(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180535
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】表示装置、導光板、および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231214BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20231214BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20231214BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20231214BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231214BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231214BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20231214BHJP
【FI】
F21S2/00 433
G02F1/1334
G02F1/13357
F21V9/40 400
G09F9/00 336J
G09F9/00 342
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093912
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 天風
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
3K244
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA64
2H189AA71
2H189HA02
2H189LA07
2H189LA10
2H189LA20
2H391AA15
2H391AB05
2H391AD04
2H391AD13
2H391AD26
2H391AD29
2H391CA10
2H391DA03
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA17
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA32
3K244EC23
3K244EC28
3K244EC29
3K244LA01
3K244LA10
5G435AA01
5G435BB12
5G435EE27
5G435FF08
5G435FF12
5G435GG42
5G435HH02
5G435KK05
5G435KK07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置、導光板、および表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルPNLと、表示パネルPNLと対向する主面50Aと、主面50Aと接続された第1側面50Cと、を有する透明基板50と、第1側面50Cに向けて光を照射する光源LSと、主面50Aの上に形成され、透明基板50よりも屈折率が小さい低屈折層60と、低屈折層60を覆う保護層70と、表示パネルPNLと保護層70とを接着する接着層AD1と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルと対向する主面と、前記主面と接続された第1側面と、を有する透明基板と、
前記第1側面に向けて光を照射する光源と、
前記主面の上に形成され、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層と、
前記低屈折層を覆う保護層と、
前記表示パネルと前記保護層とを接着する接着層と、を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記保護層の屈折率は、前記低屈折層の屈折率よりも大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接着層の屈折率は、前記低屈折層の屈折率よりも大きい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記透明基板は、ガラス基板である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記保護層の厚さは、前記透明基板および前記接着層よりも小さい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記透明基板は、前記第1側面と反対側の第2側面をさらに有し、
前記低屈折層は、前記第1側面から前記第2側面に向かう第1方向に延びるとともに、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をおいて並べられた複数の帯部と、前記複数の帯部の間に形成された複数の開口部と、を有し、
前記保護層は、前記開口部において前記主面と接している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記低屈折層は、前記第2方向に延び、前記複数の帯部の前記第2側面側の部分が接続された基部をさらに有している、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1側面側における前記帯部の前記第2方向に沿う長さは、前記第2側面側における前記帯部の前記第2方向に沿う長さよりも大きい、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記保護層は、前記低屈折層よりも架橋材料を多く含んでいる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、高分子分散液晶層を有し、
前記高分子分散液晶層は、印加される電圧に応じて、前記高分子分散液晶層に入射した光を透過する状態と散乱させる状態とを切り替え可能である、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
画像を表示する表示パネルに重ねられる導光板であって、
前記表示パネルと対向する主面と、前記主面と接続され、光が照射される第1側面と、を有する透明基板と、
