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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180402
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231214BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20231214BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231214BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231214BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/6571 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J1/00 306L
H01M10/48 301
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H01M10/615
H01M10/633
H01M10/6571
H01M10/625
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093690
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】大森 保
(72)【発明者】
【氏名】丸山 均
(72)【発明者】
【氏名】梶山 英訓
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】鯉江 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】青木 翠梨
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
5H030
5H031
【Fターム(参考)】
5G165CA01
5G165EA01
5G165GA09
5G165HA01
5G165HA07
5G165HA17
5G165JA07
5G165LA01
5G165LA02
5G165MA10
5G165NA10
5G165PA01
5G503AA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA11
5G503CB11
5G503CB13
5G503CC02
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H031HH01
5H031HH06
5H031KK03
(57)【要約】
【課題】バッテリを昇温する機能を有するバッテリシステムにおいて、バッテリが満充電状態に達したか否かを精度良く判定する方法を提供する。
【解決手段】バッテリシステムは、バッテリ、バッテリの温度を検出する温度センサ、バッテリを加熱するヒータ、およびバッテリ制御部を備える。バッテリ制御部は、バッテリの状態を検出すると共に、バッテリを充電する動作およびヒータを用いてバッテリを昇温する動作を制御する。バッテリの充電中に、バッテリの充電率または電圧が所定の閾値レベルより低いときは、バッテリ制御部は、バッテリの温度と予め設定された閾値温度との比較に応じてヒータを制御する。バッテリの充電率または電圧が閾値レベルより高いときは、バッテリ制御部は、ヒータを停止させた状態で、バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリの温度を検出する温度センサと、
前記バッテリを加熱するヒータと、
前記バッテリの状態を検出すると共に、前記バッテリを充電する動作および前記ヒータを用いて前記バッテリを昇温する動作を制御するバッテリ制御部と、を備え、
前記バッテリの充電中に、前記バッテリの充電率または電圧が所定の閾値レベルより低いときは、前記バッテリ制御部は、前記バッテリの温度と予め設定された閾値温度との比較に応じて前記ヒータを制御し、
前記バッテリの充電率または電圧が前記閾値レベルより高いときは、前記バッテリ制御部は、前記ヒータを停止させた状態で、前記バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタする
ことを特徴とするバッテリシステム。
【請求項2】
前記バッテリの充電率または電圧が前記閾値レベルより高いときに、前記バッテリの温度が前記閾値温度より低下すると、前記バッテリ制御部は、前記バッテリの充電動作を停止すると共に、前記ヒータを発熱させる
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項3】
バッテリと、
前記バッテリの温度を検出する温度センサと、
前記バッテリを加熱するヒータと、
