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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180448
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20231214BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231214BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G15/00 303
G03G21/00 502
G03G15/00 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093783
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】兼古 志郎
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2H072AA07
2H072AA16
2H072AA22
2H072CA01
2H072JA04
2H270LC04
2H270LC11
2H270LC12
2H270LD02
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD11
2H270ZC03
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048BB02
3F048BB10
3F048CA00
3F048DA06
3F048DB07
3F048DB18
3F048DC17
(57)【要約】
【課題】 比較的小さな空間で、プリントシートへの影響を抑制しつつプリントシートの剛度を測定する。
【解決手段】 搬送装置は、所定の搬送路に沿ってプリントシートを搬送する。第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、その搬送路に対して垂直方向にプリントシート101をたわませる。第2ガイド部40-2は、その搬送路において第1ガイド部40-1より下流側に配置されている。剛度測定部(反力センサー51など)は、第1ガイド部40-1と第2ガイド部40-2との間において搬送路に対して垂直方向にたわんだプリントシート101の剛度を測定する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送路に沿ってプリントシートを搬送する搬送装置と、
前記搬送路に対して垂直方向に前記プリントシートをたわませる第1ガイド部と、
前記搬送路において前記第1ガイド部より下流側に配置され、前記搬送路に対して垂直方向に前記プリントシートをたわませる第2ガイド部と、
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との間において、前記搬送路に対して垂直方向にたわんだ前記プリントシートの剛度を測定する剛度測定部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
搬送中の前記プリントシートを検出する第1シート検知センサーおよび第2シート検知センサーをさらに備え、
前記剛度測定部は、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との間において、たわんだ前記プリントシートの反力を測定する反力センサーを備え、
前記第1シート検知センサーは、前記反力センサーに隣接して前記搬送路において前記反力センサーの上流側に設置され、
前記第2シート検知センサーは、前記反力センサーに隣接して前記搬送路において前記反力センサーの下流側に設置され、
前記剛度測定部は、前記第1シート検知センサーおよび前記第2シート検知センサーの両方で前記プリントシートが検出されている期間において、前記反力センサーを使用して前記プリントシートの剛度を測定し、前記第1シート検知センサーおよび前記第2シート検知センサーの少なくとも一方で前記プリントシートが検出されていない期間においては、前記反力センサーを使用して前記プリントシートの剛度を測定しないこと、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、それぞれ、凸形状の第1湾曲面を備える内側ガイド部材と、凹形状の第2湾曲面を備える外側ガイド部材とを備え、
前記内側ガイド部材および前記外側ガイド部材は、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面とが所定幅の間隙だけ互いに離間するように配置され、
前記搬送装置は、前記間隙に前記プリントシートを挿通させること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記剛度測定部による前記剛度の測定値に応じて、前記搬送装置における前記プリントシートの搬送条件を変更する搬送制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、前記搬送路に対して垂直方向に前記プリントシートをたわませるとともに、前記搬送路の方向においても前記プリントシートをたわませ、
前記剛度測定部は、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との間において、前記搬送路の方向および前記搬送路に対して垂直方向にたわんだ前記プリントシートの剛度を測定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、搬送路における上流側ローラーと下流側ローラーとの間に線速差を生じさせて、プリントシートを搬送方向においてたわませてプリントシートのコシ強度を検出している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-022773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の画像形成装置では、プリントシートを搬送方向においてたわませているため、プリントシートのたわみのために比較的大きな空間が必要になってしまうとともに、プリントシートに線速差が加わるため、プリントシートが損傷する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、比較的小さな空間で、プリントシートへの影響を抑制しつつプリントシートの剛度を測定する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、所定の搬送路に沿ってプリントシートを搬送する搬送装置と、前記搬送路に対して垂直方向に前記プリントシートをたわませる第1ガイド部と、前記搬送路において前記第1ガイド部より下流側に配置され、前記搬送路に対して垂直方向に前記プリントシートをたわませる第2ガイド部と、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との間において、前記搬送路に対して垂直方向にたわんだ前記プリントシートの剛度を測定する剛度測定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、比較的小さな空間で、プリントシートへの影響を抑制しつつプリントシートの剛度を測定する画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。
図2図2は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す側面図である。
図3図3は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す正面図である。
図4図4は、図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図5図5は、反力測定値と剛度との対応関係を説明する図である。
図6図6は、図1~4に示す画像形成装置の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
実施の形態1.
