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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180409
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】来客通知装置及び来客通知システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093701
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】高田 大嗣
(72)【発明者】
【氏名】脇山 晃希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】来客が発生している状況を店員に対して適切に通知する。
【解決手段】来客通知装置20は、店舗における対象エリアへの来客の状況を店員端末に対して来客通知を送信する来客通知装置であって、対象エリアにおける人物の来場及び退場に係る来客情報に基づいて、来客通知の送信要否を判定する判定部22と、判定部22における判定結果に基づいて、店員端末へ前記来客通知を送信する通知部23と、を有する。判定部22は、来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、来客情報によらず、来客通知の送信が不要であると判定する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知装置であって、
前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、
前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部を、
を有し、
前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する、来客通知装置。
【請求項2】
前記来客情報は、前記対象エリアに来場した人物を識別可能な情報を含む、請求項1に記載の来客通知装置。
【請求項3】
前記来客情報は、前記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報を含み、
前記判定部は、記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する、請求項2に記載の来客通知装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに所定時間滞在している場合に、来客通知の送信が必要であると判定する、請求項2または3に記載の来客通知装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに滞在していることに基づく前記来客通知の送信回数を規制するように、前記来客通知の送信要否を判定する、請求項2または3に記載の来客通知装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記来客情報が前記対象エリアに滞在している人物の数が複数であることを特定する情報を含んでいる場合であっても、1通の前記来客通知の送信要否を判定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の来客通知装置。
【請求項7】
撮像装置と、来客通知装置とを含み、店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知システムであって、
前記撮像装置は、
前記対象エリアを撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報を作成する来客情報作成部と、
前記来客情報を前記来客通知装置へ送信する送信部と、
を有し、
前記来客通知装置は、
前記来客情報を取得する取得部と、
前記来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、
前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部と、
を有し、
前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する、来客通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、来客通知装置及び来客通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等における顧客の滞留状態は、店舗の運営に影響し得る。この点について、特許文献1では、測定エリアにおける人物の滞留時間を測定するための手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5683663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、店舗において人物が滞在している場合には、店員による応対が必要な場合がある。しかしながら、特許文献1に記載の手法によれば、人物の滞在時間を測定することができるものの、店員の応対を促すことは想定されていなかった。
【0005】
本開示は上記を鑑みてなされたものであり、来客が発生している状況を店員に対して適切に通知することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る来客通知装置は、店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知装置であって、前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部を、を有し、前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する。
【0007】
