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特開2023-180517プローブユニットおよび充放電検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180517
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】プローブユニットおよび充放電検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20231214BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231214BHJP
   G01R 31/01 20200101ALI20231214BHJP
【FI】
G01R1/06
H01M10/44 P
G01R31/01
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093889
(22)【出願日】2022-06-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】原口 智生
(72)【発明者】
【氏名】石橋 輝人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 茂
【テーマコード(参考)】
2G011
2G036
5H030
【Fターム(参考)】
2G011AA10
2G011AA15
2G011AC06
2G011AE00
2G011AF06
2G036AA12
2G036AA13
2G036BA37
2G036BB08
2G036CA03
5H030AA09
5H030AS20
5H030BB01
5H030BB21
(57)【要約】
【課題】複数種類の二次電池をより効率的に検査し得るプローブユニットなどを提供する。
【解決手段】プローブユニット1は、1以上の正極のプローブP1が並べて配置される第1のプローブ保持プレート10と、第1のプローブ保持プレート10と対向し、1以上の負極のプローブP2が1以上の正極のプローブP1と対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレート20と、を有する充放電検査装置のプローブユニット1において、第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20が、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたものである。特に、プローブユニット1は、第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構30を有することが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、
第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが前記1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、
を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、
前記第1のプローブ保持プレートまたは/および前記第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたプローブユニット。
【請求項2】
前記第1のプローブ保持プレートまたは/および前記第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構を有する請求項1に記載のプローブユニット。
【請求項3】
前記第1のプローブ保持プレートと前記第2のプローブ保持プレートとの間に、前記正極のプローブまたは前記負極のプローブが配置される方向に沿って伸びるように設けられる可動可能な支持部を有し、
前記第1の可動機構は、フレームにより、前記支持部と前記第1のプローブ保持プレートおよび前記支持部と前記第2のプローブ保持プレートとがそれぞれ連結され、前記支持部を可動させることにより、前記フレームと前記第1のプローブ保持プレートとの接続部分または/および前記フレームと前記第2のプローブ保持プレートとの接続部分を、前記第1のプローブ保持プレートと前記第2のプローブ保持プレートとを結ぶ方向に沿って可動させる請求項2に記載のプローブユニット。
【請求項4】
前記第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、
前記第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、
前記複数の第1のプローブ保持プレート同士および前記複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構を有する請求項3に記載のプローブユニット。
【請求項5】
前記第2の可動機構は、前記複数の第1のプローブ保持プレートと当該第1のプローブ保持プレートに対応する前記複数の第2のプローブ保持プレートとをそれぞれ連結するフレームが、前記支持部が伸びる方向に沿って可動することにより、前記複数の第1のプローブ保持プレート同士および前記複数の第2のプローブ保持プレート同士を、前記複数の正極のプローブまたは前記複数の負極のプローブが配置される方向に沿って可動させる請求項4に記載のプローブユニット。
【請求項6】
前記第1の可動機構または/および前記第2の可動機構を可動させる動力装置を有する請求項5に記載のプローブユニット。
【請求項7】
1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、
第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが前記1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、
前記第1のプローブ保持プレートおよび前記第2のプローブ保持プレートにそれぞれ設けられるガイド部と、
を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、前記第1のプローブ保持プレートまたは/および前記第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたプローブユニットと、
