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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180497
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】染毛料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20231214BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/06
A61K8/34
A61K8/891
A61K8/92
A61K8/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093854
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】横山 亮太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC552
4C083AC692
4C083AC852
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD452
4C083BB06
4C083BB13
4C083BB21
4C083CC36
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE26
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】
堅牢性に優れ、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感が良好な染毛料組成物を提供する。
【解決手段】直接染料、25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)、カチオン性界面活性剤、高級アルコールおよび多価アルコールを含有する染毛料組成物であって、
(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
(B)25℃での動粘度が10mm/s以下であるメチルポリシロキサン
(C)25℃での動粘度が3,000mm/s以上であるメチルポリシロキサン
を含有し、前記(B)成分の含有量が1~10質量%、前記(C)成分の含有量が0.1~10質量%であることを特徴とする染毛料組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接染料、25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)、カチオン性界面活性剤、高級アルコールおよび多価アルコールを含有する染毛料組成物であって、
(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
(B)25℃での動粘度が10mm/s以下であるメチルポリシロキサン
(C)25℃での動粘度が3,000mm/s以上であるメチルポリシロキサン
を含有し、前記(B)成分の含有量が1~10質量%、前記(C)成分の含有量が0.1~10質量%であることを特徴とする染毛料組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が、0.1~5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の染毛料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛料組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は塩基性染料またはHC染料、またはその両方を含有する染毛料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアカラーリング剤は、酸化染料を用いる酸化染毛剤等の永久染毛剤、毛髪を明るくする脱色剤、直接染料を用いる半永久染毛料、毛髪を一時的に着色する一時染毛料に大別される。これらのうち、酸化染料を含有する酸化染毛剤等の永久染毛剤は、優れた染毛効果を発揮できることから汎用されている一方で、一般的に酸化剤およびアルカリ剤を含有するため、毛髪や頭皮に対する負荷が大きいというデメリットがある。
【0003】
これに対して半永久染毛料は、塩基性染料や酸性染料、HC染料等の直接染料を含有した染毛料組成物であり、その一種として染毛効果とトリートメント効果を同時に示すカラートリートメントがある。このカラートリートメントは、トリートメント効果を付与する目的としてカチオン性界面活性剤が汎用されることから、酸性染料と併用した場合、カチオン性界面活性剤と酸性染料が凝集を起こし染毛力が低下することがある。このことから、カラートリートメントに用いる直接染料としては、併用しても染毛力が低下しにくい塩基性染料やHC染料等が主に用いられる。
【0004】
これら複数の直接染料を組み合わせることでカラーバリエーションは多様化することから、ファッションカラーの近年のトレンドにおいて、原色系の派手な髪色だけでなく、トーンが暗い色や灰系統色等のようなくすんだ髪色まで幅広く人気が高まりつつある。また、カラートリートメント等の染毛料組成物は酸化染毛剤と比較して、酸化剤やアルカリ剤等を含有しないため毛髪および頭皮へのダメージを抑制することができ、多用できるというメリットからも、近年需要が増える傾向にある。一方で、これらの直接染料による染毛色は酸化染料によるものとは異なり、洗髪による褪色が早い(堅牢性が悪い)というデメリットもある。
【0005】
