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特開2023-180577情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180577
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/00 20060101AFI20231214BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G01R13/00 Z
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093980
(22)【出願日】2022-06-09
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】230128026
【弁護士】
【氏名又は名称】駒木 寛隆
(72)【発明者】
【氏名】古賀 一眞
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA23
3C223BA03
3C223CC02
3C223EB02
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH03
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善する。
【解決手段】情報処理装置10の情報処理方法は、情報処理装置10の制御部11が、物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する工程と、取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する工程と、第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する工程と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する工程と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する工程と、含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の制御部が、
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する工程と、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する工程と、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する工程と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する工程と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する工程と、
含む、情報処理装置の情報処理方法。
【請求項2】
前記制御部が、
前記第1の操作端末から前記要求を受信した場合に、第2の前記操作端末に対して前記制御権を付与していると判定されたときは、前記制御権を解放するか否かを問い合わせるための情報を前記第2の操作端末へ前記通信部により送信し、
前記第2の操作端末から前記制御権を解放することを示す情報を受信した場合、前記第2の操作端末から前記制御権をはく奪し、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記制御部が、前記第2の操作端末から前記制御権を解放しないことを示す情報を受信した場合、前記第1の操作端末からの前記要求を拒絶する、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記制御部が、
前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から前記波形解析装置に対する操作の情報を前記通信部により受信した場合、当該操作端末に対して前記制御権が付与されているか否かを判定し、
前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていると判定された場合は、前記操作の情報に基づき、前記波形解析装置が解析可能な操作情報を生成し、
前記操作情報を前記波形解析装置へ前記通信部により送信する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記制御部が、前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていないと判定された場合は、当該操作端末の操作を拒絶する、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記制御部が、
第1の前記波形解析装置から第1の前記画面情報を前記通信部により受信し、
第2の前記波形解析装置から第2の前記画面情報を前記通信部により受信し、
前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりもより高いビットレートで、前記複数の操作端末へ送信する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記制御部が、前記制御権が付与されている前記操作端末によって前記第1の波形解析装置が操作されている場合、前記第1の波形解析装置を特定する情報として、当該第1の波形解析装置に対する操作の情報を受信する、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記制御部が、前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりも更新レート及び解像度の少なくともいずれかを大きくして、前記複数の操作端末へ送信する、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項9】
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信し、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信し、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信し、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定し、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する、
制御部を備える情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する手順と、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する手順と、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する手順と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する手順と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する手順と、
を実行する情報処理装置として動作させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物理量を測定し、その測定情報を解析する波形解析装置が知られている。特許文献1,2には、このような波形解析装置をネットワークに接続し、他の装置からネットワークを介して測定データを参照可能としたシステムに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-190556号公報
【特許文献2】特開2017-515449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成においては、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能とした場合に改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る情報処理方法によれば、情報処理装置の制御部が、物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する工程と、取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する工程と、第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する工程と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する工程と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する工程と、含む。
