(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180450
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20231214BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231214BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G15/00 303
G03G21/00 502
G03G15/00 445
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093785
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 興人
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2H072AA07
2H072AA16
2H072AA22
2H072CA01
2H072CA05
2H072JA02
2H072JA03
2H072JC07
2H270LC04
2H270LC12
2H270LD02
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD11
2H270MA24
2H270MA34
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048BB02
3F048BB10
3F048CA03
3F048DA06
3F048DB06
3F048DB07
3F048DB18
3F048DC00
3F048EB24
(57)【要約】
【課題】 プリントシートの剛度を正確に測定する画像形成装置を得る。
【解決手段】 画像形成装置におけるプリントシートの搬送路の一部として、第1ガイド部41および第2ガイド部42が、両者の間にプリントシートの蛇行搬送路43を形成しており、物理量検出部は、第1ガイド部41または第2ガイド部42への、蛇行搬送路43におけるプリントシートの反力に対応する物理量を検出し、剛度を測定している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガイド部と、
前記第1ガイド部との間にプリントシートの蛇行搬送路を形成する第2ガイド部と、
前記第1ガイド部または前記第2ガイド部への前記蛇行搬送路におけるプリントシートの反力に対応する物理量を検出する物理量検出部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置
【請求項2】
前記第1ガイド部は、従動ローラーを備え、
前記第2ガイド部は、少なくとも2つの従動ローラーを備え、
前記第1ガイド部の従動ローラーは、前記第2ガイド部の2つの従動ローラーの間に配置され、
前記物理量検出部は、前記蛇行搬送路において前記第1ガイド部の従動ローラーおよび前記第2ガイド部の従動ローラーに面して搬送されている前記プリントシートの、前記第1ガイド部の従動ローラーへの反力に対応する物理量を検出すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
検出された前記物理量に基づいて前記プリントシートの剛度を特定する剛度特定部をさらに備え、
前記第1ガイド部は、少なくとも2つの従動ローラーを備え、
前記第2ガイド部は、少なくとも3つの従動ローラーを備え、
前記第1ガイド部の各従動ローラーは、前記第2ガイド部の、互いに隣接する2つの従動ローラーの間に配置され、
前記物理量検出部は、前記蛇行搬送路において前記第1ガイド部の従動ローラーおよび前記第2ガイド部の従動ローラーに面して搬送されている前記プリントシートの、前記第1ガイド部の少なくとも2つの従動ローラーへの反力に対応する物理量をそれぞれ検出し、
前記剛度特定部は、それぞれ検出された前記物理量に基づいて、前記プリントシートの剛度を特定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ガイド部は、第1搬送ベルトと、前記第1搬送ベルトを駆動する第1駆動ローラーと、前記第1駆動ローラーとともに前記第1搬送ベルトを懸架されるベルト用第1従動ローラーと、前記蛇行搬送路に沿って配置されたガイド用第1従動ローラーとを備え、
前記第2ガイド部は、第2搬送ベルトと、前記第2搬送ベルトを駆動する第2駆動ローラーと、前記第2駆動ローラーとともに前記第2搬送ベルトを懸架されるベルト用第2従動ローラーと、前記蛇行搬送路に沿って配置されたガイド用第2従動ローラーとを備え、
前記第1駆動ローラーおよび前記第2駆動ローラーは、前記第1搬送ベルトおよび前記第2搬送ベルトをそれぞれ周回させ、前記プリントシートを前記第1搬送ベルトと前記第2搬送ベルトとの間で進行させること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記物理量検出部は、前記物理量として、前記第1ガイド部の従動ローラーへの反力に対応する、前記第1ガイド部の従動ローラーの変位量を検出する変位センサーを備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記物理量検出部は、前記物理量として、前記第1ガイド部の従動ローラーへの反力を検出する圧力センサーを備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、異なる回転速度でプリントシートの搬送ローラーをモーターで回転させることでプリントシートをたわませ、プリントシートをたわませたときの、モーターの導通電流の差からプリントシートの剛度を推定している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ある画像形成装置は、プリントシートをたわませて、当該プリントシートの厚み方向の変位を変位センサーで検出し、変位センサーの出力値から当該プリントシートの剛性を検知している(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-34815号公報
【特許文献2】特開2010-202347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、モーターの導通電流の差からプリントシートの剛度を測定する場合、上述の画像形成装置では、モーターのブラシノイズ、モーター動作による温度上昇によるモーターの抵抗成分の変化などに起因して導通電流が変動するため、プリントシートの剛度を正確に推定するのは困難である。また、上述の画像形成装置では、プリントシートをたわませているが、厚いプリントシートについては、プリントシートを大きくたわませることが困難であるため、正確に剛度を測定することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、プリントシートの剛度を正確に測定する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、第1ガイド部と、前記第1ガイド部との間にプリントシートの蛇行搬送路を形成する第2ガイド部と、前記第1ガイド部または前記第2ガイド部への前記蛇行搬送路におけるプリントシートの反力に対応する物理量を検出する物理量検出部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プリントシートの剛度を正確に測定する画像形成装置が得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すシート反力検出部10における蛇行搬送路の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1において従動ローラー53aの変位量を検出する変位センサーの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2において従動ローラー53aへのプリントシート101の反力を検出する圧力センサーの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
実施の形態1.
