IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社上山製作所の特許一覧

<>
  • 特開-刺激システム 図1
  • 特開-刺激システム 図2
  • 特開-刺激システム 図3
  • 特開-刺激システム 図4
  • 特開-刺激システム 図5
  • 特開-刺激システム 図6
  • 特開-刺激システム 図7
  • 特開-刺激システム 図8
  • 特開-刺激システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180418
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】刺激システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20231214BHJP
   A45D 44/22 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61N1/36
A45D44/22 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093720
(22)【出願日】2022-06-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】305020538
【氏名又は名称】株式会社上山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】霜鳥 良雄
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ04
4C053JJ13
4C053JJ15
4C053JJ36
(57)【要約】
【課題】軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる刺激装置及びこれを備えた刺激システムを提供する。
【解決手段】刺激装置3は、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置である。刺激装置3は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部30と、マスク本体部30に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部31と、マスク本体部30に配置され、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体40と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置であって、
装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、
このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、
前記マスク本体部に配置され、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体と、
を備えることを特徴とする刺激装置。
【請求項2】
刺激体は、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動との少なくともいずれかを付与する
ことを特徴とする請求項1記載の刺激装置。
【請求項3】
振動は、超音波振動である
ことを特徴とする請求項2記載の刺激装置。
【請求項4】
マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の刺激装置。
【請求項5】
隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている
ことを特徴とする請求項4記載の刺激装置。
【請求項6】
マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の刺激装置。
【請求項7】
刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にある
ことを特徴とする請求項1記載の刺激装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか一記載の刺激装置と、
この刺激装置の刺激体を駆動する制御信号を生成する制御装置と、
を備えることを特徴とする刺激システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体を有する刺激装置及びこれを備えた刺激システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を利用した美顔器がある。この美顔器は、スティック状の本体部の先端に、超音波振動子が内在したヘッド部を有し、このヘッド部を顔面に押し当てることで皮膚に超音波振動を与えてマッサージする。この美顔器の場合、ユーザが施術中に本体部を手に持ってヘッド部を顔に押し当て続ける必要があり、煩雑であるため、マッサージを習慣的に継続しにくいという課題がある。
【0003】
そこで、本体部を手持ちし続ける煩雑さを解消するために、目、鼻、口を除く顔面全体を覆うマスク状の保持体に超音波振動子を保持したマスク型振動システム(例えば、特許文献1参照)、あるいは、目、鼻、口を除いて顎先から左右の頬を通り後頭部に巻回する帯状の保持体に超音波の刺激を与える刺激体を配置した美容マスク(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-261409号公報
【特許文献2】特開2022-42422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の美顔器では、マスクによって装着者の顔の大部分を覆うため、全体に重く、また装着に手間が掛かり、手軽に使用できない。
【0006】
また、基本的に装着者が動くことを想定しておらず、目、鼻、口を除く顔面の広範囲がマスクで覆われた状態となるため、装着状態での他の作業等が困難であり、施術している間、装着者は殆ど動かずにいることを強いられることとなる。そのため、肉体的・精神的負担が大きく、習慣的に継続しにくくなりがちである。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる刺激装置及びこれを備えた刺激システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の刺激装置は、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置であって、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、前記マスク本体部に配置され、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体と、を備えるものである。
【0009】
請求項2記載の刺激装置は、請求項1記載の刺激装置において、刺激体は、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動との少なくともいずれかを付与するものである。
【0010】
請求項3記載の刺激装置は、請求項2記載の刺激装置において、振動は、超音波振動であるものである。
【0011】
請求項4記載の刺激装置は、請求項1記載の刺激装置において、マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備えるものである。
【0012】
請求項5記載の刺激装置は、請求項4記載の刺激装置において、隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されているものである。
【0013】
請求項6記載の刺激装置は、請求項1記載の刺激装置において、マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備えるものである。
【0014】
請求項7記載の刺激装置は、請求項1記載の刺激装置において、刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にあるものである。
【0015】
請求項8記載の刺激システムは、請求項1ないし7いずれか一記載の刺激装置と、この刺激装置の刺激体を駆動する制御信号を生成する制御装置と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は第1の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図、(b)は同上刺激装置の装着前の状態の裏面図である。
図2】同上刺激装置の一部の断面図である。
図3】同上刺激システムの制御装置の内部構造を示すブロック図である。
図4】(a)は同上制御装置により生成される超音波信号を模式的に示す説明図、(b)は同上制御装置により生成される変調波を模式的に示す説明図、(c)は同上制御装置により生成される超音波駆動信号を模式的に示す説明図、(d)は同上制御装置により生成される電気刺激駆動信号を模式的に示す説明図である。
図5】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
図6】第2の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図7】第3の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図8】第4の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図9】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1(a)及び図1(b)において、1は刺激システムを示す。刺激システム1は、電気刺激及び/または超音波等の刺激を用いて装着者の顔面に刺激を与えるものである。本実施の形態において、刺激システム1は、装着者の顔面をマッサージ及び/またはリフトアップする美顔装置である。刺激システム1は、制御装置2と、この制御装置2に対して着脱可能で被施療部に刺激を与えるための装着ユニットである刺激装置3と、を備える。
【0020】
図3に示すように、制御装置2は、マイコン等の制御部本体である処理モジュール6を備える。処理モジュール6は、図示しないタイマを内蔵して動作時間を管理するとともに、各種信号を生成するものである。
【0021】
処理モジュール6は、刺激としての血流促進用の振動を付与するための信号線7と駆動信号線8,9とを介して、変調器10,11に電気的に接続されているとともに、制御信号線12,13を介して増幅手段としての増幅器14,15に電気的に接続されている。そして、処理モジュール6は、例えば16kHz乃至300kHz、好ましくは30kHz程度の体内で長波長となる超音波の振動エネルギーであるキャリア波17(図4(a))を、信号線7を介して変調器10,11に出力し、このキャリア波17を、駆動信号線8,9を介して制御した変調器10,11でのパルス状の変調波18(図4(b))により変調して、その立ち上がり及び立ち下がりを緩和し、さらに、制御信号線12,13を介して制御した増幅器14,15によって増幅(昇圧)した超音波駆動信号20,21(図4(c))をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0022】
ここで、変調波18は、0Vから徐々に出力が増加し、傾斜が徐々に増加した後、最大値近傍で保持し、その後徐々に減少してなだらかに0Vに減少する、滑らかな曲線状に形成されている。したがって、この変調波18によりキャリア波17が変調された超音波駆動信号20,21により生じる超音波振動は、矩形波やパルス波等の変節点を有する変調波により変調した場合のように衝撃波が生じることがなく、強い違和感を与えない、穏やかな振動となる。
【0023】
また、図4(c)に示すように、超音波駆動信号20,21は、変調された穏やかな超音波振動を交互に所定間隔T1(例えば1.5秒)で、この所定間隔T1よりも短い所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)ずつ出力するように生成されている。
【0024】
また、図3に示すように、処理モジュール6は、制御信号線23を介して、電気刺激駆動回路24と電気的に接続されている。そして、電気刺激駆動回路24は、刺激としての頬部の引き締め用の電気刺激を付与するための図4(d)に示す電気刺激駆動信号25,26をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0025】
ここで、電気刺激駆動信号25,26は、パルス状の電気刺激を交互に所定間隔T3で、この所定間隔T3よりも短い所定継続時間T4ずつ出力するようになっている。
【0026】