上記の来客通知装置によれば、対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報に基づいて、必要に応じて店員端末へ来客通知が送信されるため、店員端末を所持する店員に対して来客を通知することができる。また、来客通知装置は、来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は来客通知の送信が不要であると判定するため、来客通知が頻繁に店員端末へ送信されることも防ぐことができ、店員への来客の通知を適切に行うことができる。
【0008】
ここで、前記来客情報は、前記対象エリアに来場した人物を識別可能な情報を含む態様であってもよい。
【0009】
上記のように、来客情報が対象エリアに来場した人物を識別可能な情報を含むことで、来客通知装置の判定部では、来場した人物毎の情報を考慮して、来客通知の送信要否を判定することができる。したがって、店員への来客の通知をより適切に行うことができる。
【0010】
前記来客情報は、前記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報を含み、前記判定部は、記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する態様であってもよい。
【0011】
上記のように、判定部は、来客情報に含まれる、対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報に基づいて来客通知の送信要否を判定する構成とすることで、人物ごとの対象エリアへの入退場に係る行動をふまえて来客通知の送信要否を判定することができる。したがって、店員への来客の通知をより適切に行うことができる。
【0012】
前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに所定時間滞在している場合に、来客通知の送信が必要であると判定する態様であってもよい。
【0013】
上記の構成とすることで、例えば、来場後にすぐ退場した人物に基づいた来客通知が店員端末に送信されることが防がれる。したがって、店員が対応できない来客に基づく来客通知の送信を防ぐことができる。
【0014】
前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに滞在していることに基づく前記来客通知の送信回数を規制するように、前記来客通知の送信要否を判定する態様としてもよい。
【0015】
上記の構成とすることで、同一人物が対象エリアに長時間滞在している場合に、当該人物に係る来客通知を店員端末に対して送信することが防がれる。したがって、店員への過剰な来客の通知を防ぐことができる。
【0016】
前記判定部は、前記来客情報が前記対象エリアに滞在している人物の数が複数であることを特定する情報を含んでいる場合であっても、1通の前記来客通知の送信要否を判定する態様であってもよい。
【0017】
上記の構成とすることで、例えば、多数の人物が対象エリアにいる場合に、複数の来客通知が店員端末へ送信されることが防がれるため、通信量を削減できることに加えて店員への過剰な来客の通知を防ぐことができる。
【0018】
本開示の一形態に係る来客通知システムは、撮像装置と、来客通知装置とを含み、店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知システムであって、前記撮像装置は、前記対象エリアを撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報を作成する来客情報作成部と、前記来客情報を前記来客通知装置へ送信する送信部と、を有し、前記来客通知装置は、前記来客情報を取得する取得部と、前記来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部と、を有し、前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する。
【0019】
上記の来客通知システムによれば、撮像装置が対象エリアを撮像することによって、撮像された画像に基づいて対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報が作成され、来客通知装置へ送信される。一方、来客通知装置では、来客情報に基づいて、必要に応じて店員端末へ来客通知が送信されるため、店員端末を所持する店員に対して来客を通知することができる。また、来客通知装置においては、来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は来客通知の送信が不要であると判定するため、来客通知が頻繁に店員端末へ送信されることも防ぐことができ、店員への来客の通知を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、来客が発生している状況を店員に対して適切に通知することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、一実施形態に係る来客通知システムの概要を説明する図である。
図2図2は、来客通知システムの機能構成を説明する図である。
図3図3は、来客通知装置のうち管理DBに保持される情報の一例を示す図である。
図4図4は、店内カメラ、来客通知装置、及び店員端末のハードウェア構成を示す図である。
図5図5は、来客通知装置における来客通知方法の一例を説明するフロー図である。
図6図6は、来客通知の運用例を示す図である。
図7図7は、来客通知の運用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[来客通知システムの概要]
図1は、一実施形態に係る来客通知システムに係る概要を説明する図である。来客通知システム1は、店舗への来客を検知し、小型端末を介して店員が通知するシステムである。また、来客通知システム1は、例えば、来客を検出するための店内カメラ10(撮像装置)と、店員への通知要否を判定し、店員への通知を実行する来客通知装置20と、店員が所持する店員端末30とを含んで構成される。
【0024】