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。
図1に示す画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式の印刷機能を有する装置である。
【0014】
この実施の形態の画像形成装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a~1d、露光装置2a~2dおよび現像ユニット3a~3dを有する。感光体ドラム1a~1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。
【0015】
露光装置2a~2dは、感光体ドラム1a~1dへレーザー光を走査しつつ照射して静電潜像を形成する装置である。レーザー光は、感光体ドラム1a~1dの回転方向(副走査方向)に垂直な方向(主走査方向)に走査される。露光装置2a~2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、およびそのレーザー光を感光体ドラム1a~1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を含むレーザースキャニングユニットを有する。
【0016】
さらに、感光体ドラム1a~1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a~1dを除電する。
【0017】
現像ユニット3a~3dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーがそれぞれ充填されるトナーカートリッジと、トナーカートリッジ内のトナーホッパーから搬送されてくるトナーを感光体ドラム1a~1dへ付着させる現像器とを有し、そのトナーを感光体ドラム1a~1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。
【0018】
感光体ドラム1a、露光装置2aおよび現像ユニット3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1b、露光装置2bおよび現像ユニット3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1c、露光装置2cおよび現像ユニット3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1d、露光装置2dおよび現像ユニット3dにより、ブラックの現像が行われる。
【0019】
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a~1dに接触し、感光体ドラム1a~1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体(中間転写体)である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
【0020】
転写ローラー6は、後述するように搬送されてくるプリントシート(プリント用紙など)を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像をプリントシートに2次転写する。なお、トナー画像を転写されたプリントシートは、定着器9へ搬送され、トナー画像がプリントシートへ定着される。
【0021】
ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、プリントシートへのトナー画像の転写後やキャリブレーション後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
【0022】
センサー8は、中間転写ベルト4に光線を照射し、中間転写ベルト4の表面またはその表面上のトナーパターンからの反射光を検出する。例えば、センサー8は、トナー階調のキャリブレーションの際に、中間転写ベルト4の所定の領域(キャリブレーション用のトナーパッチが転写される領域)に光線を照射し光線の反射光を検出し、その光量に応じた電気信号を出力する。
【0023】
定着器9は、定着ローラーを備え、定着ローラーを使用して加熱加圧方式でプリントシートにトナー像を定着する。
【0024】
