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特開2023-180469情報処理装置、印刷装置、印刷システム、プログラム及び印刷制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180469
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、印刷装置、印刷システム、プログラム及び印刷制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231214BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231214BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231214BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G06F3/12 338
B41J29/38 401
B41J29/00 Z
G06F3/12 322
G06F3/12 387
H04N1/00 838
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093819
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 智也
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL08
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN26
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AF12
5C062AF14
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】クラウドプリントサービスを使用するPIN印刷の場合、PIN照合が失敗すると印刷データ分の通信が無駄になる。
【解決手段】印刷装置が情報処理装置に対して、情報処理装置に登録されている指定した印刷ジョブの属性情報を要求し、情報処理装置が要求に応じて、指定された印刷ジョブの属性情報を印刷装置に送信し、印刷装置が、属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付け、情報処理装置に対してパスワード情報と共にジョブ取得要求を送信し、情報処理装置が、ジョブ取得要求を入力されたパスワード情報とともに受信して受信したパスワード情報の検証を行い、検証が成功した場合に、指定された印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを印刷装置に送信し印刷を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置からの、属性情報とともに登録された印刷ジョブのうち、指定された印刷ジョブの属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信する第1の送信手段と、
前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて前記印刷装置において入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信する受信手段と、
前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報を検証する検証手段と、
前記検証手段による検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信する第2の送信手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2の送信手段により送信される前記属性情報には前記パスワード属性が含まれない
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記パスワード属性を含めずに前記属性情報を送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記検証手段による前記パスワード情報の検証が失敗した場合には、失敗を示す情報を前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
端末から送信された印刷ジョブを受信して前記印刷ジョブの属性情報とともに登録する登録手段を更に有し、
前記登録手段は、前記属性情報に前記パスワード属性が含まれている場合には、前記パスワード属性も登録する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置からの当該印刷装置の登録要求に応じて前記印刷装置の属性情報を登録する第2の登録手段を更に有し、
前記登録手段は、前記端末から受信した前記印刷ジョブの前記属性情報に、前記印刷装置がパスワード付きの印刷ジョブをサポートする属性が含まれている場合に、前記属性情報に含まれている前記パスワード属性を登録する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置からのジョブ一覧取得要求に応じて、登録されている印刷ジョブのジョブ一覧情報を前記印刷装置に送信する手段を更に有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信する第1の送信手段と、
前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付ける操作手段と、