【0007】
このように、制御部は、複数の操作端末のうちの制御権が付与された操作端末のみに対して、波形解析装置に対する操作を許可する。したがって、複数の操作端末からの操作が衝突することを防ぐことができ、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善することができる。
【0008】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記第1の操作端末から前記要求を受信した場合に、第2の前記操作端末に対して前記制御権を付与していると判定されたときは、前記制御権を解放するか否かを問い合わせるための情報を前記第2の操作端末へ前記通信部により送信し、前記第2の操作端末から前記制御権を解放することを示す情報を受信した場合、前記第2の操作端末から前記制御権をはく奪し、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する。
【0009】
このように、制御部は、既に第2の操作端末に制御権を付与している場合に第1の操作端末から操作の要求を受信したときは、第2の操作端末に制御権を解放することを確認した上で制御権をはく奪し、第1の操作端末に制御権を付与する。したがって、操作端末間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0010】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記第2の操作端末から前記制御権を解放しないことを示す情報を受信した場合、前記第1の操作端末からの前記要求を拒絶する。
【0011】
したがって、操作端末間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0012】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から前記波形解析装置に対する操作の情報を前記通信部により受信した場合、当該操作端末に対して前記制御権が付与されているか否かを判定し、前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていると判定された場合は、前記操作の情報に基づき、前記波形解析装置が解析可能な操作情報を生成し、前記操作情報を前記波形解析装置へ前記通信部により送信する。
【0013】
したがって、制御権を付与したことが確認された操作端末からの操作のみを受け付けることができ、操作端末間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0014】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていないと判定された場合は、当該操作端末の操作を拒絶する。
【0015】
したがって、制御権を付与したことが確認された操作端末からの操作のみを受け付けることができ、操作端末間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0016】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、第1の前記波形解析装置から第1の前記画面情報を前記通信部により受信し、第2の前記波形解析装置から第2の前記画面情報を前記通信部により受信し、前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりもより高いビットレートで、前記複数の操作端末へ送信する。
【0017】
したがって、通信量を節約しつつ、優先度の高い波形解析装置については、詳細な画面情報を通信端末に提供することが可能である。
【0018】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記制御権が付与されている前記操作端末によって前記第1の波形解析装置が操作されている場合、前記第1の波形解析装置を特定する情報として、当該第1の波形解析装置に対する操作の情報を受信する。
【0019】
したがって、操作が行われている波形解析装置の画面情報を、より優先的に通信端末に提供することが可能である。
【0020】
一実施形態に係る情報処理方法において、前記制御部が、前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりも更新レート及び解像度の少なくともいずれかを大きくして、前記複数の操作端末へ送信する。
【0021】
したがって、通信量を節約しつつ、優先度の高い波形解析装置については、更新レート及び解像度の少なくともいずれかが高い高品質な画面情報を通信端末に提供することが可能である。
【0022】
幾つかの実施形態に係る情報処理装置によれば、物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信し、取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信し、第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信し、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定し、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する、制御部を備える。
【0023】
このように、制御部は、複数の操作端末のうちの制御権が付与された操作端末のみに対して、波形解析装置に対する操作を許可する。したがって、複数の操作端末からの操作が衝突することを防ぐことができ、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善することができる。
【0024】
幾つかの実施形態に係るプログラムによれば、コンピュータを、物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する手順と、取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する手順と、第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する手順と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する手順と、前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する手順と、を実行する情報処理装置として動作させる。
【0025】
このように、複数の操作端末のうちの制御権が付与された操作端末のみに対して、波形解析装置に対する操作を許可する。したがって、複数の操作端末からの操作が衝突することを防ぐことができ、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善することができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示の一実施形態によれば、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】比較例に係る波形解析システムの構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る波形解析システムの構成例を示す図である。
図3図2のクラウドのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4図2のゲートウェイのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5図2の波形解析装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6図2のコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図7】一実施形態に係る波形解析システムの動作例を模式的に示す図である。
図8】一実施形態に係る波形解析システムの動作例を模式的に示す図である。
図9】一実施形態に係る波形解析システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
