(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180415
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】メッシュネットワーク装置間情報共有システム、メッシュエージェント、メッシュコントローラ、装置間情報共有方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/046 20220101AFI20231214BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231214BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20231214BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20231214BHJP
H04L 41/06 20220101ALI20231214BHJP
【FI】
H04L41/046
H04W84/12
H04W24/10
H04W88/18
H04L41/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093713
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】永山 智章
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH23
5K067LL01
(57)【要約】
【課題】メッシュネットワークを構成する構成装置の故障態様によらず、故障原因を推測および/または特定できる可能性を高める。
【解決手段】それぞれメッシュネットワーク内に配置された、メッシュコントローラと、第一メッシュエージェントと、第二メッシュエージェントと、を備え、第一メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、第一装置情報を収集し、記憶するとともに、第一メッシュエージェントを識別する第一識別情報とともにメッシュコントローラに送信し、メッシュコントローラは、第一装置情報および第一識別情報を、メッシュコントローラに記憶するとともに、第二メッシュエージェントに送信し、第二メッシュエージェントは、受信した第一装置情報および第一識別情報を対応付けて記憶する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれメッシュネットワーク内に配置された、メッシュコントローラと、第一メッシュエージェントと、第二メッシュエージェントと、を備え、
前記第一メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第一メッシュエージェントの予め定めた装置情報である第一装置情報を収集し、当該第一メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第一メッシュエージェントを識別する第一識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第二メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を対応付けて記憶する、メッシュネットワーク装置間情報共有システム。
【請求項2】
請求項1記載のメッシュネットワーク装置間情報共有システムであって、
前記第二メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第二メッシュエージェントの前記装置情報である第二装置情報を収集し、当該第二メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第二メッシュエージェントを識別する第二識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第二装置情報および前記第二識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第一メッシュエージェントに送信し、
前記第一メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第二装置情報および前記第二識別情報を対応付けて記憶する、メッシュネットワーク装置間情報共有システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のメッシュネットワーク装置間情報共有システムであって、
前記メッシュコントローラは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該メッシュコントローラの、前記装置情報である第三装置情報を収集し、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、当該メッシュコントローラを識別する第三識別情報とともに前記第一メッシュエージェントおよび前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第一メッシュエージェントおよび前記第二メッシュエージェントは、それぞれ、前記メッシュコントローラから受信した前記第三装置情報および前記第三識別情報を対応付けて記憶する、メッシュネットワーク装置間情報共有システム。
【請求項4】
請求項3記載のメッシュネットワーク装置間情報共有システムであって、
前記装置情報は、温度情報および通信速度情報の少なくとも一つを含む、メッシュネットワーク装置間情報共有システム。
【請求項5】
請求項3記載のメッシュネットワーク装置間情報共有システムであって、
前記装置情報は、所定の時間間隔、所定のイベントの発生、および、予め定めた特定時刻、の少なくとも1つの前記収集タイミングで収集される、メッシュネットワーク装置間情報共有システム。
【請求項6】
予め定めた収集タイミングになる毎に、自装置の、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集する情報収集部と、
収集した前記第一装置情報を、前記自装置を識別する第一識別情報とともに、当該自装置が属するメッシュネットワーク内のメッシュコントローラに送信する情報送信部と、