さらに、この実施の形態に係る画像形成装置は、給紙カセット11を備えている。給紙カセット11は、挿抜可能であって、開状態でユーザー等により供給された1または複数枚のプリントシート101を収容しており、閉状態で、リフト板21でプリントシート101を上方に押し上げてピックアップローラー22に当接させる。リフト板21の駆動機構は、例えば、給紙カセット11が閉状態となることで機械的にリフト板21を上方に押し上げるように構成されている。給紙カセット11に載置されたプリントシート101は上側から1枚ずつピックアップローラー22によって給紙ローラー23へピックアップされる。給紙ローラー23は、給紙カセット11からピックアップローラー22によって給紙されたプリントシート101を1枚ずつ搬送路上へ搬送するローラーである。
【0025】
搬送ローラー24は、給紙カセット11から搬送されてくるプリントシート101の搬送路の搬送ローラーである。なお、搬送路には、複数の搬送ローラー24の他、プリントシート101を搬送路に沿って進行させるガイドが適宜設けられる。
【0026】
レジストローラー25は、搬送されてくるプリントシートを一時停止させ、そのプリントシート上の指定された位置に中間転写ベルト4上のトナー画像が転写されるように搬送タイミングを調節してそのプリントシートを転写ローラー6へ搬送する。
【0027】
レジストセンサー26は、レジストローラー25の近傍に設置され、プリントシートがレジストローラー25へ到達したことを検出するセンサーである。
【0028】
シート検知センサー27は、給紙カセット11とレジストセンサー26との間の搬送路上の所定の位置に設けられ、給紙カセット11から搬送されてくるプリントシート101の通過(ここではプリントシート101の先端や後端の通過)を検出するセンサーである。シート検知センサー27は、搬送路の複数箇所に設けられている。シート検知センサー27は、例えば光学センサーである。シート検知センサー27は、搬送路上でプリントシートジャムの発生を検出するために設けられている。
【0029】
プリント時には、プリントシート101が、給紙ローラー23によって給紙カセット11から1枚ずつ取り出され、搬送ローラー24によってレジストローラー25へ搬送される。
【0030】
また、シート検知センサー31は、プリントシート搬送路において定着器9の上流側および下流側にそれぞれ設置され、プリントシート101の前端および後端の通過タイミングを検出する。シート検知センサー31は、プリントシート101のジャムを検出するために設けられている光学センサーである。
【0031】
さらに、搬送路の所定の位置にシート反力検出部10が設けられている。
図2は、実施の形態1におけるシート反力検出部10の一例を示す側面図である。
図3は、
図2に示すシート反力検出部10における蛇行搬送路の一例を示す図である。
【0032】
例えば
図2に示すように、シート反力検出部10は、第1ガイド部41と、第2ガイド部42とを備える。第2ガイド部42は、第1ガイド部41との間にプリントシート101の蛇行搬送路43を形成する。例えば
図3に示すように蛇行搬送路43は、搬送路において、直線的な搬送方向に対して垂直な、ある方向とその方向の反対方向とに交互に湾曲している部分である。
【0033】
実施の形態1では、第1ガイド部41は、第1搬送ベルト51と、第1搬送ベルト51を駆動する第1駆動ローラー52aと、第1駆動ローラー52aとともに第1搬送ベルト51を懸架されるベルト用第1従動ローラー52bと、蛇行搬送路43に沿って配置されたガイド用第1従動ローラー53,53aとを備える。
【0034】
また、実施の形態1では、第2ガイド部42は、第2搬送ベルト61と、第2搬送ベルト61を駆動する第2駆動ローラー62aと、第2駆動ローラー62aとともに第2搬送ベルト61を懸架されるベルト用第2従動ローラー62bと、蛇行搬送路43に沿って配置されたガイド用第2従動ローラー63とを備える。
【0035】
第1駆動ローラー52aおよび第2駆動ローラー62aは、第1搬送ベルト51および第2搬送ベルト61をそれぞれ周回させ、プリントシート101を第1搬送ベルト51と第2搬送ベルト61との間で進行させる。
【0036】
第1搬送ベルト51および第2搬送ベルト61は、プリントシート101をニップしやすい弾性のある材質(例えばゴムなど)で構成されている。
【0037】
さらに、シート反力検出部10は、第1ガイド部41または第2ガイド部42(ここでは、第1ガイド部41)への蛇行搬送路43におけるプリントシート101の反力に対応する物理量を検出する物理量検出部をさらに備える。
【0038】
図4は、実施の形態1において従動ローラー53aの変位量を検出する変位センサーの一例を示す図である。
【0039】
例えば
図4に示すように、第1ガイド部41は、従動ローラー53aの軸受け71と、軸受け71(つまり、従動ローラー53a)を第2ガイド部42に向けて付勢するバネ72とを備える。
【0040】