図10】一実施形態に係る波形解析システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
図11図2のクラウドの動作例を示すフローチャートである。
図12図2のクラウドの動作例を示すフローチャートである。
図13図2のコンピュータに表示される波形解析装置の画面の一例である。
図14図2のコンピュータに表示される波形解析装置の画面の一例である。
図15図2のクラウドの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<比較例>
図1は、比較例に係る波形解析システム9の構成を示す図である。波形解析システム9は、コンピュータ91及び波形解析装置92を備える。図1に示すように、比較例に係る波形解析システム9においては、コンピュータ91と波形解析装置92とが一対一に接続される。
【0029】
波形解析装置92は、物理量を測定し、その測定情報を解析する装置である。コンピュータ91は、接続された波形解析装置92にアクセスし、波形解析装置92の動作を制御したり、波形解析装置92の画面情報を取得して表示したりする。
【0030】
コンピュータ91及び波形解析装置92の各々が複数個ずつ接続されたシステムを考える。このようなシステムを比較例に係る波形解析システム9を拡張して構築しようとすると、様々な問題が生じ得る。例えば、このようなシステムにおいて、コンピュータ91から波形解析装置92を制御する場合、複数のコンピュータ91が同時に同一の波形解析装置92を操作しようとして、操作が衝突する場合がある。また、例えば、複数の波形解析装置92から複数のコンピュータ91へ画面情報を送信する場合、装置間を大量のデータが流れることとなり、通信容量を超過してしまう恐れがある。このように、比較例に係る構成は、複数の波形解析装置に対して複数の装置からアクセス可能とした場合に改善の余地があった。
【0031】
<実施形態>
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一の構成又は機能を有する部分には、同一の符号を付している。本実施形態の説明において、同一の部分については、重複する説明を適宜省略又は簡略化する場合がある。
【0032】
(波形解析システム)
図2は、本開示の一実施形態に係る波形解析システム1の構成例を示す図である。波形解析システム1は、クラウド10、ゲートウェイ20、複数の波形解析装置50(50a,50b,50c,50d)、及び複数のコンピュータ70(70a,70b,70c,70d)を備える。図2に示すように、波形解析システム1においては、複数のコンピュータ70と、複数の波形解析装置50とは、クラウド10及びゲートウェイ20を介して接続される。コンピュータ70及びクラウド10の間、クラウド10及びゲートウェイ20の間、並びに、ゲートウェイ20及び波形解析装置50の間は、インターネット等の公衆通信回線、又は、イントラネット、専用の通信回線によって通信可能に接続されている。
波形解析システム1は、ネットワーク上のクラウド10を介し、複数台のコンピュータ70が複数台の波形解析装置50の監視及び制御を遠隔地から行えるようにする。以下、波形解析システム1に含まれる波形解析装置50及びコンピュータ70の個数はいずれも4個である例を説明するが、波形解析装置50及びコンピュータ70の個数はいずれも任意の数でよい。
【0033】
波形解析装置50は、物理量の測定情報を取得して解析する装置である。波形解析装置50は、測定により得られた物理量の測定情報を解析して、解析結果をグラフの波形等として表示する。波形解析装置50は、例えば、オシロスコープ、電力測定器、光測定器、又は圧力測定器等であってもよいが、これらに限られない。
【0034】
波形解析装置50は、ゲートウェイ20から受信した操作情報に基づき、その動作を制御する。操作情報は、コンピュータ70から入力された操作に基づき、クラウド10において生成される情報である。このような操作情報には、波形解析装置50の設定変更に関する情報、及び、測定に関する操作の情報等が含まれてもよい。波形解析装置50の設定変更には、例えば、画面の表示の仕方、チャンネルのオン/オフ等が含まれてもよい。測定に関する操作には、例えば、測定の開始、終了、及び中断、並びに測定情報に関する波形データの保存等が含まれてもよい。波形解析装置50は、物理量の測定情報、及び、表示画面の情報等を含む波形解析装置50の情報をゲートウェイ20へ送信する。波形解析装置50は、表示画面の情報として、波形解析装置50が備える出力部56のディスプレイに表示される画像を示すフレーム情報を特定の更新レート(フレームレート)でゲートウェイ20へ送信してもよい。
【0035】
本実施形態に係る操作端末としてのコンピュータ70は、クラウド10及びゲートウェイ20を介して波形解析装置50にアクセスし、波形解析装置50の動作を制御したり、波形解析装置50の画面情報を取得して表示したりする情報処理装置である。コンピュータ70は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、又は、タブレット端末としてもよいが、これらに限られない。ユーザは、コンピュータ70を操作することにより、所望の波形解析装置50を操作したり、所望の波形解析装置50が測定した物理量の測定情報及び表示画面等を参照したりすることができる。コンピュータ70は、ユーザからの指示に応じて、操作対象の波形解析装置50を識別する識別情報と、その波形解析装置50に対する操作の情報をクラウド10へ送信する。
【0036】
クラウド10は、ゲートウェイ20と共同して、複数のコンピュータ70と、複数の波形解析装置50との間の接続及び通信等を制御する情報処理装置である。クラウド10は、例えば、WS(WorkStation)又はPCとしてもよいが、これらに限られない。クラウド10は、表示・制御システム101を備える。
【0037】
表示・制御システム101は、波形解析装置50の測定情報及び表示画面等をコンピュータ70に表示するとともに、コンピュータ70から操作を受け付けて波形解析装置50の動作を制御するための機能要素である。表示・制御システム101は、Webサイト102及び記録部105を備える。
【0038】
Webサイト102は、ユーザが、コンピュータ70上で動作するブラウザ(閲覧)ソフトウェアを介して、波形解析装置50にアクセスするための情報を管理する機能要素である。Webサイト102は、表示部103及び制御インターフェース104を備える。
【0039】
表示部103は、後述する記録部105に記録された波形解析装置50の情報を、コンピュータ70の出力部75のディスプレイに表示可能な形式でコンピュータ70に提供する機能要素である。例えば、表示部103は、HTML(Hypertext Markup Language)、Javascriptを含むブラウザソフトウェアが解釈可能な言語を用いたホームページを提供して、記録部105から取得した波形解析装置50の情報をコンピュータ70から閲覧可能にする。
【0040】
制御インターフェース104は、コンピュータ70の波形解析装置50に対する操作を受け付ける機能要素である。制御インターフェース104は、操作対象の波形解析装置50を識別する識別情報と、操作の情報をコンピュータ70から受信すると、その情報を波形解析装置50が解析可能な操作情報に変換する。操作情報が示す具体的な内容は前述のとおりである。制御インターフェース104は、操作情報を、識別情報で識別される波形解析装置50へゲートウェイ20を介して送信する。
【0041】
記録部105は、ゲートウェイ20を介して波形解析装置50からアップロードされて受信した波形解析装置50の情報を記録する機能要素である。記録部105は、ゲートウェイ20から受信した波形解析装置50の情報を一次的に保持するバッファとして作用する。
【0042】
ゲートウェイ20は、複数の波形解析装置50とクラウド10との間を中継する装置である。ゲートウェイ20は、接続管理システム201を備える。
【0043】
接続管理システム201は、複数の波形解析装置50を集約し、クラウド10との間の接続を管理する機能要素である。接続管理システム201は、波形解析装置50から画面情報及び測定情報等を含む波形解析装置50の情報を取得し、クラウド10の表示・制御システム101にアップロードする。接続管理システム201は、波形解析装置50の情報を波形解析装置50の識別情報と共に、表示・制御システム101にアップロードしてもよい。また、接続管理システム201は、制御インターフェース104を介してコンピュータ70から受信した操作情報を波形解析装置50へ送信する。接続管理システム201は、物理的に波形解析装置50の各々と、有線又は無線の通信回線で接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットを含む任意のネットワークを介して接続されてもよい。
