(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180303
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20231214BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231214BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231214BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/533
A63F13/69
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093476
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】泉水 一慶
(57)【要約】 (修正有)
【課題】演出を適切に表示させることができる情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、コンピュータを、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行するゲーム処理部21、ゲーム処理によるゲーム結果を、ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部22、ゲーム処理に関する演出を行う演出部23、演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部24、所定の場面において、ゲーム結果が保存されているにも関わらず演出がタイミングまで進行されていないと判定された場合に、演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部25として機能させ、演出部23は、さらに、ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に演出を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、
所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部、
前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部、
前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部、
前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部、
前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部、として機能させ、
前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記ゲーム処理または前記演出の少なくとも一方は、前記ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタオブジェクトまたは前記ユーザによって操作されないノンプレイヤキャラクタオブジェクトの少なくとも一方に関するものである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記ゲーム条件は、前記ユーザがギフトを所持していること、および、前記ユーザがノンプレイヤキャラクタオブジェクトに対して前記ギフトを渡すための操作入力を行ったことを含む、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記ゲーム条件は、予め定められた期間内において開催されるゲーム内イベントが開催されていることを含む、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記所定の場面において、前記ゲーム内イベントが開催されている期間には、前記演出を再開するか否かをユーザに選択させるための前記選択肢を表示し、前記ゲーム内イベントが開催されていない期間においては前記選択肢を表示しない、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記ゲーム処理は、報酬を前記ユーザに付与することを含む、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記所定の場面は、プレイヤキャラクタオブジェクトとノンプレイヤキャラクタオブジェクトとが会話を行う場面である、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記演出は、前記ゲーム処理の内容を示す、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記演出の内容には、プレイヤキャラクタオブジェクトがノンプレイヤキャラクタオブジェクトに対してギフトを渡す様子、または、ノンプレイヤキャラクタオブジェクトがプレイヤキャラクタオブジェクトに対して報酬を渡す様子のうち、少なくとも一方が含まれる、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記選択肢の表示が行われた回数を前記ユーザの識別情報に対応付けて記録する記録部と、
記録された前記選択肢の表示が行われた回数に基づいて前記選択肢の表示を制限する制限部として、前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記選択肢表示部は、さらに、前記ユーザによって演出を再開しない選択が過去にされた演出については、当該演出を再開するか否かをユーザに選択させるための選択肢を表示しない、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記演出部は、前記演出を再度行う場合に、前記演出を冒頭から行う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記演出部は、前記演出を再度行う場合に、前記演出が中断された箇所から行う、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記演出部は、さらに、前記演出を再度行う場合に、前記演出を冒頭から行うか、前記演出が中断された箇所から行うかを前記ユーザに選択させる選択肢を表示し、前記ユーザの選択に基づいて前記演出の開始地点を変更する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部と、
