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特開2023-180641情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180641
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231214BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/53
A63F13/55
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094105
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】宮寺 和彦
(57)【要約】
【課題】複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にする情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置に、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する検出部と、第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する制御部と、を設ける。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する検出部と、
前記第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
第1プレイヤが前記第1ゲーム状態よりも不利な第2ゲーム状態にある場合、前記制御部は、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体を第1プレイヤのゲーム空間に移動できないように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
第1プレイヤへのゲーム媒体の移動が可能であることを、第2プレイヤに通知する通知部
を更に有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、第1プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の数を、第2プレイヤに通知する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出部は、第1プレイヤが所定のゲーム効果を発動可能になった場合を、前記第1ゲーム状態として検出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ゲーム効果の種類に応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体を制御する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ゲーム効果がゲーム媒体に与える効果を示す数値に応じ、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体のうち移動可能なゲーム媒体の候補を識別可能に表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、第1プレイヤが前記第2ゲーム状態から前記第1ゲーム状態に遷移した際の条件の違いに応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体数を制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、第1プレイヤが発動可能なゲーム効果に対応するゲーム媒体数に応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間へのゲーム媒体の移動を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、第1プレイヤで発動可能なゲーム効果とゲーム媒体の持つ属性に応じて決定される効果の違いに基づいて、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体のうち第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体を選択する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、移動の対象に選択されたゲーム媒体に対する効果が大きいゲーム効果が発動可能な第1プレイヤと、移動の対象に選択されたゲーム媒体に対する効果が小さいゲーム効果が発動可能な第1プレイヤとを識別可能に第2プレイヤのゲーム空間に表示する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、第2プレイヤのゲーム空間では与えられる効果が小さいゲーム媒体を、第1プレイヤのゲーム空間への移動対象として選択可能に制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、第2プレイヤのゲーム空間から移動されたゲーム媒体の属性を、第1プレイヤのゲーム空間で発動されるゲーム効果がゲーム媒体に与える効果が大きい属性に変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