前記バッテリが実装される装置の外気温を検出する第2の温度センサと、
前記バッテリの状態を検出すると共に、前記バッテリを充電する動作および前記ヒータを用いて前記バッテリを昇温する動作を制御するバッテリ制御部と、を備え、
前記バッテリ制御部は、
前記バッテリの充電開始時に、前記外気温および前記バッテリの充電率に対応する充電開始目標温度を取得し、
前記バッテリの温度が前記充電開始目標温度より低いときには、前記バッテリの充電開始前に、前記ヒータを用いて前記バッテリの温度を前記充電開始目標温度以上に上昇させ、
前記バッテリの充電中は、前記ヒータを停止させた状態で、前記バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタする
ことを特徴とするバッテリシステム。
【請求項4】
前記充電開始目標温度は、前記ヒータを停止させた状態で前記バッテリを充電したときに、前記バッテリが満充電状態に達すると見込まれる時点での前記バッテリの温度が、前記バッテリの充電効率が低下しはじめる閾値温度より低くならないように設定される
ことを特徴とする請求項3に記載のバッテリシステム。
【請求項5】
前記バッテリ制御部は、前記バッテリの充電開始時に、前記バッテリの温度が前記充電開始目標温度より低く、且つ、前記外気温が第2の閾値温度より低いときに、前記バッテリの充電開始前に、前記ヒータを用いて前記バッテリの温度を前記充電開始目標温度以上に上昇させる
ことを特徴とする請求項3に記載のバッテリシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリおよびバッテリの温度を上昇させる昇温機能を備えるバッテリシステムに係わる。
【背景技術】
【0002】
バッテリは、一般に、所定の温度領域で動作することが好ましい。例えば、リチウムイオン電池は、低温環境下では、充電効率が低下する。このため、低温環境下で充電効率が低下するバッテリを充電する際には、そのバッテリの温度を上昇させる昇温制御が行われることがある。
【0003】
例えば、充電機構、昇温機構、および制御部を備えるバッテリシステムが特許文献1に記載されている。このバッテリシステムにおいて、制御部は、バッテリの充電状態(SOC:State of Charge)が充電基準値未満であるときは、昇温処理を禁止すると共に充電処理を実行し、バッテリのSOCが充電基準値より大きくなったときに、バッテリの温度が基準温度未満であれば昇温処理を実行し、昇温処理中にバッテリのSOCが充電基準値未満に低下すると、昇温処理を停止すると共にバッテリを充電停止値まで充電する。この方法によれば、バッテリを昇温することで充電効率を高めながら、昇温処理を実行することで満充電までの時間が長くなることを回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6225977号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したバッテリシステムにおいては、SOCに基づいてバッテリの充電処理および昇温処理が制御される。ここで、SOCは、多くのケースにおいて、バッテリの開放電圧または開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)から推定される。
【0006】
ところが、近年普及しているリン酸鉄系リチウムイオン電池のSOC-OCV曲線は、フラット領域(または、プラトー領域)を有する。フラット領域においては、SOCに対してOCVがほぼ一定なので、OCVからSOCを精度よく推定することは困難である。このため、SOC-OCV曲線がフラット領域を有するバッテリにおいては、満充電状態に達したか否かを精度よく判定することが困難である。
【0007】
満充電状態は、バッテリの端子間電圧および充電電流に基づいて検出することも可能である。ただし、上述したバッテリシステムにおいては、満充電に近い状態であっても、昇温のための電流が流れることがある。このため、充電電流の管理が難しく、満充電状態に達したか否かを精度よく判定することが困難である。
【0008】
本発明の1つの側面に係る目的は、バッテリを昇温する機能を有するバッテリシステムにおいて、バッテリが満充電状態に達したか否かを精度良く判定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様に係わるバッテリシステムは、バッテリと、前記バッテリの温度を検出する温度センサと、前記バッテリを加熱するヒータと、前記バッテリの状態を検出すると共に、前記バッテリを充電する動作および前記ヒータを用いて前記バッテリを昇温する動作を制御するバッテリ制御部と、を備える。前記バッテリの充電中に、前記バッテリの充電率または電圧が所定の閾値レベルより低いときは、前記バッテリ制御部は、前記バッテリの温度と予め設定された閾値温度との比較に応じて前記ヒータを制御する。前記バッテリの充電率または電圧が前記閾値レベルより高いときは、前記バッテリ制御部は、前記ヒータを停止させた状態で、前記バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタする。
