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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180382
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】光学シート及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20231214BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231214BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 336Z
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093653
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】西坂 政輝
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA63
2H189AA64
2H189AA68
2H189AA71
2H189AA72
2H189HA16
2H391AA03
2H391AB34
2H391AC13
2H391AC23
2H391AC32
2H391CA08
2H391CA10
5G435AA08
5G435BB12
5G435FF01
5G435KK07
(57)【要約】
【課題】穴の周縁部を低コストで補強可能な光学シート及び表示装置を提供することができる。
【解決手段】光学シート24は、表示装置に用いられる。光学シート24は、シート本体241と、接続部242とを備える。接続部242は、シート本体241の縁241Aの近傍に設けられ、表示装置の一部に接続可能である。接続部242は、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eを有している。第1貫通孔243Dと、第2貫通孔243Eとは、接続部242が第1貫通孔243Dと第2貫通孔243Eとの間の折返し線243Fで折り返されることにより互いに重なる状態となる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に用いられる光学シートであって、
シート本体と、
前記シート本体の縁の近傍に設けられ、前記表示装置の一部に接続可能な接続部と
を備え、
前記接続部は、第1貫通孔及び第2貫通孔を有しており、
前記第1貫通孔の少なくとも一部の領域と、前記第2貫通孔の少なくとも一部の領域とは、前記接続部が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間の折返し線で折り返されることにより互いに重なる状態となる、光学シート。
【請求項2】
前記接続部は、前記折返し線に沿う折返し補助構造を有する、請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、前記シート本体の縁に沿った第1方向に対して垂直方向である第2方向に間隔を隔てて並んで配置され、
前記折返し線は、前記第1方向に平行な直線である、請求項1又は請求項2に記載の光学シート。
【請求項4】
前記接続部は、前記シート本体の縁から前記第2方向に向けて外側に突出した突出部を有し、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、前記突出部に設けられる、請求項3に記載の光学シート。
【請求項5】
前記接続部は、前記突出部の先端に前記突出部の前記第1方向の幅が他の部位よりも大きい拡幅部を有する、請求項4に記載の光学シート。
【請求項6】
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とは、前記シート本体の縁に沿った第1方向に間隔を隔てて並んで配置され、
前記折返し線は、前記第1方向に対して垂直方向である第2方向に平行な直線である、請求項2に記載の光学シート。
【請求項7】
前記接続部は、
前記第1貫通孔が配置される第1部分と、
前記第2貫通孔が配置される第2部分と
を有しており、
前記第1部分は、前記シート本体の縁に対して接し、
前記第2部分は、前記シート本体の縁に対して切れ目によって隔てられる、請求項6に記載の光学シート。
【請求項8】
前記接続部は、
前記第1貫通孔が配置される第1部分と、
前記第2貫通孔が配置される第2部分と
を有しており、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記接続部が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間の前記折返し線で折り返されることにより互いに重なる状態となる、請求項1又は請求項2に記載の光学シート。
【請求項9】
前記第1部分及び前記第2部分の少なくとも一方に、前記第1部分及び前記第2部分を互いに接着可能な接着層を備える、請求項8に記載の光学シート。