前記情報処理装置に対して、前記パスワード属性を受信した印刷ジョブについては、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信する第2の送信手段と、を有し、
前記パスワード情報と共に送信した前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置であって、
前記情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのジョブ一覧取得要求を送信する手段を更に有し、
前記第1の送信手段は、前記ジョブ一覧取得要求に応じて取得したジョブ一覧情報のうちから指定された印刷ジョブの属性情報の要求を送信する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
請求項8に記載の印刷装置であって、
前記パスワード情報と共に送信した前記ジョブ取得要求に対して前記パスワード情報の検証が失敗したことを示す情報を受信した場合には、当該情報を出力する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の印刷装置と、
を含むことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の印刷装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
情報処理装置と印刷装置と端末とを含む印刷システムによる印刷制御方法であって、
前記印刷装置が、前記情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付け、前記情報処理装置に対して、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信して前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報の検証をすることと、
前記情報処理装置が、前記検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、印刷装置、印刷システム、プログラム及び印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド経由で印刷ジョブを投入し、印刷装置に印刷ジョブを送信するクラウドプリントの仕組みが普及し始めている(特許文献1)。このような印刷システムでは、まず管理者が印刷装置を、管理者が所属するクラウドプリントサービス(以降、CPSとも呼ぶ)へ登録する。その後、CPSの使用を許可されているユーザは、それぞれのクライアント端末を使用して、CPSに登録されたプリンタを出力プリンタとして選択し、所望の印刷設定を行い、CPSに対して印刷ジョブを送信する。印刷ジョブを受信したCPSは印刷装置に対して当該印刷ジョブを転送する。印刷装置は当該転送された印刷ジョブに基づき印刷を実行する。特にIPP(Internet Printer Procotol)を使用したクラウドプリントの仕組みは、PWG5100.18やRFC3995およびRFC3996などで規定されている。
【0003】
また、PWG5100.11などでIPPを使用したPIN印刷の手法が規定されている。クライアント端末でPIN印刷対象の印刷ジョブについてPINコードを入力すると、PINとともに印刷ジョブがCPSに送信される。CPSからのイベント通知で印刷ジョブの存在を通知された印刷装置から印刷ジョブを要求されると、CPSは、PIN情報をJob-passwordやJob-password-encryption属性に格納して印刷データと共に印刷装置に送付する。印刷装置で印刷をする際に、予め設定したPIN情報を一致したら印刷装置は印刷ジョブを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-133489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、CPSとPIN印刷を組み合わせた場合、ユーザはクライアント端末からPINコードを入力し、印刷データとPIN情報がCPSに送信される。クラウドプリントサービスは受信した印刷データとPIN情報を保存し、印刷装置から印刷ジョブ取得要求を受信すると、保存していた印刷データとPIN情報を印刷装置に送信する。ユーザは印刷装置の操作部から予め設定したPIN情報を入力して、PINコードが一致すれば印刷することができる。
【0006】
この時、ユーザがPINコードの情報を失念していると、印刷装置におけるPINの照合に失敗する。この後ユーザは印刷装置から印刷ジョブをキャンセルする等の処理を行う。この場合、印刷ジョブはいったん印刷装置に送信されているため、CPSと印刷装置間で印刷データ分の通信量が発生している。従量課金のクラウドサービスであれば、PIN照合に失敗した印刷データ分の通信量は無駄になってしまうという課題が発生する。
【0007】
本発明は上述の問題点の少なくとも1つを鑑みなされたものである。本発明の1つの側面としては、PIN印刷の場合に印刷データの転送を効率的に行う仕組みを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の少なくとも1つの目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。本発明の一態様によれば、印刷装置からの、属性情報とともに登録された印刷ジョブのうち、指定された印刷ジョブの属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信する第1の送信手段と、
