(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180431
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】撮像制御装置、撮像制御装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20231214BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20231214BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231214BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231214BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20231214BHJP
G03B 13/36 20210101ALN20231214BHJP
【FI】
H04N5/232 220
H04N5/232
H04N5/222 100
G03B17/56 A
G03B15/00 P
G02B7/28 N
G03B13/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093748
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】大森 慎也
【テーマコード(参考)】
2H011
2H105
2H151
5C122
【Fターム(参考)】
2H011BA23
2H011BA41
2H105AA03
2H151BA02
2H151BB27
5C122DA12
5C122EA64
5C122FA01
5C122FD04
5C122FH11
5C122FH20
5C122FK02
5C122GD11
(57)【要約】
【課題】撮像装置が被写体領域に対して従来よりも正対して撮像を行うことができるようにする。
【解決手段】撮像制御装置は、撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御手段と、前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御手段と、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得手段と、前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御手段とを有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御手段と、
前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御手段と、
前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得手段と、
前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御手段と
を有することを特徴とする撮像制御装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得し、
前記第3の制御手段は、前記正対度合および前記距離を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置の間隔を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記撮像装置により撮像された画像の中の複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする請求項3に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記第3の制御手段は、前記正対度合が第1の許容範囲内である場合に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記取得手段は、
前記照射された複数の補助光の位置の間隔を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得し、
前記照射された複数の補助光の位置で囲まれる面積を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする請求項7に記載の撮像制御装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記撮像装置により撮像された画像の中の複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする請求項7に記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記第3の制御手段は、前記正対度合が第1の許容範囲内であり、かつ、前記距離が第2の許容範囲内である場合に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項11】
前記撮像装置が、前記複数の補助光が照射された被写体領域に対して合焦するようにレンズ装置を制御する第4の制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項12】
前記第3の制御手段は、前記複数の補助光を消灯した後に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項13】
前記第1の制御手段は、前記撮像制御装置の飛行を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項14】
前記第1の制御手段は、受信信号を基に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項15】
前記第3の制御手段が前記被写体領域を撮像するように制御した後、
前記第1の制御手段は、前記撮像装置が他の被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、
前記第2の制御手段は、前記他の被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記他の被写体領域との正対度合を取得し、
前記第3の制御手段は、前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記他の被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項16】
前記第1~第3の制御手段の制御および前記取得手段の取得の前に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得し、前記正対度合を基に、前記第1の許容範囲を設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の撮像制御装置。
【請求項17】
前記第1~第3の制御手段の制御および前記取得手段の取得の前に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得し、前記正対度合を基に前記第1の許容範囲を設定し、前記距離を基に前記第2の許容範囲を設定する設定手段をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の撮像制御装置。
【請求項18】
撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御ステップと、
前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御ステップと、
前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得ステップと、
