(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180396
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電池温調システム
(51)【国際特許分類】
F25B 39/02 20060101AFI20231214BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
F25B39/02 W
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6568
H01M10/625
H01M10/647
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093674
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】森 大騎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 由博
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖裕
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制すること。
【解決手段】複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積が、流入口28から遠いほど小さい。このため、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏っても、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、
冷媒を減圧する膨張弁と、
電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記電池熱交換器は、
冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、
前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、
前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、
前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の総流路断面積は、前記流入口から遠いほど小さいことを特徴とする電池温調システム。
【請求項2】
前記冷媒流路は、前記上流ヘッダの内部に開口する入口を有し、
前記入口の開口面積は、前記流入口から遠いほど小さいことを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【請求項3】
前記チューブは、
前記電池に接触する外面と、
前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記外面の裏側の面である第1内面と、
前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記第1内面と対向する面である第2内面と、を有し、
前記第1内面と前記第2内面との距離は、前記流入口から遠いほど短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池温調システム。
【請求項4】
前記第2内面は、前記流入口から遠いほど前記第1内面に接近していることを特徴とする請求項3に記載の電池温調システム。
【請求項5】
前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の数は、前記流入口から遠いほど少ないことを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【請求項6】
前記チューブは、
第1チューブと、
前記第1チューブよりも前記流入口から離れた位置に配置される第2チューブと、を含み、
前記複数の冷媒流路は、
前記第1チューブに並設される複数の第1冷媒流路と、
前記第2チューブに並設される複数の第2冷媒流路と、を含み、
前記複数の第1冷媒流路の並設方向と前記複数の第2冷媒流路の並設方向とは一致しており、
前記各第2冷媒流路の流路断面積は、前記各第1冷媒流路の流路断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【請求項7】
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池温調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷凍サイクルを用いて電池を温調する電池温調システムが知られている。冷凍サイクルは、圧縮機と、外部流体熱交換器と、膨張弁と、電池熱交換器と、を有している。圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。外部流体熱交換器は、外部流体と冷媒との熱交換を行う。膨張弁は、冷媒を減圧する。電池熱交換器は、電池と冷媒との熱交換を行う。
【0003】
例えば特許文献1のように、電池熱交換器は、上流ヘッダと、チューブと、複数の冷媒流路と、を有している。上流ヘッダは、流入口を有している。流入口は、上流ヘッダの内部に冷媒を流入させる。チューブは、上流ヘッダに接続されている。複数の冷媒流路は、チューブを貫通して並設されている。複数の冷媒流路は、上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する。そして、チューブは、電池との熱交換を行う。このようにして、電池熱交換器にて冷媒と電池との熱交換が行われることにより、電池が予め定められた設定温度に調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電池熱交換器において、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、上流ヘッダから各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している場合を考える。この場合、例えば、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒の流れに勢いがあると、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒は、流入口に近い冷媒流路に向けて流れ難い。