二次電池に設けられて前記ガイド部と係合するセパレータ部であり、前記二次電池の横幅方向の長さに合せて設けられるセパレータ部と、
を備える充放電検査装置。
【請求項8】
前記第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、
前記第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、
前記プローブユニットは、
前記第1のプローブ保持プレートまたは/および前記第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構と、
前記複数の第1のプローブ保持プレート同士および前記複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、
前記セパレータ部は、さらに前記二次電池の厚さ幅方向の長さに合せて設けられる請求項7に記載の充放電検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電検査において二次電池に装着される充放電検査装置のプローブユニットであり、正極のプローブ(接触子)と負極のプローブ(接触子)との間の距離(以下「プローブ間ピッチ」という)を変えることができるプローブユニットおよびこれを用いた充放電検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
充放電検査が行われる際、検査対象の二次電池の電極(正極、負極)に充放電検査装置のプローブ(正極、負極)が接触して、充放電検査装置から二次電池に電力が供給される。また、プローブは一般的に検査対象の二次電池に対応した配列で設けられており、検査対象の二次電池の種類が変わるとプローブユニットごと交換されている。
【0003】
充放電検査において複数種類の二次電池の検査は必然的に求められるものであるため、複数種類の二次電池をより効率的に検査し得る技術が求められている。
例えば、特許文献1には、二次電池を検査するための充放電検査システム、および着脱ユニットが記載されている。
【0004】
この充放電検査システムは、二次電池の充放電検査装置であって、電源と、接続部を有する電池検査ユニットと、電源から二次電池に給電するための接触子を有する接触子ユニットと、を備える充放電検査装置と、接触子ユニットを移動して接続部への着脱を行う移動機構と、を備え、移動機構は、接触子ユニットの接続部への着脱時に生じる反力を電池検査ユニットの受け部に伝達する反力伝達手段を有することを特徴としている。
【0005】
さらに、移動機構は、電池検査ユニットに検査対象の二次電池を搬送するための搬送装置と、搬送装置に取り付けられる着脱ユニットであって、接触子ユニットを電池検査ユニット内において移動させて接続部への着脱を行う着脱ユニットと、を有し、反力伝達手段は、着脱ユニットに設けられることを特徴としている。
【0006】
一方、この着脱ユニットは、充放電検査装置の電池検査ユニットに接触子ユニットを着脱するための着脱ユニットであって、接触子ユニットを移動して電池検査ユニットへの着脱を行う着脱機構と、着脱時に生じる反力を電池検査ユニットに伝達する反力伝達手段と、を備えることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-174049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の充放電検査システムおよび着脱ユニットは、充放電検査装置の電池検査ユニットに接触子ユニット(プローブユニット)を着脱させるものであるため、検査対象の二次電池の種類が変わるとプローブユニットを交換する必要があり、かつ電池検査ユニットにプローブユニットを着脱させる機構が必要となる。また、搬送装置を用いてプローブユニットの着脱を行うため、搬送装置の故障や劣化などにより充放電検査における生産タクト(生産スケジュール)に影響が及ぶ恐れがある。
よって、本発明は、複数種類の二次電池をより効率的に検査し得るプローブユニットおよび充放電検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプローブユニットは、1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたものである。
これにより、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートは、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動する。
【0010】
また、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構を有することが好ましい。
これにより、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。
【0011】
特に、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートとの間に、正極のプローブまたは負極のプローブが配置される方向に沿って伸びるように設けられる可動可能な支持部を有し、第1の可動機構は、フレームにより、支持部と第1のプローブ保持プレートおよび支持部と第2のプローブ保持プレートとがそれぞれ連結され、支持部を可動させることにより、フレームと第1のプローブ保持プレートとの接続部分または/およびフレームと第2のプローブ保持プレートとの接続部分を、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートとを結ぶ方向に沿って可動させることが好ましい。
これにより、支持部を可動させることで、フレームを介して連結されている第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。
【0012】
また、第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構を有することが好ましい。
これにより、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動する。