このようなカラートリートメントとして特許文献1では、塩基性染料およびHC染料を含有した染毛料組成物で、仕上がりのしっとり感、さらさら感、まとまり感、すすぎ時の指通りの滑らかさおよび感触の持続性が良好な染毛料組成物を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-132606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1における染毛料組成物は、洗髪による褪色が早いという染毛後の堅牢性についての課題があった。また、その使用感にもまだ改善の余地があった。
【0008】
したがって本発明は、堅牢性に優れ、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感が良好な染毛料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討した結果、直接染料、25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)、カチオン性界面活性剤、高級アルコールおよび多価アルコールを含有する染毛料組成物であって、
(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
(B)25℃での動粘度が10mm/s以下であるメチルポリシロキサン
(C)25℃での動粘度が3,000mm/s以上であるメチルポリシロキサン
を含有し、前記(B)成分の含有量が1~10質量%、前記(C)成分の含有量が0.1~10質量%であることを特徴とする染毛料組成物
が、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、堅牢性に優れ、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感が良好な染毛料組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明において含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0013】
本発明において堅牢性とは、染毛後の洗髪による染毛色の保持性のことである。
【0014】
本発明の染毛料組成物は直接染料として、任意の塩基性染料またはHC染料、またはその両方を含有する。これらの直接染料の一種または二種以上を任意の割合で組み合わせることにより、多様なカラーバリエーションが調製可能となる。
【0015】
本発明は、堅牢性およびすすぎ時の指通りの滑らかさの観点から、(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体を含有する。
【0016】
本発明で用いられる前記(A)成分の含有量は、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.3~5%、さらに好ましくは0.5~5%がよい。前記(A)成分の含有量が0.1%未満の場合、堅牢性およびすすぎ時の指通りの滑らかさが十分に得られない恐れがある。前記(A)成分の含有量が5%を超える場合、それ以上の堅牢性およびすすぎ時の指通りの滑らかさの向上は期待できない。
【0017】
本発明は、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感の観点から、(B)25℃での動粘度が10mm/s以下であるメチルポリシロキサンを含有する。
【0018】
本発明で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、KF-96A-10cs(信越化学工業社製、動粘度10mm/s(25℃))、KF-96A-6cs(信越化学工業社製、動粘度6mm/s(25℃))、KF-96A-5cs(信越化学工業社製、動粘度5mm/s(25℃))、KF-96L-2cs(信越化学工業社製、動粘度2mm/s(25℃))、KF-96L-1.5cs(信越化学工業社製、動粘度1.5mm/s(25℃))等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有する。
【0019】
本発明で用いられる前記(B)成分のうち、仕上がりのさらさら感の観点から、好ましくは25℃での動粘度が2~10mm/sがよい。
【0020】
本発明で用いられる前記(B)成分の含有量は、好ましくは1~10%、より好ましくは2~10%、さらに好ましくは3~10%がよい。前記(B)成分の含有量が1%未満の場合、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感が十分に得られない恐れがある。前記(B)成分の含有量が10%を超える場合、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感の、それ以上の向上は期待できない。
【0021】
本発明は、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感の観点から、(C)25℃での動粘度が3,000mm/s以上であるメチルポリシロキサンを含有する。
【0022】
本発明で用いられる前記(C)成分としては、特に限定されないが、例えば、KF-96-3,000cs(信越化学工業社製、動粘度3,000mm/s(25℃))、KF-96A-5,000cs(信越化学工業社製、動粘度5,000mm/s(25℃))、KF-96H-6,000cs(信越化学工業社製、動粘度6,000mm/s(25℃))、KF-96H-1万cs(信越化学工業社製、動粘度10,000mm/s(25℃))、KF-96H-1.25万cs(信越化学工業社製、動粘度12,500mm/s(25℃))、KF-96H-3万cs(信越化学工業社製、動粘度30,000mm/s(25℃))、KF-96H-5万cs(信越化学工業社製、動粘度50,000mm/s(25℃))、KF-96H-6万cs(信越化学工業社製、動粘度60,000mm/s(25℃))、KF-96H-10万cs(信越化学工業社製、動粘度100,000mm/s(25℃))、KF-96H-30万cs(信越化学工業社製、動粘度300,000mm/s(25℃))、KF-96H-50万cs(信越化学工業社製、動粘度500,000mm/s(25℃))、KF-96H-100万cs(信越化学工業社製、動粘度1,000,000mm/s(25℃))等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有する。