【請求項10】
前記接着層は、黒に着色されている、請求項9に記載の光学シート。
【請求項11】
光学シートと、
前記光学シートが係合する係合部を有するフレームと
を備える表示装置であって、
前記光学シートは、
シート本体と、
第1貫通孔及び第2貫通孔を有しており、前記シート本体の縁の近傍に設けられる接続部と
を備え、
前記係合部は、前記第1貫通孔の少なくとも一部の領域と、前記第2貫通孔の少なくとも一部の領域とが、前記接続部が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間の折返し線で折り返されることにより互いに重なり合った状態で、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の各々に係合する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学シート及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光学シートが記載されている。光学シートは、表示装置に用いられる。表示装置は、バックライトと、表示パネルと、フレームと、光学シートとを備える。光学シートは、バックライトと、表示パネルとの間に位置する。光学シートは、矩形形状であり、上辺に沿って複数の孔を有する。各孔は、フレームから突出する凸部に挿通される。その結果、光学シートは、表示装置のフレームに接続される。バックライトは、表示パネルに向けて光を出射する。出射光は、光学シートを介して表示パネルに照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-37974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光学シート側の孔がフレーム側の凸部に挿通された状態では、孔の周縁部がストレスにより破断するおそれがある。ストレスの要因としては、例えば、光学シート自体の重さ、又は輸送時における表示装置の振動がある。従って、孔の周縁部を低コストで補強することが要望されている。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、孔の周縁部を低コストで補強可能な光学シート及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面では、光学シートは、表示装置に用いられる。前記光学シートは、シート本体と、接続部とを備える。前記接続部は、前記シート本体の縁の近傍に設けられ、前記表示装置の一部に接続可能である。前記接続部は、第1貫通孔及び第2貫通孔を有している。前記第1貫通孔の少なくとも一部の領域と、前記第2貫通孔の少なくとも一部の領域とは、前記接続部が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間の折返し線で折り返されることにより互いに重なる状態となる。
【0007】
本開示の他の局面では、表示装置は、光学シートと、前記光学シートが係合する係合部を有するフレームとを備える。前記光学シートは、シート本体と、接続部とを備えている。前記接続部は、第1貫通孔及び第2貫通孔を有しており、前記シート本体の縁の近傍に設けられる。前記係合部は、前記第1貫通孔の少なくとも一部の領域と、前記第2貫通孔の少なくとも一部の領域とが、前記接続部が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間の折返し線で折り返されることにより互いに重なり合った状態で、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の各々に係合する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、穴の周縁部を低コストで補強可能な光学シート及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】表示装置を示す斜視図である。
図2図1に示される表示装置の分解図である。
図3図1に示される線III-IIIに沿う表示装置の断面図である。
図4図3に示される表示装置の断面の左端部の拡大図である。
図5】第1実施形態に係る光学シートの展開状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係る光学シートの折返し状態を示す図である。
図7】第2実施形態に係る光学シートの展開状態を示す図である。
図8】第2実施形態に係る光学シートの折返し状態を示す図である。
図9】第3実施形態に係る光学シートの展開状態を示す図である。
図10】第3実施形態に係る光学シートの折返し状態を示す図である。
図11】第4実施形態に係る光学シートの展開状態を示す図である。