前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御ステップと
を有することを特徴とする撮像制御装置の制御方法。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1~17のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像制御装置、撮像制御装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲な検査対象面を点検の対象とした社会インフラ点検の為の撮像においては、検査対象面の変状等を、同一の条件で検査を行う為に、画像上の解像度等が均一となるような撮像を行うことが望まれている。この為、検査対象面に対して正対化した状態の画像が得られる撮像か、あるいは撮像後に正対化した状態の画像となるような画像処理が行われていた。また、広範囲に検査対象面を撮像する為に、撮像装置を移動させ、隣接した検査対象面の撮像も行っていた。
【0003】
特許文献1には、カメラと4個のレーザーポインタとそれらを一体的に保持する固定手段とからなる撮影装置と、データ処理装置とを有する画像処理システムが記載されている。データ処理装置は、4個のレーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する。そして、データ処理装置は、カメラから構造物までの距離データおよびカメラの3次元方向での傾きデータを算出する。そして、データ処理装置は、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する。そして、データ処理装置は、傾きデータに基づいて、複数枚の正面画像データを再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のデータ処理装置は、傾きデータに基づいて撮像装置によって得られた画像データを処理するものであるため、撮像装置が被写体領域に対して正対して撮像することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、撮像装置が被写体領域に対して従来よりも正対して撮像を行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
撮像制御装置は、撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御手段と、前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御手段と、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得手段と、前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置が被写体領域に対して従来よりも正対して撮像を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】カメラ装置およびレンズ装置の構成例を示す図である。
【
図2】ドローン装置およびコントローラ装置の構成例を示す図である。
【
図3】ドローン装置およびコントローラ装置の外観例を示す図である。
【
図4】社会インフラ構造物を撮像する撮像方法を説明する図である。
【
図5】正対度合および距離の取得を説明する図である。
【
図6】撮像システムの撮影事前設定処理のフローチャートである。
【
図7】撮像システムの撮影処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
先ず、本実施形態に係る撮像システムについて説明する。本実施形態に係る撮像システムは、社会インフラ点検の対象となる構造物の検査対象面を撮像するためのもので、特に、該検査対象面に対する正対撮像を容易に実現するためのものである。本実施形態に係る撮像システムは、カメラ装置と、レンズ装置と、ドローン装置等のUAV(unmanned aerial vehicle)と、コントローラ装置と、を有する撮像システムについて説明する。カメラ装置は、動画像を撮像するもしくは定期的/不定期的に静止画像を撮像する撮像装置である。レンズ装置は、カメラ装置に装着する。UAVは、カメラ装置を搭載する。コントローラ装置は、ドローン装置を制御する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るカメラ装置100およびレンズ装置113のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図1では、カメラ装置100にレンズ装置113が装着された状態を示している。
【0013】
先ず、カメラ装置100のハードウェア構成例について説明する。カメラ装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、撮像素子104と、表示部105と、操作部106と、カメラ通信部107と、記録媒体I/F108と、外部I/F110と、電源部111と、システムバス112を有する。CPU101は、Central Processing Unitである。ROM102は、Read-Only Memoryである。RAM103は、Random Access Memoryである。
【0014】
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これにより、CPU101は、カメラ装置100の全体の動作制御を行うとともに、カメラ装置100が行う各処理を実行もしくは制御する。
【0015】
ROM102には、カメラ装置100の設定データ、カメラ装置100の起動に係るコンピュータプログラムやデータ、カメラ装置100の基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、などが格納されている。
【0016】
RAM103は、ROM102から読み出したコンピュータプログラムやデータ、記録媒体I/F108を介してメモリカード109から読み出したコンピュータプログラムやデータ、を格納するためのエリアを有する。さらに、RAM103は、撮像素子104から出力された撮像画像、外部I/F110を介して外部装置から受信したコンピュータプログラムやデータ、カメラ通信部107によりレンズ装置113から受信したデータ、を格納するためのエリアを有する。さらに、RAM103は、CPU101が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM103は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0017】
撮像素子104は、受光素子の2次元配列であり、レンズ装置113を介して入光した光に応じた撮像画像を生成して出力する。表示部105は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等であって、表示画面やファインダー画面に画像や文字を表示するデバイスである。なお、表示部105は、カメラ装置100に備わっているものでなくてもよく、例えば、カメラ装置100と無線および/または無線で通信可能な外部デバイスであってもよい。
【0018】
操作部106は、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、ジョイスティック等のユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU101に対して入力することができる。
【0019】
カメラ通信部107は、カメラ装置100とレンズ装置113との間のデータ通信を行う。記録媒体I/F108は、メモリカード109をカメラ装置100に装着するためのインターフェースであり、CPU101は、記録媒体I/F108を介してメモリカード109に対するデータの読み書きを行う。
【0020】