前記メッシュコントローラから送信された、前記メッシュネットワークに属する他の構成装置の装置情報である第二装置情報および当該構成装置を識別する第二識別情報を受信する情報受信部と、
収集した前記第一装置情報を記憶するとともに、受信した前記第二装置情報を前記第二識別情報に対応づけて記憶する情報管理部と、
を備える、メッシュエージェント。
【請求項7】
自装置が管理するメッシュネットワークに属する構成装置から送信された、当該構成装置の装置情報および当該構成装置を識別する識別情報を受信する情報受信部と、
受信した前記装置情報および前記識別情報を、前記メッシュネットワークに属する構成装置のうち、送信元の前記構成装置以外の構成装置に送信する情報送信部と、
受信した前記装置情報を前記識別情報に対応づけて記憶する情報管理部と、
を備える、メッシュコントローラ。
【請求項8】
メッシュコントローラと、第一メッシュエージェントと、第二メッシュエージェントと、を備えるメッシュネットワーク内の、装置間情報共有方法であって、
前記第一メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第一メッシュエージェントの、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集し、当該第一メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第一メッシュエージェントを識別する第一識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第二メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を対応付けて記憶する、装置間情報共有方法。
【請求項9】
コンピュータを、
予め定めた収集タイミングになる毎に、プログラムが搭載された装置の、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集する情報収集手段、
収集した前記第一装置情報を、前記装置を識別する第一識別情報とともに、当該装置が属するメッシュネットワーク内のメッシュコントローラに送信する情報送信手段、
前記メッシュコントローラから送信された、前記メッシュネットワークに属する他の構成装置の装置情報である第二装置情報および当該構成装置を識別する第二識別情報を受信する情報受信手段、
収集した前記第一装置情報を記憶するとともに、受信した前記第二装置情報を前記第二識別情報に対応づけて記憶する情報管理手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
プログラムが搭載された装置が管理するメッシュネットワークに属する構成装置から送信された、当該構成装置の装置情報および当該構成装置を識別する識別情報を受信する情報受信手段、
受信した前記装置情報および前記識別情報を、前記メッシュネットワーク属する構成装置のうち、送信元の前記構成装置以外の構成装置に送信する情報送信手段、
受信した前記装置情報を前記識別情報に対応づけて記憶する情報管理手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュネットワークシステムの装置間情報共有技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークの一つとしてメッシュネットワークが提案されている。メッシュネットワーク内では、メッシュネットワークを構成する各構成装置が互いに直接的に通信することができるだけでなく、構成装置同士が直接接続されていなくても相互に通信できる。
【0003】
メッシュネットワークには、例えば、Wi-Fi Allianceにおいて策定されたWi-Fi Easy Mesh(登録商標)規格がある。このようなメッシュネットワークは、例えば、1台のコントローラと複数のエージェントといった構成装置で構成される。コントローラは、他のエージェントを制御し、メッシュネットワーク全体を制御する。エージェントは、コントローラの管理下で、ネットワーク情報をコントローラに報知する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0006】
各構成装置は、雷等の突発的な外的要因や、適切な環境に置かれていない等の環境要因等により、故障することがある。一般に、故障の原因は、構成装置内に蓄積されるログ(装置の状態情報)を解析することにより、推測および/または特定される。装置の状態情報は、構成装置内に蓄積されるため、構成装置の電源を入れなければ取得できない。このため、装置の電源が入らないような故障が発生した場合、故障原因解析に必須の装置の状態情報を取得できず、故障原因を推測および/または特定できない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、メッシュネットワークを構成する構成装置の故障態様によらず、故障原因を推測および/または特定できる可能性を高める技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の視点によれば、それぞれメッシュネットワーク内に配置された、メッシュコントローラと、第一メッシュエージェントと、第二メッシュエージェントと、を備え、
前記第一メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第一メッシュエージェントの予め定めた装置情報である第一装置情報を収集し、当該第一メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第一メッシュエージェントを識別する第一識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第二メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を対応付けて記憶する、メッシュネットワーク装置間情報共有システムが提供される。
【0009】
本発明の第二の視点によれば、予め定めた収集タイミングになる毎に、自装置の、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集する情報収集部と、
