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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180610
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ブレーカ用カバー
(51)【国際特許分類】
   B25D 17/14 20060101AFI20231214BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B25D17/14
E04G23/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094046
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】391010149
【氏名又は名称】株式会社越智工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(72)【発明者】
【氏名】越智 万
(72)【発明者】
【氏名】越智 戒
【テーマコード(参考)】
2D058
2E176
【Fターム(参考)】
2D058AA12
2D058DA21
2E176AA01
2E176DD14
(57)【要約】
【課題】壊れた場合に容易に且つ経済的に修理可能なブレーカ用カバーを提供する。
【解決手段】チゼルCHの周方向を囲うように配され、チゼルCHの末端側に配される第一端部11a及びチゼルCHの先端側に配される第二端部11bを有する略筒状のカバー本体11と、ブレーカBRをチゼルCHの軸方向に遊挿可能なブレーカ遊挿孔121a及びブレーカBRをブレーカ遊挿孔121aに遊挿した状態でブレーカBRに固定する固定部123を有する第一フレーム12と、カバー本体11における第一端部11aの近傍と第一フレーム12とを着脱自在に連結する第一連結用孔111a、113a及び第一連結用フック122とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チゼルで対象物を打撃し、該対象物を斫るブレーカに取り付けられるブレーカ用カバーであって、
前記チゼルの周方向を囲うように配され、該チゼルの末端側に配される第一端部及び該チゼルの先端側に配される第二端部を有する略筒状のカバー本体と、
前記ブレーカを前記チゼルの軸方向に遊挿可能なブレーカ遊挿孔及び前記ブレーカを前記ブレーカ遊挿孔に遊挿した状態で該ブレーカに固定する固定部を有する第一フレームと、
前記カバー本体における第一端部の近傍と前記第一フレームとを着脱自在に連結する第一連結部と、
を備えるブレーカ用カバー。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーカ用カバーであって、さらに、
前記チゼルを該チゼルの軸方向に遊挿可能なチゼル遊挿孔を有する第二フレームと、
前記カバー本体における第二端部の近傍と前記第二フレームとを着脱自在に連結する第二連結部と、
を備えるブレーカ用カバー。
【請求項3】
請求項1に記載のブレーカ用カバーであって、
前記第一フレームは、前記固定部を介して、前記ブレーカにおけるチゼルの軸方向の所望の位置に固定されるブレーカ用カバー。
【請求項4】
請求項1に記載のブレーカ用カバーであって、
前記カバー本体の前記ブレーカの使用者と対向する箇所の少なくとも一部が透明の素材からなるブレーカ用カバー。
【請求項5】
請求項4に記載のブレーカ用カバーであって、
前記カバー本体の透明の素材でない部分の少なくとも一部がメッシュ素材からなるブレーカ用カバー。
【請求項6】
請求項1に記載のブレーカ用カバーであって、
前記カバー本体が、前記ブレーカと前記第一端部の近傍との隙間を調整する隙間調整部を有するブレーカ用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーカに取り付けられるブレーカ用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートや石等の斫り作業には、チゼル(ロッドとも呼ばれる。)により対象物を打撃するブレーカと呼ばれる装置が用いられる。ブレーカを用いることで効率的に斫り作業を行うことができるものの、作業に伴って対象物の破片が飛散するため、この飛散物によって周囲の人が怪我をしたり、周囲の物や建物が破損したりといった問題があった。
【0003】
このような問題の対策の一つとしては、ブレーカの近くに板等の遮蔽物を持った人が立ち、飛散物が周囲に飛散するのを防ぐといった方法が知られている。しかしながら、この方法は、遮蔽物を持つ人が怪我を負うリスクが高く、余計に人員が必要となるため、好適な方法とはいえない。