図12】第5実施形態に係る光学シートの展開状態及び折返し状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1は、表示装置100を示す斜視図である。図2は、図1に示される表示装置100の分解図である。図3は、図1に示される線III-IIIに沿う表示装置100の断面図である。図4は、図3に示される表示装置100の断面の左端部の拡大図である。
【0012】
図1から図4には、実施形態の理解を容易にするため、表示装置100の左右方向と、前後方向と、上下方向とが示されている。上下方向は、表示装置100を使用可能に設置した使用状態を基準として規定される。前後方向は、表示パネル1及びバックライト装置2のうち表示パネル1がある方が前として規定される。左右方向は、表示パネル1を前方から見て規定される。
【0013】
図1から図4に示されるように、表示装置100は、表示パネル1と、バックライト装置2と、ベゼル3と、フレーム4とを備える。
【0014】
表示パネル1は、正面視で略矩形形状である。表示パネル1は、バックライト装置2の出射光を利用して画像を表示する。表示パネル1は、例えば液晶パネルである。
【0015】
バックライト装置2は、表示装置100において表示パネル1の後方に配置される。バックライト装置2は、シャシ21と、回路基板22と、複数の発光部23と、少なくとも一枚の光学シート24とを有する(図2を特に参照)。
【0016】
シャシ21は、例えば硬質樹脂製又は金属製である。シャシ21は、表示パネル1の後方に位置する。シャシ21は、底板211と、側板212と、受け板213とを含む(図3図4とを特に参照)。底板211、側板212及び受け板213の外形形状は、正面視で略矩形形状である。側板212は、底板211の外縁部から前方に延びる。受け板213は、側板212の前端から側板212の外側に延びる。受け板213は、左右方向及び上下方向に拡がる。
【0017】
回路基板22は、シャシ21内で底板211に沿って拡がる(図2を特に参照)。複数の発光部23は、左右方向及び上下方向の各々に前面22A上に配列される。複数の発光部23の各々は、例えば発光素子23A及びレンズ23Bを有する(図3を特に参照)。複数の発光部23は、回路基板22の前面22A上に実装される。複数の発光部23の各々は、電源回路(図示せず)から給電を受ける。その結果、複数の発光部23の各々は、発光素子23Aで生成された光を、レンズ23Bを通じて前方に出射する。
【0018】
光学シート24は、高分子材料等により作製される。光学シート24は、所定の光学特性を有する。光学特性は、入射光の拡散、屈折、反射、透過(導光)、又は波長変換等である。光学シート24は、拡散シート、屈折シート、反射シート、透過シート及び色変換シート等の中から選ばれた少なくとも一枚を含む。拡散シート及び屈折シートとしては、プリズムシート及びレンズシートのいずれかを用いることが可能である。色変換シートは、自身への入射光の波長を異なる波長の光に変換して出射する。
【0019】
各光学シート24は、正面視で略矩形形状である。光学シート24は、表示装置100内で表示パネル1とバックライト装置2との間に取り付けられる。光学シート24は、表示装置100内で左右方向及び上下方向に拡がっている。左右方向及び上下方向の各々における長さに関し、光学シート24は、表示パネル1と概ね同じである。
【0020】
詳細には、光学シート24は、受け板213の前面213A上に配置される(図4を特に参照)。光学シート24の周縁は、前面213Aにおける内側部分213B上に位置する。また、光学シート24よりも前方には、表示パネル1が位置する。
【0021】
フレーム4は、正面視で矩形状の外形を有する。フレーム4は、受け板213の外側部分213C上に位置し、表示パネル1及び光学シート24の外側でこれらを取り囲む。外側部分213Cは、前面213Aにおいて内側部分213Bより外側の部分である。詳細には、フレーム4は、表示パネル1及び光学シート24の縁に沿って位置する。また、フレーム4は、内向面4Aから内方に向かって突出する凸部4Bを有する(図4を特に参照)。凸部4Bは、受け板213との間に光学シート24の周縁を挟む。これにより、光学シート24は、シャシ21及びフレーム4により支持される。凸部4Bは、ベゼル3との間に表示パネル1の周縁を挟む。なお、光学シート24及びフレーム4については後で更に詳細に説明される。
【0022】
ベゼル3は、表示パネル1、光学シート24、及びシャシ21の各々における周縁と、フレーム4とを取り囲む。ベゼル3は、表示パネル1及び光学シート24の各々をベゼル3と受け板213との間に挟み込んだ状態でシャシ21に固定される。
【0023】
(第1実施形態)
以下、図5図6とを参照しつつ、第1実施形態に係る光学シート24を、詳説する。図5は、第1実施形態に係る光学シート24の展開状態を示す図である。図6は、第1実施形態に係る光学シート24の折返し状態を示す図である。「展開状態」とは、接続部242が有する第1部分243Bと第2部分243Cとを展開した状態である(図5参照)。「折返し状態」とは、折返し線243Fで第1部分243Bが折り返されて第2部分243Cに重ね合わせられた状態である(図6参照)。
【0024】