【0010】
この構成によれば、バッテリの充電率または電圧が閾値レベルより低いときは、バッテリの温度と閾値温度との比較に応じてヒータが制御される。よって、充電効率の良い温度領域でバッテリが充電される。また、バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタするときにはヒータが停止しているので、充電器からバッテリシステムに供給される電流に基づいて満充電判定を行う方式において、ヒータが消費する電流の影響を受けないので、満充電判定の精度は良好である。
【0011】
バッテリの充電率または電圧が閾値レベルより高いときに、バッテリの温度が閾値温度より低下すると、バッテリ制御部は、バッテリの充電動作を停止すると共に、ヒータを発熱させる。この構成によれば、常時、充電効率の良い温度領域でバッテリを充電することができる。
【0012】
バッテリシステムは、バッテリが実装される装置の外気温を検出する第2の温度センサをさらに備えてもよい。この場合、バッテリ制御部は、バッテリの充電開始時に、外気温およびバッテリの充電率に対応する充電開始目標温度を取得し、バッテリの温度が充電開始目標温度より低いときには、バッテリの充電開始前に、ヒータを用いてバッテリの温度を充電開始目標温度以上に上昇させ、バッテリの充電中は、ヒータを停止させた状態で、バッテリが満充電状態に達したか否かをモニタする。
【0013】
この構成によれば、充電開始時のバッテリの温度が充電開始目標温度以上なので、充電効率の良い温度領域でバッテリが充電される。加えて、充電中はヒータが停止しているので、満充電判定の精度は良好である。
【発明の効果】
【0014】
上述の態様によれば、バッテリを昇温する機能を有するバッテリシステムにおいて、バッテリが満充電状態に達したか否かを精度良く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係わるバッテリシステムの一例を示す図である。
図2】バッテリを充電する方法の一例を示す図である。
図3】CV充電の一例を示す図である。
図4】充電制御および温度制御の一例を示すフローチャートである。
図5】バッテリの温度制御を優先しながら充電を行う方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態のバリエーションに係わる温度制御を説明する図(外気温依存)である。
図7】本発明の実施形態のバリエーションに係わる温度制御を説明する図(SOC依存)である。
図8】充電開始目標温度テーブルの一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態のバリエーションにおける充電制御および温度制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係わるバッテリシステムの一例を示す。本発明の実施形態に係わるバッテリシステム10は、バッテリ11、ヒータ12、電圧センサV、電流センサI、温度センサT1、温度センサT2、リレーRL、およびバッテリ制御部13を備える。なお、バッテリシステム10は、図1に示してない他の回路またはデバイスを備えてもよい。
【0017】
バッテリ11は、特に限定されるものではないが、この実施例では、リチウムイオン電池である。また、バッテリ11は、特に限定されるものではないが、直列/並列に接続される複数の電池パックから構成される。この場合、各電池パックは、直列に接続される複数の電池セルから構成されてもよい。
【0018】
ヒータ12は、バッテリ11の近傍に設けられ、バッテリ制御部13からの指示に応じて発熱する。すなわち、ヒータ12は、バッテリ制御部13からの指示に応じてバッテリ11を昇温することができる。ヒータ12は、たとえば、抵抗線により実現される。この場合、この抵抗線に電流を流すことでヒータ12が発熱する。また、バッテリ制御部13は、抵抗線を流れる電流を制御することでヒータ12のオン状態/オフ状態を制御する。
【0019】
電圧センサVは、バッテリ11の電圧を検出する。なお、電圧センサVは、バッテリ11の正極端子と負極端子との間の電圧を検出してもよいし、各電池パックの電圧を検出してもよいし、各電池セルの電圧を検出してもよい。電流センサIは、バッテリ11を流れる電流を検出する。ただし、ヒータ12を使用するときは、電流センサIは、バッテリ11を流れる電流およびヒータ12を流れる電流の和を検出する。すなわち、電流センサIは、充電器20からバッテリシステム10に供給される電流を検出する。なお、バッテリ11を流れる電流およびヒータ12を流れる電流を個々に検出する構成では、電流センサの個数が増加し、部品コストが上昇するので、本発明の実施形態では、バッテリ11を流れる電流およびヒータ12を流れる電流の和が検出される。
