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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180422
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20231214BHJP
   B62J 37/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B62J23/00 F
B62J37/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093727
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】水谷 昌平
(72)【発明者】
【氏名】澤村 元章
(57)【要約】
【課題】ドレンホースからキャニスタに水が浸入しにくい鞍乗型車両を提供すること。
【解決手段】自動二輪車1は、アンダーカバー73と、キャニスタ9と、キャニスタ9に接続されたドレンホース12とを備える。アンダーカバー73は、ドレンホース12の排水部12aが挿入された挿入部30を有する。挿入部30には、下方に開口した排出口35が形成されている。アンダーカバー73の下面73Dに突起40が形成されている。突起40は排出口35の前方に配置されている。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対向する下面を有するアンダーカバーと、
燃料タンクと、
前記燃料タンクに接続され、前記燃料タンクの蒸発燃料を捕集するキャニスタと、
前記キャニスタに接続され、排水口が形成された排水部を有するドレンホースと、を備え、
前記アンダーカバーは、前記ドレンホースの前記排水部が挿入された挿入部を有し、
前記挿入部には、下方に開口した排出口が形成され、
前記アンダーカバーの前記下面に形成され、前記排出口の前方に配置され、下方に突出する突起を備えている、鞍乗型車両。
【請求項2】
前記突起は、車両前後方向の後方かつ下方に延びる前面と、前記前面の下端から車両前後方向の後方に延びる下面と、を有している、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記突起は、前記突起の前記下面の後端から車両前後方向の前方かつ上方に延びる後面を有している、請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記突起は、ボルテックスジェネレータからなっている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記突起は、前記排出口に連続している、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記ドレンホースの前記排水口は、車両前後方向の後方に開口している、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記アンダーカバーの前記挿入部は、前記排出口の後縁から上方に延びる第1縦壁と、前記排出口の前縁から上方に延びる第2縦壁と、前記第1縦壁の上端から前方に延びる横壁とを有し、
前記挿入部に、前記ドレンホースが挿入される挿入口が形成されている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記突起の車両前後方向の寸法は、前記排出口の車両前後方向の寸法よりも小さい、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記突起の車両左右方向の寸法は、前記挿入口の車両左右方向の寸法よりも大きい、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記突起の車両上下方向の寸法は5mm~6mmである、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャニスタを備えた鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開2020-51414号公報に開示されているように、キャニスタを備えた鞍乗型車両が知られている。キャニスタは、燃料タンクに接続されており、燃料タンク内で蒸発した燃料を捕集する。キャニスタには水分を排出するドレンホースが接続されている。ドレンホースはキャニスタから下方に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-51414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレンホースの排水口はキャニスタよりも低い位置に配置されている。鞍乗型車両が水たまりを走行する際に、排水口からドレンホースの内部に水が入り込む場合がある。しかし、ドレンホースの内部の水には水頭圧がかかるので、排水口付近の圧力が水頭圧以上にならなければ、キャニスタに水が浸入することはない。ところが、例えば鞍乗型車両が比較的大きな速度で水たまりを走行する場合、ドレンホースの排水口付近の圧力が高くなるおそれがある。その場合、排水口からドレンホースに流入した水が、キャニスタに浸入するおそれがある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドレンホースからキャニスタに水が浸入しにくい鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示される鞍乗型車両は、地面に対向する下面を有するアンダーカバーと、燃料タンクと、前記燃料タンクに接続され、前記燃料タンクの蒸発燃料を捕集するキャニスタと、前記キャニスタに接続され、排水口が形成された排水部を有するドレンホースと、を備える。前記アンダーカバーは、前記ドレンホースの前記排水部が挿入された挿入部を有している。前記挿入部には、下方に開口した排出口が形成されている。前記鞍乗型車両は、前記アンダーカバーの前記下面に形成され、前記排出口の前方に配置され、下方に突出する突起を備えている。