店内カメラ10は、来客の検知を行いたい対象となる対象エリアA(例えば、店舗内の特定の売り場等)の撮像を行う。店内カメラ10は動画を撮像してもよいし、所定間隔(例えば、数秒~1分毎)をあけて静止画を繰り返し撮像してもよい。店内カメラ10は、撮像した画像R中の人物の有無、また、その人物が同一人物であるかを特定する機能を有しているとする。したがって、店内カメラ10は、所定のタイミングに、撮像した画像R内に人物(例えば、人物P1)が含まれているか、また、その人物が店内にどのくらいの時間滞在しているかを特定する。店内カメラ10において特定されたこれらの情報は来客通知装置20へ送信される。
【0025】
来客通知装置20は、店内カメラ10から送信された情報に基づいて、店員端末30に対して来客があったことを通知する必要があるかを判定し、その結果に基づいて、店員端末30に対して来客を通知する。本実施形態では、店員端末30に対して送信する、来客がいることを通知すると共に来客対応を要求するための通知を「来客通知」という。来客通知装置20は、画像R内に人物P1がいる情報に基づいて店員端末30に対して来客通知を送信するが、同一人物P1に係る来客通知を過剰に通知することを防ぐ制御を行う。本実施形態では、同一人物P1に係る来客通知の送信を2回まで、と設定した場合について説明する。また、来客通知を店員端末30に送信した際には、店員が店舗での来客対応を開始することを想定して、来客通知を一旦送信した後には所定時間は来客通知を再送しないという制御を行う。本実施形態では、一度店員端末30に対して来客通知を送信した後、5分間は来客通知を店員端末30へ送信しない、と設定した場合について説明する。これらの制御内容の詳細については後述する。
【0026】
店員端末30は、例えば、対象のエリアの担当の店員P2が携帯する端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。また、来客通知を受信できればよいという観点から、無線呼び出し機を店員端末30として用いてもよい。なお、来客通知装置20から店員端末30への来客通知は、例えば、来客通知装置20から店員端末30へ来客を検知したことを示す電子メールを送信することによって行われる。ただし、来客通知方法として、電子メールの送信に代えて、ショートメッセージ(SMS)の送信、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)におけるメッセージ送信、音声による通知(例えば、端末の鳴動)等の種々の方法を用いることができる。店員P2は、店員P2自身が対象エリアAから離れている場合であっても、来客通知装置20から店員端末30へ来客通知の受信を契機として来客対応が必要であることを認識して、対象エリアAへ移動して対応することが可能となる。
【0027】
店内カメラ10と来客通知装置20との間は、有線または無線による通信が可能とされている。また、来客通知装置20と店員端末30との間は、無線による通信が可能とされている。
【0028】
[来客通知システム]
図2を参照しながら、来客通知システム1の各部についてさらに説明する。図2は来客通知システム1を構成する店内カメラ10、来客通知装置20及び店員端末30の機能構成を説明する図である。
【0029】
図2に示すように、店内カメラ10は、撮像部11、来客情報作成部12及び送信部13を含んで構成される。
【0030】
撮像部11は、店舗内の特定のエリア(対象エリアA)を撮像する機能を有する。上述したように、撮像部11は、対象エリアAにおける来客の有無及びその変化を時系列に沿って記録する。そのため、撮像部11は、対象エリアAに係る動画を撮像してもよいし、静止画を繰り返し撮像してもよい。撮像部11による動作の結果、時系列に沿って同一の対象エリアAを撮像した画像が複数収集されることになる。これらの画像情報は、撮像部11から来客情報作成部12へ送られる。
【0031】
来客情報作成部12は、撮像部11が撮像した画像の中から人物像を検出し、対象エリアAに滞在している人物に係る情報である来客情報を作成する機能を有する。撮像部11が撮像した画像の中から人物像を検出する手法としては、公知の画像処理を用いた公知の人物検出手法を用いることができる。人物を特定した場合、当該人物が時系列に沿って取得された過去の画像と同一の人物であるかを、例えば顔画像のパターンマッチング等の公知の手法を用いて特定する。来客情報作成部12は、画像から特定された人物について、人物毎に識別できるように、ID等の識別情報を付与する。その上で、時系列に沿って取得された複数の画像から、同一人物が撮像されている画像を特定することで、当該人物が滞在している時間帯を特定する。来客情報作成部12において特定された人物及びその滞在時間に係る情報が来客情報となる。一例として、来客情報はある人物が対象エリアAに来場してから退場するまでの情報であり、入店する人物毎に生成される情報とすることができる。また、複数の人物に係る来客情報を1つのシート等にまとめることで1つのデータとして管理することとしてもよい。来客情報は、例えば、図示しない記憶部において保持されていてもよい。
【0032】
なお、来客情報作成部12は、人物の画像から当該人物の属性(例えば、性別、年齢層等)を推定する処理をさらに行ってもよい。このような処理を行う場合、推定結果は、上記の人物を特定する情報及びその滞在時間に係る情報に対応付けた状態で保持されていてもよい。
【0033】
送信部13は、来客情報作成部12において特定された人物の滞在時間に係る情報を来客情報として来客通知装置20へ送信する。送信部13から来客通知装置20への来客情報の送信タイミングは特に限定されないが、所定の間隔(例えば、数秒~1分程度)毎に定期的に送信する構成としてもよい。また、送信部13は、店内カメラ10で保持されている来客情報のうち、前回送信した後に更新された情報のみを来客通知装置20へ送信する構成としてもよい。なお、送信部13から来客通知装置20へ向けて、撮像部11で撮像された画像についても送信する構成としてもよい。
【0034】
来客通知装置20は、取得部21、判定部22、通知部23、出力部24及び管理DB25を含んで構成される。
【0035】
取得部21は、店内カメラ10から送信される来客情報を取得する機能を有する。取得した来客情報は判定部22へ送られる。また、取得部21において取得した情報は管理DB25において保持される。
【0036】
判定部22は、取得部21から送られる来客情報に基づいて、店員端末30に対して来客通知を送信するかを判定する機能を有する。判定部22による判定の詳細については、後述する。