図5図6とに示されるように、光学シート24は、シート本体241と、接続部242とを備えている。
【0025】
シート本体241は、例えば略矩形形状である。シート本体241は、所定の光学特性を示すように、プリズム、レンズ、又は蛍光体等を有する。蛍光体は、入射光の波長を別の波長に変換する。
【0026】
接続部242は、折返し状態では、表示装置100の一部に接続可能である。第1実施形態では、表示装置100の一部は、後述の係合部214である。接続部242は、シート本体241の縁241Aの近傍に設けられる。縁241Aは、シート本体241の周縁のうち、使用状態の表示装置100において表示パネル1(図1参照)の上端に沿って延びる辺である。
【0027】
ここで、説明の便宜のため、第1方向Xと、第2方向Yとを定義する。第1方向Xは、縁241Aに沿う方向である。第2方向Yは、第1方向Xに対して垂直であって、シート本体241に沿う方向である。
【0028】
接続部242は、複数の突出部243を有する。図5には、2つの突出部243が示されている。各突出部243は、縁241Aにおいて相異なる位置から、第2方向Yに沿ってシート本体241の外側に向かって突出する。実施形態では、複数の突出部243は、展開状態にあるとき、互いに同一の略矩形形状である。また、複数の突出部243は、第1方向Xにおいて間隔をあけて並んでいる。
【0029】
詳細には、各突出部243は、折返し補助構造243Aと、第1部分243Bと、第2部分243Cと、第1貫通孔243Dと、第2貫通孔243Eとを有する。なお、参照符号「243A」~「243F」は、図5図6とに示される左側の突出部243にのみ付されている。
【0030】
折返し補助構造243Aは、折返し線243F(図5を特に参照)に沿って線状に延びる。折返し線243Fは、各突出部243に定められる。折返し線243Fは、シート本体241の外側に縁241Aから離れた位置で第1方向Xに平行な直線である。折返し線243Fは、第2部分243Cが第1部分243Bに重ね合わされる際に折り返される線である。図5では、折返し線243Fは、細線で模式的に示される。折返し線243Fは、第1実施形態では、突出部243には描かれていない仮想線である。しかし、これに限らず、折返し線243Fは、突出部243に実際に描かれていてもよい。
【0031】
詳細には、折返し補助構造243Aは、例えばミシン目又は凹溝である。ミシン目は、折返し線243Fに沿って並ぶ複数の小孔である。複数の小孔は、比較的狭い間隔で並ぶ。凹溝は、折返し線に沿って延びる凹部である。折返し補助構造243Aにより、第2部分243Cは折り返し容易になる。第1実施形態では、折返し線243Fに沿って折返し補助構造243Aが形成される。しかし、これに限らず、折返し線243Fには折返し補助構造243Aが形成されなくともよい。従って、折返し線243Fは、折返し補助構造243Aが無いものも含む。
【0032】
第1部分243Bは、縁241Aに接する部分である。また、第1部分243Bは、縁241Aと折返し補助構造243Aとの間の部分である。第2部分243Cは、第1部分243Bに接する部分である。また、第2部分243Cは、折返し補助構造243Aと、突出部243の先端243Hとの間の部分である。
【0033】
第1部分243Bには、第1貫通孔243Dが配置される。第2部分243Cには、第2貫通孔243Eが配置される。展開状態では、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eは、第2方向Yに間隔を隔てて並ぶ。詳細には、展開状態では、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eは、互いに同形状であり、折返し線243Fを基準として第2方向Yにおいて互いに対称な位置に形成される。即ち、折返し線243Fは、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの間に規定される対称軸である。
【0034】
各突出部243は、図5の円C1に示されるように、接着層243Gを更に有する。接着層243Gは、接着剤により形成される。接着層243Gは、第1部分243B及び第2部分243Cの少なくとも一方に形成され、第1部分243B及び第2部分243Cを互いに接着可能である。図5では、接着層243Gは、第2部分243Cに形成されている。接着層243Gは、黒に着色されていることが好ましい。
【0035】
図6に示されるように、シャシ21は、シャシ21の前面213Aに係合部214を有する。係合部214は、複数の凸部215を有する。複数の凸部215は、前面213Aの内側部分213Bにおいて複数の第1貫通孔243Dに対応する位置から前方へと突出する。各凸部215は、正面視で各第1貫通孔243Dより若干小さい形状である。
【0036】