【0023】
本発明で用いられる前記(C)成分のうち、仕上がりのまとまり感の観点から、好ましくは25℃での動粘度が3,000~100,000mm/s、より好ましくは25℃での動粘度が100,000mm/sがよい。
【0024】
本発明で用いられる前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.3~7%、さらに好ましくは0.5~5%がよい。前記(C)成分の含有量が0.1%未満の場合、すすぎ時の指通りの滑らかさおよび仕上がりのまとまり感が十分に得られない恐れがある。前記(C)成分の含有量が10%を超える場合、仕上がりのさらさら感が不十分となる恐れがある。
【0025】
本発明における染毛料組成物は、直接染料として、塩基性染料またはHC染料、またはその両方を含有する。これらの直接染料の一種または二種以上を任意の割合で組み合わせることにより、多様なカラーバリエーションを調製可能となる。
【0026】
塩基性染料としては、特に限定されないが、例えば、赤色213号、赤色214号、塩基性青3、塩基性青6、塩基性青7、塩基性青26、塩基性青41、塩基性青124、塩基性茶4、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性緑1、塩基性緑4、塩基性橙1、塩基性橙2、塩基性橙31、塩基性赤1、塩基性赤2、塩基性赤22、塩基性赤46、塩基性赤51、塩基性赤76、塩基性紫1、塩基性紫2、塩基性紫3、塩基性紫10、塩基性紫16、塩基性黄11、塩基性黄28、塩基性黄87等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0027】
HC染料としては、特に限定されないが、例えば、2-アミノ-6-クロロ-4ニトロフェノ-ル、2-アミノ-3-ニトロフェノ-ル、4-アミノ-3-ニトロフェノ-ル、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノ-ル、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC青6、HC青9、HC青11、HC青12、HC青13、HC青15、HC青16、HC橙1、HC橙2、HC橙3、HC赤1、HC赤3、HC赤8、HC赤11、HC紫1、HC紫2、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄6、HC黄11、HC黄14、HC黄15等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0028】
本発明における染毛料組成物は、25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)を含有する。
【0029】
本発明で用いられる25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素油、油脂、アルキルグリセリルエーテル、エステル油等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0030】
前記炭化水素油の具体例としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン等が挙げられる。
【0031】
前記油脂の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボガド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サンフラワー油、落下生油、綿実油、ピスタチオ油、ククイナッツ油等が挙げられる。
【0032】
前記アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、特に限定されないが、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソノニルエーテル等が挙げられる。
【0033】
前記エステル油の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレンギリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチル等が挙げられる。
【0034】
本発明における染毛料組成物は、カチオン性界面活性剤を含有する。
【0035】
本発明で用いられるカチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0036】
本発明における染毛料組成物は、高級アルコールを含有する。
【0037】
本発明で用いられる高級アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-デシルテトラデカノール等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0038】
本発明における染毛料組成物は、多価アルコールを含有する。
【0039】
本発明で用いられる多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。
【0040】