【0004】
その他の方法としては、例えば、特許文献1に示されるように、ブレーカにブレーカ用カバーを取り付ける方法が知られている。しかしながら、このような従来のブレーカ用カバーは、対象物の破片がぶつかることで壊れた場合、容易に修理できないので、ブレーカ用カバー全体を取りかえなければならず、非経済的であった。また、斫り作業の途中でブレーカ用カバーが壊れた場合には、ブレーカ用カバー全体の交換が必要となるため、作業を長時間中断することとなり、非効率的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3229647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の第一の目的は、壊れた場合に容易に且つ経済的に修理可能なブレーカ用カバーを提供することにある。加えて、第二の目的としてブレーカ用カバーがチゼルに巻き込まれて壊れることの防止があり、第三の目的として様々な態様のブレーカや、作業状況に適用できるような汎用性の獲得がある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の第1の側面に係るブレーカ用カバーは、チゼルで対象物を打撃し、該対象物を斫るブレーカに取り付けられるブレーカ用カバーであって、前記チゼルの周方向を囲うように配され、該チゼルの末端側に配される第一端部及び該チゼルの先端側に配される第二端部を有する略筒状のカバー本体と、前記ブレーカを前記チゼルの軸方向に遊挿可能なブレーカ遊挿孔及び前記ブレーカを前記ブレーカ遊挿孔に遊挿した状態で該ブレーカに固定する固定部を有する第一フレームと、前記カバー本体における第一端部の近傍と前記第一フレームとを着脱自在に連結する第一連結部とを備えるよう構成できる。前記構成によれば、カバー本体と第一フレームとが着脱自在に連結されるため、例えば、カバー本体が対象物の破片がぶつかることで壊れたとしても、カバー本体のみを交換すればよいので、容易に且つ経済的に修理できる。また、斫り作業中の途中でカバー本体が壊れたとしても、第一フレームは固定したままカバー本体のみを交換できるので、作業の中断が短時間ですみ、効率的である。
【0008】
また、本発明の第2の側面に係るブレーカ用カバーは、前記チゼルを該チゼルの軸方向に遊挿可能なチゼル遊挿孔を有する第二フレームと、前記カバー本体における第二端部の近傍と前記第二フレームとを着脱自在に連結する第二連結部とを備えるよう構成できる。前記構成によれば、カバー本体のチゼルの先端側の端部(第二端部)に第二フレームを連結できるので、カバー本体が第二フレームの重みによって引っ張られ、カバー本体がチゼルに巻き込まれて壊れることを防止できる。また、第二フレームの重みにより、カバー本体の第二端部が対象物と密着するため、カバー本体と対象物との隙間から飛散物が飛散することを防止できる。
【0009】
さらにまた、本発明の第3の側面に係るブレーカ用カバーは、前記第一フレームは、前記固定部を介して、前記ブレーカにおけるチゼルの軸方向の所望の位置に固定されるよう構成できる。前記構成によれば、ブレーカ用カバーをブレーカにおけるチゼルの軸方向の所望の位置に固定できるので、チゼルの長さや、ブレーカが対象物を削り進む深さに応じてブレーカ用カバーの取り付け位置を調整することができる。すなわち、1つのブレーカ用カバーで、様々な態様のブレーカや、作業状況に適応可能であり、汎用的である。
【0010】
さらにまた、本発明の第4の側面に係るブレーカ用カバーは、前記カバー本体の前記ブレーカの使用者と対向する箇所の少なくとも一部が透明の素材からなるようであるよう構成できる。前記構成によれば、使用者は、カバー本体の内部を視認できるので、ブレーカ用カバーをブレーカに取り付けていない場合と同様に、対象物やチゼルを確認しながらブレーカを使用することができる。
【0011】
さらにまた、本発明の第5の側面に係るブレーカ用カバーは、前記カバー本体の透明の素材でない部分の少なくとも一部がメッシュ素材からなるよう構成できる。前記構成によれば、斫り作業の際に生じる砂埃等をカバー本体外に逃がすことができるので、砂埃等がカバー本体の透明の部分の視界を遮ることを防止できる。
【0012】
さらにまた、本発明の第6の側面に係るブレーカ用カバーは、前記カバー本体が、前記ブレーカと前記第一端部の近傍との隙間を調整する隙間調整部を有するよう構成できる。前記構成によれば、ブレーカと第一端部の近傍との隙間から飛散物が飛散することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係るブレーカ用カバーをブレーカに取り付けた状態の正面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係るブレーカ用カバーをブレーカに取り付けた状態の右側面図である。