前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部と、
前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部と、
前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部と、
前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部と、を備え、
前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う、情報処理装置。
【請求項16】
複数の情報処理装置と複数の前記情報処理装置とネットワークで接続されたサーバとを備える情報処理システムであって、
所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部と、
前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部と、
前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部と、
前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部と、
前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部と、を備え、
前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う情報処理システム。
【請求項17】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行するステップと、
前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存部に保存するステップと、
前記ゲーム結果が保存された後に前記ゲーム処理に関する演出を行うステップと、
前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定するステップと、
前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示するステップと、
前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行うステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに用いられる情報処理プログラム、情報処理方法、情報処理装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画面上のプレイヤキャラクタオブジェクトを操作し、他のプレイヤキャラクタオブジェクトやノンプレイヤキャラクタオブジェクトとの間で会話させたり、敵キャラクタとの間で戦闘を行わせたりするゲームが知られている。こうしたゲームにおいて、ゲームの途中で、所定の条件を満たしたときに、演出画面が表示されるゲームが知られている。例えば、特許文献1では、キャラクタが使用する攻撃用アイテムとして「召喚」が選択されると、召喚獣が咆哮するムービーが表示される。
【0003】
ロールプレイングゲームのように、プレイヤキャラクタオブジェクトがアイテムオブジェクトや経験値等を得ることを目的の一つとして進行するタイプのゲームがある。こうしたゲームでは、例えば、特別のオブジェクトを獲得する際には、獲得する様子を示すムービーが用意されている場合がある。ムービーはゲームの世界観の表現の一つであり、ムービーの再生後にアイテムオブジェクト等の報酬がユーザに対して付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ムービーを強制終了することは記載されているが、ムービーが意図せずに終了してしまった場合のことは記載されていない。特許文献1に記載されたムービーは戦闘の前に表示されるが、戦闘の結果とは無関係のムービーであり、戦闘の結果を反映するものではない。
【0006】
また、報酬を受け取る過程を示すムービー等の演出を行うと共に報酬を取得させる処理では、演出が意図せずに終了した場合の報酬の扱いに問題が生じるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記背景に鑑み、演出を適切に表示させることができる情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部、前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部、前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部、前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部、前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部として機能させ、前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う。
【0009】