【0013】
特に、第2の可動機構は、複数の第1のプローブ保持プレートと当該第1のプローブ保持プレートに対応する複数の第2のプローブ保持プレートとをそれぞれ連結するフレームが、支持部が伸びる方向に沿って可動することにより、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を、複数の正極のプローブまたは複数の負極のプローブが配置される方向に沿って可動させることが好ましい。
これにより、支持部によって第1の可動機構および第2の可動機構を同時に実現できる。
【0014】
一方、本発明の充放電検査装置は、1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートおよび第2のプローブ保持プレートにそれぞれ設けられるガイド部と、を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたプローブユニットと、二次電池に設けられてガイド部と係合するセパレータ部であり、二次電池の横幅方向の長さに合せて設けられるセパレータ部と、を備える。
これにより、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートは互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の横幅方向の長さに合せて係合する。
【0015】
なお、第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構と、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、セパレータ部は、さらに前記二次電池の厚さ幅方向の長さに合せて設けられることが好ましい。
これにより、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。また、第2の可動機構によって、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の厚さ幅方向の長さにも合せて係合する。
【発明の効果】
【0016】
(1)本発明のプローブユニットは、1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられた構成により、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートは、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動するため、正極のプローブと負極のプローブとの間の距離、つまりプローブ間ピッチを容易に調整することができる。その結果、横幅方向の長さが異なる複数種類の二次電池を検査する場合であっても、電池検査ユニットに接触子プローブユニットを着脱させたり、プローブユニット自体を交換したりする必要がなくなり、より効率的な充放電検査を実現することができる。
【0017】
(2)また、プローブユニットは、上述したような第1の可動機構を有することにより、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したり、支持部を可動させることで、フレームを介して連結されている第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりするため、より精度の高いプローブ間ピッチの調整を実現することができる。
【0018】
(3)また、第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構を有する構成により、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動するため、プローブユニットの正極のプローブ同士間の距離および負極のプローブ同士間の距離を容易に調整することができる。その結果、厚み幅の異なる複数種類の二次電池を検査する場合であっても、電池検査ユニットに接触子プローブユニットを着脱させたり、プローブユニット自体を交換したりする必要がなくなり、さらに効率的な充放電検査を実現することができる。また、充放電検査装置中に二次電池が膨らんだ(厚み幅が変化した)場合でも、二次電池やプローブユニットが圧迫されることを防ぐことができる。
【0019】
(4)また、第2の可動機構は、複数の第1のプローブ保持プレートと当該第1のプローブ保持プレートに対応する複数の第2のプローブ保持プレートとをそれぞれ連結するフレームが、支持部が伸びる方向に沿って可動することにより、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を、複数の正極のプローブまたは複数の負極のプローブが配置される方向に沿って可動させる構成により、支持部によって第1の可動機構および第2の可動機構を同時に実現できるため、構成が複雑化することを防ぎ、コストの低減やメンテナンスのし易さを実現することができる。
【0020】
(5)一方、本発明の充放電検査装置は、1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートと対向し、1以上の負極のプローブが1以上の正極のプローブと対応するように並べて配置される第2のプローブ保持プレートと、第1のプローブ保持プレートおよび第2のプローブ保持プレートにそれぞれ設けられるガイド部と、を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられたプローブユニットと、二次電池に設けられてガイド部と係合するセパレータ部であり、二次電池の横幅方向の長さに合せて設けられるセパレータ部と、を備える構成により、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートは互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の横幅方向の長さに合せて係合するため、予めプローブ間ピッチを調整することや、プローブ間ピッチを調整するための動力が不要となり、より効率的な充放電検査を実現することができる。
【0021】