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。図1に示す画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式の印刷機能を有する装置である。
【0013】
この実施の形態の画像形成装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a~1d、露光装置2a~2dおよび現像ユニット3a~3dを有する。感光体ドラム1a~1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。
【0014】
露光装置2a~2dは、感光体ドラム1a~1dへレーザー光を走査しつつ照射して静電潜像を形成する装置である。レーザー光は、感光体ドラム1a~1dの回転方向(副走査方向)に垂直な方向(主走査方向)に走査される。露光装置2a~2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、およびそのレーザー光を感光体ドラム1a~1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を含むレーザースキャニングユニットを有する。
【0015】
さらに、感光体ドラム1a~1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1dを除電する。
【0016】
現像ユニット3a~3dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーがそれぞれ充填されるトナーカートリッジと、トナーカートリッジ内のトナーホッパーから搬送されてくるトナーを感光体ドラム1a~1dへ付着させる現像器とを有し、そのトナーを感光体ドラム1a~1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。
【0017】
感光体ドラム1a、露光装置2aおよび現像ユニット3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1b、露光装置2bおよび現像ユニット3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1c、露光装置2cおよび現像ユニット3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1d、露光装置2dおよび現像ユニット3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0018】
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a~1dに接触し、感光体ドラム1a~1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体(中間転写体)である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
【0019】
転写ローラー6は、後述するように搬送されてくるプリントシート(プリント用紙など)を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像をプリントシートに2次転写する。なお、トナー画像を転写されたプリントシートは、定着器9へ搬送され、トナー画像がプリントシートへ定着される。
【0020】
ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、プリントシートへのトナー画像の転写後やキャリブレーション後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
【0021】
センサー8は、中間転写ベルト4に光線を照射し、中間転写ベルト4の表面またはその表面上のトナーパターンからの反射光を検出する。例えば、センサー8は、トナー階調のキャリブレーションの際に、中間転写ベルト4の所定の領域(キャリブレーション用のトナーパッチが転写される領域)に光線を照射し光線の反射光を検出し、その光量に応じた電気信号を出力する。
【0022】
定着器9は、定着ローラーを備え、定着ローラーを使用して加熱加圧方式でプリントシートにトナー像を定着する。
【0023】
さらに、この実施の形態に係る画像形成装置は、給紙カセット11を備えている。給紙カセット11は、挿抜可能であって、開状態でユーザー等により供給された1または複数枚のプリントシート101を収容しており、閉状態で、リフト板21でプリントシート101を上方に押し上げてピックアップローラー22に当接させる。リフト板21の駆動機構は、例えば、給紙カセット11が閉状態となることで機械的にリフト板21を上方に押し上げるように構成されている。給紙カセット11に載置されたプリントシート101は上側から1枚ずつピックアップローラー22によって給紙ローラー23へピックアップされる。給紙ローラー23は、給紙カセット11からピックアップローラー22によって給紙されたプリントシート101を1枚ずつ搬送路上へ搬送するローラーである。
【0024】
搬送ローラー24は、給紙カセット11から搬送されてくるプリントシート101の搬送路の搬送ローラーである。なお、搬送路には、複数の搬送ローラー24の他、プリントシート101を搬送路に沿って進行させるガイドが適宜設けられる。
【0025】
レジストローラー25は、搬送されてくるプリントシートを一時停止させ、そのプリントシート上の指定された位置に中間転写ベルト4上のトナー画像が転写されるように搬送タイミングを調節してそのプリントシートを転写ローラー6へ搬送する。
【0026】
レジストセンサー26は、レジストローラー25の近傍に設置され、プリントシートがレジストローラー25へ到達したことを検出するセンサーである。
【0027】
シート検知センサー27は、給紙カセット11とレジストセンサー26との間の搬送路上の所定の位置に設けられ、給紙カセット11から搬送されてくるプリントシート101の通過(ここではプリントシート101の先端や後端の通過)を検出するセンサーである。シート検知センサー27は、搬送路の複数箇所に設けられている。シート検知センサー27は、例えば光学センサーである。シート検知センサー27は、搬送路上でプリントシートジャムの発生を検出するために設けられている。