前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて前記印刷装置において入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信する受信手段と、
前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報を検証する検証手段と、
前記検証手段による検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信する第2の送信手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0009】
本発明の他の側面によれば、情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信する第1の送信手段と、
前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付ける操作手段と、
前記情報処理装置に対して、前記パスワード属性を受信した印刷ジョブについては、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信する第2の送信手段と、を有し、
前記パスワード情報と共に送信した前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷装置が提供される。
【0010】
本発明の他更に他の側面によれば、情報処理装置と印刷装置と端末とを含む印刷システムによる印刷制御方法であって、
前記印刷装置が、前記情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付け、前記情報処理装置に対して、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信して前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報の検証をすることと、
前記情報処理装置が、前記検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、PIN印刷の場合に印刷データの転送を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】印刷システムの一例を示す図である。
図2】印刷装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】クラウドプリントサービスのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】従来技術におけるPIN印刷実行時のシーケンス図である。
図5】本実施例におけるPIN印刷実行時のシーケンス図である。
図6】本実施例における印刷装置の印刷ジョブ取得時のフローチャートの一例である。
図7】本実施例におけるクラウドプリントサービスの印刷ジョブ取得要求受信時のフローチャートの一例である。
図8】本実施例における印刷装置の操作画面の一例を示す図である。
図9】本実施形態における印刷ジョブ取得時のパケットの一例である。
図10】IPPを使用したクラウドプリントのシーケンスの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
<第1の実施形態>
まず、図1を用いて、本発明に係る印刷システムの構成を説明する。本実施形態に係る印刷システムは、印刷装置101、クライアント端末103、クラウドプリントサービス(以下、CPSとも呼ぶ)102を含む。印刷装置101は、ネットワーク100を経由してインターネット上のCPS102と通信する。ネットワーク100は例えばLAN、WANなどの通信ネットワーク、セルラネットワーク(例えば、LTEや5Gなど)、IEEE802.11に準拠する無線ネットワークなどを組み合わせて構成されてもよい。すなわち、ネットワーク100はデータの送受信が可能であればよく、物理レイヤの通信方式はいずれの方式を採用してもよい。
【0015】
印刷装置101は、スキャナを用いて読み取って得られた画像に基づくデータを外部に送信するスキャン機能や、外部装置から受信した印刷ジョブに基づき紙などのシートに画像を印刷する印刷機能、コピー機能を有する。また、印刷装置101はCPS102を経由して印刷ジョブを受信し、印刷を行うこともできる。本実施形態では、印刷装置の一例として複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例示しているがこれに限定されるものではない。例えば、印刷機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Peripheral)などであってもよい。また、本実施形態では、一例として紙などのシートへの印刷を例示しているがこれに限定されるものではなく、3次元形状データに基づき立体物を成型する3Dプリントなどにおける印刷制御にも適用することができる。なお印刷装置のことを画像形成装置と呼ぶこともある。
【0016】
CPS102はクライアント端末103等のクライアント端末から印刷ジョブを受信し、当該印刷ジョブを保存する。続けて、CPS102に登録された印刷装置101に対して印刷ジョブが入稿されたことを通知する。当該通知を受け取った印刷装置101は印刷ジョブを取得し、印刷処理を実行する。CPS102は1または複数の情報処理装置により構成されてよい。複数の情報処理装置により構成される場合、ユーザ認証と印刷データ提供など機能が分散されていてもよいし、一つの機能の負荷が分散されていてもよいし、それらの組み合わせであってよい。
