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  • 特開-サイネージモニタ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180633
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】サイネージモニタ装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
B66B3/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094091
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】弁理士法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 克也
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303CB24
3F303CB31
3F303DB11
3F303DC32
(57)【要約】
【課題】従来のサイネージモニタは一般に位置や取り付け角度が固定されており、エレベータ内の乗客の身長や立ち位置によっては表示コンテンツの視認性が悪いという課題がある。
【解決手段】本実施形態にかかるサイネージモニタ装置は、エレベータかごに設置され乗客を検知するセンサと、前記エレベータかご内に設けられ表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、前記センサにより得られる乗客の情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する乗客属性判別部と、前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正して、前記サイネージモニタに送る映像配置修正部と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかごに設置され乗客を検知するセンサと、
前記エレベータかご内に設けられ表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、
前記センサにより得られる乗客の情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する乗客属性判別部と、
前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正して、前記サイネージモニタに送る映像配置修正部と、
を有するサイネージモニタ装置。
【請求項2】
エレベータかごに設置されるカメラと、
表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、
前記カメラにより得られる乗客の映像情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する映像乗客属性判別部と、
前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正し、前記サイネージモニタに送る乗客映像配置修正部と、
を有するサイネージモニタ装置。
【請求項3】
前記カメラにより前記エレベータかごの中に前記乗客がいなくなったことを検知したとき、前記映像乗客属性判別部において得られたデータを消去する請求項2記載のサイネージモニタ装置。
【請求項4】
前記映像配置は視野角または拡大率である、請求項2または請求項3記載のサイネージモニタ装置。
【請求項5】
前記映像配置を修正する前記属性は、前記乗客の身長または前記サイネージモニタとの距離である、請求項2または請求項3記載のサイネージモニタ装置。
【請求項6】
前記センサは、乗客の動きを検知する人感センサである請求項1記載のサイネージモニタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、サイネージモニタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エレベータかご内に広告配信用のサイネージモニタが設置され、乗客の属性認識用のカメラが内蔵されているシステムは知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-79598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなサイネージモニタについては、一般に位置や取り付け角度が固定されており、エレベータ内の乗客の身長や立ち位置によっては表示コンテンツの視認性が悪い、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、実施形態によるサイネージモニタ装置は、エレベータかごに設置され乗客を検知するセンサと、前記エレベータかご内に設けられ表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、前記センサにより得られる乗客の情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する乗客属性判別部と、前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正して、前記サイネージモニタに送る映像配置修正部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態のサイネージ装置の概要を説明するための図である。
図2】実施形態のサイネージ装置の全体構成を示す図である。