【0028】
プリント時には、プリントシート101が、給紙ローラー23によって給紙カセット11から1枚ずつ取り出され、搬送ローラー24によってレジストローラー25へ搬送される。
【0029】
また、シート検知センサー31は、プリントシート搬送路において定着器9の上流側および下流側にそれぞれ設置され、プリントシート101の前端および後端の通過タイミングを検出する。シート検知センサー31は、プリントシート101のジャムを検出するために設けられている光学センサーである。
【0030】
さらに、搬送路の所定の位置にシート反力検出部10が設けられている。図2は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す側面図である。図3は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す正面図である。
【0031】
例えば図2および図3に示すように、シート反力検出部10は、第1ガイド部40-1、第2ガイド部40-2、および反力センサー51を備える。第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、搬送中のプリントシート101を搬送路に対して垂直方向にたわませる。ここで、第2ガイド部40-2は、搬送路において第1ガイド部40-2より下流側に配置されている。また、ここでは、第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、互いに同一の構成を有する。
【0032】
第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、それぞれ、凸形状の第1湾曲面を備える内側ガイド部材41と、凹形状の第2湾曲面を備える外側ガイド部材4とを備える。そして、内側ガイド部材41および外側ガイド部材42は、第1湾曲面と第2湾曲面とが所定幅の間隙43だけ互いに離間するように配置されており、搬送ローラー24などの搬送装置によって、この間隙43にプリントシート101が挿通される。
【0033】
なお、この間隙43にプリントシート101が円滑に挿通されるように、第1ガイド部40-1におけるプリントシート101の先端の当接部分は、平面状に、または例えば図2および図3に示すように曲面状に面取りされている。
【0034】
反力センサー51は、第1ガイド部40-1と第2ガイド部40-2との間において、たわんだプリントシート101の反力を測定する。具体的には、反力センサー51は、プリントシート101の湾曲の外側方向に配置されており、また、搬送路に対して垂直方向において搬送路の略中央に配置されており、湾曲によるプリントシート101の凸部分に接触し、プリントシート101の反力を測定する。反力センサー51には、例えばロードセルなどが使用される。
【0035】
また、反力センサー51に隣接して搬送路において反力センサー51の上流側および下流側にそれぞれ上述のシート検知センサー27が設置されている。
【0036】
図4は、図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。図4に示すように、この画像形成装置は、上述の搬送ローラー24およびその搬送ローラー24の駆動装置(モーターなど)といった搬送装置61の他、記憶装置62、操作パネル63、および制御部64を備える。
【0037】
搬送装置61は、所定の搬送路に沿ってプリントシート101を搬送する。
【0038】
記憶装置62は、フラッシュメモリー、ハードディスクなどの書換可能な不揮発性記憶装置であり、制御プログラムやデータ(後述の剛度や反力の測定値や搬送条件など)を記憶する。操作パネル63は、ユーザーに対して各種メッセージ(ユーザーに対する問い合わせなど)を表示する表示装置(液晶ディスプレイなど)と、ユーザー操作を検出する入力装置(タッチパネルなど)とを備える。
【0039】
制御部64は、制御プログラムに従って動作するプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備え、そのプロセッサー、ASICなどで、各種処理部として動作する。制御部64は、図1図3に示す機械的な構成を制御して、プリントジョブを実行する。
【0040】
また、制御部64は、搬送制御部64aおよび剛度特定部64bとして動作する。搬送制御部64aは、プリントジョブの実行時などにおいて、特定の搬送条件(搬送速度、プリントシート101への搬送ローラーの押圧など)で、搬送装置61にプリントシート101を搬送させる。
【0041】
剛度特定部64bは、反力センサー51による反力測定値を取得し、後述の対応関係を示す所定のテーブルや計算式に従って、反力センサー51による反力測定値に対する剛度を特定する。
【0042】
図5は、反力測定値と剛度との対応関係を説明する図である。図5に示すように、反力測定値と剛度との対応関係は、線形となっている。また、搬送方向に沿ってプリントシート101をたわませる場合(図5における破線)に比べ、当該実施の形態のように搬送方向の垂直方向に沿ってプリントシート101をたわませる場合(図5における実線)のほうが、反力が大きく検出されるため、測定値のS/N(Signal to Noise)比が良好となる。なお、反力と剛度とは線形の関係となっているので、反力測定値を剛度測定値としてもよい。
【0043】
シート反力検出部10および剛度特定部64bによって、第1ガイド部40-1と前記第2ガイド部40-2との間において、搬送路に対して垂直方向にたわんだプリントシート101の剛度を測定する剛度測定部71が実現されている。
【0044】
なお、剛度測定部71は、複数の測定によって得られた複数の反力測定値や複数の剛度測定値の平均値を導出し、その平均値を反力測定値や剛度測定値として使用してもよい。
【0045】