【0017】
<印刷装置101のハードウェア構成>
本実施形態における印刷装置101のハードウェア構成について図2を用いて説明する。図2は、印刷装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。印刷装置101はシート上の画像を読み取る読取機能、当該読み取った画像を外部の通信装置に送信可能なファイル送信機能などを有している。また、シートに画像を印刷する印刷機能も有する。また、CPS102から印刷ジョブを受信して印刷する機能や、前述したユーザ管理機能、留め置き印刷機能も有しているものとする。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)201は、印刷装置101全体の動作を制御する。CPU201は、ROM(Read Only Memory)202又はストレージ204に記憶された制御プログラムを読み出して実行し、印刷制御や読取制御などの各種制御を行う。ROM202は、CPU201で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)203は、CPU201がアクセスする主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ204は、印刷ジョブ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。CPS102からダウンロードした印刷ジョブやその他の情報もストレージ204に保存される。このように、CPU201、ROM202、RAM203、ストレージ204等のハードウェアは、いわゆるコンピュータを構成している。
【0019】
なお、本実施形態の印刷装置101では、1つのCPU201が1つのメモリ(RAM203)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のプロセッサ、メモリ、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0020】
プリンタ210は、入力された印刷画像や印刷制御コマンドに基づいて、不図示の給紙カセットから給紙されたシートに画像を印刷する。印刷の方式はトナーを紙に転写して定着させる電子写真方式であってもよいし、紙にインクを吐出して印刷するインクジェット方式であってもよい。
【0021】
スキャナ208は、図示省略の原稿台に載置された原稿を読み取り、そして画像データを生成する。スキャナ206が生成した画像データは、プリンタ210で印刷されたり、ストレージ204に記憶されたり、ネットワークインターフェイス(I/F)211を介して外部装置に送信されたりする。
【0022】
操作部206は、タッチパネル機能を有する液晶表示部や各種ハードキーなどが備えられている。操作部206は、ユーザに情報を表示する表示部やユーザの指示を受け付ける受付部として機能する。すなわち操作部206はユーザインターフェイスを提供する。CPU201は、操作部206と協働して情報の表示制御やユーザ操作の受け付け制御を行う。
【0023】
ネットワークI/F211は、ネットワークケーブルが接続され、ネットワーク100上やインターネット上の外部装置と通信を実行することができる。本実施形態では、イーサネット(登録商標)に準拠する有線通信を行う通信インタフェースである場合を想定しているがこれに限定されるものではない。例えば、IEEE802.11シリーズに準拠する無線通信インタフェースであってもよい。また、両方が無線通信インタフェースであってもよい。また、CDMA等の3G回線、LTEなどの4G回線、5G NRなどの移動体通信を行う通信インタフェースであってもよい。
【0024】
本実施形態では、印刷装置101がユーザアカウントを管理するデータベースを管理する場合を例示しているがこれに限定されるものではない。印刷装置101を使用するユーザのユーザアカウントの管理は外部の認証サーバと連携して実現することもできる。例えば、Microsoft(登録商標)が提供するActiveDirectoryサービスやAzure(登録商標) ActiveDirectoryサービスと連携して、ユーザアカウントを管理するようにしてもよい。
【0025】
<クラウドプリントサービス102のハードウェア構成>
本実施形態におけるクラウドプリントサービス102のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3のCPU301~操作部306は図2のCPU201~操作部206に、ネットワークインターフェイス307はネットワークインターフェイス211にそれぞれ対応する。図3のそれぞれの構成要素は対応する図2の印刷装置の構成要素とほぼ変わらない為、詳細な説明は省略する。なおクライアント端末も図3と同様の構成を有する。
【0026】
<印刷ジョブの登録>
上記構成の印刷システムにより印刷が可能となるまでの手順を説明する。図10はIPPを使用したクラウドプリントの仕組み、特に印刷装置を登録し、クライアント端末から登録された印刷装置を利用可能とするまでの手順を示したシーケンス図の一例である。
【0027】
まず印刷装置101の操作によりCPS102にプリンタ登録要求を送信する(S1001)。操作は印刷装置101の操作部206で行ってよいが、コンピュータ等に印刷装置101が提供するリモートUIで行ってもよい。その後、印刷装置101はサポートする属性情報と属性値をCPS102にUpdate-Output-Device-Attributesオペレーションを使用して通知する(S1002)。これによりCPS102に印刷装置101の属性値が登録される。印刷装置101の属性値には、たとえばパ氏ワード付きの印刷ジョブであるPIN印刷のサポートの有無なども含まれる。
