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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180490
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/54 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A47C7/54 A
A47C7/54 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093846
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 達也
(72)【発明者】
【氏名】西上 真凪
(72)【発明者】
【氏名】近藤 駿介
(72)【発明者】
【氏名】網浦 愛理子
(57)【要約】
【課題】肘掛けがオプション品になっている椅子において、構成部材の構造を単純化して資源の有効利用に貢献する。
【解決手段】肘掛け7は、肘用ブラケット6を介してベース体3の下面に取付けられる。肘用ブラケット6はメインブラケット21とカバー22とで構成されており、メインブラケット21はビス26でベース体3に固定されている。肘掛け7は、ボルト19でメインブラケット21に固定される。ベース体3は、肘掛け7が取りつかない単純な構造に製造できるため、無駄を無くして資源を有効利用できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚装置で支持される椅子本体部に、肘用ブラケットを介して肘掛けが取り付けられる椅子であって、
前記肘用ブラケットは前記肘掛けの専用品であって、前記肘掛けを取り付ける場合にビスで前記椅子本体部に固定されるようになっており、前記肘掛けは、前記ブラケットにビスで固定されるようになっている、
椅子。
【請求項2】
前記椅子本体部は、ガスシリンダより成る脚支柱の上端に固定されたベース体であり、前記ブラケットは、前記ベース体の下面に固定されるようになっている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項3】
前記肘掛けは、先端面が前記ブラケットの外側面に当接する左右長手の基部を有し、前記基部の先端面の上部に、前記ブラケットの内部に入り込む足部が一体に形成されている一方、
前記ブラケットは、前記肘掛けの足部を下方と前後両側から囲う金属板製のメインブラケットと、前記メインブラケットを下方から覆うカバーとから成っていて、
前記メインブラケットと前記ベース体の下面との間に、前記肘掛けの足部が嵌入する空間が形成されており、
かつ、前記メインブラケットには、前記肘掛けの基部が左右長手のボルトで固定される側板を設けている、
請求項2に記載した椅子。
【請求項4】
カバーは、前記肘掛けの足部が嵌入する左右の側枠部を有しており、前記側枠部の上端が前記ベース体の側面の下部に重なっている、
請求項2又は3に記載した椅子。
【請求項5】
前記ブラケットは、前記ベース体のうち前記脚支柱の手前又は後ろに配置されている、
請求項2又は3に記載した椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、肘掛けがオプション仕様になっている椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子の肘掛けはオプション仕様になっていることが多く、同一デザインの椅子において、肘掛けを設けたタイプと設けていないタイプとを用意していることが多い。肘掛けを椅子のどの部位に取り付けるかは様々であり、脚支柱の上端に設けたベース体に取付けたり、座部を構成する座アウターシェルの下面に取付けたり、背もたれが取り付く背フレームに取付けたりしている。
【0003】
背フレームに取り付ける例として、特許文献1,2がある。特許文献1では、背フレームに肘フーム取付け部を横向き突設しており、特許文献2では、肘掛けの下端を構成する内向き部の先端にブラケット板を溶接によって固定して、ブラケット板を背フレーム(傾動フレーム)の側面にボルトで固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-049735号公報
【特許文献2】特開2008-302063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、肘掛けはオプション品であるが、特許文献1では、背フレームに肘フーム取付け部が一体に形成されており、肘掛けを取り付けない仕様においても肘フーム取付け部が存在しているため、肘掛けを取り付けない仕様のときに肘フーム取付け部が露出していて、美感を損なうおそれがある。また、背フレームには肘掛けが存在しなくても肘フーム取付け部が形成されているため、肘掛けを取り付けない場合に重量が必要以上に増大して資源の効率利用に反することにもなる。
【0006】
他方、特許文献2では、肘掛けの取付け手段として背フレームにはタップ穴を設けるだけでよいため、肘掛けを取付けないときに美感が悪化したり、背フレームの重量が増大したりすることはないが、肘掛けには予めブラケット板が溶接されているため、肘掛けはその椅子の専用品になって、他のデザインの椅子に共用できないという問題がある。
