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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180561
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】フローティングベスト
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/012 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A41D13/012
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093956
(22)【出願日】2022-06-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】森越 康倫
(72)【発明者】
【氏名】増 周司
(72)【発明者】
【氏名】神谷 泰三
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB03
3B011AB12
3B011AC10
3B211AA01
3B211AB03
3B211AB12
3B211AC10
(57)【要約】
【課題】換気性を向上することができるフローティングベストが、提供される。
【解決手段】フローティングベスト1は、ベスト本体3と、複数の浮力体5と、を備える。ベスト本体3は、収納部7c,19c,20cを有する。複数の浮力体5は、収納部7cに配置される第1浮力体27と、収納部7cにおいて第1浮力体27と接離可能に配置される第2浮力体28,29と、を含む。第1浮力体27は、第2浮力体28,29と対向する第1端面27a,27bを有する。第1端面27a,27bは、第1領域27c,27dを有する。第1端面27a,27bが第2浮力体28,29と接触するときに、第1領域27c,27dは第2浮力体28,29との間に空隙を形成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表生地と、前記表生地に対向して配置される裏生地と、前記表生地および前記裏生地の間に形成される収納部と、を有するベスト本体と、
前記収納部に配置される第1浮力体と、前記収納部において前記第1浮力体と接離可能に配置される第2浮力体と、を含む複数の浮力体と、
を備え、
前記第1浮力体は、前記第2浮力体と対向する第1端面を有し、
前記第1端面は、前記第2浮力体と接触するときに、前記第2浮力体との間に空隙を形成する第1領域、を有する、
フローティングベスト。
【請求項2】
前記第2浮力体は、前記第1浮力体と対向する第2端面を有し、
前記第2端面は、前記第1浮力体と接触するときに、前記第1浮力体との間に空隙を形成する第2領域、を有する、
請求項1に記載のフローティングベスト。
【請求項3】
前記第2浮力体は、前記第1浮力体に対して、第1方向、および、前記第1方向とは異なる第2方向のいずれか一方の方向に並べて配置される、
請求項1または2に記載のフローティングベスト。
【請求項4】
前記第1領域は、前記第1端面において凹状に形成される、
請求項1に記載のフローティングベスト。
【請求項5】
前記第2領域は、前記第2端面において凹状に形成される、
請求項2に記載のフローティングベスト。
【請求項6】
複数の浮力体は、第3浮力体をさらに有し、
前記第3浮力体は、前記第1浮力体に対して、前記第1方向、および、前記第2方向のいずれか他方の方向に並べて配置される、
請求項3に記載のフローティングベスト。
【請求項7】
複数の浮力体は、第3浮力体をさらに有し、
前記第3浮力体は、前記第1浮力体に対して、前記第1方向、および、前記第2方向の前記いずれか一方の方向に並べて配置される、
請求項3に記載のフローティングベスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティングベストに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フローティングベストが開示されている。このフローティングベストには、袋状の収納部が後身頃に形成される。後身頃の収納部には、複数の浮力材が内包される。複数の浮力材は、左右方向に並べて配置される。複数の浮力材において互いに対向する端面は、平面状に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-208519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフローティングベストでは、各浮力材の端面が平面状に形成される。