【0028】
その後、印刷装置はCPS102に対してイベントの通知登録をCreate-Printer-Subscriptionオペレーションを使用して行う(S1003)。印刷装置101は通知登録後、イベントが発生したかどうかをGet-Notificationオペレーションを使用して確認する(S1004)。これによりCPS102は、例えば印刷装置101により実行される印刷ジョブの登録など、新たなイベントが発生すると、印刷装置101に対してイベントを通知する。以上の手順で行われるCPS102への印刷装置の追加は印刷装置101を用いたクラウドプリントに先立って行われていればよい。
【0029】
一方、クライアント端末103はCPS102に登録されている印刷装置を検索して、検索したうちから選択した印刷装置をクライアント端末103が使用する印刷装置として追加する(S1005)。そして、追加した印刷装置の属性情報と属性値をGet-Printer-Attributesオペレーションを使用してCPS102から取得する(S1006)。取得した印刷装置の属性情報と属性値は登録した印刷装置と関連付けて保存しておいてよい。なおパスワード付きの印刷ジョブすなわちPIN印刷をサポートすることを示すパスワード属性(PIN属性)も、印刷装置の属性情報に含まれている。
【0030】
この後、クライアント端末103は、印刷を実行する際に、S1005,S1006で追加した印刷装置を選択することで、選択した印刷装置を使用して印刷を行える。印刷の際、クライアント端末103で選択した印刷装置がCPS102に登録された印刷装置101である場合には、取得した属性情報に従って印刷設定画面を表示し、設定された印刷属性とともに印刷ジョブをCPS102に送信する。なお印刷装置の属性情報のことを印刷設定と呼ぶこともある。
【0031】
<クラウドプリントサービスのPIN印刷>
続けて、クラウドプリントサービスの従来のPIN印刷について図4を用いて説明する。図4はCPSを使用してPIN印刷を実現する従来技術のシーケンス図である。ここではIPPを使用したCPSを例にとって説明する。図4は、図10のS1006までの手順が完了して印刷装置101がクライアント端末103で利用可能とされた状態から開始される。また、尊くされている印刷装置101の属性の一つとしてPIN印刷をサポートすることが含まれている。
【0032】
まずユーザはクライアント端末103から任意のファイルを印刷対象として指定して印刷を実行する。この時、ユーザはPINコードを設定して印刷データにパスワードを設定するものとする。印刷実行を検知したクライアント端末103はPIN情報を含む印刷属性情報と印刷データをCPS102に送信する(S401)。印刷ジョブ送信は例えばIPPのPrint-Jobオペレーションや、Send-Documentオペレーションを使用するものとする。また、PINコードはIPP属性のJob-password-encryptionやJob-password属性に格納されるものとする。クライアント端末103から印刷ジョブを受信したCPS102は、S402において受信した印刷データと印刷属性情報を自身のストレージに保存する。図4ではイベント通知を行わない手順を示しているが、イベントの通知登録がされ、イベント確認を受信済みであれば、CPS102は印刷装置101向けの新たな印刷ジョブの登録を示すイベント通知を印刷装置101に送信してよい。
【0033】
次にユーザは印刷装置101の前にいき、印刷装置101の操作画面から印刷ジョブ一覧画面表示を選択する(S403)。印刷ジョブ一覧画面表示は初期の操作画面にメニューの一項目として表示されている。なお、ここではユーザが印刷ジョブ一覧画面表示を選択した例について説明するが、この操作以外でも例えば印刷装置にログインしたり、ジョブ状況画面を開いたり、印刷装置がジョブ一覧取得要求を送信するトリガは他にあってもよい。印刷ジョブ一覧画面表示要求を検知した印刷装置101はCPS102に対してジョブ一覧取得要求を送信する(S404)。ジョブ一覧取得要求は例えばIPPのGet-Jobsリクエストオペレーションを使用するものとする。
【0034】
ジョブ一覧取得要求を受信したCPS102は、S405において印刷装置101宛ての印刷ジョブ一覧情報を送信する。ジョブ一覧情報にはジョブ名やジョブオーナー名など、ジョブ一覧表示をする際に必要な代表的な印刷属性情報しか含まないものとする。
【0035】
ジョブ一覧情報を取得した印刷装置101はS406において、操作画面に取得したジョブ一覧情報を表示する。その例を図8のジョブ一覧画面801に示す。そして、S407においてユーザはジョブ一覧の中から印刷したい任意の1つのジョブを選択する。ジョブ選択を検知した印刷装置101は、S408において選択された印刷ジョブを指定した印刷ジョブ取得要求をCPS102に送信する。ジョブ取得要求はIPPのFetch-JobやFetch-Documentオペレーションを使用するものとする。この例を図9(A)に示す。
【0036】
印刷ジョブ取得要求を受信したCPS102は、S409において該当の印刷ジョブデータとすべての印刷属性情報を印刷装置101に送信する。すべての印刷データの受信が完了したら、S410において印刷装置101は印刷データ取得完了の通知をCPS102に送信する。
【0037】