図3】実施形態のサイネージ装置の動作を説明するためにフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施形態)
以下、一つの実施形態につき図面を用いて説明する。
【0008】
図1によりこの実施形態の概要を説明する。昇降するエレベータかご11は乗客の出入口に開閉するエレベータドア12がある。エレベータかご11内の上方または側方にサイネージモニタ13が据え付けられており、このサイネージモニタ13の近傍、例えば下部に、エレベータかご11に出入りする乗客を撮影するカメラ14が設けられている。このカメラ14はエレベータかご11内で上下左右に視野を変えることが可能なように設置されている。
【0009】
このエレベータかご11に、例えば乗客Aと、乗客Cが入ってきたとする。このときカメラ14はこれらの乗客を撮影する。撮影された映像は次に述べるように表示コンテンツの選択および乗客の属性判定に用いられ、乗客にとって適切な広告の映像がサイネージモニタ13のモニタ画面13dに映し出される。
【0010】
次に述べるように上記サイネージモニタ13とカメラ14はサイネージモニタ装置21の一部を構成する。
【0011】
サイネージモニタ装置21は、例えば図2に示すように、表示コンテンツ例えば宣伝広告を表示するサイネージモニタ13と、エレベータかご11内の乗客およびエレベータドア12の開閉を撮影するカメラ14と、カメラ14により撮影される乗客の映像情報に基づいて乗客の属性を判別する映像乗客属性判別部25と、カメラ14の映像情報に基づいて、男女の別や年齢など推定し広告の種類を選択する、広告種類選択部26と、映像乗客属性判別部25において判別された属性に基づいて映像配置を修正する映像配置修正部27と、エレベータドア12の開閉時に乗客の有無検知する乗客有無検知部28と、を有する。
【0012】
映像乗客属性判別部25は、カメラ14が撮影した映像から、乗客の属性を判別する。この場合の乗客の属性とは例えば、乗客の身長や乗客の立ち位置などである。立ち位置とは、乗客のエレベータかご11内の位置、具体的には乗客が立っている位置でありサイネージモニタ13との間の距離が考慮される。
【0013】
カメラ14が撮影した映像から乗客の男女の別、年齢、などが推定され、また乗客の服装などからこれらを総合してサイネージモニタ13に表示する広告の種類が広告種類選択部26において選択される。この場合の乗客の属性、すなわち男女の別、年齢、などの推定には、公知の種々の画像認識技術が用いられる。
【0014】
上述の広告種類選択部26で選択された広告は、映像配置修正部27において修正される。広告が1つしかない場合など選択されない場合には、映像乗客属性判別部25から直接、映像配置修正部27に乗客属性判別信号が送られることもある。
【0015】
乗客の属性は例えば身長であり、これに応じて表示される広告の視野角が映像配置修正部27において変えられる。また乗客の属性は例えば立ち位置であり、乗客がサイネージモニタ13から遠くに立っていれば、これに応じて表示される広告は映像配置修正部27において、修正されサイネージモニタ13のモニタ画面13dに拡大して表示される。
【0016】
このように、カメラ14により撮影された乗客の映像に基づき広告種類選択部26において年齢などにより選択された広告は、映像乗客属性判別部25において乗客の属性が判別され、その属性に応じて映像配置修正部27において映像配置が修正されてサイネージモニタ13のモニタ画面13dに表示される。
【0017】
ここでいう映像配置による修正は、視野角や拡大率である。視野角とは画面に表示される視界の広さのことであり、拡大率は画像の大きさを意味する。映像の内容を変えることなく上記属性に応じてその形式を変えることできる。
【0018】
なお、乗客の属性には、広告の種類の選択に影響を与える例えば男女の別、年齢、などの乗客固有の属性と、映像配置に影響を与える例えば立ち位置などエレベータかご11内での相対的な属性がある。身長は乗客固有の属性であるが映像配置に影響を与えるが、広告の種類の選択に影響を与える場合もある。
【0019】
乗客有無検知部28はエレベータドア12が開いて乗客がエレベータかご11に入ってきたことをカメラ14の映像から検知する。一方、乗客が出ていき乗客が誰もいなくなったことをカメラ14の映像から検知する。
【0020】
乗客有無検知部28は、エレベータかご11内に乗客が誰もいない状態から乗客が一人入ってきたときを検知して、映像乗客属性判別部25に属性判別開始信号を送り、このときから映像乗客属性判別部25は乗客の属性の判別を開始する。
【0021】
また、最後の一人の乗客がエレベータドア12から出ていきエレベータかご11内に誰もいなくなったことをカメラ14で確認したときには、属性データ消去信号を映像乗客属性判別部25に送る。映像乗客属性判別部25はこの制御信号を受け取ると、今まで分析していた乗客の属性に関するデータをすべて消去する。
【0022】
これにより、乗客の属性判別に用いたデータが後に他のところで流用されることを防止できる利点がある。
【0023】
次に、このサイネージモニタ装置21の動作を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
ステップS301において乗客がエレベータかご11に入ってきたかをカメラ14により検知する。例えば乗客Aが入ってきて次に乗客Cが入ってきたとするとステップS301において、Yesとなり、カメラ14による撮影が開始される(ステップS302)。乗客の乗り込みを検知しない場合(ステップS301:No)、乗客が入ってくるまで検知動作を繰り返す。
【0025】
ステップS303では、カメラ14の撮影映像から、映像乗客属性判別部25において、乗客の属性を判別する。
【0026】