【0007】
上記鞍乗型車両によれば、水たまりを走行するときにアンダーカバーの下面に沿って水が流れた場合、突起の後方において乱流が生じ、排出口の付近の圧力が低下する。そのため、排出口および排水口を通じてドレンホースに水が流入したとしても、その水がドレンホースからキャニスタに浸入することは抑制される。
【0008】
前記突起は、車両前後方向の後方かつ下方に延びる前面と、前記前面の下端から車両前後方向の後方に延びる下面と、を有していてもよい。
【0009】
突起が上記のような構成を有することにより、アンダーカバーの下面に沿って水が流れたときに、排出口の付近の圧力を良好に低下させることができる。
【0010】
前記突起は、前記突起の前記下面の後端から車両前後方向の前方かつ上方に延びる後面を有していてもよい。
【0011】
このことにより、突起の後方において乱流が生じやすくなる。アンダーカバーの下面に沿って水が流れたときに、排出口の圧力を良好に低下させることができる。
【0012】
前記突起はボルテックスジェネレータからなっていてもよい。
【0013】
前記突起は前記排出口に連続していてもよい。
【0014】
このことにより、アンダーカバーの下面に沿って水が流れたときに、排出口の圧力を良好に低下させることができる。
【0015】
前記ドレンホースの前記排水口は、車両前後方向の後方に開口していてもよい。
【0016】
このことにより、アンダーカバーの下面に沿って後向きに流れる水は、排水口からドレンホースに入り込みにくい。水がドレンホースからキャニスタに浸入することを更に抑制することができる。
【0017】
前記アンダーカバーの前記挿入部は、前記排出口の後縁から上方に延びる第1縦壁と、前記排出口の前縁から上方に延びる第2縦壁と、前記第1縦壁の上端から前方に延びる横壁とを有していてもよい。前記挿入部に、前記ドレンホースが挿入される挿入口が形成されていてもよい。
【0018】
このことにより、ドレンホースの排水部をアンダーカバーの挿入部に良好に取り付けることができる。
【0019】
前記突起の車両前後方向の寸法は、前記排出口の車両前後方向の寸法よりも小さくてもよい。
【0020】
突起の車両前後方向の寸法が比較的小さくても、鞍乗型車両が水たまりを走行するときに、突起の後方に乱流を発生させることができる。そのため、排出口の付近の圧力を低下させることができる。一方、排出口の車両前後方向の寸法が比較的大きいと、アンダーカバーの挿入部において、ドレンホースの排水口と排出口とを連通させやすくなる。ドレンホースの排水部を挿入部に取り付けやすくなる。
【0021】
前記突起の車両左右方向の寸法は、前記挿入口の車両左右方向の寸法よりも大きくてもよい。
【0022】
このことにより、突起の車両左右方向の寸法が比較的大きいので、排出口の左右方向の全体にわたって圧力を良好に低下させることができる。
【0023】
前記突起の車両上下方向の寸法は5mm~6mmであってもよい。
【0024】
このことにより、鞍乗型車両が水たまりを走行するときに、排出口の付近の圧力を突起により良好に低下させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ドレンホースからキャニスタに水が浸入しにくい鞍乗型車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図2】自動二輪車の一部の斜視図である。
図3】アンダーカバー、キャニスタ、およびドレンホースの斜視図である。
図4】アンダーカバーの底面図である。
図5】アンダーカバーの挿入部の斜視図である。
図6図4のVI-VI線断面図である。
図7】突起および排出口の斜視図である。
図8】突起および排出口の拡大底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。図1は、鞍乗型車両の一例である自動二輪車1の左側面図である。
【0028】
以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、乗員が乗車せずかつ荷物が載せられていない自動二輪車1が水平面上に直立した状態で停止している場合に、シート2に着座した仮想的な乗員から見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図中のF、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。
【0029】
自動二輪車1は、図示しない車体フレームと、車体カバー7と、シート2と、前輪3と、後輪4と、ハンドル5と、内燃機関6とを備えている。車体カバー7は車体フレームを覆っている。車体カバー7は、フロントカバー71、左右のサイドカバー72、およびアンダーカバー73を有している。アンダーカバー73は地面100に対向している。アンダーカバー73は、前輪3の後方かつ後輪4の前方に配置されている。アンダーカバー73はシート2の下方に配置されている。アンダーカバー73は、内燃機関6の少なくとも一部よりも下方に配置されている。