図4(c)及び図4(d)に示す所定間隔T1,T3、及び、所定継続時間T2,T4は、互いに相関を有していてもよいし、それぞれ互いに無関係に設定されていてもよい。本実施の形態では、所定間隔T1,T3は略等しく設定され、所定継続時間T2は、(T3-T4以下)以下、所定継続時間T4は(T1-T2)以下に設定されている。また、図示される例では、超音波駆動信号20,21による超音波振動の出力のタイミングと、電気刺激駆動信号25,26による電気刺激の出力のタイミングとは、互いにずれている。そのため、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが交互に、かつ、互いに駆動期間が重ならないように付与されるように信号が生成される。
【0027】
図1(a)及び図1(b)に示すように、制御装置2は、接続端子部27を介して刺激装置3と接続される。接続端子部27は、一つでもよいし、複数でもよい。複数の接続端子部27を備える場合、超音波駆動信号20,21(図4(c))及び電気刺激駆動信号25,26(図4(d))が各接続端子部27に伝達されるように増幅器14,15及び電気刺激駆動回路24(図3)と電気的に接続される。
【0028】
なお、処理モジュール6は、振動付与用の制御と電気刺激付与用の制御のものとで共通としたが、これに限らず、それぞれの制御用に別個に構成されていてもよい。
【0029】
また、制御装置2には、音楽駆動信号を超音波駆動信号と重畳するための音楽制御部である音楽モジュール等を内蔵していてもよいし、外部音源等を接続可能としてもよい。この場合には、制御装置2には、超音波駆動信号と音楽駆動信号とをミックスするためのミックス回路が備えられていてもよい。
【0030】
その他、制御装置2は、電源スイッチ、駆動時間の残り時間や刺激の出力レベル等を表示する各種表示部、刺激の出力レベルを調整するレベル調整手段、及び、刺激の開始/中断(終了)を指示するスタート/ストップスイッチ等を有していてもよい。
【0031】
制御装置2の電源は、商用電源でもよいし、バッテリでもよい。
【0032】
刺激装置3は、被施療部に配置されるマスク部29を備える。マスク部29は、例えば一般的な衛生用品や医療用品としてのマスクと同等の外観を有する。マスク部29は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部30と、このマスク本体部30に設けられて、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部31と、を有する。
【0033】
マスク本体部30は、装着者の顔幅に応じた横長に形成され、装着者の顔面の鼻から下側の略全体を覆うことが可能となっている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の顔面のうち、鼻、口、及び、頬等を含む下半分のみを覆う。マスク本体部30は、略矩形状の平面状を呈しているが、装着状態では装着者の顔面に沿って立体形状となってもよい。本実施の形態では、マスク本体部30の上部の中央部には、鼻頭を覆う鼻被覆部30aが形成されている。鼻被覆部30aは、左右方向の中央部に向かい徐々に上方に突出するように形成されている。
【0034】
好ましくは、マスク本体部30は、通気性を有する素材、例えば不織布や布等により形成される。図示される例では、マスク本体部30は、外観を構成する表地35と、装着者の顔面側に対向する裏地36と、を一体的に備える。表地35及び裏地36の少なくともいずれかは、複数枚または複数層の同一または異なる素材が厚み方向に積層されて形成されていてもよい。表地35と裏地36との素材は同一でもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、表地35は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35には、装着前の状態でマスク本体部30の横方向に沿って延在する複数の折畳部(折り込み片)を有していてもよい。裏地36は、平面状に形成され、表地35の裏側の少なくとも一部を覆うように表地35の裏側に重ねられている。本実施の形態では、裏地36は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35と裏地36とは、両面テープ等により周縁部が互いに貼り合わせられていてもよいし、縫製あるいは接着等により周縁部が互いに固着されていてもよい。
【0035】
マスク本体部30の両側部に耳掛け部31が取り付けられている。耳掛け部31は、紐状または帯状等に形成され、マスク本体部30の表地35、または、表地35及び裏地36に対して両端部が取り付けられることでループ状をなしている。耳掛け部31は、伸縮性を有する素材により形成されていてもよいし、伸縮性を有しない素材により形成されていてもよい。また、耳掛け部31は、長さを調整可能となっていてもよい。
【0036】
そして、マスク部29には、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体40がマスク本体部30に配置されている。本実施の形態において、刺激体40は、マスク本体部30に左右に対をなして配置されている。例えば、刺激体40は、マスク本体部30に左右同数ずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右に一つずつ配置されている。
【0037】
本実施の形態において、図2に示すように、刺激体40は、振動する振動子42と、振動子42の振動及び電気刺激を装着者の顔面に伝達する伝達部43と、を有する。
【0038】
本実施の形態において、振動子42は、超音波振動子である。振動子42は、制御装置2(図1(a)及び図1(b))から出力された超音波駆動信号20,21(図4(c))により動作されて超音波周波数で振動する。本実施の形態において、振動子42は、バイモルフ型のセラミック圧電振動子が用いられる。すなわち、振動子42は、複数、例えばセラミック等の(一方及び他方の)圧電素子と電極とが順次積層されて板状に形成されている。振動子42は、円形状の外観を有する。振動子42は、マスク本体部30において、表地35と裏地36との間に収容されている。
【0039】
振動子42は、伝達部43と固着されている。伝達部43は、装着者の顔面に直接的または間接的に接触して、装着者の顔面に振動子42の振動を伝達するように構成されている。また、伝達部43は、電気刺激を装着者の顔面に伝達するように構成されている。例えば、伝達部43は、導電性を有する部材、例えば金属あるいは合成樹脂の一部に金属を貼る等により平板状に形成されている。本実施の形態において、伝達部43は、円形状に形成されている。図示される例では、伝達部43は、正面から見て振動子42より大きい外形を有する。伝達部43は、マスク本体部30の裏地36から露出している。好ましくは、伝達部43は、裏地36の装着者側の面に対して面一または略面一となっている。
【0040】
図示される例では、振動子42には、配線45が接続されている。配線45は、制御装置2からの超音波駆動信号20,21(図4(c))を振動子42に伝達するものである。各振動子42の配線45は、それぞれ例えばプラスとマイナスとで一対設定されている。
【0041】
同様に、伝達部43には、配線46が接続されている。配線46は、制御手段2からの電気刺激駆動信号25,26(図4(d))を伝達部43から装着者の顔面に伝達するものである。配線46は、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)がプラス、他方の刺激体40(伝達部43)がマイナスである。つまり、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)と他方の刺激体40(伝達部43)とで配線46の極性が互いに異なっている。
【0042】
配線45,46は、表地35と裏地36との間からマスク本体部30の外部に導出されている。配線45,46は、まとめられて図1(a)及び図1(b)に示すケーブル部47としてマスク部29から延出している。ケーブル部47の先端部には、コネクタ48が接続されており、このコネクタ48が制御装置2の接続端子部27に対して着脱可能となっている。
【0043】
好ましくは、刺激体40は、図2に示すケース体50に保持されている。ケース体50は、刺激体40を保護する保護部材である。ケース体50は、合成樹脂等により形成されている。ケース体50は、軸方向に短い扁平な筒状に形成されたケース体本体部52を有する。ケース体本体部52の内方に、振動子42が配置される。ケース体本体部52は、マスク本体部30の表地35と裏地36との間の空間部に配置されている。ケース体本体部52は、裏地36に対して例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。ケース体本体部52の一端部は、表地35に対向し、被覆体53により覆われて閉塞されている。被覆体53には配線45,46が挿通されている。また、ケース体本体部52の他端部は、裏地36に形成された開口部54に嵌合され、伝達部43により閉塞されている。ケース体本体部52に対して、刺激体40(伝達部43)は、例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。
【0044】
好ましくは、刺激体40は、マスク本体部30に対して着脱可能となっている。本実施の形態では、刺激体40は、ケーブル部47及びケース体50とともに、マスク本体部30から着脱可能となっている。
【0045】
また、好ましくは、マスク本体部30には、装着者に対向する裏側に、図1(b)に示す隙間形成部56が配置されている。隙間形成部56は、装着者の顔面とマスク本体部30との間に隙間を生じさせるものである。隙間形成部56は、突起として形成され、装着者の顔面と直接的または間接的に接触するようにマスク本体部30に配置されている。本実施の形態では、隙間形成部56は、マスク本体部30の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている。図示される例では、隙間形成部56は、マスク本体部30の上縁部及び/または下縁部において、左右方向の中央部の両側に位置する。例えば、隙間形成部56は、鼻被覆部30aの縁部に沿って位置する。そのため、マスク本体部30と装着者の顔面との間に、刺激装置3のマスク部29の装着状態で上下方向に通気する通気路が形成される。隙間形成部56は、軟質の部材により形成され、接触する装着者の肌への負担が軽減されている。
【0046】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0047】
使用者は、予め刺激装置3のケーブル部47の先端部のコネクタ48を制御装置2の接続端子部27に装着しておく。そして、刺激装置3は、例えば図5(a)及び図5(b)に示すように、マスク部29のマスク本体部30により装着者Hの顔面の下半分程度を覆うように、つまり鼻N及び口Mを覆うように配置して、耳掛け部31を両耳Eに引っ掛けて保持する。
【0048】
このとき、必要に応じて、装着者Hは、刺激体40の伝達部43または顔面の頬部に、液状またはジェル状等の薬液等を塗布しておいてもよいし、マスク部29と顔面の皮膚との間に、薬液等を染み込ませたシート状の保護部材を挟み込んでもよい。
【0049】
この状態で、刺激体40(伝達部43)が装着者Hの両頬骨の下部付近に直接的または間接的に接触する位置となる。
【0050】
次いで、スタート/ストップスイッチを操作することにより、商用電源、あるいはバッテリにより供給された電力によって、制御装置2の処理モジュール6が、刺激装置3の刺激体40,40を左右交互駆動させ、所定の駆動時間、例えば20分間または10分間、超音波駆動信号20,21及び電気刺激駆動信号25,26を出力する。
【0051】
超音波振動は、制御装置2の処理モジュール6から、信号線7を介して変調器10,11へと出力されたキャリア波17が変調波18により変調されて、立ち上がりと立ち下がりとが緩和されるとともに、増幅器14,15により増幅された超音波駆動信号20,21により振動子42,42から伝達部43,43を介して出力される。
【0052】
すなわち、刺激装置3において、例えば約10000~15000回ずつ程度の超音波振動が左または右の刺激体40から所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の超音波振動の開始から所定間隔T1後に、右または左の刺激体40から超音波振動が所定継続時間T2出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による超音波振動が順次出力される振動を、所定間隔T1毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、超音波振動により装着者Hの顔面に超音波マッサージ振動が与えられる。
【0053】
同様に、電気刺激は、制御装置2の処理モジュール6からの制御信号線23により出力された制御信号によって制御された電気刺激駆動回路24から出力される電気刺激駆動信号25,26により伝達部43から出力される。