(6)なお、第1のプローブ保持プレートは、1つ正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構と、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、セパレータ部は、さらに前記二次電池の厚さ幅方向の長さに合せて設けられる構成により、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。また、第2の可動機構によって、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の厚さ幅方向の長さにも合せて係合するため、充放電検査において、第1の可動機構や第2の可動機構によりプローブ間ピッチやプローブ同士間の距離を調整できたり、ガイド部およびセパレータ部によりプローブ間ピッチやプローブ同士の距離を調整できたりするため、様々な検査内容に沿った最も効率の良い充放電検査のやり方を選択・実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図である。
図3図2に示すプローブユニットの概略正面図である。
図4図2に示すプローブユニットの概略右側面図である。
図5】プローブ間ピッチを短くした場合におけるプローブユニットの概略平面図である。
図6】プローブ間ピッチを短くした場合におけるプローブユニットの概略正面図である。
図7】第1の可動機構の変形例を示すプローブユニットの概略平面図である。
図8】第1の可動機構の変形例を示すプローブユニットの概略平面図である。
図9】本発明の別の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図である。
図10】本発明の別の実施の形態に係るプローブユニットの概略右側面図である。
図11】本発明の実施の形態に係る充放電検査装置の一部概略正面図である。
図12】本発明の実施の形態に係る充放電検査装置の一部概略右側面図である。
図13】本発明の実施の形態に係る充放電検査装置の一部概略右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施の形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
【0024】
[プローブユニット]
図1は、本発明の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図である。
プローブユニット1は、第1のプローブ保持プレート10と、第1のプローブ保持プレート10と対向して配置される第2のプローブ保持プレート20と、を有する。この第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20は、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動できるように、プローブユニット1に取り付けられている。
【0025】
第1のプローブ保持プレート10には、1つ以上の正極のプローブP1が並べて配置される。図1に示す本実施の形態においては、正極のプローブP11,P12,P13,P14が4つ並べて配置されている。また、第2のプローブ保持プレート20には、1つ以上の負極のプローブP2が並べて配置される。図1に示す本実施の形態においては、負極のプローブP21,P22,P23,P24が4つ並べて配置されている。
これらのプローブは、ピン形状のみでなく、クリップ形状または検査装置の二次電池電極に合わせたものを適宜用いることができる。
【0026】
プローブユニット1は、充放電検査において検査対象の二次電池に装着されるものである。例えば、プローブユニット1に、図1における奥の方向から二次電池が装着される。具体的には、二次電池の電極(正極)に正極のプローブP11が接触し、当該二次電池のもう一方の電極(負極)に負極のプローブP21が接触する。そして、ケーブルC(図4参照)で接続された充放電電源(図示せず)からプローブユニット1を介して二次電池に電力が供給される。
【0027】
なお、本実施の形態において、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20には正極のプローブP1および負極のプローブP2がそれぞれ4つずつ配置されているため、プローブユニット1は一度に4つの二次電池を装着することができる。
【0028】
また、上述したように、第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20は、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられている。例えば、図1に示すように、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20は案内板の上に設けられ、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20は、当該案内板の上をスライドして移動できるように取り付けられる。
【0029】
これにより、第1のプローブ保持プレート10は案内板の上をスライドして、第2のプローブ保持プレート20に近づく方向(図1における上方向)へ移動したり、第2のプローブ保持プレート20から遠ざかる方向(図1における下方向)へ移動したりすることができる。なお、第2のプローブ保持プレート20についても同様である。
【0030】
そうすると、第1のプローブ保持プレート10には1以上の正極のプローブP1が並べて配置され、第2のプローブ保持プレート20には1以上の負極のプローブP2が並べて配置されるため、このように第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20が互いに近づく方向に移動した場合、正極のプローブP1と負極のプローブP2も互いに近づくこととなる。
【0031】
一方、第1のプローブ保持プレート10または/および第2のプローブ保持プレート20が互いに遠ざかる方向に移動した場合、正極のプローブP1と負極のプローブP2も互いに遠ざかることとなる。
【0032】
二次電池の種類が変わると、二次電池の正極の電極と負極の電極との間の長さ、要するに二次電池の横幅の長さ(以下「横幅方向の長さ」という)も変わる。これに対して、プローブユニット1は、上述したような構造により正極のプローブP1と負極のプローブP2を互いに近づけたり遠ざけたりすることができるため、検査対象の二次電池の横幅方向の長さに合せて、正極のプローブP1と負極のプローブP2との間の距離、つまりプローブ間ピッチPを容易に調整することができる。