第2プレイヤから第1プレイヤのゲーム空間に移動するゲーム媒体の数が、第1プレイヤによる受け入れ可能なゲーム媒体数を超える場合、前記制御部は、超過する数のゲーム媒体を第2プレイヤのゲーム空間に再配置する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、複数の第2プレイヤからのゲーム媒体の移動が競合する場合、移動の指示の受付順にゲーム媒体の移動を実行し、移動されたゲーム媒体数が第1プレイヤによる受け入れ可能なゲーム媒体数に達した後は、超過分に対応するゲーム媒体を移動元である第2プレイヤのゲーム空間に再配置する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、複数の第2プレイヤからゲーム媒体の移動が競合する場合、ゲーム空間にあるゲーム媒体の残数が多い第2プレイヤからの移動を、ゲーム媒体の残数がより少ない第2プレイヤからの移動よりも優先する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記制御部は、発動されたゲーム効果が終了した後に、第2プレイヤから移動されたゲーム媒体の一部が第1プレイヤのゲーム空間に残る場合、当該ゲーム媒体を移動元である第2プレイヤのゲーム空間に戻す、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサが、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する処理と、
プロセッサが、前記第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する処理と、
を実行する情報処理方法。
【請求項19】
プロセッサに、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出させ、
プロセッサに、前記第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットゲームでは、複数のプレイヤがゲームに参加することが可能である。この種のプレイは、プレイヤ同士が競争関係になるプレイと、協同関係になるプレイに大別される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂,“SUPER MARIO BROS. 35”,[online],[令和4年5月9日検索],インターネット,<URL: https://www.nintendo.co.jp/switch/ayama/index.html>
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-10613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレイヤ同士が競争関係になるゲームには、互いに他のプレイヤによるゲームのクリアを妨げる機能を備えるものがある。例えば非特許文献1に示すゲームには、あるプレイヤが倒した敵キャラを他のプレイヤのプレイ空間に生きた状態で送り付ける機能が設けられている。敵キャラが送りつけられる側のプレイヤは、送り付けられた敵キャラも含めて倒す必要が生じるため、ゲームのクリアが難しくなる。
プレイヤ同士が協同関係になるゲームには、ゲーム内でアイテム等をプレゼントする機能を備えるものがある。例えば特許文献1に記載のゲームには、ゲームの進行が特定の状況になったプレイヤに対し、他のプレイヤ毎に異なる内容のプレゼントの付与可能な機能が設けられている。
ただし、敵キャラを他のプレイヤに移動する場合もプレゼントを他のプレイヤに付与する場合も、移動元となるプレイヤ側の状態に応じて移動イベントが発動される。
【0006】
本発明は、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する検出部と、第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する制御部とを有する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】複数のプレイヤがそれぞれ独立したゲーム空間をプレイする協同型ゲームの一例を説明する図である。
図2】実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す図である。
図3】サーバの機能上の構成例を説明する図である。
図4】プレイヤ情報とパーティー情報に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図5】クエスト情報とゲーム媒体情報に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図6】ゲーム状態情報に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図7】サーバが実行する「情報処理1」を説明するフローチャートである。
図8】各プレイヤのユーザ端末のディスプレイに表示されるゲーム空間の一例を説明する図である。
図9】必殺技の発動が可能になるまでの画面変化を説明する図である。
図10】移動対象のモンスターが指定されるまでの画面変化を説明する図である。
図11】必殺技の発動直前までの画面変化を説明する図である。
図12】必殺技の発動とその後の画面変化を説明する図である。
図13】必殺技の発動が可能になる前に、プレイヤBがプレイヤAへのモンスターの移動を指示した場合の画面変化を説明する図である。
図14】必殺技の発動が可能な場合でも、プレイヤBからプレイヤAへのモンスターの移動が失敗する場合の画面変化を説明する図である。
図15】移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスターの最大数を通知する機能を例示する図である。
図16】移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスターの候補を通知する機能を例示する図である。
図17】移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスターの候補を通知する他の機能を例示する図である。
図18】移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスターの候補を通知する他の機能を例示する図である。
図19】モンスターの属性が移動先の必殺技の属性に応じて変化する例を説明する図である。