【0020】
温度センサT1は、バッテリ11の近傍に設けられ、バッテリ11の温度を検出する。温度センサT2は、外気温を検出する。例えば、バッテリシステム10が車両に搭載されるケースでは、温度センサT2はその車両の周辺の温度を検出するように構成される。リレーRLは、バッテリ制御部13からの指示に応じて、バッテリ11に接続する電力線を導通/遮断することができる。
【0021】
バッテリ制御部13は、バッテリ11の充電動作を制御する。このとき、バッテリ制御部13は、充電器20との間で制御信号を交換しながらバッテリ11の充電電流および充電電圧を制御してもよい。例えば、バッテリ制御部13は、バッテリシステム10が必要とする電流を表す電流指令値を充電器20に送信してもよい。また、バッテリ制御部13は、バッテリ11の充電状態を検出する。充電状態としては、例えば、バッテリ11のSOCが計算される。SOCは、充電率を表す指標であり、100パーセントおよび0パーセントがそれぞれ満充電状態および完全放電状態を表す。
【0022】
SOCは、公知の技術で計算または推定することができる。例えば、バッテリ制御部13は、電流センサIにより検出される電流の積算値に基づいてSOCを計算することができる。ただし、この方法は、誤差が蓄積することがある。よって、電流の積算値に基づいてSOCを計算する場合、所定の契機に応じてSOCをリセットすることが好ましい。例えば、バッテリ11が満充電状態とみなせるときにSOCを「100パーセント」にリセットしてもよいし、或いは、バッテリ11が完全放電状態とみなせるときにSOCを「0パーセント」にリセットしてもよい。なお、SOCの値は、バッテリ制御部13がアクセス可能なメモリに記録されることが好ましい。また、バッテリ制御部13は、他の方法でSOCを推定してもよい。例えば、バッテリ制御部13は、バッテリ11のOCVに基づいてSOCを推定してもよい。
【0023】
充電器20は、電力回路21および充電器制御部22を備える。電力回路21は、充電器制御部22からの指示に応じて、不図示の系統電源から供給される電力を直流電力に変換する。充電器制御部22は、バッテリシステム10のバッテリ制御部13との間で制御信号を交換しながら電力回路21を制御する。例えば、充電器制御部22は、バッテリ制御部13から受信する電流指令値が指示する電流を生成するように電力回路21を制御する。
【0024】
図2は、バッテリ11を充電する方法の一例を示す。バッテリ制御部13および充電器20は、例えば、CCCV(Constant-Current Constant-Voltage)方式でバッテリシステム10のバッテリ11を充電する。
【0025】
CCCV充電においては、バッテリ11の電圧が所定の目標電圧に達するまでは、予め決められた一定の目標電流でバッテリ11が充電される。以下の記載では、一定の電流でバッテリ11を充電する動作を「CC充電」と呼ぶことがある。なお、目標電流を表す電流指令値は、バッテリ制御部13から充電器制御部22に通知される。そうすると、充電器制御部22は、充電器20からバッテリシステム10に供給される電流が目標電流に近づくように電力回路21を制御する。なお、この実施例では、バッテリ制御部13および充電器制御部22は、充電電流をゼロから目標電流まで段階的に増加させる。また、目標電流は、例えば、充電器20の最大電流であってもよい。
【0026】
充電動作中は、バッテリ制御部13は、電圧センサVの出力信号を利用してバッテリ11の電圧をモニタする。そして、バッテリ11の電圧が目標電圧に達した後は、バッテリ制御部13は、目標電圧を保持するように電流指令値を生成して充電器20に送信する。そうすると、充電器制御部22はその電流指令値に応じて電力回路21を制御するので、予め決められた一定の電圧でバッテリ11が充電される。以下の記載では、一定の電圧でバッテリ11を充電する動作を「CV充電」と呼ぶことがある。ここで、バッテリ11の電圧を一定の値に保持したままバッテリ11の充電を継続すると、充電電流は必然的に減少していく。そして、充電電流が予め決められた充電終了電流まで減少すると、バッテリ制御部13および充電器制御部22は充電動作を終了する。
【0027】
図3は、CV充電の一例を示す。この実施例では、図2を参照して説明したCC充電によりバッテリ11の電圧が上昇してゆき、時刻T0においてバッテリ11の電圧が目標電圧に達している。すなわち、時刻T0において、CC充電からCV充電に切り替わる。よって、時刻T0以降、バッテリ制御部13は、バッテリ11の電圧を目標電圧に保持する電流指令値を生成して充電器制御部22に送る。そして、充電器20は、電流指令値に従ってバッテリ11に供給する電流を制御する。
【0028】