【0044】
なお、ゲートウェイ20は、クラウド10と同一の情報処理装置により実現されてもよい。すなわち、ゲートウェイ20を設けず、クラウド10が接続管理システム201と同等の機能要素を備えてもよい。
【0045】
以上のような構成において、クラウド10の制御インターフェース104は、波形解析装置50の制御権を、複数のコンピュータ70のいずれか1つに対してのみ割り当てる。この制御権は、波形解析装置50に対して操作をする権限である。クラウド10は、いずれの波形解析装置50に制御権を割り当てているかを特定する情報を記憶部12に保持してもよい。したがって、波形解析システム1によれば、複数のコンピュータ50の中で1つのコンピュータ50にのみ制御権が割り当てられるため、波形解析装置50に対する操作が衝突することを防ぐことができる。
【0046】
また、クラウド10は、いずれかの波形解析装置50を特定する情報をコンピュータ70から受信した場合、特定された波形解析装置50の画面情報を他の波形解析装置50よりも高いビットレートでコンピュータ50へ送信してもよい。したがって、波形解析システム1によれば、ユーザにより注目されている波形解析装置50について詳細な情報をコンピュータ70へ送信しつつ、全体の通信量を節約することが可能である。
【0047】
また、クラウド10の制御インターフェース104は、制御権が付与されているコンピュータ70の指示に基づき制御シーケンスを組むことができるようにし、その制御シーケンスに沿って自動的に波形解析装置50を制御するようにしてもよい。このような構成によれば、コンピュータ70のユーザが波形解析装置50に対して逐一操作を指示することなく、波形解析装置50の動作を自動化することが可能である。
【0048】
(クラウド)
図3は、図2のクラウド10のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3に示すように、クラウド10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。
【0049】
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部11は、クラウド10を構成する各構成部と通信可能に接続され、クラウド10全体の動作を制御する。
【0050】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の任意の記憶モジュールを含む。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、クラウド10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部13を介してゲートウェイ20から受信した各種情報等を記憶してもよい。記憶部12は、クラウド10に内蔵されているものに限定されず、外付けのデータベース又は外付け型の記憶モジュールであってもよい。
【0051】
通信部13は、任意の通信技術によってコンピュータ70、ゲートウェイ20等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。通信部13は、さらに、他の装置との通信を制御するための通信制御モジュール、及び他の装置との通信に必要となる識別情報等の通信用データを記憶する記憶モジュールを含んでもよい。
【0052】
クラウド10の機能は、本実施形態に係るコンピュータプログラム(プログラム)を、制御部11に含まれるプロセッサで実行することにより実現されうる。すなわち、クラウド10の機能は、ソフトウェアにより実現されうる。コンピュータプログラムは、クラウド10の動作に含まれるステップの処理を情報処理装置に実行させることで、各ステップの処理に対応する機能を情報処理装置に実現させる。すなわち、コンピュータプログラムは、情報処理装置を本実施形態に係るクラウド10として機能させるためのプログラムである。コンピュータプログラムは、情報処理装置で読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、情報処理装置に対する直接の指令ではないが情報処理装置の処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0053】
クラウド10の一部又は全ての機能が、制御部11に含まれる専用回路により実現されてもよい。すなわち、クラウド10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。また、クラウド10は単一の情報処理装置により実現されてもよいし、複数の情報処理装置の協働により実現されてもよい。
【0054】
(ゲートウェイ)
図4は、図2のゲートウェイ20のハードウェア構成例を示すブロック図である。ゲートウェイ20は、制御部21、記憶部22、及び通信部23を備える。ゲートウェイ20の制御部21、記憶部22、及び通信部23の機能及び役割は、クラウド10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同等であり、詳細な説明は省略する。ゲートウェイ20の機能はソフトウェアにより実現されるが、その一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。ゲートウェイ20は単一の情報処理装置により実現されてもよいし、複数の情報処理装置の協働により実現されてもよい。
【0055】
(波形解析装置)
図5は、図2の波形解析装置50のハードウェア構成例を示すブロック図である。波形解析装置50は、制御部51、記憶部52、測定部53、通信部54、入力部55、及び出力部56を備える。波形解析装置50の制御部51、記憶部52、及び通信部54の機能及び役割は、クラウド10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同等であり、詳細な説明は省略する。
【0056】
測定部53は、物理量の測定情報を取得する機能要素である。測定部53が取得する測定情報が示す物理量は、例えば、電圧、電流、及び電力等の電気測定値、並びに、センサ又はトランスデューサを通じて得られる、温度、圧力、流量、レベル、歪み、加速度、pH、及び湿度等が含んでもよいが、これらに限られない。測定部53は、このような物理量を測定するためのセンサであってもよいし、あるいは、このような物理量を測定するための測定装置が接続されるインターフェースとして実現されてもよい。
【0057】
入力部55は、操作者の入力操作を受け付けて、操作者の操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インターフェースを含む。例えば、入力部55は、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、又は、出力部56のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン等であるが、これらに限定されない。
【0058】
出力部56は、操作者に対して情報を出力し、操作者に通知する1つ以上の出力インターフェースを含む。例えば、出力部56は、情報を画像として出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限定されない。このようなディスプレイは、例えば、液晶パネルディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等としてもよい。なお、上述の入力部55及び出力部56の少なくとも一方は、情報処理装置10と一体に構成されてもよいし、別体として設けられてもよい。
【0059】
波形解析装置50の一部又は全ての機能は、ソフトウェアにより実現されてもよい。波形解析装置50は単一の装置により実現されてもよいし、複数の装置の協働により実現されてもよい。
【0060】
(コンピュータ)
図6は、図2のコンピュータ70のハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ70は、制御部71、記憶部72、通信部73、入力部74、及び出力部75を備える。コンピュータ70の制御部71、記憶部72、通信部73、入力部74、及び出力部75の機能及び役割は、クラウド10の制御部11、記憶部12、及び通信部13、並びに、波形解析装置50の入力部55、及び出力部56と同等であり、詳細な説明は省略する。コンピュータ70の機能はソフトウェアにより実現されるが、その一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。コンピュータ70は単一の情報処理装置により実現されてもよいし、複数の情報処理装置の協働により実現されてもよい。