前記主面の上に形成され、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層と、
前記低屈折層を覆う保護層と、を有する、
導光板。
【請求項12】
前記保護層の屈折率は、前記低屈折層の屈折率よりも大きい、
請求項11に記載の導光板。
【請求項13】
前記透明基板は、ガラス基板である、
請求項11に記載の導光板。
【請求項14】
前記保護層の厚さは、前記透明基板よりも小さい、
請求項11に記載の導光板。
【請求項15】
前記透明基板は、前記第1側面と反対側の第2側面をさらに有し、
前記低屈折層は、前記第1側面から前記第2側面に向かう第1方向に延びるとともに、前記第1方向と直交する第2方向に間隔をおいて並べられた複数の帯部と、前記複数の帯部の間に形成された複数の開口部と、を有し、
前記保護層は、前記開口部において前記主面と接している、
請求項11に記載の導光板。
【請求項16】
前記低屈折層は、前記第2方向に延び、前記複数の帯部の前記第2側面側の部分が接続された基部をさらに有している、
請求項15に記載の導光板。
【請求項17】
前記第1側面側における前記帯部の前記第2方向に沿う長さは、前記第2側面側における前記帯部の前記第2方向に沿う長さよりも大きい、
請求項15に記載の導光板。
【請求項18】
前記保護層は、前記低屈折層よりも架橋材料を多く含んでいる、
請求項11乃至17のいずれか1項に記載の導光板。
【請求項19】
主面を有する透明基板の前記主面の上に、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層を形成し、
前記低屈折層を覆う保護層を形成し、
前記保護層と画像を表示する表示パネルとを接着し、
前記保護層と前記表示パネルとを接着する前に、前記低屈折層と前記保護層とが形成された前記透明基板を溶剤によって洗浄する、
表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記保護層は、前記低屈折層よりも溶剤に対する耐性が大きい、
請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置、導光板、および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高分子分散液晶層(PDLC;Polymer Dispersed Liquid Crystal)を有する表示パネルを備えた表示装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。高分子分散液晶層は、光を散乱する散乱状態と光を透過する透明状態とを切り替えることできる。表示パネルを散乱状態に切り替えることで、表示装置は画像を表示することが可能となる。一方、表示パネルを透明状態に切り替えることで、ユーザは、表示パネルを透かして背景を視認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-107229号公報
【特許文献2】特開2019-174531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置、導光板、および表示装置の製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルと対向する主面と、前記主面と接続された第1側面と、を有する透明基板と、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、前記主面の上に形成され、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層と、前記低屈折層を覆う保護層と、前記表示パネルと前記保護層とを接着する接着層と、を備える。
【0006】
一実施形態に係る導光板は、画像を表示する表示パネルに重ねられる導光板であって、前記表示パネルと対向する主面と、前記主面と接続され、光が照射される第1側面と、を有する透明基板と、前記主面の上に形成され、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層と、前記低屈折層を覆う保護層と、を有する。
【0007】
一実施形態に係る表示装置の製造方法は、主面を有する透明基板の前記主面の上に、前記透明基板よりも屈折率が小さい低屈折層を形成し、前記低屈折層を覆う保護層を形成し、前記保護層と画像を表示する表示パネルとを接着し、前記保護層と前記表示パネルとを接着する前に、前記低屈折層と前記保護層とが形成された前記透明基板を溶剤によって洗浄する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る表示装置の一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す表示パネルの一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す表示装置の主要部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す導光板の一構成例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、導光板の他の構成例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、表示装置の一構成例を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す導光板と接着層とを示す部分拡大図である。
【
図8】
図8は、表示装置の製造方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、表示装置の製造方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、表示装置の製造方法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、表示装置の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0011】