この構成の理解に資する目的で各構成の具体例を挙げる。ここで挙げる具体例は本発明の構成を限定するものでは一切ない。「所定の場面」の一例は、プレイヤキャラクタオブジェクト(以下、「PC」ともいう)がノンプレイヤキャラクタオブジェクト(以下、「NPC」ともいう)に話しかけて会話を行う場面である。「ゲーム条件」の一例は、PCがギフトを所持しており、かつ、そのギフトをNPCに渡すという選択をしたことである。「ゲーム処理」の一例は、PCが所持するギフトを減算し、お礼に、オブジェクトや親密度、経験値等の報酬を取得することである。具体的には、PCに関連付けられた各種データを更新することである。「ゲーム結果」の一例は、ユーザがNPCにギフトを渡したことおよび/またはユーザがNPCから報酬を貰ったことである。ただし、減算後にユーザが所持しているギフト数、獲得後にユーザが所持している報酬の数、あるいは、変化後の親密度や経験値等の値であっても良い。また、他の実施例においては、ユーザがショップでアイテムを購入したことやアイテムを獲得するための抽選を行ったこと、あるいは、バトルが終了したことやユーザがバトルに勝利または敗北したことなどであっても良い。また、購入や抽選に基づいて加算または減算された任意のゲーム内アイテムまたはゲーム内通貨の所持種類や所持数であっても良いし、バトルの結果得られた経験値であっても良い。「演出」の一例は、PCがNPCにギフトを渡し、そのお礼として報酬を取得する様子を表現したムービーである。ただし「演出」は、音声や音楽、静止画、あるいはそれらの組み合わせであっても良い。また、所定の制御方法に基づいて動作する仮想キャラクタの様子を仮想カメラで撮影し、その内容を情報処理装置の表示部に表示させることで「演出」を行っても良い。
【0010】
上記の例にしたがって、本発明の構成を説明する。PCがNPCに話しかけて会話をする場面で、ユーザが、当該ユーザが所持するギフトをNPCに渡すための操作入力を行うとゲーム条件が満たされる。ゲーム条件が満たされると、PCが所持するギフトが減算され、代わりに、オブジェクトや親密度、経験値等といったステータスを更新するゲーム処理を行い、ゲーム処理によるゲーム結果(上記例では、更新後のオブジェクトや親密度、経験値等)が決定したタイミングでそのゲーム結果を保存部に保存する。また、演出部は、ゲーム処理に関する演出としてムービーを表示する。
【0011】
この構成により、所定の場面において、ゲーム結果が保存されているにも関わらず演出が予め定められたタイミングまで進行されていないと判定された場合に、演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示するので、ユーザの選択により演出を再度行わせることができる。例えば、演出の途中でゲームが意図せず中断された場合、次にゲームを起動して所定の場面が訪れたときにユーザは演出を再び行わせることができる。また、この構成では、演出を行うか否かの選択肢の表示を所定の場面(上記の例では、NPCに話しかけた場面)において行うので、自然なタイミングで演出を行わせ、ユーザのゲームへの没入感を損なわないで、演出を見せることができる。
【0012】
また、この構成では、ゲーム結果が決定されたタイミングでゲーム結果を保存するので、演出が意図せずして終了した場合にも、ゲーム処理によるゲーム結果(上記例では、更新後のオブジェクトや親密度、経験値等)は保存される。ユーザの選択により演出を行わないこととしても、ゲーム結果には影響しない。
【0013】
(構成2)
構成2は、構成1において、前記ゲーム処理または前記演出の少なくとも一方が、前記ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタオブジェクトまたは前記ユーザによって操作されないノンプレイヤキャラクタオブジェクトの少なくとも一方に関するものであってもよい。
【0014】
(構成3)
構成3は、構成1又は2において、前記ゲーム条件が、前記ユーザがギフトを所持していること、および、前記ユーザがノンプレイヤキャラクタオブジェクトに対して前記ギフトを渡すための操作入力を行ったことを含んでもよい。
【0015】
(構成4)
構成4は、構成1~3のいずれかにおいて、前記ゲーム条件が、予め定められた期間内において開催されるゲーム内イベントが開催されていることを含んでもよい。この構成により、期間限定のゲーム内イベントへの参加の動機付けに繋がる。
【0016】
(構成5)
構成5は、構成4において、前記所定の場面において、前記ゲーム内イベントが開催されている期間には、前記演出を再開するか否かをユーザに選択させるための前記選択肢を表示し、前記ゲーム内イベントが開催されていない期間においては前記選択肢を表示しない構成としてもよい。この構成により、ゲーム内イベントが終了した後には、演出再開の選択肢を表示しないようにできる。
【0017】
(構成6)
構成6は、構成1~5のいずれかにおいて、前記ゲーム処理は、報酬を前記ユーザに付与することを含んでもよい。
【0018】
(構成7)
構成7は、構成1~6のいずれかにおいて、前記所定の場面は、プレイヤキャラクタオブジェクトとノンプレイヤキャラクタオブジェクトとが会話を行う場面であってもよい。
【0019】
(構成8)
構成8は、構成1~7のいずれかにおいて、前記演出は、前記ゲーム処理の内容を示すものであってもよい。この構成により、演出によってゲーム処理の内容を分かりやすくユーザに示すことができる。
【0020】
(構成9)
構成9は、構成8において、前記演出の内容には、プレイヤキャラクタオブジェクトがノンプレイヤキャラクタオブジェクトに対してギフトを渡す様子、または、ノンプレイヤキャラクタオブジェクトがプレイヤキャラクタオブジェクトに対して報酬を渡す様子のうち、少なくとも一方が含まれてもよい。
【0021】
(構成10)
構成10は、構成1~9のいずれかにおいて、前記選択肢の表示が行われた回数を前記ユーザの識別情報に対応付けて記録する記録部と、記録された前記選択肢の表示が行われた回数に基づいて前記選択肢の表示を制限する制限部として、前記コンピュータをさらに機能させてもよい。このように選択肢を表示する回数を制限することでユーザが感じる煩わしさを低減できる。
【0022】
(構成11)
構成11は、構成1~10のいずれかにおいて、前記選択肢表示部は、さらに、前記ユーザによって演出を再開しない選択が過去にされた演出については、当該演出を再開するか否かをユーザに選択させるための選択肢を表示しない構成としてもよい。この構成により、ユーザが演出の再開を希望しない場合には、それ以上、選択肢を表示しないようにし、ユーザに煩わしさを感じさせないようにできる。
【0023】
(構成12)
構成12は、構成1~11のいずれかにおいて、前記演出部は、前記演出を再度行う場合に、前記演出を冒頭から行ってもよい。演出を冒頭から再度行うことにより、ユーザに内容を十分に把握させることができる。