【0054】
すなわち、刺激装置3において、例えば1刺激で1~100波程度の電気刺激(EMS)が左右又は複数の組み合わせで刺激体40から所定継続時間T4(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の電気刺激の開始から所定間隔T3後に、右または左の刺激体40から電気刺激が所定継続時間T4出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による電気刺激を、所定間隔T3毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、装着者Hの顔面に電気刺激が与えられる。
【0055】
特に、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが、互いに駆動期間が重ならないように繰り返し付与される。図4(c)及び図4(d)に示す例では、左の超音波振動、左右の電気刺激、右の超音波振動、左右の電気刺激、・・・と繰り返されるが、これに限らず、超音波振動と電気刺激との左右の順番は任意に設定してよい。
【0056】
なお、制御装置2が音楽モジュールを備える場合や、外部音源を接続可能な場合には、音楽モジュールや外部音源からのオーディオ信号を増幅したステレオの音楽駆動信号をミックス回路によりミックスして出力することで、頬骨や顎骨等から音楽振動が体内に入って内耳に伝わることで、音楽のステレオ振動波が被験者に聴覚感知可能となる。
【0057】
駆動時間が終了した場合、あるいは、スタート/ストップスイッチが再度操作された場合には、電源供給、あるいは処理モジュール6からの信号を停止信号としたり、制御信号の出力を停止したりして、駆動を停止する。
【0058】
上述したように、第1の実施の形態によれば、マスク本体部30に耳掛け部31を設け、マスク本体部30に刺激体40を配置することで、刺激装置3を軽量に構成でき、通常のマスクを装着する作業と同様に、マスク本体部30に配置した刺激体40が顔面に直接的または間接的に接触するように耳掛け部31を両耳に引っ掛けるだけで刺激装置3を容易に装着できるとともに、一旦装着してしまえば、手を使うことなくその装着状態を維持でき、手軽に使用できる。そのため、使用に際して装着者に煩雑さが生じにくく、施術を習慣的に継続しやすくなる。
【0059】
刺激体40から、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動との少なくともいずれかが付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果、及び/または、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果により、美顔効果を得ることができる。本実施の形態では、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動とがともに付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果と、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果とを、同時に得ることができ、高い美顔効果を得ることができる。そして、刺激体40の左右交互駆動によって良好なマッサージ/リフトアップ効果を得ることができる。
【0060】
刺激体40により装着者の顔面に超音波振動を付与することにより、深部に振動を届けることができ、血流を促進してマッサージ効果を十分に得ることが可能になるとともに、塗布した薬液等を肌へと効率よく浸透させることができる。
【0061】
特に、刺激体40は、左右に対をなして配置し、左右交互駆動することで、顔面を効果的に刺激できる。
【0062】
また、超音波のキャリア波17を変調波18により立ち上がりと立ち下がりが緩和されるように変調した超音波駆動信号20,21によって振動子42を駆動させることで、被施療部をソフトで、なだらかかつ効果的にマッサージできる。
【0063】
刺激体40を、振動(超音波振動)の付与用の振動部材及び電気刺激の付与用の電極として共用しているので、刺激装置3をコンパクトな構成としつつ、効果的な顔面への刺激の付与が可能となる。
【0064】
マスク本体部30に隙間形成部56を配置することで、隙間を介して装着者が呼吸しやすくなり、装着時の装着者の息苦しさや圧迫感を和らげることができる。
【0065】
特に、隙間形成部56は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能であるため、鼻や口周りに隙間を効果的に形成して、装着者の呼吸を助けることができる。
【0066】
そして、上記の刺激装置3を備えることで、手軽に使用できるだけでなく、取り回しが良好であり、装着者の負担を軽減した刺激システム1を実現できる。
【0067】
また、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力を大きくすることで、例えば顎関節症の治療器としても用いることが可能である。すなわち、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力の大きさ、すなわち制御装置2から刺激装置3に出力される超音波駆動信号20,21の強度を変えることで、様々な用途に適用できる。
【0068】
なお、第1の実施の形態において、隙間形成部56に代えて、または、隙間形成部56に加えて、図6に示す第2の実施の形態のように、マスク本体部30に開口部58を形成してもよい。開口部58は、マスク本体部30の左右方向の中央部において、装着者の鼻下部から口に亘る部分に開口されている。図示される例では、開口部58は、下側へと徐々に拡幅されるように形成されている。この開口部58により、装着者は呼吸が容易になる。
【0069】
また、各実施の形態において、刺激体40は左右に一つずつ配置したが、これに限らず、左右に複数ずつ配置してもよい。例えば、図7に示す第3の実施の形態のように、刺激体40を左右に二つずつ配置してもよい。この場合、刺激体40は、同側の二つの刺激体40を同時に駆動させるように制御してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40c、刺激体40bの順またはその左右対称な順またはその上下対称な順に、すなわち正面から見てX字状の順番で駆動してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40b、刺激体40cの順またはその左右対称またはその状対称な順に、すなわち正面から見て8の字の順番で駆動してもよい。このように、刺激体40を左右に複数ずつ配置することで、より広範囲に刺激を与えることができる。
【0070】
次に、第4の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
本実施の形態の刺激装置3は、マスク本体部30の下部が装着者の顎部及び顎下部を含む位置まで拡張されており、刺激体40が装着者の頬部に接触可能な位置と、顎部に接触可能な位置と、顎下部に接触可能な位置と、にそれぞれ配置されている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の鼻及び口を含み、装着者の顎部ないし顎下部に亘る部分を覆うことが可能となっている。
【0072】
刺激体40は、左右において、少なくとも上下に二つずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右において、上下に三つずつ、互いに上下に離れて配置されている。図9(a)及び図9(b)に示すように、刺激装置3を装着した状態で、上側二つずつの刺激体40が装着者Hの頬部ないし顎部に位置し、最下部の刺激体40が装着者Hの顎下部に位置する。なお、図示される例では、刺激体40は、上下方向に並んで三つ配置されているが、これに限らず、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な任意の位置に配置可能である。
【0073】
このように構成することで、刺激システム1は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に対して刺激体40からの刺激を作用させることができるので、頬部のマッサージ/リフトアップ効果だけでなく、例えば装着者の顎下部の弛みの引き締め等の効果も得ることができる。
【0074】
特に、本実施の形態において、第2の実施の形態に示す開口部58を適用した場合には、顎下部まで覆うマスク本体部30においても、装着者の呼吸を確保しやすくなる。
【0075】
なお、各実施の形態において、制御装置2で生成された刺激体40の駆動信号は、無線により刺激装置3側で受信されるようにしてもよい。
【0076】
また、刺激装置3は、刺激体40から、振動(超音波振動)と電気刺激とのいずれか一方のみを装着者の顔面に付与できるように構成されていてもよいし、振動(超音波振動)のみの付与、電気刺激のみの付与、及び、振動(超音波振動)+電気刺激の付与を、制御装置2等に設けられたスイッチ等の設定手段によりユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
【0077】
さらに、刺激体40は、伝達部43全体を振動(超音波振動)伝達用の振動部材と電気刺激伝達用の電極とに共用したが、これに限らず、伝達部43の一部を振動(超音波振動)伝達用の振動部材とし、残りの他部を電気刺激伝達用の電極としてもよい。
【0078】
また、振動子42は、超音波振動に限らず、マッサージ効果やリラクゼーション効果を有する任意の振動をさせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与する例えば美顔用の刺激システムとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 刺激システム
2 制御装置
3 刺激装置
30 マスク本体部
31 耳掛け部
40 刺激体
56 隙間形成部
58 開口部
H 装着者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体を有する刺激装置を備えた刺激システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を利用した美顔器がある。この美顔器は、スティック状の本体部の先端に、超音波振動子が内在したヘッド部を有し、このヘッド部を顔面に押し当てることで皮膚に超音波振動を与えてマッサージする。この美顔器の場合、ユーザが施術中に本体部を手に持ってヘッド部を顔に押し当て続ける必要があり、煩雑であるため、マッサージを習慣的に継続しにくいという課題がある。
【0003】
そこで、本体部を手持ちし続ける煩雑さを解消するために、目、鼻、口を除く顔面全体を覆うマスク状の保持体に超音波振動子を保持したマスク型振動システム(例えば、特許文献1参照)、あるいは、目、鼻、口を除いて顎先から左右の頬を通り後頭部に巻回する帯状の保持体に超音波の刺激を与える刺激体を配置した美容マスク(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-261409号公報
【特許文献2】特開2022-42422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の美顔器では、マスクによって装着者の顔の大部分を覆うため、全体に重く、また装着に手間が掛かり、手軽に使用できない。
【0006】
また、基本的に装着者が動くことを想定しておらず、目、鼻、口を除く顔面の広範囲がマスクで覆われた状態となるため、装着状態での他の作業等が困難であり、施術している間、装着者は殆ど動かずにいることを強いられることとなる。そのため、肉体的・精神的負担が大きく、習慣的に継続しにくくなりがちである。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる刺激装置を備えた刺激システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の刺激システムは、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、前記刺激装置は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、前記マスク本体部に左右に離れて配置され、装着者の顔面の左側と右側とに少なくとも超音波振動を付与するための刺激体と、を備え、前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面の左側と右側とで交互に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御するものである。
【0009】