収集した前記第一装置情報を、前記自装置を識別する第一識別情報とともに、当該自装置が属するメッシュネットワーク内のメッシュコントローラに送信する情報送信部と、
前記メッシュコントローラから送信された、前記メッシュネットワークに属する他の構成装置の装置情報である第二装置情報および当該構成装置を識別する第二識別情報を受信する情報受信部と、
収集した前記第一装置情報を記憶するとともに、受信した前記第二装置情報を前記第二識別情報に対応づけて記憶する情報管理部と、
を備える、メッシュエージェントが提供される。
【0010】
本発明の第三の視点によれば、自装置が管理するメッシュネットワークに属する構成装置から送信された、当該構成装置の装置情報および当該構成装置を識別する識別情報を受信する情報受信部と、
受信した前記装置情報および前記識別情報を、前記メッシュネットワークに属する構成装置のうち、送信元の前記構成装置以外の構成装置に送信する情報送信部と、
受信した前記装置情報を前記識別情報に対応づけて記憶する情報管理部と、
を備える、メッシュコントローラが提供される。
【0011】
本発明の第四の視点によれば、メッシュコントローラと、第一メッシュエージェントと、第二メッシュエージェントと、を備えるメッシュネットワーク内の、装置間情報共有方法であって、
前記第一メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第一メッシュエージェントの、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集し、当該第一メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第一メッシュエージェントを識別する第一識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第二メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第一装置情報および前記第一識別情報を対応付けて記憶する、装置間情報共有方法が提供される。
【0012】
本発明の第五の視点によれば、コンピュータを、
予め定めた収集タイミングになる毎に、プログラムが搭載された装置の、予め定めた装置情報である第一装置情報を収集する情報収集手段、
収集した前記第一装置情報を、前記装置を識別する第一識別情報とともに、当該装置が属するメッシュネットワーク内のメッシュコントローラに送信する情報送信手段、
前記メッシュコントローラから送信された、前記メッシュネットワークに属する他の構成装置の装置情報である第二装置情報および当該構成装置を識別する第二識別情報を受信する情報受信手段、
収集した前記第一装置情報を記憶するとともに、受信した前記第二装置情報を前記第二識別情報に対応づけて記憶する情報管理手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
本発明の第六の視点によれば、コンピュータを、
プログラムが搭載された装置が管理するメッシュネットワークに属する構成装置から送信された、当該構成装置の装置情報および当該構成装置を識別する識別情報を受信する情報受信手段、
受信した前記装置情報および前記識別情報を、前記メッシュネットワークに属する構成装置のうち、送信元の前記構成装置以外の構成装置に送信する情報送信手段、
受信した前記装置情報を前記識別情報に対応づけて記憶する情報管理手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、メッシュネットワークを構成する構成装置の故障態様によらず、故障原因を推測および/または特定できる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態のメッシュネットワークのネットワーク構成の一例を説明するための説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態のメッシュコントローラのハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態のメッシュコントローラの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態のメッシュエージェントのハードウェア構成図である。
【
図5】本発明の一実施形態のメッシュエージェントの機能ブロック図である。
【
図6】(a)は、本発明の一実施形態の装置の状態情報(装置情報)のデータ項目例を、(b)は、本発明の一実施形態の共有情報の一例を、それぞれ、説明するための説明図である。
【
図7】(a)は、本発明の一実施形態の識別情報テーブルの、(b)は、装置情報データベースの、それぞれ、一例を説明するための説明図である。
【
図8】(a)は、本発明の一実施形態の装置間情報共有処理の構成装置間の処理の流れを示すシーケンス図であり、(b)は、本発明の一実施形態の装置間情報共有処理の構成装置間の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の一実施形態のメッシュエージェント内の装置間情報共有処理のフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態のメッシュコントローラ内の装置間情報共有処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0018】
プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、および必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内または外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0019】
以下、構成装置が、マルチAP(アクセスポイント)ネットワークを許容するWi-Fi EasyMesh(登録商標)規格に準拠する通信方式を使用する装置である場合を例にあげて説明する。しかし、本実施形態はこれに限定されない。例えば、構成装置は、マルチAPネットワークで無線通信が可能な他の通信方式を使用してもよい。