そして、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒は、上流ヘッダの内部を流入口から離れるように勢い良く流れて、上流ヘッダの内部における流入口から遠い部分に向かって拡散される。したがって、上流ヘッダの内部では、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまい、流入口に近い部分と遠い部分とで冷媒の量が不均一になってしまう虞がある。すると、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が多くなる一方で、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が少なくなる。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が不均一になってしまうため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じてしまう。チューブ全体で温度分布にばらつきが生じると、結果的に、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池温調システムは、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、冷媒を減圧する膨張弁と、電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、前記電池熱交換器は、冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の総流路断面積は、前記流入口から遠いほど小さい。
【0007】
これによれば、複数の冷媒流路の並設方向におけるチューブの単位長さ当たりの冷媒流路の総流路断面積が、流入口から遠いほど小さい。このため、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏っても、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0008】
上記電池温調システムにおいて、前記冷媒流路は、前記上流ヘッダの内部に開口する入口を有し、前記入口の開口面積は、前記流入口から遠いほど小さいとよい。
これによれば、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路の入口へ流れ込む冷媒の量が、流入口に近い位置に存在する冷媒流路の入口へ流れ込む冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0009】
上記電池温調システムにおいて、前記チューブは、前記電池に接触する外面と、前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記外面の裏側の面である第1内面と、前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記第1内面と対向する面である第2内面と、を有し、前記第1内面と前記第2内面との距離は、前記流入口から遠いほど短いとよい。このような構成は、複数の冷媒流路の並設方向におけるチューブの単位長さ当たりの冷媒流路の総流路断面積を流入口から遠いほど小さくする構成として好適である。
【0010】
上記電池温調システムにおいて、前記第2内面は、前記流入口から遠いほど前記第1内面に接近しているとよい。
これによれば、電池に接触する外面と第1内面との距離を極力短くしつつも、第1内面と第2内面との距離を、流入口から遠いほど短くすることができる。したがって、冷媒と電池との熱交換性能を維持しつつも、複数の冷媒流路の並設方向におけるチューブの単位長さ当たりの冷媒流路の総流路断面積を、流入口から遠いほど小さくすることができる。
【0011】
上記電池温調システムにおいて、前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の数は、前記流入口から遠いほど少ないとよい。このような構成は、複数の冷媒流路の並設方向におけるチューブの単位長さ当たりの冷媒流路の総流路断面積を流入口から遠いほど小さくする構成として好適である。
【0012】
上記電池温調システムにおいて、前記チューブは、第1チューブと、前記第1チューブよりも前記流入口から離れた位置に配置される第2チューブと、を含み、前記複数の冷媒流路は、前記第1チューブに並設される複数の第1冷媒流路と、前記第2チューブに並設される複数の第2冷媒流路と、を含み、前記複数の第1冷媒流路の並設方向と前記複数の第2冷媒流路の並設方向とは一致しており、前記各第2冷媒流路の流路断面積は、前記各第1冷媒流路の流路断面積よりも小さいとよい。
【0013】
これによれば、複数の冷媒流路の並設方向におけるチューブの単位長さ当たりの冷媒流路の総流路断面積を流入口から遠いほど小さくする構成を、第1チューブ及び第2チューブを採用するだけで実現させることができる。
【0014】
上記電池温調システムにおいて、前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であるとよい。
このような構成において、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏っても、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態における電池温調システムの全体構成を模式的に示す図である。
【
図6】別の実施形態におけるチューブの正面図である。
【
図7】別の実施形態における電池熱交換器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、電池温調システムを具体化した一実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。本実施形態の電池温調システムは、例えば、車両に搭載されている。本実施形態の電池温調システムは、電池を冷却するために用いられる。
【0018】
<電池温調システム10の基本構成>
図1に示すように、電池温調システム10は、冷凍サイクル11を備えている。電池温調システム10は、冷凍サイクル11を用いて、複数の電池20を冷却する。電池20は、電池セルである角型電池20aを複数有している。電池20は、各角型電池20aの厚み方向がそれぞれ一致した状態で各角型電池20aが互いに並設されることにより構成されている。各角型電池20aは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。複数の電池20は、複数の角型電池20aの並設方向に対して直交する方向に並んで配置されている。そして、複数の電池20が、例えば、図示しないハウジング内に収容されることにより、1つの電池パックとしてパッケージ化されている。