【0037】
通知部23は、判定部22によって来客通知を送信すると判定された場合に、店員端末30に対して来客通知を送信する機能を有する。
【0038】
出力部24は、通知部23による店員端末30への送信ログ等、管理DB25において保持される情報を出力する機能を有する。出力先は特に限定されず、来客通知装置20に接続されたモニタまたはプリンタ等であってもよいし、外部装置であってもよい。
【0039】
管理DB25は、店内カメラ10から送信される来客情報と、来客通知を送信した場合の日時を特定する情報と、を保持する機能を有する。
【0040】
管理DB25において保持される情報の例を図3に示す。図3に示す例では、画像Rに含まれる人物を特定する情報(人物ID)に対応付けて、店内カメラ10において当該人物を認識した時刻(来場認識時刻)、当該人物が画像Rから退場した(すなわち、対象エリアAから不在となった)時刻(退場認識時刻)、当該人物に係る来客通知を送信した日時(通知送信ログ)、及び、人物属性(例えば、性別、年齢層の推定結果)、が対応付けられている。これらの情報のうち、人物ID、来場認識時刻、退場認識時刻、及び人物属性は、店内カメラ10から送信される情報である。退場認識時刻が入力されていない人物は、現在も対象エリアAに滞在している人物であるか、または、画像処理等の問題から店内カメラ10において当該人物が退場したことを認識できなかった人物である。
【0041】
来客通知ログは、図3に示されるように、特定の人物(例えば人物ID)に対応付けて保持される。これは、本実施形態では、特定の人物に基づく来客通知を送信する回数に制限を設けているためである。また、来客通知ログに関しては、来客通知を送信した時刻が保持される。これは、本実施形態では、来客通知を送信する間隔に制限を設けているためである。したがって、判定部22は、これらの情報も参照して、来客通知の送信要否を判定する。判定部22による判定の結果来客通知を送信した場合には、図3に示される来客通知ログに係る情報が入力される。すなわち、図3に示される来客通知ログは、来客通知装置20における処理の結果入力される情報である。
【0042】
図2に戻り、店員端末30は、受信部31と、表示部32(提示部)とを含んで構成される。
【0043】
受信部31は、来客通知装置20から送信される来客通知を受信する機能を有する。また、表示部32は、来客通知を表示し、所持者である店員P2に対して来客通知の受信を通知する機能を有する。なお、来客通知の種類によっては、表示部32に代えて音声出力部等によって来客通知の受信が店員P2に対して通知する構成とされる。
【0044】
[店内カメラ、来客通知装置、及び店員端末のハードウェア構成]
図4は、店内カメラ10、来客通知装置20、及び店員端末30に用いられるコンピュータ110のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ110は制御回路100を有する。一例では、制御回路100は、一つまたは複数のプロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信ポート104と、入出力ポート105とを有する。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。ストレージ103はハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、または取り出し可能な媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスクなど)の記憶媒体で構成され、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。メモリ102は、ストレージ103からロードされたプログラム、またはプロセッサ101による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ101は、メモリ102と協働してプログラムを実行することで、個々の機能モジュールとして機能する。通信ポート104は、プロセッサ101からの指令に従って、通信ネットワークNWを介して他の装置との間でデータ通信を行う。入出力ポート105は、プロセッサ101からの指令に従って、キーボード、マウス、モニタ、タッチパネルなどの入出力装置(ユーザインタフェース)との間で電気信号の入出力を実行する。
【0045】
ストレージ103は、コンピュータ110を店内カメラ10等の上述の各装置として機能させるためのプログラム120を記憶する。プロセッサ101がこのプログラム120を実行することで、店内カメラ10等の上述の各装置の各機能モジュールが実現される。プログラム120は、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの非一時的な記録媒体に固定的に記録された上で提供されていてもよい。あるいは、プログラム120は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0046】
なお、店内カメラ10等の上述の各装置は一つまたは複数のコンピュータ110によって構成されていてもよい。特に来客通知装置20は、複数のコンピュータ110によって構成される場合が想定される。店内カメラ10等が複数のコンピュータ110から構成されている場合、複数のコンピュータ110は、分散配置していてもよく、これらが相互に通信ネットワークNWを介して接続されていてもよい。このように、店内カメラ10等が複数のコンピュータ110が用いられる場合には、通信ネットワークNWを介してこれらのコンピュータ110が互いに接続されることで論理的に1つの店内カメラ10等が構成される。店内カメラ10等として機能するコンピュータ110は限定されない。例えば、店内カメラ10等は大型のコンピュータ110で構成されていてもよいし、パーソナルコンピュータなどの小型のコンピュータ110で構成されていても良い。
【0047】
コンピュータ110を来客通知装置20として機能させるためのプログラムは、例えば、対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報を取得する機能と、来客情報に基づいて、来客通知の送信要否を判定する判定する機能と、判定部における判定結果に基づいて店員端末30へ来客通知を送信する機能と、をコンピュータに実行させる。
