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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180390
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A61H7/00 322D
A61H7/00 322Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093662
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】村井 穂
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤井 紀子
(72)【発明者】
【氏名】神原 朋子
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AF02
4C100AF07
4C100BB05
4C100BC13
4C100CA06
4C100CA07
4C100CA13
4C100EB01
(57)【要約】
【課題】空気袋をベースシートに支持させる際の作業効率を向上させることができるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置は、シート状をなすベースシート20と、ベースシート20に支持される空気袋30と、を備える。空気袋30は、吸気に伴い膨張する一方で排気に伴い収縮する第1袋体31及び第2袋体32を有する。ベースシート20の表面側に位置する第1袋体31及びベースシート20の裏面側に位置する第2袋体32は、ベースシート20を厚さ方向に挟んでいる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状をなすベースシートと、
前記ベースシートに支持される空気袋と、を備え、
前記ベースシートの一方の面を表面とし、前記表面とは反対側の面を裏面としたとき、
前記空気袋は、前記ベースシートの前記表面側に位置し、吸気に伴い膨張する一方で排気に伴い収縮する袋体と、前記ベースシートの前記裏面側に位置し、前記袋体とともに前記ベースシートを厚さ方向に挟む挟持部と、を有する
マッサージ装置。
【請求項2】
前記ベースシートは、前記ベースシートの端から延びる切れ込みを有する
請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記ベースシートは、前記厚さ方向に貫通する支持孔を有し、
前記空気袋は、前記袋体と前記挟持部とを接合する接合部を有し、
前記切れ込みは、前記ベースシートの端から前記支持孔まで延び、
前記厚さ方向における平面視において、前記接合部は、前記支持孔よりも小さく、前記袋体と前記挟持部とは、前記支持孔よりも大きい
請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記切れ込みの幅は、前記支持孔の内径よりも小さい
請求項3に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記袋体を第1袋体としたとき、
前記挟持部は、吸気に伴い膨張する一方で排気に伴い収縮する第2袋体である
請求項1~請求項4の何れか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記ベースシートは、前記厚さ方向に貫通する支持孔を有し、
前記空気袋は、前記袋体と前記挟持部とを接合する接合部を有し、
前記厚さ方向における平面視において、前記接合部は、前記支持孔よりも小さく、前記袋体と前記挟持部とは、前記支持孔よりも大きい
請求項1に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の座席に着脱可能なマッサージ装置が記載されている。マッサージ装置は、給排気に伴い膨張又は収縮する空気袋と、空気袋を支持するシート状部材と、空気袋に対して給排気を行う給排気機と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-121279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなマッサージ装置は、空気袋をシート状部材に支持させる際の作業効率を向上させることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための態様及びその作用効果について記載する。
[態様1]シート状をなすベースシートと、前記ベースシートに支持される空気袋と、を備え、前記ベースシートの一方の面を表面とし、前記表面とは反対側の面を裏面としたとき、前記空気袋は、前記ベースシートの前記表面側に位置し、吸気に伴い膨張する一方で排気に伴い収縮する袋体と、前記ベースシートの前記裏面側に位置し、前記袋体とともに前記ベースシートを厚さ方向に挟む挟持部と、を有する。