【0007】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明に係る椅子は、
「脚装置で支持される椅子本体部に、肘用ブラケットを介して肘掛けが取り付けられる」
という基本構成において、
「前記肘用ブラケットは前記肘掛けの専用品であって、前記肘掛けを取り付ける場合にビスで前記椅子本体部に固定されるようになっており、前記肘掛けは、前記ブラケットにビスで固定されるようになっている」
という特徴を付加している。
【0009】
ここに、椅子本体部は、請求項2で特定したベース体の他に、座を支持する合成樹脂製等の座アウターシェル、同じく座を支持する枠材、背もたれが取り付く背フレームを含んでいる。
【0010】
請求項2は請求項1の展開例であり、
「前記椅子本体部は、ガスシリンダより成る脚支柱の上端に固定されたベース体であり、前記ブラケットは、前記ベース体の下面に固定されるようになっている」
という構成になっている。
【0011】
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記肘掛けは、先端面が前記ブラケットの外側面に当接する左右長手の基部を有し、前記基部の先端面の上部に、前記ブラケットの内部に入り込む足部が一体に形成されている一方、
前記ブラケットは、前記肘掛けの足部を下方と前後両側から囲う金属板製のメインブラケットと、前記メインブラケットを下方から覆うカバーとから成っていて、
前記メインブラケットと前記ベース体の下面との間に、前記肘掛けの足部が嵌入する空間が形成されており、
かつ、前記メインブラケットには、前記肘掛けの基部が左右長手のボルトで固定される側板を設けている」
という構成になっている。
【0012】
請求項4の発明は請求項2又は3の展開例であり、
「前記カバーは、前記肘掛けの足部が嵌入する左右の側枠部を有しており、前記側枠部の上端が前記ベース体の側面の下部に重なっている」
という構成になっている。
【0013】
請求項5の発明は請求項2又は3のうちのいずれかの展開例であり、
「前記ブラケットは、前記ベース体のうち前記脚支柱の手前又は後ろに配置されている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では、ブラケットは肘掛けの専用品になっていて、肘掛けを取り付ける場合だけ椅子本体部にビスで固定したらよい。従って、椅子本体部にはタップ穴の加工を除いて特別な加工を施す必要はなく、それだけ椅子本体部の加工の手間を軽減できると共に、ブラケットが露出することによる美感の悪化の問題も回避できる。肘掛けを取付けないときにはブラケットを取り付けないため、肘掛けを取り付けないときにブラケットを覆うカバーも不要であり、この面でも資源の有効利用に貢献できる。
【0015】
ブラケットと肘掛けとは別部材になっているため、複数種類の椅子に適用できて汎用性が高い肘掛けを使用することが可能であり、このように汎用性が高い肘掛けを使用できることと、肘掛け不使用時にカバーが不要であること、椅子本体部の加工の手間を軽減できることとが相まって、資源の有効利用に貢献できる。
【0016】
ベース体はその機能上頑丈な構造になっているため、請求項2のようにベース体にブラケットを固定すると、肘掛けを高い支持強度で取付けできる利点がある。また、ベース体の下方は空間になっているため、他の部材との緩衝を回避した状態でブラケットを簡単に取付けることができる。従って、ブラケットの取付け位置として好適である。
【0017】
ブラケットは単一構造でもよいが、請求項3のように強度メンバーとしてのメインブラケットと美粧メンバーとしてのカバーとで構成すると、高い美感を確保しつつ肘掛けを強固に固定できる。また、請求項3では、ベース体も肘掛けの取付けに利用されるため、肘掛けの取付け強度の向上に更に貢献できる。
【0018】
請求項4の構成では、カバーの側枠部で肘掛けの足部が囲われているため、美感に優れている。また、カバーの側枠部はループ構造であるため、当該カバーの強度も維持できて好適である。
【0019】
請求項5の構成では、ブラケットは脚支柱の手前又は後ろに配置されているため、ブラケットは1つでよく、それだけ構造を簡素化してコストを抑制できる。また、肘掛けの足部は脚支柱に緩衝しないため、ベース体の左右幅をできるだけ小さくしつつ、足体を必要な長さに設定して肘掛けの支持強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る椅子の外観図であり、(A)は前上方から見た斜視図、(B)は後ろ上方から見た斜視図、(C)は前下方から見た斜視図、(D)は後ろ下方から見た斜視図である。
図2】(A)は椅子の正面図、(B)は分離側面図である。
図3】(A)は要部の斜視図、(B)(C)は要部の分離斜視図、(D)は肘掛けの部分斜視図である。
図4】(A)(C)は下方から見た要部分離斜視図、(B)は上方から見た要部分離斜視図である。
図5】(A)は図2(B)の V-V視方向から見た断面図、(B)(C)は上方から見た要部分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明で方向を示すため「前後」「左右」の文言を使用するが、これらの前後・左右の文言は、椅子に普通の姿勢で着座した人が向いた方向を基準にしている。正面図は、着座者と対向した方向から見た状態である。