請求項2記載の刺激システムは、請求項1記載の刺激システムにおいて、制御装置は、刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御するものである。
【0010】
求項記載の刺激システムは、請求項1記載の刺激システムにおいて、刺激装置は、マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備えるものである。
【0011】
請求項記載の刺激システムは、請求項記載の刺激システムにおいて、隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されているものである。
【0012】
請求項記載の刺激システムは、請求項1記載の刺激システムにおいて、刺激装置は、マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備えるものである。
【0013】
請求項記載の刺激システムは、請求項1記載の刺激システムにおいて、刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にあるものである
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は第1の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図、(b)は同上刺激装置の装着前の状態の裏面図である。
図2】同上刺激装置の一部の断面図である。
図3】同上刺激システムの制御装置の内部構造を示すブロック図である。
図4】(a)は同上制御装置により生成される超音波信号を模式的に示す説明図、(b)は同上制御装置により生成される変調波を模式的に示す説明図、(c)は同上制御装置により生成される超音波駆動信号を模式的に示す説明図、(d)は同上制御装置により生成される電気刺激駆動信号を模式的に示す説明図である。
図5】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
図6】第2の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図7】第3の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図8】第4の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図9】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1(a)及び図1(b)において、1は刺激システムを示す。刺激システム1は、電気刺激及び/または超音波等の刺激を用いて装着者の顔面に刺激を与えるものである。本実施の形態において、刺激システム1は、装着者の顔面をマッサージ及び/またはリフトアップする美顔装置である。刺激システム1は、制御装置2と、この制御装置2に対して着脱可能で被施療部に刺激を与えるための装着ユニットである刺激装置3と、を備える。
【0018】
図3に示すように、制御装置2は、マイコン等の制御部本体である処理モジュール6を備える。処理モジュール6は、図示しないタイマを内蔵して動作時間を管理するとともに、各種信号を生成するものである。
【0019】
処理モジュール6は、刺激としての血流促進用の振動を付与するための信号線7と駆動信号線8,9とを介して、変調器10,11に電気的に接続されているとともに、制御信号線12,13を介して増幅手段としての増幅器14,15に電気的に接続されている。そして、処理モジュール6は、例えば16kHz乃至300kHz、好ましくは30kHz程度の体内で長波長となる超音波の振動エネルギーであるキャリア波17(図4(a))を、信号線7を介して変調器10,11に出力し、このキャリア波17を、駆動信号線8,9を介して制御した変調器10,11でのパルス状の変調波18(図4(b))により変調して、その立ち上がり及び立ち下がりを緩和し、さらに、制御信号線12,13を介して制御した増幅器14,15によって増幅(昇圧)した超音波駆動信号20,21(図4(c))をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0020】
ここで、変調波18は、0Vから徐々に出力が増加し、傾斜が徐々に増加した後、最大値近傍で保持し、その後徐々に減少してなだらかに0Vに減少する、滑らかな曲線状に形成されている。したがって、この変調波18によりキャリア波17が変調された超音波駆動信号20,21により生じる超音波振動は、矩形波やパルス波等の変節点を有する変調波により変調した場合のように衝撃波が生じることがなく、強い違和感を与えない、穏やかな振動となる。
【0021】
また、図4(c)に示すように、超音波駆動信号20,21は、変調された穏やかな超音波振動を交互に所定間隔T1(例えば1.5秒)で、この所定間隔T1よりも短い所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)ずつ出力するように生成されている。
【0022】
また、図3に示すように、処理モジュール6は、制御信号線23を介して、電気刺激駆動回路24と電気的に接続されている。そして、電気刺激駆動回路24は、刺激としての頬部の引き締め用の電気刺激を付与するための図4(d)に示す電気刺激駆動信号25,26をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0023】
ここで、電気刺激駆動信号25,26は、パルス状の電気刺激を交互に所定間隔T3で、この所定間隔T3よりも短い所定継続時間T4ずつ出力するようになっている。
【0024】
図4(c)及び図4(d)に示す所定間隔T1,T3、及び、所定継続時間T2,T4は、互いに相関を有していてもよいし、それぞれ互いに無関係に設定されていてもよい。本実施の形態では、所定間隔T1,T3は略等しく設定され、所定継続時間T2は、(T3-T4以下)以下、所定継続時間T4は(T1-T2)以下に設定されている。また、図示される例では、超音波駆動信号20,21による超音波振動の出力のタイミングと、電気刺激駆動信号25,26による電気刺激の出力のタイミングとは、互いにずれている。そのため、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが交互に、かつ、互いに駆動期間が重ならないように付与されるように信号が生成される。
【0025】
図1(a)及び図1(b)に示すように、制御装置2は、接続端子部27を介して刺激装置3と接続される。接続端子部27は、一つでもよいし、複数でもよい。複数の接続端子部27を備える場合、超音波駆動信号20,21(図4(c))及び電気刺激駆動信号25,26(図4(d))が各接続端子部27に伝達されるように増幅器14,15及び電気刺激駆動回路24(図3)と電気的に接続される。
【0026】
なお、処理モジュール6は、振動付与用の制御と電気刺激付与用の制御のものとで共通としたが、これに限らず、それぞれの制御用に別個に構成されていてもよい。
【0027】
また、制御装置2には、音楽駆動信号を超音波駆動信号と重畳するための音楽制御部である音楽モジュール等を内蔵していてもよいし、外部音源等を接続可能としてもよい。この場合には、制御装置2には、超音波駆動信号と音楽駆動信号とをミックスするためのミックス回路が備えられていてもよい。
【0028】
その他、制御装置2は、電源スイッチ、駆動時間の残り時間や刺激の出力レベル等を表示する各種表示部、刺激の出力レベルを調整するレベル調整手段、及び、刺激の開始/中断(終了)を指示するスタート/ストップスイッチ等を有していてもよい。
【0029】
制御装置2の電源は、商用電源でもよいし、バッテリでもよい。
【0030】
刺激装置3は、被施療部に配置されるマスク部29を備える。マスク部29は、例えば一般的な衛生用品や医療用品としてのマスクと同等の外観を有する。マスク部29は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部30と、このマスク本体部30に設けられて、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部31と、を有する。
【0031】
マスク本体部30は、装着者の顔幅に応じた横長に形成され、装着者の顔面の鼻から下側の略全体を覆うことが可能となっている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の顔面のうち、鼻、口、及び、頬等を含む下半分のみを覆う。マスク本体部30は、略矩形状の平面状を呈しているが、装着状態では装着者の顔面に沿って立体形状となってもよい。本実施の形態では、マスク本体部30の上部の中央部には、鼻頭を覆う鼻被覆部30aが形成されている。鼻被覆部30aは、左右方向の中央部に向かい徐々に上方に突出するように形成されている。
【0032】
好ましくは、マスク本体部30は、通気性を有する素材、例えば不織布や布等により形成される。図示される例では、マスク本体部30は、外観を構成する表地35と、装着者の顔面側に対向する裏地36と、を一体的に備える。表地35及び裏地36の少なくともいずれかは、複数枚または複数層の同一または異なる素材が厚み方向に積層されて形成されていてもよい。表地35と裏地36との素材は同一でもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、表地35は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35には、装着前の状態でマスク本体部30の横方向に沿って延在する複数の折畳部(折り込み片)を有していてもよい。裏地36は、平面状に形成され、表地35の裏側の少なくとも一部を覆うように表地35の裏側に重ねられている。本実施の形態では、裏地36は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35と裏地36とは、両面テープ等により周縁部が互いに貼り合わせられていてもよいし、縫製あるいは接着等により周縁部が互いに固着されていてもよい。
【0033】
マスク本体部30の両側部に耳掛け部31が取り付けられている。耳掛け部31は、紐状または帯状等に形成され、マスク本体部30の表地35、または、表地35及び裏地36に対して両端部が取り付けられることでループ状をなしている。耳掛け部31は、伸縮性を有する素材により形成されていてもよいし、伸縮性を有しない素材により形成されていてもよい。また、耳掛け部31は、長さを調整可能となっていてもよい。
【0034】
そして、マスク部29には、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体40がマスク本体部30に配置されている。本実施の形態において、刺激体40は、マスク本体部30に左右に対をなして配置されている。例えば、刺激体40は、マスク本体部30に左右同数ずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右に一つずつ配置されている。
【0035】
本実施の形態において、図2に示すように、刺激体40は、振動する振動子42と、振動子42の振動及び電気刺激を装着者の顔面に伝達する伝達部43と、を有する。
【0036】
本実施の形態において、振動子42は、超音波振動子である。振動子42は、制御装置2(図1(a)及び図1(b))から出力された超音波駆動信号20,21(図4(c))により動作されて超音波周波数で振動する。本実施の形態において、振動子42は、バイモルフ型のセラミック圧電振動子が用いられる。すなわち、振動子42は、複数、例えばセラミック等の(一方及び他方の)圧電素子と電極とが順次積層されて板状に形成されている。振動子42は、円形状の外観を有する。振動子42は、マスク本体部30において、表地35と裏地36との間に収容されている。
【0037】
振動子42は、伝達部43と固着されている。伝達部43は、装着者の顔面に直接的または間接的に接触して、装着者の顔面に振動子42の振動を伝達するように構成されている。また、伝達部43は、電気刺激を装着者の顔面に伝達するように構成されている。例えば、伝達部43は、導電性を有する部材、例えば金属あるいは合成樹脂の一部に金属を貼る等により平板状に形成されている。本実施の形態において、伝達部43は、円形状に形成されている。図示される例では、伝達部43は、正面から見て振動子42より大きい外形を有する。伝達部43は、マスク本体部30の裏地36から露出している。好ましくは、伝達部43は、裏地36の装着者側の面に対して面一または略面一となっている。
【0038】
図示される例では、振動子42には、配線45が接続されている。配線45は、制御装置2からの超音波駆動信号20,21(図4(c))を振動子42に伝達するものである。各振動子42の配線45は、それぞれ例えばプラスとマイナスとで一対設定されている。
【0039】