【0020】
本実施形態では、メッシュネットワークを構成する各構成装置は、故障解析に用いる装置の状態情報であるログ情報(以下、装置情報と呼ぶ。)を収集する毎に、他の構成装置に送信する。これにより、各構成装置が、メッシュネットワークを構成する全ての構成装置の装置情報を略リアルタイムで共有する。
【0021】
図1は、本実施形態のメッシュネットワークのネットワーク構成の一例を説明するための説明図である。
【0022】
本図に示すように、本実施形態のメッシュネットワーク100は、メッシュコントローラ200と、メッシュエージェント301と、メッシュエージェント302とを、その構成装置として備える。なお、自身がそのメッシュネットワーク100を構成する構成装置であることを、メッシュネットワーク100に属するともいう。また、メッシュエージェント301および302は、特に区別する必要がない場合は、メッシュエージェント300で代表する。また、メッシュエージェント300の数は限定されない。
【0023】
メッシュコントローラ200は、メッシュエージェント300を制御することにより、メッシュエージェント300を管理するとともにメッシュネットワーク100全体を制御する。各メッシュエージェント300とは、それぞれ無線で接続される。また、メッシュコントローラ200は、WAN(広域ネットワーク)500に接続される。
【0024】
メッシュエージェント300は、それぞれ、メッシュコントローラ200の管理下で動作し、各種の情報をメッシュコントローラ200に送信する。また、本実施形態では、メッシュコントローラ200から受信した情報を保持する。メッシュエージェント300には、例えば、無線で第一情報処理端末510が接続され、有線で第二情報処理端末520が接続される。
【0025】
なお、第一情報処理端末510は、無線通信機能を有する情報端末であり、例えば、スマートフォン等である。また、第二情報処理端末520は、有線通信機能を有する情報端末であり、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ等である。
【0026】
以下、各構成装置の詳細を説明する。
【0027】
[メッシュコントローラ]
まず、メッシュコントローラ200について説明する。
図2は、メッシュコントローラ200のハードウェア構成図である。本図に示すように、本実施形態のメッシュコントローラ200は、演算部211と、記憶部212と、無線制御部213と、有線制御部214と、無線送受信部215と、有線送受信部216と、を備える。
【0028】
演算部211は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行することにより、メッシュコントローラ200全体を統括的に制御する。演算部211は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサにより構成される。
【0029】
記憶部212は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリにより構成される。後述する各機能を実行するためのプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の情報を記憶する。また、本実施形態では、装置情報が蓄積される。
【0030】
なお、記憶部212として、ROMやRAM等のメモリの他、例えば、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、DVD等の記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部212は、複数のメモリを備えてもよい。
【0031】
無線制御部213は、無線LAN関連規格に準拠した無線LANの制御を行う。また、IP(Internet Protocol)通信の制御等も行う。例えば、アンテナである無線送受信部215を制御して、無線通信のための無線信号の送受信を実行する。ただし、無線制御部213が利用可能な通信方式は上記に限定されない。例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の他の無線通信方式に準拠した通信方式を利用してもよい。
【0032】
有線制御部214は、有線LAN関連規格に準拠した有線LAN等の有線通信の制御を実行する。本実施形態では、有線送受信部216を制御して、有線通信のための有線信号の送受信を実行する。本実施形態では、メッシュコントローラ200は、有線送受信部216を介してWAN(広域ネットワーク)等に接続される。
【0033】
次に、本実施形態のメッシュコントローラ200の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態のメッシュコントローラ200の、本実施形態に関連する機能の、機能ブロック図である。
【0034】
本実施形態のメッシュコントローラ200は、1のメッシュエージェント300から装置情報を受信すると、受信した装置情報を、管理下のメッシュエージェント300であって、送信元のメッシュエージェント300以外のメッシュエージェント300に送信する。具体的には、メッシュエージェント301から装置情報を受信すると、メッシュエージェント302に送信し、メッシュエージェント302から装置情報を受信すると、メッシュエージェント301に送信する。
【0035】
これを実現するため、本実施形態のメッシュコントローラ200は、
図3に示すように、情報受信部221と、情報送信部222と、情報収集部223と、情報管理部224と、を備える。
【0036】
情報収集部223は、自装置(メッシュコントローラ200)の装置情報を収集する。本実施形態では、例えば、所定の時間間隔で、予め定めた情報を収集する。情報収集部223は、装置情報を収集すると、収集した日時を示す日時情報とともに情報管理部224に送信する。収集する装置情報については、後述する。
【0037】
情報受信部221は、メッシュネットワーク100内の他の構成装置、すなわち、メッシュエージェント300から、装置情報、日時情報および送信元のメッシュエージェント300の識別番号(後述)を含む共有情報を受信する。情報受信部221は、共有情報を受信すると、情報管理部224へ送信する。