【0048】
[来客通知システムの動作方法]
次に、図5を参照しながら、来客通知システム1のうち来客通知装置20における来客通知方法について説明する。
【0049】
まず、来客通知装置20の取得部21は、店内カメラ10から来客情報を取得する(ステップS01)。取得された来客情報は管理DB25において保持される。
【0050】
次に、判定部22は、来客情報に基づいて、来客通知を送信するか否かを判定する。以降の動作は、必ずしも来客情報の取得の後に行われなくてもよいが、定期的に行われる。例えば、判定部22による来客通知の送信要否の判定処理及び来客通知の送信処理(ステップS02~S08)は、数十秒~数分おきに繰り返し行われる。
【0051】
まず、判定部22は、管理DB25を参照し、現在滞在していると推定される人物が、1分以上滞在しているかを判定する(ステップS02)。1分以上滞在しているか否かの判定は、図3に示す情報のうち、退場認識時刻が未入力であって、来場認識時刻と現在時刻との差が60秒以上の人物がいるかによって行われる。図3に示す例では、人物ID00004及び人物ID00005の人物が1分以上滞在している可能性があると判断できる。その上で、現在時刻との差が60秒以上ある場合には、滞在者がいる(S02-YES)と判定する。一方、上記に該当する人物がいない(S02-NO)の場合には、来客通知不要と判定する(ステップS03)。この場合、以降の処理は行わない。
【0052】
なお、この判定の段階以降、所定時間(例えば、15分)以上滞在していると推定される人物については、以降の判定を行う対象となる人物として取り扱わない構成としてもよい。上述したように、図3に示すように、退場認識時刻が入力されていない人物は、現在も対象エリアAに滞在している人物であるか、または、画像処理等の問題から店内カメラ10において当該人物が退場したことを認識できなかった人物である。後者を対象エリアAに滞在しているとして取り扱うと、退場認識時刻が入力されていない人物がどんどん増えていくことになり、対象エリアAに滞在している人と推定される人が増加していくことになり、毎回の判定処理時の処理量が増大する可能性がある。そこで、例えば、退場認識時刻が入力されていない人物のうち所定時間以上滞在していると推定される人物は、以降の判定を行う際の対象人物としないこととすることによって、判定処理が煩雑になることを防ぐことができる。
【0053】
次に、判定部22は、前回の通知から5分経過しているかを判定する(ステップS04)。前回の通知から5分経過しているか否かの判定は、図3に示す情報のうち、最新の通知送信ログから現在時刻が5分経過しているかに基づいて判定される。図3に示す例では、人物ID00004及び人物ID00005に対応付けて保持されている通知ログが最新の通知ログであるため、この通知ログと現在時刻との差分に基づいて、前回の通知から5分経過しているかの判定が行われる。ただし、判定部22における判定処理に特定時間(例えば、数秒~数十秒)が必要であることが想定されている場合には、その時間を考慮した判定が行われる。前回の通知から5分以上経過している(S04-YES)場合には、次の判定に進む。一方、上記に5分経過していない(S04-NO)の場合には、来客通知不要と判定する(ステップS03)。
【0054】
次に、判定部22は、現在滞在している来客が、前回来客通知を行った際に対象とした来客と別の人物か否かを判定する(ステップS05)現在滞在している来客が、前回来客通知を行った際に対象とした来客と別の人物か否かの判定は、図3に示す情報のうち、最新の通知送信ログが保持されている人物と、現在滞在していると特定された人物とが別の人物であるかに基づいて判定される。図3に示す例では、人物ID00004及び人物ID00005に対応付けて保持されている通知ログが最新の通知ログであり、これらの人物は現在も滞在していると推定されている。したがって、図3に示す例では、別の人物ではない(S05-NO)と判定される。
【0055】
この場合、判定部22は、当該人物に基づく来客通知は3回目となるか否かを判定する(ステップS06)。当該人物に基づく来客通知は3回目となるか否かの判定は、図3に示す情報のうち、対応する人物に対応付けて保持されている通知送信ログが2つあるか否かに基づいて判定される。既に通知送信ログが2つある場合には、次回来客通知を行うとなると当該人物に基づく来客通知が3回目となる。図3に示す例では、人物ID00004及び人物ID00005に対応付けて保持されている通知ログは1つであるため、次回来客通知を送信したとしても3回目にならない(S06-NO)と判定する。一方、次回の来客通知が3回目になる(S06-YES)場合には、来客通知不要と判定する(ステップS03)。
【0056】
現在滞在している来客が、前回来客通知を行った際に滞在していると推定した人物(来客通知の対象とした来客)と別の人物である(S05-YES)、または、前回来客通知を行った際に対象とした来客と同一人物であるが、3回目にはあたらない(S06-NO)と判定した場合には、判定部22は、来客通知を送信するように通知部23へ指示を行う(ステップS07)。これにより、通知部23は、店員端末30へ向けて来客通知を行う。
【0057】
さらに、通知部23により来客通知が行われた場合には、管理DB25の情報に通知送信ログが追加されることから、管理DB25の情報が更新される。(ステップS08)。
【0058】
以上の結果、判定部22による来客通知の送信要否の判定処理及び来客通知の送信処理(ステップS02~S08)が終了する。この一連の処理(ステップS02~S08)は、上述のように定期的に行われる。
【0059】
なお、一度の一連の処理(ステップS02~S08)の結果、1つの店員端末30に対して送信される来客通知は1通である。したがって、図3に示すように、2人の人物が来客として滞在されると推定される場合であっても、来客通知は1通のみ送信すると判定される。
【0060】