【0006】
マッサージ装置において、空気袋の袋体と挟持部とでベースシートを挟むことにより、空気袋はベースシートに支持される。このため、空気袋をベースシートに支持させる際の作業効率が向上する。
【0007】
[態様2]態様1に記載のマッサージ装置において、前記ベースシートは、前記ベースシートの端から延びる切れ込みを有することが好ましい。
ベースシートの切れ込みを介して、空気袋をベースシートに挿入することが可能となる。このため、ベースシートに対する空気袋の配置の自由度が高くなる。
【0008】
[態様3]態様2に記載のマッサージ装置において、前記ベースシートは、前記厚さ方向に貫通する支持孔を有し、前記空気袋は、前記袋体と前記挟持部とを接合する接合部を有し、前記切れ込みは、前記ベースシートの端から前記支持孔まで延び、前記厚さ方向における平面視において、前記接合部は、前記支持孔よりも小さく、前記袋体と前記挟持部とは、前記支持孔よりも大きいことが好ましい。
【0009】
ベースシートの切れ込みを介して、空気袋をベースシートに挿入することにより、空気袋の接合部を支持孔の内側に配置することが可能となる。ここで、厚さ方向における平面視において、空気袋の袋体と挟持部とは、ベースシートの支持孔よりも大きくなっている。このため、マッサージ装置は、空気袋に厚さ方向の荷重が作用しても、空気袋がベースシートから脱落することを抑制できる。
【0010】
[態様4]態様3に記載のマッサージ装置において、前記切れ込みの幅は、前記支持孔の内径よりも小さいことが好ましい。
マッサージ装置は、ベースシートの支持孔から切れ込みを介して空気袋が脱落することを抑制できる。
【0011】
[態様5]態様1~態様4の何れか1つに記載のマッサージ装置において、前記袋体を第1袋体としたとき、前記挟持部は、吸気に伴い膨張する一方で排気に伴い収縮する第2袋体であることが好ましい。
【0012】
マッサージ装置において、空気袋の2つの袋体がベースシートを挟むことによって、空気袋がベースシートに支持される。このため、マッサージ装置は、空気袋にベースシートを挟むためだけの構成を設ける必要がない。
【0013】
[態様6]態様1に記載のマッサージ装置において、前記ベースシートは、厚さ方向に貫通する支持孔を有し、前記空気袋は、前記袋体と前記挟持部とを接合する接合部を有し、前記厚さ方向における平面視において、前記接合部は、前記支持孔よりも小さく、前記袋体と前記挟持部とは、前記支持孔よりも大きいことが好ましい。
【0014】
マッサージ装置は、空気袋の接合部をベースシートの支持孔に通すことにより、ベースシートに空気袋を支持させることができる。ここで、厚さ方向における平面視において、空気袋の袋体と挟持部とは、ベースシートの支持孔よりも大きくなっている。このため、マッサージ装置は、空気袋に厚さ方向の荷重が作用しても、空気袋がベースシートから脱落することを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
マッサージ装置は、空気袋をベースシートに支持させる際の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、椅子に装着されたマッサージ装置の斜視図である。
図2図2は、空気袋と接続チューブとを支持するベースシートの平面図である。
図3図3は、ベースシートの平面図である。
図4図4は、図2の4-4線矢視断面図である。
図5図5は、第1の変更例に係るマッサージ装置の部分平面図である。
図6図6は、図5の6-6線矢視断面図である。
図7図7は、第2の変更例に係るマッサージ装置の部分平面図である。
図8図8は、図7の8-8線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、マッサージ装置の一実施形態について説明する。マッサージ装置は、車両用シートなどの椅子に着脱可能となっている。以降の説明では、マッサージ装置が椅子に装着されたときの方向を用いてマッサージ装置を説明する。また、図中では、図示の簡略化のために、金属材料でない部材の断面に対して、金属材料の断面であることを示すハッチングを使用している。
【0018】
<本実施形態の構成>
図1及び図2に示すように、マッサージ装置10は、ベースシート20と、複数の空気袋30と、複数の接続チューブ40と、カバー50と、駆動部60と、リモコン70と、を備える。
【0019】
<ベースシート20>
図2及び図3に示すように、ベースシート20は、幅方向を短手方向とし、高さ方向を長手方向とする矩形状をなしている。ベースシート20は、織布又は不織布などの布であって、シート状をなしている。ベースシート20を構成する繊維は、植物繊維であってもよいし、動物繊維であってもよいし、化学繊維であってもよい。ベースシート20の厚さは、ベースシート20の弾性率にもよるが、一例として、1mm~1cm程度であることが好ましい。こうした点で、ベースシート20は、折り畳んだり丸めたりすることが可能となっている。図1に示すように、ベースシート20は、マッサージ装置10が椅子100に装着される際に、椅子100の背もたれ101に沿う部分となる。言い換えれば、ベースシート20は、ユーザがマッサージ装置10を使用する際、ユーザの背中に沿う部分となる。