本発明の染毛料組成物は前記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、塩基性染料およびHC染料以外の直接染料、前記(A)成分以外の高分子化合物、前記25℃で液状の油性成分(シリコーン油を除く)以外の油性成分、前記(B)成分および前記(C)成分以外のシリコーン油、前記カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、金属封鎖剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、顔料、粉体、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料等から選ばれる少なくとも一種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
【0041】
本発明の染毛料組成物の剤型は、乳液状、クリーム状等の剤型で用いられ、塗布性の観点から、クリーム状が好ましい。
【0042】
本発明における染毛料組成物の20℃の条件下における粘度は、特に限定されないが、容器からの出しやすさおよび塗布性の観点から、好ましくは5,000~500,000mPa・sがよい。
【0043】
本発明における染毛料組成物の20℃の条件下における粘度は、常法にて調製して得られた染毛料組成物をサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃条件下で24時間静置した後に、B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、M4号ローターを用いて、100,000mPa・s未満の場合は回転速度6rpm、100,000mPa・s以上200,000mPa・s未満の場合は回転速度3rpmで1分間、200,000mPa・s以上400,000mPa・s未満の場合は回転速度1.5rpmで1分間、400,000mPa・s以上500,000mPa・s以下の場合は回転速度1rpmで1分間、回転させた後に測定したものである。
【0044】
本発明における染毛料組成物の20℃条件下におけるpHは、好ましくはpH3~6、より好ましくはpH4~6がよい。
【0045】
本発明における染毛料組成物の20℃条件下におけるpHは、常法にて調製して得られた染毛料組成物をサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃条件下で24時間放置した後に、ガラス電極式水素イオン濃度指示計(F-71、堀場製作所製)にて原液のpHを測定し得られるものである。
【0046】
本発明に用いられる染毛料組成物は、ポリ容器、アルミチューブ容器、エアゾール容器、パウチ容器、ジャー容器等の各種容器に充填され、使用時まで保存される。
【0047】
本発明に用いられる染毛料組成物は、複数種を任意の割合で混合することにより、染毛色を用時調整可能である。
【実施例0048】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。数値は特に指定のない限り質量%である。
【0049】
本明細書に示す評価試験において、「堅牢性」、「すすぎ時の指通りの滑らかさ」、「仕上がりのさらさら感」および「仕上がりのまとまり感」について下記の方法で評価した。
【0050】
「堅牢性」
各実施例、各比較例に係る染毛料組成物1gをそれぞれ、明るさ13レベル相当(NPO法人日本ヘアカラー協会が制定した、毛髪の明度を4~15の12段階に分けたレベルスケール)の毛束(品番:BR-2-A、株式会社ビューラックス製;10cm、1g)に対し均一に塗布した。20分間放置した後、40℃のぬるま湯で十分洗い流し、タオルドライ後にドライヤーを用いて毛束を乾燥させ、試験用毛束とした。次に、各試験用毛束を40℃のぬるま湯にて濡らしてシャンプー(株式会社ダリヤ製;GREEN BOTTLE ボタニカルリッチシャンプー ラグジュアリーベルガモットの香り)を用いて洗浄し、タオルドライ後にドライヤーを用いて乾燥させた。この一連の操作を10回繰り返し、評価用毛束とし、下記の基準で専門のパネラー15名が目視にて評価した。
<評価基準>
◎:15人中12人以上が、試験用毛束と比較して褪色の程度が小さいと評価した。
〇:15人中8人以上11人以下が、試験用毛束と比較して褪色の程度が小さいと評価した。
△:15人中4人以上7人以下が、試験用毛束と比較して褪色の程度が小さいと評価した。
×:15人中3人以下が、試験用毛束と比較して褪色の程度が小さいと評価した。
【0051】
「すすぎ時の指通りの滑らかさ」
根元揃え黒髪毛束(品番:BS-A、株式会社ビューラックス製)を用い、5g、20cmの毛束を作製し、試験用毛束とした。各実施例、各比較例に係る染毛料組成物5gをそれぞれ、試験用毛束に対し、均一に塗布した。20分間放置した後、専門のパネラー15名が前記毛束を40℃のぬるま湯で洗い流し、下記の基準ですすぎ時の指通りの滑らかさを評価した。
<評価基準>
◎:15人中12人以上が、指通りが滑らかと評価した。
〇:15人中8人以上11人以下が、指通りが滑らかと評価した。
△:15人中4人以上7人以下が、指通りが滑らかと評価した。
×:15人中3人以下が、指通りが滑らかと評価した。
【0052】
「仕上がりのさらさら感」
根元揃え黒髪毛束(品番:BS-A、株式会社ビューラックス製)を用い、5g、20cmの毛束を作製し、試験用毛束とした。各実施例、各比較例に係る染毛料組成物5gをそれぞれ、試験用毛束に対し均一に塗布した。20分間放置した後、40℃のぬるま湯で十分洗い流し、タオルドライ後にドライヤーを用いて乾燥させ評価用毛束とし、下記の基準で専門のパネラー15名が官能にて評価した。
<評価基準>
◎:15人中12人以上が、仕上がりのさらさら感が良好であると評価した。
〇:15人中8人以上11人以下が、仕上がりのさらさら感が良好であると評価した。
△:15人中4人以上7人以下が、仕上がりのさらさら感が良好であると評価した。
×:15人中3人以下が、仕上がりのさらさら感が良好であると評価した。
【0053】
「仕上がりのまとまり感」