【0019】
冷凍サイクル11は、圧縮機12、外部流体熱交換器13、複数の膨張弁14、及び複数の電池熱交換器15を有している。圧縮機12は、低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒を吐出する。外部流体熱交換器13は、外部流体である外気と冷媒との熱交換を行う。外部流体熱交換器13は、圧縮機12から吐出された冷媒を凝縮する。各膨張弁14は、外部流体熱交換器13で凝縮された冷媒を減圧する。各膨張弁14は、外部流体熱交換器13で凝縮されて液化した高温高圧の冷媒を減圧して低温低圧の気液二相状態の冷媒にする。複数の電池熱交換器15は、複数の電池20それぞれに対応して配置されている。各電池熱交換器15には、気液二相状態の冷媒が流れる。各電池熱交換器15は、各電池20と冷媒との熱交換を行う。なお、冷凍サイクル11は、図示しないアキュムレータを有している。アキュムレータは、圧縮機12へのガス状の冷媒の流出を許容し、且つ圧縮機12への液状の冷媒の流出を阻止する。
【0020】
圧縮機12と外部流体熱交換器13とは、第1配管17によって接続されている。外部流体熱交換器13と各電池熱交換器15とは、第2配管18によって接続されている。各電池熱交換器15と圧縮機12とは、第3配管19によって接続されている。
【0021】
<電池熱交換器15>
図2に示すように、各電池熱交換器15は、第1ヘッダ21と、チューブ40と、第2ヘッダ31と、を有している。第1ヘッダ21は、第1ヘッダ本体22と、第1管23と、を有している。第1ヘッダ本体22は、円筒状である。第1管23は、円筒状である。
図1に示すように、各第1管23は、第2配管18に接続されている。各電池熱交換器15の第1管23には、膨張弁14がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、第2ヘッダ31は、第2ヘッダ本体32と、第2管33と、を有している。第2ヘッダ本体32は、円筒状である。第2管33は、円筒状である。
図1に示すように、各電池熱交換器15の第2管33は、第3配管19に接続されている。
【0022】
図2に示すように、第1ヘッダ本体22は、周壁24と、第1端壁25と、第2端壁26と、を有している。周壁24は、円筒状である。第1端壁25は、周壁24の軸方向の一方の開口を閉塞している。第2端壁26は、周壁24の軸方向の他方の開口を閉塞している。周壁24の軸方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向でもある。
【0023】
第1ヘッダ本体22は、接続口27を有している。接続口27は、周壁24に形成されている。接続口27は、周壁24を貫通している。接続口27は、周壁24における軸方向の中央部に形成されている。
【0024】
接続口27には、第1管23が接続されている。第1管23は、第1管23の内側が第1ヘッダ本体22の内部に連通した状態で、接続口27に接続されている。第1管23は、第1管23の軸方向が第1ヘッダ本体22の軸方向に対して直交した状態で、接続口27に接続されている。第1管23は、第1ヘッダ本体22に対して、鉛直方向の上方へ延びるように接続口27に接続されている。第1管23の内側は、第1ヘッダ21の内部に冷媒を流入させる流入口28である。したがって、第1ヘッダ21は、冷媒を内部に流入させる流入口28を有する上流ヘッダである。
【0025】
図3及び
図4に示すように、第1ヘッダ本体22は、挿入口29を有している。挿入口29は、周壁24に形成されている。挿入口29は、周壁24を貫通している。挿入口29は、接続口27に対して、周壁24の周方向で90度離れた位置に配置されている。挿入口29は、細長四角孔状である。挿入口29の長手方向は、周壁24の軸方向に延びている。挿入口29における長手方向の中央部は、周壁24における軸方向の中央部に一致している。
【0026】
図2に示すように、第2ヘッダ本体32は、周壁34と、第1端壁35と、第2端壁36と、を有している。周壁34は、円筒状である。第1端壁35は、周壁34の軸方向の一方の開口を閉塞している。第2端壁36は、周壁34の軸方向の他方の開口を閉塞している。周壁34の軸方向は、第2ヘッダ本体32の軸方向でもある。
【0027】
第2ヘッダ本体32は、接続口37を有している。接続口37は、周壁34に形成されている。接続口37は、周壁34を貫通している。接続口37は、周壁34における軸方向の中央部に形成されている。
【0028】
接続口37には、第2管33が接続されている。第2管33は、第2管33の内側が第2ヘッダ本体32の内部に連通した状態で、接続口37に接続されている。第2管33は、第2管33の軸方向が第2ヘッダ本体32の軸方向に対して直交した状態で、接続口37に接続されている。第2管33は、第2ヘッダ本体32に対して、鉛直方向の上方へ延びるように接続口37に接続されている。第2管33の内側は、第2ヘッダ31の内部の冷媒を排出する排出口38である。したがって、第2ヘッダ31は、内部の冷媒を排出する排出口38を有している。
【0029】
第2ヘッダ本体32は、挿入口39を有している。挿入口39は、周壁34に形成されている。挿入口39は、周壁34を貫通している。挿入口39は、接続口37に対して、周壁34の周方向で90度離れた位置に配置されている。挿入口39は、細長四角孔状である。挿入口39の長手方向は、周壁34の軸方向に延びている。挿入口39における長手方向の中央部は、周壁34における軸方向の中央部に一致している。
【0030】
図2、
図3及び
図4に示すように、チューブ40は、例えば、長四角筒状である。チューブ40は、扁平状である。
図2に示すように、チューブ40は、第1ヘッダ21と第2ヘッダ31とを接続している。チューブ40は、チューブ40の長手方向が第1ヘッダ21から第2ヘッダ31に向かう方向と一致した状態で、第1ヘッダ21及び第2ヘッダ31に対して配置されている。チューブ40の短手方向は、チューブ40の幅方向である。チューブ40は、チューブ40の幅方向が第1ヘッダ本体22の軸方向及び第2ヘッダ本体32の軸方向に一致した状態で、第1ヘッダ21及び第2ヘッダ31に対して配置されている。
【0031】