印刷装置101は、受信した印刷属性情報にJob-password属性などが含まれていることから、印刷データにPIN設定されていることを判断する。そのため、S411において印刷装置101は操作画面に図8のPIN入力画面804を表示する。S412においてユーザのPIN入力を検知した印刷装置101は、S413において入力されたPINコードとCPS102から受信したPINコードの値を照合して、値が一致するかどうかを検証する。検証結果が成功であるなら、S414において印刷装置101は、該当の印刷ジョブの印刷処理を実行する。印刷処理の間、印刷装置101は印刷中画面802を表示し、印刷が終了したなら印刷完了画面803を表示する。一方、検証結果が失敗であるなら、S415において印刷装置101は印刷処理を実行せずに、図8の検証失敗の画面805を表示する。そして、S416において印刷装置101は、印刷成功なら成功の旨を、印刷失敗なら失敗の旨を含むジョブ状況をCPS102に通知する。ジョブ状況通知は例えばIPPのUpdate-Job-Statesオペレーションを使用するものとする。
【0038】
このようにPINコードの検証に失敗する場合でも、印刷装置101はS409で全印刷データを受信してしまう。そのため、印刷されない印刷データ分の通信量が無駄になってしまうという課題が発生する。従量課金のクラウドサービスであれば無駄な通信料金にもなってしまう。
【0039】
<第1の実施形態における印刷ジョブの送受信シーケンス>
続けて、図5から図9を用いて本実施形態におけるPIN印刷のシーケンスについて説明する。
【0040】
まず図5を用いて本実施形態における全体シーケンスの説明をする。S501~S507は、図4におけるS401~S407のフローと同じである。ただし、S501で受信する印刷ジョブには設定されたPINコードがジョブ属性に含まれていることがある。その場合にはS502で、ジョブ属性としてPINコードも保存(登録)する。このとき、印刷装置の属性にPIN印刷のサポートを示すPIN属性が含まれているか否かを判定し、含まれている場合に限って受信したPIN属性を保存してもよい。その後、印刷装置101はCPS102に対して、S507にて選択されたジョブのジョブ属性取得要求を送信する(S508)。
【0041】
そして、ジョブ属性取得要求に対してジョブ属性がCPS102から印刷装置101に対して送信される(S509)。対象の印刷ジョブにPINが設定されている場合にはジョブ属性にPIN属性が含まれており、PINが設定されていない場合にはジョブ属性にPIN属性が含まれていないため、ジョブ属性からPIN設定の有無を判定することができる。図9(C)はジョブ取得応答パケットの例を示す。ジョブ属性取得応答パケットは、例えばこのジョブ取得応答パケットのOperationが"Fetch-JOb Attribute Response"となり、から、Payload部を除外したものであってよい。ただし図9(C)からPayload部を除外した構成はPIN属性を含んでおらず、PIN属性を含む場合には例えば図9(B)に示されているJob-password属性とJob-password-encryprion属性とをさらに含む。なおJob-password属性にはその値としてPINコードを含まれるが、ジョブ属性取得応答にはPINが設定されていることを示すだけでよいので、PINコードは含まれていなくてもよい。なおPINのことをパスワード情報または認証情報とよびPIN属性のことをパスワード属性または認証情報属性と呼ぶことがある。パスワード情報にはパスワードそのもののほか、暗号化されたパスワードを含む場合もある。暗号化されたパスワードにはパスワードのハッシュ値を含む。
【0042】
受信したジョブ属性にPIN属性が含まれている場合、印刷装置101は図8のPINの入力画面804を表示し、ユーザに入力を要求する(S510)。そして印刷装置101は、CPS102に対してS511でユーザに入力されたPINコードと印刷ジョブの取得要求とを送信する(S512)。この時送信されるパケットの例が図9(B)に示したジョブ取得要求である。このパケットには、それがジョブ取得要求であること及びジョブIDに加えて、IPP属性のJob-password-encryptionとその属性値、およびJob-password属性とその値を含む。Job-password-encryptionの属性値は暗号化方法(ハッシュ関数)を、Job-passwordの属性値は入力されたPINコードを示す。
【0043】
CPS102は受信したPINコードと自身のストレージに保存しているジョブのPINコードとを照合して受信したPINコードの検証を行う(S513)。なおPINコードにハッシュ関数が適用されている場合にはPINコードのハッシュ値が照合の対象となる。検証の結果、PINコードが一致していない場合に、印刷装置101に対して、図9(D)に示すジョブ取得エラーを送信する(S514)。このメッセージには、ジョブ取得要求が失敗したことが示されている。そして印刷装置101は、図8のPIN検証失敗画面805のように印刷エラーを表示する(S515)。PINコードが一致している場合、CPS102は印刷装置101に対して、図9(C)に示すPIN属性を削除したジョブデータを送信する(S516)。このメッセージには、ジョブ取得要求が成功したこと、PIN属性を除くジョブ属性および印刷データが含まれている。
【0044】
そして、印刷装置101は印刷処理を行い(S517)、印刷が完了したこと表示し(S518)、CPS102に対して、完了の通知を送信する(S519)。
【0045】
●印刷装置による処理手順
次に図5のシーケンス図で説明した処理を実現するため、印刷装置101が実行する具体的な制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6のフローチャートに示す各ステップは、印刷装置101のCPU201がRAM203に読みだしたプログラムを実行することで実現する処理を示している。
【0046】