本実施形態においては、各図に示すように第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zを定義する。第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは互いに直交するが、90°以外の角度で交差してもよい。また、本実施形態において、第3方向Zを上または上方と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下または下方と定義する。
【0012】
「第1部材の上方の第2部材」および「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。以下、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視と称する。
【0013】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した、背景を視認可能な液晶表示装置を開示する。なお、本実施形態は、他種の表示装置に対する、本実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
図1に示すように、表示装置DSPは、高分子分散液晶層(以下、単に液晶層LCと称する)を有する表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、光源ユニット100と、反射材RMと、を備えている。表示装置DSPは、後述の、導光板30と、カバー部材40と、をさらに備える。
【0015】
表示パネルPNLは、アレイ基板ARと、アレイ基板ARと対向する対向基板CTと、液晶層LCと、シールSEと、を有している。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、平面視で、重畳している。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、シールSEによって接着されている。液晶層LCは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に配置され、シールSEによって封止されている。
図1においては、液晶層LCにドットを付し、シールSEに斜線を付している。
【0016】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第2方向Yに沿って延出した筋状に形成され、第1方向Xに並んでいる。
【0017】
液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第2方向Yに沿うように配向される。ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性よりも低い。
【0018】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。
【0019】
例えば、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。
【0020】
液晶層LCに電圧が印加された状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。すなわち、液晶層LCは、印加される電圧に応じて、透明状態と散乱状態とを切り替え可能である。
【0021】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺の周辺領域PAと、を有している。シールSEは、周辺領域PAに位置している。表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを含んでいる。
【0022】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LCなどを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0023】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極との間、および、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0024】
図2において説明するが、走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、および画素電極PEはアレイ基板ARに設けられ、共通電極CEは対向基板CTに設けられている。アレイ基板ARにおいて、走査線Gおよび信号線Sは、配線基板1あるいはICチップ2と電気的に接続されている。
【0025】
アレイ基板ARは、第1方向Xに延びる一対の側面E11,E12と、第2方向Yに延びる一対の側面E13,E14と、を有している。
図1に示す例では、一対の側面E11,E12は表示パネルPNLの長辺に沿って形成された側面であり、一対の側面E13,E14は表示パネルPNLの短辺に沿って形成された側面である。
【0026】
対向基板CTは、第1方向Xに延びる一対の側面E21,E22と、第2方向Yに延びる一対の側面E23,E24と、を有している。
図1に示す例では、一対の側面E21,E22は長辺に沿って形成された側面であり、一対の側面E23,E24は短辺に沿って形成された側面である。
【0027】
図1に示す例においては、平面視で、側面E11は側面E21と重畳しているが、重畳していなくてもよい。
図1に示す例においては、平面視で、側面E12は側面E22と重畳しているが、重畳していなくてもよい。
図1に示す例においては、平面視で、側面E14は側面E24と重畳しているが、重畳していなくてもよい。
【0028】
アレイ基板ARは、対向基板CTの側面E23よりも延出した延出部Ex11を有している。他の観点からは、延出部Ex11は、対向基板CTと重畳していない。延出部Ex11は、側面E13と側面E23との間に位置している。配線基板1およびICチップ2は、延出部Ex11に実装されている。
【0029】
配線基板1は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、配線基板1に実装されてもよい。
【0030】
図1に示す例では、表示装置DSPは単一の配線基板1を備えているが、複数の配線基板を備えてもよい。表示装置DSPは単一のICチップ2を備えているが、複数のICチップを備えてもよい。
【0031】
図1に示す例において、光源ユニット100は、平面視で、延出部Ex11と重畳している。光源ユニット100は、複数の光源LSと、レンズLNと、支持部材SAと、を有している。複数の光源LSは、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。