バッテリ制御部13および充電器制御部22は、時刻T0において充電電流をΔIだけ減少させる。そうすると、バッテリ11の電圧は一時的に低下する。この後、「目標電流-ΔI」で充電動作が継続する。したがって、バッテリ11の電圧は上昇してゆき、時刻T1において再び目標電圧に達する。続いて、バッテリ制御部13および充電器制御部22は、時刻T1において充電電流をさらにΔIだけ減少させる。そうすると、バッテリ11の電圧は一時的に低下する。この後、「目標電流-2ΔI」で充電動作が継続する。そして、バッテリ11の電圧は、時刻T2において再び目標電圧に達する。
【0029】
上述のようにして充電電流を段階的に減少させることにより、バッテリ11の電圧は実質的に目標電圧に保持される。そして、充電電流が図2に示す充電終了電流まで減少すると、バッテリ制御部13は、バッテリ11が満充電状態に達したと判定し、充電動作を終了する旨の指示を充電器20に通知する。このとき、バッテリ制御部13は、自分で算出した電流指令値に基づいてバッテリ11が満充電になったか否かを判定してもよいし、電流センサIを用いて検出する電流値に基づいてバッテリ11が満充電になったか否かを判定してもよい。
【0030】
このように、バッテリ制御部13は、充電動作を制御する。このとき、バッテリ制御部13は、充電制御と並行して、ヒータ12を用いてバッテリ11の温度を調整する温度制御を実行する。例えば、バッテリ11の温度が所定の閾値温度より低いときは、充電効率が悪くなる。よって、バッテリ11の温度がその閾値温度より低いときは、バッテリ制御部13は、ヒータ12を用いてバッテリ11を昇温する。
【0031】
バッテリ11の温度を上昇させるときは、充電器20から供給される電流の一部がヒータ12により消費される。すなわち、電流指令値に従って充電器20が電流を生成するとき、ヒータ12を使用すると、バッテリ11に実際に流れる電流は、電流指令値が表す電流より少なくなる。このため、充電電流に基づいて満充電判定を行う場合、その判定精度が悪くなるおそれがある。そこで、本発明の実施形態に係わるバッテリシステム10は、バッテリ11の温度が低い場合であっても、必要に応じてヒータ12を停止して満充電判定を行う機能を備える。
【0032】
図4は、充電制御および温度制御の一例を示すフローチャートである。この例では、ユーザから充電開始の指示が与えられたときに、バッテリ制御部13が充電制御および温度制御を開始する。
【0033】
S1において、バッテリ制御部13は、温度センサT1の出力信号を利用してバッテリ11の温度を検出する。以降、バッテリ制御部13は、充電が終了するまでバッテリ11の温度をモニタする。S2において、バッテリ制御部13は、バッテリ11のSOCを計算する。なお、現在のSOCの値は、例えば、不図示のメモリに記録されている。また、バッテリ制御部13は、常時、電流センサIを利用して測定される充電電流および放電電流を積算することにより、バッテリ11のSOCを推定するものとする。
【0034】
S3において、バッテリ制御部13は、電流指令値を生成する。例えば、図2に示すCCCV充電において、CC充電が行われる期間は、電流指令値は予め決められた目標電流を表す。この目標電流は、例えば、充電器20の最大電流であってもよい。また、CV充電が行われる期間は、例えば、図3を参照して説明した電流制御を実現する電流指令値が生成される。バッテリ制御部13により生成される電流指令値は、充電器20に通知される。そして、充電器20は、電流指令値に従って充電電流を生成する。
【0035】
S4において、バッテリ制御部13は、バッテリ11の温度と所定の閾値温度X1とを比較する。閾値温度X1は、例えば、バッテリ11の充電効率が低下しはじめる温度に基づいて設定される。バッテリ11の特性にもよるが、閾値温度X1は、例えば5℃程度である。
【0036】
S5において、バッテリ制御部13は、バッテリ11のSOCと所定の閾値SOCとを比較する。閾値SOCは、満充電判定に影響が生じ得る領域よりも低い値に設定される。例えば、図2図3に示す充電方式においては、充電電流が所定の充電終了電流まで減少したときにバッテリ11が満充電状態に達したと判定される。また、CC充電からCV充電に移行した後に、充電電流が減少し始める。よって、充電電流に基づいて満充電状態に達したか否かをモニタする場合、CC充電からCV充電に移行すると、満充電判定に影響が生じ得る。すなわち、CV充電が行われる期間は、満充電判定に影響が生じ得る領域に相当する。したがって、閾値SOCとして、CC充電からCV充電に移行するSOC値より少しだけ小さい値を設定してもよい。或いは、特に限定されるものではないが、閾値SOCは60パーセント程度であってもよい。
【0037】
バッテリ11のSOCが閾値SOCより小さく、且つ、バッテリ11の温度が閾値温度X1より低いときは、バッテリ制御部13は昇温機能を動作させる。すなわち、バッテリ制御部13はヒータ12に電流を流して発熱させる。一方、バッテリ11のSOCが閾値SOCより大きい場合、及び/又は、バッテリ11の温度が閾値温度X1より高い場合には、バッテリ制御部13は昇温機能を停止する。すなわち、バッテリ制御部13はヒータ12への電流の供給を停止する。