メモリカード109は、カード型の記録媒体である。また、メモリカード109は、無線ネットワークを介して外部装置にデータを記録するものであってもよい。
【0021】
外部I/F110は、外部装置との間のデータ通信を行うための通信インターフェースであり、CPU101は、外部I/F110を介して外部装置との間のデータ通信を行う。電源部111は、カメラ装置100における電源供給および電源管理を行う。
【0022】
CPU101、ROM102、RAM103、撮像素子104、表示部105、操作部106、カメラ通信部107、記録媒体I/F108、外部I/F110、および電源部111は、何れもシステムバス112に接続されている。
【0023】
次に、レンズ装置113のハードウェア構成例について説明する。レンズ装置113は、CPU114と、ROM115と、RAM116と、表示部117と、操作部118と、レンズ通信部119と、レンズ駆動部120と、システムバス121を有する。
【0024】
CPU114は、ROM115やRAM116に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これにより、CPU114は、レンズ装置113の全体の動作制御を行うとともに、レンズ装置113が行う各処理を実行もしくは制御する。
【0025】
ROM115には、レンズ装置113の設定データ、レンズ装置113の起動に係るコンピュータプログラムやデータ、レンズ装置113の基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、などが格納されている。
【0026】
RAM116は、ROM115から読み出したコンピュータプログラムやデータ、レンズ通信部119によりカメラ装置100から受信したデータ、を格納するためのエリアを有する。さらに、RAM116は、CPU114が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM116は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0027】
表示部117は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等であって、レンズ装置113の動作状態などを表示するデバイスである。なお、表示部117は、レンズ装置113に備わっているものでなくてもよく、例えば、レンズ装置113と無線および/または無線で通信可能な外部デバイスであってもよい。
【0028】
操作部118は、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、ジョイスティック等のユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU114に対して入力することができる。また、ユーザが操作部118を操作することで入力した指示は、レンズ通信部119によってカメラ装置100に対して送信することもできる。
【0029】
レンズ通信部119は、カメラ装置100とレンズ装置113との間のデータ通信を行う。例えば、レンズ通信部119は、カメラ装置100からレンズ装置113への制御情報を受信したり、レンズ装置113の動作状態などをカメラ装置100に通信したり、カメラ装置100からの電源の供給を受けたりする。
【0030】
レンズ駆動部120は、レンズ装置113が有する光学レンズを、CPU101やCPU114からの指示に基づいて制御するものであり、これにより、絞り、フォーカス、ズーム焦点、手振れ補正などの制御を行う。レンズ駆動部120によって絞り、フォーカス、ズーム焦点、手振れ補正などが制御された後に、該光学レンズを介して入光した光は、上記の撮像素子104で受光され、撮像素子104は、該受光した光に応じた撮像画像を生成して出力する。
【0031】
CPU114、ROM115、RAM116、レンズ通信部119、表示部117、操作部118、およびレンズ駆動部120は、何れもシステムバス121に接続されている。
【0032】
図2(a)は、本実施形態に係るドローン装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。ドローン装置200は、
図1のカメラ装置100と、
図1のレンズ装置113と、CPU201と、ROM202と、RAM203と、外部I/F204と、電源部205と、表示部206と、操作部207を有する。さらに、ドローン装置200は、飛行制御部208と、センサ処理部209と、ロータ駆動部210と、ジンバル制御部211と、映像伝送部212と、システムバス213と、ミキサ部214と、レーザ光照射部215を有する。
【0033】
CPU201は、ROM202やRAM203に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これにより、CPU201は、ドローン装置200の全体の動作制御を行うとともに、ドローン装置200が行う各処理を実行もしくは制御する。なお、CPU201は、カメラ装置100やレンズ装置113の動作制御を行うことができる。
【0034】
ROM202には、ドローン装置200の設定データ、ドローン装置200の起動に係るコンピュータプログラムやデータ、ドローン装置200の基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、等が格納されている。
【0035】
RAM203は、ROM202からロードされたコンピュータプログラムやデータ、カメラ装置100から出力された画像などの情報、無線I/F204を介して外部から受信したデータ、等を格納するためのエリアを有する。さらに、RAM203は、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM203は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0036】
外部I/F204は、外部との間の通信を行うための通信インターフェースとして機能する。また、外部I/F204は、ドローン装置200に載置されたカメラ装置100とも通信可能である。外部I/F204は、
図2(b)のコントローラ装置227との間の通信を行う。
【0037】
電源部205は、ドローン装置200における電源供給および電源管理を行う。表示部206は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等であって、画面に画像や文字を表示するデバイスである。
【0038】
操作部207は、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、ジョイスティック等のユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU201に対して入力することができる。
【0039】
飛行制御部208は、ミキサ部214からの信号に基づいてロータ駆動部210を制御することで、ドローン装置200の位置や姿勢を制御し、ドローン装置200の飛行を制御する。
【0040】
センサ処理部209は、センサにより測定された情報を処理して、ドローン装置200の位置や姿勢等、ドローン装置200の飛行制御を行うために必要な情報(センサ情報)を取得する。このようなセンサには、ジャイロセンサ、加速度センサ、GNSS、気圧センサ、超音波センサ(高度センサ、距離センサ)、地上映像を取得するセンサ等が適用可能である。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemである。
【0041】
ロータ駆動部210は、飛行制御部208による制御の下で、ドローン装置200を飛行させるロータの駆動制御を行う。
【0042】
カメラ装置100は、防振およびブレを軽減すると共に、カメラ装置100の向きを変更可能なジンバル装置を介して、ドローン装置200に搭載される。ジンバル制御部211は、このようなジンバル装置を制御するためのものである。
【0043】