図3に示すように、チューブ40の長手方向の一端部である第1端部は、挿入口29を介して第1ヘッダ本体22の内部に突出した状態で、第1ヘッダ本体22に接続されている。チューブ40の長手方向の他端部である第2端部は、挿入口39を介して第2ヘッダ本体32の内部に突出した状態で、第2ヘッダ本体32に接続されている。チューブ40は、第1ヘッダ本体22及び第2ヘッダ本体32に対して、水平方向へ延びるように第1ヘッダ本体22及び第2ヘッダ本体32に接続されている。
【0032】
図4に示すように、電池熱交換器15は、複数の冷媒流路41を有している。複数の冷媒流路41は、チューブ40を貫通して並設されている。複数の冷媒流路41の並設方向X1は、チューブ40の幅方向に一致している。複数の冷媒流路41の並設方向X1は、第1ヘッダ本体22の軸方向及び第2ヘッダ本体32の軸方向に一致している。
【0033】
図3に示すように、複数の冷媒流路41は、入口42を有している。各入口42は、第1ヘッダ本体22の内部に開口している。したがって、複数の冷媒流路41は、第1ヘッダ21の内部に開口する入口42を有している。また、複数の冷媒流路41は、出口43を有している。各出口43は、第2ヘッダ本体32の内部に開口している。したがって、複数の冷媒流路41は、第2ヘッダ31の内部に開口する出口43を有している。そして、第1ヘッダ本体22の内部と第2ヘッダ本体32の内部とは、複数の冷媒流路41を介して連通している。したがって、複数の冷媒流路41は、第1ヘッダ21の内部にその並設方向X1に沿って開口する。
【0034】
図3及び
図4では、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向を矢印R1で示している。また、
図3では、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向を矢印R2で示している。
図3及び
図4に示すように、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、は直交している。したがって、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している。
【0035】
図4に示すように、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して直交する方向である。したがって、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向である。
【0036】
図5に示すように、チューブ40は、電池20に接触する外面44を有している。外面44は、平坦面状である。外面44は、電池20と熱的に結合されている。チューブ40の外面44は、電池20を鉛直方向の下方から支持している。したがって、電池20は、チューブ40の外面44に載置されている。チューブ40は、複数の冷媒流路41を流れる冷媒と電池20との熱交換を行う。
【0037】
チューブ40は、第1内面45と、第2内面46と、を有している。第1内面45は、各冷媒流路41を形成するチューブ40の内面であって、且つ、外面44の裏側の面である。第2内面46は、各冷媒流路41を形成するチューブ40の内面であって、且つ、第1内面45と対向する面である。第2内面46は、第1内面45よりも鉛直方向の下側に位置している。
【0038】
複数の冷媒流路41は、第1冷媒流路群51、一対の第2冷媒流路群52、一対の第3冷媒流路群53、及び一対の第4冷媒流路群54を有している。第1冷媒流路群51は、チューブ40の幅方向の中央部に配置されている。一対の第2冷媒流路群52は、チューブ40の幅方向で第1冷媒流路群51を挟む位置にそれぞれ配置されている。一対の第3冷媒流路群53は、チューブ40の幅方向で第1冷媒流路群51及び一対の第2冷媒流路群52を挟む位置にそれぞれ配置されている。一対の第4冷媒流路群54は、チューブ40の幅方向で第1冷媒流路群51、一対の第2冷媒流路群52、及び一対の第3冷媒流路群53を挟む位置にそれぞれ配置されている。
【0039】
第1冷媒流路群51は、一対の第2冷媒流路群52、一対の第3冷媒流路群53、及び一対の第4冷媒流路群54よりも流入口28に近い位置に配置されている。したがって、第1冷媒流路群51の各冷媒流路41は、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41である。一対の第4冷媒流路群54は、第1冷媒流路群51、一対の第2冷媒流路群52、及び一対の第3冷媒流路群53よりも流入口28から遠い位置に配置されている。したがって、一対の第4冷媒流路群54の各冷媒流路41は、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41である。
【0040】
第1冷媒流路群51、一対の第2冷媒流路群52、一対の第3冷媒流路群53、及び一対の第4冷媒流路群54は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりで群分けされている。
【0041】
第1冷媒流路群51、各第2冷媒流路群52、各第3冷媒流路群53、及び各第4冷媒流路群54それぞれの各冷媒流路41の第1内面45は、同一平面上に位置している。第1冷媒流路群51の各冷媒流路41の流路断面積は、入口42から出口43にかけて一定である。各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の流路断面積は、入口42から出口43にかけて一定である。各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の流路断面積は、入口42から出口43にかけて一定である。各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の流路断面積は、入口42から出口43にかけて一定である。
【0042】
各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離は、第1冷媒流路群51の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離よりも短い。各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の第2内面46は、第1冷媒流路群51の各冷媒流路41の第2内面46よりも第1内面45に接近している。各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の入口42の開口面積は、第1冷媒流路群51の各冷媒流路41の入口42の開口面積よりも小さい。したがって、各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の流路断面積は、第1冷媒流路群51の各冷媒流路41の流路断面積よりも小さい。