【0032】
光源LSには、赤色LED、緑色LED、青色LEDのLEDが連続的に並んでいる。光源LSはそれぞれ異なる3色のLEDが連続的に並ぶ配置に限らず、例えば白色光を出射する白色光源のみが連続的に並ぶものであってもよい。
【0033】
レンズLN(例えば、プリズムレンズ)は、透明な棒状に形成され、第2方向Yに延びている。レンズLNは、例えば樹脂製である。レンズLNは、例えば、複数の光源LSに対応する複数の曲面を有し、光源LSから照射される光の第2方向Yに沿う長さを制御する。レンズLNは、複数のレンズから構成されてもよい。なお、光源LSの個数およびレンズLNの個数は、図示した例に限られない。
【0034】
反射材RMは、第1方向Xにおいて、光源ユニット100と反対側に設けられている。反射材RMは、第2方向Yに沿って設けられている。反射材RMは、例えば、銀などの光反射性を有する金属材料によって形成される。反射材RMは、例えば、反射テープである。
【0035】
図2は、
図1に示す表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。アレイ基板ARは、透明基板10と、絶縁膜11,12と、容量電極13と、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を有している。透明基板10は、主面10Aと、主面10Aと反対側の主面10Bと、を有している。
【0036】
スイッチング素子SWは、主面10B側に設けられている。絶縁膜11は、主面10Bに設けられ、スイッチング素子SWを覆っている。なお、
図1を用いて説明した走査線Gおよび信号線Sは、透明基板10と絶縁膜11との間に設けられているが、ここでは図示を省略している。容量電極13は、絶縁膜11と絶縁膜12との間に設けられている。
【0037】
画素電極PEは、絶縁膜12と配向膜AL1との間において、画素PX毎に設けられている。他の観点からは、容量電極13は、透明基板10と画素電極PEとの間に設けられている。画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重畳し、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
【0038】
対向基板CTは、透明基板20と、共通電極CEと、配向膜AL2と、を有している。透明基板20は、主面20Aと、主面20Aと反対側の主面20Bと、を有している。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと対向している。
【0039】
共通電極CEは、主面20Aに設けられている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。液晶層LCは、主面10Bと主面20Aとの間に位置し、配向膜AL1および配向膜AL2と接している。
【0040】
なお、対向基板CTにおいて、スイッチング素子SW、走査線G、および信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が設けられてもよい。透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が設けられてもよい。
【0041】
共通電極CEは、複数の画素PXにわたって配置され、第3方向Zにおいて、複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEは、容量電極13とは同電位である。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に位置している。
【0042】
透明基板10,20は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。主面10A,10B、および主面20A,20Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。絶縁膜11は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜、およびアクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜を含んでいる。
【0043】
絶縁膜12は、例えばシリコン窒化物などの透明な無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、および共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。
【0044】
配向膜AL1,AL2は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1,AL2は、第2方向Yに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0045】
図3は、
図1に示す表示装置DSPの主要部を示す分解斜視図である。
図3においては、反射材RMなどを一部省略している。
【0046】
図1を用いて説明したように、表示装置DSPは、表示パネルPNLおよび光源ユニット100を備えている。表示装置DSPは、表示パネルPNLに重ねられた導光板30と、カバー部材40と、をさらに備えている。カバー部材40、アレイ基板AR、対向基板CT、および導光板30は、この順で第3方向Zに沿って並んでいる。
【0047】
導光板30は、透明基板50と、低屈折層60と、保護層70と、を有している。透明基板50は、平板状に形成されている。透明基板50は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。
【0048】
透明基板50は、主面50Aと、主面50Aと反対側の主面50Bと、主面50Aと主面50Bとを接続する一対の側面50C,50Dと、を有している。側面50Cは第1側面に相当し、側面50Dは第2側面に相当する。側面50Cから側面50Dに向かう方向は、第1方向Xに相当する。
【0049】
主面50A,50Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。主面50Aは、透明基板20の主面20Bと対向している。一対の側面50C,50Dは、第2方向Yおよび第3方向Zで規定されるY-Z平面とほぼ平行な面である。第1方向Xにおいて、側面50Dは、側面50Cと反対側の側面である。