ここで、剛度測定部71は、シート反力検出部10に隣接する上述の2つのシート検知センサー27の両方でプリントシート101が検出されている期間において、反力センサー51を使用してプリントシート101の剛度を測定し、その2つのシート検知センサー27の少なくとも一方でプリントシート101が検出されていない期間においては、反力センサー51を使用してプリントシート101の剛度を測定しない。これにより、反力センサー51の寿命が長くなるとともに、省電力となる。
【0046】
また、搬送制御部64aは、剛度測定部71による剛度の測定値に応じて、搬送装置61におけるプリントシート101の搬送条件を変更する。例えば、剛度が高いほど、搬送速度を下げたり、搬送ローラー24の押圧を下げたりする。
【0047】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。図6は、図1~4に示す画像形成装置の動作について説明するフローチャートである。
【0048】
制御部64は、プリントジョブのジョブ要求を受け付けると、プリントジョブを実行し、プリントシート101の搬送を搬送装置61に開始させる(ステップS1)。搬送装置61は、給紙カセット11からの搬送路に沿って、プリントシート101を1枚ずつ搬送する。プリントシート101は、搬送路に沿って進行し、シート反力検出部10のガイド部40-1,40-2によって、搬送方向の垂直方向においてたわみ、反力センサー51に接触する。なお、プリントシート101が搬送路に沿って進行する際に、複数の搬送ローラー24(特に反力センサー51に隣接する前後の搬送ローラー24)は同一の線速で動作しており、シート反力検出部10において、プリントシート101は、搬送方向には、たわまない。
【0049】
搬送の開始後、剛度測定部71は、シート反力検出部10に隣接する前後のシート検知センサー27の出力値を監視し、当該シート検知センサー27がプリントシート101を検出しているか否かを判定する(ステップS2)。また、剛度測定部71は、搬送が終了したか否かを判定する(ステップS3)。このように、搬送が終了するまで、当該シート検知センサー27がプリントシート101を検出しているか否かが監視される。
【0050】
当該シート検知センサー27がプリントシート101を検出している場合(つまり、反力センサー51の位置にプリントシート101がある場合)、剛度測定部71は、反力センサー51に通電して動作させる。そして、反力センサー51が、プリントシート101からの反力の測定値を出力する(ステップS4)。なお、当該シート検知センサー27がプリントシート101を検出していない場合には、反力センサー51は、動作しない。
【0051】
搬送制御部64aは、その反力測定値を取得し、その反力測定値が第1閾値を超えているか否か、およびその反力測定値が第2閾値(第2閾値>第1閾値)を超えているか否かを判定する(ステップS5,S6)。
【0052】
反力測定値が第2閾値を超えている場合には、搬送制御部64aは、搬送装置61の不具合やジャムを回避するために、プリントシート101の搬送を停止する(ステップS7)。
【0053】
また、反力測定値が第1閾値を超えているが第2閾値を超えていない場合には、搬送制御部64aは、搬送条件を変更し、搬送を継続する(ステップS8)。例えば、搬送制御部64aは、搬送条件として搬送速度を低くしたりする。
【0054】
なお、上述のように反力と剛度とは線形の関係にあるため、ここでは、反力の測定値を剛度の値として使用している。剛度特定部64bによって、反力測定値を剛度に変換してから、上述のように2つの閾値と比較するようにしてもよい。
【0055】
以上のように、上記実施の形態によれば、搬送装置61は、所定の搬送路に沿ってプリントシートを搬送する。第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、その搬送路に対して垂直方向にプリントシート101をたわませる。第2ガイド部40-2は、その搬送路において第1ガイド部40-1より下流側に配置されている。剛度測定部71は、第1ガイド部40-1と第2ガイド部40-2との間において搬送路に対して垂直方向にたわんだプリントシート101の剛度を測定する。
【0056】
これにより、プリントシート101を搬送方向の垂直方向においてたわませて剛度測定を行っているため、比較的小さな空間で、プリントシート101への影響を抑制しつつプリントシート101の剛度が測定される。
【0057】
実施の形態2.
【0058】
実施の形態2では、第1ガイド部40-1および第2ガイド部40-2は、上述のように搬送路に対して垂直方向にプリントシート101をたわませるとともに、搬送路の方向においてもプリントシート101をたわませる。剛度測定部71は、第1ガイド部40-1と第2ガイド部40-2との間において、搬送路の方向および搬送路に対して垂直方向にたわんだプリントシート101の剛度を、実施の形態1と同様にして測定する。
【0059】
例えば、第1ガイド部40-1を搬送方向に対して微小角度だけ(湾曲外側方向に)傾けた状態で配置し、第2ガイド部40-2を搬送方向に対して微小角度だけ第1ガイド部40-1とは逆方向に傾けた状態で配置することで、搬送路の方向においてもプリントシート101をたわませてもよい。
【0060】
あるいは、実施の形態1では上述の間隙43が搬送方向に沿って延びているが、その代わりに、第1ガイド部40-1の間隙43を、搬送方向に対して微小角度だけ(湾曲外側方向に)傾けて形成し、第2ガイド部40-2の間隙43を、搬送方向に対して微小角度だけ第1ガイド部40-1とは逆方向に傾けて形成することで、搬送路の方向においてもプリントシート101をたわませてもよい。
【0061】
なお、実施の形態2に係る画像形成装置のその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
27 シート検知センサー
40-1 第1ガイド部
40-2 第2ガイド部
41 内側ガイド部材
42 外側ガイド部材
43 間隙
51 反力センサー
61 搬送装置
64a 搬送制御部
64b 剛度特定部
71 剛度測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6