【0033】
[第1の可動機構]
図2は、本発明の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図であり、図2に示す実施の形態において、プローブユニット1は案内板に代わって第1の可動機構30を有する。
第1の可動機構30は、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20とを近づける方向および遠ざける方向に可動させる機構である。第1のプローブ保持プレート10には1以上の正極のプローブP1が並べて配置され、第2のプローブ保持プレート20には1以上の負極のプローブP2が並べて配置されるため、第1の可動機構30により第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20が互いに近づく方向に動かされた場合、正極のプローブP1と負極のプローブP2も互いに近づくこととなる。
【0034】
一方、第1の可動機構30により第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20が互いに遠ざかる方向に動かされた場合、正極のプローブP1と負極のプローブP2も互いに遠ざかることとなる。
【0035】
このように、プローブユニット1は、第1の可動機構30により正極のプローブP1と負極のプローブP2を互いに近づけたり遠ざけたりすることができるため、検査対象の二次電池の横幅方向の長さに合せて、正極のプローブP1と負極のプローブP2との間の距離、つまりプローブ間ピッチPを容易に調整することができる。
【0036】
また、図3は、図2に示すプローブユニットの概略正面図であり、図4は、図2に示すプローブユニットの概略右側面図である。
図2~4に示すように、第1の可動機構30は、支持部12,22と、フレーム11,21と、回転部G1,G2と、を有する。
【0037】
支持部12,22は、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20との間に、1以上の正極のプローブP1または1以上の負極のプローブP2が配置される方向(図2における左右方向)に沿って伸びるように(フレーム11,12に対して直角方向に伸びるように)設けられる。また、支持部12,22は可動可能なものであり、本実施の形態において、支持部12,22は軸方向(伸びる方向)を中心に回転可能な、いわば回転軸である。
【0038】
支持部12,22の一端は、プローブユニット1に設けられた保持部材(図示せず)に可動可能(回転可能)に保持されている。一方、支持部12,22の他端は、動力装置50に装着されている(図2,4参照)。また、支持部12,22には回転部G1,G2が設けられている(図3参照)。
【0039】
また、フレーム11は、支持部12と第1のプローブ保持プレート10とを連結するものである。フレーム11と第1のプローブ保持プレート10とは、溶接加工やビスなどにより接合されている。それに対して、フレーム11と支持部12とは、ギアなどの回転部G1を介して連結されている(図3参照)。なお、本実施の形態において、フレーム11は2つ(フレーム111,112)設けられている。そのため、フレーム111,112は、それぞれ回転部G12,G13で支持部12と連結されている。
【0040】
一方、フレーム21は、支持部22と第2のプローブ保持プレート20とを連結するものである。フレーム21と第2のプローブ保持プレート20とは、溶接加工やビスなどにより接合されている。それに対して、フレーム21と支持部22とは、ギアなどの回転部G2を介して連結されている(図3参照)。なお、本実施の形態において、フレーム21も2つ(フレーム211,212)設けられている。そのため、フレーム211,212も、それぞれ回転部G22,G23で支持部22と連結されている。
【0041】
また、支持部12,22同士は平行に配置されており、回転部G11,G21により連結されている(図3参照)。
【0042】
ここで、図3に示されるように、フレーム11,21は例えば凹凸を備えたラックギアである。そのため、例えば回転軸である支持部12が図3に示す湾曲矢印の方向に回転すると、回転部G11も当該方向に回転する。一方、回転部G11と係合する回転部G21も、図3に示す湾曲矢印の方向に回転する。そうすると、回転部G11,G21と係合するフレーム11(112),21(212)は、図3に示す矢印の方向に可動する。よって、フレーム11(112),21(212)と接続している第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20も、当該矢印方向、つまり互いに遠ざかる方向に動く。もちろん、支持部12の代わりに支持部22を回転させてもよい。
【0043】
図5は、プローブ間ピッチを短くした場合におけるプローブユニットの概略平面図であり、図6は、プローブ間ピッチを短くした場合におけるプローブユニットの概略正面図である。
ここで、図2~4を用いて説明した部分と同等の構成・機能を有する部分は、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、以下の説明においても同様である。
【0044】
図6に示すように、回転軸である支持部12が図3を用いて説明した方向とは反対の方向に回転すると、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20は互いに近づく方向に動く。そうすると、図5に示すように、プローブ間ピッチPは短くなる。
【0045】
このように、プローブユニット1は第1の可動機構30によって、プローブ間ピッチPを長くしたり短くしたりとその長さを容易に調整することができる。
【0046】
[第1の可動機構の変形例]
図7,8は、第1の可動機構の変形例を示すプローブユニットの概略平面図である。
【0047】
図7に示すように、第1の可動機構30は、リンクLにより構成されるリンク構造としてもよい。具体的には、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20との間に支持部に相当するリンクL1があり、リンクL1に、フレームに相当するリンクL11,L12およびリンクL21,L22の一端がそれぞれ接続される。また、リンクL11,L12の他端は、第1のプローブ保持プレート10にそれぞれ接続され、リンクL21,L22の他端は、第2のプローブ保持プレート20にそれぞれ接続される。