図20】サーバが実行する「情報処理2」を説明するフローチャートである。
図21】ゲーム空間内のモンスターの数が「0」になるプレイヤAが現れるまでの画面変化を説明する図である。
図22】モンスターの移動の実行までを説明する図である。
図23】サーバが実行する「情報処理3」を説明するフローチャートである。
図24】ゲーム空間内のモンスターの数が「0」になるプレイヤAが現れるまでの画面変化を説明する図である。
図25】移動元のプレイヤBによるモンスターの指定までを説明する図である。
図26】モンスターの移動の実行までを説明する図である。
図27】モンスターの一括移動に関する処理動作例を説明するフローチャートである。
図28】モンスターの一括移動を説明する図である。
図29】モンスターの自動移動に関する処理動作例を説明するフローチャートである。
図30】モンスターの自動移動に伴う画面遷移を説明する図である。
図31】移動先が受け入れ可能な数を超えるモンスターの移動が指示された場合の処理動作例を説明する図である。
図32】移動先が受け入れ可能な数を超えるモンスターの移動が指示された場合の他の処理動作例を説明する図である。
図33】移動元が複数の場合を想定したモンスターの移動を実現する処理動作例を説明するフローチャートである。
図34】2つの移動元からの移動が競合する場合に移動の受付順にモンスターを移動する例を説明する図である。
図35】2つの移動元からの移動が競合する場合にゲーム空間に存在するモンスターが多い順にモンスターを移動する例を説明する図である。
図36】移動先が複数ある場合に移動先の決定を支援する情報を含む画面例を説明する図である。
図37】移動先が複数ある場合に移動先の決定を支援する情報を含む他の画面例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
後述する実施の形態は、本発明を実施するための形態の一例にすぎず、本発明の実施の形態は、後述する形態例に限定されない。
従って、本発明の技術的範囲は、後述する実施の形態に記載された範囲に限定されない。例えば実施の形態に記載された内容に種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、後述する各種の機能部は、例えばCPU(=Central Processing Unit)、MPU(=Micro Processing Unit)、GPU(=Graphics Processing Unit)、DSP(=Digital Signal Processor)その他のプロセッサによるプログラムの実行を通じて実現される。
【0011】
<用語>
まず、実施の形態で使用する用語について説明する。
「プログラム」は、OS(=Operating System)やアプリケーションプログラムの総称として使用する。
「ゲーム」は、プレイヤが情報処理装置の操作を通じてプレイするコンピュータゲームを意味する。
コンピュータゲームを実行する情報処理装置は、ゲーム専用機でも汎用機でもよい。
ゲーム専用機には、プレイヤによる携帯や装着が可能なゲーム機、ゲームセンター等に設置される据え置き型のゲーム機がある。装着が可能なゲーム機には、眼鏡型やヘッドセット型がある。汎用機には、ユーザのコンピュータやスマートフォン等(以下「ユーザ端末」という。)、インターネット上のサーバがある。
【0012】
サーバでコンピュータゲームを実行する場合、ユーザ端末は、いわゆる入出力装置として使用される。具体的には、ユーザ端末は、ゲームに関連する画像の表示と操作の入力に使用される。画像は、一般には動画像である。
サーバで実行されるゲームには、例えばネットゲームやソーシャルゲームがある。ソーシャルゲームは、SNS(=Social Networking Service)をプラットフォームとするゲームである。
ゲームのプレイの形態には、1人のプレイヤによる単独プレイ(以下「シングルプレイ」ともいう。)と、所定関係にある複数のプレイヤによるプレイ(以下「マルチプレイ」ともいう。)がある。ゲームにより、シングルプレイのみが可能な場合、マルチプレイのみが可能な場合、シングルプレイとマルチプレイの選択が可能な場合がある。
【0013】
マルチプレイ型のゲームには、例えば互いが他のプレイヤと戦うゲーム(以下「対戦型ゲーム」という。)、互いがゲームの結果を他のプレイヤと競うゲーム(以下「競争型ゲーム」ともいう。)、互いが協同して共通の目的(例えばゲームのクリア)の達成を目指すゲーム(以下「協同型ゲーム」ともいう。)がある。
このうち協同型ゲームには、複数のプレイヤが一つのゲーム空間を共有するプレイの形態と、複数のプレイヤがそれぞれ独立したゲーム空間をプレイする形態がある。以下では、協同型ゲームをプレイすることを「協同プレイ」ともいう。
【0014】
図1は、複数のプレイヤがそれぞれ独立したゲーム空間をプレイする協同型ゲームの一例を説明する図である。
図1では、各プレイヤがプレイ可能なゲームフィールドの全体を外枠で表している。ゲームフィールドは、ゲームの舞台となる仮想の街や国に対応する。このため、ゲームフィールド上の座標点は、それぞれ異なる場所を表している。
図1の場合、3人のプレイヤA、B、Cがゲームをプレイしている。図1に示すように、各プレイヤのゲーム空間は、ゲームフィールド上の異なる場所に対応している。このため、各プレイヤユーザ端末には、各プレイヤがプレイしている場所の画像が「ゲーム空間」として表示される。
【0015】
「パーティー」は、協同型ゲームに参加するプレイヤの集合をいう。パーティーは、プレイの開始時に構成メンバーが決定される場合もあれば、ゲームの途中で構成メンバーが決定される場合もある。
パーティーの構成メンバーは、招待者や主催者となるプレイヤが選択する場合、メンバーの募集に対してプレイヤが応じる場合、ゲームの進行を管理するシステム側が決定する場合がある。システム側の決定にはランダム抽選が含まれる。
なお、パーティーの人数は、プレイ中に増減してもよい。
【0016】
ゲームは、インゲームとアウトゲームに分類されることがある。