表示装置100の製造工程では、展開状態(図5参照)の各接続部242における第2部分243Cが折返し線243Fで折り返されて第1部分243Bに重ね合わせられる。即ち、接続部242が第1貫通孔243Dと第2貫通孔243Eとの境界である折返し線243Fで折り返される。その結果、第2貫通孔243Eの全域と、第1貫通孔243Dの全域とは互いに重なる状態となる(図6参照)。特に、第1実施形態では、各突出部243の第1方向Xにおける幅が比較的狭い。また、各突出部243には、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eが1つずつしかない。従って、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eを重ね合わせ易い。
【0037】
また、製造工程において、第1部分243Bと第2部分243Cとは、接着層243Gの固化により互いに結合する。よって、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの位置ずれが防止される。
【0038】
製造工程では更に、重なり合う第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eは、凸部215に挿通される。その結果、光学シート24は、係合部214に係合する。また、接続部242は、シャシ21に接続される。シャシ21は、本開示の「表示装置の一部」又は「フレーム」の一例である。表示装置100の使用状態では、光学シート24は、表示装置100内でシャシ21に吊り下げられた状態になる。従って、光学シート24において第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの周縁部には、凸部215から当接力が加わる。しかしながら、当接力は、第1部分243B及び第2部分243Cに分散される。その結果、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの周縁部に生じるストレスが低減される。従って、第1実施形態によれば、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの周縁部が補強される。
【0039】
また、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eは、同一の接続部242に形成され、互いに異なる別部材に形成されない。従って、接続部242の製造コストが抑制される。また、第2貫通孔243Eと第1貫通孔243Dとを比較的容易に重ね合わせることができる。よって、第1実施形態によれば、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの周縁部が低コストで補強される。
【0040】
また、表示装置100の使用時には、バックライト装置2の出射光が各接続部242に入射される可能性がある。実施形態では、接着層243Gが黒に着色されるため、接続部242への入射光は、接着層243Gにより吸収される。従って、接続部242から不要な光が出射されることが抑制される。
【0041】
(第2実施形態)
以下、図7図8とを参照しつつ、第2実施形態に係る光学シート24を、詳説する。図7は、第2実施形態に係る光学シート24の展開状態を示す図である。図8は、第2実施形態に係る光学シート24の折返し状態を示す図である。
【0042】
図7図8とに示されるように、光学シート24は、各突出部243に拡幅部5を更に有する点と、接着層243Gが各拡幅部5にも形成される点とで、第1実施形態の光学シート24と相違する。
【0043】
拡幅部5は、突出部243の先端243Hに接する部分である。拡幅部5の第1方向Xにおける幅は、突出部243における他の部分よりも大きい。他の部分は、第1部分243B及び第2部分243Cである。詳細には、拡幅部5の第1方向Xにおける両端は、第2部分243Cの第1方向Xにおける両端(即ち、対辺)よりも外側に位置する。また、接着層243Gは、第2部分243Cだけでなく拡幅部5にも形成される。
【0044】
使用状態では、光学シート24は、シャシ21に吊り下げられた状態になる。この状態では、突出部243の基端部において縁241Aと接する部分243K(図7を特に参照)にはストレスが集中する。しかし、第2実施形態によれば、部分243Kには、第2部分243Cと拡幅部5とが密着する(図8を特に参照)。即ち、部分243Kは、第2部分243Cと拡幅部5により覆われ、これらにより補強される。その結果、部分243Kで集中しうるストレスに対する光学シート24の耐性が向上する。
【0045】
(第3実施形態)
以下、図9図10とを参照しつつ、第3実施形態に係る光学シート24を詳説する。図9は、第3実施形態に係る光学シート24の展開状態を示す図である。図10は、第3実施形態に係る光学シート24の折返し状態を示す図である。
【0046】