同様に、伝達部43には、配線46が接続されている。配線46は、制御手段2からの電気刺激駆動信号25,26(図4(d))を伝達部43から装着者の顔面に伝達するものである。配線46は、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)がプラス、他方の刺激体40(伝達部43)がマイナスである。つまり、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)と他方の刺激体40(伝達部43)とで配線46の極性が互いに異なっている。
【0040】
配線45,46は、表地35と裏地36との間からマスク本体部30の外部に導出されている。配線45,46は、まとめられて図1(a)及び図1(b)に示すケーブル部47としてマスク部29から延出している。ケーブル部47の先端部には、コネクタ48が接続されており、このコネクタ48が制御装置2の接続端子部27に対して着脱可能となっている。
【0041】
好ましくは、刺激体40は、図2に示すケース体50に保持されている。ケース体50は、刺激体40を保護する保護部材である。ケース体50は、合成樹脂等により形成されている。ケース体50は、軸方向に短い扁平な筒状に形成されたケース体本体部52を有する。ケース体本体部52の内方に、振動子42が配置される。ケース体本体部52は、マスク本体部30の表地35と裏地36との間の空間部に配置されている。ケース体本体部52は、裏地36に対して例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。ケース体本体部52の一端部は、表地35に対向し、被覆体53により覆われて閉塞されている。被覆体53には配線45,46が挿通されている。また、ケース体本体部52の他端部は、裏地36に形成された開口部54に嵌合され、伝達部43により閉塞されている。ケース体本体部52に対して、刺激体40(伝達部43)は、例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。
【0042】
好ましくは、刺激体40は、マスク本体部30に対して着脱可能となっている。本実施の形態では、刺激体40は、ケーブル部47及びケース体50とともに、マスク本体部30から着脱可能となっている。
【0043】
また、好ましくは、マスク本体部30には、装着者に対向する裏側に、図1(b)に示す隙間形成部56が配置されている。隙間形成部56は、装着者の顔面とマスク本体部30との間に隙間を生じさせるものである。隙間形成部56は、突起として形成され、装着者の顔面と直接的または間接的に接触するようにマスク本体部30に配置されている。本実施の形態では、隙間形成部56は、マスク本体部30の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている。図示される例では、隙間形成部56は、マスク本体部30の上縁部及び/または下縁部において、左右方向の中央部の両側に位置する。例えば、隙間形成部56は、鼻被覆部30aの縁部に沿って位置する。そのため、マスク本体部30と装着者の顔面との間に、刺激装置3のマスク部29の装着状態で上下方向に通気する通気路が形成される。隙間形成部56は、軟質の部材により形成され、接触する装着者の肌への負担が軽減されている。
【0044】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0045】
使用者は、予め刺激装置3のケーブル部47の先端部のコネクタ48を制御装置2の接続端子部27に装着しておく。そして、刺激装置3は、例えば図5(a)及び図5(b)に示すように、マスク部29のマスク本体部30により装着者Hの顔面の下半分程度を覆うように、つまり鼻N及び口Mを覆うように配置して、耳掛け部31を両耳Eに引っ掛けて保持する。
【0046】
このとき、必要に応じて、装着者Hは、刺激体40の伝達部43または顔面の頬部に、液状またはジェル状等の薬液等を塗布しておいてもよいし、マスク部29と顔面の皮膚との間に、薬液等を染み込ませたシート状の保護部材を挟み込んでもよい。
【0047】
この状態で、刺激体40(伝達部43)が装着者Hの両頬骨の下部付近に直接的または間接的に接触する位置となる。
【0048】
次いで、スタート/ストップスイッチを操作することにより、商用電源、あるいはバッテリにより供給された電力によって、制御装置2の処理モジュール6が、刺激装置3の刺激体40,40を左右交互駆動させ、所定の駆動時間、例えば20分間または10分間、超音波駆動信号20,21及び電気刺激駆動信号25,26を出力する。
【0049】
超音波振動は、制御装置2の処理モジュール6から、信号線7を介して変調器10,11へと出力されたキャリア波17が変調波18により変調されて、立ち上がりと立ち下がりとが緩和されるとともに、増幅器14,15により増幅された超音波駆動信号20,21により振動子42,42から伝達部43,43を介して出力される。
【0050】
すなわち、刺激装置3において、例えば約10000~15000回ずつ程度の超音波振動が左または右の刺激体40から所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の超音波振動の開始から所定間隔T1後に、右または左の刺激体40から超音波振動が所定継続時間T2出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による超音波振動が順次出力される振動を、所定間隔T1毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、超音波振動により装着者Hの顔面に超音波マッサージ振動が与えられる。
【0051】
同様に、電気刺激は、制御装置2の処理モジュール6からの制御信号線23により出力された制御信号によって制御された電気刺激駆動回路24から出力される電気刺激駆動信号25,26により伝達部43から出力される。
【0052】
すなわち、刺激装置3において、例えば1刺激で1~100波程度の電気刺激(EMS)が左右又は複数の組み合わせで刺激体40から所定継続時間T4(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の電気刺激の開始から所定間隔T3後に、右または左の刺激体40から電気刺激が所定継続時間T4出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による電気刺激を、所定間隔T3毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、装着者Hの顔面に電気刺激が与えられる。
【0053】
特に、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが、互いに駆動期間が重ならないように繰り返し付与される。図4(c)及び図4(d)に示す例では、左の超音波振動、左右の電気刺激、右の超音波振動、左右の電気刺激、・・・と繰り返されるが、これに限らず、超音波振動と電気刺激との左右の順番は任意に設定してよい。
【0054】
なお、制御装置2が音楽モジュールを備える場合や、外部音源を接続可能な場合には、音楽モジュールや外部音源からのオーディオ信号を増幅したステレオの音楽駆動信号をミックス回路によりミックスして出力することで、頬骨や顎骨等から音楽振動が体内に入って内耳に伝わることで、音楽のステレオ振動波が被験者に聴覚感知可能となる。
【0055】
駆動時間が終了した場合、あるいは、スタート/ストップスイッチが再度操作された場合には、電源供給、あるいは処理モジュール6からの信号を停止信号としたり、制御信号の出力を停止したりして、駆動を停止する。
【0056】
上述したように、第1の実施の形態によれば、マスク本体部30に耳掛け部31を設け、マスク本体部30に刺激体40を配置することで、刺激装置3を軽量に構成でき、通常のマスクを装着する作業と同様に、マスク本体部30に配置した刺激体40が顔面に直接的または間接的に接触するように耳掛け部31を両耳に引っ掛けるだけで刺激装置3を容易に装着できるとともに、一旦装着してしまえば、手を使うことなくその装着状態を維持でき、手軽に使用できる。そのため、使用に際して装着者に煩雑さが生じにくく、施術を習慣的に継続しやすくなる。
【0057】
刺激体40から、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動との少なくともいずれかが付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果、及び/または、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果により、美顔効果を得ることができる。本実施の形態では、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動とがともに付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果と、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果とを、同時に得ることができ、高い美顔効果を得ることができる。そして、刺激体40の左右交互駆動によって良好なマッサージ/リフトアップ効果を得ることができる。
【0058】
刺激体40により装着者の顔面に超音波振動を付与することにより、深部に振動を届けることができ、血流を促進してマッサージ効果を十分に得ることが可能になるとともに、塗布した薬液等を肌へと効率よく浸透させることができる。
【0059】
特に、刺激体40は、左右に対をなして配置し、左右交互駆動することで、顔面を効果的に刺激できる。
【0060】
また、超音波のキャリア波17を変調波18により立ち上がりと立ち下がりが緩和されるように変調した超音波駆動信号20,21によって振動子42を駆動させることで、被施療部をソフトで、なだらかかつ効果的にマッサージできる。
【0061】
刺激体40を、振動(超音波振動)の付与用の振動部材及び電気刺激の付与用の電極として共用しているので、刺激装置3をコンパクトな構成としつつ、効果的な顔面への刺激の付与が可能となる。
【0062】
マスク本体部30に隙間形成部56を配置することで、隙間を介して装着者が呼吸しやすくなり、装着時の装着者の息苦しさや圧迫感を和らげることができる。
【0063】
特に、隙間形成部56は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能であるため、鼻や口周りに隙間を効果的に形成して、装着者の呼吸を助けることができる。
【0064】
そして、上記の刺激装置3を備えることで、手軽に使用できるだけでなく、取り回しが良好であり、装着者の負担を軽減した刺激システム1を実現できる。
【0065】
また、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力を大きくすることで、例えば顎関節症の治療器としても用いることが可能である。すなわち、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力の大きさ、すなわち制御装置2から刺激装置3に出力される超音波駆動信号20,21の強度を変えることで、様々な用途に適用できる。
【0066】
なお、第1の実施の形態において、隙間形成部56に代えて、または、隙間形成部56に加えて、図6に示す第2の実施の形態のように、マスク本体部30に開口部58を形成してもよい。開口部58は、マスク本体部30の左右方向の中央部において、装着者の鼻下部から口に亘る部分に開口されている。図示される例では、開口部58は、下側へと徐々に拡幅されるように形成されている。この開口部58により、装着者は呼吸が容易になる。
【0067】
また、各実施の形態において、刺激体40は左右に一つずつ配置したが、これに限らず、左右に複数ずつ配置してもよい。例えば、図7に示す第3の実施の形態のように、刺激体40を左右に二つずつ配置してもよい。この場合、刺激体40は、同側の二つの刺激体40を同時に駆動させるように制御してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40c、刺激体40bの順またはその左右対称な順またはその上下対称な順に、すなわち正面から見てX字状の順番で駆動してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40b、刺激体40cの順またはその左右対称またはその状対称な順に、すなわち正面から見て8の字の順番で駆動してもよい。このように、刺激体40を左右に複数ずつ配置することで、より広範囲に刺激を与えることができる。
【0068】
次に、第4の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0069】
本実施の形態の刺激装置3は、マスク本体部30の下部が装着者の顎部及び顎下部を含む位置まで拡張されており、刺激体40が装着者の頬部に接触可能な位置と、顎部に接触可能な位置と、顎下部に接触可能な位置と、にそれぞれ配置されている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の鼻及び口を含み、装着者の顎部ないし顎下部に亘る部分を覆うことが可能となっている。