このため、複数の浮力材が収納部において互いに接近した場合に、複数の浮力材の端面同士が全体的に面接触する。この状態では、複数の浮力材の端面の間に空気が通過する空間が存在しないので、フローティングベストの換気性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、換気性を向上することができるフローティングベストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面に関して、フローティングベストは、ベスト本体と、複数の浮力体と、を備える。ベスト本体は、表生地と、表生地に対向して配置される裏生地と、表生地および裏生地の間に形成される収納部と、を有する。複数の浮力体は、収納部に配置される第1浮力体と、収納部において第1浮力体と接離可能に配置される第2浮力体と、を含む。第1浮力体は、第2浮力体と対向する第1端面を有する。第1端面は、第1領域を有する。第1端面が第2浮力体と接触するときに、第1領域は第2浮力体との間に空隙を形成する。
【0007】
本発明の第1の側面に係るフローティングベストでは、第1浮力材および第2浮力材が接近し、第1端面が第2浮力体と接触するときに、第1端面の第1領域が第2浮力体との間に空隙を形成する。すなわち、第1浮力体の第1端面が第2浮力体と接触するときに、第1端面の第1領域、および、第2浮力体の間に形成される空隙を、空気が通過することができる。これにより、フローティングベストの換気性を向上することができる。
【0008】
本発明の第2の側面に関して、第1の側面に係るフローティングベストでは、第2浮力体が、第1浮力体と対向する第2端面を有する。この場合、第2端面は、第2領域を有する。第2端面が第1浮力体と接触するときに、第2領域は第1浮力体との間に空隙を形成する。
【0009】
本発明の第3の側面に関して、第1または第2の側面に係るフローティングベストでは、第2浮力体が、第1浮力体に対して、第1方向、および、第1方向とは異なる第2方向のいずれか一方の方向に並べて配置される。
【0010】
本発明の第4の側面に関して、第1から第3の側面のいずれか1つに係るフローティングベストでは、第1領域が、第1端面において凹状に形成される。
【0011】
本発明の第5の側面に関して、第2から第4の側面のいずれか1つに係るフローティングベストでは、第2領域が、第2端面において凹状に形成される。
【0012】
本発明の第6の側面に関して、第3の側面に係るフローティングベストでは、複数の浮力体は、第3浮力体をさらに有する。この場合、第3浮力体は、第1浮力体に対して、第1方向、および、第2方向のいずれか他方の方向に並べて配置される。
【0013】
本発明の第7の側面に関して、第3の側面に係るフローティングベストでは、複数の浮力体は、第3浮力体をさらに有する。この場合、第3浮力体は、第1浮力体に対して、第1方向、および、第2方向のいずれか一方の方向に並べて配置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フローティングベストの換気性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態のフローティングベストの正面図。
図2】フローティングベストの背面図。
図3】フローティングベストの正面展開図。
図4】複数の後浮力体を部分的に拡大した正面図。
図5】複数の右前浮力体を部分的に拡大した正面図。
図6A】他の実施形態の複数の後浮力体を部分的に拡大した正面図。
図6B】他の実施形態の複数の後浮力体を部分的に拡大した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るフローティングベストの実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明で用いる図面、例えば、図1図2図3、および、図4には、左右方向の矢印が示される。矢印が示す左右方向は、フローティングベスト1の左前身頃側を左矢印、フローティングベスト1の右前身頃側を右矢印にて示している。図1、および、図2に示すように、フローティングベスト1は、ベスト本体3と、複数の浮力体5と、を備える。ベスト本体3は、後身頃7と、前身頃9と、連結部11と、を有する。
【0017】
後身頃7は、ユーザの胴部背面、および、ユーザの肩部を覆う。後身頃7の少なくとも一部は、通気性を有する生地、例えば、メッシュ状の生地によって、形成されることが好ましい。