次のステップS304では、カメラ14の映像から乗客の男女の別、年齢を推定する。ステップS305では乗客の服装などを検知し、ステップS304とステップS305の結果により広告を選択し、ステップS306では、広告を選択する。このとき、この広告の選択には乗客の属性、例えば身長などが考慮されることもある。
【0027】
次のステップS307では乗客の属性により広告の映像配置を修正して、次のステップS308ではその内容で広告がサイネージモニタ13のモニタ画面13dに表示される。
【0028】
ステップ309では、カメラ14の映像を認識することによりエレベータかご11内に乗客がいるかが乗客有無検知部28において検知される。まだ乗客がエレベータかご11内に残っていれば(ステップS309:Yes)、ステップS303に戻って残っている乗客の属性が映像乗客属性判別部25において判別される。
【0029】
一方、ステップS309において、乗客有無検知部28により、乗客がいないことが検知される(ステップS309:No)と、ステップ310において、今まで乗客の属性の分析に用いられてきたデータがすべて消去される。
【0030】
例えば、エレベータかご11に入ってきた乗客が30代と推定される男性であり身長が170cm以上あり、サイネージモニタ13に近い位置に立ったとする。この場合、サイネージモニタ13に自動車の広告を、その高さに応じた視野角で表示する。また、入ってきた利用客が、30代の身長が160cm程度の女性と推定され、子供を連れているとする。この場合には、サイネージモニタ13にスーパーマーケットの広告を比較的低い視野角で表示する。これら利用客の情報は、カメラ14により撮像される映像から判別される。
【0031】
実施形態によれば、映像配置を修正して、視認性を上げることができる。
【0032】
(変形例など)
上記実施形態ではカメラ14により乗客の出入りを検知していたが、人感センサなど他のセンサなどにより乗客の出入りを検知することも可能である。
【0033】
上記実施形態では、カメラ14はサイネージモニタ13に設けられていたが、サイネージモニタ13とは別に設けられていてもよい。カメラ14が別に設けられていると、サイネージモニタ13に設けられている場合よりも、自由度が高くなり乗客の立ち位置や身長などを検知しやすくなる利点がある。
【0034】
なお、上記実施形態の説明では、理解を容易にするために、各部を機能的ブロックに分けて説明したが、一般的には、CPU(中央演算装置)、メモリ、演算回路など共通の部品、回路などを用いるシステムで実現されることが多い。その場合にも、上記の機能は各部品、回路において、時分割により動作することになる。
【0035】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
11・・・エレベータかご
12・・・エレベータドア
13・・・サイネージモニタ
13d・・・モニタ画面
14・・・カメラ
21・・サイネージモニタ装置
25・・・映像乗客属性判別部
26・・・広告種類選択部
27・・・映像配置修正部
28・・・乗客有無検知部

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記した課題を解決するために、実施形態によるサイネージモニタ装置は、エレベータかごに設置され乗客を検知するセンサと、前記エレベータかご内に設けられ表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、前記センサにより得られる乗客の情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する乗客属性判別部と、前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正して、前記サイネージモニタに送る映像配置修正部と、を有する。映像配置修正部は、複数の利用者それぞれの属性に応じた視野角または拡大率に基づいて映像配置を修正する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータかごに設置され乗客を検知するセンサと、
前記エレベータかご内に設けられ表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、
前記センサにより得られる乗客の情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する乗客属性判別部と、
前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正して、前記サイネージモニタに送る映像配置修正部と、
を有し、
前記映像配置修正部は、複数の利用者それぞれの属性に応じた視野角または拡大率に基づいて前記映像配置を修正する、
サイネージモニタ装置。
【請求項2】
エレベータかごに設置されるカメラと、
表示コンテンツを表示するサイネージモニタと、
前記カメラにより得られる乗客の映像情報に基づいて、前記乗客の属性を判別する映像乗客属性判別部と、
前記属性に応じて前記表示コンテンツの映像配置を修正し、前記サイネージモニタに送る乗客映像配置修正部と、
を有し、
前記乗客映像配置修正部は、複数の利用者それぞれの属性に応じた視野角または拡大率に基づいて前記映像配置を修正する、
サイネージモニタ装置。
【請求項3】
前記カメラにより前記エレベータかごの中に前記乗客がいなくなったことを検知したとき、前記映像乗客属性判別部において得られたデータを消去する請求項2記載のサイネージモニタ装置。
【請求項4】
記属性は、前記乗客の身長または前記サイネージモニタとの距離である、請求項または請求項記載のサイネージモニタ装置。
【請求項5】
前記センサは、乗客の動きを検知する人感センサである請求項1記載のサイネージモニタ装置。