【0050】
低屈折層60は、主面50Aの上に形成されている。低屈折層60の屈折率は、透明基板50の屈折率よりも小さい。低屈折層60は透明な層であって、例えば、シロキサン系樹脂などの有機材料によって形成されている。低屈折層60は、基部61と、複数の帯部62と、複数の帯部62の間に形成された複数の開口部63と、を有している。低屈折層60は、複数の帯部62において、主面50Aと接している。
【0051】
保護層70は、表示パネルPNL側から低屈折層60を覆っている。保護層70の一部は、複数の開口部63に位置し、主面50Aと接している。保護層70の屈折率は、低屈折層60の屈折率よりも大きい。保護層70は、透過率が高い材料によって形成される。
【0052】
なお、ここでの「透過率が高い」とは、例えば、400nm以上800nm以下の波長範囲における光の透過率が98%以上であることをいう。保護層70は、例えば、シロキサン系樹脂などの有機材料によって形成されている。他の例として、保護層70は、SiO2,SiONなどの無機材料で形成されてもよい。
【0053】
カバー部材40は、平板状に形成されている。カバー部材40は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。カバー部材40は、主面40Aと、主面40Aと反対側の主面40Bと、主面40Aと主面40Bとを接続する一対の側面40C,40Dと、を有している。
【0054】
主面40A,40Bは、X-Y平面とほぼ平行な面である。主面40Bは、透明基板10の主面10Aと対向している。一対の側面40C,40Dは、Y-Z平面とほぼ平行な面である。導光板30およびカバー部材40は、第3方向Zにおいて、延出部Ex11と重畳していない。
【0055】
図1を用いて説明したように、光源ユニット100は、光源LS、レンズLN、および支持部材SAを有している。光源ユニット100は、配線基板Fをさらに有している。複数の光源LSは、配線基板Fに実装されている。配線基板Fは、例えば、プリント回路基板であり、
図1に示した配線基板1よりも剛性が高い。
【0056】
複数の光源LSおよびレンズLNは、第1方向Xにおいて、側面50Cと対向している。複数の光源LSは、側面50Cに向けて光を照射する。レンズLNは、第1方向Xにおいて、透明基板50と光源LSとの間に位置している。支持部材SAは、第3方向Zにおいて、延出部Ex11とレンズLNとの間に位置している。
【0057】
支持部材SAは、第2方向Yに延びる棒状の部材である。支持部材SAは、一例としてアクリル樹脂やガラスなどで形成されるが、この例に限られない。支持部材SAは、透明でない不透明な材料で形成されることが好ましい。なお、支持部材SAは、単一の部材であってもよいし、複数の部材から構成されてもよい。
【0058】
次に、低屈折層60の形状について、説明する。
図4は、
図3に示す導光板30の一構成例を示す平面図である。
図4を用いて説明したように、低屈折層60は、基部61と、基部61と接続された複数の帯部62と、複数の帯部62の間に形成された複数の開口部63と、を有している。基部61と複数の帯部62とは、例えば、一体的に形成されている。
【0059】
基部61は、主面50Aの上において側面50D側に位置している。基部61は、第2方向Yに延びる、略長方形状である。平面視で、基部61は、第1方向Xに沿う一対の短辺と、第2方向Yに沿う一対の長辺と、を有している。
【0060】
複数の帯部62は、第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに間隔をおいて並べられている。帯部62は、側面50C側の第1端部621と、第1端部621と反対側の第2端部622と、第1エッジ623と、第2エッジ624と、を有している。第2端部622は、複数の帯部62の側面50D側の部分に相当する。複数の帯部62は、第2端部622において、基部61の側面50C側の長辺と接続されている。
【0061】
第1端部621の第2方向Yに沿う長さを第1幅W1とし、第2端部622の第2方向Yに沿う長さを第2幅W2とする。
図4に示す例において、第1幅W1は、第2幅W2よりも大きい(W1>W2)。
【0062】
第1エッジ623および第2エッジ624は、第1端部621と第2端部622との間において、第1方向Xおよび第2方向Yとは異なる方向に延出している。例えば、第1方向Xに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第1方向Xに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。
【0063】
なお、第1方向Xと方向D1とのなす角度θ1、および第1方向Xと方向D2とのなす角度θ1は例えば同一であるが、この例に限らず、第1方向Xと方向D1とのなす角度は、第1方向Xと方向D2とのなす角度と異なってもよい。
【0064】
第1エッジ623は方向D1に沿って延び、第2エッジ624は方向D2に沿って延びている。
図4に示す例において、第1エッジ623および第2エッジ624は、いずれも直線状に延びているが、曲線状に形成されてもよい。このように、帯部62は、第1方向Xに沿って、第1端部621から第2端部622に向かうにしたがい、一定の割合で、あるいは、任意の割合で減少する幅を有している。
【0065】
開口部63は、隣り合う2つの帯部62の間に位置している。開口部63は、一方の帯部62の第1端部621と他方の帯部62の第1端部621との間の第3端部631と、一方の帯部62の第2端部622と他方の帯部62の第2端部622との間の第4端部632と、を有している。第4端部632は、例えば、基部61の側面50C側の長辺と接する部分である。
【0066】
第3端部631の第2方向Yに沿う長さを第3幅W3とし、第4端部632の第2方向Yに沿う長さを第4幅W4とする。第3幅W3は、一方の帯部62の第1端部621と他方の帯部62の第1端部621との間隔に相当する。第4幅W4は、一方の帯部62の第2端部622と他方の帯部62の第2端部622との間隔に相当する。
【0067】
第3幅W3は、第4幅W4よりも小さい(W3<W4)。開口部63は、第1方向Xに沿って、第3端部631から第4端部632にかけて、一定の割合で、あるいは、任意の割合で増加する幅を有している。