【0018】
図1、および、図2に示すように、後身頃7は、後表生地7aと、後裏生地7bと、後収納部7cと、を有する。後裏生地7bは、後表生地7aに対向して配置される。後裏生地7bの外周は、縫製または圧着等のような接続手段によって、後表生地7aの外周に接続される。
【0019】
後収納部7cは、後表生地7aおよび後裏生地7bの間に形成される。後収納部7cは、後表生地7aおよび後裏生地7bの間において、所定の範囲に形成される。後収納部7cの形成範囲は、縫製または圧着等のような接続手段によって形成される。後収納部7cは、複数の浮力体5、例えば、後述する複数の後浮力体23を、出し入れ可能に形成されることが好ましい。
【0020】
前身頃9は、ユーザの胴部前面を覆う。前身頃9の少なくとも一部は、通気性を有する生地、例えば、メッシュ状の生地によって、形成されることが好ましい。図1、および、図2に示すように、前身頃9は、1対の前身頃19,20を含む。
【0021】
以下では、1対の前身頃19,20が、右前身頃19、および、左前身頃20と記される。図1に示すように、右前身頃19は右側の前身頃であり、左前身頃20は左側の前身頃である。
【0022】
図1、および、図3に示すように、右前身頃19は、後身頃7の右側に配置される。図1図2、および、図3に示すように、右前身頃19は、右前表生地19aと、右前裏生地19bと、右前収納部19cと、を有する。右前裏生地19bは、右前表生地19aに対向して配置される。右前裏生地19bの外周は、縫製または圧着等のような接続手段によって、右前表生地19aの外周に接続される。
【0023】
右前収納部19cは、右前表生地19aおよび右前裏生地19bの間に形成される。例えば、右前収納部19cは、右前表生地19aおよび右前裏生地19bの間において、所定の範囲に形成される。右前収納部19cの形成範囲は、縫製または圧着等のような接続手段によって形成される。右前収納部19cは、複数の浮力体5、例えば、後述する複数の前浮力体25(25A)を、出し入れ可能に形成されることが好ましい。
【0024】
図1、および、図3に示すように、左前身頃20は、後身頃7の左側に配置される。左前身頃20は、右前身頃19に着脱可能に接続される。例えば、左前身頃20は、ファスナー等のような着脱手段18によって、右前身頃19に対して着脱可能に接続される。
【0025】
図1図2、および、図3に示すように、左前身頃20は、左前表生地20aと、左前裏生地20bと、左前収納部20cと、を有する。左前裏生地20bは、左前表生地20aに対向して配置される。左前裏生地20bの外周端は、縫製または圧着等のような接続手段によって、左前表生地20aの外周端に接続される。
【0026】
左前収納部20cは、左前表生地20aおよび左前裏生地20bの間に形成される。例えば、左前収納部20cは、左前表生地20aおよび左前裏生地20bの間において、所定の範囲に形成される。左前収納部20cの形成範囲は、縫製または圧着等のような接続手段によって形成される。左前収納部20cは、複数の浮力体5、例えば、後述する複数の前浮力体25(25B)を、出し入れ可能に形成されることが好ましい。
【0027】
連結部11は、ユーザの胴部側面を覆う。図2、および、図3に示すように、連結部11は、前身頃9および後身頃7を連結する。例えば、連結部11は、1対の連結部21,22を含む。以下では、1対の連結部21,22が、右連結部21、および、左連結部22と記される。
【0028】
右連結部21は、右前身頃19、および、後身頃7を連結する。例えば、右連結部21は、縫製または圧着等のような接続手段によって、右前身頃19、および、後身頃7の右部に接続される。左連結部22は、左前身頃20、および、後身頃7を連結する。例えば、左連結部22は、縫製または圧着等のような接続手段によって、左前身頃20、および、後身頃7の左部に接続される。
【0029】
図1図2、および、図3に示すように、複数の浮力体5は、複数の後浮力体23と、複数の前浮力体25と、を有する。図4に示すように、複数の後浮力体23は、第1後浮力体27と、第2後浮力体28と、第3後浮力体29と、を含む。複数の後浮力体23は、第4後浮力体30をさらに含む。
【0030】
第1後浮力体27は、後収納部7cに配置される。例えば、第1後浮力体27は、後収納部7cにおいて中央に配置される。第1後浮力体27は、第2後浮力体28と対向する第1左端面27aと、第3後浮力体29と対向する第1右端面27bと、を有する。
【0031】