【0030】
図2に示すように、自動二輪車1は燃料タンク8およびキャニスタ9を備えている。燃料タンク8およびキャニスタ9の位置は特に限定されないが、ここでは燃料タンク8およびキャニスタ9はアンダーカバー73の上方に配置されている。キャニスタ9と内燃機関6(図1参照)とはホース10によって接続されている。燃料タンク8とキャニスタ9とはパイプ11によって接続されている。燃料タンク8において蒸発した燃料は、パイプ11を通じてキャニスタ9に捕集される。キャニスタ9にはドレンホース12が接続されている。
【0031】
図3は、アンダーカバー73、キャニスタ9、およびドレンホース12の斜視図である。図4はアンダーカバー73の底面図である。アンダーカバー73は、上面73Uと、地面100に対向する下面73Dとを有している。図3に示すように、アンダーカバー73は、ドレンホース12が挿入される挿入部30を有している。
【0032】
図5は挿入部30の斜視図である。本実施形態では、挿入部30は、前方に開きかつ後方に閉じた筒状に形成されている。挿入部30には、前方に開いた挿入口37が形成されている。挿入部30は挿入口37から後方に延びている。挿入部30は、アンダーカバー73の上面73Uから上方に突出している。
【0033】
図6図4のVI-VI線断面図である。ドレンホース12は、挿入部30に挿入された排水部12aを有している。排水部12aはドレンホース12の端部である。排水部12aは挿入口37を貫通している。排水部12aには排水口12bが形成されている。排水口12bは後方に開口している。また、排水口12bは下方に開口している。ただし、排水口12bの向きは特に限定されない。
【0034】
図4に示すように、アンダーカバー73の下面73Dには排出口35が形成されている。排出口35は下方に開口している。図6に示すように、排出口35は挿入部30の真下に形成されている。挿入口37と排出口35とは繋がっている。排出口35は、ドレンホース12の排水口12bの真下に形成されている。
【0035】
図6に示すように、挿入部30は、排出口35の後縁から上方に延びる第1縦壁31と、排出口35の前縁から上方に延びる第2縦壁32と、第1縦壁31の上端から前方に延びる横壁33とを有している。
【0036】
図4に示すように、アンダーカバー73の下面73Dには突起40が形成されている。図7は突起40の斜視図である。突起40は下方に突出している。突起40は、アンダーカバー73の下面73Dに沿って水が流れた場合に、突起40の後方に乱流を生じさせる部材である。突起40はボルテックスジェネレータからなっている。本実施形態では図6に示すように、突起40は、後方かつ下方に延びる前面41と、前面41の下端から後方に延びる下面42と、下面42の後端から前方かつ上方に延びる後面43とを有している。ただし、突起40は後方に乱流を生じさせる形状であれば足り、その具体的な形状は特に限定されない。突起40は排出口35から前方に離間していてもよいが、本実施形態では排出口35に連続している。突起40の後面43は、排出口35の前方を仕切っている。
【0037】
図4に示すように、突起40は車両中心線CLの右方に配置されている。ただし、突起40の位置は特に限定されない。突起40は車両中心線CLの左方に配置されていてもよい。突起40は車両中心線CL上に配置されていてもよい。
【0038】
図8は、突起40および排出口35の拡大底面図である。図8に示すように、突起40の前後方向の寸法L40は、排出口35の前後方向の寸法L35よりも小さい。突起40の左右方向の寸法W40は、排出口35の左右方向の寸法W35よりも大きい。図6に示すように、突起40の上下方向の寸法H40は、例えば5mm~6mmである。ただし、ここで説明した突起40および排出口35の寸法は一例である。突起40および排出口35の寸法は特に限定される訳ではない。突起40の前後方向の寸法L40は、排出口35の前後方向の寸法L35よりも小さくなくてもよい。突起40の左右方向の寸法W40は、排出口35の左右方向の寸法W35よりも大きくなくてもよい。
【0039】
前述したように、ドレンホース12の排水部12aは、アンダーカバー73の挿入部30に挿入されている。キャニスタ9に溜まった水は、ドレンホース12を通じてアンダーカバー73の排出口35から排出される。
【0040】
ところで、自動二輪車1が比較的深い水たまりの中を走行する場合がある。その場合、自動二輪車1は、アンダーカバー73の下面73Dが水に浸かった状態で走行することになる。排出口35はアンダーカバー73に形成されているので、水たまりの水が排出口35からドレンホース12の内部に入り込む場合がある。しかし、キャニスタ9はドレンホース12の排水口12bよりも高い位置に配置されている。ドレンホース12の内部の水には水頭圧がかかるので、排水口12bの圧力が水頭圧以上にならなければ、水がドレンホース12内を上昇してキャニスタ9に浸入することはない。ところが、自動二輪車1が比較的大きな速度で水たまりを走行する場合、ドレンホース12の排水口12bの付近の圧力が高くなるおそれがある。排水口12bからドレンホース12に流入した水がキャニスタ9に浸入するおそれがある。
【0041】