【0020】
図3に示すように、ベースシート20は、複数の支持孔21(211,212)と、複数の切れ込み22(221,222)と、を有する。また、ベースシート20は、幅方向に延びる上端部231及び下端部232と、高さ方向に延びる第1側端部233及び第2側端部234と、を有する。
【0021】
複数の支持孔21は、ベースシート20を厚さ方向に貫通している。厚さ方向における平面視において、支持孔21は丸孔となっている。支持孔21は角孔など他の形状であってもよい。複数の支持孔21は、幅方向及び高さ方向に並んでいる。本実施形態では、幅方向に2つの支持孔21が並ぶとともに、高さ方向に5つの支持孔21が並んでいる。
【0022】
複数の切れ込み221は、第1側端部233から複数の支持孔211に向かってそれぞれ延び、複数の切れ込み222は、第2側端部234から複数の支持孔212に向かってそれぞれ延びている。複数の切れ込み22の延びる方向は、幅方向に対して傾いている。詳しくは、複数の切れ込み221は、複数の支持孔211から第1側端部233に向かうにつれて上方に進むように延びている。また、複数の切れ込み222は、複数の支持孔212から第2側端部234に向かうにつれて上方に進むように延びている。切れ込み22の幅は、支持孔21の内径よりも小さくなっている。
【0023】
複数の支持孔21及び複数の切れ込み22は、裁断機を用いて裁断することで形成してもよいし、パンチング加工により形成してもよい。
<空気袋30>
図4に示すように、空気袋30は、第1袋体31及び第2袋体32と、接合部33と、を有する。図4では、理解の容易のために、第1袋体31及び第2袋体32が僅かに膨張した状態を図示している。
【0024】
第1袋体31は、2枚のフィルム311,312が溶着されることにより構成されている。同様に、第2袋体32は、2枚のフィルム321,322が溶着されることにより構成されている。フィルム311,312,321,322の材質は、適度な弾性を有する樹脂材料であることが好ましい。厚さ方向における平面視において、フィルム311,312,321,322の形状は五角形状をなしている。厚さ方向における平面視において、フィルム311,312,321,322の形状は、他の多角形状をなしていてもよいし、円形状をなしていてもよい。また、第1袋体31及び第2袋体32の大きさは等しくなっている。第1袋体31は、第2袋体32よりも大きく構成してもよいし、第1袋体31は、第2袋体32よりも小さく構成してもよい。第1袋体31及び第2袋体32は、吸気に伴い膨張する。一方、第1袋体31及び第2袋体32は、排気に伴い収縮する。
【0025】
接合部33は、第1袋体31を構成するフィルム312及び第2袋体32を構成するフィルム322を接合する部位である。詳しくは、接合部33は、フィルム312及びフィルム322を溶着することにより形成される部位である。接合部33は、円板状をなしている。接合部33は、第1袋体31及び第2袋体32を連通する連通孔331を有する。このため、第1袋体31及び第2袋体32は、同様に膨張したり収縮したりする。
【0026】
図2及び図3に示すように、複数の空気袋30は、ベースシート20に支持されている。詳しくは、複数の空気袋30は、ベースシート20の複数の支持孔21にそれぞれ挿入されている。このため、複数の空気袋30は、ベースシート20の幅方向及び高さ方向に並んでいる。図4に示すように、空気袋30がベースシート20に支持される状況下では、空気袋30の第1袋体31がベースシート20の表面側に位置し、空気袋30の第2袋体32がベースシート20の裏面側に位置している。つまり、第1袋体31及び第2袋体32は、ベースシート20を厚さ方向に挟んでいる。ここで、ベースシート20の表面とは、ベースシート20の厚さ方向と交差する一方の面であり、ベースシート20の裏面とは、表面の反対側の面であって、ベースシート20の厚さ方向と交差する他方の面である。こうした点で、第1袋体31は「袋体」に相当し、第2袋体32は「挟持部」に相当する。
【0027】
空気袋30がベースシート20に支持される状況下では、空気袋30の接合部33は、ベースシート20の支持孔21の内側に位置している。つまり、厚さ方向における平面視において、空気袋30の接合部33は、ベースシート20の支持孔21よりも小さくなっているといえる。一方、厚さ方向における平面視において、第1袋体31及び第2袋体32の大きさは、ベースシート20の支持孔21の大きさよりも大きくなっている。つまり、第1袋体31及び第2袋体32は、支持孔21を厚さ方向に通過できない大きさである。
【0028】
<接続チューブ40>