映像伝送部212は、カメラ装置100から出力された画像を外部に伝送(送信)する。ミキサ部214は、センサ処理部209が取得したセンサ情報と、ユーザがドローン装置200を制御するために操作するコントローラ装置227からの操作信号と、をミックスして飛行制御部208に出力する。これにより、飛行制御部208は、センサ処理部209が取得したセンサ情報に応じてドローン装置200の飛行制御を行っている状態において、コントローラ装置227からの操作信号に応じた飛行制御を行う。
【0044】
レーザ光照射部215は、コントローラ装置227からの操作信号またはCPU201の制御指示に応じて、レーザ光の照射および消灯を行う。
【0045】
CPU201、ROM202、RAM203、無線I/F204、電源部205、表示部206、操作部207、飛行制御部208、映像伝送部212、ミキサ部214、レーザ光照射部215、およびカメラ装置100は、システムバス213に接続されている。
【0046】
図2(b)は、本実施形態に係るコントローラ装置227のハードウェア構成例を示すブロック図である。コントローラ装置227は、CPU216と、ROM217と、RAM218と、外部I/F219と、電源部220と、情報表示部221と、操作部222を有する。さらに、コントローラ装置227は、ジンバルコントローラ223と、映像伝送部224と、映像出力I/F225と、システムバス226と、スティックコントローラ228を有する。
【0047】
CPU216は、ROM217やRAM218に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これにより、CPU216は、コントローラ装置227の全体の動作制御を行うとともに、コントローラ装置227が行う各処理を実行もしくは制御する。
【0048】
ROM217には、コントローラ装置227の設定データ、コントローラ装置227の起動に係るコンピュータプログラムやデータ、コントローラ装置227の基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、等が格納されている。
【0049】
RAM218は、ROM217からロードされたコンピュータプログラムやデータ、外部I/F219を介して外部から受信したデータ、等を格納するためのエリアを有する。さらに、RAM218は、CPU216が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM218は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0050】
外部I/F219は、外部との間の無線通信を行うための通信インターフェースとして機能する。電源部220は、コントローラ装置227における電源供給および電源管理を行う。情報表示部221は、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等であって、画面に画像や文字を表示するデバイスである。
【0051】
操作部222は、ボタン、ダイヤル、タッチパネル、ジョイスティック等のユーザインターフェースであるジンバルコントローラ223やスティックコントローラ228に対するユーザ操作を受け付ける。
【0052】
ジンバルコントローラ223は、ジンバル装置を制御する(カメラ装置100の位置や姿勢を制御する)ためのユーザ操作を受け付けるユーザインターフェースである。スティックコントローラ228は、ドローン装置200の位置や姿勢を操作するための操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。
【0053】
操作部222は、ジンバルコントローラ223やスティックコントローラ228に対するユーザ操作を受け付けると、該ユーザ操作の内容を表す操作信号を生成し、該生成した操作信号を外部I/F219を介してドローン装置200に対して送信する。これにより、ドローン装置200は、該操作信号に応じた飛行制御を行う。
【0054】
映像伝送部224は、ドローン装置200から送信された画像を外部I/F219を介して受信し、該受信した画像を、映像出力I/F225に接続されている表示デバイスに出力することで、該画像を該表示デバイスに表示させる。
【0055】
CPU216、ROM217、RAM218、外部I/F219、電源部220、情報表示部221、操作部222、および映像伝送部224は、何れもシステムバス226に接続されている。
【0056】
図3(a)は、
図2(a)のドローン装置200の外観例を示す図である。ドローン装置200には、カメラ装置100およびレンズ装置113が装着されている。
【0057】
図3(b)は、
図2(b)のコントローラ装置227の外観例を示す図である。コントローラ装置227は、スティックコントローラ228を有する。また、コントローラ装置227には、映像出力I/F225を介して表示デバイス301が接続されている。映像伝送部224によって伝送された画像は、表示デバイス301に表示される。表示デバイス301は、例えば、スマートフォンやタブレット端末装置あるいはパーソナルコンピュータ(PC)のディスプレイ部であり、ユーザからの入力も行える。なお、ドローン装置200の映像伝送部212は、送信する画像を符号化してから送信してもよい。その場合、コントローラ装置227の映像伝送部224は、該画像を復号してから映像出力I/F225を介して表示デバイス301に出力する。
【0058】
また、カメラ装置100による撮像を行う際、飛行制御部208において、ロイターモード(Loiter Mode)等の、コントローラ装置227のスティックコントローラ228の操作を行わないことで、空中の特定座標で停止するモードを用いる。この時、ドローン装置200は、センサ処理部209が取得したセンサ情報を用いて、空間上のX軸Y軸Z軸の特定の位置に止まることができる。また、このモードにおいては、急な突風などの外乱が発生しても、飛行制御部208がロータ駆動部210を適切に制御することで、元の位置に戻る。さらに、飛行制御部208とジンバル制御部211が連携することで、カメラ装置100が常にドローン装置200の正面を向き、且つカメラ装置100のロール軸が水平に保つフォローアップモード等を用いることで、本実施形態における正対化を容易にできる。即ち、コントローラ装置227を持つユーザは、表示デバイス301に表示されたカメラ画像に従って、ドローン装置200のパン軸の操作を行うことで、カメラ装置100を検査対象面に対して正対化させて撮像を行うことができる。その後、横方向に隣接する検査対象面の撮像を行う際、ユーザは、コントローラ装置227を操作してドローン装置200のロール軸を操作し、ドローン装置200を横方向にだけ水平に移動させ、必要な位置に来たら、操作を終了する。これにより、次の撮像を行うことが可能となる。また、横(回転)方向と縦(回転)方向の操作が必要な正対化でも、縦横のアイコンに従って、横(回転)方向はドローン装置200のパン軸操作、縦(回転)方向はジンバル装置のチルト軸操作を行うことで、検査対象面に対する正対化を行うことができる。なお、この時、検査対象面が地面に対して垂直ではない場合にも、正対化を行うことができ、正確な変状の検査が可能となる。
【0059】
上記のように、撮像システムは、
図2(a)のドローン装置200と、
図2(b)のコントローラ装置227を有する。ドローン装置200は、
図1のカメラ装置100およびレンズ装置113を有する。本実施形態では、このような撮像システムを用いて、検査対象となる社会インフラ構造物の撮像を行い、該撮像により得られた撮像画像に基づいて該社会インフラ構造物の検査を行う。本実施形態に係る撮像システムを用いて社会インフラ構造物を撮像する撮像方法について、
図4(a)および(b)を用いて説明する。
【0060】