【0038】
S8~S9において、バッテリ制御部13は、バッテリ11が満充電状態まで充電されたか否かを判定する。このとき、バッテリ制御部13は、例えば、電流指令値が表す電流が上述した充電終了電流まで減少しているか否かを判定する。そして、電流指令値が表す電流が充電終了電流まで減少していなければ、バッテリ制御部13は、バッテリ11が未だ満充電状態まで充電されていないと判定する。この場合、バッテリ制御部13は、S3に戻って電流指令値を更新する。すなわち、バッテリ11が満充電状態になるまでS3~S9の処理が繰り返し実行される。そして、バッテリ11が満充電状態になると、充電処理は終了する。
【0039】
このように、本発明の実施形態においては、バッテリ11の温度が閾値温度X1より低い場合であっても、バッテリ11のSOCが閾値SOCより大きいときには、昇温機能を停止する。ここで、昇温機能を停止すれば、バッテリ11に流れる電流は、電流指令値が表す電流と実質的に一致する。よって、バッテリ制御部13は、電流指令値を利用して精度のよい満充電判定を実現できる。
【0040】
なお、上述の実施例では、バッテリ11のSOCに基づいて昇温機能を使用するか否かが判定されるが、本発明の実施形態はこの方式に限定されるものではない。例えば、バッテリ11の電圧は、バッテリ11のSOCと相関を有する。よって、バッテリ制御部13は、バッテリ11の電圧に基づいて昇温機能を使用するか否かを決定してもよい。すなわち、バッテリ制御部13は、バッテリ11のSOCまたは電圧が所定の閾値レベルより低いときに、バッテリ11の温度と閾値温度X1との比較に応じてヒータ12を制御する。
【0041】
また、バッテリ制御部13は、バッテリ11のSOCが閾値SOCより大きいときに、バッテリ11の充電よりバッテリ11の昇温を優先的に実行してもよい。例えば、図5に示す実施例では、バッテリ11のSOCが閾値SOCより大きいときにバッテリ11の温度が閾値温度X1より低下すると、バッテリ制御部13は、S11~S13を実行する。すなわち、バッテリ制御部13は、充電動作を停止した状態でヒータ12を発熱させる。そして、バッテリ11の温度が閾値温度X1を超えると、バッテリ制御部13は、S14において充電動作を再開し、S7においてヒータ12を停止する。この後、バッテリ11が満充電状態になるまで、ヒータ12を停止してバッテリ11を充電する動作、または、バッテリ11の充電を停止してヒータ12を発熱させる動作が行われる。なお、バッテリ11のSOCが閾値SOCより小さいときは、図4に示す手順と同様に、バッテリ11の温度に基づいてヒータ12を発熱させるか否かが決定される。
【0042】
図5に示すフローチャートの手順によれば、バッテリ11の温度が閾値温度X1より低い状態で充電が行われることはない。よって、常に、効率のよい状態でバッテリ11が充電される。なお、バッテリ11が満充電状態に達した後にバッテリ11の温度が低下し、ヒータ12を使用することでSOCが低下したときには、再充電が実行される。この場合、バッテリ制御部13は、図5に示す手順で温度制御を行いながらバッテリ11を充電してもよい。
【0043】
<バリエーション>
図4に示す手順では、充電開始時にバッテリ11のSOCが閾値SOCより大きいときには、バッテリ11の温度が低い場合であってもヒータ12は停止したままである。この場合、バッテリ11の温度が低い状態で充電が行われる。ただし、例えば、リン酸鉄系リチウムイオン電池は、低温領域で充電性能が劣化するので、充電時間が長くなるか、或いは、充電が困難になることがある。
【0044】
そこで、本発明の実施形態のバリエーションでは、充電開始時にバッテリ11の温度が低いときには、実際に充電を行う前に、ヒータ12を用いてバッテリ11を暖める。その後、ヒータ12を停止して充電を行う。このとき、ヒータ12を停止した状態で、満充電状態までバッテリ11の温度が閾値温度X1以上に維持されていることが好ましい。ただし、外気温が高ければ、充電中にバッテリ11の温度が低下しにくいが、外気温が低いときには、充電中にバッテリ11の温度が低下しやすくなる。したがって、バッテリ制御部13は、外気温を考慮して、充電開始前にバッテリ11をどの程度まで温めておくのかを決定する。
【0045】
図6図7は、本発明の実施形態のバリエーションに係わる温度制御を説明する図である。この例では、時刻T11に充電を開始する旨の指示がバッテリ制御部13に与えられるものとする。X1は、図4図5に示す実施例の閾値温度に相当する。すなわち、バッテリ11の温度がX1より低いときは、充電効率が悪い。また、充電開始の指示が与えられたとき(すなわち、時刻T11)に、バッテリ11の温度がX1より低いものとする。この場合、バッテリ制御部13は、充電開始前に、ヒータ12を用いてバッテリ11を暖める。これにより、図6(a)または図7(a)に示すように、バッテリ11の温度がX2まで上昇するものとする。この後、バッテリ制御部13は、ヒータ12を停止し、バッテリ11の充電を開始する。