図2に示すように、複数の接続チューブ40は、空気袋30と同じ数だけ設けられている。接続チューブ40は、ゴム又は樹脂などのエラストマーによって構成されている。接続チューブ40は、適度な弾性を有することが好ましい。複数の接続チューブ40の第1端は、複数の空気袋30にそれぞれ接続されている。一方、複数の接続チューブ40の第2端は、駆動部60に接続されている。また、複数の接続チューブ40は、ベースシート20の第1側端部233及び第2側端部234に沿って、ベースシート20に支持されている。複数の接続チューブ40は、クリップなどによりベースシート20に支持されていてもよいし、ベースシート20に設けた孔に挿入されることによりベースシート20に支持されていてもよい。
【0029】
<カバー50>
図1に示すように、カバー50は、第1収容部51と、第2収容部52と、第3収容部53と、第1ベルト54及び第2ベルト55と、を有する。
【0030】
第1収容部51、第2収容部52及び第3収容部53は、袋状をなしている。マッサージ装置10が椅子100に装着される状況下において、第1収容部51は、椅子100の背もたれ101に沿って配置される部位であり、第2収容部52は、椅子100の座部102の座面に沿って配置される部位である。また、同状況下において、第3収容部53は、椅子100の座部102の座面の前端から下方に向かって延びる部位である。
【0031】
第1収容部51は、複数の空気袋30と複数の接続チューブ40とを支持するベースシート20を収容する。第2収容部52は、第1収容部51から延びる複数の接続チューブ40を収容する。また、第2収容部52には、複数の空気袋30と複数の接続チューブ40とを支持するベースシート20と同等の構成を収容させてもよい。これによれば、マッサージ装置10は、椅子100に着座するユーザの臀部及び脚部をマッサージすることが可能となる。第3収容部53は、駆動部60を収容する。カバー50は、第1収容部51、第2収容部52及び第3収容部53に対して収容物を容易に出し入れできるようにファスナーを有することが好ましい。
【0032】
第1ベルト54は、第1収容部51から上方に延びている。第1ベルト54は、ループ状をなしている。第1ベルト54は、ヘッドレスト103に掛けられることにより、第1収容部51を背もたれ101に沿って配置している。第2ベルト55は、第2収容部52から側方に延びている。第2ベルト55は、第1ベルト54と同様に、ループ状をなしている。第2ベルト55は、第1収容部51及び第2収容部52の境界部分を椅子100の背もたれ101に締め付けることにより、第1収容部51及び第2収容部52を椅子100からずれないようにしている。第1ベルト54及び第2ベルト55は、周長が調整可能であることが好ましい。また、第1ベルト54及び第2ベルト55は、伸縮可能なゴムベルトであってもよい。
【0033】
<その他の構成>
駆動部60は、複数の空気袋30に空気を供給したり、複数の空気袋30から空気を排出したりする。駆動部60は、例えば、空気を送出するポンプと、複数の空気袋30のうちの特定の空気袋30の接続先をポンプ又は大気に切り換えるバルブユニットと、ポンプ及びバルブユニットを制御する制御装置と、を含んで構成される。駆動部60は、例えば、モバイルバッテリ又は車両のバッテリなどの電力供給源に接続されている。リモコン70は、ユーザによって操作されることにより、操作内容に応じた信号を駆動部60に送信する。例えば、リモコン70は、マッサージ装置10の電源ボタン及びマッサージ強度を選択するボタンを有することが好ましい。
【0034】
<本実施形態の作用>
以下、本実施形態の作用として、マッサージ装置10の組立方法について説明する。マッサージ装置10の組立を開始する場合には、マッサージ装置10の構成部品が全て揃っているものとする。
【0035】
マッサージ装置10の組立方法は、支持工程と、接続工程と、収容工程と、を備える。
支持工程は、ベースシート20に複数の空気袋30を支持させる工程である。支持工程において、空気袋30は、切れ込み22を介してベースシート20に挿入される。このとき、空気袋30の接合部33は、ベースシート20の支持孔21に到達するまで、切れ込み22に沿って移動する。なお、空気袋30の接合部33が切れ込み22に沿って移動する場合には、ベースシート20が厚さ方向に変位されることにより、切れ込み22の幅が図3に示す幅よりも一時的に大きくされる。
【0036】
空気袋30の接合部33がベースシート20の支持孔21に到達すると、図4に示すように空気袋30の第1袋体31がベースシート20の表面側に配置されるとともに空気袋30の第2袋体32がベースシート20の裏面側に配置される。つまり、第1袋体31及び第2袋体32によって、ベースシート20が厚さ方向に挟まれる。こうして、空気袋30は、ベースシート20に支持される。残る空気袋30についても同様にベースシート20に支持される。
【0037】
接続工程は、複数の空気袋30に複数の接続チューブ40をそれぞれ接続する工程である。また、接続工程において、複数の接続チューブ40は、ベースシート20に支持される。
【0038】