第1左端面27aは、少なくとも1つの第1左領域27cを有する。例えば、第1左端面27aは、複数の第1左領域27cを含む。第1左端面27aが第2後浮力体28と接触するときに、複数の第1左領域27cは第2後浮力体28との間に空隙を形成する。複数の第1左領域27cのそれぞれは、第1左端面27aにおいて凹状に形成される。
【0032】
第1右端面27bは、少なくとも1つの第1右領域27dを有する。例えば、第1右端面27bは、複数の第1右領域27dを含む。第1右端面27bが第3後浮力体29と接触するときに、複数の第1右領域27dは第3後浮力体29との間で空隙を形成する。複数の第1右領域27dのそれぞれは、第1右端面27bにおいて凹状に形成される。
【0033】
図4に示すように、第2後浮力体28は、後収納部7cに配置される。例えば、第2後浮力体28は、第1後浮力体27に対して左側に並べて配置される。第2後浮力体28は、後収納部7cにおいて第1後浮力体27と接離可能に配置される。
【0034】
第2後浮力体28は、第1後浮力体27と対向する第2右端面28aを有する。第2右端面28aは、少なくとも1つの第2右領域28bを有する。例えば、第2右端面28aは、複数の第2右領域28bを含む。
【0035】
複数の第2右領域28bは、第1後浮力体27の複数の第1左領域27cに各別に対向する。第2右端面28aが第1後浮力体27の第1左端面27aと接触するときに、複数の第2右領域28bは、第1後浮力体27の複数の第1左領域27cとの間で、空隙を形成する。第2右領域28bは、第2端面において凹状に形成される。
【0036】
図4に示すように、第3後浮力体29は、後収納部7cに配置される。例えば、第3後浮力体29は、第1後浮力体27に対して右側に並べて配置される。すなわち、第2後浮力体28、および、第3後浮力体29は、第1後浮力体27の両側に並べて配置される。第3後浮力体29は、後収納部7cにおいて第1後浮力体27と接離可能に配置される。
【0037】
第3後浮力体29は、第1後浮力体27と対向する第2左端面29aを有する。第2左端面29aは、少なくとも1つの第2左領域29bを有する。例えば、第2左端面29aは、複数の第2左領域29bを含む。
【0038】
複数の第2左領域29bは、第1後浮力体27の複数の第1右領域27dに各別に対向する。第2左端面29aが第1後浮力体27の第1右端面27bと接触するときに、複数の第2左領域29bは、第1後浮力体27の複数の第1右領域27dとの間で、空隙を形成する。第2左領域29bは、第2左端面29aにおいて凹状に形成される。
【0039】
図4に示すように、第4後浮力体30は、後収納部7cに配置される。例えば、第4後浮力体30は、複数の第4後浮力体30を含む。複数の第4後浮力体30は、後収納部7cにおいて、第1後浮力体27の下方、第2後浮力体28の下方、および、第3後浮力体29の下方に、配置される。複数の第4後浮力体30のぞれぞれは、後収納部7cにおいて、第1後浮力体27、第2後浮力体28、および、第3後浮力体29に対して、接離可能に配置される。
【0040】
図3に示すように、複数の前浮力体25は、複数の左前浮力体25Aと、複数の右前浮力体25Bと、を含む。複数の左前浮力体25Aは、左前身頃20の左前収納部20cに配置される。複数の右前浮力体25Bは、右前身頃19の右前収納部19cに配置される。
【0041】
複数の左前浮力体25A、および、複数の右前浮力体25Bは、左右に鏡像関係になるように配置される。複数の左前浮力体25A、および、複数の右前浮力体25Bの構成は、配置形態を除いて同じである。以下では、複数の左前浮力体25Aを用いて前浮力体25の説明が行われる。
【0042】
図5に示すように、複数の左前浮力体25Aは、第1前浮力体31と、第2前浮力体32と、1対の第3前浮力体33,34と、1対の第4前浮力体35,36と、を含む。複数の左前浮力体25Aは、第5前浮力体37をさらに含む。図5は、フローティングベスト1を外側から見た場合の複数の左前浮力体25Aの正面図である。
【0043】
第1前浮力体31は、左前収納部20cに配置される。例えば、第1前浮力体31は、左前収納部20cにおいて中央に配置される。第1前浮力体31は、第2前浮力体32と対向する第3左端面31aと、1対の第3前浮力体33,34と各別に対向する第1上端面31bおよび第1下端面31cと、を有する。
【0044】
第3左端面31aは、第3左領域31dを有する。第3左端面31aが第2前浮力体32と接触するときに、第3左領域31dは第2前浮力体32との間で空隙を形成する。第3左領域31dは、第3左端面31aにおいて凹状に形成される。
【0045】
第1上端面31bは、第1上領域31eを有する。第1上端面31bが第3前浮力体33と接触するときに、第1上領域31eは第3前浮力体33との間で空隙を形成する。第1上領域31eは、第1上端面31bにおいて凹状に形成される。