図3】ブレーカ用カバー適用したブレーカの使用状態を示す模式図である。
図4】第一フレームの底面図である。
図5】第二フレームの底面図である。
図6】ブレーカ用カバーの取り付け方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[ブレーカ用カバー1]
【0015】
本発明の一実施の形態に係るブレーカ用カバー1について図1図6に基づいて説明する。
【0016】
ブレーカ用カバー1は、図1及び図2(破線は、カバー本体11の内部に配され、外部からは視認できない部材を示している。)に示すようにカバー本体11、第一フレーム12及び第二フレーム13を備え、ブレーカBR(油圧シャベルの先端に取り付けるアタッチメントタイプのブレーカや、使用者が把持して使用するハンドブレーカ等、種類は問わない。)に取り付けて使用される。以下で各部材について説明する。
〈カバー本体11〉
【0017】
カバー本体11は、図1及び図2に示すように、第一シート状部材111、2つの第二シート状部材112、第三シート状部材113及び隙間調整部114とからなる略四角錐台形状の部材であって、上面側、すなわち、ブレーカ用カバー1がブレーカBRに取り付けられた状態においてチゼルCHの末端側の端部を第一端部11aという。反対に、底面側、すなわち、ブレーカ用カバー1がブレーカBRに取り付けられた状態においてチゼルCHの先端側の端部を第二端部11bという。
【0018】
カバー本体11は、第一端部11aが第一連結部14を介して第一フレーム12と連結され、第二端部11bが第二連結部15を介して第二フレーム13と連結される。これにより、カバー本体11は、チゼルCHの周方向を囲うように配され、斫り作業の対象物の破片が周囲に飛散するのを防ぐことができる。
【0019】
また、チゼルCHの軸方向と平行なフレームは連結されないので、図3に示すように、チゼルCHの軸方向には自由に撓むことができ、チゼルCHの軸方向の動きを阻害することはない。すなわち、ブレーカ用カバー1は、ブレーカBRが対象物を削り進み、チゼルCHが対象物に埋まっていくような作業においても適用可能である。
【0020】
さらにまた、カバー本体11は、第一フレーム12及び第二フレーム13と着脱自在に連結されるため、例えば、カバー本体11が対象物の破片がぶつかることで壊れたとしても、カバー本体11のみを交換すればよいので、容易に且つ経済的に修理できる。また、斫り作業中の途中でカバー本体11が壊れたとしても、第一フレーム12は固定したままカバー本体11のみを交換できるので、作業の中断が短時間ですみ、効率的である。
《第一シート状部材111》
【0021】
第一シート状部材111は、略台形形状の透明な塩化ビニール製のシートであり、特許請求の範囲における「透明の素材」の一例に対応する。第一シート状部材111は、隣接する2つの第二シート状部材112と縫合され、図1及び図2に示すように、第二シート状部材112、第三シート状部材113と共に略四角錐台形状を形成する。
【0022】
また、第一シート状部材111は、ブレーカ用カバー1がブレーカBRに取り付けられた状態において、ブレーカBRの使用者と対向する位置に配される。これにより、使用者は、カバー本体11の内部を視認できるので、ブレーカ用カバー1をブレーカBRに取り付けていない場合と同様に、対象物やチゼルCHを確認しながらブレーカBRを使用することができる。
【0023】
また、第一シート状部材111は、第一端部11aの近傍に第一連結用孔111a(特許請求の範囲における「第一連結部」の一例に対応する。)を2つ有し、第二端部11bの近傍に第二連結用孔111b(特許請求の範囲における「第二連結部」の一例に対応する。)を3つ有している。第一連結用孔111a及び第二連結用孔111bはハトメで補強された孔であって、第一連結用孔111aは第一フレーム12の第一連結用フック122と連結でき、第二連結用孔111bは第二フレーム13の第二連結用フック132と連結できる。これにより、カバー本体、第一フレーム及び第二フレームは着脱自在に連結可能である。
《第二シート状部材112》
【0024】
第二シート状部材112は、略台形形状のメッシュシート(例えば、平岡織染株式会社のターポスクリーン(登録商標)#2054が使用できる。)であり、特許請求の範囲における「メッシュ素材」の一例に対応する。第二シート状部材111は、隣接する第一シート状部材111及び第三シート状部材113と縫合され、図1及び図2に示すように、第一シート状部材111、第三シート状部材113と共に略四角錐台形状を形成する。