【0046】
この例では、充電中は、ヒータ12が停止しているので、バッテリ11の温度は徐々に低下してゆく。ここで、バッテリ11の温度が低下してゆく速度は外気温に依存する。具体的には、図6(a)に示すように、外気温が高ければバッテリ11の温度はゆっくりと低下するが、外気温が低いときはバッテリ11の温度は速く低下する。また、図6(a)に示すケースでは、時刻T12においてバッテリ11が満充電状態になるものとする。バッテリ11が満充電状態になるまでの時間は、充電開始時のバッテリ11のSOCに依存する。
【0047】
外気温が高いときは、時刻T12(即ち、バッテリ11が満充電状態になったとき)において、バッテリ11の温度がX1よりも高いままである。すなわち、充電期間全体にわたって、バッテリ11の温度がX1よりも高い。この場合、充電効率がよい。これに対して、外気温が低いときは、時刻T12においてバッテリ11の温度がX1よりも低下している。すなわち、充電期間の一部でバッテリ11の温度がX1よりも低くなっている。この場合、充電効率が悪くなる。
【0048】
この問題は、充電開始時のバッテリ11の温度を外気温に応じて設定すれば解決され得る。具体的には、外気温が高いときには、充電開始時にバッテリ11の温度をさほど上昇させる必要はない。一方、外気温が低いときには、充電開始時にバッテリ11の温度を十分に上昇させる必要がある。
【0049】
一例としては、ヒータ12を停止した状態でバッテリ11を充電したときに、バッテリ11が満充電状態に達すると見込まれる時点でのバッテリ11の温度がX1より低くならないように、充電開始時のバッテリ11の温度を設定する。図6(b)に示す例では、外気温が高いときには、充電開始時にバッテリ11の温度をX21以上に設定すれば、充電期間全体にわたってバッテリ11の温度がX1よりも高くなる。外気温が低いときには、充電開始時にバッテリ11の温度をX22以上に設定すれば、充電期間全体にわたってバッテリ11の温度がX1よりも高くなる。なお、以下の記載では、ヒータ12を停止した状態でバッテリ11を充電したときに、バッテリ11が満充電状態に達すると見込まれる時点でのバッテリ11の温度がX1より低くならないように、充電開始時に設定すべきバッテリ11の温度を「充電開始目標温度」と呼ぶことがある。
【0050】
他方、バッテリ11を満充電状態にするまでに要する充電時間は、充電開始時のSOCに依存する。具体的には、充電開始時のSOCが大きければ充電時間は短くなり、充電開始時のSOCが小さければ充電時間は長くなる。図7(a)に示す例では、充電開始時のSOCが大きいケースでの充電終了時刻はT13であり、充電開始時のSOCが小さいケースでの充電終了時刻はT14である。
【0051】
ここで、充電開始時にバッテリ11の温度をX2まで上昇させるものとする。この場合、充電開始時のSOCが大きければ、時刻T13においてバッテリ11が満充電状態になったときに、バッテリ11の温度がX1よりも高いままである。すなわち、充電期間全体にわたってバッテリ11の温度がX1よりも高いので、充電効率がよい。これに対して、充電開始時のSOCが小さいときは、時刻T14においてバッテリ11が満充電状態になったときに、バッテリ11の温度がX1よりも低下している。すなわち、充電期間の一部でバッテリ11の温度がX1よりも低くなり、充電効率が悪くなる。
【0052】
この問題は、充電開始時のSOCに応じて上述の充電開始目標温度を設定すれば解決され得る。具体的には、SOCが大きいときは、充電開始目標温度は、さほど高くなくてもよい。一方、SOCが小さいときは、高い充電開始目標温度を設定する必要がある。
【0053】
一例としては、ヒータ12を停止した状態でバッテリ11を充電したときに、充電終了時の温度がX1以上なるように充電開始目標温度が設定される。図7(b)に示すケースでは、充電開始時のSOCが大きいときは、充電開始時にバッテリ11の温度をX23以上に設定すれば、充電期間全体にわたってバッテリ11の温度がX1よりも高くなる。充電開始時のSOCが小さいときには、充電開始時にバッテリ11の温度をX24以上に設定すれば、充電期間全体にわたってバッテリ11の温度がX1よりも高くなる。
【0054】
したがって、本発明の実施形態のバリエーションにおいては、外気温および充電開始時のバッテリ11のSOCに基づいて充電開始目標温度が設定される。そして、バッテリ制御部13は、図8に示す充電開始目標温度テーブルを備える。
【0055】
