26を参照し、移動体Mのメンテナンスを実行可能な場所を特定し、特定した場所に近いユーザUを選択する(ステップSB56)。ここで、管理装置100は、ステップSB56で選択したユーザUのユーザ情報23を参照し(ステップSB57)、前回のメンテナンスの候補のユーザUであるか否かを判定する(ステップSB58)。すなわち、管理装置100は、ステップSB56で選択したユーザUが、その前に実行されたメンテナンスについて選択されたユーザUであるか否かを判定する。
【0069】
選択したユーザUが、前回のメンテナンスの候補である場合(ステップS58;YES)、管理装置100は、ステップSB56で選択したユーザUを候補から除外して(ステップSB59)、ステップSB56に戻る。選択したユーザUが、前回のメンテナンスの候補でない場合(ステップS58;NO)、管理装置100は、ステップSB56で選択したユーザUが使用するユーザ端末210に対し、メンテナンスの実行を依頼する情報を送信する(ステップSB60)。この情報を受信したユーザ端末210は、ユーザUに対して、メンテナンスの実行を依頼する通知を行ってもよい。
【0070】
[4.他の実施形態]
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
【0071】
上記実施形態では、占有時間帯における予約が取り消された場合に、
図8の動作を行って新たに予約を受け付ける例を説明したが、これは一例である。例えば、管理装置100は、占有時間帯とは異なる予約について
図7の動作を実行し、予約取消申込を受け付ける構成であってもよい。この場合、管理装置100は、予約取消申込を受け付けた後に、ステップSB35の再予約受付処理を実行し、予約が取り消された時間帯における移動体Mの使用を可能としてもよい。そして、管理装置100は、占有時間帯とは異なる予約が取り消された場合であって、予約が取り消された時間帯に新たな予約を受け付けた場合に、占有上限時間による制限を行わない構成としてもよい。
【0072】
また、管理装置100は、単独のサーバコンピュータに限定されず、複数のサーバコンピュータによって分散処理を行う構成であってもよいし、クラウドサーバで構成されてもよい。
【0073】
図2は、本願発明の理解を容易にするために、管理システム1の各装置の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、装置の構成を限定するものではない。例えば、管理装置100において、プロセッサ10が備える構成要素の処理を、1つのハードウェアユニットにより実行してもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行してもよい。ユーザ端末210についても同様である。また、
図4、
図6~
図9に示した各処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0074】
制御用プログラム21は、可搬型の情報記録媒体に制御用プログラム21を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。プロセッサ10は、情報記録媒体から制御用プログラム21を読み出して実行してもよい。
【0075】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0076】
(構成1)複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する管理装置を有し、前記管理装置は、前記移動体を前記ユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれの前記ユーザが前記移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶する記憶部と、前記ユーザが前記移動体を使用する時間の所定期間における累積値が前記占有上限時間を超えないように、前記ユーザから前記移動体の使用の申込を受け付けて前記予約情報を生成または更新する受付部と、を備え、前記占有上限時間は、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理システム。
構成1の管理システムによれば、複数のユーザが共同購入した移動体を占有できる時間を、ユーザが移動体の購入のために出資した金額に対応して制限することができる。このため、ユーザによる移動体の予約に出資金額の差を反映させることができ、ユーザ間の公平性を考慮した利用を実現できる。
【0077】