【0070】
刺激体40は、左右において、少なくとも上下に二つずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右において、上下に三つずつ、互いに上下に離れて配置されている。図9(a)及び図9(b)に示すように、刺激装置3を装着した状態で、上側二つずつの刺激体40が装着者Hの頬部ないし顎部に位置し、最下部の刺激体40が装着者Hの顎下部に位置する。なお、図示される例では、刺激体40は、上下方向に並んで三つ配置されているが、これに限らず、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な任意の位置に配置可能である。
【0071】
このように構成することで、刺激システム1は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に対して刺激体40からの刺激を作用させることができるので、頬部のマッサージ/リフトアップ効果だけでなく、例えば装着者の顎下部の弛みの引き締め等の効果も得ることができる。
【0072】
特に、本実施の形態において、第2の実施の形態に示す開口部58を適用した場合には、顎下部まで覆うマスク本体部30においても、装着者の呼吸を確保しやすくなる。
【0073】
なお、各実施の形態において、制御装置2で生成された刺激体40の駆動信号は、無線により刺激装置3側で受信されるようにしてもよい。
【0074】
また、刺激装置3は、刺激体40から、振動(超音波振動)と電気刺激とのいずれか一方のみを装着者の顔面に付与できるように構成されていてもよいし、振動(超音波振動)のみの付与、電気刺激のみの付与、及び、振動(超音波振動)+電気刺激の付与を、制御装置2等に設けられたスイッチ等の設定手段によりユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
【0075】
さらに、刺激体40は、伝達部43全体を振動(超音波振動)伝達用の振動部材と電気刺激伝達用の電極とに共用したが、これに限らず、伝達部43の一部を振動(超音波振動)伝達用の振動部材とし、残りの他部を電気刺激伝達用の電極としてもよい。
【0076】
また、振動子42は、超音波振動に限らず、マッサージ効果やリラクゼーション効果を有する任意の振動をさせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与する例えば美顔用の刺激システムとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 刺激システム
2 制御装置
3 刺激装置
30 マスク本体部
31 耳掛け部
40 刺激体
56 隙間形成部
58 開口部
H 装着者
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、
この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、
前記刺激装置は、
装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、
このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、
前記マスク本体部に左右に離れて配置され、装着者の顔面の左側と右側とに少なくとも超音波振動を付与するための刺激体と、を備え
前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面の左側と右側とで交互に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御する
ことを特徴とする刺激システム
【請求項2】
制御装置は、刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の刺激システム。
【請求項3】
刺激装置は、マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の刺激システム
【請求項4】
隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている
ことを特徴とする請求項記載の刺激システム
【請求項5】
刺激装置は、マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の刺激システム
【請求項6】
刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にある
ことを特徴とする請求項1記載の刺激システム
【手続補正書】
【提出日】2022-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体を有する刺激装置を備えた刺激システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を利用した美顔器がある。この美顔器は、スティック状の本体部の先端に、超音波振動子が内在したヘッド部を有し、このヘッド部を顔面に押し当てることで皮膚に超音波振動を与えてマッサージする。この美顔器の場合、ユーザが施術中に本体部を手に持ってヘッド部を顔に押し当て続ける必要があり、煩雑であるため、マッサージを習慣的に継続しにくいという課題がある。
【0003】
そこで、本体部を手持ちし続ける煩雑さを解消するために、目、鼻、口を除く顔面全体を覆うマスク状の保持体に超音波振動子を保持したマスク型振動システム(例えば、特許文献1参照)、あるいは、目、鼻、口を除いて顎先から左右の頬を通り後頭部に巻回する帯状の保持体に超音波の刺激を与える刺激体を配置した美容マスク(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-261409号公報
【特許文献2】特開2022-42422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の美顔器では、マスクによって装着者の顔の大部分を覆うため、全体に重く、また装着に手間が掛かり、手軽に使用できない。
【0006】
また、基本的に装着者が動くことを想定しておらず、目、鼻、口を除く顔面の広範囲がマスクで覆われた状態となるため、装着状態での他の作業等が困難であり、施術している間、装着者は殆ど動かずにいることを強いられることとなる。そのため、肉体的・精神的負担が大きく、習慣的に継続しにくくなりがちである。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる刺激装置を備えた刺激システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の刺激システムは、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、前記刺激装置は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、前記マスク本体部に配置され、装着者の顔面に少なくとも超音波振動及び電気刺激を付与するための刺激体と、を備え、前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御するとともに、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御するものである。
【0009】
請求項2記載の刺激システムは、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、前記刺激装置は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、前記マスク本体部に左右に離れて配置され、装着者の顔面の左側と右側とに少なくとも超音波振動及び電気刺激を付与するための刺激体と、を備え、前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面の左側と右側とで交互に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御するとともに、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御するものである。
【0010】
請求項3記載の刺激システムは、請求項1又は2記載の刺激システムにおいて、刺激装置は、マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備えるものである。
【0011】
請求項4記載の刺激システムは、請求項3記載の刺激システムにおいて、隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されているものである。
【0012】
請求項5記載の刺激システムは、請求項1又は2記載の刺激システムにおいて、刺激装置は、マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備えるものである。
【0013】
請求項6記載の刺激システムは、請求項1又は2記載の刺激システムにおいて、刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にあるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽量で、容易に装着できて手軽に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は第1の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図、(b)は同上刺激装置の装着前の状態の裏面図である。
図2】同上刺激装置の一部の断面図である。
図3】同上刺激システムの制御装置の内部構造を示すブロック図である。
図4】(a)は同上制御装置により生成される超音波信号を模式的に示す説明図、(b)は同上制御装置により生成される変調波を模式的に示す説明図、(c)は同上制御装置により生成される超音波駆動信号を模式的に示す説明図、(d)は同上制御装置により生成される電気刺激駆動信号を模式的に示す説明図である。
図5】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
図6】第2の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図7】第3の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図8】第4の実施の形態に係る刺激システムの刺激装置の装着前の状態の正面図である。
図9】(a)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す正面図、(b)は同上刺激装置を装着した状態を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1(a)及び図1(b)において、1は刺激システムを示す。刺激システム1は、電気刺激及び/または超音波等の刺激を用いて装着者の顔面に刺激を与えるものである。本実施の形態において、刺激システム1は、装着者の顔面をマッサージ及び/またはリフトアップする美顔装置である。刺激システム1は、制御装置2と、この制御装置2に対して着脱可能で被施療部に刺激を与えるための装着ユニットである刺激装置3と、を備える。
【0018】
図3に示すように、制御装置2は、マイコン等の制御部本体である処理モジュール6を備える。処理モジュール6は、図示しないタイマを内蔵して動作時間を管理するとともに、各種信号を生成するものである。
【0019】
処理モジュール6は、刺激としての血流促進用の振動を付与するための信号線7と駆動信号線8,9とを介して、変調器10,11に電気的に接続されているとともに、制御信号線12,13を介して増幅手段としての増幅器14,15に電気的に接続されている。そして、処理モジュール6は、例えば16kHz乃至300kHz、好ましくは30kHz程度の体内で長波長となる超音波の振動エネルギーであるキャリア波17(図4(a))を、信号線7を介して変調器10,11に出力し、このキャリア波17を、駆動信号線8,9を介して制御した変調器10,11でのパルス状の変調波18(図4(b))により変調して、その立ち上がり及び立ち下がりを緩和し、さらに、制御信号線12,13を介して制御した増幅器14,15によって増幅(昇圧)した超音波駆動信号20,21(図4(c))をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0020】
ここで、変調波18は、0Vから徐々に出力が増加し、傾斜が徐々に増加した後、最大値近傍で保持し、その後徐々に減少してなだらかに0Vに減少する、滑らかな曲線状に形成されている。したがって、この変調波18によりキャリア波17が変調された超音波駆動信号20,21により生じる超音波振動は、矩形波やパルス波等の変節点を有する変調波により変調した場合のように衝撃波が生じることがなく、強い違和感を与えない、穏やかな振動となる。