【0038】
情報管理部224は、受信または収集した装置情報の転送を制御するとともに、これらの装置情報を、データ記憶部230に保存(記憶、蓄積)する。さらに、本実施形態では、メッシュネットワーク100の構成装置の識別情報を管理する。
【0039】
識別情報は、メッシュコントローラ200および管理下のメッシュエージェント300それぞれを一意に識別するために付与された情報であり、例えば、識別番号と送信アドレスとを含む。識別情報は、装置情報を送信する際等に参照される。識別情報として、管理下の全てのメッシュエージェント300の情報が記憶される。なお、自装置(メッシュコントローラ200)の識別番号も記憶してもよい。
【0040】
蓄積する装置情報は、メッシュネットワーク100の全ての構成装置の装置情報である。すなわち、データ記憶部230には、メッシュコントローラ200(自装置)の装置情報と管理下の全メッシュエージェント300の装置情報が蓄積される。情報管理部224が管理する情報の詳細については、後述する。
【0041】
また、情報管理部224は、新たに共有情報を受信すると、当該共有情報を情報送信部222にも送信する。そして、情報送信部222に、管理するメッシュエージェント300のうち、送信元以外のメッシュエージェント300に対して当該共有情報を送信するよう指示する。送信先は、例えば、管理する識別情報を参照し、決定する。
【0042】
本実施形態の場合、情報管理部224は、メッシュエージェント301から共有情報を受信した場合、メッシュエージェント302に送信し、メッシュエージェント302から共有情報を受信した場合、メッシュエージェント301に送信するよう指示する。
【0043】
なお、情報管理部224は、新たに装置情報が収集された場合も、自装置の識別番号を付与して共有情報を作成し、情報送信部222に当該共有情報を送信する。そして、情報送信部222に、管理するメッシュエージェント300全てに対し、当該共有情報を送信するよう指示する。
【0044】
情報送信部222は、情報管理部224の指示に従って、受信した共有情報および収集した装置情報を含む共有情報を、指示されたメッシュエージェント300に送信する。
【0045】
各機能は、記憶部212に格納されたプログラムを、演算部211が、実行することにより実現される。また、データ記憶部230は、記憶部212の、書き換え可能な不揮発性メモリに構築される。
【0046】
[メッシュエージェント]
次に、メッシュエージェント300について説明する。
図4は、メッシュエージェント300のハードウェア構成図である。本図に示すように、本実施形態のメッシュエージェント300は、演算部311と、記憶部312と、無線制御部313と、有線制御部314と、無線送受信部315と、有線送受信部316と、を備える。メッシュコントローラ200と同名の構成は、同機能であるため、ここでは、説明を省略する。
【0047】
次に、本実施形態のメッシュエージェント300の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態のメッシュエージェント300の、本実施形態に関連する機能の、機能ブロック図である。
【0048】
本実施形態のメッシュエージェント300は、所定の時間間隔で後述する装置情報を収集する。そして、収集する毎に、収集した日時を示す日時情報および自装置の識別番号を付加して共有情報とし、メッシュコントローラ200に送信する。また、メッシュコントローラ200から、他のメッシュエージェント300の共有情報を受信すると、記憶部312に記憶する。
【0049】
これを実現するため、本実施形態のメッシュエージェント300は、
図5に示すように、情報受信部321と、情報送信部322と、情報管理部324と、情報収集部323と、を備える。
【0050】
情報受信部321は、メッシュコントローラ200から、共有情報を受信する。情報受信部321は、共有情報を受信すると、情報管理部324へ送信する。
【0051】
情報収集部323は、自装置(メッシュエージェント300)の装置情報を収集する。本実施形態では、例えば、所定の時間間隔で、予め定めた装置情報を収集する。情報収集部323は、装置情報を収集すると、収集した日時情報とともに情報管理部324に送信する。
【0052】
情報管理部324は、データ記憶部330に記憶されるデータを管理する。本実施形態では、自装置で収集した装置情報および共有情報として受信した情報を保存(記憶、蓄積)する。
【0053】
蓄積する装置情報は、メッシュネットワーク100の全ての構成装置の共有情報である。
【0054】
また、情報管理部324は、新たに共有情報が収集されると、自装置の識別番号を付与して共有情報を作成し、当該共有情報を情報送信部322に送信する。そして、情報送信部322に、メッシュコントローラ200に対して当該共有情報を送信するよう指示する。
【0055】
情報送信部322は、情報管理部324の指示に従って、共有情報を、指示されたメッシュコントローラ200に送信する。
【0056】
各機能は、記憶部312に格納されたプログラムを、演算部311が、実行することにより実現される。また、データ記憶部330は、記憶部312の書き換え可能な不揮発性メモリに構築される。
【0057】
[装置情報]
次に、本実施形態で収集される装置情報について説明する。上述のように、装置情報は、故障原因解析時に必要となる装置のログ情報である。本実施形態では、例えば、温度、通信速度等である。
図6(a)に装置情報410のデータ項目例を示す。
【0058】
通信速度を示す通信速度情報411は、例えば、有線通信速度411aと、無線通信速度411bと、を含む。これらの通信速度は、例えば、無線制御部213、313および有線制御部214、314が取得する。例えば、これらの各部は、対応する送受信部と、接続先機器との間の接続速度を計測することにより、通信速度を得る。
【0059】
温度情報412は、構成装置内の各部の温度である。本実施形態では、例えば、演算部温度412aと、有線制御部温度412bと、無線制御部温度412cと、を含む。各部の温度は、情報収集部223の指示に従って、該当部において取得する。例えば、各部に温度センサ等を付し、その計測値を取得する。
【0060】