【0025】
カバー本体11は、第二シート状部材112a~112cを備えることにより、斫り作業の際に生じる砂埃等をカバー本体11外に逃がすことができる。これにより、カバー本体11内で砂埃等が生じ、この砂埃等が第一シート状部材111を遮ることを防止できる。
【0026】
また、第二シート状部材112は、第一端部11aの近傍に、十字の切れ目であるボルト嵌挿孔112aを2つ有する。ボルト嵌挿孔112aは、固定部123のボルト123bを嵌挿できるので、ボルト123bの頭をボルト嵌挿孔112a介してカバー本体外に出しておくことで、カバー本体11を取り外すことなく固定部123を操作できる。
【0027】
さらにまた、第二シート状部材112は、第二端部11bの近傍に第二連結用孔112b(特許請求の範囲における「第二連結部」の一例に対応する。)を5つ有している。第二連結用孔112bはハトメで補強された孔であって、第二フレーム13の第二連結用フック132と連結できる。これにより、カバー本体及び第二フレームは着脱自在に連結可能である。
《第三シート状部材113》
【0028】
第二シート状部材113は、第二シート状部材112と同様に略台形形状のメッシュシートであり、特許請求の範囲における「メッシュ素材」の一例に対応する。第三シート状部材113は、隣接する第二シート状部材112と縫合され、図1及び図2に示すように、第一シート状部材111、第三シート状部材113と共に略四角錐台形状を形成する。
【0029】
カバー本体11は、第三シート状部材113を備えることにより、斫り作業の際に生じる砂埃等をカバー本体11外に逃がすことができる。これにより、カバー本体11内で砂埃等が生じ、この砂埃等が第一シート状部材111を遮ることを防止できる。
【0030】
また、第三シート状部材113は、第一端部11aの近傍に第一連結用孔113a(特許請求の範囲における「第一連結部」の一例に対応する。)を2つ有し、第二端部11bの近傍に第二連結用孔113b(特許請求の範囲における「第二連結部」の一例に対応する。)を3つ有している。第一連結用孔113a及び第二連結用孔113bはハトメで補強された孔であって、第一連結用孔113aは第一フレーム12の第一連結用フック122と連結でき、第二連結用孔113bは第二フレーム13の第二連結用フック132と連結できる。これにより、カバー本体、第一フレーム及び第二フレームは着脱自在に連結可能である。
《隙間調整部114》
【0031】
隙間調整部114は、図1及び図2に示すように、カバー本体11の第一端部11aに設けられた紐114a及び紐通し口114bの総称である。隙間調整部114は、紐114aを用いて第一端部11aを絞ることができる。これにより、ブレーカBRと第一端部11aの近傍との隙間から飛散物が飛散することを防止できる。
《カバー本体11の他の態様》
【0032】
なお、カバー本体11は前述の態様に限定されない。
【0033】
例えば、第一シート状部材111は必ずしも透明の素材である必要はなく、不透明な素材で構成してもよいし、一部を透明の素材で構成してもよい。第二シート状部材112及び第三シート状部材113も同様に、必ずしもメッシュ素材である必要はなく、メッシュ素材以外の素材で構成してもよいし、一部をメッシュ素材で構成してもよい。
【0034】
また、第一シート状部材111、第二シート状部材112及び第三シート状部材113の形状は略台形形状に限定されず適宜変更可能である。
【0035】
さらにまた、第一連結用孔111a、113a及び第二連結用孔111b~113bは前述の態様に限定されず、その形状、数、ハトメの有無等は適宜変更可能である。
【0036】
さらにまた、第二シート状部材112及び第三シート状部材113のメッシュの目の粗さは特に限定されない。目の粗さを粗くすれば、より効率的に砂埃等をカバー本体11外に逃がすことができ、目の粗さを細かくすれば、より小さい飛散物をカバー本体11外に出さないようにできるので、例えば、使用者が好みの目の粗さの第二シート状部材112及び第三シート状部材113を有するカバー本体11を選択的に使用できるようにしてもよい。
【0037】
さらにまた、隙間調整部114は、必ずしも紐114a及び紐通し口114bで構成する必要はなく、前記ブレーカと前記第一端部の近傍との隙間を調整できる構成であれば特に限定されない。
【0038】
さらにいえば、透明の素材の箇所やメッシュ素材の箇所、隙間調整部114は必ずしも必要ではない。
【0039】
さらにまた、カバー本体11の大きさや形状も特に限定されない。カバー本体、第一フレーム及び第二フレームは着脱自在に連結可能であるため、様々な大きさ、形状のカバー本体11を予め準備しておけば、ブレーカ用カバー1を取り付けるブレーカBRの形状や、チゼルCHの長さに合わせて、カバー本体11を適宜付け替えることも可能である。