また、複数の来客が滞在していると推定される条件では、複数の来客のうちについて個別に上記判定を行い、上記の判定の結果来客通知しない(S03)と判定された来客が1名でもいれば、来客通知を送信しないと判定してもよい。ただし、例えば複数の来客が同時に来店していて、一部の来客が長期に滞在しているために、他の来客についても来客通知不要と判定してしまう場合もある。そのようなケースを想定して、例えば、現在滞在している来客が、前回来客通知を行った際に滞在していると推定した人物(来客通知の対象とした来客)と別の人物である(S05-YES)、または、前回来客通知を行った際に対象とした来客と同一人物であるが、3回目にはあたらない(S06-NO)条件を満たす者が1名でもいれば、来客通知を送信する構成としてもよい。
【0061】
上記の手法で判定した場合の実際の動作の例を図6及び図7を参照しながら説明する。図6では、4つのケース(ケース1~4)を示し、図7では、2つのケース(ケース5,6)を示している。図6及び図7では、1分毎に、来客通知装置20による来客通知要否に係る一連の処理が行われる場合を想定している。すなわち、判定部22による判定処理が1分毎に行われる。図中の滞在時間Tpは、来客が滞在している時間帯を示し、処理時間T1は、来客通知装置20において来客通知の送信要否を判定している処理の時間帯を示し、通知禁止時間T2は、来客通知を送信した後の5分間、すなわち、来客通知を改めて送ることが禁止される時間帯を示している。
【0062】
まず、図6に示すケース1では、0分時点で来客が発生していたが、この段階では、滞在時間が1分を超えていなかったので、来客通知不要と判定されている。また、この来客は、1分以内に退場したので、1分後の処理の時点では来客通知要否判定の対象者となっていない。
【0063】
ケース2では、0分時点で来客が発生していて、1分後の処理(来客通知装置20による通知要否の判定)で来客通知の送信が必要と判定され、来客通知Mを送信することが示されている。ただし、その後の通知禁止時間T2の間に来客が退場しているため、2回目の来客通知は送信されていない。
【0064】
ケース3では、0分時点で来客が発生していて、1分後の処理で来客通知の送信が必要と判定され、来客通知Mを送信することが示されている。さらに、この来客は通知禁止時間T2の5分が経過した後も滞在していたため、2回目の来客通知Mが送信されている。ただし、同一の来客に対する3回目の来客通知は送信しないこととされているため、2回目の通知禁止時間T2が経過した後には、来客通知は送信されていない。
【0065】
ケース4は、0分時点で来客が発生していないため、1分後の処理では来客通知が不要と判定されていて、2分後の処理で来客通知Mを送信することが示されている。さらに、この来客は通知禁止時間T2の5分が経過した後も滞在していたため、2回目の来客通知Mが送信されている。
【0066】
ケース1~4に示すように、1分以上滞在する来客がいる場合には来客通知を送信することで、ある程度対象エリアAに興味を持っている来客が滞在していると推定されるときに限定して来客通知を店員端末30へ送信することができる。また、ケース4のように、来客のタイミングによっては、1回目の来客通知を送信するタイミングが変わる。さらに、5分の通知禁止時間T2を経過した後に同一人物に対して2回目の来客通知は送信されるものの、3回目の来客通知は送信されない。ケース3のように来客の滞在時間が長い場合には、既に店員が来客対応を開始している可能性が高いので、この来客に係る来客通知を送信することを抑制する制御を行うことで、店員端末30への過剰な通知を減らすことができる。
【0067】
次に、図7では、2名の来客が重なっている場合について説明する。図7のケース5では、0分時点で来客P3が来場していて、1分後の処理で来客通知が必要と判定され、来客通知Mを送信することが示されている。さらに、この来客は通知禁止時間T2の5分が経過した後も滞在していたため、2回目の来客通知Mが送信されている。ただし、二人目の来客P4は、通知禁止時間T2の間に来場し退場している。したがって、来客P4に対しての来客通知は送信されていない。
【0068】
ケース6では、0分時点で来客P5が来場していて、1分後の処理で来客通知が必要と判定され、来客通知Mを送信することが示されている。さらに、この来客は通知禁止時間T2の5分が経過した後も滞在していたため、2回目の来客通知Mが送信されている。一方、二人目の来客P6は、一度目の通知禁止時間T2の間に来場しているため、この通知禁止時間T2が経過するまでは来客P6に基づく来客通知は送信されない。一方、2回目の来客通知Mの送信時には、来客P5だけでなく、来客P6が滞在しているという点にもと基づいて来客通知Mが送信されることになる。つまりこの段階では、前回来客通知を行った際に滞在していると推定した人物(来客通知の対象とした来客)と別の人物である(S05-YES)、または、前回来客通知を行った際に対象とした来客と同一人物であるが、3回目にはあたらない(S06-NO)条件を満たす者が2名いることになる。さらに、2回目の通知禁止時間T2が経過した後は、来客P5に着目すると、3回目の来客通知Mの送信機会となるため、来客通知Mは不要と判定される。一方、来客P6に着目すると、2回目の来客通知Mの送信機会となるため、来客通知Mは必要と判定される。したがって、0分から数えて3回目の来客通知Mが送信される。3回目の来客通知Mは、前回来客通知を行った際に滞在していると推定した人物(来客通知の対象とした来客)と別の人物である(S05-YES)、または、前回来客通知を行った際に対象とした来客と同一人物であるが、3回目にはあたらない(S06-NO)条件を満たす来客が1名(来客P6)いるという条件で来客通知を送信することになる。
【0069】
このように、来客の数が増えた状態では、来客通知装置20から店員端末30への来客通知を送信する条件を個別に判断する必要がある。本実施形態の例では、同一人物に着目した来客通知の送信は2回までとし、来客通知の送信後5分間は来客通知の送信を規制する構成とすることで、店員端末30への過剰な来客通知の送信が抑制されている。ただし、上記の例では、同一人物に着目した来客通知の3回目以降の送信を制限しているが、この来客通知を規制する回数は変更することができる。また、例えば、来客通知を行う対象とする滞在時間(来場してからどのくらいの間来客通知を行うかを特定する時間)と、来客通知を規制する通知禁止時間T2とに基づいて、来客通知の送信回数を決定する態様としてもよい。