【0043】
各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離は、第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離よりも短い。各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の第2内面46は、第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の第2内面46よりも第1内面45に接近している。各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の入口42の開口面積は、各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の入口42の開口面積よりも小さい。したがって、各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の流路断面積は、各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の流路断面積よりも小さい。
【0044】
各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離は、第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の第1内面45と第2内面46との距離よりも短い。各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の第2内面46は、第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の第2内面46よりも第1内面45に接近している。各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の入口42の開口面積は、各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の入口42の開口面積よりも小さい。したがって、各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の流路断面積は、各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の流路断面積よりも小さい。
【0045】
以上により、第1内面45と第2内面46との距離は、流入口28から遠いほど短い。第2内面46は、流入口28から遠いほど第1内面45に接近している。入口42の開口面積は、流入口28から遠いほど小さい。そして、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積は、流入口28から遠いほど小さい。
【0046】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に示すように、圧縮機12から第1配管17へ吐出された高温高圧の冷媒は、外部流体熱交換器13に供給される。外部流体熱交換器13に供給された冷媒は、外部流体熱交換器13にて外気との熱交換が行われることにより凝縮されて液化する。外部流体熱交換器13で凝縮されて液化した高温高圧の冷媒は、第2配管18を介して各電池熱交換器15の第1管23にそれぞれ分配される。各第1管23に分配された冷媒は、各膨張弁14を通過する際にそれぞれ減圧される。
【0047】
図4に示すように、減圧された冷媒は、気液二相状態で流入口28から各第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込む。流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒の流れに勢いがあると、流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒は、流入口28に近い冷媒流路41に向けて流れ難い。そして、流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒は、第1ヘッダ本体22の内部を流入口28から離れるように勢い良く流れて、第1ヘッダ本体22の内部における流入口28から遠い部分に向かって拡散される。したがって、第1ヘッダ本体22の内部では、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまい、流入口28に近い部分と遠い部分とで冷媒の量が不均一になってしまう虞がある。
【0048】
このとき、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積が、流入口28から遠いほど小さい。特に、冷媒流路41の入口42の開口面積が、流入口28から遠いほど小さい。このため、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41の入口42へ流れ込む冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41の入口42へ流れ込む冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。よって、第1ヘッダ本体22の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏っても、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことが抑制される。
【0049】
このように、各チューブ40にて冷媒と電池20との熱交換が行われることにより、各電池20が冷却される。各チューブ40の各冷媒流路41を通過した冷媒は、出口43を介して第2ヘッダ本体32の内部に流出する。第2ヘッダ本体32の内部に流出した冷媒は、第2管33を介して第3配管19に合流する。そして、第3配管19に合流した冷媒は、第3配管19を介して圧縮機12に還流される。