〈第一フレーム12〉
【0040】
第一フレーム12は、図1図2及び図4に示すように、第一フレーム本体121、第一連結用フック122(特許請求の範囲における「第一連結部」の一例に対応する。)及び固定部123とからなるフレームである。
【0041】
第一フレーム12は、第一連結用フック122及び第一連結用孔111a、113aを介してカバー本体11と連結され、固定部123を介してブレーカBRに固定される。これにより、カバー本体11を、チゼルCHの周方向を囲うように配することができ、斫り作業の対象物の破片が周囲に飛散するのを防ぐことができる。
【0042】
また、ブレーカBRをチゼルCHの軸方向に遊挿可能なブレーカ遊挿孔121aと、ブレーカBRにおけるチゼルCHの軸方向の所望の位置に固定できる固定部123とを有することにより、ブレーカ用カバー1をブレーカBRにおけるチゼルCHの軸方向の所望の位置に固定できる。これにより、チゼルCHの長さや、ブレーカBRが対象物を削り進む深さに応じてブレーカ用カバー1の取り付け位置を調整することができる。すなわち、1つのブレーカ用カバーで、様々な態様のブレーカや、作業状況に適応可能であり、汎用的である。
《第一フレーム本体121》
【0043】
第一フレーム本体121は、図1図2及び図4に示すように、4本のパイプが略「ロ」字状に溶着されてなり、略中央にブレーカ遊挿孔121aを有する。ブレーカ遊挿孔121aはブレーカBR外周よりも大きい孔であり、ブレーカBRをチゼルCHの軸方向に遊挿できる。
《第一連結用フック122》
【0044】
第一連結用フック122は、カバー本体11と第一フレーム12とを連結するための部材である。
【0045】
より具体的に、第一連結用フック122は、第一連結用孔111a、113aと相対する位置に配された4つの略「L」字状のフックである。これにより、使用者は、第一連結用フック122を第一連結用孔111a、113aに通すことでカバー本体11と第一フレーム12とを連結することができる。
《固定部123》
【0046】
固定部123は、図1図2及び図4に示すように、4つのナット123aと、これらに螺合可能な4つのボルト123bとからなる。
【0047】
図1図2及び図4に示すように、4つのナット123aは第一フレーム本体121に溶着され、これらにボルト123bを螺合することで、ボルト123bの先端がブレーカBRを挟み込み、第一フレーム12をブレーカBRに固定し、ひいては、ブレーカ用カバー1をブレーカBRに固定することができる。なお、固定部123は、ナット123aと別に緩みを防止用のナット(いわゆるダブルナット)を備えることもできる。
【0048】
また、ボルト123bは、その頭を第二シート状部材112a、112cのボルト嵌挿孔112aに嵌挿可能であるため、カバー本体と第一フレームとを連結した状態のまま固定部を操作できる。
《第一フレーム12の他の態様》
【0049】
なお、第一フレーム12は前述の態様に限定されない。
【0050】
例えば、第一フレーム本体121の形状は前述の態様に限定されず、適宜変更可能である。
【0051】
また、第一連結用フック122は前述の態様に限定されず、その形状、数等は適宜変更可能である。さらにいえば、特許請求の範囲における「第一連結部」は、第一連結用孔111a、113a及び第一連結用フック122に限定されず、第一端部11aの近傍と第一フレーム12とを着脱自在に連結できる部材であれば特に限定されない。
【0052】
さらにまた、固定部123は前述の態様に限定されず、その態様、数等は適宜変更可能である。例えば、第一フレーム本体121に溶着されるナット123aに代えて、第一フレーム本体121に直接雌ねじを設けるようにしてもよい。
〈第二フレーム13〉
【0053】
第二フレーム13は、図1図2及び図5に示すように、第二一フレーム本体131及び第二連結用フック132(特許請求の範囲における「第二連結部」の一例に対応する。)とからなるフレームである。
【0054】
第二フレーム13は、第二連結用フック132及び第二連結用孔111b~113bを介してカバー本体11と連結される。図3に示すように、カバー本体11は第二フレーム13の重みによって引っ張られ、張った状態になるため、カバー本体11がチゼルCHに巻き込まれて壊れることを防止できる。なお、予め、カバー本体11が揺れたとしてもチゼルCHの先端がカバー本体11に接触しないように、第一フレーム12をブレーカBRに固定するようにするとより好適である。
《第二フレーム本体131》
【0055】