【0070】
[作用]
上記実施形態で説明したように、来客通知装置20を含む来客通知システム1によれば、撮像装置として機能する店内カメラ10が対象エリアAを撮像することによって、撮像された画像に基づいて対象エリアAにおける人物の来場状況に係る来客情報が作成され、来客通知装置20へ送信される。一方、来客通知装置20では、来客情報に基づいて、判定部22による判定結果に基づいて、必要に応じて店員端末30へ来客通知が送信されるため、店員端末30を所持する店員に対して来客を通知することができる。また、来客通知装置20においては、来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は来客通知の送信が不要であると判定するため、来客通知が頻繁に店員端末30へ送信されることも防ぐことができ、店員への来客の通知を適切に行うことができる。
【0071】
また、上記実施形態における人物Iのように、来客情報が対象エリアAに来場した人物を識別可能な情報を含む構成とすることで、来客通知装置20の判定部22では、来場した人物毎の情報を考慮して、来客通知の送信要否を判定することができる。したがって、店員への来客の通知をより適切に行うことができる。
【0072】
また、判定部22は、来客情報に含まれる、対象エリアAへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報に基づいて来客通知の送信要否を判定する構成であってもよい。このような構成とすることで、人物ごとの対象エリアAへの入退場に係る行動をふまえて来客通知の送信要否を判定することができることから、店員への来客の通知をより適切に行うことができる。
【0073】
また、判定部22は、来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が対象エリアAに所定時間滞在している場合に、来客通知の送信が必要であると判定してもよい。例えば、上記実施形態では、1分以上滞在している人物に対しては来客の通知が必要と判定している。このような構成とすることで、例えば、来場後にすぐ退場した人物に基づいた来客通知が店員端末30に送信されることが防がれる。したがって、店員が対応できない来客について、来客通知を送信することを防ぐことができる。
【0074】
判定部22は、来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアAに滞在していることに基づく来客通知の送信回数を規制するように、来客通知の送信要否を判定してもよい。例えば、上記実施形態では、同一人物に係る来客通知は、2回までとし、3回以上の来客通知の送信は規制している。このような構成とすることで、同一人物が対象エリアAに長時間滞在している場合に、当該人物に係る来客通知を店員端末30に対して送信することが防がれる。したがって、店員への過剰な来客の通知を防ぐことができる。
【0075】
また、判定部22は、来客情報が対象エリアAに滞在している人物の数が複数であることを特定する情報を含んでいる場合であっても、1通の前記来客通知の送信要否を判定することとしてもよい。このような構成とすることで、例えば、多数の人物が対象エリアAにいる場合に、複数の来客通知が店員端末30へ送信されることが防がれるため、通信量を削減できることに加えて店員への過剰な来客の通知を防ぐことができる。
【0076】
[変形例]
以上、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0077】
例えば、上記実施形態では、来客通知の送信先の店員端末30が1台であることを前提としたが、複数の店員端末30に対して来客通知を送信する構成であってもよい。このとき、複数の店員端末30に対して来客通知を一斉に送信する構成としてもよい。また、別の手法として、例えば、来客通知装置20側で店員端末30の場所を把握できる場合には、対象エリアAに位置する店員端末30に対しては来客通知を送信せず、対象エリアBに位置する店員端末30に対しては来客通知を送信するなど、複数の店員端末30のそれぞれについて来客通知の送信を個別に判定する処理を加えてもよい。
【0078】
図5に示した来客通知装置20の判定部22における判定ロジックは一例であって、適宜変更される。また、滞在時間に基づく送信要否の判定(例えば、1分)、来客通知の送信を規制する通知禁止時間(例えば、5分)、同一人物に係る来客通知の送信回数の設定(例えば、2回まで)等の各種設定は、対象エリアAの状況等に応じて適宜変更される。
【0079】
また、上記実施形態では、撮像装置としての店内カメラ10において、来客情報を作製する場合について説明したが、来客情報の作成自体を来客通知装置20において行う構成としてもよい。この場合、店内カメラ10は、撮像した画像情報を来客通知装置20に対して送信し、来客通知装置20において、来客情報に対応する対象エリアAにおける来客の有無を特定する情報を作製する構成としてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、撮像装置としての店内カメラ10が画像を取得し、画像に基づいて来客情報が作成される場合について説明した。ただし、対象エリアAにおける人物の来場状況に係る来客情報は、画像に基づいて作成されていなくてもよい。例えば、対象エリアAにおける人物の来場状況を、画像とは別の手法で把握することができるのであれば、その情報を用いて来客情報を作成してもよい。一例としては、対象エリアAの温度を検知することができるサーモセンサを配置し、所定の温度(一般的な体温の範囲)の物体を対象エリアA内で検知した場合には人物がいる、というように判定する構成としてもよい。また、人物として検出された物体の温度分布等に基づくパターンマッチング等により、対象エリアA内に滞在している個人を識別する構成としてもよい。
【0081】
また、特定の人物に係る来客情報を作成する条件は適宜変更してもよい。例えば、来場認識時刻からの経過時間が最小滞在時間以上で最大滞在時間以下である場合に、対象エリアA内に滞在している人物に係る通知を実施する構成としてもよい。すなわち、滞在時間の条件を考慮して、店員端末30への来客通知の要否に係る判定を行ってもよい。