図4(a)は、検査対象となる社会インフラ構造物400における検査対象面の一例を示す図である。社会インフラ構造物400は、側面401を有し、且つ、横あるいは縦に長い壁状の構造物となっている。目地部分402は、社会インフラ構造物400を図面に基づいて分割し、打ち継ぎを行って建造した際に発生した目地部分を示す。目地部分402は、打ち継ぎ目とも呼ばれるが、ここでは分かり易さの為に目地と呼ぶ。目地部分402は、目視が可能であることから、検査業務を行う単位としても用いられる。検査対象領域403は、1回の検査の対象となる領域を示している。撮像システムは、検査対象領域403を含む撮像領域404を撮像する。撮像領域404を撮像した撮像画像において、「撮像領域404内で検査対象領域403の周辺部に該当する部分画像」は、隣接する検査対象領域との位置関係を把握する為の情報となる。そのため、この部分画像は、社会インフラ構造物400の全体を含む一枚の画像に合成する際の位置合わせとしても使用される。また、この周辺部に該当する部分画像は、1つの検査対象領域にとどまらない広範囲な変状の検査の為にも用いられるものである。
【0061】
図4(b)は、このような撮像領域404を本実施形態に係る撮像システムを用いて撮像する様子を示す図である。
図4(b)では、ジンバル装置を有するドローン装置200にカメラ装置100が装着されており、カメラ装置100にはレンズ装置113が装着されている。カメラ装置100とレンズ装置113との組み合わせによって撮像される撮像範囲408の検査対象面における幅(図中横方向のサイズ)は、
図4(a)の撮像領域404の幅(図中横方向のサイズ)に相当する。
【0062】
そして、位置405での検査対象領域403の撮像が完了すると、検査対象領域403に隣接する未撮像の検査対象領域の撮像を行うべく、ドローン装置200を位置409に移動させ、同様にして、撮像範囲411内の検査対象領域の撮像を行う。位置409での撮像が完了すると、該検査対象領域に隣接する未撮像の検査対象領域の撮像を行うべく、本実施形態に係るドローン装置200を位置410に移動させ、同様にして、撮像範囲412内の検査対象領域の撮像を行う。
【0063】
ここで、カメラ装置100は、検査対象領域に対して正対している必要がある。本実施形態では、カメラ装置100が該検査対象領域に対して正対しているか否かを判断し、正対していなければ、カメラ装置100を回転させて該検査対象領域に対して正対させるための通知を行う。
【0064】
図5(a)および(b)は、本実施形態に係る撮像システムの動作を説明するための図である。
図6および
図7は、本実施形態に係る撮像システムの制御方法を示すフローチャートである。上記の如く、ユーザは、本実施形態に係る撮像システムを用いて、検査対象面の撮像を行うべく、ドローン装置200を検査対象面に向けて飛翔させて設置する。このとき、ユーザは、カメラ装置100を検査対象領域に対して概略正対化と思われる向きに設置することは可能である。しかし、構造物や設置場所の基準点および周囲の精密な測量情報が無い場合、カメラ装置100を正確に正対化する向きに設置することは確認できない状態である。カメラ装置100の撮像素子104によって撮像された撮像画像がライブビュー画像として、表示部105によりカメラ装置100の背面の表示画面に表示される。
【0065】
図6は、撮像システムの撮影事前設定処理を示すフローチャートである。
図6の撮影事前設定処理は、
図7の撮影処理の前に行われる。
【0066】
ステップS601では、レーザ光照射部215は、検査対象領域403を含む撮像領域404に対して、レーザ光を照射する。
図5(a)は、このようにレーザ光を照射している様子を示す。本実施形態では、レーザ光照射部215は、5点のレーザ光被照射部500~504にレーザ光を照射する。また、レーザ光照射部215は、複数のレーザ光の各照射部によるレーザ光照射範囲505をもつ。なお、本実施形態ではレーザ光被照射部の数は5点(照射範囲中央1点および四隅)であるが、レーザ光被照射部の数はこれに限定されるものではない。
図5(c)は、レーザ光508~510とカメラ装置100の照射角度を示す。レーザ光508~510は、カメラ装置100に対して、任意の照射角度511や照射角度512を持つ。このとき、レーザ光被照射部500~504の中心点500に対して照射されるレーザ光508は、カメラ装置100と水平であることが望ましい。なお、レーザ光照射部215から照射されるレーザ光の数に制限はないものとする。このとき、レーザ光照射部215およびカメラ装置100が撮像領域404と正対している場合を説明する。その場合、レーザ光被照射部500~504の四隅501~504で形成されるレーザ光照射領域506は、レーザ光被照射部500~504の中心点500から、四隅501~504までの距離が等しく、正方の形状を示す。一方、
図5(b)では、レーザ光被照射部500~504の中心点500から、四隅501~504までの距離は異なり、四隅501~504で形成されるレーザ光照射領域507は、台形の形状を示す。これは、レーザ光照射部215およびカメラ装置100が撮像領域404と非正対であり、あおり状態であることが判断可能である。
【0067】
ステップS602では、カメラ装置100は、ステップS601にてレーザ光が照射されている撮像領域404に対して、合焦動作を行う。カメラ装置100は、レーザ光が照射された撮像領域404のライブビュー画像を撮像する。
【0068】
ステップS603では、CPU201は、ライブビュー画像のレーザ光の照射位置を基に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合の算出を行う。正対度合の算出方法の一例として、以下が挙げられる。CPU201は、レーザ光被照射部500~504の中心点500から、四隅501~504までの距離が等しいかどうかを示す度合を算出する。あるいは、CPU201は、レーザ光被照射部500~504の四隅501~504にて形成されるレーザ光照射領域506の四辺の長さが等しいかどうかを示す度合を算出する。その他の算出方法でもよい。CPU201は、上記の算出結果により、レーザ光被照射部500~504の中心点500および、四隅501~504にて形成されるレーザ光照射領域506が正四方形である状態を、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合が100であるとする。CPU201は、レーザ光被照射部500~504の中心点500から、四隅501~504までの距離、あるいは、レーザ光被照射部500~504の四隅501~504にて形成されるレーザ光照射領域506の四辺の長さを算出する。そして、CPU201は、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合を算出してRAM203に記録する。
【0069】
ステップS604では、CPU201は、ライブビュー画像のレーザ光照射領域506の面積および照射角度511や照射角度512から、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離を算出してRAM203に記録する。なお、ここで記録されるカメラ装置100と撮像領域404との間の距離は、カメラ装置100のDAF(デュアルピクセルCMOS AF)から取得可能な距離情報を用いてもよいし、ToF方式を用いて算出された距離を用いてもよい。ToF方式は、Time of Flight方式である。コントローラ装置227は、上記の正対度合およびカメラ装置100と撮像領域404との間の距離をドローン装置200から受信して表示する。
【0070】
ステップS605では、CPU201は、外部I/F204からユーザからの入力を得る。ここで、ユーザは、コントローラ装置227を用いて、ステップS603およびステップS604にてRAM203に記録された正対度合およびカメラ装置100と撮像領域404との間の距離を確認して、確認結果を入力する。コントローラ装置227は、ユーザの確認結果をドローン装置200に送信する。CPU201は、外部I/F204から入力されるユーザの確認結果を判定する。CPU201は、確認結果がOKである場合、ステップS603およびステップS604にてRAM203に記録された、ドローン装置200およびカメラ装置100に対する撮像領域404の正対度および距離を絶対値情報としてRAM203に記録する。そして、CPU201は、ステップS608へ進む。これに対し、CPU201は、確認結果がNGである場合、ステップS606へ進む。