【0022】
(1).概要
本実施形態の椅子は事務用に多用されている回転椅子であり、図1に示すように、椅子は、主要要素として、脚支柱(ガスシリンダ)2及び複数本の脚羽根を有する脚装置1と、脚支柱2の上端に固定したベース体3と、ベース体3の上方に配置した座4と、ベース体3に後傾動自在に連結された背もたれ5を備えている。脚装置1を構成する各脚羽根の先端にはキャスタを設けている。
【0023】
ベース体3の下面のうち脚支柱2よりも手前の部位には、肘用ブラケット6を介して肘掛け7が取付けられている。図では肘掛け7は左側に1つしか表示していないが、左右一対取付けられる。肘掛け7はオプション品であり、取付けない場合もある。肘掛け7を取付けない場合は、肘用ブラケット6も取付けない。従って、肘用ブラケット6は肘掛け7を取付けるための専用品である。
【0024】
図1(C)(D)に示すように、椅子は、座4が上から取り付くフロント座アウターシェル8及びリア座アウターシェル9と、背もたれ5が前から取り付く背アウターシェル10とを備えており、リア座アウターシェル9と背アウターシェル10とは一体化している。背アウターシェル10の上端には、オプション品としてのハンガー11を取付けている。フロント座アウターシェル8は、ベース体3の上部を囲う下向きの枠部8aを備えている。
【0025】
ベース体3は金属板製で前後に長い箱状に形成されており、その前後中途部に脚支柱2の上端部が貫通している。正確には、ベース体3の内部に図示しないブッシュが配置されて、ブッシュに脚支柱の上端部が下方から圧入されている。
【0026】
本実施形態の椅子は、背もたれ5はベース体3に内蔵したばねに抗して後傾可能しつつ下方に沈み込む。そして、背もたれ5が後傾すると、座4は、全体として前進しつつ、後部が後傾する。これらの動きは本願発明とは直接の関係はないので、説明は省略する。
【0027】
肘掛け7は合成樹脂の成形品であり、フロント座アウターシェル8の下方に位置する基部12と、基部12から二股に分かれた前後の支柱部13と、前後の支柱部13の上端間に繋がった肘当て14とを有している。従って、本実施形態の肘掛け7は高さ調節不能な固定式であるが、昇降式(伸縮式)の肘支柱を有して肘当てを高さ調節できるタイプも使用可能である。
【0028】
図3(C)(D)に示すように、肘掛け7の基部12は概ね側面視四角形になっており、その先端面15の上部から板状の足部16を突設している。足部16における前後のコーナー部はカットされて、全体として平面視5角形になっている(肘用ブラケット6への挿入の容易化のためである。)。
【0029】
図3(C)(D)に示すように、肘掛け7における基部12には、その先端近くまで延びる座繰り溝17を形成して、座繰り溝17の箇所にボルト挿通穴18を形成している。当然ながら、ボルト挿通穴18は足部16の下方に位置しており、左右長手のボルト19の頭は座繰り溝17の内部に隠れている。
【0030】
(2).肘掛け7の取付け構造
肘用ブラケット6は、強度メンバーとしてのメインブラケット21と、美粧メンバーとしてのカバー22とで構成されている。メインブラケット21は板金加工品であり、カバー22は合成樹脂の成形品である。図5(A)に示すように、メインブラケット21の左右幅はベース体3の左右幅と略同じになっている。
【0031】
図4図5(B)(C)に明示するように、メインブラケット21は、水平姿勢の基板23とその前後両側から起立した上向き壁板24と、基板23の左右両側から垂下した下向きの側板(端板)25とを有しており、上向き壁板24の上端に、ベース体3の下面にビス26で固定されるフランジ27を設けている。フランジ27は左右に分離しているが、一連に連続させてもよい。
【0032】
メインブラケット21とベース体3との間に、肘掛け7の足部16が嵌入する空間が左右に貫通するように形成されており、肘掛け7の基部12は、足部16の下方において基部12の先端部に貫通した左右長手のボルト19(図5(A)参照)によって、メインブラケット21の側板25に固定されている。このため、メインブラケット21の側板25には内向きのバーリング部を形成して、このバーリング部に、ボルト19が螺合するタップ穴28を形成している(側板25にナットを溶接してよい。)。
【0033】
メインブラケット21の側板25には、基板23の下面に当接する前後の補強片29を曲げ形成している。補強片29は基板23の下面に溶接するのが好ましい。メインブラケット21における前後上向き壁板24には、左右のフランジ27の間に位置した切欠き部30が形成されている。また、基板23と後部の上向き壁板24との連接部は透かし穴33によって開口している。
【0034】
メインブラケット21はカバー22によって下方から覆われている。メインブラケット21が左右の側板25及び補強片29を有することから、カバー22も左右のポケット状部31を有しており、左右のポケット状部31の間の部位は空間になっている。また、カバー22は、肘掛け7の基部12を囲う板状の側枠部32を有しており、図4(A)に明示するように、側枠部32の上端部はベース体3の側面まで延びている。
【0035】