収容工程は、複数の空気袋30と複数の接続チューブ40とを支持したベースシート20をカバー50の第1収容部51に収容する工程である。また、収容工程は、駆動部60をカバー50の第3収容部53に収容する工程である。ベースシート20と駆動部60とがカバー50に収容された後、カバー50内において、ベースシート20から延びる複数の接続チューブ40の基端が駆動部60に接続される。
【0039】
こうして、マッサージ装置10の組立が完了する。なお、ベースシート20がカバー50に収容された後は、複数の空気袋30がカバー50の裏面に接する。このため、複数の空気袋30は、ベースシート20の支持孔21に支持される状態が維持されやすくなる。
【0040】
<本実施形態の効果>
(1)マッサージ装置10において、空気袋30の第1袋体31及び第2袋体32でベースシート20を挟むことにより、空気袋30はベースシート20に支持される。つまり、空気袋30をベースシート20に縫い付けたり、空気袋30をベースシート20に接着したりしなくてもよい点で、マッサージ装置10は、ベースシート20に空気袋30を容易に支持させることが可能となる。その結果、マッサージ装置10は、空気袋30をベースシート20に支持させる際の作業効率を向上させることができる。
【0041】
(2)ベースシート20は、ベースシート20の端から延びる切れ込み22を有する。このため、ベースシート20の切れ込み22を介して、空気袋30をベースシート20に挿入することが可能となる。したがって、マッサージ装置10は、ベースシート20における任意の位置に空気袋30を配置しやすくなる。例えば、マッサージ装置10は、ベースシート20の側端部233,234寄りの位置に限らず、ベースシート20の幅方向における中央部寄りの位置に空気袋30を配置しやすくなる。
【0042】
(3)ベースシート20の切れ込み22を介して、空気袋30をベースシート20に挿入することにより、空気袋30の接合部33を支持孔21内に配置することが可能となる。ここで、厚さ方向における平面視において、空気袋30の第1袋体31及び第2袋体32は、ベースシート20の支持孔21よりも大きくなっている。このため、マッサージ装置10は、空気袋30に厚さ方向の荷重が作用しても、空気袋30がベースシート20から脱落することを抑制できる。
【0043】
(4)ベースシート20において、切れ込み22の幅は、支持孔21の内径よりも小さくなっている。このため、マッサージ装置10は、ベースシート20の支持孔21から切れ込み22を介して空気袋30が脱落することを抑制できる。
【0044】
(5)マッサージ装置10が椅子100に装着される状況下において、切れ込み22は、支持孔21からベースシート20の側端部233,234に向かうに連れて上方に向かっている。このため、同状況下において、空気袋30は、自重が作用しても、ベースシート20の支持孔21から脱落する方向に動きにくくなる。
【0045】
(6)空気袋30は、第1袋体31及び第2袋体32の2つの袋体31,32を有する。このため、マッサージ装置10は、ベースシート20の厚さ方向に2つの袋体31,32を並べることができる。したがって、マッサージ装置10は、空気袋30の大型化を抑制しつつ、2つの袋体31,32が膨張するときの空気袋30の厚さ方向における変位量を多くすることができる。つまり、マッサージ装置10は、ユーザに対するマッサージ効果を高めることができる。
【0046】
(7)マッサージ装置10において、空気袋30の2つの袋体31,32がベースシート20を挟むことによって、空気袋30がベースシート20に支持されている。このため、マッサージ装置10は、空気袋30にベースシート20を厚さ方向に挟むためだけの構成を設ける必要がない。
【0047】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
図5及び図6に示すように、第1の変更例に係るマッサージ装置10Aは、ベースシート20Aと、空気袋30Aと、接続チューブ40と、を備える。ベースシート20Aは、幅方向に延びる切れ込み22Aを有する。切れ込み22Aは、ベースシート20Aの第1側端部233及び第2側端部234から幅方向における中心に向かって延びている。なお、ベースシート20Aは、上記実施形態と異なり、支持孔21を有しない。空気袋30Aは、2つの袋体31Aと、2つの袋体31Aを接続する連結体34と、を有する。2つの袋体31Aは、上記実施形態における第1袋体31と同等の構成である。連結体34は、棒状をなしている。連結体34は、2つの袋体31Aの中心部同士を連結している。以降の説明では、連結体34において、一方の袋体31Aに接続する部分を第1端部といい、他方の袋体31Aに接続する部分を第2端部という。
【0048】