(構成2)前記予約情報は、複数の前記ユーザに含まれる第1ユーザが前記移動体を占有する占有時間帯を指定する占有時間情報を含み、前記受付部は、前記第1ユーザが前記占有時間帯において前記移動体を使用しないことの申込を受け付けた場合に、複数の前記ユーザに含まれる第2ユーザから、前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付ける、構成1に記載の移動体使用管理システム。
構成2の管理システムによれば、移動体を共同購入した複数のユーザのいずれかに対応して、占有時間帯の予約を可能とすることで、ユーザが定期的に移動体を使用することができる。さらに、この移動体の使用の予約が取り消された場合に、予約が取り消された時間帯における新たな予約を受け付けることにより、移動体を有効に利用できる。
【0078】
(構成3)前記受付部は、前記第2ユーザから前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付ける場合に、前記第2ユーザが、前記第2ユーザの前記占有上限時間を超えて前記移動体を使用することを許容する、構成2に記載の移動体使用管理システム。
構成3の管理システムによれば、移動体の使用の予約が取り消され、新たな予約を受け付ける場合に、占有上限時間による制限を緩和する。これにより、予約が取り消された場合に新たな予約を受け付けるための自由度が高まるので、移動体をより有効に利用できる。
【0079】
(構成4)前記受付部には、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する前記ユーザ間の優先度が設定され、前記受付部は、前記第2ユーザ、及び、複数の前記ユーザに含まれる第3ユーザから、前記占有時間帯に重なる時間帯における前記移動体の使用の申込を受け付けた場合に、前記優先度に従って前記移動体の使用の申込を受け付ける、構成2または構成3に記載の移動体使用管理システム。
構成4の管理システムによれば、移動体の使用の予約が取り消され、予約が取り消された時間帯における新たな予約を受け付ける場合にもユーザの出資金額を反映させるので、ユーザ間の公平性を考慮した利用を実現できる。
【0080】
(構成5)前記記憶部は、前記移動体が使用された履歴に関する使用履歴情報を、前記移動体を使用した前記ユーザに対応付けて記憶し、前記管理装置は、前記使用履歴情報及び前記予約情報に基づいて、前記移動体のメンテナンスを実行するタイミングを特定し、特定したタイミングに基づいて、前記メンテナンスを実行する前記ユーザの候補を複数の前記ユーザから選択するメンテナンス管理部と、を備える、構成1から構成4のいずれかに記載の移動体使用管理システム。
構成5の管理システムによれば、移動体を適切なタイミングでメンテナンスすることが可能となるので、移動体を効率よく利用することが可能となる。
【0081】
(構成6)前記メンテナンス管理部は、前記ユーザの候補として複数の前記ユーザに含まれる第4ユーザを選択した場合、次に前記ユーザの候補を選択する場合は前記第4ユーザとは異なる前記ユーザを選択する、構成5に記載の移動体使用管理システム。
構成6の管理システムによれば、特定のユーザにメンテナンスの負担が集中することを防止できる。これにより、メンテナンスに関してもユーザ間の公平性を考慮した利用を実現できる。
【0082】
(構成7)複数のユーザにより使用される移動体の情報を管理する移動体使用管理方法であって、管理装置に、前記移動体を前記ユーザが使用する時間を指定する予約情報、及び、それぞれの前記ユーザが前記移動体を使用可能な時間の上限を定める占有上限時間を記憶し、前記ユーザが前記移動体を使用する時間の所定期間における累積値が前記占有上限時間を超えないように、前記ユーザから前記移動体の使用の申込を受け付けて前記予約情報を生成または更新し、前記占有上限時間は、前記移動体の購入のために各々の前記ユーザが出資した出資金額に対応する時間である、移動体使用管理方法。
構成7の管理方法によれば、複数のユーザが共同購入した移動体を占有できる時間を、ユーザが移動体の購入のために出資した金額に対応して制限することができる。このため、ユーザによる移動体の予約に出資金額の差を反映させることができ、ユーザ間の公平性を考慮した利用を実現できる。
【符号の説明】
【0083】
1…管理システム(移動体使用管理システム)、10…プロセッサ、11…情報取得部、12…予約受付部(受付部)、13…メンテナンス管理部、20…記憶部、21…制御用プログラム、22…移動体情報、23…ユーザ情報、24…予約情報、25…履歴情報、26…メンテナンス参照情報、30…通信部、100…管理装置、210、210A、210B、210C…ユーザ端末、211…プロセッサ、212…記憶部、213…通信部、214…タッチパネル、215…カメラ、216…GNSS、270…移動体端末、271…制御部、272…通信部、301…予約画面、500…通信ネットワーク、M…移動体、U、U1、U2、U3…ユーザ。