【0024】
(構成13)
構成13は、構成1~11のいずれかにおいて、前記演出部は、前記演出を再度行う場合に、前記演出が中断された箇所から行ってもよい。この構成により、既に表示した部分をスキップすることで、演出の完了までにかかる時間を短縮することができる。
【0025】
(構成14)
構成14は、構成1~11のいずれかにおいて、前記演出部は、さらに、前記演出を再度行う場合に、前記演出を冒頭から行うか、前記演出が中断された箇所から行うかを前記ユーザに選択させる選択肢を表示し、前記ユーザの選択に基づいて前記演出の開始地点を変更してもよい。この構成により、ユーザの希望に基づいて演出の開始箇所を選択できる。
【0026】
(構成15)
構成15は情報処理装置であって、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部と、前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部と、前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部と、前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部と、前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部とを備え、前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う。
【0027】
(構成16)
構成16は、複数の情報処理装置と複数の前記情報処理装置とネットワークで接続されたサーバとを備える情報処理システムであって、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行する処理部と、前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存する保存部と、前記ゲーム処理に関する演出を行う演出部と、前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定する判定部と、前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する選択肢表示部とを備え、前記演出部は、さらに、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行う。
【0028】
(構成17)
構成17は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされた場合に当該ゲーム処理を実行するステップと、前記ゲーム処理によるゲーム結果を、前記ゲーム結果が決定されたタイミングで保存部に保存するステップと、前記ゲーム結果が保存された後に前記ゲーム処理に関する演出を行うステップと、前記演出が予め定められたタイミングまで進行したかを判定するステップと、前記所定の場面において、前記ゲーム結果が保存されているにも関わらず前記演出が前記タイミングまで進行されていないと判定された場合に、前記演出を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示するステップと、前記ユーザが演出を行うための選択肢を選択した際に前記演出を行うステップとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1の実施の形態の情報処理装置の構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置のメモリマップの例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態の情報処理装置の処理を示す図である。
【
図4】PCとNPCとの会話処理の詳細を示す図である。
【
図5】ユーザの操作入力を行う画面の例を示す図である。
【
図6】ギフトを渡す演出を表示する画面の例を示す図である。
【
図7】演出の再開を問い合わせる画面の例を示す図である。
【
図8】第2の実施の形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【
図9】サーバ装置のメモリマップの例を示す図である。
【
図10】変形例に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図11】情報処理装置のメモリマップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本実施の形態の情報処理装置について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくまでも好ましい態様の一例を示したものであり、特許請求の範囲に記載された発明を限定する意図ではない。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置10の構成を示す図である。情報処理装置10は、ユーザが使用するゲーム装置である。情報処理装置10は、ゲーム専用装置であってもよいし、スマートホンやタブレット端末等の汎用的な装置であってもよい。
【0032】
情報処理装置10は、プロセッサ20と、メモリ30と、入力部41と、出力部42とを有している。プロセッサ20がメモリ30に記憶されたゲームプログラム31(
図2参照)を読み出して実行することにより、ゲーム処理部21、保存部22、演出部23、判定部24、選択肢表示部25として機能する。
図1では、演出に関する構成を中心に記載しているが、ゲームプログラム31は、ゲームを進行させるための図示しない種々の機能を実現する。
【0033】
本実施の形態では、一例として、プレイヤキャラクタオブジェクト(PC)がノンプレイヤキャラクタオブジェクト(NPC)に話しかけて会話をする場面を取り上げる。会話の中で、ユーザが所持するギフトをNPCに渡し、そのお礼としてNPCがユーザのPCに対し、お礼のオブジェクトを渡すと共に、NPCとの親密度やPCの経験値を加算するといった報酬を与える処理、ならびに、その演出としてPCとNPCのやり取りのムービーを表示する処理を行う例を挙げて説明する。
【0034】