インゲームは、ゲームの本体部分である。インゲームは、「クエスト」と呼ばれるサブゲームで構成される。多くの場合、クエストの難易度やクエストに出現する敵のキャラクタ(以下「敵キャラ」)は、クエスト毎に異なる。クエストには、例えば達成条件が定められており、達成条件を達成したプレイヤには特典が付与されることがある。達成条件は、クエスト毎に異なってもよい。
【0017】
アウトゲームは、インゲーム以外の部分である。アウトゲームでは、例えばプレイに使用する味方のキャラクタ(以下「味方キャラ」という。)の取得、育成、選択等が実行される。アウトゲームも、1又は複数のクエストで構成されることがある。
味方キャラや敵キャラは、生物(人、動物、植物等)、機械(乗物、ロボット等)、建物その他の構造物、これらを模した架空の物体を含む。
以下では、味方キャラと敵キャラを総称する場合、「キャラクタ」という。また、味方キャラから見る敵キャラと、敵キャラから見る味方キャラを「相手キャラ」という。また、協同型ゲームの場合、味方キャラには、協同関係にあるプレイヤの味方キャラを含めてもよい。
「オブジェクト」は、ゲーム空間を構成する要素であり、前述した味方キャラと敵キャラの他、クエストで使用するコインやアイテムも含む。ゲーム空間に配置されるオブジェクトは、1つでも複数でもよい。
【0018】
「HP」は、体力値(パラメータ値)とも呼ばれ、プレイに必要な生命力を表す。HPは、キャラクタ毎に設定される。
敵キャラの体力値(HP)は、味方キャラ等から受けたダメージにより減少し、味方キャラの体力値(HP)は、敵キャラ等から受けたダメージにより減少する。
なお、プレイヤによるクエストのプレイには、特定の味方キャラの体力値が予め定めた数値(例えば0)以上であることが必要になる。
多くのゲームでは、ゲーム空間内に存在する全ての敵キャラの体力値が「0」になる、又は、ボスキャラの体力値が「0」になると、ゲームクリアとなる。反対に、ゲーム空間内に存在する全ての味方キャラの体力値が「0」になる、又は、特定の味方キャラの体力値が「0」になると、ゲームクリアの失敗となる。
【0019】
「攻撃力」は、相手キャラに与えるダメージの強度をいう。このため、攻撃力の値(パラメータ値)が高いキャラクタは、攻撃力の値が低いキャラクタよりも多くのダメージを相手キャラに与えることができる。反対に、攻撃力の値が低いキャラクタは、攻撃力の値が高いキャラクタよりも相手キャラに与えるダメージが少なくなる。
この他、攻撃力は、攻撃が及ぶ範囲(二次元の場合は2次元空間、三次元の場合は3次元空間で規定される。)、攻撃が持続する時間、攻撃の回数、命中率、同時にヒット可能な敵キャラの数による評価も可能である。
「防御力」は、相手キャラからの攻撃によるダメージの受け難さの強度をいう。このため、防御力の値(パラメータ値)が高いキャラクタは、防御力の値が低いキャラクタよりも体力値の減少が少なく済む。反対に、防御力の値が低いキャラクタは、防御力の値が高いキャラクタよりも多くの体力値を失い易くなる。
【0020】
「スピード」は、クエスト内におけるキャラクタの移動の速度値(パラメータ値)をいう。移動の速度値が速いキャラクタは、移動の速度が遅いキャラクタよりも、目的地に近づいたり、攻撃から逃げたりするのに有利である。反対に、移動の速度が遅いキャラクタは、移動の速度が速いキャラクタよりも、目的地に近づくのが遅くなり、攻撃にも当たり易くなる。ここでの目的地は、攻撃の目標となる特定のゲーム媒体やその位置をいう。なお、ゲームやクエストによっては目的地が設定されないこともある。
移動の速度が速いキャラクタは、移動の速度が遅いキャラクタよりも同じ時間でより遠くまで移動が可能である。このため、スピードの違いは、移動可能な距離の違いとみなすことが可能である。
【0021】
「スキル」は、ゲームの進行を有利にする特別な技能(アビリティ)をいう。技能には、例えば特定の障害要素から受けるダメージを無効化又は低減する技能、特定の障害要素との組み合わせにより味方キャラの攻撃力等を増加させる技能、特定の障害要素との組み合わせにより味方キャラの動きを増加させる技能、特定の障害要素との組み合わせにより味方キャラにスキルを付与する技能、味方キャラの体力を回復又は増加させる技能、味方キャラの攻撃を発動させる技能、味方キャラに付与されている制約を解除させる技能、敵キャラの攻撃を停止又は減少させる技能がある。敵キャラのスキルについても同様である。なお、これらは一例である。
【0022】
「障害要素」は、相手キャラに不利益を与える仕掛けや敵をいう。特定のスキルを有する等の例外を除き、障害要素があると、クエストをクリアするための難易度が上がる。
障害要素には、例えば相手キャラの移動を停止させる、移動を妨げる、減速させる、加速させる、進行方向を変更する、クエスト内の別の地点に瞬間移動させる、体力を消耗させる、攻撃力や防御力を低下させるがある。
障害要素の代表例には、例えばボスキャラ、攻撃力が強い敵キャラ、防御力が強い敵キャラ、障害要素を発生させる敵キャラがある。
なお、障害要素は、プレイヤ側が配置又は使用してもよい。
【0023】
「属性」は、キャラクタの特性を与える情報の1つである。属性には、例えば火、水、雷、土、木で与えられる。属性は、1つのキャラクタに1つ又は複数与えられる。属性は、固定的に与えられる場合と、一時的に与えられる場合がある。
多くの場合、属性間には相性が定められる。例えば水属性を有するキャラクタは、火属性を有するキャラクタに対して強く、雷属性を有するキャラクタは、水属性を有するキャラクタに対して強く、火属性を有するキャラクタは、木属性を有するキャラクタに強いという具合である。
なお、広義の属性には、前述した攻撃力、防御力、スピード、スキル、障害要素も含まれる。例えば味方キャラの攻撃力に対して十分大きい防御力を有する敵キャラは、体力値を「0」にするために多くの攻撃が必要になる点で相性が悪いともいえる。また、前述したようにスキルと障害要素の組み合わせによっては、攻撃の効きが良くなったり、悪くなったりする。その意味で相性が認められる。
【0024】