【0061】
(動作例)
図7及び図8は、図2の波形解析システム1の動作例を模式的に示す図である。図7の例では、複数の波形解析装置50a,50b,50c,50dは、領域500内に設けられている。領域500は、例えば、同一の企業の管理領域であり、具体的には、イントラネットが構築された領域としてもよい。領域500は、その内部に含まれる部分的な領域510及び520を備える。領域510,520は、例えば、工場、プラント等の地理的領域により規定されてもよい。図7及び図8の例では、波形解析装置50aは領域510内に設けられ、波形解析装置50b,50c,50dは領域520内に設けられている。これらの波形解析装置50a,50b,50c,50dは、ゲートウェイ20を介してクラウド10に接続される。
【0062】
図7において、コンピュータ70a,70b,70c,70dは、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3、ユーザ4により操作される。図7の例では、コンピュータ70a,70bはPCにより実現され、コンピュータ70c,70dはスマートフォンにより実現されている。図7の例では、コンピュータ70aに対して制御権が付与されている。その結果、ユーザ1は、コンピュータ70aを操作して波形解析装置50を操作して制御することが可能である。他方、ユーザ2~4は、コンピュータ70b~70dを介して波形解析装置50の測定情報及び画面情報を閲覧することができるが、波形解析装置50を操作することはできない。したがって、複数のコンピュータ70が波形解析装置50に対する操作を行って、制御が衝突することを防ぐことができる。
【0063】
図8は、図7が示す動作例の詳細を示している。図8に示すように、領域510には、インバータ511、モータ512、トルク計513、及び負荷514が設置されている。波形解析装置50aは、これらの装置に接続され、各装置から物理量の測定情報を取得する。波形解析装置50aは、取得した測定情報に関する画面情報をその出力部56のディスプレイに表示する。波形解析装置50aは、インバータ511、モータ512、トルク計513、及び負荷514のうち、その入力部55又は制御権が付与されているコンピュータ70aにより指定された装置の測定情報を表示してもよい。波形解析装置50aは、測定情報及び画面情報を、ゲートウェイ20を介してクラウド10へ送信する。
【0064】
領域520には、電源521、インバータ522、モータ523、トルク計524、及び負荷525等の測定装置が設置されている。波形解析装置50bは電源521に接続され、波形解析装置50cはインバータ522に接続され、波形解析装置50dはモータ523、トルク計524、及び負荷525接続される。波形解析装置50b,50c,50dは、それぞれ接続された装置から物理量の測定情報を取得する。波形解析装置50b~50dの各々は、取得した測定情報に関する画面をその出力部56のディスプレイに表示する。波形解析装置50dは、モータ523、トルク計524、及び負荷525のうち、その入力部55又は制御権が付与されているコンピュータ70aにより指定された装置の測定情報を表示してもよい。波形解析装置50b~50dは、測定情報及び画面情報を、ゲートウェイ20を介してクラウド10へ送信する。
【0065】
コンピュータ70a~70dは、クラウド10にアクセスして、複数の波形解析装置50a~50dの測定情報及び画面情報を取得し、図8のように並べて配置して表示する。したがって、ユーザは、複数の波形解析装置50の測定情報及び画面情報を同時に閲覧することができる。また、図8のように、コンピュータ70は、ユーザにより選択された波形解析装置50の画面情報を、他の波形解析装置50よりも大きく表示する。図8の例では、コンピュータ70a及び70bは、波形解析装置50dの画面情報を大きく表示している。コンピュータ70cは、波形解析装置50bの画面情報を大きく表示している。コンピュータ70dは、波形解析装置50cの画面情報を大きく表示している。したがって、ユーザは、所望の波形解析装置50の画面情報を詳細に確認することができる。
【0066】
コンピュータ70aには制御権が付与されているため、ユーザ1は、コンピュータ70aの出力部75のディスプレイに表示された波形解析装置50dの画面を操作することで、波形解析装置50dを操作することができる。なお、クラウド10の表示部103は、波形解析装置50の画面には表示されていない、その波形解析装置50が備えるボタン、スイッチ等の物理的スイッチを操作するためのUI(User Interface)を生成し、コンピュータ70から閲覧できるように提供してもよい。そして、クラウド10は、ユーザによりそのUIが選択された場合、対応する操作情報を生成して波形解析装置50へ送信して、その操作を実行させてもよい。このような構成によれば、コンピュータ70のユーザは、波形解析装置50が備える物理的スイッチを操作するのと同等の遠隔操作を行うことができる。
【0067】
図9及び図10は、一実施形態に係る波形解析システム1の動作例を示すシーケンスチャートである。説明の簡略化のため、図9及び図10は、波形解析装置50が1台存在する場合の例を示しているが、波形解析装置50が複数存在する場合も同様である。図9の処理は、コンピュータ70a~70dのいずれの装置にも制御権が付与されていない状態で開始する。
【0068】
図9のステップS1において、コンピュータ70aは、クラウド10へ波形解析装置50に対する操作を要求する。クラウド10は、コンピュータ70aから、操作の要求を受信する。
【0069】
ステップS2において、クラウド10は、まだいずれのコンピュータ70にも制御権を付与していないため、コンピュータ70aに対して制御権を付与する。これにより、コンピュータ70aが波形解析装置50に対する操作をすることが可能な期間T1が開始する。期間T1において、コンピュータ70aは、波形解析装置50に対して操作をすることが可能である(ステップS3)。
【0070】
ステップS4において、コンピュータ70bは、クラウド10に対して操作を要求している。
【0071】
クラウド10は、既にコンピュータ70aに制御権を付与しているため、制御権を解放するか否かをコンピュータ70aに問い合わせる(ステップS5)。
【0072】
コンピュータ70aは、制御権解放の問合せをクラウド10から受信すると、制御権を解放するか否かを判定する。コンピュータ70aは、例えば、制御権を解放するか否かの指示をユーザ1から受け付けて判定してもよい。あるいは、コンピュータ70aは、一定時間、波形解析装置50に対する操作がユーザ1から入力されなかった場合に制御権を解放すると判定してもよい。図9の例では、コンピュータ70aは、制御権を解放せず、制御権保持を維持すると判定している。
【0073】
ステップS6において、コンピュータ70aは、クラウド10に対して、制御権保持を継続する旨を通知している。これに応じて、クラウド10はコンピュータ70bに対して、制御権の要求を拒絶している(ステップS7)。
【0074】
その後、ステップS8において、コンピュータ70aは、クラウド10に対して、制御権を解放する旨を通知している。これに応じて、クラウド10はコンピュータ70aから、制御権の要求をはく奪している(ステップS9)。
【0075】
図9では、コンピュータ70aは、ステップS5における制御権解放の問合せに対して、制御権保持を継続する旨回答しているが(ステップS6)、図10は、制御権を解放する場合の例を示している。
【0076】
図10のステップS11において、コンピュータ70aは、クラウド10へ波形解析装置5に対する操作を要求する。クラウド10は、コンピュータ70aから、操作の要求を受信する。
【0077】
ステップS12において、クラウド10は、コンピュータ70aに対して制御権を付与する。これにより、コンピュータ70aが波形解析装置50に対する操作をすることが可能な期間T2が開始する。期間T2において、コンピュータ70aは、波形解析装置50に対して操作をすることが可能である(ステップS13)。
【0078】
ステップS14において、コンピュータ70bは、クラウド10に対して操作を要求している。これに応じて、クラウド10は、制御権を解放するか否かをコンピュータ70aに問い合わせる(ステップS15)。
【0079】