【0071】
ステップS606では、CPU201は、外部I/F204からユーザからの入力を得る。ここで、ユーザは、コントローラ装置227を用いて、ステップS604にてRAM203に記録されたカメラ装置100と撮像領域404との間の距離を参考に、カメラ装置100から撮像領域404までの設定したい距離を入力する。CPU201は、ユーザが入力した距離をコントローラ装置227から受信する。
【0072】
ステップS607では、CPU201は、受信した距離を基に、ドローン装置200およびカメラ装置100の位置および姿勢調整を行う。この時、CPU201は、ステップS603にてRAM203に記録された正対度合を基に補正情報を算出し、カメラ装置100の姿勢を補正する。また、CPU201は、ステップS606にて入力された、ユーザ指定のカメラ装置100と撮像領域404との間の距離になるように、ドローン装置200を移動させる。その後、CPU201は、ステップS602に戻る。
【0073】
ステップS608では、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力を基に、ドローン装置200の位置およびカメラ装置100の姿勢調整を行う。具体的には、CPU201は、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合およびカメラ装置100と撮像領域404との間の距離の許容範囲設定のため、ドローン装置200の位置およびカメラ装置100の姿勢調整を行う。CPU201は、例えば、
図5(b)に示すように、レーザ光照射部215およびカメラ装置100が撮像領域404と非正対であるあおり状態として、水平方向または垂直方向に対して正対度を下げた調整を行い、ステップS609に進む。
【0074】
ステップS609では、カメラ装置100は、ステップS602と同様に、ステップS601にてレーザ光が照射されている撮像領域404に対して、合焦動作を行う。
【0075】
ステップS610では、CPU201は、ステップS603と同様に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合の算出を行う。コントローラ装置227は、上記の正対度合をドローン装置200から受信して表示する。ユーザは、コントローラ装置227を用いて、上記の正対度合が正対度許容範囲であるか否か(OKまたはNG)を入力する。コントローラ装置227は、そのユーザ入力をドローン装置200に送信する。
【0076】
ステップS611では、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力を得る。CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力がOKである場合には、ステップS610で算出された正対度合を正対度許容範囲として、RAM203に記録する。また、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力がNGであった場合には、ステップS610で算出された正対度合を正対度許容範囲として記録しない。
【0077】
ステップS612では、CPU201は、ステップS604と同様に、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離の算出を行う。コントローラ装置227は、上記の距離をドローン装置200から受信して表示する。ユーザは、コントローラ装置227を用いて、上記の距離が距離許容範囲であるか否か(OKまたはNG)を入力する。コントローラ装置227は、そのユーザ入力をドローン装置200に送信する。
【0078】
ステップS613では、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力を得る。CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力がOKである場合には、ステップS612で算出されたカメラ装置100と撮像領域404との間の距離を距離許容範囲として、RAM203に記録する。また、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力がNGである場合には、ステップS612で算出されたカメラ装置100と撮像領域404との間の距離を距離許容範囲として記録しない。
【0079】
ステップS614では、CPU201は、外部I/F204からユーザからの入力を得る。ここで、ユーザは、コントローラ装置227を用いて、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合およびカメラ装置100と撮像領域404との間の距離の許容範囲設定が完了したか否かを入力する。コントローラ装置227は、そのユーザの入力をドローン装置200に送信する。CPU201は、許容範囲設定が完了していないことを示すユーザ入力の場合には、ステップS608へ戻る。また、コントローラ装置227は、許容範囲設定が完了したことを示すユーザ入力である場合には、
図6のフローチャートの処理を終了する。
【0080】
以上のように、ステップS607およびS608では、CPU201は、カメラ装置100の位置または姿勢を調整するように制御する。ステップS601以降では、CPU201は、撮像領域に対して複数のレーザ光を照射するように制御する。ステップS603およびS610では、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光を基に、カメラ装置100と撮像領域との正対度合を取得する。ステップS604およびS612では、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光を基に、カメラ装置100と撮像領域との間の距離を取得する。ステップS611では、CPU201は、設定部として機能し、ステップS610の正対度合を基に、正対度許容範囲を設定する。ステップS613では、CPU201は、ステップS612の距離を基に、距離許容範囲を設定する。
【0081】
図7は、撮像システムの撮影処理を示すフローチャートである。
図7の撮影処理は、
図6の撮影事前設定処理の後に行われる。
【0082】
ステップS701では、CPU201は、外部I/F204からのユーザ入力を基に、ドローン装置200の位置およびカメラ装置100の姿勢調整を行う。ここで、ユーザは、コントローラ装置227を用いて、ドローン装置200の位置およびカメラ装置100の姿勢調整を入力する。コントローラ装置227は、そのユーザの入力をドローン装置200に送信する。
【0083】
ステップS702では、レーザ光照射部215は、ステップS601と同様に、検査対象領域403を含む撮像領域404に対して、レーザ光を照射する。
【0084】
ステップS703では、カメラ装置100は、ステップS602と同様に、ステップS701にてレーザ光が照射されている撮像領域404に対して、合焦動作を行う。
【0085】
ステップS704では、CPU201は、ステップS603と同様に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合の算出を行う。
【0086】
ステップS705では、CPU201は、ステップS604と同様に、レーザ光照射領域506の面積および照射角度511や照射角度512から、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離を算出する。
【0087】
ステップS706では、CPU201は、ステップS704で算出した正対度合およびステップS705で算出した距離が、それぞれ、