【0050】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積が、流入口28から遠いほど小さい。このため、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏っても、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0051】
(2)冷媒流路41の入口42の開口面積が、流入口28から遠いほど小さい。このため、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41の入口42へ流れ込む冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41の入口42へ流れ込む冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0052】
(3)第1内面45と第2内面46との距離は、流入口28から遠いほど短い。このような構成は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積を流入口28から遠いほど小さくする構成として好適である。
【0053】
(4)第2内面46は、流入口28から遠いほど第1内面45に接近している。これによれば、電池20に接触する外面44と第1内面45との距離を極力短くしつつも、第1内面45と第2内面46との距離を、流入口28から遠いほど短くすることができる。したがって、冷媒と電池20との熱交換性能を維持しつつも、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積を、流入口28から遠いほど小さくすることができる。
【0054】
(5)流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向である。このような構成において、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ったとする。この場合であっても、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0055】
(6)第2内面46は、流入口28から遠いほど第1内面45に接近している。これによれば、第1ヘッダ本体22の内部で、自重により鉛直方向の下方へ溜まる液状の冷媒が、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41へ流れ込むことが抑制され易くなる。したがって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことを抑制し易くすることができる。
【0056】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0057】
○
図6に示すように、チューブ40に形成されている全ての冷媒流路41の流路断面積が同じであってもよい。そして、チューブ40は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の数が、流入口28から遠いほど少ない構成であってもよい。
図6に示す実施形態では、流入口28から遠いほど、冷媒流路41が間引かれている。このようにすることで、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積を流入口28から遠いほど小さくするようにしてもよい。このような構成は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積を流入口28から遠いほど小さくする構成として好適である。
【0058】
○
図7に示すように、電池熱交換器15は、第1チューブ61及び第2チューブ62を有していてもよい。したがって、
図7に示す実施形態では、チューブ40は、第1チューブ61と、第2チューブ62と、を含む。第1ヘッダ本体22は、第1挿入口29Aと、第2挿入口29Bと、を有している。第1挿入口29Aにおける長手方向の中央部は、周壁24における軸方向の中央部に一致している。第1ヘッダ本体22は、第2挿入口29Bを一対有している。一対の第2挿入口29Bは、第1ヘッダ本体22の軸方向で第1挿入口29Aを挟む位置にそれぞれ配置されている。第1挿入口29Aには、第1チューブ61が挿入された状態で接続されている。各第2挿入口29Bには、第2チューブ62が挿入された状態で接続されている。したがって、一対の第2チューブ62は、第1ヘッダ本体22の軸方向で第1チューブ61を挟む位置にそれぞれ配置されている。第2チューブ62は、第1チューブ61よりも流入口28から離れた位置に配置されている。
【0059】
図7に示す実施形態では、複数の冷媒流路41は、複数の第1冷媒流路71と、複数の第2冷媒流路72と、を含む。複数の第1冷媒流路71は、第1チューブ61に並設されている。複数の第2冷媒流路72は、第2チューブ62に並設されている。複数の第1冷媒流路71の並設方向と複数の第2冷媒流路72の並設方向とは一致している。各第2冷媒流路72の流路断面積は、各第1冷媒流路71の流路断面積よりも小さい。したがって、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積は、流入口28から遠いほど小さい。
【0060】
これによれば、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積を流入口28から遠いほど小さくする構成を、第1チューブ61及び第2チューブ62を採用するだけで実現させることができる。
【0061】
○ 実施形態において、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の数が、流入口28から遠いほど少ない構成であってもよい。
【0062】
○ 実施形態において、例えば、複数の冷媒流路41の入口42の開口面積が、全て同じであってもよい。そして、例えば、各第2冷媒流路群52の各冷媒流路41の流路断面積、各第3冷媒流路群53の各冷媒流路41の流路断面積、及び各第4冷媒流路群54の各冷媒流路41の流路断面積それぞれが、途中から小さくなっていてもよい。要は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積が、流入口28から遠いほど小さくなっていればよい。
【0063】
○ 実施形態において、複数の冷媒流路41の入口42以外の部分の流路断面積が、全て同じであってもよい。つまり、冷媒流路41の入口42の開口面積が、流入口28から遠いほど小さければ、その他の部分の流路断面積が全て同じであってもよい。要は、複数の冷媒流路41の並設方向X1におけるチューブ40の単位長さ当たりの冷媒流路41の総流路断面積が、流入口28から遠いほど小さくなっていればよい。