図10の例では、コンピュータ70aは、クラウド10からの問い合わせに応じて制御権を解放すると判定している。ステップS16において、コンピュータ70aは、クラウド10に対して、制御権保持を解放する旨を通知している。これに応じて、クラウド10はコンピュータ70aから制御権をはく奪している(ステップS17)。その結果、コンピュータ70aが波形解析装置50に対する操作をすることが可能な期間T2は終了する。
【0080】
ステップS18において、クラウド10はコンピュータ70bに対して制御権を付与する。これにより、コンピュータ70bが波形解析装置50に対する操作をすることが可能な期間T3が開始する。期間T3において、コンピュータ70bは、波形解析装置50に対して操作をすることが可能である(ステップS19)。
【0081】
図11及び図12は、図2のクラウド10の動作例を示すフローチャートである。図11及び図12を参照して説明するクラウド10の動作は本実施形態に係る情報処理装置の情報処理方法の少なくとも一部に相当し得る。図11及び図12の各ステップは、クラウド10の制御部11の制御に基づき実行される。
【0082】
図11は、クラウド10が、コンピュータ70に対して制御権を割り当てる処理手順の一例を示している。ステップS31において、制御部11は、通信部13を介して、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)から操作要求を受信したか否かを判定する。制御部11は、受信した場合(ステップS31においてYES)はステップS32へ進み、そうでない場合(ステップS31においてNO)はそのまま待機する。
【0083】
ステップS32において、制御部11は、複数のコンピュータ70のうちのいずれかのコンピュータ(第2のコンピュータ、例えばコンピュータ70a)に制御権を付与しているか否かを判定する。制御部11は、制御権を付与している場合(ステップS32でYES)はステップS33へ進み、そうでない場合(ステップS32でNO)はステップS37へ進む。
【0084】
ステップS33において、制御部11は、第2のコンピュータ(例えば、コンピュータ70a)へ制御権を解放するか否かの問い合わせを送信する。
【0085】
ステップS34において、制御部11は、第2のコンピュータ(例えば、コンピュータ70a)から制御権解放を受信したか否かを判定する。制御部11は、制御権解放を受信した場合はステップS36へ進み、そうでない場合はステップS35へ進む。
【0086】
ステップS35において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)からの制御権要求を拒絶する。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
【0087】
ステップS36において、制御部11は、第2のコンピュータ(例えば、コンピュータ70a)から制御権をはく奪する。そして、制御部11は、ステップS37へ進む。
【0088】
ステップS37において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)に対して制御権を付与する。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
【0089】
図12は、クラウド10が、いずれかのコンピュータ70から操作を受信した場合における処理手順の一例を示している。図12のステップS41において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)から、操作対象の波形解析装置50を識別する識別情報と共に操作の情報を受信したか否かを判定する。
【0090】
前述のように、コンピュータ70は、出力部75のディスプレイに波形解析装置50の画面を表示する。コンピュータ70は、その画面情報を介した操作をユーザから受け付けることで、波形解析装置50に対する操作を特定して、その操作の内容を示す情報を、波形解析装置50の識別情報と共にクラウド10へ送信する。
【0091】
コンピュータ70が画面情報を介した操作をユーザから受け付ける動作について、図13及び図14を参照して説明する。図13及び図14は、図2のコンピュータ70に表示される波形解析装置50の画面の一例である。図13及び図14は、複数の波形解析装置50のうちのいずれかの波形解析装置(例えば、波形解析装置50d)の画面の画像80を示している。図8のように、コンピュータ70は、複数の波形解析装置50の各々について、その画面を示す画像を表示してもよい。
【0092】
図13において、画像80は、測定情報に関するグラフの表示領域82、スタートボタン84、ストップボタン85、保存ボタン86、領域87、及び制御要求ボタン88を備える。表示領域82は、ユーザにより選択された表示対象の波形測定装置50(例えば、測定装置50d)の表示情報を表示する領域であり、波形測定装置50が備える出力部56のディスプレイに表示される画像と同一の画像を表示する。スタートボタン84は、測定開始を指示するためのボタンである。ストップボタン85は、測定終了を指示するためのボタンである。保存ボタン86は、測定結果を、波形解析装置50の記憶部52、又は、クラウド10の記憶部12に記憶する動作を指示するためのボタンである。領域87は、測定情報を表示している波形測定装置50(例えば、波形解析装置50d)をユーザが認識可能な情報を表示するための領域である。制御要求ボタン88は、ユーザの選択に応じて、制御(操作)要求をクラウド10へ送信するためのボタンである。
【0093】
ユーザは、コンピュータ70の入力部74に対して指示を入力することで、ポインタ81を操作することができる。例えば、ユーザは、入力部75のポインティングデバイス、キーボード、又はタッチパネルを操作して、ポインタ81を操作してもよい。このような操作がユーザからなされた場合、コンピュータ70は、ポインタ81の座標、選択操作の有無等の情報を操作の情報として、クラウド10へ送信してもよい。例えば、ユーザがポインタ81を操作して、画像82内の任意のピクセルを選択(クリック)すると、コンピュータ70は、ユーザにより選択された画像における座標を、クラウド10及びゲートウェイ20を介して、波形解析装置50へ送信する。波形解析装置50は、座標を受信すると、その座標に対応するピクセルがタッチ操作されたと認識して、所定の動作を実行する。
【0094】
また、コンピュータ70は、スタートボタン84が選択された場合、測定開始を示す情報を操作の情報としてクラウド10へ送信してもよい。同様に、コンピュータ70は、ストップボタン85が選択された場合は測定終了を示す情報を、保存ボタン86が選択された場合は測定値の保存を示す情報を、操作の情報としてクラウド10へ送信してもよい。
【0095】
図14は、図2のコンピュータ70に表示される波形解析装置50の画面の別の例である。図13は波形解析装置50の画面をそのまま表示する例を示しているが、図14は、波形解析装置50の画面に含まれる波形のグラフ等を抜き出して表示する例を示している。図14の例では、画像80は、表示領域82,83、スタートボタン84、ストップボタン85、及び保存ボタン86を備える。表示領域82及び83は、波形解析装置50の画面に含まれる波形のグラフ等の表示領域である。表示領域82は、グラフ821、スクロールバー822,823、及び表示領域824を備える。図14の例では、例えば、ユーザは、ポインタ81を操作することで、スクロールバー822,823を選択して移動させることで、グラフ821の表示領域を切り替えることができる。なお、スタートボタン84、ストップボタン85、及び保存ボタン86は、図13と同様である。
【0096】
図12の説明に戻る。ステップS41において、制御部11は、上記のような操作の情報を受信した場合(ステップS41でYES)はステップS42へ進み、そうでない場合(ステップS41でNO)はそのまま待機する。
【0097】
ステップS42において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)に対して制御権を付与しているか否かを判定する。すなわち、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)が波形解析装置50に対する操作を行う権利を有するか否かを判定する。制御部11は、例えば、記憶部12に保持された、いずれの波形解析装置50に制御権を割り当てているかを特定する情報を参照して、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)に対して制御権を付与しているか否かを判定してもよい。制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)に対して制御権を付与している場合(ステップS42でYES)はステップS43へ進み、そうでない場合(ステップS42でNO)はステップS45へ進む。