【0068】
図4に示す例において、低屈折層60は、例えば、透明基板50の外形よりも内側に位置している。そのため、保護層70は、低屈折層60の外周を囲んでいる。他の観点からは、第1方向Xにおいて、基部61と側面50Dとの間には保護層70の一部が位置し、複数の帯部62と側面50Cとの間には保護層70の一部が位置している。さらに、第2方向において、保護層70は、複数の帯部62を挟んでいる。なお、低屈折層60は、透明基板50の外形と同等の大きさに形成されてもよい。
【0069】
表示パネルPNLと導光板30とが重畳した際において、平面視で、複数の帯部62は表示領域DAと重畳し、基部61は周辺領域PAと重畳する。複数の帯部62は、表示領域DAにおいては、第1方向Xおよび第2方向Yに対して傾斜した第1エッジ623および第2エッジ624が表示領域DAと重畳する。
【0070】
透明基板50において、側面50C側は光源LSに近接した領域に相当し、側面50D側は光源LSから離間した領域に相当する。上述のように低屈折層60を構成することによって、主面50Aと複数の帯部62とが接する面積は、光源LSに近接した領域ほど大きく、光源LSから離間した領域ほど小さくなっている。
【0071】
主面50Aと複数の帯部62とが重畳する領域は、透明基板50に入射した光が表示パネルPNL側へほとんど入射しない領域に相当する。主面50Aと複数の開口部63とが重畳する領域は、透明基板50に入射した光が表示パネルPNL側へ入射可能な領域に相当する。
【0072】
図5は、導光板30の他の構成例を示す平面図である。
図5に示す例において、低屈折層60は、複数の帯部62と、複数の帯部62を囲む枠部64と、開口部63と、を有している。複数の帯部62と枠部64とは、例えば、一体的に形成されている。
【0073】
開口部63は、複数の帯部62の間、および帯部62と枠部64との間に形成されている。
図4を用いて説明した低屈折層60とは、基部61の代わりに、枠部64を有している点で異なっている。
【0074】
枠部64の外形は、例えば、透明基板50の外形よりも内側に位置している。そのため、保護層70は、低屈折層60の外周を囲んでいる。枠部64は、周辺領域PAと重畳し、枠部64よりも内側が表示領域DAに相当する。枠部64は、第2方向Yに沿って延びる第1部分641および第2部分642と、第1方向Xに沿って延びる第3部分643および第4部分644と、を有している。
【0075】
第1方向Xにおいて、第1部分641は側面50Cと表示領域DAとの間に位置し、第2部分642は側面50Dと表示領域DAとの間に位置する。第1部分641には複数の帯部62の第1端部621が接続され、第2部分642には複数の帯部62の第2端部622が接続されている。
【0076】
低屈折層60の形状は、
図4および
図5に示した例に限られず他の形状であってもよい。例えば、帯部62の形状を変更したり、帯部62の大きさを変更したりすることで、表示パネルPNL側へ入射する光の光量などを調整することができる。
【0077】
図6は、表示装置DSPの一構成例を模式的に示す断面図である。
図7は、
図6に示す導光板30と接着層AD1とを示す部分拡大図である。
図6においては、配線基板1、ICチップ2などを省略している。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを簡略化して図示している。
図6に示す例において、低屈折層60は、
図4を用いて説明した形状を有している。
【0078】
図3を用いて説明したように、導光板30は、透明基板50、低屈折層60、および保護層70を有している。透明基板50は、例えば、単一の基板である。低屈折層60は、透明基板50の主面50Aと接している。
【0079】
保護層70は、低屈折層60および透明基板50の主面50Aを覆っている。保護層70の一部は、低屈折層60の複数の開口部63に位置し、主面50Aとも接している。保護層70は、透明基板20と対向する主面70Aを有している。
【0080】
図4を用いて説明したように、低屈折層60が透明基板50の外形よりも内側に形成されている場合、保護層70は低屈折層60よりも外側に位置する部分を有している。より具体的には、保護層70は、低屈折層60よりも側面50C側に位置する縁部71と、低屈折層60よりも側面50D側に位置する縁部72と、を有している。
【0081】
縁部71,72は、それぞれ透明基板50の主面50Aと接している。縁部71は帯部62の第1端部621と接し、縁部72は、基部61と接する。縁部71,72が形成されることで第1端部621および基部61が剥き出しにならず、低屈折層60は透明基板50の主面50Aから剥がれにくくなる。なお、低屈折層6の外形が透明基板50の外形と同等の大きさに形成され場合には、縁部71,72は形成されない。
【0082】
側面50Cは第3方向Zにおいて側面E23の直上に位置し、側面50Dは側面E24の直上に位置している。側面40Cは、第3方向Zにおいて側面50Cの直下に位置していないが、側面50Cの直下に位置してもよい。側面40Dは、第3方向Zにおいて、側面50Dの直下に位置している。
【0083】
側面40D、側面E14、側面E24、および側面50Dは、第3方向Zに沿って並んでいるが、ずれてもよい。反射材RMは、第3方向Zに沿って、側面40Dから側面50Dにわたって、設けられている。
【0084】
表示装置DSPは、接着層AD1と、接着層AD2と、をさらに備えている。第3方向Zにおいて、接着層AD1は表示パネルPNLと導光板30との間に位置し、接着層AD2は表示パネルPNLとカバー部材40との間に位置している。接着層AD1、保護層70、低屈折層60、および透明基板50は、この順で第3方向Zに沿って並んでいる。
【0085】
接着層AD1は、表示パネルPNLと保護層70とを接着している。他の観点からは、接着層AD1は、透明基板20の主面20Bと保護層70の主面70Aと接している。接着層AD2は、表示パネルPNLとカバー部材40とを接着している。他の観点からは、接着層AD2は、透明基板10の主面10Aとカバー部材40の主面40Bと接している。
【0086】
接着層AD1,AD2は透明であり、例えば、Optical Clear Adhesive(OCA)で形成されている。接着層AD1,AD2は、Optical Clear Resin(OCR)で形成されてもよい。接着層AD1,AD2の屈折率は、低屈折層60の屈折率よりも大きい。
【0087】