図2(a)は、情報処理装置10のメモリ30に記憶される各種データの例を示すメモリマップである。情報処理装置10のメモリ30には、ゲームプログラム31とユーザデータ32が記憶されている。
図2(a)に示す例では、複数のユーザデータ32を記憶している。これは、アカウントを分けることによって、複数のユーザが情報処理装置10を利用することができるからである。
【0035】
図2(b)はユーザデータ32のデータ構成の一例を示す図である。ユーザデータ32は、ユーザID33と、ギフトデータ34と、所持オブジェクトデータ35と、経験値データ36と、親密度データ37と、演出中フラグ38とを記憶している。ユーザIDは、「ユーザの識別情報」の一例である。ギフトデータ34はNPCに渡すことのできるギフトのデータである。ユーザが入手することのできるギフトは一つでもよいし、複数でもよい。所持オブジェクトデータ35は、ユーザがゲームの中で獲得したオブジェクトのデータである。なお、
図2(b)は、所持オブジェクトデータ35と別にギフトデータ34を記憶する例であるが、所持オブジェクトデータ35の一つとしてギフトデータ34を記憶してもよい。
【0036】
経験値データ36は、ユーザの経験値のデータであり、親密度データ37はNPCとの親密度のデータである。経験値データ36と親密度データ37は大きいほどよく、一例として、経験値や親密度が高くなるにしたがって、ゲーム中での行動範囲や入手できるアイテムの種類が増えるようにしてもよい。
【0037】
演出中フラグ38は、ムービーによる演出の状態を示すフラグである。演出中フラグ38がオンの場合には、演出が開始されたが最後まで表示していない状態を示し、演出中フラグ38がオフの場合には、ムービーが開始されていないか、またはムービーが最後まで表示された状態を示す。
【0038】
次に、プロセッサ20がゲームプログラム31を実行することにより実現されるゲーム処理部21、保存部22、演出部23、判定部24、選択肢表示部25の機能について説明する。ゲーム処理部21は、所定の場面において、ゲーム処理に関するゲーム条件が満たされたときに、ゲーム条件に対応するゲーム処理を実行する機能を有する。
【0039】
本実施の形態では、所定の場面は、PCがNPCに対して話しかけ、PCとNPCが会話を行う場面である。なお、所定の場面はPCとNPCが会話する場面に限定されず、例えば、フィールドでPCが自由に歩き回る等の行動ができるシーン、アイテムショップのシーン、ダンジョンを探索しているシーンなどであってもよい。
【0040】
本実施の形態では、ゲーム条件は、PCがギフトを所持しており、かつ、そのギフトをNPCに渡すという選択をしたことである。ギフトの内容は限定されず、ゲームプレイを通して入手できる、あるいは予め配布されるいかなるオブジェクトであってもよい。例えば、チョコレートやその他のお菓子、果物、宝石等でもよいし、木材や金属等の素材でもよい。
【0041】
ゲーム条件についても、NPCにギフトを渡すことに限定されず、例えば、所定の操作入力が行われたこと、アイテム購入あるいはアイテムを獲得するための抽選の実行に必要なゲーム内通貨を持った状態で店に行き、アイテムを買うあるいは当該抽選を実行するための操作入力を行うこと、所定のダンジョンをクリアするあるいは所定のボスキャラクタを倒すこと、仮想空間内の所定の場所にプレイヤキャラクタオブジェクトが移動させられたこと等、様々な条件が考えられる。このとき、ゲーム処理は、アイテムの購入あるいは抽選の実行に必要なゲーム内通貨を減算する代わりに、当該購入または抽選によって獲得されるアイテムをユーザに付与する処理、あるいは、当該ダンジョンをクリアした旨あるいは当該ボスキャラクタを倒した旨を示す情報ユーザの識別情報と対応付ける処理であっても良い。
【0042】
ゲーム処理部21は、PCがNPCにギフトを渡し、NPCがPCに対してお礼のオブジェクトを渡すと共にPCの経験値とNPCとの親密度を上げる処理を行う。具体的には、
図2(b)に示すメモリマップにおいてユーザID33に関連付けて記憶されたギフトデータ34、所持オブジェクトデータ35、経験値データ36及び親密度データ37を読み出し、ギフトの個数を減算し、お礼として獲得したオブジェクトを追加する。また、経験値データ36及び親密度データ37に所定値を加算する。
【0043】
保存部22は、ゲーム処理によるゲーム結果が決定されたタイミングで、ゲーム結果をメモリ30に保存する。具体的には、
図2(b)に示すメモリマップにおいて、更新されたギフトデータ34、所持オブジェクトデータ35、経験値データ36、親密度データ37をユーザID33に関連付けて保存する。
【0044】
演出部23は、ゲーム処理の内容を示すムービーを表示させる機能を有する。本実施の形態では、演出部23が表示する演出の例は、PCがNPCに対してギフトを渡す様子とNPCがPCに対してお礼のオブジェクトを渡す様子を表すムービーである。ギフトの個数が減算され、お礼のオブジェクトが増えたというゲーム結果に至る過程を示すムービーが表示されることにより、どのようなゲーム処理が行われたかが分かりやすい。また、演出部23は、ムービーの再生を開始すると、演出中フラグ38をオンにする。
【0045】
判定部24は、演出のムービーが予め定められたタイミングまで進行したかを判定する。本実施の形態では、予め定められたタイミングはムービーの最後であり、判定部24はムービーが最後まで再生されたか否かを判定する。最後まで実行されたか否かの判定の具体的手法は任意であり、例えば、ムービーを最後まで再生した上で、ムービーの次のシーン(例えば、ワイプ等)に遷移したかどうかで判定してもよいし、シークバーを用いて管理してもよい。また、再生が最後まで完了された時点でその旨を示す情報をユーザの識別情報と対応付けて記録しても良い。
【0046】
判定部24は、ムービーが最後まで再生されたと判定したときに、演出中フラグ38をオフにする。すなわち、演出中フラグ38がオンであるときには、ムービーの再生の途中であることを示し、演出中フラグ38がオフであるときには、ムービーの再生開始前か、ムービーの再生が完了したことを示す。
【0047】