【0098】
ステップS43において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)からの操作の情報に基づいて操作情報を生成する。
【0099】
ステップS44において、制御部11は、ステップS43で生成した操作情報を、捜査対象の波形解析装置50へ送信する。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
【0100】
ステップS45において、制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)へ操作を拒絶することを示す情報を送信する。そして、制御部11は、フローチャートの処理を終了する。
【0101】
前述のように、クラウド10は、いずれかの波形解析装置50を特定する情報をコンピュータ70から受信した場合、特定された波形解析装置50の画面情報を他の波形解析装置50よりも高いビットレートでコンピュータ50へ送信してもよい。このような処理について、図15を参照して説明する。図15は、図2のクラウド10の動作例を示すフローチャートである。図15を参照して説明するクラウド10の動作は本実施形態に係る情報処理装置の情報処理方法の少なくとも一部に相当し得る。図15の各ステップは、クラウド10の制御部11の制御に基づき実行される。
【0102】
ステップS51において、制御部11は、複数の波形解析装置50の各々から画面情報を受信する。
【0103】
ステップS52において、制御部11は、いずれかの波形解析装置50を特定する情報をコンピュータ70から受信する。例えば、制御部11は、制御権を有するコンピュータ70によって特定の波形解析装置50が操作されている場合、その波形解析装置50を特定する情報として、その波形解析装置50に対する操作の情報を受信してもよい。この場合、ある波形解析装置50が操作されているときは、その波形解析装置50の画面情報は、他の波形解析装置50よりも高いビットレートで送信されることになる。
【0104】
ステップS53において、制御部11は、ステップS52において特定された波形解析装置50の画面情報を他の波形解析装置50よりも高いビットレートでコンピュータ70へ送信する。例えば、制御部11は、特定された波形解析装置50の画面情報のビットレートをより大きくし、他の波形解析装置50の画面情報のビットレートをより小さくして、コンピュータ70へ送信してもよい。
【0105】
以上のように、クラウド10の制御部11は、物理量の測定情報を取得する波形解析装置50から測定情報に関する画面情報を通信部13により受信し、取得した画面情報を複数のコンピュータ70へ通信部13により送信する。制御部11は、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)から、波形解析装置50に対する画面情報を介した操作の要求を受信すると、第1のコンピュータ70bを除く複数のコンピュータ70のいずれかのコンピュータ70に対して、波形解析装置50に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する。制御部11は、第1のコンピュータ70bを除く複数のコンピュータ70のいずれのコンピュータ70にも制御権を付与していないと判定された場合、第1のコンピュータ70bに対して制御権を付与する。
【0106】
このように、制御部11は、複数のコンピュータ70のうちの制御権が付与された複数のコンピュータ70のみに対して、波形解析装置50に対する操作を許可する。したがって、複数のコンピュータ70からの操作が衝突することを防ぐことができ、複数の波形解析装置50に対して複数の装置からアクセス可能なシステムを改善することができる。
【0107】
なお、本実施形態では、クラウド10が、複数の波形解析装置50の全てを操作するための制御権を1つのコンピュータ70に割り当てる例を説明したが、このような構成に限られない。例えば、クラウド10は、領域510,520毎に、その領域に含まれる各波形解析装置50を操作するための制御権を異なるコンピュータ70に付与してもよい。また、本実施形態では、波形解析システム1が1つのゲートウェイ20を備える構成例を説明したが、このような構成に限られない。例えば、波形解析システム1は複数のゲートウェイ20を備え、クラウド10は、ゲートウェイ20毎に、そのゲートウェイ20に接続された1つ以上の波形解析装置50を操作するための制御権をコンピュータ70に割り当てるようにしてもよい。
【0108】
また、制御部11は、第1のコンピュータ70bから要求を受信した場合に、第2のコンピュータ(例えば、コンピュータ70a)に対して制御権を付与していると判定されたときは、制御権を解放するか否かを問い合わせるための情報を第2のコンピュータ70aへ通信部13により送信してもよい。制御部11は、第2のコンピュータ70aから制御権を解放することを示す情報を受信した場合、第2のコンピュータ70aから制御権をはく奪し、第1のコンピュータ70bに対して制御権を付与してもよい。
【0109】
このように、制御部11は、既に第2のコンピュータ70aに制御権を付与している場合に第1のコンピュータ70bから操作の要求を受信したときは、第2のコンピュータ70aに制御権を解放することを確認した上で制御権をはく奪し、第1のコンピュータ70bに制御権を付与する。したがって、コンピュータ70間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0110】
また、制御部11は、第2のコンピュータ70aから制御権を解放しないことを示す情報を受信した場合、第1のコンピュータ(例えば、コンピュータ70b)からの要求を拒絶してもよい。したがって、コンピュータ70間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0111】
また、制御部11は、複数のコンピュータ70のいずれかのコンピュータ70から波形解析装置50に対する操作の情報を通信部13により受信した場合、当該コンピュータ70に対して制御権が付与されているか否かを判定してもよい。制御部11は、操作の情報を送信したコンピュータ70に対して制御権が付与されていると判定された場合は、操作の情報に基づき、波形解析装置50が解析可能な操作情報を生成し、その操作情報を波形解析装置50へ通信部13により送信してもよい。したがって、制御権を付与したことが確認されたコンピュータ70からの操作のみを受け付けることができ、コンピュータ70間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0112】
また、制御部11は、制御権が付与されたコンピュータ70から、操作の情報と共に波形解析装置50の識別情報を受信すると、操作の情報に基づき生成された操作情報を識別情報により識別される波形解析装置50へ送信する。したがって、ユーザは、所望の波形解析装置50を操作することができる。
【0113】
また、制御部11は、操作の情報を送信したコンピュータ70に対して制御権が付与されていないと判定された場合は、そのコンピュータ70の操作を拒絶してもよい。したがって、制御権を付与したことが確認されたコンピュータ70からの操作のみを受け付けることができ、コンピュータ70間の制御権の割当を適切に調停することが可能である。
【0114】
また、制御部11は、第1の波形解析装置(例えば、波形解析装置50d)から第1の画面情報を通信部13により受信し、第2の波形解析装置50(例えば、波形解析装置50c)から第2の画面情報を通信部13により受信してもよい。その場合、制御部11は、複数のコンピュータ70のいずれかのコンピュータ70から、第1の波形解析装置50dを特定する情報を受信した場合、第1の画面情報を、第2の画面情報よりもより高いビットレートで、複数のコンピュータ70へ送信してもよい。したがって、通信量を節約しつつ、優先度の高い波形解析装置50については、詳細な画面情報を通信端末に提供することが可能である。
【0115】
また、制御部11は、制御権が付与されているコンピュータ70によって第1の波形解析装置50dが操作されている場合、第1の波形解析装置50dを特定する情報として、当該第1の波形解析装置50dに対する操作の情報を受信してもよい。したがって、操作が行われている波形解析装置50の画面情報を、より優先的に通信端末に提供することが可能である。
【0116】