根元揃え黒髪毛束(品番:BS-A、株式会社ビューラックス製)を用い、5g、20cmの毛束を作製し、試験用毛束とした。各実施例、各比較例に係る染毛料組成物5gをそれぞれ、試験用毛束に対し均一に塗布した。20分間放置した後、40℃のぬるま湯で十分洗い流し、タオルドライ後にドライヤーを用いて乾燥させ評価用毛束とし、下記の基準で専門のパネラー15名が官能にて評価した。
<評価基準>
◎:15人中12人以上が、仕上がりのまとまり感が良好であると評価した。
〇:15人中8人以上11人以下が、仕上がりのまとまり感が良好であると評価した。
△:15人中4人以上7人以下が、仕上がりのまとまり感が良好であると評価した。
×:15人中3人以下が、仕上がりのまとまり感が良好であると評価した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示す実施例1~6より、「堅牢性」および「すすぎ時の指通りの滑らかさ」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例1~6より、前記(A)成分の含有量は、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.3~5%、さらに好ましくは0.5~5%がよいことがわかる。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示す実施例7~11より、「すすぎ時の指通りの滑らかさ」、「仕上がりのさらさら感」および「仕上がりのまとまり感」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例7~11より、前記(B)成分の含有量は、好ましくは1~10%、より好ましくは2~10%、さらに好ましくは3~10%がよいことがわかる。
【0058】
【表3】
【0059】
表3に示す実施例12~19より、「すすぎ時の指通りの滑らかさ」、「仕上がりのさらさら感」および「仕上がりのまとまり感」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例12~19より、前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.3~7%、さらに好ましくは0.5~5%がよいことがわかる。
【0060】
【表4】
【0061】
表4に示す実施例20~33より、「堅牢性」、「すすぎ時の指通りの滑らかさ」、「仕上がりのさらさら感」および「仕上がりのまとまり感」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。
【0062】
以下に当該組成物の処方例を挙げる。以下の実施例34、35に示す染毛料組成物より、「堅牢性」、「すすぎ時の指通りの滑らかさ」、「仕上がりのさらさら感」および「仕上がりのまとまり感」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。
【0063】
<実施例34>
(染毛料組成物)
成分 含有量(%)
(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド
共重合体 1.100
(B)メチルポリシロキサン(10mm/s) 5.000
(C)メチルポリシロキサン(100,000mm/s) 1.000
流動パラフィン 3.000
流動イソパラフィン 0.810
ポリオキシエチレン(7)トリデシルエーテル 0.087
トリオレイン酸ソルビタン 0.030
ジオレイン酸ポリグリセリル 0.030
パルミチン酸2-エチルヘキシル 2.000
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.000
セタノール 3.000
ステアリルアルコール 2.000
シア脂 0.100
香料 0.100
エチレングリコール 4.500
1,3-ブチレングリコール 2.700
グリセリン 1.800
クエン酸 0.025
クエン酸ナトリウム 0.110
パラオキシ安息香酸メチル 0.200
加水分解シルク(※1) 0.100
メマツヨイグサ種子エキス(※2) 0.100
オレンジ果汁(※3) 0.100
塩基性青124 0.005
塩基性赤51 0.004
塩基性茶16 0.016
精製水 70.083
合計 100.000
粘度(20℃) 76,300mPa・s
pH(20℃) 5.1
※1:Promois SILK-1000(株式会社成和化成製)
※2:ルナホワイト B(一丸ファルコス株式会社製)
※3:Hormo Fruit Orange/N(香栄興業株式会社製)
【0064】
<実施例35>
(染毛料組成物)
成分 含有量(%)
(A)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド
共重合体 1.100
(B)メチルポリシロキサン(10mm/s) 5.000
(C)メチルポリシロキサン(100,000mm/s) 1.000
流動パラフィン 3.000
流動イソパラフィン 0.810
ポリオキシエチレン(7)トリデシルエーテル 0.087
トリオレイン酸ソルビタン 0.030
ジオレイン酸ポリグリセリル 0.030
パルミチン酸2-エチルヘキシル 2.000
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.000
セタノール 3.000
ステアリルアルコール 2.000
エチレングリコール 4.500
1,3-ブチレングリコール 2.700
グリセリン 1.800
クエン酸 0.025
クエン酸ナトリウム 0.110
パラオキシ安息香酸メチル 0.200
塩基性青124 0.160
塩基性赤51 0.080
精製水 70.368
合計 100.000
粘度(20℃) 85,000mPa・s
pH(20℃) 4.7
【産業上の利用可能性】
【0065】
本願発明によれば直接染料を含有する染毛料組成物に関して、堅牢性に優れ、すすぎ時の指通りの滑らかさ、仕上がりのさらさら感および仕上がりのまとまり感が良好な染毛料組成物を提供する。