さらに、実施の形態1では、上述の物理量検出部は、例えば
図4に示すような変位センサー73を備える。変位センサー73は、上述の物理量として、従動ローラー53aへのプリントシート101の反力に対応する従動ローラー53aの変位量を検出する。具体的には、変位センサー73は、従動ローラー53aの軸や軸受け71の変位量(蛇行搬送路43に対して垂直方向の変位量)を検出する。ここでは、変位センサー73には、非接触の測距センサーが使用され、変位センサー73から軸や軸受け71までの距離の変化量が、この変位量として検出される。この変位量は、プリントシート101の反力およびバネ72のバネ係数に応じた値となる。つまり、従動ローラー53aへのプリントシート101の反力に応じてバネ72が縮み、バネ72が縮んだ量が変位量として検出される。
【0041】
上述のように、第1ガイド部41は、従動ローラー53aを備え、第2ガイド部42は、少なくとも2つの従動ローラー63を備える。そして、例えば
図2~
図4に示すように、第1ガイド部41の従動ローラー53aは、第2ガイド部42の2つの従動ローラー63の間に配置されており、上述の物理量検出部(実施の形態1では変位センサー73)は、蛇行搬送路43において第1ガイド部41の従動ローラー53aおよび第2ガイド部42の従動ローラー63に面して搬送されているプリントシート101の、第1ガイド部41の従動ローラー53aへの反力に対応する物理量(ここでは、上述の変位量)を検出する。
【0042】
図5は、
図1に示す画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、この画像形成装置は、上述の搬送ローラー24およびその搬送ローラー24の駆動装置(モーターなど)といった搬送装置91の他、記憶装置92、操作パネル93、および制御部94を備える。
【0043】
搬送装置91は、上述の搬送ローラー24やガイドなどを備え、所定の搬送路に沿ってプリントシート101を搬送する。搬送装置91は、上述のシート反力判定部10を含み、プリントシート101の搬送路には、蛇行搬送路43が含まれる。
【0044】
記憶装置92は、フラッシュメモリー、ハードディスクなどの書換可能な不揮発性記憶装置であり、制御プログラムやデータ(後述の剛度や反力の測定値や搬送条件など)を記憶する。操作パネル93は、ユーザーに対して各種メッセージ(ユーザーに対する問い合わせなど)を表示する表示装置(液晶ディスプレイなど)と、ユーザー操作を検出する入力装置(タッチパネルなど)とを備える。
【0045】
制御部94は、制御プログラムに従って動作するプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備え、そのプロセッサー、ASICなどで、各種処理部として動作する。制御部94は、
図1~
図4に示す機械的な構成を制御して、プリントジョブを実行する。
【0046】
また、制御部94は、搬送制御部94aおよび剛度特定部94bとして動作する。搬送制御部94aは、プリントジョブの実行時などにおいて、特定の搬送条件(搬送速度、プリントシート101への搬送ローラーの押圧など)で、搬送装置91にプリントシート101を搬送させる。
【0047】
剛度特定部94bは、シート反力検出部10(実施の形態1では変位センサー73)による測定値(上述の物理量)を取得し、その測定値と反力や剛度との対応関係を示す所定のテーブルや計算式に従って、その物理量に基づいて、その測定値に対する反力や剛度を特定する。なお、反力と剛度との対応関係は線形となっているため、反力の測定値を剛度の測定値として使用してもよい。
【0048】
なお、搬送制御部94aは、剛度特定部94bによる剛度の測定値に応じて、搬送装置91におけるプリントシート101の搬送条件を変更してもよいし、プリントシート101をただちに排出させるようにしてもよい。例えば、剛度が高いほど、搬送速度を下げたり、搬送ローラー24の押圧を下げたりし、さらに、剛度が所定値を超えた場合、プリント前にプリントシート101を、(シート反力検出部10より下流側に設けられた分岐搬送路(図示せず)を介して)ただちに排出させる。
【0049】
また、剛度特定部94bは、複数の測定によって得られた複数の測定値の平均値を導出しその平均値に対応する反力や剛度を特定するようにしてもよいし、複数の測定によって得られた複数の測定値に対応する複数の反力や剛度の値の平均値を反力測定値や剛度測定値として使用してもよい。
【0050】