CPU201は操作部206を介して、ユーザの操作によるジョブ選択を検知する(S601)。続けて検知したジョブのジョブ属性取得要求をCPS102に対して、送信する(S602)。次に要求したジョブ属性をCPS102から受信する(S603)。受信したジョブ属性の中にPIN属性が含まれているか判定する(S604)。
【0047】
S604においてPIN属性が含まれていないと判定した場合、CPS102に対して、ジョブ取得要求を送信する(S605)。S605における要求の結果が成功であるならば(S606)、CPS102からジョブデータを受信する(S607)。受信が完了したら、完了通知をCPS102に対して送信する(S608)。次に印刷処理を行い(S609)、操作部206に対して、成功結果を表示し(S610)、CPS102に対して、完了の通知を送信する(S611)。S605における要求の結果が失敗であるならば(S606)、操作部206に対して、エラー結果を表示する(S615)。
【0048】
一方S604においてPIN属性が含まれている場合、操作部206にPIN入力画面を表示する(S612)。そしてPIN入力を検知し(S613)、検知したPIN情報をS605におけるジョブ取得要求に追加する(S614)。その後S605へと続いていく。
【0049】
●CPSによる処理手順
次に図5のシーケンス図で説明した処理を実現するため、CPS102が実行する具体的な制御について、図7のフローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートに示す各ステップは、CPS102のCPU301がRAM303に読みだしたプログラムを実行することで実現する処理を示している。
【0050】
CPU301はS605のジョブ取得要求を受信する(S701)。続いて受信した属性にPIN属性が含まれているかを判定する(S702)。
【0051】
S702において、PIN属性が含まれていない場合、印刷装置101に対して、ジョブ取得の成功応答を送信する(S703)。成功応答は図9(C)に示した通りであり、対象の印刷ジョブの属性や設定、印刷データを含む。
【0052】
S702において、PIN属性が含まれている場合、受信したPINコードと自身のストレージに保存している前記ジョブのPINコードの検証を行う(S704)。
【0053】
S704において、PINコードが一致している場合、ストレージに保存している対象ジョブのジョブ属性からPIN属性を削除する(S705)。そしてS703へと続いていく。
【0054】
S704において、PINコードが一致していない場合、印刷装置101に対して、ジョブ取得エラー応答を送信する(S706)。ジョブ取得エラー応答は図9(D)に示した通りであり、ジョブ取得が失敗したことを示す状態コードが含まれている。
【0055】
このようにPIN情報が設定されている印刷ジョブをクラウドプリントサービスで検証することで、検証失敗した場合に印刷装置に印刷データを送信する通信料を削減できる。
【0056】
<変形例>
上記実施形態では、印刷装置101の操作部から入力されたPINコードはCPS102に送信されてそこで照合されている。それに対して、CPS102から印刷装置101にS509で送信されるジョブ属性に、PINコードまたは暗号化方法と暗号化済みPINコードが含まれている場合には、印刷装置101でPINコードを検証することができる。その場合には検証が成功したならジョブ取得要求を印刷装置101からCPS102に送信し、CSP102がその要求に応じてジョブ情報(印刷データ及び印刷属性)を印刷装置に送信してよい。さらにこの場合には、検証が成功した旨を示す情報をジョブ取得要求に付加して印刷装置101からCPS102に送信してもよい。この場合CPS102は、対象印刷ジョブにPINが設定されているばあには、検証が成功した旨が示されているジョブ取得要求に対してのみ印刷データ及び印刷属性を送信してよい。このように構成しても、PINの検証に失敗した場合の印刷データの転送をなくすことができる。
【0057】
●実施形態の構成のまとめ
[項目1]
印刷装置からの、属性情報とともに登録された印刷ジョブのうち、指定された印刷ジョブの属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信する第1の送信手段と、
前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて前記印刷装置において入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信する受信手段と、
前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報を検証する検証手段と、
前記検証手段による検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信する第2の送信手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0058】
[項目2]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記第2の送信手段により送信される前記属性情報には前記パスワード属性が含まれない
ことを特徴とする情報処理装置。
【0059】
[項目3]
項目1または2に記載の情報処理装置であって、
前記パスワード属性を含めずに前記属性情報を送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0060】
[項目4]