図6で記録した正対度許容範囲内および距離許容範囲内であるか否かを判定する。CPU201は、判定結果が正対度許容範囲内および距離許容範囲内である場合には、ステップS707に進む。また、CPU201は、判定結果が正対度許容範囲外または距離許容範囲外である場合には、ステップS701に戻る。
【0088】
ステップS707では、CPU201は、レーザ光照射部215から照射しているレーザ光を消灯する。
【0089】
ステップS708では、CPU201は、カメラ装置100に対して撮影指示を送信する。カメラ装置100は、撮影指示を基に、検査対象領域403を含む撮像領域404の撮像を行い、画像データを生成する。
【0090】
ステップS709では、CPU201は、外部I/F204からユーザからの入力を基に、被写体全体の撮影が終了したか否かを判定する。ここで、ユーザは、コントローラ装置227を用いて、被写体全体の撮影が終了したか否かを入力する。コントローラ装置227は、そのユーザの入力をドローン装置200に送信する。CPU201は、被写体全体の撮影が終了していないことを示すユーザ入力である場合には、ステップS701へ戻り、次の撮像領域の撮影を行う。また、CPU201は、被写体全体の撮影が終了したことを示すユーザ入力である場合には、
図7のフローチャートの処理を終了する。
【0091】
以上のように、ドローン装置200は、カメラ装置100の撮像を制御する撮像制御装置である。カメラ装置100は、撮像領域404の撮像を行う撮像装置である。撮像領域404は、検査対象領域403を含む被写体領域である。CPU201は、ドローン装置200を制御する制御部である。
【0092】
ステップS701では、CPU201は、ドローン装置200が撮像領域404を撮像するために、コントローラ装置227からの受信信号を基に、カメラ装置100の位置または姿勢を調整するように制御する。この際、CPU201は、飛行制御部208により、ドローン装置200の飛行を制御する。
【0093】
ステップS702では、CPU201は、レーザ光照射部215により、撮像領域404に対して複数のレーザ光を照射するように制御する。レーザ光は、補助光の一例である。ステップS703では、CPU201は、カメラ装置100が、上記の複数のレーザ光が照射された撮像領域404に対して合焦するようにレンズ装置113を制御する。
【0094】
ステップS704では、CPU201は、取得部として機能し、上記の照射された複数のレーザ光の位置を基に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合を取得する。例えば、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光の位置の間隔を基に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合を取得する。また、CPU201は、カメラ装置100により撮像されたライブビュー画像の中の複数のレーザ光の位置を基に、カメラ装置100と撮像領域404との正対度合を取得する。
【0095】
ステップS705では、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光の位置を基に、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離を取得する。例えば、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光の位置の間隔を基に、カメラ装置100と撮像領域404との距離を取得する。具体的には、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光の位置で囲まれる面積を基に、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離を取得する。また、CPU201は、カメラ装置100により撮像されたライブビュー画像の中の複数のレーザ光の位置を基に、カメラ装置100と撮像領域404との間の距離を取得する。
【0096】
ステップS706では、CPU201は、上記の正対度合が正対度許容範囲内であり、かつ、上記の距離が距離許容範囲内である場合に、ステップS707に進む。ステップS707では、CPU201は、レーザ光照射部215の複数のレーザ光を消灯する。その後、ステップS708では、CPU201は、上記の正対度合および上記の距離を基に、カメラ装置100が撮像領域404を撮像するように制御する。
【0097】
ステップS709では、CPU201は、被写体全体の撮影が終了していない場合には、ステップS701へ戻る。ステップS701では、CPU201は、カメラ装置100が他の撮像領域を撮像するために、カメラ装置100の位置または姿勢を調整するように制御する。ステップS702では、CPU201は、上記の他の撮像領域に対して複数のレーザ光を照射するように制御する。ステップS704では、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光を基に、カメラ装置100と上記の他の撮像領域との正対度合を取得する。ステップS705では、CPU201は、上記の照射された複数のレーザ光を基に、カメラ装置100と上記の他の撮像領域との間の距離を取得する。ステップS708では、CPU201は、上記の正対度合および上記の距離を基に、カメラ装置100が上記の他の撮像領域を撮像するように制御する。
【0098】
以上説明したように、CPU201は、ステップS703のオートフォーカスの測距が成功した場合でも、ステップS706で正対度合および距離がそれぞれ正対度許容範囲内および距離許容範囲内であるか否かを判定する。これにより、CPU201は、点検対象である壁面に対して優良な撮像結果を得られるか否かを判定することができる。CPU201は、正対度合および距離がそれぞれ正対度許容範囲内および距離許容範囲内である場合には、ステップS708で撮影指示をカメラ装置100に送信する。カメラ装置100は、撮影指示を基に、撮像領域404の撮像を行い、画像データをメモリカード109に記録する。CPU201は、ステップS706の判定の後、ステップS708の撮影指示を送信するので、メモリカード109の容量の無駄な使用を防止することができる。
【0099】
ドローン装置200は、広範囲に検査対象面を撮像する場合、ドローン装置200を移動させ、隣接した複数の撮像領域404の撮像を行う。ドローン装置200は、複数の撮像領域404の検査対象面の変状等を同一の条件で検査を行うため、複数の撮像領域404の解像度等が均一となるような撮像を行う。そのため、ドローン装置200は、カメラ装置100が複数の撮像領域404の各々に対して正対化した状態で、複数の撮像領域404をそれぞれ撮像する。
【0100】
仮に、カメラ装置100が撮像領域404に対して正対していない状態で撮像すると、撮像領域404の検査対象面のひび等の変状を斜め方向から観察した画像が得られる。この場合、変状の発生している方向や深さ方向に角度が付いているため、ひび幅等について、正しく検査を行うことが困難である。本実施形態では、ドローン装置200は、カメラ装置100が複数の撮像領域404の各々に対して正対した状態、かつ、カメラ装置100と複数の撮像領域404の各々との間の距離が許容範囲内の状態で撮像を行う。そのため、ドローン装置200は、複数の撮像領域404を均一な条件で撮像することができる。また、ドローン装置200は、ステップS704で合焦動作を行った状態で、正対化させ、撮像するので、画像全体のピントの合っている画像を得ることができる。ドローン装置200は、飛行しているため、ドローン装置200の姿勢が一定ではないが、正対化した状態になってから撮像を行うことができる。
【0101】
なお、本実施形態の撮像システムは、複数の装置から構成されるシステムとなされているが、何れかの装置が他の装置を包含する構成となされていてもよく、単一の撮影装置として構成されていてもよい。
【0102】
(その他の実施形態)