また、制御部11は、複数のコンピュータ70のいずれかのコンピュータ70から、第1の波形解析装置50dを特定する情報を受信した場合、第1の画面情報を、第2の画面情報よりも更新レート及び解像度の少なくともいずれかを大きくして、複数のコンピュータ70へ送信してもよい。したがって、通信量を節約しつつ、優先度の高い波形解析装置50については、更新レート及び解像度の少なくともいずれかが高い高品質な画面情報を通信端末に提供することが可能である。
【0117】
なお、制御部11は、制御権が付与されたコンピュータ(例えば、コンピュータ70a)の表示画面を全てのコンピュータ70へ送信するようにしてもよい。これにより、コンピュータ70aがある波形解析装置(例えば、波形解析装置50d)を制御中であることを、別のコンピュータからも知ることができる。
【0118】
以上のように、波形解析システム1によれば、コンピュータ70がネットワーク上のクラウド10を介して波形解析装置50に接続することができる。したがって、コンピュータ70のユーザは、波形解析装置50が設置された現場に出向くことなく、遠隔地から波形解析装置50の状態を確認及び制御することができる。例えば、ユーザは、複数の波形解析装置50の状態を同時に確認・制御することができ、遠隔監視及び遠隔開発の用途に使用できる。また、複数のコンピュータ50による接続が可能なことから、波形解析システム1は、共同の開発及び教育の用途にも使用することができる。
【0119】
波形解析システム1においては、複数のコンピュータ70と複数の波形解析装置50が、ネットワーク上のクラウド10を介して接続可能になる。したがって、波形解析システム1は、例えば、遠隔地からの実験環境の計測、遠隔地からの共同開発、遠隔地からの設備監視、遠隔地から波形解析装置を用いた教育・研修、及び、遠隔地からのカスタマーサポート等に展開することが可能である。波形解析システム1は、波形解析装置50の監視のみならず、必要に応じて波形解析装置50の動作を遠隔から制御することができる。そのため、例えば、コンピュータ70のユーザは、波形解析装置50の画面に表示されている波形の状態により、波形解析装置50の波形取得条件を変更して波形データを取得することができる。
【0120】
本開示の実施形態例について以下に付記する。
[1]
情報処理装置の制御部が、
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する工程と、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する工程と、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する工程と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する工程と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する工程と、
含む、情報処理装置の情報処理方法。
[2]
前記制御部が、
前記第1の操作端末から前記要求を受信した場合に、第2の前記操作端末に対して前記制御権を付与していると判定されたときは、前記制御権を解放するか否かを問い合わせるための情報を前記第2の操作端末へ前記通信部により送信し、
前記第2の操作端末から前記制御権を解放することを示す情報を受信した場合、前記第2の操作端末から前記制御権をはく奪し、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する、
[1]に記載の情報処理方法。
[3]
前記制御部が、前記第2の操作端末から前記制御権を解放しないことを示す情報を受信した場合、前記第1の操作端末からの前記要求を拒絶する、[2]に記載の情報処理方法。
[4]
前記制御部が、
前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から前記波形解析装置に対する操作の情報を前記通信部により受信した場合、当該操作端末に対して前記制御権が付与されているか否かを判定し、
前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていると判定された場合は、前記操作の情報に基づき、前記波形解析装置が解析可能な操作情報を生成し、
前記操作情報を前記波形解析装置へ前記通信部により送信する、
[1]から[3]のいずれか一項に記載の情報処理方法。
[5]
前記制御部が、前記操作の情報を送信した前記操作端末に対して前記制御権が付与されていないと判定された場合は、当該操作端末の操作を拒絶する、[4]に記載の情報処理方法。
[6]
前記制御部が、
第1の前記波形解析装置から第1の前記画面情報を前記通信部により受信し、
第2の前記波形解析装置から第2の前記画面情報を前記通信部により受信し、
前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりもより高いビットレートで、前記複数の操作端末へ送信する、
[1]から[5]のいずれか一項に記載の情報処理方法。
[7]
前記制御部が、前記制御権が付与されている前記操作端末によって前記第1の波形解析装置が操作されている場合、前記第1の波形解析装置を特定する情報として、当該第1の波形解析装置に対する操作の情報を受信する、[6]に記載の情報処理方法。
[8]
前記制御部が、前記複数の操作端末のいずれかの操作端末から、前記第1の波形解析装置を特定する情報を受信した場合、前記第1の画面情報を、前記第2の画面情報よりも更新レート及び解像度の少なくともいずれかを大きくして、前記複数の操作端末へ送信する、[6]又は[7]に記載の情報処理方法。
[9]
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信し、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信し、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信し、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定し、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する、
制御部を備える情報処理装置。
[10]
コンピュータを、
物理量の測定情報を取得する波形解析装置から前記測定情報に関する画面情報を通信部により受信する手順と、
取得した前記画面情報を複数の操作端末へ前記通信部により送信する手順と、
第1の前記操作端末から、前記波形解析装置に対する前記画面情報を介した操作の要求を受信する手順と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれかの操作端末に対して、前記波形解析装置に対する操作についての制御権を付与しているか否かを判定する手順と、
前記第1の操作端末を除く前記複数の操作端末のいずれの操作端末にも前記制御権を付与していないと判定された場合、前記第1の操作端末に対して前記制御権を付与する手順と、
を実行する情報処理装置として動作させるプログラム。
【0121】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックは統合されてもよいし、又は1つのブロックは分割されてもよい。フローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 波形解析システム
10 クラウド
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
101 表示・制御システム
102 Webサイト
103 表示部
104 制御インターフェース
105 記録部
20 ゲートウェイ
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
201 接続管理システム
50 波形解析装置
51 制御部
52 記憶部
53 測定部
54 通信部
55 入力部
56 出力部
500 領域
510 領域
511 インバータ
512 モータ
513 トルク計
514 負荷
520 領域
521 電源
522 インバータ
523 モータ
524 トルク計
525 負荷
70 コンピュータ
71 制御部
72 記憶部
73 通信部
74 入力部
75 出力部
80 画像
81 ポインタ
82 表示領域
821 グラフ
822 スクロールバー
823 スクロールバー
824 表示領域
83 表示領域
84 スタートボタン
85 ストップボタン
86 保存ボタン
9 波形解析システム
91 コンピュータ
92 波形解析装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15