図6に示す例において、透明基板10、透明基板20、およびカバー部材40の各々の厚さは、ほぼ等しい。ここで、厚さとは、第3方向Zに沿う長さをいう。透明基板50の厚さは、例えば、透明基板10、透明基板20、およびカバー部材40の各々の厚さよりも大きい。透明基板50の厚さは、例えば、レンズLNの厚さよりも大きい。
【0088】
図7に示すように、保護層70の厚さT70は、透明基板50の厚さT50および接着層AD1の厚さTADよりも小さい。保護層70の厚さT70は、光の吸収の観点などから小さいほうが好ましい。
【0089】
例えば、低屈折層60の厚さT60は1μm(0.001mm)であり、保護層70の厚さT70は1~2μm(0.001mm~0.002m)である。例えば、透明基板50の厚さT50は、700μm~1500μm(0.7mm~1.5mm)であり、最大で2750μm(2.75mm)である。例えば、接着層AD1の厚さTADは、125μm(0.125mm)である。
【0090】
透明基板10,20、保護層70、接着層AD1,AD2、およびカバー部材40の各々の屈折率は、透明基板50の屈折率と同等であり、低屈折層60の屈折率よりも大きい。なお、ここでの「同等」とは、屈折率の差がゼロの場合に限らず、屈折率差が0.03以下の場合を含む。
【0091】
透明基板50の屈折率と低屈折層60の屈折率との差は、例えば、約0.1である。一例では、透明基板50の屈折率は1.5であり、低屈折層60の屈折率は1.41であり、保護層70の屈折率は1.5であり、接着層AD1,AD2の屈折率は1.474である。
【0092】
光源ユニット100は、延出部Ex11と重畳している。光源LSおよびレンズLNは、第3方向Zにおいて、延出部Ex11と配線基板Fとの間に設けられている。
【0093】
図6に示す例において、支持部材SAの断面は、矩形状である。支持部材SAは、上面SA1と、側面SA2と、を有している。上面SA1は、レンズLNと対向している。側面SA2は、透明基板20の側面E23と対向している。上面SA1には、光を反射可能な反射材が設けられてもよい。反射材を上面SA1に設けることで、レンズLNからの光は、支持部材SAを介して側面E23に到達しにくくなる。
【0094】
説明の都合上、
図1に示す例においては、支持部材SAの大きさが平面視でレンズLNの大きさよりも小さく図示されていたが、支持部材SAの大きさは、平面視でレンズLNの大きさとほぼ同等であることが好ましい。
【0095】
図6に示す例において、支持部材SAの上面SA1は、第3方向Zにおいて、透明基板20の主面20Bよりも上方に位置している。支持部材SAの上面SA1は、透明基板20の主面20Bと同一平面上に位置してもよい。
【0096】
レンズLNは、接着材TPによって配線基板Fと接着されるとともに、接着材TPによって支持部材SAと接着されている。支持部材SAは、図示しない接着材によって主面10Bと接着されている。これらの接着材TPは、例えば両面テープなどである。
【0097】
光源LS、レンズLN、および透明基板50は、この順で第1方向Xに沿って並んでいる。レンズLNは支持部材SAの上方に位置しており、光源LSおよびレンズLNは側面E23と対向していない。そのため、光源LSから出射された光は、側面E23からはほとんど入射しない。
【0098】
光源LSは、低屈折層60よりも表示パネルPNLから離れている。他の観点からは、第3方向Zにおいて、光源LSは、低屈折層60よりも上方に位置している。第3方向Zにおいて、低屈折層60は、光源LSと表示パネルPNLとの間に位置している。
【0099】
次に、光源LSから照射される光について説明する。
光源LSから照射された光は、レンズLNにおいて適度に拡散され、側面50Cから透明基板50に入射する。
【0100】
側面50Cから透明基板50に入射した光は、透明基板50を介して液晶層LCに到達する。上述した通り低屈折層60の屈折率は、透明基板50の屈折率よりも低い。そのため、透明基板50に入射した光のうち、透明基板50から低屈折層60に向かって進行する光は、透明基板50と低屈折層60との界面で反射される。
【0101】
透明基板50に入射した光のうち、主面50Bに向かって進行する光は、透明基板50と空気層との界面で反射される。光は、透明基板50と低屈折層60の複数の帯部62とが重畳する領域では、繰り返し反射されながら透明基板50の内部を進行する。
【0102】
光のうち、透明基板50と低屈折層60の複数の開口部63とが重畳する領域(透明基板50と保護層70とが接する領域)に向かって進行する光は、透明基板50を透過し、保護層70および接着層AD1を介して表示パネルPNLに入射する。
【0103】
保護層70の屈折率は、透明基板50の屈折率と同等であるため、透明基板50と接着層AD1との界面において光は、ほとんど反射しない。さらに、保護層70の屈折率は、接着層AD1の屈折率と同等であるため、保護層70と接着層AD1との界面において光は、ほとんど反射しない。
【0104】
主面50Aと複数の帯部62とが接する面積は、光源LSに近接した領域ほど大きく、光源LSから離間した領域ほど小さくなっている。そのため、光源LSに近接する領域(側面50C側)においては、光源LSからの光の表示パネルPNLへの入射が抑制されている。一方、光源LSから離間した領域(側面50D側)においては光の表示パネルPNLへの入射が促進されている。
【0105】
なお、光源LSに近接した領域においては、光が表示パネルPNLに全く入射しないわけではなく、
図4および
図5に示したように、開口部63から光が表示パネルPNLへ入射する。側面50Dは反射材RMによって覆われているため、側面50Dに到達した光は、反射材RMによって散乱、反射され、第1方向Xと反対側の方向に透明基板50の内部を進行する。反射材RMを設けることで、光が側面50Dから外部に漏れ出すことを抑制し、光を再利用することで光の利用効率が向上する。
【0106】
電圧が印加されていない液晶層LCに入射した光は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。一方、電圧が印加された液晶層LCに入射した光は、液晶層LCで散乱される。表示装置DSPは、画像を主面50B側から観察可能であるとともに、主面40A側からも観察可能である。
【0107】
表示装置DSPは、いわゆる透明ディスプレイであり、表示装置DSPが主面50B側から観察された場合であっても、主面40A側から観察された場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察することができる。