「達成条件」には、例えばクエスト内の全ての敵キャラを倒すこと、特定の敵キャラを倒すこと、特定の場所や地点に到着すること、特定のアイテムを取得すること、取得したポイント(得点)の合計値が目標値に到達することがある。
特定の敵キャラには、例えばボスキャラがある。特定のアイテムには、例えばコイン、装備、武器、宝箱等がある。
達成条件の達成は、「クエストのクリア」、「ゲームのクリア」、「ゲームの攻略」等とも呼ばれる。
「特典」には、次のクエストのプレイの許可、特別に用意されたクエストのプレイの許可、クリアしたクエストのボスキャラの付与、経験値や体力等のポイントの付与、ゲーム内で使用するアイテムの付与、ゲーム内で使用する通貨の付与、称号の付与、魔法その他の特殊な力の付与、特殊なジェスチャーの付与等がある。
【0025】
「ゲーム状態」は、各プレイヤに対応するゲーム空間内のプレイの進行状況をいう。ゲーム状態を表す指標には、ゲーム空間に存在する敵キャラや味方キャラの数、ゲーム空間に存在する敵キャラと味方キャラの相性、攻撃力が大きい技(以下「必殺技」ともいう。)を味方キャラが発動可能か否か、起点となるイベントからの経過時間、クエストで設定されたミッションの進捗の状況、特定の操作の有無等がある。
ゲーム状態は、これらの指標の1つ又は複数の組み合わせの観点から総合的に区分される。
【0026】
実施の形態では、ゲーム状態を、プレイヤに「有利なゲーム状態」と、プレイヤに「不利なゲーム状態」に区分する。
有利なゲーム状態には、例えば敵キャラの数が基準値(例えば「0」又は「1」)の状態、味方キャラと相性が良い(すなわち攻撃が効く)敵キャラの割合が多い状態、必殺技を使える状態がある。
例えばゲーム空間の敵キャラが「0」の状態は、いわゆるゲームクリアの状態であるので、有利なゲーム状態である。また例えばゲーム空間の敵キャラが「1」の状態は、いわゆるゲームクリアに近い状態であるので、有利なゲーム状態である。
【0027】
なお、基準値はクエスト毎に異なってもよいし、ゲーム空間に存在する敵キャラの種類に応じて異なってもよい。例えばボスキャラの場合とその他の場合で基準値が異なってもよい。
また、プレイヤが使用する味方キャラの属性と敵キャラの属性との相性によって基準値を定めてもよい。
ここでの「有利なゲーム状態」は、第1ゲーム状態の一例である。また、有利なゲーム状態にあるプレイヤは、「第1プレイヤ」の一例である。
【0028】
不利なゲーム状態には、例えば敵キャラの数が基準値(例えば「5」)より多い状態、味方キャラと相性が悪い(すなわち攻撃が効き難い)敵キャラの割合が多い状態、必殺技を使えない状態がある。なお、不利なゲーム状態は、有利なゲーム状態にない状態として定義してもよい。
ここでの「不利なゲーム状態」は、第2ゲーム状態の一例である。また、不利なゲーム状態にあるプレイヤは、「第2プレイヤ」の一例である。
不利なゲーム状態から有利なゲーム状態に遷移する条件は1つとは限らない。なお、遷移の条件には、例えば例示した各状態を満たすことがある。遷移の他の条件には、例示した条件を満たした上でプレイヤの確認操作を必要とする場合、例示した条件とは関係なくプレイヤの宣言等の特定の操作を受け付けた場合もある。
【0029】
「ゲーム効果」は、特定のスキルの発動によって味方キャラが取得する効果や敵キャラに与える効果、味方キャラの攻撃が敵キャラに与えるダメージ等をいう。例えば必殺技は、敵キャラに与えるダメージが大きい所定のゲーム効果の一例である。
ゲーム効果は、種類等に応じて内容や強度が異なることがある。例えば同種のゲーム効果でもダメージ量に違いがあったり、ダメージが及ぶ敵キャラの数に違いがあったり、ダメージが及ぶ敵キャラの種類(特定の属性)に違いがあったりする。例えば必殺技の種類によってダメージ量が「10HP」の場合と「5HP」の場合があってもよい。ここでの「10HP」や「5HP」は、強度を示す数値の一例である。
【0030】
ダメージ量は、総量で表現することも、1つの敵キャラに与えるダメージの最大値で表現することも、ダメージを与える敵キャラの数で表現することも可能である。
例えば総量の場合、ダメージが及ぶ敵キャラの数は、敵キャラの個々の体力値に依存する。例えば総量が「50HP」の場合、体力値が「1HP」の敵キャラを50個倒すことができ、体力値が「5HP」の敵キャラを「10」個倒すことができる。
例えば1つの敵キャラに与えるダメージの最大値が「10HP」の場合、ゲーム空間に存在する全ての敵キャラの体力値が一律に「10HP」減少する。
【0031】
例えば倒せる敵キャラの数が「5」の場合、ゲーム空間に存在する「5」個の敵キャラを倒すことができる。このため、ゲーム空間に「6」個の敵キャラが存在する場合には、「1」個の敵キャラがゲーム空間に残る。
例えばダメージが及ぶ敵キャラの属性が「水」の場合、ゲーム空間に存在する水属性の敵キャラを倒すことができるが、他の属性の敵キャラは倒すことができない。
この他、ゲーム効果がスキルの発動の場合には、ゲーム媒体のスピード、攻撃力、防御力等をプレイヤに有利に変化させることができる。
【0032】
<システム構成>
図2は、実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す図である。図2に示すゲームシステム1は、ネットワーク上でプレイするゲームを想定している。この種のゲームは、ネットゲーム、オンラインゲーム、ソーシャルゲーム等と呼ばれる。
ゲームシステム1は、ゲームの進行を管理するサーバ10と、プレイヤが操作するユーザ端末20と、これらを通信可能に接続するネットワークNとで構成されている。
【0033】
図2では、説明上の都合により、3名のプレイヤA、B、Cが操作する3台のユーザ端末20のみを表している。もっとも、実際のゲームシステム1に参加するプレイヤは3人よりも多く、ネットワークNに接続されるユーザ端末20もその分存在する。
ネットワークNには、例えばインターネット、4Gや5G等の移動通信システム、LAN(=Local Area Network)を想定する。ネットワークNは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。また、有線ネットワークと無線ネットワークの混在型でもよい。