選択肢表示部25は、PCがNPCに話しかけた場面で演出中フラグ38の状態をチェックし、演出中フラグ38がオンであると判定された場合に、ムービーを再開するか否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する機能を有する。本実施の形態において、演出としてのムービーは基本的には最後まで行われるので、ムービーの再生中以外に演出中フラグ38がオンであるということは、演出中フラグ38をオフする処理が行われることなく、何らかの原因でムービーが中断したと考えられる。
【0048】
選択肢表示部25は、再度ムービーを再生するか否かをユーザに選択させるための選択肢を表示する。ユーザにより再生することが選択された場合、演出部23は、ムービーを冒頭から再生する。ムービーを冒頭から再生することにより、ムービーの内容をユーザに十分に把握させることができる。ユーザによりムービーを再生しないことが選択された場合には、選択肢表示部25は、演出中フラグ38をオフにするとともに、ムービーを再生させることなく通常の会話処理を行う。演出中フラグ38をオフにするのは、ユーザが再開を希望していないムービーを再開するか否かの選択肢が繰り返し提示されないようにするためである。
【0049】
図3は、第1の実施の形態の情報処理装置10によるゲーム開始からゲーム終了までの処理の概要を示す図である。
図4は、PCとNPCとの会話処理の詳細を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、ゲームプログラム31の実行が開始されると、ログイン処理およびゲーム開始準備処理を行う(S10)。情報処理装置10は、ゲーム開始準備が完了すると、ゲーム進行に関する様々な処理を行うが、ここでは会話処理に焦点を当てている。
【0050】
情報処理装置10は、ユーザにより会話操作が行われたか否かを判定する(S11)。会話操作とは、例えば、PCとNPCが近付いている状態で、ユーザが当該NPCをタップすることにより、タップされたNPCとPCとの会話操作が行われたと判定する。会話操作が行われた場合には(S11でYES)、情報処理装置10は
図4に示す会話処理を実行し、会話操作が行われていない場合には(S11でNO)、情報処理装置10はその他のゲーム処理を行う(S13)。
【0051】
次に、ゲーム終了が入力されたか否かを判定し(S14)、ゲーム終了が入力されていない場合には(S14でNO)、会話操作があったか否かの判定の処理(S11)に戻る。ゲーム終了が入力された場合には(S14でYES)、情報処理装置10は処理を終了する。
【0052】
図4を参照して会話処理について説明する。本実施の形態の情報処理装置10は、演出を伴う会話処理と、演出を伴わない通常の会話処理を行う。通常会話処理は、従来のゲーム装置における会話処理と同じである。例えば、予め定められた規則に従って、またはランダムに、複数の候補の中から選択された内容の会話が行われても良い。あるいは、固定された内容の会話が行われても良い。
【0053】
情報処理装置10は、演出中フラグ38がオンされているか否かを判定する(S20)。上述したとおり、演出中フラグ38がオンされていることは、再生途中のムービーがあることを示している。演出中フラグ38がオンでない場合には(S20でNO)、情報処理装置10は、ユーザがギフトを所持しているか否かを判定する(S21)。具体的には、メモリマップに、ユーザID33に関連付けて記憶されたギフトデータ34を読み出し、ギフトデータ34があるかないかを判定する。本実施の形態の情報処理装置10では、PCがNPCに対してギフトを渡すことを条件として、ムービーによる演出を含む会話処理を行うので、ユーザがギフトを所持していない場合には(S21でNO)、情報処理装置10は通常会話処理を行う(S30)。
【0054】
続いて、ユーザがギフトを所持していると判定された場合(S21でYES)、情報処理装置10は、ギフトをNPCに引き渡す処理を行うためのユーザ操作が入力されたか否かを判定する(S22)。
【0055】
図5(a)及び
図5(b)は、ギフトを引き渡す処理の操作を説明するための画面例である。
図5(a)に示すように、向かい合うPC(この例では「一郎」)とNPC(この例では「太郎」)の上に吹き出しが表示され、吹き出しの中に「太郎にプレゼントをあげようかな・・?」とのメッセージが記載されている。また、画面の下側に「あげる」「やめる」という選択肢が表示されている。この画面において「あげる」を選択すると、
図5(b)に示す確認画面を表示する。確認画面においては、「プレゼントできるのは一人だけです。太郎にプレゼントすると他の人には渡せません。」という注意喚起の文言が表示され、「やめる」「はい」の選択肢が表示されている。なお、
図5(b)の画面に表示されている「プレゼントボックス」は、ギフトの一例である。
【0056】
図5(b)に示す確認画面において、ユーザが「はい」を選択すると、ギフトを引き渡す処理の操作が行われたと判定される。ここでは、プレゼントできるのは一人だけという例を示したが、ユーザは複数のギフトを入手でき、複数のNPCに渡すことができるように構成してもよい。
【0057】
図5(a)に示す画面において「やめる」を選択した場合、または、
図5(b)に示す画面において「やめる」を選択した場合には、ギフトを引き渡す処理の操作が行われなかったと判定される。
【0058】
ギフトを引き渡すユーザ操作が入力されていないと判定された場合(S22でNO)、情報処理装置10は通常会話処理を行う(S30)。ギフトの引き渡し処理の操作が行われたと判定された場合(S22でYES)、情報処理装置10は、ギフトの引き渡し処理を行う(S23)。ギフトの引き渡し処理は、PCが所持するギフトをNPCに渡す処理と、ギフトのお礼として、ユーザが報酬を獲得する処理、そしてそれらの処理の結果を保存する処理を含む。ゲーム処理部21は、ユーザID33に関連付けられたギフトのデータを更新すると共に、お礼のオブジェクトを所持オブジェクトデータ35に追加する。また、ゲーム処理部21は、経験値データ36と親密度データ37に所定のポイントを加算し更新する。
【0059】
続いて、情報処理装置10は、演出中フラグ38をオンし(S24)、演出を実行する(S25)。演出としては様々なものが考えられるが、一例としては、ムービーの再生処理が挙げられる。
【0060】
図6(a)~
図6(c)は、ムービーの一例を示す図であり、ムービーの各場面を時系列に示している。