【0048】
第1の可動機構30をこのような構成とすることで、図8に示すように、リンクL1を正極のプローブP1または負極のプローブP2が並べて配置されている方向へ可動させると、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20は互いに近づく方向に動く。つまり、プローブ間ピッチPは短くなる。
一方、図8に示した状態からリンクL1を矢印方向とは反対方向に可動させると、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20は互いに遠ざかる方向に動く。つまり、プローブ間ピッチPは長くなる。
【0049】
このように、本発明の趣旨を逸脱しない限り、第1の可動機構30の構成は適宜設計変更可能である。
【0050】
[第2の可動機構]
図9は、本発明の別の実施の形態に係るプローブユニットの概略平面図であり、図10は、本発明の別の実施の形態に係るプローブユニットの概略右側面図である。
本発明の別の実施の形態に係るプローブユニット2は、さらに第2の可動機構40を有する。
【0051】
図9に示すように、第2の可動機構40は、複数の正極のプローブP1同士や複数の負極のプローブP2同士を、近づける方向および遠ざける方向に可動させるものである。
【0052】
具体的に説明すると、プローブユニット2は、複数の正極のプローブP1が並べて配置される複数の第1のプローブ保持プレート10aを有する。この複数の第1のプローブ保持プレート10a(10a1,10a2,10a3,10a4)に、複数の正極のプローブP1(P11,P12,P13,P14)がそれぞれ1つずつ配置される。
なお、複数の第2のプローブ保持プレート20a(20a1,20a2,20a3,20a4)と複数の負極のプローブP2(P21,P22,P23,P24)の関係についても同様である。
【0053】
そして、複数の第1のプローブ保持プレート10a(10a1,10a2,10a3,10a4)はそれぞれが独立しているため、例えば10a1と10a2が、10a2と10a3が、そして10a3と10a4が、近づく方向および遠ざかる方向に動くことができる。
なお、複数の第2のプローブ保持プレート20a(20a1,20a2,20a3,20a4)についても同様である。
【0054】
ここで、本実施の形態においては説明の便宜上、複数の第1のプローブ保持プレート10aおよび複数の第2のプローブ保持プレート20aと、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20とはその構成を分けている。つまり、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20ではなく、複数の第1のプローブ保持プレート10aおよび複数の第2のプローブ保持プレート20aに正極のプローブP1および負極のプローブP2が配置される構成としているが、並べて配置される複数の正極のプローブP1同士および複数の負極のプローブP2同士が近づく方向および遠ざかる方向に可動できるものであれば、この構成に限られない。
【0055】
本実施の形態において、複数の第1のプローブ保持プレート10aは、複数のフレーム41(411,412,413,414)により、対応する複数の第2のプローブ保持プレート20aと接続されている。例えば、第1のプローブ保持プレート10a1は、フレーム411により第2のプローブ保持プレート20a1と接続されている。
【0056】
そして、それぞれのフレーム411~414には、その中心辺りに設けられたスライド部42(421,422,423,424)により支持部12,22と連結されている。例えばスライド部42は、支持部12,22の上をスライドして、図9における左右方向に可動し得るものである。そのため、スライド部42が支持部12,22の上を左右方向にスライドすると、フレーム41の両端にある第1のプローブ保持プレート10aおよび第2のプローブ保持プレート20aも当該左右方向に動くこととなる。
【0057】
第2の可動機構40がこのような動作をすることで、図10に示すように、負極のプローブP21,P22,P23,P24(および正極のプローブP11,P12,P13,P14)にそれぞれ装着される二次電池の厚み幅に合せて、負極のプローブP2(および正極のプローブP1)同士間の距離を容易に変えることができる。
【0058】
[動力装置]
以上のように説明した第1の可動機構30および第2の可動機構40は、サーボモーターやエアシリンダーなどの動力装置50を用いて可動させることができる。例えば、動力装置50としてサーボモーターを採用し、回転軸である支持部12,22を回転させることができる。
例えばプローブユニット1のフレーム11,21としてラックギアを用いた場合、サーボモーターで支持部12,22の回転数をコントロール(どの方向に何回転させるか)することにより、フレーム11,21が動く距離を任意に調整することができるため、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20が動く距離、つまりプローブ間ピッチPを任意にかつ正確に調整することができる。
【0059】
特に、回転部G1,G2としてギアを用いる場合、効率的に動力装置からの力をプローブ保持プレートなどに伝達することができ、プローブ間ピッチPの調整を自動でかつ正確に行うことができる。もちろん動力装置を使わずに、第1の可動機構30や第2の可動機構40を手動で可動させてもよい。
【0060】
[ガイド部およびセパレータ部]
一方、ガイド部Tおよびセパレータ部Sを用いて、プローブ間ピッチPを任意に調整することもできる。
図11は、本発明の実施の形態に係る充放電検査装置の一部概略正面図である。
図11に示すように、充放電検査装置100はプローブユニット1に二次電池60が装着されるものであり、検査対象である二次電池60には、その二次電池60の横幅方向の長さ(横幅の位置)を定めるためのセパレータ部S(S60)が設けられている。一方、プローブユニット1には、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20にそれぞれテーパ形状のガイド部T(T0)が設けられている。