【0034】
サーバ10は、ゲームの進行を管理するコンピュータであり、ゲームプログラムの実行を通じ、各種のサービスを提供する。サーバ10は、オンプレミス型のサーバでもよいし、クラウド型のサーバでもよい。クラウド型のサーバには、例えばIaaS(=Infrastructure as a Service)、PaaS(=Platform as a Service)、SaaS(=Software as a Service)がある。
ところで、サーバ10は、1台のコンピュータで構成される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータで構成されてもよい。
本実施の形態におけるサーバ10は、情報処理装置の一例である。
【0035】
図2に示すサーバ10は、協同型ゲームの進行を管理する。図2では、3人のプレイヤA、B、Cのうち、プレイヤAとプレイヤBの2人がパーティーを構成する場合を示している。パーティーを構成する2人のプレイヤAとプレイヤBは協同関係にある。
もっとも、パーティーは、プレイの開始時に構成する必要はなく、プレイ中の募集やマッチング等を通じて構成してもよい。
ユーザ端末20は、プレイヤが操作する情報端末である。ユーザ端末20には、例えばスマートフォン、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータ、ゲーム端末、ヘッドマウント型のコンピュータ(いわゆるヘッドセット)、メガネ型のコンピュータ(いわゆるスマートグラス)を想定する。
ユーザ端末20は、ネットワークNとの通信機能を備えている。図2におけるユーザ端末20は、スマートフォンである。
【0036】
<ハードウェア構成>
サーバ10は、ゲームプログラムを実行するプロセッサ11と、メモリ12と、補助記憶装置13と、通信インタフェース14とを有している。プロセッサ11と各デバイスとは、バスその他の信号線15を通じて互いに接続されている。
メモリ12は、ROM(=Read Only Memory)、RAM(=Random Access Memory)等の半導体メモリで構成される。ROMには、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶される。RAMは、主記憶装置であり、プロセッサ11のワークエリアとして使用される。
【0037】
補助記憶装置13は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置13には、ゲームプログラムの他、ゲームの進行に関するデータや取引に関するデータ等が記憶される。ゲームプログラムは、アプリケーションプログラムの一例である。
図2の場合、補助記憶装置13は、サーバ10に内蔵されているが、サーバ本体に外付けしてもよいし、ネットワークN上に設けてもよい。ネットワーク上にデータを記憶する場合には、ブロックチェーンで採用する分散型台帳にゲームに関する各種のデータを記憶してもよい。
通信インタフェース14は、ユーザ端末20等の外部の端末との通信を可能にするデバイスである。通信インタフェース14には、通信に使用するネットワークNに応じた通信を実現する機能が求められる。
【0038】
ユーザ端末20は、サーバ10と同様、プロセッサ、メモリ、補助記憶装置、通信インタフェースを有し、さらに、タッチセンサ、操作ボタン、ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカ等を有する。
タッチセンサとディスプレイが一体化されたデバイスは、タッチパネルと呼ばれる。また、タッチセンサ、操作ボタン、カメラ、マイクは入力装置を構成し、ディスプレイ、スピーカは出力装置を構成する。
本実施の形態におけるユーザ端末20は、サーバ10に対する入出力装置として使用される。
【0039】
<機能構成>
以下では、ゲームの進行を制御するサーバ10の機能構成について説明する。
図3は、サーバ10の機能上の構成例を説明する図である。なお、図3に示す機能構成は、本実施の形態で想定するゲームプログラムの実行を通じて実現される機能部の一例である。
図3に示すサーバ10は、受付部101、ゲーム進行部102、画像生成部103、ゲーム状態検出部104、媒体移動制御部105、通知部106、記憶部110を有している。
このうち、記憶部110は、メモリ12と補助記憶装置13(図2参照)により実現され、それ以外の機能部は、プロセッサ11で実行されるプログラムとサーバ10を構成する各デバイスとの協働により実現される。
【0040】
受付部101は、ユーザ端末20(図2参照)からの入力を受け付ける機能部である。ここでの入力には、プレイに使用するキャラクタの選択や配置、プレイに関連する操作等がある。プレイに関連する操作には、例えば選択、指定、指示等がある。ここでの操作には、必殺技の発動、他のプレイヤに移動する敵キャラの選択、敵キャラを移動するプレイヤの選択、敵キャラの移動の催促が含まれる。
ゲーム進行部102は、受付部101で受け付けた入力に基づいてクエストの進行を制御する機能部である。具体的な進行は、クエストが用意する場面とプレイヤの入力とにより決定される。各場面は、演出その他のゲーム空間で表現される。
【0041】
画像生成部103は、ゲーム進行部102等による処理の結果を反映したゲーム空間を生成する機能部である。生成されゲーム空間は、通信インタフェース14(図2参照)を通じ、ユーザ端末20に送信される。
ゲーム状態検出部104は、プレイヤのゲーム状態を検出する機能部である。ここでのゲーム状態検出部104は、「検出部」の一例である。
ゲーム状態検出部104は、現在のゲーム状態が、プレイヤに「有利なゲーム状態」であるか、プレイヤに「不利なゲーム状態」であるかを検出する。
実施の形態では、有利なゲーム状態として、必殺技の発動が可能になってから必殺技の発動が終了するまでの状態、パーティーを構成するプレイヤが他のプレイヤに対して敵キャラの移動を許可した状態を想定する。