図6(a)は、PC(一郎)がNPC(太郎)に対してプレゼントを渡す場面を示している。
図6(b)はNPC(太郎)がお礼に、PC(一郎)に対してプレゼントを渡す場面を示し、
図6(c)はNPC(太郎)がPC(一郎)に対して言葉をかける場面を示している。ムービーは、ユーザが所持するギフトの個数を減らし、所持オブジェクトと経験値、親密度を増やすというゲーム処理の内容をユーザに分かりやすく伝える内容となっている。
【0061】
情報処理装置10は、演出にかかるムービーの再生が完了したか否かを判定する(S26)。演出が完了していない場合には(S26でNO)、演出が完了するまで待ち、演出が完了した場合には(S26でYES)、演出中フラグ38をオフにする処理を行う(S27)。
【0062】
会話処理の最初のステップS20で、演出中フラグ38がオンであると判定された場合(S20でYES)の動作について説明する。演出中フラグ38がオンの場合には(S20でYES)、情報処理装置10は、演出を再開するか否かを選択させる選択肢を表示する(S28)。
【0063】
図7は、選択肢の表示画面の例を示す図である。「プレゼントを太郎に渡している間にゲームが中断されました。演出を再開しますか?(お礼をすでに受け取っています)」という説明のメッセージと共に、その下に「再開しない」「再開する」のボタンが表示されている。ユーザから演出再開することが入力された場合には(S28でYES)、情報処理装置10は演出を再生する処理を行う(S25)。
【0064】
演出再開しないことの入力がなされた場合には(S28でNO)、情報処理装置10は演出中フラグ38をオフにする処理を行い(S29)、通常会話処理を行う(S30)。なお、演出中フラグ38をオフにする処理(S29)は、演出が完了したときに(S26でYES)演出中フラグ38をオフにする処理(S27)と同じである。
以上、第1の実施の形態の情報処理プログラム、情報処理装置10および情報処理方法について説明した。
【0065】
本実施の形態の情報処理装置10では、PCがNPCに対して話しかけて会話をするという所定の場面において、演出のムービーが最後まで再生されていないと判定された場合に、ムービーの再生を行う否かをユーザに選択させるための選択肢を表示するので、ユーザの選択によりムービーを再度表示させることができる。例えば、演出の途中でゲームが意図せず中断された場合、ゲーム再開後に所定の場面が訪れたときにユーザは演出を行わせることができる。なお、演出を行うか否かの選択肢を表示するのは所定の場面になったときであるので、自然な流れのなかでムービーの再開についての問い合わせを行い、ユーザのゲームへの没入感を損なわないで、演出を見せることができる。ゲームの起動直後に、
図7に示すような選択肢を表示することも考えられるが唐突感があるので、ゲーム内容によっては適切でないことがある。
【0066】
また、本実施の形態の情報処理装置10では、ムービーの再生前に、ゲーム結果が決定したタイミングでゲーム処理の結果を保存するので、ムービーが最後まで再生されない場合にも、ユーザはお礼のオブジェクトデータや経験値等を獲得している。したがって、ムービーが意図せずして終了した場合に、必ずしも再開しなくてもよい構成とすることができる。これにより、ゲーム再開後に、所定の場面にならなくても報酬を獲得し損ねるという問題は生じない。
【0067】
本実施の形態の構成は、ゲーム装置全般に適用可能であるが、スマートホン等の汎用装置で実行されるゲームにおいて有用である。スマートホン等においては複数のアプリケーションのうちの1つとしてゲームが実行され、スマートホンの機能によりゲームを強制終了させることができるため、演出が中断されるケースが多いと考えられるからである。
【0068】
(第2の実施の形態)
図8は第2の実施の形態の情報処理システム1の構成を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システム1は、ユーザが使用する情報処理装置10と、情報処理装置10とネットワークを通じて通信可能なサーバ装置50とを備えている。
図8では、情報処理装置10を1つしか示していないが、実際には複数の情報処理装置10がサーバ装置50と接続されている。
【0069】
情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施の形態の情報処理装置10と同じである。情報処理装置10は、サーバ装置50と通信を行うための通信部43を備えている。
【0070】
第2の実施の形態においては、サーバ装置50がネットワークを通じて接続された複数の情報処理装置10のユーザを管理している。サーバ装置50は、プロセッサ60と、メモリ70と、入力部81と、出力部82と、通信部83とを備えている。
【0071】
図9(a)は、サーバ装置50のメモリ70に記憶される各種データの例を示すメモリマップである。サーバ装置50のメモリ70には、サーバ側プログラム71とユーザデータ72が記憶されている。サーバ装置50と接続された複数の情報処理装置10のユーザのユーザデータ72が記憶される。
【0072】
図9(b)はユーザデータ72のデータ構成の一例を示す図である。ユーザデータ72は、ユーザID73と、ギフトデータ74と、所持オブジェクトデータ75と、経験値データ76と、親密度データ77と、演出中フラグ78とを記憶している。これらのデータは、
図2(b)で説明したメモリマップの内容と同じである。
【0073】
次に、プロセッサ60がサーバ側プログラム71を実行することにより実現されるユーザデータ管理部61の機能について説明する。ユーザデータ管理部61は、サーバ装置50に接続する情報処理装置10のユーザのデータを管理する機能を有する。ユーザデータ管理部61は、情報処理装置10と受信したデータに基づいてメモリ70に記憶されたユーザデータ72を更新したり、メモリ70に記憶されたユーザデータ72を読み出して、読み出したユーザデータ72を情報処理装置10に送信したりする。
【0074】
第2の実施の形態の情報処理システム1では、情報処理装置10がサーバ装置50から、各情報処理装置10におけるゲームの進行に応じてゲームプログラム31やゲーム進行に必要なデータをダウンロードしたり、サーバ装置50が情報処理装置10からユーザのステータスを取得して保存する。ムービー等の演出を伴う会話処理は、情報処理装置10にダウンロードされたゲームプログラム31を実行することにより、情報処理装置10において実現される。以上の構成により、第2の実施の形態の情報処理システム1では、オンラインゲームを実現することができる。