メインブラケット21をカバー22が下方から覆う形態になっている。従って、カバー22は、基本的には、メインブラケット21に対して前後左右にガタツキのない状態で下方から嵌まっているが、1つの特徴として、その前部に、メインブラケット21の前フランジ27を下方から覆う前枠部34を形成して、枠部34の内部に、ビス26の頭を隠す筒体35を形成している。
【0036】
そして、カバー22の取付け手段としては、図5(C)に示すように、まず、前枠部34の左右中間部に上向きの第1係合爪36を設け、第1係合爪36をベース体3の底板に形成した係合穴37(図4(C)参照)に嵌め入れている。次に、カバー22の前部に、メインブラケット21における前部の上向き壁24の切欠き部30に上方から係合する第2係合爪38を形成している。第1係合爪36と第2係合爪38との爪は相対向している。
【0037】
更に、図5(B)に示すように、カバー22の後部に、左右の一対の位置決め片39を前向きに突設して、位置決め片39がメインブラケット21における透かし穴33の左右内側面に当接するように設定している。
【0038】
図4(C)に示すように、ベース体3の下面には、既述の係合穴37の他に、左右一対のフロントタップ穴40aと、左右一対のリアタップ穴40bと、左右一対のリアスリット40cが形成されている。メインブラケット21における手前の左右フランジ27は、フロントタップ穴40aにねじ込まれたビス26によってベース体3の下面に固定されている。
【0039】
他方、メインブラケット21において後ろに位置した左右のフランジ27は、リアスリット40cに嵌め込まれているか、又は、リアタップ穴40bにねじ込まれたビス26によってベース体3の下面に固定されている。後ろのフランジ27をリアスリット40cに嵌め込むと、メインブラケット21は2本だけのビス26でベース体3に固定されるため、取付けの作業性を向上できる。また、支持掛け7に作用した下向きの荷重は後ろのフランジ27をベース体3の底板に上から押しつけるように作用するため、取付け強度にも優れている。
【0040】
図示の例では、リアタップ穴40bとリアスリット40cとを併有していずれかを選択できるようにしているが、いずれか一方だけを設けてもよい。なお、メインブラケット21のフランジ27は、手前のフランジ27の左右幅よりも後ろのフランジ27が左右幅が小さくなっている。
【0041】
(3).まとめ
以上の構成において、肘掛け7を取付けない場合は肘用ブラケット6は使用されず、肘掛け7を取り付けるときだけ肘用ブラケット6を使用する。従って、ベース体3は肘掛け7に対応して部材を溶接したり特有の形態に加工したりすることは不要であり、係合穴37とタップ穴40とを設けているだけである。端的には、ベース体3は、肘掛け7が取付かない仕様として設計されており、肘用ブラケット6とセットで肘掛け7が取付けられる。
【0042】
従って、ベース体3を肘掛け7が取り付く仕様と取りつかない仕様とに分けて製造する必要はない。このため、資源の有効利用に貢献できる。また、肘掛け7が取りつかないときの美感の悪化の問題は生じないし、肘掛け7が取りつかないときに椅子を軽量化できる。肘掛け7と肘用ブラケット6とは分離しているため、肘掛け7は他のタイプの椅子にも適用できる。すなわち、肘掛け7に汎用性を持たせることができる。この点においても、資源の有効利用に貢献できる。
【0043】
肘掛け7に作用した下向き荷重は、図5(A)に矢印41で示すように、足部16に対してこれを上向き動させるモーメントとして作用するが、本実施形態では、足部16はベース体3の下面に当接するため、高い支持強度を確保できる。つまり、ベース体3も肘掛け7の取付け部材(支持部材)として機能している。
【0044】
また、肘掛け7に作用した下向き荷重は、基部12をメインブラケット21の側面に押圧するように作用するため、1本のボルト19による固定であっても、肘掛け7を強固に固定できる。
【0045】
カバー22は、上向き動させるだけでメインブラケット21にワンタッチ的に取付けることができるが、第1係合爪36がベース体3にも係合しているため、カバー22の離脱防止機能に優れている。カバー22の側枠部32はループ構造になっているため、カバーに剛性を付与して外れ防止効果に優れている。
【0046】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、肘掛けの固定手段としては、鉛直姿勢のボルトを肘掛けの足部に下方からねじ込む方式も採用できる(肘掛けの構造に合わせて、肘用ブラケットの形態を設定したらよい。)。椅子本体として背フレームを採用して、肘用ブラケットを背フレームの下面にビスで固定して、この肘用ブラケットに肘掛けをビス(ボルト)で取り付けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願発明は、肘掛けがオプション品になっている椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 脚装置
2 脚支柱
3 ベース体
4 座
6 肘用ブラケット
7 肘掛け
8 フロント座アウターシェル
12 肘掛けの基部
13 支柱部
14 肘当て
16 肘掛けの足部
19 ボルト
21 メインブラケット
22 カバー
23 基板
24 上向き壁
25 側板
26 ビス
27 フランジ
28 タップ穴
32 カバーの側枠部
36 第1係合爪
38 第2係合爪
図1
図2
図3
図4
図5