【0042】
ここでの「許可」は、ゲーム空間に用意される専用ボタンの操作により可能である。もっとも、この種のボタンがゲーム空間に用意しないゲームがあってもよい。
なお、必殺技に複数の種類が用意されている場合、ゲーム状態検出部104は、必殺技の種類の違いも検出する。
必殺技の種類は、例えばモンスターに与える効果の違いで区別される。効果の違いには、例えばモンスターに与えるダメージ量の違い、ダメージが及ぶモンスターの数の違い、ダメージが及ぶモンスターの属性の違いがある。
この他、ゲーム状態検出部104は、不利なゲーム状態から有利なゲーム状態に遷移させる契機になった条件も検出する。ここでの条件には、例えば必殺技の発動条件の成立、プレイヤによる専用ボタンの操作がある。
【0043】
媒体移動制御部105は、パーティーを構成するプレイヤ間におけるキャラクタの移動を制御する機能部である。移動の対象となるキャラクタは、主に敵キャラである。もっとも、味方キャラの移動を妨げない。ここでの媒体移動制御部105は、「制御部」の一例である。
媒体移動制御部105は、複数のサブ機能を有している。
サブ機能の1つ(以下「サブ機能SF1」という。)は、不利なゲーム状態にあるプレイヤのゲーム空間にあるモンスターの少なくとも一部を、有利なゲーム状態にあるプレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する機能である。なお、プレイヤ間における敵キャラの移動は、サブ機能SF1により自動で実行してもよいし、プレイヤの選択を通じて実行してもよい。
サブ機能SF1により、例えばゲームフィールド(図1参照)におけるプレイヤAのゲーム空間からプレイヤBのゲーム空間への敵キャラの移動が実現される。
【0044】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF2」という。)は、不利なゲーム状態でプレイ中のプレイヤのゲーム空間には、他のプレイヤが敵キャラを移動できないように制御する機能である。
サブ機能SF2により、不利なゲーム状態でプレイ中のプレイヤへの他のプレイヤからの敵キャラの一方的な送り付けを防ぐことができる。換言すると、プレイヤの迷惑になる又は望まない敵キャラの送り付けから各プレイヤを保護することができる。
【0045】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF3」という。)は、ゲーム効果の種類に応じ、有利なゲーム状態にあるプレイヤのゲーム空間に移動可能な敵キャラを制御する機能である。ゲーム効果の種類には、例えば必殺技等の攻撃が与えるダメージ量の大きさ、必殺技等の攻撃がヒットする敵キャラの数、必殺技等の攻撃によるダメージが大きい属性の種類がある。これらの種類の違いにより、サブ機能SF3は、有利なゲーム状態のプレイヤに移動される敵キャラを制御する。
このサブ機能SF3により、有利なゲーム状態のゲーム空間で発動されるゲーム効果を有効に活用することができる。
【0046】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF4」という。)は、前述したサブ機能SF3におけるゲーム効果が敵キャラに与える効果を示す数値に応じ、移動可能な敵キャラの候補を他のプレイヤに対して識別可能に表示する機能である。
ここでの数値は、ダメージ量の大きさ、一度に倒せる敵キャラの数等である。なお、移動可能な敵キャラの数は、効果を示す数値と同じとは限らない。
移動先のゲーム空間にも敵キャラが存在するためである。例えば10個の敵キャラを倒せるゲーム効果が発動される場合でも、移動先のゲーム空間に6個の敵キャラが存在しているなら、受け入れ可能な敵キャラの数は4個となる。
【0047】
そこで、サブ機能SF4は、例えば移動可能な敵キャラの表示に用いる色を、移動できない敵キャラの表示に用いる色とは異なる色で表示する。また、移動可能な敵キャラの表示サイズを、移動できない敵キャラの表示サイズよりも大きくする。また、移動可能な敵キャラをハイライトで表示し、移動できない敵キャラをグレーアウトで表示する。
なお、移動可能な敵キャラの数を数値で表示してもよい。これらの表示により、移動元となるプレイヤのゲーム空間に存在する敵キャラの一部しか移動できない場合にも、プレイヤは、移動可能な敵キャラを短時間で把握することが可能になる。
このサブ機能SF4により、敵キャラの移動元となるプレイヤによるゲーム媒体の選択の支援が可能になる。
【0048】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF5」という。)は、敵キャラの移動先となるプレイヤのゲーム状態が不利なゲーム状態から有利なゲーム状態に遷移した際の条件の違いに応じ、移動可能な敵キャラの数を制御する機能である。
前述したように、有利なゲーム状態に遷移する条件は、必殺技の発動以外にも用意されることがある。例えばゲーム空間の敵キャラが少なくなったプレイヤが他のプレイヤを支援する目的で、敵キャラの移動を許可する場合がある。
もっとも、一般には、通常の技で対応可能な敵キャラの数は、必殺技で対応可能な敵キャラの数よりも少ない。そこで、サブ機能SF5は、敵キャラの送られすぎを防止する。
なお、移動可能な敵キャラの数は、移動先に存在する敵キャラの数を考慮して決定される。
このサブ機能SF5により、敵キャラの移動を移動先のプレイヤで対応可能な数に制限できる。
【0049】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF6」という。)は、敵キャラの移動先となるプレイヤが発動可能なゲーム効果に対応する敵キャラの数に応じ、敵キャラの移動を制御する機能である。
前述したサブ機能SF5の場合には、ゲーム状態が遷移した際の条件に着目しているが、このサブ機能SF6は、発動可能な必殺技その他のゲーム効果に応じて移動可能な敵キャラの数を制御する。例えば一度に倒せる数に制限がないゲーム効果が発動される場合と10個までしか倒せないゲーム効果では移動可能な敵キャラの数を調整する必要がある。そこで、サブ機能SF6も、敵キャラの送られすぎを防止する。