第二フレーム本体131は、図1図2及び図5に示すように、4本のパイプが第一フレーム本体121よりも大きい略「ロ」字状に溶着されてなり、略中央にチゼル遊挿孔131aを有する。チゼル遊挿孔131aはブレーカ遊挿孔121aよりも大きい孔であって、チゼルCHを軸方向に遊挿可能である。
《第二連結用フック132》
【0056】
第二連結用フック132は、カバー本体11と第二フレーム13とを連結するための部材である。
【0057】
より具体的に、第三連結用フック122は、第二連結用孔111b~113bと相対する位置に配された16個の略逆「L」字状のフックである。これにより、使用者は、第二連結用フック132を第二連結用孔111b~113bに通すことでカバー本体11と第二フレーム13とを連結することができる。
《第二フレーム13の他の態様》
【0058】
なお、第二フレーム13は前述の態様に限定されない。
【0059】
例えば、第二フレーム本体131の形状は前述の態様に限定されず、適宜変更可能である。
【0060】
また、第二連結用フック132は前述の態様に限定されず、その形状、数等は適宜変更可能である。さらにいえば、特許請求の範囲における「第二連結部」は、第二連結用孔111b~113b及び第二連結用フック132に限定されず、第一端部11aの近傍と第一フレーム12とを着脱自在に連結できる部材であれば特に限定されない。
[ブレーカ用カバー1の取り付け方法]
【0061】
ブレーカ用カバー1の取り付け方法について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0062】
まずステップST101で、第一フレーム12の固定部123を用いて、ブレーカ用カバー1をブレーカBRに固定する。具体的には、第一シート状部材111がブレーカBRの使用者と対向する方向となるよう、第一フレーム12のブレーカ遊挿孔121aにブレーカBRを遊挿し、ナット123aにボルト123bを螺合し、ボルト123bの先端でブレーカBRを挟み込んで固定する。
【0063】
次にステップST102で、カバー本体11と第二フレーム13とを連結する。具体的には、第二連結用フック132を第二連結用孔111b~113bに通すことでカバー本体11と第二フレーム13とを連結する。
【0064】
最後にステップST103で、カバー本体11と第一フレーム12とを連結する。具体的には、第一連結用フック122を第一連結用孔111a、113aに通すことでカバー本体11と第一フレーム12とを連結する。
【0065】
このように、ブレーカ用カバー1は、ブレーカBRに容易に取り付けることができる。
[ブレーカ用カバー1の効果]
【0066】
以上説明したように、ブレーカ用カバー1は、カバー本体11と第一フレーム12及び第二フレーム13とが着脱自在に連結されるため、例えば、カバー本体11が対象物の破片がぶつかることで壊れたとしても、カバー本体11のみを交換すればよいので、容易に且つ経済的に修理できる。また、斫り作業の途中でカバー本体11が壊れたとしても、第一フレーム12は固定したままカバー本体11のみを交換できるので、作業の中断が短時間ですみ、効率的である。
【0067】
加えて、カバー本体11の第二端部11bに第二フレーム13を連結できるので、カバー本体11が第二フレーム13の重みによって引っ張られ、カバー本体11がチゼルCHに巻き込まれて壊れることを防止できる。
【0068】
また、ブレーカBRをチゼルCHの軸方向に遊挿可能なブレーカ遊挿孔121aと、ブレーカBRにおけるチゼルCHの軸方向の所望の位置に固定できる固定部123とを有することにより、ブレーカ用カバー1をブレーカBRにおけるチゼルCHの軸方向の所望の位置に固定できる。これにより、チゼルCHの長さや、ブレーカBRが対象物を削り進む深さに応じてブレーカ用カバー1の取り付け位置を調整することができる。すなわち、1つのブレーカ用カバーで、様々な態様のブレーカや、作業状況に適応可能であり、汎用的である。
【符号の説明】
【0069】
1…ブレーカ用カバー
11…カバー本体;11a…第一端部;11b…第二端部
111…第一シート状部材;111a…第一連結用孔;111b…第二連結用孔
112…第二シート状部材;112a…ボルト嵌挿孔;112b…第二連結用孔
113…第三シート状部材;113a…第一連結用孔;113b…第二連結用孔
114…隙間調整部;114a…紐;114b…紐通し口
12…第一フレーム
121…第一フレーム本体;121a…ブレーカ遊挿孔
122…第一連結用フック
123…固定部;123a…ナット;123b…ボルト
13…第二フレーム
131…第二フレーム本体;131a…チゼル遊挿孔
132…第二連結用フック
BR…ブレーカ
CH…チゼル
図1
図2
図3
図4
図5
図6