【0061】
なお、プローブユニット1の第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20との間には、例えばバネである弾性部Bが設けられている。弾性部Bは、第1のプローブ保持プレート10および第2のプローブ保持プレート20が、それぞれ近づく方向に付勢するものである。
【0062】
このようなガイド部Tおよびセパレータ部Sを設けることで、二次電池60をプローブユニット1に装着する際にガイド部T0とセパレータ部S60が係合するため、二次電池60のプローブ間ピッチに合せて、第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20との間の距離も調整される。
【0063】
また、充放電検査が完了して二次電池60をプローブユニット1から脱着させると、弾性部Bにより第1のプローブ保持プレート10と第2のプローブ保持プレート20との間の距離は元(二次電池60を装着する前)に戻る。
【0064】
以上のようなガイド部およびセパレータ部の構成を設けることにより、自動でプローブユニットへ二次電池の誘い込みやプローブユニットに対する二次電池の位置決めを行うことができるようになるため、第1の可動機構30を可動させるための装置が不要となる。
【0065】
なお、ガイド部およびセパレータ部の構成は、第2の可動機構40に用いてもよい。
図12,13は、ガイド部およびセパレータ部の構成を第2の可動機構に用いた場合の、本発明の実施の形態に係る充放電検査装置の一部概略右側面図である。
図12に示すように、プローブユニット2に検査対象である二次電池60が4つ装着される場合であり、それぞれの二次電池60には、その二次電池60の厚み幅方向の長さH(厚さ幅の位置)を定めるためのセパレータ部S(S61,S62,S63,S64,S65)が設けられている。また、プローブユニット2にも、複数の第2のプローブ保持プレート20a(20a1,20a2,20a3,20a4)に、それぞれガイド部T(T1,T2,T3,T4)が設けられている。
【0066】
このようなガイド部Tおよびセパレータ部Sを設けることで、二次電池60をプローブユニット2に装着する際にセパレータ部S61~S65とガイド部T1~T4とがそれぞれ係合する(一例を挙げると、セパレータ部S61とセパレータ部S62との間に形成される溝に合せてガイド部T1が係合する)ため、二次電池60の厚み幅方向の長さHに合せて、第2のプローブ保持プレート20a同士の距離も調整される。例えば、図13に示す二次電池60のように、図12に示す二次電池60と比べてその厚み幅方向の長さHが長く(厚く)なっても、負極のプローブP2同士の間の距離を容易に変えることができる。
【0067】
なお、図示していないが、プローブユニット2の第1のプローブ保持プレート10a側も同様の構成となっており、正極のプローブP1同士の間の距離を変えることができる。もちろん、どちらか一方に(例えば、第2のプローブ保持プレート20a側にのみ)ガイド部Tやセパレータ部Sを設ける構成としてもよい。
【0068】
以上のようなガイド部およびセパレータ部の構成を設けることにより、自動でプローブユニットへ二次電池の誘い込みやプローブユニットに対する二次電池の位置決めを行うことができるようになるため、第2の可動機構40を可動させるための装置が不要となる。
【0069】
そして、その結果、コストの低減やメンテナンスのし易さを実現することができたり、効率的に、第1の可動機構30や第2の可動機構40を用いた方がよい場合、用いない方がよい場合など、様々な検査内容に沿った最も効率の良い充放電検査のやり方を選択・実現することができる。
【0070】
なお、以上のように説明した本実施の形態はあくまで一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、第2の可動機構40の構成やガイド部T、およびセパレータ部Sの構成も適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、複数種類の二次電池をより効率的に検査し得るプローブユニットおよび充放電検査装置として利用することができるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0072】
1,2 プローブユニット
10,10a,10a1,10a2,10a3,10a4 第1のプローブ保持プレート
11,111,112 フレーム(第1のプローブ保持プレート側)
12 支持部(第1のプローブ保持プレート側)
20,20a,20a1,20a2,20a3,20a4 第2のプローブ保持プレート
21,211,212 フレーム(第2のプローブ保持プレート側)
22 支持部(第2のプローブ保持プレート側)
30 第1の可動機構
40 第2の可動機構
41,411,412,413,414 フレーム
42,421,422,423,424 スライド部
50 動力装置
60 二次電池
100 充放電検査装置
P プローブ間ピッチ
P1,P11,P12,P13,P14 正極のプローブ
P2,P21,P22,P23,P24 負極のプローブ
H 厚み幅方向の長さ
B 弾性部
C ケーブル
G1,G11,G12,G13 回転部(第1のプローブ保持プレート側)
G2,G21,G22,G23 回転部(第2のプローブ保持プレート側)
L1 支持部(リンク)
L11,L12 フレーム(リンク/第1のプローブ保持プレート側)
L21,L22 フレーム(リンク/第2のプローブ保持プレート側)
T,T0,T1,T2,T3,T4 ガイド部
S,S60,S61,S62,S63,S64,S65 セパレータ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の正極のプローブが並べて配置される第1のプローブ保持プレートを複数含み
前記複数の第1のプローブ保持プレートとそれぞれ対向し、1以上の負極のプローブが並べて配置される第2のプローブ保持プレートを複数含み
前記複数の第1のプローブ保持プレートと前記複数の第2のプローブ保持プレートとの間に、前記正極のプローブまたは前記負極のプローブが配置される方向に沿って伸びるように設けられる可動可能な支持部を有する充放電検査装置のプローブユニットにおいて、