すなわち、情報収集部223は、所定の時間が経過する毎に、演算部211の温度を読み取るとともに、無線制御部213および有線制御部214に対し、それぞれ、無線および有線の通信速度および温度情報を読み取るよう指示を行うことにより、装置情報410を収集する。
【0061】
なお、メッシュコントローラ200およびメッシュエージェント300では、
図6(b)に示すように、収集した装置情報410に、収集した日時情報420および当該装置の識別番号430を追加し、共有情報450を生成する。
【0062】
[識別情報テーブル/装置情報データベース]
次に、情報管理部224が管理する情報について説明する。情報管理部224は、上述のように、識別情報と装置情報とを管理する。識別情報は、識別情報テーブル250として、また、装置情報は、装置情報データベース260として、それぞれ、データ記憶部230に記憶される。
【0063】
識別情報を記憶する識別情報テーブル250の一例を、
図7(a)に示す。また、共有情報450を蓄積する装置情報データベース260の一例を、
図7(b)に示す。なお、これらには、
図7(a)および
図7(b)に示す項目以外のデータが保持されていてもよい。
【0064】
識別情報テーブル250は、メッシュコントローラ200が管理するメッシュエージェント300を管理するテーブルである。メッシュエージェント300それぞれについて、一意に識別するための識別情報である識別番号251と、アドレス252と、を対応付けて1つのレコードとして記憶する。
【0065】
装置情報データベース260は、メッシュネットワーク100を構成する全ての構成装置の装置情報410を蓄積するデータベースである。具体的には、
図7(b)に示すように、メッシュエージェント300またはメッシュコントローラ200の識別番号261毎に、日時情報を含む装置情報262が蓄積される。
【0066】
メッシュエージェント300に記憶される装置情報データベース360も、基本的には、装置情報データベース260と同様の構成を備える。すなわち、各構成装置の識別番号毎に、日時情報を含む装置情報が蓄積される。
【0067】
[装置間情報共有処理の流れ]
次に、本実施形態の装置間情報共有処理について、
図8(a)を用いて、その処理の流れを説明する。ここでは、メッシュネットワーク100が、メッシュコントローラ200と、メッシュエージェント301と、メッシュエージェント302とを備え、メッシュエージェント301が収集した装置情報410を、他装置でも共有する場合の処理例を説明する。
【0068】
メッシュエージェント301の情報収集部323は、装置情報410を収集する(ステップS1101)。収集する装置情報410は、上述のとおりである。
【0069】
情報送信部322は、情報収集部323が収集した装置情報410および日時情報420を、自装置の識別番号430とともに、共有情報450として、メッシュコントローラ200に送信する(ステップS1102)。
【0070】
情報管理部324は、情報収集部323が収集した装置情報410、日時情報420および識別番号430を、データ記憶部330の装置情報データベース360に保存する(ステップS1103)。なお、ステップS1102およびステップS1103の処理は、すなわち、装置情報410の送信処理と保存処理とは、いずれを先に行ってもよい。以下、各構成装置において同様である。
【0071】
メッシュコントローラ200では、情報受信部221が、メッシュエージェント301から共有情報450を受信すると(ステップS1201)、情報管理部224は、当該情報を、装置情報データベース260に保存する(ステップS1202)。
【0072】
そして、情報管理部224は、受信した共有情報450に含まれる識別番号430に基づいて、当該共有情報450の送信先を決定する(ステップS1203)。ここでは、識別情報テーブル250に管理されている管理下のメッシュエージェント300のうち、送信元以外のメッシュエージェント300全てを送信先と決定する。ここでは、情報管理部224は、メッシュエージェント302を送信先に決定する。
【0073】
情報送信部222は、決定した送信先に、受信した共有情報450を送信する(ステップS1204)。
【0074】
メッシュエージェント302では、情報受信部321が、メッシュコントローラ200から共有情報450を受信すると(ステップS1301)、情報管理部324は、当該情報を、装置情報データベース360に保存する(ステップS1302)。
【0075】
なお、本実施形態では、メッシュコントローラ200も装置情報410を収集する。この場合は、
図8(b)に示すように、情報収集部223が、装置情報410を収集する(ステップS1211)と、情報送信部222は、当該装置情報410を、日時情報420および自装置の識別番号430とともに、共有情報450として各メッシュエージェント300に送信する(ステップS1212)。また、装置情報データベース260に保存する(ステップS1213)。
【0076】
また、各メッシュエージェント300では、情報受信部321が、メッシュコントローラ200から共有情報450を受信すると(ステップS1111,S1311)、情報管理部324は、当該情報を、装置情報データベース360に保存する(ステップS1112,S1312)。
【0077】
以上の処理を、メッシュエージェント300またはメッシュコントローラ200が、装置情報410を収集する毎に繰り返し、構成装置の装置情報410を、構成装置間で共有する。
【0078】
ここで、メッシュエージェント300内での装置間情報共有処理に関する処理の流れを説明する。
図9は、本実施形態のメッシュエージェント300内で、起動以降、実行される装置間情報共有処理の処理フローである。
【0079】
情報収集部323は、所定時間が経過する毎に(ステップS1401)、装置情報410を収集する(ステップS1402)。収集した装置情報410は、収集した日時情報420とともに、情報管理部324に送信する。
【0080】
情報管理部324は、情報収集部323から日時情報420付きの装置情報410を受信すると、自装置の識別番号430を付与し、共有情報450を生成する。そして、生成した共有情報450を、情報送信部322を介してメッシュコントローラ200に送信する(ステップS1403)。また、日時情報420および装置情報410を、データ記憶部330の装置情報データベース(DB)360に追加し、保存する(ステップS1404)。