ベースシート20Aに空気袋30Aを支持させる場合には、ベースシート20Aの一方の切れ込み22Aに空気袋30Aの連結体34の第1端部を通し、ベースシート20Aの他方の切れ込み22Aに空気袋30Aの連結体34の第2端部を通す。すると、図6に示すように、幅方向において、ベースシート20Aにおける2つの切れ込み22Aの間の部分が連結体34の第1端部及び第2端部の間に位置する。また、2つの袋体31Aはベースシート20Aの表面側に位置し、連結体34はベースシート20Aの裏面側に位置する。つまり、2つの袋体31Aと連結体34とは、ベースシート20Aを厚さ方向に挟む。こうして、空気袋30Aがベースシート20Aに支持される。
【0049】
第1の変更例によれば、上記実施形態の効果(1),(2)と同等の効果を得ることができる。また、第1の変更例において、連結体34が「挟持部」に相当する。
図7及び図8に示すように、第2の変更例に係るマッサージ装置10Bは、ベースシート20Bと、複数の空気袋30Bと、を備える。ベースシート20Bは、厚さ方向に貫通する複数の支持孔21Bを有する。厚さ方向における平面視において、支持孔21Bは、長円形状をなしている。なお、ベースシート20Bは、支持孔21Bに接続する切れ込み22を有しない。空気袋30Bは、第1袋体31と同等の構成である袋体31Bと、円板状をなす係止片35と、袋体31Bと係止片35とを接合する接合部33Bと、を有する。係止片35は、厚さ方向における平面視において、支持孔21Bに収まらない大きさ及び形状をなしていることが好ましい。接合部33Bは、係止片35と異なり、厚さ方向における平面視において、支持孔21Bに収まる大きさ及び形状をなしていることが好ましい。
【0050】
ベースシート20Bに空気袋30Bを支持させる場合には、ベースシート20Bの支持孔21Bに空気袋30Bの係止片35が通される。すると、袋体31Bは、ベースシート20Bの表面側に位置し、係止片35はベースシート20Bの裏面側に位置する。つまり、袋体31Bと係止片35とは、ベースシート20Bを厚さ方向に挟持する。こうして、空気袋30Bがベースシート20Bに支持される。
【0051】
第2の変更例によれば、上記実施形態の効果(1),(2)と同等の効果を得ることができる。また、厚さ方向における平面視において、空気袋30Bの袋体31Bと係止片35とは、ベースシート20Bの支持孔21Bよりも大きくなっている。このため、マッサージ装置10Bは、空気袋30Bに厚さ方向の荷重が作用しても、空気袋30Bがベースシート20Bから脱落することを抑制できる。また、第2の変更例において、係止片35が「挟持部」に相当する。
【0052】
・空気袋30は、第1袋体31と、第1袋体31とともにベースシート20を挟持する挟持部と、を備えてもよい。挟持部は、第1袋体31とともにクリップ形状を構成することが好ましい。この場合、空気袋30は、第1袋体31と挟持部とでベースシート20の端部を挟持できる。つまり、ベースシート20に支持孔21及び切れ込み22を設けなくても、空気袋30をベースシート20に支持させることが可能となる。
【0053】
・マッサージ装置10の形状は、マッサージ装置10の装着対象となる椅子100の形状に応じて適宜に変更されることが好ましい。例えば、ベースシート20の形状及びカバー50の形状が変更されることが好ましく、空気袋30の数及び空気袋30の配置などが変更されることが好ましい。
【0054】
・複数の空気袋30と複数の接続チューブ40とを支持するベースシート20を、車両用シートのシートバック及びシートクッションに内蔵させてもよい。この場合、マッサージ装置10は、車両用シートに対して着脱不能となってもよい。
【0055】
・ベースシート20において、切れ込み22の延びる方向は適宜に変更可能である。例えば、切れ込み22は、ベースシート20の端部と支持孔21との間で屈曲していてもよいし湾曲していてもよい。これによれば、空気袋30が支持孔21から脱落しにくくなる。
【0056】
・マッサージ装置10は、ユーザの背中以外の部位をマッサージするマッサージ装置としてもよい。例えば、マッサージ装置10は、椅子100の座部102上に配置されるとともに、ユーザの臀部及び脚部をマッサージするものであってもよい。また、マッサージ装置10は、ベッド上に配置されるとともに、ユーザの全身をマッサージするものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
10,10A,10B…マッサージ装置
20,20A,20B…ベースシート
21(211,212),21B…支持孔
22(221,222),22A…切れ込み
30,30A,30B…空気袋
31…第1袋体
31A,31B…袋体
311,312,321,322…フィルム
32…第2袋体(挟持部の一例)
33,33B…接合部
331…連通孔
34…連結体
35…係止片(挟持部の一例)
40…接続チューブ
50…カバー
51…第1収容部
52…第2収容部
53…第3収容部
54…第1ベルト
55…第2ベルト
60…駆動部
70…リモコン
100…椅子
101…背もたれ
102…座部
103…ヘッドレスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8