しかし、本実施形態によれば、アンダーカバー73の排出口35が下方に開口し、排出口35の前方に突起40が配置されている。アンダーカバー73の下面73Dに沿って水が流れた場合、突起40の後方に乱流が生じる。これにより、突起40の後方の水の圧力が低下する。排出口35は突起40の後方に形成されているので、排出口35の付近の水の圧力は低下する。したがって、排出口35および排水口12bを通じてドレンホース12に水が流入したとしても、その水がドレンホース12内を上昇してキャニスタ9に浸入することは抑制される。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、自動二輪車1が水たまりを走行するときにアンダーカバー73の下面73Dに沿って水が流れた場合、突起40の後方において乱流が生じ、排出口35の付近の圧力が低下する。そのため、排出口35および排水口12bを通じてドレンホース12に水が流入したとしても、その水がドレンホース12からキャニスタ9に浸入することは抑制される。
【0043】
乱流を発生できる限り突起40の形状は特に限定されないが、本実施形態によれば、突起40は、後方かつ下方に延びる前面41と、前面41の下端から後方に延びる下面42とを有している。本実施形態によれば、自動二輪車1が水たまりを走行するときに、排出口35の付近の圧力を良好に低下させることができる。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0044】
突起40の後面43は後方かつ上方に延びていてもよく、鉛直に延びていてもよいが、本実施形態では、前方かつ上方に延びている。これにより、突起40の後方において流れが剥離しやすくなる。そのため、突起40の後方に乱流が生じやすくなる。本実施形態によれば、自動二輪車1が水たまりを走行するときに、排出口35の付近の圧力を良好に低下させることができる。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0045】
突起40は排出口35から前方に離間していてもよいが、本実施形態では排出口35に連続している。排出口35は突起40の直後に形成されている。これにより、排出口35の付近の圧力を良好に低下させることができる。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0046】
本実施形態によれば、ドレンホース12の排水口12bは後方に開口している。水はアンダーカバー73の下面73Dに沿って後向きに流れるので、水は排水口12bからドレンホース12に流入しにくい。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0047】
本実施形態によれば、アンダーカバー73の挿入部30は、排出口35の後縁から上方に延びる第1縦壁31と、排出口35の前縁から上方に延びる第2縦壁32と、第1縦壁31の上端から前方に延びる横壁33とを有している。本実施形態によれば、ドレンホース12の排水部12aをアンダーカバー73の挿入部30に良好に取り付けることができる。
【0048】
本実施形態によれば、突起40の前後方向の寸法L40は、排出口35の前後方向の寸法L35よりも小さい。突起40の前後方向の寸法L40が比較的小さくても、自動二輪車1が水たまりを走行するときに、突起40の後方に乱流を発生させることができる。そのため、排出口35の付近の圧力を低下させることができる。一方、排出口35の前後方向の寸法L35が比較的大きいことにより、アンダーカバー73の挿入部30において、ドレンホース12の排水口12bと排出口35とを連通させやすくなる。ドレンホース12の排水部12aを挿入部30に取り付けやすくなる。
【0049】
本実施形態によれば、突起40の左右方向の寸法W40は、排出口35の左右方向の寸法W35よりも大きい。突起40の左右方向の寸法W40は比較的大きい。そのため、排出口35の左右方向の全体にわたって圧力を良好に低下させることができる。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0050】
本実施形態によれば、突起40の上下方向の寸法は5mm~6mmである。自動二輪車1が水たまりを走行するときに、排出口35の付近の圧力を突起40により良好に低下させることができる。キャニスタ9に水が浸入することを効果的に抑制することができる。
【0051】
以上、一実施形態に係る自動二輪車1について説明したが、前記実施形態は一例に過ぎない。他にも様々な実施形態が可能である。
【0052】
鞍乗型車両とは、乗員が跨がって乗車する車両のことである。鞍乗型車両は自動二輪車1に限定されない。鞍乗型車両は、例えば、自動三輪車、ATV(All Terrain vehicle)、スノーモービルであってもよい。
【0053】
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0054】
1…自動二輪車(鞍乗型車両)、8…燃料タンク、9…キャニスタ、12…ドレンホース、12a…排水部、12b…排水口、30…挿入部、31…第1縦壁、32…第2縦壁、33…横壁、35…排出口、37…挿入口、40…突起、41…前面、42…下面、43…後面、73…アンダーカバー、73D…アンダーカバーの下面、100…地面
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図5
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