【0021】
また、図4(c)に示すように、超音波駆動信号20,21は、変調された穏やかな超音波振動を交互に所定間隔T1(例えば1.5秒)で、この所定間隔T1よりも短い所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)ずつ出力するように生成されている。
【0022】
また、図3に示すように、処理モジュール6は、制御信号線23を介して、電気刺激駆動回路24と電気的に接続されている。そして、電気刺激駆動回路24は、刺激としての頬部の引き締め用の電気刺激を付与するための図4(d)に示す電気刺激駆動信号25,26をそれぞれ生成して出力可能となっている。
【0023】
ここで、電気刺激駆動信号25,26は、パルス状の電気刺激を交互に所定間隔T3で、この所定間隔T3よりも短い所定継続時間T4ずつ出力するようになっている。
【0024】
図4(c)及び図4(d)に示す所定間隔T1,T3、及び、所定継続時間T2,T4は、互いに相関を有していてもよいし、それぞれ互いに無関係に設定されていてもよい。本実施の形態では、所定間隔T1,T3は略等しく設定され、所定継続時間T2は、(T3-T4以下)以下、所定継続時間T4は(T1-T2)以下に設定されている。また、図示される例では、超音波駆動信号20,21による超音波振動の出力のタイミングと、電気刺激駆動信号25,26による電気刺激の出力のタイミングとは、互いにずれている。そのため、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが交互に、かつ、互いに駆動期間が重ならないように付与されるように信号が生成される。
【0025】
図1(a)及び図1(b)に示すように、制御装置2は、接続端子部27を介して刺激装置3と接続される。接続端子部27は、一つでもよいし、複数でもよい。複数の接続端子部27を備える場合、超音波駆動信号20,21(図4(c))及び電気刺激駆動信号25,26(図4(d))が各接続端子部27に伝達されるように増幅器14,15及び電気刺激駆動回路24(図3)と電気的に接続される。
【0026】
なお、処理モジュール6は、振動付与用の制御と電気刺激付与用の制御のものとで共通としたが、これに限らず、それぞれの制御用に別個に構成されていてもよい。
【0027】
また、制御装置2には、音楽駆動信号を超音波駆動信号と重畳するための音楽制御部である音楽モジュール等を内蔵していてもよいし、外部音源等を接続可能としてもよい。この場合には、制御装置2には、超音波駆動信号と音楽駆動信号とをミックスするためのミックス回路が備えられていてもよい。
【0028】
その他、制御装置2は、電源スイッチ、駆動時間の残り時間や刺激の出力レベル等を表示する各種表示部、刺激の出力レベルを調整するレベル調整手段、及び、刺激の開始/中断(終了)を指示するスタート/ストップスイッチ等を有していてもよい。
【0029】
制御装置2の電源は、商用電源でもよいし、バッテリでもよい。
【0030】
刺激装置3は、被施療部に配置されるマスク部29を備える。マスク部29は、例えば一般的な衛生用品や医療用品としてのマスクと同等の外観を有する。マスク部29は、装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部30と、このマスク本体部30に設けられて、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部31と、を有する。
【0031】
マスク本体部30は、装着者の顔幅に応じた横長に形成され、装着者の顔面の鼻から下側の略全体を覆うことが可能となっている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の顔面のうち、鼻、口、及び、頬等を含む下半分のみを覆う。マスク本体部30は、略矩形状の平面状を呈しているが、装着状態では装着者の顔面に沿って立体形状となってもよい。本実施の形態では、マスク本体部30の上部の中央部には、鼻頭を覆う鼻被覆部30aが形成されている。鼻被覆部30aは、左右方向の中央部に向かい徐々に上方に突出するように形成されている。
【0032】
好ましくは、マスク本体部30は、通気性を有する素材、例えば不織布や布等により形成される。図示される例では、マスク本体部30は、外観を構成する表地35と、装着者の顔面側に対向する裏地36と、を一体的に備える。表地35及び裏地36の少なくともいずれかは、複数枚または複数層の同一または異なる素材が厚み方向に積層されて形成されていてもよい。表地35と裏地36との素材は同一でもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態では、表地35は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35には、装着前の状態でマスク本体部30の横方向に沿って延在する複数の折畳部(折り込み片)を有していてもよい。裏地36は、平面状に形成され、表地35の裏側の少なくとも一部を覆うように表地35の裏側に重ねられている。本実施の形態では、裏地36は、左右に二分割されて、中央部で接合されて一体的となっている。表地35と裏地36とは、両面テープ等により周縁部が互いに貼り合わせられていてもよいし、縫製あるいは接着等により周縁部が互いに固着されていてもよい。
【0033】
マスク本体部30の両側部に耳掛け部31が取り付けられている。耳掛け部31は、紐状または帯状等に形成され、マスク本体部30の表地35、または、表地35及び裏地36に対して両端部が取り付けられることでループ状をなしている。耳掛け部31は、伸縮性を有する素材により形成されていてもよいし、伸縮性を有しない素材により形成されていてもよい。また、耳掛け部31は、長さを調整可能となっていてもよい。
【0034】
そして、マスク部29には、装着者の顔面に刺激を付与するための刺激体40がマスク本体部30に配置されている。本実施の形態において、刺激体40は、マスク本体部30に左右に対をなして配置されている。例えば、刺激体40は、マスク本体部30に左右同数ずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右に一つずつ配置されている。
【0035】
本実施の形態において、図2に示すように、刺激体40は、振動する振動子42と、振動子42の振動及び電気刺激を装着者の顔面に伝達する伝達部43と、を有する。
【0036】
本実施の形態において、振動子42は、超音波振動子である。振動子42は、制御装置2(図1(a)及び図1(b))から出力された超音波駆動信号20,21(図4(c))により動作されて超音波周波数で振動する。本実施の形態において、振動子42は、バイモルフ型のセラミック圧電振動子が用いられる。すなわち、振動子42は、複数、例えばセラミック等の(一方及び他方の)圧電素子と電極とが順次積層されて板状に形成されている。振動子42は、円形状の外観を有する。振動子42は、マスク本体部30において、表地35と裏地36との間に収容されている。
【0037】
振動子42は、伝達部43と固着されている。伝達部43は、装着者の顔面に直接的または間接的に接触して、装着者の顔面に振動子42の振動を伝達するように構成されている。また、伝達部43は、電気刺激を装着者の顔面に伝達するように構成されている。例えば、伝達部43は、導電性を有する部材、例えば金属あるいは合成樹脂の一部に金属を貼る等により平板状に形成されている。本実施の形態において、伝達部43は、円形状に形成されている。図示される例では、伝達部43は、正面から見て振動子42より大きい外形を有する。伝達部43は、マスク本体部30の裏地36から露出している。好ましくは、伝達部43は、裏地36の装着者側の面に対して面一または略面一となっている。
【0038】
図示される例では、振動子42には、配線45が接続されている。配線45は、制御装置2からの超音波駆動信号20,21(図4(c))を振動子42に伝達するものである。各振動子42の配線45は、それぞれ例えばプラスとマイナスとで一対設定されている。
【0039】
同様に、伝達部43には、配線46が接続されている。配線46は、制御手段2からの電気刺激駆動信号25,26(図4(d))を伝達部43から装着者の顔面に伝達するものである。配線46は、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)がプラス、他方の刺激体40(伝達部43)がマイナスである。つまり、対をなす刺激体40のうち、一方の刺激体40(伝達部43)と他方の刺激体40(伝達部43)とで配線46の極性が互いに異なっている。
【0040】
配線45,46は、表地35と裏地36との間からマスク本体部30の外部に導出されている。配線45,46は、まとめられて図1(a)及び図1(b)に示すケーブル部47としてマスク部29から延出している。ケーブル部47の先端部には、コネクタ48が接続されており、このコネクタ48が制御装置2の接続端子部27に対して着脱可能となっている。
【0041】
好ましくは、刺激体40は、図2に示すケース体50に保持されている。ケース体50は、刺激体40を保護する保護部材である。ケース体50は、合成樹脂等により形成されている。ケース体50は、軸方向に短い扁平な筒状に形成されたケース体本体部52を有する。ケース体本体部52の内方に、振動子42が配置される。ケース体本体部52は、マスク本体部30の表地35と裏地36との間の空間部に配置されている。ケース体本体部52は、裏地36に対して例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。ケース体本体部52の一端部は、表地35に対向し、被覆体53により覆われて閉塞されている。被覆体53には配線45,46が挿通されている。また、ケース体本体部52の他端部は、裏地36に形成された開口部54に嵌合され、伝達部43により閉塞されている。ケース体本体部52に対して、刺激体40(伝達部43)は、例えばシリコンゴム等の弾性を有する接着剤又は両面テープ等により軟接着されている。
【0042】
好ましくは、刺激体40は、マスク本体部30に対して着脱可能となっている。本実施の形態では、刺激体40は、ケーブル部47及びケース体50とともに、マスク本体部30から着脱可能となっている。
【0043】
また、好ましくは、マスク本体部30には、装着者に対向する裏側に、図1(b)に示す隙間形成部56が配置されている。隙間形成部56は、装着者の顔面とマスク本体部30との間に隙間を生じさせるものである。隙間形成部56は、突起として形成され、装着者の顔面と直接的または間接的に接触するようにマスク本体部30に配置されている。本実施の形態では、隙間形成部56は、マスク本体部30の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている。図示される例では、隙間形成部56は、マスク本体部30の上縁部及び/または下縁部において、左右方向の中央部の両側に位置する。例えば、隙間形成部56は、鼻被覆部30aの縁部に沿って位置する。そのため、マスク本体部30と装着者の顔面との間に、刺激装置3のマスク部29の装着状態で上下方向に通気する通気路が形成される。隙間形成部56は、軟質の部材により形成され、接触する装着者の肌への負担が軽減されている。
【0044】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0045】
使用者は、予め刺激装置3のケーブル部47の先端部のコネクタ48を制御装置2の接続端子部27に装着しておく。そして、刺激装置3は、例えば図5(a)及び図5(b)に示すように、マスク部29のマスク本体部30により装着者Hの顔面の下半分程度を覆うように、つまり鼻N及び口Mを覆うように配置して、耳掛け部31を両耳Eに引っ掛けて保持する。
【0046】
このとき、必要に応じて、装着者Hは、刺激体40の伝達部43または顔面の頬部に、液状またはジェル状等の薬液等を塗布しておいてもよいし、マスク部29と顔面の皮膚との間に、薬液等を染み込ませたシート状の保護部材を挟み込んでもよい。
【0047】
この状態で、刺激体40(伝達部43)が装着者Hの両頬骨の下部付近に直接的または間接的に接触する位置となる。
【0048】
次いで、スタート/ストップスイッチを操作することにより、商用電源、あるいはバッテリにより供給された電力によって、制御装置2の処理モジュール6が、刺激装置3の刺激体40,40を左右交互駆動させ、所定の駆動時間、例えば20分間または10分間、超音波駆動信号20,21及び電気刺激駆動信号25,26を出力する。
【0049】
超音波振動は、制御装置2の処理モジュール6から、信号線7を介して変調器10,11へと出力されたキャリア波17が変調波18により変調されて、立ち上がりと立ち下がりとが緩和されるとともに、増幅器14,15により増幅された超音波駆動信号20,21により振動子42,42から伝達部43,43を介して出力される。