また、この実施の形態では、第1ガイド部41は、少なくとも2つの従動ローラー53a(ここでは2つ)を備え、第2ガイド部42は、少なくとも3つの従動ローラー63を備える。第1ガイド部41の各従動ローラー53aは、第2ガイド部42の、互いに隣接する2つの従動ローラー63の間に配置されている。そして、例えば
図4に示すような物理量検出部(変位センサー73)が各従動ローラー53aに対して設けられており、それらの物理量検出部(変位センサー73)は、蛇行搬送路43において第1ガイド部41の従動ローラー53aおよび第2ガイド部42の従動ローラー63に面して搬送されているプリントシート101の、第1ガイド部41の少なくとも2つの従動ローラー53aへの反力に対応する物理量をそれぞれ検出する。そして、剛度特定部94bは、それぞれ検出された物理量(ここでは変位量)に基づいて、プリントシート101の剛度を特定する。
【0051】
例えば、剛度特定部94bは、それらの物理量検出部(変位センサー73)で得られた複数の測定値の平均値を導出しその平均値に対応する反力や剛度を特定するようにしてもよいし、それらの物理量検出部(変位センサー73)で得られた複数の測定値に対応する複数の反力や剛度の値の平均値を反力測定値や剛度測定値として使用してもよい。
【0052】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0053】
制御部94は、プリントジョブのジョブ要求を受け付けると、プリントジョブを実行し、プリントシート101の搬送を搬送装置91に開始させる。搬送装置91は、給紙カセット11からの搬送路に沿って、プリントシート101を1枚ずつ搬送する。プリントシート101は、搬送路に沿って進行し、シート反力検出部10内を蛇行搬送路43に沿って進行する。なお、シート反力検出部10において、プリントシート101は、蛇行搬送路43に沿って搬送ベルト51,61に密着しており、たわまない。
【0054】
搬送の開始後、剛度特定部94bは、シート反力検出部10の出力値(上述の物理量、ここでは、変位量)を監視し、プリントシート101がシート反力検出部10を通過している際のシート反力検出部10の出力値から、プリントシート101の剛度(剛度測定値)を導出する。
【0055】
搬送制御部94aは、その剛度の測定値を取得し、その剛度測定値に応じて、搬送装置91の搬送条件を変更してプリントシート101の搬送を継続したり、搬送装置91に、プリントシート101をただちに排出させたりする。
【0056】
以上のように、上記実施の形態1によれば、第1ガイド部41および第2ガイド部42が、両者の間にプリントシート101の蛇行搬送路43を形成しており、物理量検出部(ここでは、変位センサー73)は、第1ガイド部41または第2ガイド部42への蛇行搬送路43におけるプリントシート101の反力に対応する物理量を検出する。
【0057】
これにより、プリントシート101をたわませずに蛇行搬送路43に沿って蛇行させることで、プリントシート101の損傷を抑制しつつ、プリントシート101の剛度が正確に測定される。ひいては、比較的厚いプリントシートでも剛度が正確に測定される。
【0058】
実施の形態2.
【0059】
図6は、実施の形態2において従動ローラー53aへのプリントシート101の反力を検出する圧力センサーの一例を示す図である。
【0060】
実施の形態2では、変位センサー73の代わりに、上述の物理量として、第1ガイド部41の従動ローラー53へのプリントシート101の反力を検出する圧力センサー81が設けられている。例えば
図6に示すように、圧力センサー81が軸受け71に接続されており、第1搬送ベルト51を介して従動ローラー53aに加わるプリントシート101の反力を検出する。
【0061】
なお、実施の形態2に係る画像形成装置のその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
実施の形態3.
【0063】
実施の形態3では、上述の第1搬送ベルト51および第2搬送ベルト61の代わりに蛇行搬送路43に沿った従動ローラー列が設けられる。
【0064】
なお、実施の形態3に係る画像形成装置のその他の構成および動作については実施の形態1または2と同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
41 第1ガイド部
42 第2ガイド部
43 蛇行搬送路
51 第1搬送ベルト
52a 第1駆動ローラー
52b ベルト用第1従動ローラー
53,53a ガイド用第1従動ローラー
61 第2搬送ベルト
62a 第2駆動ローラー
62b ベルト用第2従動ローラー
63 ガイド用第2従動ローラー
73 変位センサー(物理量検出部の一例)
81 圧力センサー(物理量検出部の一例)
94b 剛度特定部