【0081】
一方、ステップS1401において、所定時間が経過していない場合、情報受信部321は、メッシュコントローラ200から共有情報450を受信したか否かを判別し(ステップS1405)、受信していない場合は、ステップS1401へ戻る。一方、受信している場合は、ステップS1404へ移行し、受信した共有情報450を、装置情報DB360へ追加し、保存する。
【0082】
共有情報450を装置情報DB360に保存後、メッシュエージェント300は、終了指示を受けたか否かを判別し(ステップS1406)、受けていない場合は、ステップS1401へ戻り、受けている場合は、処理を終了する。
【0083】
次に、メッシュコントローラ200内での装置間情報共有処理に関する処理の流れを説明する。
図10は、本実施形態のメッシュコントローラ200内で、起動以降、実行される装置間情報共有処理の処理フローである。
【0084】
情報収集部223は、所定時間が経過する毎に(ステップS1501)、装置情報410を収集する(ステップS1502)。収集した装置情報410は、収集した日時情報420とともに、情報管理部224に送信する。
【0085】
情報管理部224は、情報収集部223から日時情報420付きの装置情報410を受信すると、自装置の識別番号430を付与し、共有情報450を生成する。そして、生成した共有情報450を、情報送信部222を介して管理する全てのメッシュエージェント300に送信する(ステップS1503)。また、日時情報420および装置情報410を、データ記憶部230の装置情報データベース(DB)260に追加し、保存する(ステップS1504)。
【0086】
一方、ステップS1501において、所定時間が経過していない場合、情報受信部221は、メッシュエージェント300から共有情報450を受信したか否かを判別し(ステップS1505)、受信していない場合は、ステップS1501へ戻る。
【0087】
一方、受信している場合、情報管理部224は、受信した共有情報450を、情報送信部222を介して、当該共有情報450の送信元のメッシュエージェント300以外の全てのメッシュエージェント300に送信する(ステップS1507)。そして、ステップS1504へ移行し、受信した共有情報450を、装置情報DB260へ追加し、保存する。
【0088】
共有情報450を装置情報DB260に保存後、メッシュコントローラ200は、終了指示を受けたか否かを判別し(ステップS1506)、受けていない場合は、ステップS1501へ戻り、受けている場合は、処理を終了する。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、それぞれメッシュネットワーク100内に配置された、メッシュコントローラ200と、第一メッシュエージェント301と、第二メッシュエージェント302と、を備え、第一メッシュエージェント301は、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第一メッシュエージェント301の予め定めた装置情報410である第一装置情報を収集し、第一メッシュエージェント301に記憶するとともに、第一メッシュエージェント301を識別する第一識別情報とともにメッシュコントローラ200に送信し、メッシュコントローラ200は、受信した第一装置情報および第一識別情報を、メッシュコントローラ200に記憶するとともに、第二メッシュエージェント302に送信し、第二メッシュエージェント302は、メッシュコントローラ200から受信した第一装置情報および第一識別情報を対応付けて記憶する。
【0090】
これにより、本実施形態のメッシュネットワーク100の各構成装置は、それぞれ、常に、他の構成装置の最新の装置情報を共有する。このため、メッシュネットワーク100の構成装置のうちの1台の電源が入らない場合であっても、いずれか1台の他の構成装置の電源が入りさえすれば、当該構成装置内の装置情報管理テーブルから、故障した構成装置の装置情報410を取得することができる。
【0091】
そして、故障した構成装置の装置情報410を解析することにより、故障要因の推測ができ、故障の再発防止策を講じることができる。
【0092】
本実施形態では、装置情報として、通信速度情報411および温度情報412を収集する。これにより、例えば、以下のように故障要因の推測ができる。各デバイスの保証温度が、それぞれ、演算部211/311、A℃、有線制御部214/314、B℃、無線制御部213/313、C℃、と決まっているとする。装置情報410に含まれる演算部211/311の温度がA℃を超える温度である場合、故障要因は、高温が原因で演算部211/311内のプロセッサが壊れたものであると推測される。また、各温度情報がそれぞれの保証温度を一様に超えていた場合、構成装置が不適切な環境に置かれていたことが原因で故障したと推測できる。不適切な環境とは、構成装置から一定の範囲内に障害物がある、構成装置の周囲温度が高いこと等を含む。
【0093】
メッシュネットワーク100を構成する構成装置が増えるほど、装置情報を共有する構成装置が増える。このため、故障する構成装置の台数が多くなっても、故障した構成装置の装置情報410を取得できる可能性が高まるため、それに伴い、故障解析ができる可能性も高まり、故障要因の推測/特定ができる可能性が高まる。
【0094】
<変形例>
上記実施形態では、新たに取得した装置情報410を、装置情報データベース260/360へそれぞれ追記する場合を例にあげて説明した。しかしながら、これに限定されない。装置情報データベース260/360は、それぞれ、予め記憶するレコード数を定め、新たな装置情報を得るごとに、古いレコードから順に上書きするよう構成してもよい。
【0095】
また、装置情報410の収集タイミングは、故障原因を解析可能に装置情報を収集できればよく、例えば、予め定めた、複数の特定の時刻や、所定のイベントごとであってもよい。例えば、当該構成装置に、新たな装置が接続された場合、既接続の装置の接続が断たれた場合、など、構成装置毎に異なるタイミングで収集されてもよい。さらに、これらの収集タイミングは、組み合わせてもよい。
【0096】