前記複数の第1のプローブ保持プレートまたは/および前記複数の第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動可能に取り付けられた状態で、前記複数の第1のプローブ保持プレートまたは/および前記複数の第2のプローブ保持プレートが、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動させる第1の可動機構と、
前記複数の第1のプローブ保持プレート同士および前記複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、
前記第1の可動機構は、フレームにより、前記支持部と前記複数の第1のプローブ保持プレートおよび前記支持部と前記複数の第2のプローブ保持プレートとがそれぞれ連結され、前記支持部を可動させることにより、前記フレームと前記複数の第1のプローブ保持プレートとの接続部分または/および前記フレームと前記複数の第2のプローブ保持プレートとの接続部分を、前記第1のプローブ保持プレートと前記第2のプローブ保持プレートとを結ぶ方向に沿って可動させ、
前記第2の可動機構は、前記複数の第1のプローブ保持プレートと当該第1のプローブ保持プレートに対応する前記複数の第2のプローブ保持プレートとをそれぞれ連結するフレームが、前記支持部が伸びる方向に沿って可動することにより、前記複数の第1のプローブ保持プレート同士および前記複数の第2のプローブ保持プレート同士を、前記複数の正極のプローブまたは前記複数の負極のプローブが配置される方向に沿って可動させる
プローブユニット。
【請求項2】
前記第1の可動機構または/および前記第2の可動機構を可動させる動力装置を有する請求項に記載のプローブユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、第1のプローブ保持プレートは、1つ以上の正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ以上の負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構を有することが好ましい。
これにより、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
なお、第1のプローブ保持プレートは、1つ以上の正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ以上の負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構と、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、セパレータ部は、さらに前記二次電池の厚さ幅方向の長さに合せて設けられることが好ましい。
これにより、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。また、第2の可動機構によって、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の厚さ幅方向の長さにも合せて係合する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
(3)また、第1のプローブ保持プレートは、1つ以上の正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ以上の負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構を有する構成により、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も、互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動するため、プローブユニットの正極のプローブ同士間の距離および負極のプローブ同士間の距離を容易に調整することができる。その結果、厚み幅の異なる複数種類の二次電池を検査する場合であっても、電池検査ユニットに接触子プローブユニットを着脱させたり、プローブユニット自体を交換したりする必要がなくなり、さらに効率的な充放電検査を実現することができる。また、充放電検査装置中に二次電池が膨らんだ(厚み幅が変化した)場合でも、二次電池やプローブユニットが圧迫されることを防ぐことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
(6)なお、第1のプローブ保持プレートは、1つ以上の正極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、第2のプローブ保持プレートは、1つ以上の負極のプローブが配置されるプローブ保持プレートを複数含むものであり、プローブユニットは、第1のプローブ保持プレートまたは/および第2のプローブ保持プレートを近づける方向および遠ざける方向に可動させる第1の可動機構と、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士を近づける方向および遠ざける方向に可動させる第2の可動機構と、を有し、セパレータ部は、さらに前記二次電池の厚さ幅方向の長さに合せて設けられる構成により、第1の可動機構によって、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに近づくように可動したり、第1のプローブ保持プレートと第2のプローブ保持プレートが互いに遠ざかるように可動したりする。また、第2の可動機構によって、複数の第1のプローブ保持プレート同士および複数の第2のプローブ保持プレート同士も互いに近づく方向および遠ざかる方向に可動し、かつ二次電池にプローブユニットが装着される際、プローブユニット側に設けられたガイド部と二次電池側に設けられたセパレータ部とが二次電池の厚さ幅方向の長さにも合せて係合するため、充放電検査において、第1の可動機構や第2の可動機構によりプローブ間ピッチやプローブ同士間の距離を調整できたり、ガイド部およびセパレータ部によりプローブ間ピッチやプローブ同士の距離を調整できたりするため、様々な検査内容に沿った最も効率の良い充放電検査のやり方を選択・実現することができる。