充電開始目標温度テーブルには、「バッテリ11の充電効率が低下しはじめる閾値温度X1と外気温との温度差」および「充電開始時のSOC」の組合せに対して、充電開始目標温度が記録されている。充電開始目標温度は、図6図7を参照して説明したように、外気温が高くなるほど低くなり、また、SOCが大きくなるほど低くなる。充電開始目標温度は、予め測定またはシミュレーションにより求められているものとする。なお、閾値温度X1は、バッテリ11に対して固定値なので、「バッテリ11の充電効率が低下しはじめる閾値温度X1と外気温との温度差」の代わりに「外気温」を使用してもよい。すなわち、「外気温」および「充電開始時のSOC」の組合せに対して充電開始目標温度テーブルを作成してもよい。
【0056】
図9は、本発明の実施形態のバリエーションにおける充電制御および温度制御の一例を示すフローチャートである。図4または図5に示す手順と同様に、ユーザから充電開始の指示が与えられたときに、バッテリ制御部13が充電制御および温度制御を開始する。
【0057】
S21において、バッテリ制御部13は、温度センサT1の出力信号を利用してバッテリ11の温度を検出する。S22において、バッテリ制御部13は、温度センサT2の出力信号を利用して外気温を検出する。S23において、バッテリ制御部13は、バッテリ11のSOCを取得する。なお、現在のSOCの値は、例えば、不図示のメモリに記録されている。この場合、バッテリ制御部13は、そのメモリから現在のSOCの値を取得する。或いは、バッテリ制御部13は、バッテリ11のOCVに基づいてSOCを推定してもよい。
【0058】
S24において、バッテリ制御部13は、S22で検出した外気温およびS23で取得したSOCに対応する充電開始目標温度を取得する。充電開始目標温度は、図8に示す充電開始目標温度テーブルから取得することができる。ただし、バッテリ制御部13は、予め用意されている計算式に外気温およびSOCを与えることで充電開始目標温度を算出してもよい。
【0059】
S25において、バッテリ制御部13は、S21で検出したバッテリ11の温度と充電開始目標温度とを比較する。そして、バッテリ11の温度が充電開始目標温度以上であるときは、バッテリ制御部13の処理はS29に進む。一方、バッテリ11の温度が充電開始目標温度より低いときには、バッテリ制御部13は、S26においてヒータ12を発熱させる。これにより、バッテリ11の温度が上昇してゆく。この後、バッテリ制御部13は、S27においてバッテリ11の温度をモニタする。そして、バッテリ11の温度が充電開始目標温度以上になると、バッテリ制御部13は、S28においてヒータ12を停止する。
【0060】
なお、外気温が十分に高いときの充電中のバッテリ11の温度は、ヒータ12が停止していても、低下しないか、或いは、ゆっくりと低下する。よって、外気温が十分に高いときには、充電開始時のバッテリ11の温度が充電開始目標温度以下であっても、必ずしもヒータ12を使用する必要はない。すなわち、バッテリ制御部13は、バッテリ11の温度が充電開始目標温度より低く、且つ、外気温が所定の閾値より低いときに限って、S25~S26においてヒータ12を発熱させるようにしてもよい。
【0061】
S29~S30において、バッテリ制御部13は、バッテリ11の充電を実行する。この実施例では、充電方式は、特に限定されるものではないが、図2図3を参照して説明したCCCV方式でもよい。そして、電流指令値(または、充電器20からバッテリシステム10に供給される電流)が所定の充電終了電流まで減少すると、バッテリ制御部13は、バッテリ11が満充電状態になったと判定して充電を終了する。
【0062】
上記手順において、S29の処理は、S25においてバッテリ11の温度が充電開始目標温度以上であると判定されたときに実行される。また、S25においてバッテリ11の温度が充電開始目標温度より低いと判定されたときには、S26~S27においてバッテリ11の温度が充電開始目標温度以上にまで温められた後にS29が実行される。すなわち、いずれのケースであっても、バッテリ制御部13がバッテリ11の充電を実行する時点では、バッテリ11の温度は充電開始目標温度以上である。
【0063】
ここで、充電中は、ヒータ12は停止している。このため、バッテリ11の温度は充電中に徐々に低下してゆく。ただし、充電が実際に実行される時点でのバッテリ11の温度は、充電開始目標温度以上である。また、充電開始目標温度は、充電終了時のバッテリ11の温度が、充電効率が低下しはじめる閾値温度X1より高くなるように、外気温および充電開始時のSOCに応じて決定されている。したがって、バッテリ11の温度は、充電期間全体にわたって充電効率の良い領域に保持される。すなわち、効率の良い充電が実現される。
【0064】
加えて、充電中はヒータ12が停止しているので、バッテリ11に流れる充電電流は、電流指令値が表す電流と実質的に一致する。このため、電流指令値を利用して満充電判定を行う場合、その判定精度が良い。
【符号の説明】
【0065】
10 バッテリシステム
11 バッテリ
12 ヒータ
13 バッテリ制御部
20 充電器
21 電力回路
22 充電器制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9