【0082】
また、来客情報作成部12において特定の人物の滞在時間を算出する場合の具体的な算出手順は適宜変更してもよい。
【0083】
また、特定の人物の滞在時間に着目する上記の構成とは別の手法で、来客通知の要否に係る判定を行ってもよい。例えば、上記実施形態では、店内カメラ10から送信される画像に時系列に沿って取得された複数の画像から、同一人物が撮像されている画像を特定することで、当該人物が滞在している時間帯を特定する場合にについて説明した。しかしながら、店内カメラ10の撮像範囲が何らかの物体または人物等によって塞がれる場合、または、店内カメラ10によって画像は取得したものの人物の特定処理がうまくいかなかった場合等、店内カメラ10が想定通りに動作しないために滞在時間を適切に特定できないことが考えられる。このような店内カメラ10の状態によっては、同一人物が対象エリアAに滞在しているものの、画像に写らない時間が発生することによって、滞在時間が短いと判定され、来客通知が送信されなくなる可能性がある。このような状態を考慮して、判定部22では、対象エリアAに滞在する全ての来客に係る滞在時間を合計し、この合計の値に基づいて来客通知の要否を判定する構成としてもよい。具体的には、来客毎の滞在時間に基づいて来客通知の要否を判定することに代えて、判定のタイミングにおいて対象エリアAに滞在すると判断される全ての人物の滞在時間を合計し、その滞在時間の合計値が規定時間(閾値)を超えている場合に来客通知を送信すると判定する態様としてもよい。滞在時間の合計の対象となる人物(客)には、前回の来客通知送信要否の判定から今回の判定までの間に退場時刻が新たに記録された人物も含まれ得る。
【0084】
上記のように、対象エリアAに滞在する人物全員の合計時間に着目した構成とする場合、例えば、店内カメラ10の状態等に由来して滞在時間が短いと取り扱われている来客の数が多くなっている状態でも、滞在時間の合計値が規定時間よりも大きくなるため、来客通知の送信が必要であると判定され得る。したがって、判定部22では来客通知の要否の判定をより柔軟に行うことができる。ただし、特定の人物を認識できない時間が十分に大きい場合には、当該人物が対象エリアAから一旦退場している可能性もある。したがって、滞在時間を合算する条件として、画像から認識できなかった時間の上限を設定しておくこととしてもよい。なお、対象エリアAに滞在する全ての来客の滞在時間の合計に着目した制御と、上記実施形態で説明した特定の人物の滞在時間に着目した制御と、を組み合わせてもよい。
【0085】
また、撮像装置としての店内カメラ10を用いた構成の場合、例えば、顔認識等の技術を用いて対象エリアA内での店員の有無をさらに検出する構成としてもよい。このとき、対象エリアA内に店員の存在が確認できない場合には、上記実施形態で説明した判定部22による判定処理を行う構成としてもよい。
【0086】
[付記]
本開示は以下の発明に関する。
[1]店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知装置であって、
前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、
前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部を、
を有し、
前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する、来客通知装置。
[2]前記来客情報は、前記対象エリアに来場した人物を識別可能な情報を含む、[1]に記載の来客通知装置。
[3]前記来客情報は、前記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報を含み、
前記判定部は、記対象エリアへの人物ごとの来場時間を特定する情報及び退場時間を特定する情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する、[2に記載の来客通知装置。
[4]前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに所定時間滞在している場合に、来客通知の送信が必要であると判定する、[2]または[3]に記載の来客通知装置。
[5]前記判定部は、前記来客情報に含まれる人物を識別可能な情報に基づいて、同一人物が前記対象エリアに滞在していることに基づく前記来客通知の送信回数を規制するように、前記来客通知の送信要否を判定する、[2]~[4]のいずれかに記載の来客通知装置。
[6]前記判定部は、前記来客情報が前記対象エリアに滞在している人物の数が複数であることを特定する情報を含んでいる場合であっても、1通の前記来客通知の送信要否を判定する、[1]~[5]のいずれかに記載の来客通知装置。
[7]撮像装置と、来客通知装置とを含み、店舗の対象エリアに来客が発生している場合に、店員が所持する店員端末に対して来客通知を送信する来客通知システムであって、
前記撮像装置は、
前記対象エリアを撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像に基づいて、前記対象エリアにおける人物の来場状況に係る来客情報を作成する来客情報作成部と、
前記来客情報を前記来客通知装置へ送信する送信部と、
を有し、
前記来客通知装置は、
前記来客情報を取得する取得部と、
前記来客情報に基づいて、前記来客通知の送信要否を判定する判定部と、
前記判定部における判定結果に基づいて前記店員端末へ前記来客通知を送信する通知部と、
を有し、
前記判定部は、前記来客通知の送信が必要と判定した後所定時間は、前記来客情報によらず、前記来客通知の送信が不要であると判定する、来客通知システム。
【符号の説明】
【0087】
1…来客通知システム、10…店内カメラ(撮像装置)、11…撮像部、12…来客情報作成部、13…送信部、20…来客通知装置、21…取得部、22…判定部、23…通知部、24…出力部、30…店員端末、31…受信部、32…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7