【0075】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態の情報処理装置10の構成を示す図である。第3の実施の形態の情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施の形態の情報処理装置10と同じであるが、第3の実施の形態の情報処理装置10は、中断されたムービーの再生を行うか否かを問い合わせる回数に制限を設定している点が異なる。
【0076】
図11(a)は、情報処理装置10のメモリ30に記憶される各種データの例を示すメモリマップである。情報処理装置10のメモリ30には、ゲームプログラム31とユーザデータ32が記憶されている。
【0077】
図11(b)はユーザデータ32のデータ構成の一例を示す図である。第3の実施の形態の情報処理装置10のメモリ30には、ユーザデータ32として、第1の実施の形態で説明した各種のデータに加え、再開回数データ39が記憶されている。再開回数データ39は、再開をするための選択肢の表示が何回行われたかを示すデータである。
【0078】
第3の実施の形態の情報処理装置10のプロセッサ20は、第1の実施の形態の情報処理装置10のプロセッサ20が実現する機能に加え、記録部26および制限部27の機能を実現する。
【0079】
記録部26は、それぞれのムービーについて、再開をするための選択肢が表示された回数を、そのユーザID33に対応付けてメモリ30に記録する機能を有する。
【0080】
制限部27は、ムービーの再開をするための選択肢の表示回数が所定の回数(例えば、3回)になったら、選択肢表示部25による選択肢の表示を制限する機能を有する。制限部27は、選択肢の表示回数が3回になった時点で、演出中フラグ38をオフにしてもよいし、会話処理(
図4参照)がスタートしたときに、選択肢の表示回数が所定回数に達しているかを判定し、達していると判定されたときに、通常会話処理を行うように処理を行うこととしてもよい。
【0081】
本実施の形態の構成によれば、ムービーを再開するか否かの選択肢を表示する回数を制限することにより、ユーザに煩わしさを低減できる。
【0082】
以上、本発明の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明の情報処理プログラム等は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0083】
上記した実施の形態では、ムービーを再開するか否かの選択において、ムービーを再開しないことを選択したときには演出中フラグ38をオフにして、次回以降は、演出を再開するか否かの選択肢が出ないようにする例を挙げて説明したが、再開しないことを選択した場合であっても、所定の回数までは選択肢を表示する構成としてもよい。
【0084】
上記した実施の形態では、ムービーが再生中であるか否かを示す演出中フラグ38を用いて、選択肢の表示を行うか否かを判定することとしているが、ムービーを最後まで再生したか否かを示す完了フラグを用いることとしてもよい。この完了フラグがオンの場合には、ムービーの再生が開始され、かつ最後まで再生したことを示し、オフの場合には、ムービーの再生が開始されていないか、または、開始されたが最後まで再生していないことを示す。完了フラグを用いる場合には、選択肢表示部25は、まず、メモリ30にゲーム結果が保存されているか否かを判定し、保存されている場合に完了フラグがオフであるか否かを判定する。選択肢表示部25は、メモリ30にゲーム結果が保存されておりかつ完了フラグがオフの場合に、すなわち、ゲーム結果が保存されているにも関わらず演出が完了していない場合に選択肢を表示する。
【0085】
上記した実施の形態では、ムービーを再開する際にムービーの冒頭から再生する例を挙げて説明したが、ムービーが中断された箇所から再開することとしてもよい。また、ムービーを中断された箇所から再開するか冒頭から再生するかをユーザに選択させる構成としてもよい。
【0086】
上記した実施の形態では、ムービーの演出を行うゲーム条件として、予め定められた期間内において開催されるゲーム内イベントが開催されていることを含んでもよい。予め定められた期間内において開催されるゲーム内イベントとしては、例えば、お正月イベント、夏祭りイベント、クリスマスイベント等、様々な例が考えられる。ゲーム内イベントの開催を条件とする場合は、まず、ゲーム内イベントが開催されている期間であるか否かを判定し、ゲーム内イベントが開催されている期間であると判定された場合に、
図3および
図4で説明したような処理を行うこととしてもよい。このようにゲーム内イベントの開催期間か否かをゲーム条件とすることで、ゲーム内イベントへの参加の動機付けに繋がる。この場合、ゲーム内イベントの開催期間中に限り、ムービーの再生を再開するかの選択肢を表示することとしてもよい。この構成により、ゲーム内イベントが終了した後には、演出を行わないようにできる。
【0087】
上記した実施の形態では、ゲーム条件を満たしたときに、NPCにギフトを渡してお礼の報酬を獲得する過程を表すムービーを再生する例を挙げたが、ゲーム処理の内容に応じて、様々なゲーム条件および演出に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 プロセッサ
21 ゲーム処理部
22 保存部
23 演出部
24 判定部
25 選択肢表示部
30 メモリ
31 ゲームプログラム
32 ユーザデータ
33 ユーザID
34 ギフトデータ
35 所持オブジェクトデータ
36 経験値データ
37 親密度データ
38 演出中フラグ
39 再開回数データ
41 入力部
42 出力部
43 通信部
50 サーバ装置
60 プロセッサ
61 ユーザデータ管理部
70 メモリ
71 サーバ側プログラム
72 ユーザデータ
73 ユーザID
74 ギフトデータ
75 所持オブジェクトデータ
76 経験値データ
77 親密度データ
78 演出中フラグ
81 入力部
82 出力部
83 通信部