項目1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記検証手段による前記パスワード情報の検証が失敗した場合には、失敗を示す情報を前記印刷装置に送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0061】
[項目5]
項目1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
端末から送信された印刷ジョブを受信して前記印刷ジョブの属性情報とともに登録する登録手段を更に有し、
前記登録手段は、前記属性情報に前記パスワード属性が含まれている場合には、前記パスワード属性も登録する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0062】
[項目6]
項目5に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置からの当該印刷装置の登録要求に応じて前記印刷装置の属性情報を登録する第2の登録手段を更に有し、
前記登録手段は、前記端末から受信した前記印刷ジョブの前記属性情報に、前記印刷装置がパスワード付きの印刷ジョブをサポートする属性が含まれている場合に、前記属性情報に含まれている前記パスワード属性を登録する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0063】
[項目7]
項目1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置からのジョブ一覧取得要求に応じて、登録されている印刷ジョブのジョブ一覧情報を前記印刷装置に送信する手段を更に有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【0064】
[項目8]
情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信する第1の送信手段と、
前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付ける操作手段と、
前記情報処理装置に対して、前記パスワード属性を受信した印刷ジョブについては、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信する第2の送信手段と、を有し、
前記パスワード情報と共に送信した前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【0065】
[項目9]
項目8に記載の印刷装置であって、
前記情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのジョブ一覧取得要求を送信する手段を更に有し、
前記第1の送信手段は、前記ジョブ一覧取得要求に応じて取得したジョブ一覧情報のうちから指定された印刷ジョブの属性情報の要求を送信する
ことを特徴とする印刷装置。
【0066】
[項目10]
項目8または9に記載の印刷装置であって、
前記パスワード情報と共に送信した前記ジョブ取得要求に対して前記パスワード情報の検証が失敗したことを示す情報を受信した場合には、当該情報を出力する
ことを特徴とする印刷装置。
【0067】
[項目11]
項目1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
項目8乃至10のいずれか一項に記載の印刷装置と、
を含むことを特徴とする印刷システム。
【0068】
[項目12]
項目1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【0069】
[項目13]
項目8乃至10のいずれか一項に記載の印刷装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【0070】
[項目14]
情報処理装置と印刷装置と端末とを含む印刷システムによる印刷制御方法であって、
前記印刷装置が、前記情報処理装置に対して、前記情報処理装置に登録されている印刷ジョブのうちから指定した印刷ジョブの属性情報の要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報の要求に応じて、前記指定された印刷ジョブの属性情報を前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記属性情報の要求に応じて送信された属性情報にパスワード属性が含まれている場合に、ユーザによるパスワード情報の入力を受け付け、前記情報処理装置に対して、入力された前記パスワード情報と共にジョブ取得要求を送信することと、
前記情報処理装置が、前記属性情報に含まれたパスワード属性に応じて入力されたパスワード情報とともに前記印刷装置からのジョブ取得要求を受信して前記指定された印刷ジョブの属性情報に含まれたパスワード属性の値で、受信した前記パスワード情報の検証をすることと、
前記情報処理装置が、前記検証が成功した場合に、指定された前記印刷ジョブと当該印刷ジョブの属性情報とを前記印刷装置に送信することと、
前記印刷装置が、前記ジョブ取得要求に対して印刷ジョブを受信した場合には、前記印刷ジョブのデータに基づいて印刷手段により印刷を行う
ことを特徴とする印刷制御方法。
【0071】
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0072】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0073】
101 印刷装置、 102 クラウドプリントサービス、 103 クライアント端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10