以上、実施形態を詳述したが、本実施形態は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、撮像装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0103】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0104】
なお、上述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0105】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1)
撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御手段と、
前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御手段と、
前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得手段と、
前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御手段と
を有することを特徴とする撮像制御装置。
(構成2)
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得し、
前記第3の制御手段は、前記正対度合および前記距離を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする構成1に記載の撮像制御装置。
(構成3)
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする構成1に記載の撮像制御装置。
(構成4)
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置の間隔を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする構成3に記載の撮像制御装置。
(構成5)
前記取得手段は、前記撮像装置により撮像された画像の中の複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得することを特徴とする構成3または4に記載の撮像制御装置。
(構成6)
前記第3の制御手段は、前記正対度合が第1の許容範囲内である場合に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする構成1、3~5のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成7)
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする構成2に記載の撮像制御装置。
(構成8)
前記取得手段は、
前記照射された複数の補助光の位置の間隔を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得し、
前記照射された複数の補助光の位置で囲まれる面積を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする構成7に記載の撮像制御装置。
(構成9)
前記取得手段は、前記撮像装置により撮像された画像の中の複数の補助光の位置を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得することを特徴とする構成7または8に記載の撮像制御装置。
(構成10)
前記第3の制御手段は、前記正対度合が第1の許容範囲内であり、かつ、前記距離が第2の許容範囲内である場合に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする構成2、7~9のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成11)
前記撮像装置が、前記複数の補助光が照射された被写体領域に対して合焦するようにレンズ装置を制御する第4の制御手段をさらに有することを特徴とする構成1~10のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成12)
前記第3の制御手段は、前記複数の補助光を消灯した後に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする構成1~11のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成13)
前記第1の制御手段は、前記撮像制御装置の飛行を制御することを特徴とする構成1~12のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成14)
前記第1の制御手段は、受信信号を基に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御することを特徴とする構成1~13のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成15)
前記第3の制御手段が前記被写体領域を撮像するように制御した後、
前記第1の制御手段は、前記撮像装置が他の被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、
前記第2の制御手段は、前記他の被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、
前記取得手段は、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記他の被写体領域との正対度合を取得し、
前記第3の制御手段は、前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記他の被写体領域を撮像するように制御することを特徴とする構成1~14のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
(構成16)
前記第1~第3の制御手段の制御および前記取得手段の取得の前に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得し、前記正対度合を基に、前記第1の許容範囲を設定する設定手段をさらに有することを特徴とする構成6に記載の撮像制御装置。
(構成17)
前記第1~第3の制御手段の制御および前記取得手段の取得の前に、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御し、被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御し、前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合、および、前記撮像装置と前記被写体領域との間の距離を取得し、前記正対度合を基に前記第1の許容範囲を設定し、前記距離を基に前記第2の許容範囲を設定する設定手段をさらに有することを特徴とする構成10に記載の撮像制御装置。
(方法1)
撮像装置が被写体領域を撮像するために、前記撮像装置の位置または姿勢を調整するように制御する第1の制御ステップと、
前記被写体領域に対して複数の補助光を照射するように制御する第2の制御ステップと、
前記照射された複数の補助光を基に、前記撮像装置と前記被写体領域との正対度合を取得する取得ステップと、
前記正対度合を基に、前記撮像装置が前記被写体領域を撮像するように制御する第3の制御ステップと
を有することを特徴とする撮像制御装置の制御方法。
(プログラム1)
コンピュータを、構成1~17のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0106】
100 カメラ装置、113 レンズ装置、200 ドローン装置、201 CPU、215 レーザ光照射部、227 コントローラ装置