【0046】
第1下端面31cは、第1下領域31fを有する。第1下端面31cが第3前浮力体34と接触するときに、第1下領域31fは第3前浮力体34との間で空隙を形成する。第1下領域31fは、第1下端面31cにおいて凹状に形成される。
【0047】
第2前浮力体32は、左前収納部20cに配置される。例えば、第2前浮力体32は、第1前浮力体31に対して左側に並べて配置される。第2前浮力体32は、左前収納部20cにおいて第1前浮力体31と接離可能に配置される。
【0048】
第2前浮力体32は、第1前浮力体31と対向する第3右端面32aと、1対の第4前浮力体35,36と各別に対向する第2上端面32bおよび第2下端面32cと、を有する。
【0049】
第3右端面32aは、第3右領域32dを有する。第3右端面32aが第1前浮力体31と接触するときに、第3右領域32dは第1前浮力体31との間で空隙を形成する。第3右領域32dは、第3右端面32aにおいて凹状に形成される。第3右領域32dは、第1前浮力体31の第3左領域31dに対向して配置される。
【0050】
第2上端面32bは、第2上領域32eを有する。第2上端面32bが第4前浮力体35と接触するときに、第2上領域32eは第4前浮力体35との間で空隙を形成する。第2上領域32eは、第2上端面32bにおいて凹状に形成される。
【0051】
第2下端面32cは、第2下領域32fを有する。第2下端面32cが第4前浮力体36と接触するときに、第2下領域32fは第4前浮力体36との間で空隙を形成する。第2下領域32fは、第2下端面32cにおいて凹状に形成される。
【0052】
1対の第3前浮力体33,34は、左前収納部20cに配置される。例えば、1対の第3前浮力体33,34は、第1前浮力体31に対して上下に配置される。1対の第3前浮力体33,34それぞれは、左前収納部20cにおいて第1前浮力体31と接離可能に配置される。
【0053】
第3前浮力体33は、第1前浮力体31と対向する第3下端面33aと、第4前浮力体35と対向する第4左端面33bと、を有する。
【0054】
第3下端面33aは、第3下領域33cを有する。第3下端面33aが第1前浮力体31と接触するときに、第3下領域33cは第1前浮力体31との間で空隙を形成する。第3下領域33cは、第3下端面33aにおいて凹状に形成される。第3下領域33cは、第1前浮力体31の第1上領域31eに対向して配置される。
【0055】
第4左端面33bは、第4左領域33dを有する。第4左端面33bが第4前浮力体35と接触するときに、第4左領域33dは第4前浮力体35との間で空隙を形成する。第4左領域33dは、第4左端面33bにおいて凹状に形成される。
【0056】
第3前浮力体34は、第1前浮力体31と対向する第3上端面34aと、第4前浮力体36と対向する第5左端面34bと、を有する。
【0057】
第3上端面34aは、第3上領域34cを有する。第3上端面34aが第1前浮力体31と接触するときに、第3上領域34cは第1前浮力体31との間で空隙を形成する。第3上領域34cは、第3上端面34aにおいて凹状に形成される。第3上領域34cは、第1前浮力体31の第1下領域31fに対向して配置される。
【0058】
第5左端面34bは、第5左領域34dを有する。第5左端面34bが第4前浮力体36と接触するときに、第5左領域34dは第4前浮力体36との間で空隙を形成する。第5左領域34dは、第5左端面34bにおいて凹状に形成される。
【0059】
1対の第4前浮力体35,36は、左前収納部20cに配置される。例えば、1対の第4前浮力体35,36は、第2前浮力体32に対して上下に配置される。1対の第4前浮力体35,36は、1対の第3前浮力体33,34に対して左側に配置される。1対の第4前浮力体35,36それぞれは、左前収納部20cにおいて、第2前浮力体32、および、第3前浮力体33と接離可能に配置される。
【0060】
第4前浮力体35は、第2前浮力体32と対向する第4下端面35aと、第3前浮力体33と対向する第4右端面35bと、を有する。
【0061】
第4下端面35aは、第4下領域35cを有する。第4下端面35aが第2前浮力体32と接触するときに、第4下領域35cは第2前浮力体32との間で空隙を形成する。第4下領域35cは、第4下端面35aにおいて凹状に形成される。第4下領域35cは、第2前浮力体32の第2上領域32eに対向して配置される。
【0062】