各構成装置から装置情報410を送信する際、日時情報は付加しなくてもよい。この場合、日時情報は、受信した構成装置において、蓄積時に付与する。
【0097】
また、自装置の情報収集部223、323が収集した装置情報410および日時情報420については、識別番号430を付与せず、別途管理してもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、1台のメッシュコントローラ200が管理する全メッシュエージェント300の装置情報410を、全構成装置が共有しているが、これに限定されない。例えば、メッシュエージェント300を複数台の装置毎にグループ化して、グループ毎に装置情報410を共有するよう構成してもよい。
【0099】
例えば、メッシュコントローラ200が、メッシュエージェント301,302,303,304を管理するものとする。この場合、メッシュコントローラ200は、メッシュエージェント301および302を第一グループ、メッシュエージェント303および304を第二グループとする。
【0100】
メッシュコントローラ200は、メッシュエージェント301の装置情報410を自装置で保持するとともに、メッシュエージェント302にのみ送信する。また、メッシュエージェント302の装置情報410を自装置で保持するとともに、メッシュエージェント301にのみ送信する。同様に、メッシュエージェント303の装置情報410を自装置で保持するとともに、メッシュエージェント304にのみ送信する。また、メッシュエージェント304の装置情報410を自装置で保持するとともに、メッシュエージェント303にのみ送信する。
【0101】
メッシュコントローラ200は、すべての装置情報410を記憶する。メッシュエージェント300は、グループ毎に、グループ内の全メッシュエージェント300の装置情報410とメッシュコントローラ200の装置情報410とを記憶する。これにより、送受信するデータ量および記憶する情報量が抑えられる。
【0102】
なお、各構成装置が属するグループの情報は、全ての構成装置が保持してもよいし、グループ内でのみ保持してもよい。
【0103】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0104】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第一の形態]
(上記第一の視点によるメッシュネットワーク装置間情報共有システムを参照)
[第二の形態]
上記メッシュネットワーク装置間情報共有システムにおいて、
前記第二メッシュエージェントは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該第二メッシュエージェントの前記装置情報である第二装置情報を収集し、当該第二メッシュエージェントに記憶するとともに、当該第二メッシュエージェントを識別する第二識別情報とともに前記メッシュコントローラに送信し、
前記メッシュコントローラは、受信した前記第二装置情報および前記第二識別情報を、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、前記第一メッシュエージェントに送信し、
前記第一メッシュエージェントは、前記メッシュコントローラから受信した前記第二装置情報および前記第二識別情報を対応付けて記憶する、ことが好ましい。
[第三の形態]
上記メッシュネットワーク装置間情報共有システムにおいて、
前記メッシュコントローラは、予め定めた収集タイミングになる毎に、当該メッシュコントローラの、前記装置情報である第三装置情報を収集し、当該メッシュコントローラに記憶するとともに、当該メッシュコントローラを識別する第三識別情報とともに前記第一メッシュエージェントおよび前記第二メッシュエージェントに送信し、
前記第一メッシュエージェントおよび前記第二メッシュエージェントは、それぞれ、前記メッシュコントローラから受信した前記第三装置情報および前記第三識別情報を対応付けて記憶する、ことが望ましい。
[第四の形態]
上記メッシュネットワーク装置間情報共有システムにおいて、
前記装置情報は、温度情報および通信速度情報の少なくとも一つを含む、ことが望ましい。
[第五の形態]
上記メッシュネットワーク装置間情報共有システムにおいて、
前記装置情報は、所定の時間間隔、所定のイベントの発生、および、予め定めた特定時刻、の少なくとも1つの前記収集タイミングで収集される、ことが望ましい。
[第六の形態]
(上記第二の視点によるメッシュエージェントを参照)
[第七の形態]
(上記第三の視点によるメッシュコントローラを参照)
[第八の形態]
(上記第四の視点による装置間情報共有方法を参照)
[第九の形態]
(上記第五の視点によるプログラムを参照)
[第十の形態]
(上記第六の視点によるプログラムを参照)
なお、上記第六から十の形態は、第一の形態と同様に、第二から第五の形態に展開することが可能である。
【0105】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
100:メッシュネットワーク
200:メッシュコントローラ
211:演算部
212:記憶部
213:無線制御部
214:有線制御部
215:無線送受信部
216:有線送受信部
221:情報受信部
222:情報送信部
223:情報収集部
224:情報管理部
230:データ記憶部
250:識別情報テーブル
251:識別番号
252:アドレス
260:装置情報データベース
261:識別番号
262:装置情報
300:メッシュエージェント
301:メッシュエージェント
302:メッシュエージェント
303:メッシュエージェント
304:メッシュエージェント
311:演算部
312:記憶部
313:無線制御部
314:有線制御部
315:無線送受信部
316:有線送受信部
321:情報受信部
322:情報送信部
323:情報収集部
324:情報管理部
330:データ記憶部
360:装置情報データベース
410:装置情報
411:通信速度情報
411a:有線通信速度
411b:無線通信速度
412:温度情報
412a:演算部温度
412b:有線制御部温度
412c:無線制御部温度
420:日時情報
430:識別番号
450:共有情報
500:WAN(広域ネットワーク)
510:第一情報処理端末
520:第二情報処理端末