【0050】
すなわち、刺激装置3において、例えば約10000~15000回ずつ程度の超音波振動が左または右の刺激体40から所定継続時間T2(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の超音波振動の開始から所定間隔T1後に、右または左の刺激体40から超音波振動が所定継続時間T2出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による超音波振動が順次出力される振動を、所定間隔T1毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、超音波振動により装着者Hの顔面に超音波マッサージ振動が与えられる。
【0051】
同様に、電気刺激は、制御装置2の処理モジュール6からの制御信号線23により出力された制御信号によって制御された電気刺激駆動回路24から出力される電気刺激駆動信号25,26により伝達部43から出力される。
【0052】
すなわち、刺激装置3において、例えば1刺激で1~100波程度の電気刺激(EMS)が左右又は複数の組み合わせで刺激体40から所定継続時間T4(例えば0.3~0.5秒)出力された後、この刺激体40の電気刺激の開始から所定間隔T3後に、右または左の刺激体40から電気刺激が所定継続時間T4出力される。したがって、刺激装置3は、刺激体40,40による電気刺激を、所定間隔T3毎に一方の刺激体40と他方の刺激体40とで交互に間欠的に、互いに駆動期間が重ならないように繰り返すことで、装着者Hの顔面に電気刺激が与えられる。
【0053】
特に、本実施の形態では、超音波振動と電気刺激とが、互いに駆動期間が重ならないように繰り返し付与される。図4(c)及び図4(d)に示す例では、左の超音波振動、左右の電気刺激、右の超音波振動、左右の電気刺激、・・・と繰り返されるが、これに限らず、超音波振動と電気刺激との左右の順番は任意に設定してよい。
【0054】
なお、制御装置2が音楽モジュールを備える場合や、外部音源を接続可能な場合には、音楽モジュールや外部音源からのオーディオ信号を増幅したステレオの音楽駆動信号をミックス回路によりミックスして出力することで、頬骨や顎骨等から音楽振動が体内に入って内耳に伝わることで、音楽のステレオ振動波が被験者に聴覚感知可能となる。
【0055】
駆動時間が終了した場合、あるいは、スタート/ストップスイッチが再度操作された場合には、電源供給、あるいは処理モジュール6からの信号を停止信号としたり、制御信号の出力を停止したりして、駆動を停止する。
【0056】
上述したように、第1の実施の形態によれば、マスク本体部30に耳掛け部31を設け、マスク本体部30に刺激体40を配置することで、刺激装置3を軽量に構成でき、通常のマスクを装着する作業と同様に、マスク本体部30に配置した刺激体40が顔面に直接的または間接的に接触するように耳掛け部31を両耳に引っ掛けるだけで刺激装置3を容易に装着できるとともに、一旦装着してしまえば、手を使うことなくその装着状態を維持でき、手軽に使用できる。そのため、使用に際して装着者に煩雑さが生じにくく、施術を習慣的に継続しやすくなる。
【0057】
刺激体40から、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動との少なくともいずれかが付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果、及び/または、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果により、美顔効果を得ることができる。本実施の形態では、装着者の顔面に刺激として電気刺激と振動とがともに付与されるため、電気刺激による肌の引き締め(リフトアップ、小顔)効果と、振動(超音波振動)による血流促進(マッサージ)効果及び薬液等の浸透効果とを、同時に得ることができ、高い美顔効果を得ることができる。そして、刺激体40の左右交互駆動によって良好なマッサージ/リフトアップ効果を得ることができる。
【0058】
刺激体40により装着者の顔面に超音波振動を付与することにより、深部に振動を届けることができ、血流を促進してマッサージ効果を十分に得ることが可能になるとともに、塗布した薬液等を肌へと効率よく浸透させることができる。
【0059】
特に、刺激体40は、左右に対をなして配置し、左右交互駆動することで、顔面を効果的に刺激できる。
【0060】
また、超音波のキャリア波17を変調波18により立ち上がりと立ち下がりが緩和されるように変調した超音波駆動信号20,21によって振動子42を駆動させることで、被施療部をソフトで、なだらかかつ効果的にマッサージできる。
【0061】
刺激体40を、振動(超音波振動)の付与用の振動部材及び電気刺激の付与用の電極として共用しているので、刺激装置3をコンパクトな構成としつつ、効果的な顔面への刺激の付与が可能となる。
【0062】
マスク本体部30に隙間形成部56を配置することで、隙間を介して装着者が呼吸しやすくなり、装着時の装着者の息苦しさや圧迫感を和らげることができる。
【0063】
特に、隙間形成部56は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能であるため、鼻や口周りに隙間を効果的に形成して、装着者の呼吸を助けることができる。
【0064】
そして、上記の刺激装置3を備えることで、手軽に使用できるだけでなく、取り回しが良好であり、装着者の負担を軽減した刺激システム1を実現できる。
【0065】
また、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力を大きくすることで、例えば顎関節症の治療器としても用いることが可能である。すなわち、刺激システム1は、刺激装置3の刺激体40からの超音波振動の出力の大きさ、すなわち制御装置2から刺激装置3に出力される超音波駆動信号20,21の強度を変えることで、様々な用途に適用できる。
【0066】
なお、第1の実施の形態において、隙間形成部56に代えて、または、隙間形成部56に加えて、図6に示す第2の実施の形態のように、マスク本体部30に開口部58を形成してもよい。開口部58は、マスク本体部30の左右方向の中央部において、装着者の鼻下部から口に亘る部分に開口されている。図示される例では、開口部58は、下側へと徐々に拡幅されるように形成されている。この開口部58により、装着者は呼吸が容易になる。
【0067】
また、各実施の形態において、刺激体40は左右に一つずつ配置したが、これに限らず、左右に複数ずつ配置してもよい。例えば、図7に示す第3の実施の形態のように、刺激体40を左右に二つずつ配置してもよい。この場合、刺激体40は、同側の二つの刺激体40を同時に駆動させるように制御してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40c、刺激体40bの順またはその左右対称な順またはその上下対称な順に、すなわち正面から見てX字状の順番で駆動してもよいし、例えば刺激体40a、刺激体40d、刺激体40b、刺激体40cの順またはその左右対称またはその状対称な順に、すなわち正面から見て8の字の順番で駆動してもよい。このように、刺激体40を左右に複数ずつ配置することで、より広範囲に刺激を与えることができる。
【0068】
次に、第4の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0069】
本実施の形態の刺激装置3は、マスク本体部30の下部が装着者の顎部及び顎下部を含む位置まで拡張されており、刺激体40が装着者の頬部に接触可能な位置と、顎部に接触可能な位置と、顎下部に接触可能な位置と、にそれぞれ配置されている。すなわち、マスク本体部30は、装着者の鼻及び口を含み、装着者の顎部ないし顎下部に亘る部分を覆うことが可能となっている。
【0070】
刺激体40は、左右において、少なくとも上下に二つずつ配置されている。図示される例では、刺激体40は、左右において、上下に三つずつ、互いに上下に離れて配置されている。図9(a)及び図9(b)に示すように、刺激装置3を装着した状態で、上側二つずつの刺激体40が装着者Hの頬部ないし顎部に位置し、最下部の刺激体40が装着者Hの顎下部に位置する。なお、図示される例では、刺激体40は、上下方向に並んで三つ配置されているが、これに限らず、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な任意の位置に配置可能である。
【0071】
このように構成することで、刺激システム1は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に対して刺激体40からの刺激を作用させることができるので、頬部のマッサージ/リフトアップ効果だけでなく、例えば装着者の顎下部の弛みの引き締め等の効果も得ることができる。
【0072】
特に、本実施の形態において、第2の実施の形態に示す開口部58を適用した場合には、顎下部まで覆うマスク本体部30においても、装着者の呼吸を確保しやすくなる。
【0073】
なお、各実施の形態において、制御装置2で生成された刺激体40の駆動信号は、無線により刺激装置3側で受信されるようにしてもよい。
【0074】
また、刺激装置3は、刺激体40から、振動(超音波振動)と電気刺激とのいずれか一方のみを装着者の顔面に付与できるように構成されていてもよいし、振動(超音波振動)のみの付与、電気刺激のみの付与、及び、振動(超音波振動)+電気刺激の付与を、制御装置2等に設けられたスイッチ等の設定手段によりユーザが任意に選択できるようにしてもよい。
【0075】
さらに、刺激体40は、伝達部43全体を振動(超音波振動)伝達用の振動部材と電気刺激伝達用の電極とに共用したが、これに限らず、伝達部43の一部を振動(超音波振動)伝達用の振動部材とし、残りの他部を電気刺激伝達用の電極としてもよい。
【0076】
また、振動子42は、超音波振動に限らず、マッサージ効果やリラクゼーション効果を有する任意の振動をさせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、装着者の顔面に刺激を付与する例えば美顔用の刺激システムとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 刺激システム
2 制御装置
3 刺激装置
30 マスク本体部
31 耳掛け部
40 刺激体
56 隙間形成部
58 開口部
H 装着者
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、
この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、
前記刺激装置は、
装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、
このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、
前記マスク本体部に配置され、装着者の顔面に少なくとも超音波振動及び電気刺激を付与するための刺激体と、を備え、
前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御するとともに、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御する
ことを特徴とする刺激システム。
【請求項2】
装着者の顔面に刺激を付与するための刺激装置と、
この刺激装置を制御する制御装置と、を備え、
前記刺激装置は、
装着者の鼻及び口を覆うマスク本体部と、
このマスク本体部に設けられ、装着者の左右の耳に掛けられる耳掛け部と、
前記マスク本体部に左右に離れて配置され、装着者の顔面の左側と右側とに少なくとも超音波振動及び電気刺激を付与するための刺激体と、を備え、
前記制御装置は、前記刺激体が装着者の顔面の左側と右側とで交互に超音波振動を付与するように当該刺激体を制御するとともに、前記刺激体が装着者の顔面に超音波振動と重ならないタイミングで電気刺激を付与するように当該刺激体を制御する
ことを特徴とする刺激システム。
【請求項3】
刺激装置は、マスク本体部の装着者に対向する裏側に位置し、装着者の顔面と前記マスク本体部との間に隙間を生じさせる隙間形成部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の刺激システム。
【請求項4】
隙間形成部は、装着者の鼻と口の下部との少なくともいずれかに接触可能に配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の刺激システム。
【請求項5】
刺激装置は、マスク本体部に形成され、装着者の呼吸を容易にする開口部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の刺激システム。
【請求項6】
刺激体は、装着者の頬部、顎部及び顎下部に接触可能な位置にある
ことを特徴とする請求項1又は2記載の刺激システム。