【0064】
○ 実施形態において、冷媒流路41の第1内面45が、流入口28から遠いほど第2内面46に接近していてもよい。
○ 実施形態において、電池温調システム10は、電池20を暖機するために用いられてもよい。この場合、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は、図示しない四方弁によって、各電池熱交換器15に供給される。よって、各電池熱交換器15には、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒が流れる。具体的には、圧縮機12から吐出された冷媒は、第3配管19を介して各電池熱交換器15の第2管33にそれぞれ分配される。各第2管33に分配された冷媒は、各第2ヘッダ本体32の内部へ流れ込む。よって、第2管33の内側は、第2ヘッダ31の内部に冷媒を流入させる流入口である。したがって、第2ヘッダ31は、内部に冷媒を流入させる流入口を有する上流ヘッダである。
【0065】
そして、各チューブ40にて冷媒と電池20との熱交換が行われることにより、各電池20が暖機される。各チューブ40の各冷媒流路41を通過した冷媒は、第1ヘッダ本体22の内部に流出する。第1ヘッダ本体22の内部に流出した冷媒は、第1管23を流れるとともに膨張弁14を通過する際に減圧される。減圧された冷媒は、第2配管18に合流する。そして、第2配管18に合流した冷媒は、第2配管18を介して外部流体熱交換器13に供給される。外部流体熱交換器13に供給された冷媒は、外部流体熱交換器13にて外気との熱交換が行われることにより蒸発する。そして、外部流体熱交換器13にて蒸発された冷媒は、第1配管17を介して圧縮機12に還流される。このように、電池温調システム10が、電池20を暖機するために用いられる場合であっても、上述した[実施形態の作用]及び[実施形態の効果]を奏することができる。
【0066】
○ 実施形態において、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して、斜めに延びる方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差していればよい。
【0067】
○ 実施形態において、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して、斜めに延びる方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向であればよい。
【0068】
○ 実施形態において、例えば、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と同一方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差していればよい。
【0069】
○ 実施形態において、外部流体熱交換器13は、例えば、外部流体である冷却水と冷媒との熱交換を行うことが可能である構成であってもよい。
[付記]
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
【0070】
<付記1>
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、
冷媒を減圧する膨張弁と、
電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記電池熱交換器は、
冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、
前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、
前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、
前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の総流路断面積は、前記流入口から遠いほど小さいことを特徴とする電池温調システム。
【0071】
<付記2>
前記冷媒流路は、前記上流ヘッダの内部に開口する入口を有し、
前記入口の開口面積は、前記流入口から遠いほど小さいことを特徴とする<付記1>に記載の電池温調システム。
【0072】
<付記3>
前記チューブは、
前記電池に接触する外面と、
前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記外面の裏側の面である第1内面と、
前記各冷媒流路を形成する前記チューブの内面であって、且つ、前記第1内面と対向する面である第2内面と、を有し、
前記第1内面と前記第2内面との距離は、前記流入口から遠いほど短いことを特徴とする<付記1>又は<付記2>に記載の電池温調システム。
【0073】
<付記4>
前記第2内面は、前記流入口から遠いほど前記第1内面に接近していることを特徴とする<付記3>に記載の電池温調システム。
【0074】
<付記5>
前記並設方向における前記チューブの単位長さ当たりの前記冷媒流路の数は、前記流入口から遠いほど少ないことを特徴とする<付記1>~<付記4>のいずれか一項に記載の電池温調システム。
【0075】
<付記6>
前記チューブは、
第1チューブと、
前記第1チューブよりも前記流入口から離れた位置に配置される第2チューブと、を含み、
前記複数の冷媒流路は、
前記第1チューブに並設される複数の第1冷媒流路と、
前記第2チューブに並設される複数の第2冷媒流路と、を含み、
前記複数の第1冷媒流路の並設方向と前記複数の第2冷媒流路の並設方向とは一致しており、
前記各第2冷媒流路の流路断面積は、前記各第1冷媒流路の流路断面積よりも小さいことを特徴とする<付記1>~<付記5>のいずれか一項に記載の電池温調システム。
【0076】
<付記7>
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であることを特徴とする<付記1>~<付記6>のいずれか一項に記載の電池温調システム。
【符号の説明】
【0077】
10…電池温調システム、11…冷凍サイクル、12…圧縮機、13…外部流体熱交換器、14…膨張弁、15…電池熱交換器、20…電池、21…第1ヘッダ、28…流入口、40…チューブ、41…冷媒流路、42…入口、44…外面、45…第1内面、46…第2内面、61…第1チューブ、62…第2チューブ、71…第1冷媒流路、72…第2冷媒流路。