【0108】
次に、表示装置DSPの製造方法の一例について、説明する。
図8乃至
図11は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図8乃至
図11においては、各工程を、第1方向Xおよび第3方向Zで規定されるX-Z平面と平行な断面にて示している。まず、上述の液晶層LCを備える表示パネルPNLを作製する。さらに、上述の主面50Aを有する透明基板50を作製する。
【0109】
次に、
図8に示すように、透明基板50の主面50Aの上に、透明基板50よりも屈折率が小さい低屈折層60を形成する。低屈折層60は、例えば、フォトリソグラフィ工程などによって、所定の形状に成膜される。
図4および
図5を用いて低屈折層60の場合、低屈折層60は、複数の帯部62および複数の開口部63を有している。
【0110】
次に、
図9に示すように、低屈折層60を覆う保護層70を形成する。保護層70を形成する材料は、低屈折層60の全体に塗布される(いわゆるオーバーコート)。より具体的には、保護層70は、複数の帯部62を覆い、複数の開口部63と主面50Aとが重なる領域においては、開口部63に位置するとともに主面50Aと接している。
【0111】
保護層70は、例えば、主面70Aが均一な面(X-Y平面とほぼ平行な面)となるように形成される。これらの各工程を経て、導光板30が作製される。そして、
図10に示すように、導光板30と表示パネルPNLとを接着する前に(保護層70を形成した後)、透明基板50を溶剤Lによって洗浄する。
【0112】
溶剤Lは、例えば、アセトン、エタノールなどである。低屈折層60は保護層70によって覆われているため、保護層70は溶剤Lと接するが、低屈折層60は溶剤Lと接しにくい。さらに、
図10に示すように、保護層70が縁部71,72を有する場合、低屈折層60は、側面50C側および側面50D側からも溶剤Lと接しにくい。
【0113】
保護層70を形成する材料は、低屈折層60を形成する材料よりも架橋材料を多く含んでいる。架橋材料は、例えば、シラノール基(を含む材料)同士の結合による架橋構造を有している。その結果、保護層70は低屈折層60よりも強固な結合を有しており、低屈折層60よりも溶剤Lに対する耐性が大きい。他の観点からは、保護層70は、低屈折層60よりも溶剤に対して溶けにくい。
【0114】
そして、
図11に示すように、導光板30と表示パネルPNLとを貼り合わす。透明基板50は、低屈折層60および保護層70を介して、接着層AD1によって表示パネルPNLと接着される。以上の各工程を含む製造工程を経て、保護層70を有する導光板30を備える表示装置DSPが製造される。
【0115】
以上のように構成された表示装置DSPによれば、表示装置DSPは、透明基板50の主面50Aの上に形成され、透明基板50よりも屈折率が小さい低屈折層60と、低屈折層60を覆う保護層70と、表示パネルPNLと保護層70とを接着する接着層AD1と、を備えている。
【0116】
低屈折層60は、剥き出しになっておらず、保護層70によって覆われている。これにより、低屈折層60は、表示装置DSPの製造工程において、溶剤Lと接しない。さらに、低屈折層60が保護層70によって覆われることによって、振動などの物理的な衝撃に対する強度が向上されている。
【0117】
すなわち、低屈折層60は、溶剤Lによる洗浄によって溶けたり、物理的な衝撃などによって透明基板50の主面50Aから剥がれたりしにくい。他の観点からは、導光板30は、低屈折層60が損傷しにくい構造を有している。これにより、低屈折層60は、透明基板50に対して安定して形成される。
【0118】
導光板30は低屈折層60によって、光源LSに近接する領域において光源LSからの光の表示パネルPNLへの入射を抑制し、光源LSから離間した領域において光の表示パネルPNLへの入射を促進する。
【0119】
低屈折層60が透明基板50に対して安定して形成されることで、導光板30による光の取り出し効率を適切に制御することが可能である。これにより、光源LSから離間した領域における輝度の低下を抑制し、光源LSに近接した領域と光源LSから離間した領域における輝度の差を低減することが可能である。
【0120】
その結果、本実施形態であれば、表示パネルPNLにおける輝度を均一にすることより、表示装置DSPの表示品位の低下を抑制することが可能である。さらに、導光板30に透明基板50に対して低屈折層60を安定して形成することができるため、表示装置DSPの製造時における歩留りが向上する。
【0121】
本実施形態における表示装置DSPにおいては、保護層70および接着層AD1の各々の屈折率は、低屈折層60の屈折率よりも大きく、透明基板50の屈折率と同等である。透明基板50と複数の開口部63とが重畳する領域に向かって進行する光は、透明基板50を透過し、保護層70および接着層AD1を介して透明基板20を透過することが可能である。
【0122】
本実施形態における表示装置DSPにおいては、保護層70の厚さT70が透明基板50の厚さT50、および接着層AD1の厚さTADよりも小さくなるように形成されている。保護層70の厚さT70を小さくすることで、保護層70を透過する際における光の吸収を抑制することが可能である。本実施形態における表示装置DSPにおいては、複数の帯部62は、基部61の側面50D側の長辺と接続されている。そのため、複数の帯部62は、側面50D側からは剥がれにくい。
【0123】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置DSP、導光板30、および表示装置DSPの製造方法を提供することができる。
【0124】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0125】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0126】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、AR…アレイ基板、CT…対向基板、30…導光板、50…透明基板、50A,50B…主面、50C…側面(第1側面)、50D…側面(第2側面)、60…低屈折層、61…基部、62…帯部、63…開口部、70…保護層、AD1…接着層、LC…液晶層(高分子分散液晶層)、LS…光源。