図9図10とに示されるように、第3実施形態に係る光学シート24は、下記の点で第1実施形態のそれと相違する。即ち、複数の第1部分243Bにおいて、第2方向Yに平行な2つの辺を有する。これら2つの辺のうち、第1方向Xの一方側の辺が折返し線243Fである。従って、複数の折返し線243Fは、縁241Aからシート本体241の外側に向かって第2方向Yに延びる半直線である。第2部分243Cは、第1方向Xに隣り合う2つの第1部分243Bの間に位置する。詳細には、第2部分243Cは、第1方向Xの一方側から折返し線243Fに接する。第2部分243Cは、折返し線243F以外の部分では光学シート24には接していない。特に、各第2部分243Cは、縁241Aとは切れ目243Lより縁241Aに対して隔てられる。
【0047】
第3実施形態に係る光学シート24は、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態に係る光学シート24は、第1実施形態と比較すると、第2方向Yにおける最大長さが小さい。光学シート24は、製造工程において、比較的大判のシート材をカット加工することで作製される。従って第3実施形態のように第2方向Yにおける長さが小さい場合、大判のシート材から多くの光学シート24が作製される。
【0048】
(第4実施形態)
以下、図11を参照しつつ、第4実施形態に係る光学シート24を詳説する。図11は、第4実施形態に係る光学シート24の展開状態を示す図である。図11に示されるように、光学シート24において、複数の突出部243の各々は、折返し補助構造243Aと、第2部分243Cと、第2貫通孔243Eとを有する。第4実施形態では、折返し線243Fは、第2方向Yにおいて縁241Aと同じ位置で第1方向Xと平行に延びる。従って、各第1部分243Bと各第1貫通孔243Dは、縁241Aよりもシート本体241の内側に位置する。
【0049】
なお、第4実施形態では、光学シート24は、複数の突出部243を備えていた。しかし、これに限らず、光学シート24は、第1方向Xに比較的長い単一の突出部243に、複数の第2貫通孔243Eを有していてもよい。
【0050】
また、シート本体241において縁241Aよりも内側に、複数の第2貫通孔243Eが第1方向Xに間隔を隔てて並んでいてもよい。この場合、複数の第1貫通孔243Dは、シート本体241において複数の第2貫通孔243Eよりも内側であって、折返し線243Fに対して複数の第2貫通孔243Eと第2方向Yに対称な位置に形成される。
【0051】
(第5実施形態)
以下、図12を参照しつつ、第5実施形態に係る光学シート24を詳説する。図12は、第5実施形態に係る光学シート24の展開状態及び折返し状態を示す図である。展開状態は、図12において矢印Cよりも左側に示される。折返し状態は、矢印Cよりも右側に示される。第1実施形態から第4実施形態では、第1貫通孔243Dの全域と、第2貫通孔243Eの全域とが互いに重なる状態となっていた。しかし、これに限らず、図12に示されるように、第1貫通孔243Dの一部の領域Aと、第2貫通孔243Eの一部の領域Bとが互いに重なる状態であってもよい。本開示では、第1貫通孔243Dの少なくとも一部の領域と、第2貫通孔243Eの少なくとも一部の領域とは、折返し線243Fで折り返されることにより重なり合った状態で、係合部214に係合可能であってもよい。
【0052】
第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1貫通孔243D及び第2貫通孔243Eの周縁部が低コストで補強される。
【0053】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0054】
また、図面は、本開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0055】
(1)各実施形態では、光学シート24は、折返し補助構造243Aと、接着層243Gを備えていた。しかし、これに限らず、光学シート24は、折返し補助構造243A及び接着層243Gの少なくとも一方を備えていなくともよい。
【0056】
(2)各実施形態では、係合部214は、シャシ21に設けられていた。しかし、これに限らず、係合部214は、フレーム4の凸部4Bに設けられていてもよい。他にも、係合部214をベゼル3に設けることも可能である。従って、凸部4B及びベゼル3の各々は、本開示における「表示装置の一部」又は「フレーム」の例である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本開示に係る光学シートは、プリズムシート、レンズシート、及び色変換シート等に利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
100 表示装置
1 表示パネル
2 バックライト装置
21 シャシ
214 係合部
215 凸部
22 回路基板
24 光学シート
241 シート本体
241A 縁
242 接続部
243 突出部
243A 折返し補助構造
243B 第1部分
243C 第2部分
243D 第1貫通孔
243E 第2貫通孔
243F 折返し線
243G 接着層
243J 拡幅部
243L 切れ目
3 ベゼル
4 フレーム
5 拡幅部
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12