第4右端面35bは、第4右領域35dを有する。第4右端面35bが第3前浮力体33と接触するときに、第4右領域35dは第3前浮力体33との間で空隙を形成する。第4右領域35dは、第4右端面35bにおいて凹状に形成される。第4右領域35dは、第3前浮力体33の第4左領域33dに対向して配置される。
【0063】
第4前浮力体36は、第2前浮力体32と対向する第4上端面36aと、第3前浮力体34と対向する第5右端面36bと、を有する。
【0064】
第4上端面36aは、第4上領域36cを有する。第4上端面36aが第2前浮力体32と接触するときに、第4上領域36cは第2前浮力体32との間で空隙を形成する。第4上領域36cは、第4上端面36aにおいて凹状に形成される。第4上領域36cは、第2前浮力体32の第2下領域32fに対向して配置される。
【0065】
第5右端面36bは、第5右領域36dを有する。第5右端面36bが第3前浮力体34と接触するときに、第5右領域36dは第3前浮力体34との間で空隙を形成する。第5右領域36dは、第5右端面36bにおいて凹状に形成される。第5右領域36dは、第3前浮力体34の第5左領域34dに対向して配置される。
【0066】
第5前浮力体37は、左前収納部20cに配置される。例えば、第5前浮力体37は、左前収納部20cにおいて、第1前浮力体31の右側、および、第3前浮力体34の右側に、配置される。第5前浮力体37は、左前収納部20cにおいて、第1前浮力体31、および、第3前浮力体34に対して、接離可能に配置される。
【0067】
以上、本実施形態に係るフローティングベスト1では、後身頃7、および、前身頃9において複数の浮力体5が互いに接近した場合に、上述した各領域において空隙が形成されるので、フローティングベスト1の換気性を向上することができる。
【0068】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0069】
(A)図6A、および、図6Bに示すように、互いに対向する端面の一方にのみ領域が形成され、この領域によって空隙が形成されてもよい。図6Aの矢印が示す左右方向は、フローティングベスト1の左前身頃側を左矢印、フローティングベスト1の右前身頃側を右矢印にて示している。図6Bは、フローティングベスト1を外側から見た場合の複数の左前浮力体25Aの正面図である。このように構成しても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(B)複数の後浮力体23は、網状の袋部材に内包されていてもよい。複数の前浮力体25は、網状の袋部材に内包されていてもよい。例えば、複数の左前浮力体25Aは、網状の袋部材に内包される。複数の右前浮力体25Bは、網状の袋部材に内包される。
【0071】
この場合、複数の後浮力体23、および、複数の前浮力体25(25A,25B)は、網状の袋部材に内包された状態で、後収納部7c、右前収納部19c、および、左前収納部20cに各別に収納される。
【0072】
この構成では、網状の袋部材を、後収納部7c、右前収納部19c、および、左前収納部20cから各別に出し入れすることによって、複数の後浮力体23、および、複数の前浮力体25(25A,25B)を容易に交換することができる。また、袋部材を網状に形成することによって、フローティングベスト1の換気性を低下させることがないように考慮されている。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、フローティングベストに利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 フローティングベスト
3 ベスト本体
5,25,25A,25B 複数の浮力体
7 後身頃
7a 後表生地
7b 後裏生地
7c 後収納部
19 右前身頃
19a 右前表生地
19b 右前裏生地
19c 右前収納部
20 左前身頃
20a 左前表生地
20b 左前裏生地
20c 左前収納部
23 複数の後浮力体
25 複数の前浮力体
27 第1後浮力体
28 第2後浮力体
29 第3後浮力体
27a,27b,28a,29a 後浮力体の端面
27c,27d,28b,29b 後浮力体の領域
31 第1前浮力体
32 第2前浮力体
33,34 第3前浮力体
35,36 第4前浮力体
31a,31b,31c,32a,32b,32c,33a,33b,34a,34b,35a,35b,36a,36b 前浮力体の端面
31d,31e,31f,32d,32e,32f,33c,33d,34c,34d,35c,35d,36c,36d 前浮力体の領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B