なお、移動可能な敵キャラの数は、移動先に存在する敵キャラの数を考慮して決定される。
このサブ機能SF6により、敵キャラの移動を、移動先のプレイヤで対応可能な数に制限できる。
【0050】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF7」という。)は、敵キャラの移動先となるプレイヤで発動可能なゲーム効果と敵キャラの持つ属性に応じて決定される効果の違いに基づいて、移動可能な敵キャラを選択する機能である。
ゲーム効果には、特定の属性を持つ敵キャラには強く作用する(例えば10個の敵キャラを倒したり、1個当たりの体力値を「10HP」減少させる)が、それ以外の敵キャラには弱く作用する(例えば3個の敵キャラを倒したり、1個当たりの体力値を「3HP」減少させる)ことがある。このサブ機能SF7は、この効力の違いに着目して移動可能な敵キャラの選択を実現する。
例えば5個の敵キャラの移動が可能であれば、サブ機能SF7により、ゲーム効果が強く作用する属性を持つ敵キャラが優先的に選択される。
このサブ機能SF7により、敵キャラの移動先で発動されるゲーム効果を有効に活用することが可能になる。
【0051】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF8」という。)は、移動の対象に選択された敵キャラに対する効果が大きいゲーム効果が発動可能なプレイヤと、移動の対象に選択された敵キャラに対する効果が小さいゲーム効果が発動可能なプレイヤとを識別可能に敵キャラの移動元であるプレイヤのゲーム空間に表示する機能である。
このサブ機能SF8は、敵キャラの受け入れが可能なプレイヤが複数いる場合を想定した機能である。もっとも、クエスト内で発動が可能なゲーム効果が1つしか存在しない場合にはサブ機能SF8は不要である。しかし、必殺技の効果に違いがある場合や必殺技の発動とは無関係にプレイヤが敵キャラの移動を許可する場合があり得る。
【0052】
協同プレイ中のプレイヤは、他のプレイヤと協同でゲームクリアを目指している。このため、他のプレイヤのプレイを妨害したいとは思っていない。しかし、サブ機能SF8が存在しないと、移動元となるプレイヤは、移動先のゲーム効果の違いに気づけない。このため、移動する敵キャラに対する効果が小さいプレイヤに敵キャラを移動させてしまう可能性がある。
一方で、サブ機能SF8があれば、敵キャラを選択したプレイヤは、選択された敵キャラを効率的に倒せるプレイヤが誰かを知ることができ、より効率的に倒せるプレイヤに敵キャラを移動させることが可能になる。
【0053】
ここでの表示は、例えば移動の対象である敵キャラに対する効果が大きいゲーム効果が発動されるプレイヤのアイコンの表示に用いる色を、他のプレイヤのアイコンの表示に用いる色と変更してもよい。
また、移動の対象である敵キャラに対する効果が大きいゲーム効果が発動されるプレイヤのアイコンの表示サイズを、他のプレイヤのアイコンの表示サイズよりも大きくしてもよい。
また、移動の対象である敵キャラに対する効果が大きいゲーム効果が発動されるプレイヤのアイコンをハイライトで表示し、他のプレイヤのアイコンをグレーアウトで表示してもよい。
また、各プレイヤで発動されるゲーム効果の効果の違いを文字で表示したり、移動先として推奨するプレイヤ名等を文字で表示したりしてもよい。
このサブ機能SF8により、敵キャラの移動元となるプレイヤによる、移動先となるプレイヤの選択が容易になる。
【0054】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF9」という。)は、敵キャラの移動元となるプレイヤのゲーム空間で与えられる効果が小さい敵キャラを、移動対象として選択可能に制御する機能である。
敵キャラの移動後にゲーム空間に残る敵キャラの数が同じでも、相性が悪い敵キャラが残るよりも、相性が良い敵キャラが残った方が移動元となるプレイヤには都合がよい。サブ機能SF9は、このような都合を考慮して設けられている。
サブ機能SF9は、移動対象とする敵キャラを選択するプレイヤを支援する目的で、移動した方がプレイヤに有利な敵キャラの識別を容易にする。
また、サブ機能SF9は、選択の支援に加え、敵キャラの移動を自動で実行してもよい。例えば敵キャラの選択を容易にする表示を行うことなく、対象とする敵キャラの移動を自動で実行してもよい。
このサブ機能SF9により、敵キャラの移動元となるプレイヤによる敵キャラの移動後のゲームの進行を容易にできる。
【0055】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF10」という。)は、他のプレイヤのゲーム空間から移動された敵キャラの属性を、移動先であるゲーム空間で発動されるゲーム効果が敵キャラに与える効果が大きい属性に変更する機能である。
属性に関係なく攻撃力が作用する必殺技もあるが、必殺技の種類によっては属性によって効果に差がある場合もあれば、移動先のプレイヤが移動を許可するときのように必殺技が発動されるとは限らない場合も想定される。このような場合に、移動されてきた敵キャラの属性が、移動先で発動されるゲーム効果と相性が悪い場合、移動先のプレイヤの不利益になる可能性もある。
そこで、サブ機能SF10を設け、移動先のゲーム空間で発動されるゲーム効果によって、他のプレイヤから移動された敵キャラを効率的に倒せるようにする。
このサブ機能SF10により、敵キャラの移動先となるプレイヤでの敵キャラの受付後のゲームの進行を容易にできる。
【0056】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF11」という。)は、移動元のプレイヤから移動される敵キャラの数が、移動先のプレイヤによる受け入れ可能な敵キャラの数を超える場合、超過する数の敵キャラを移動元のプレイヤのゲーム空間に再配置する機能である。
前述したサブ機能が有効である場合、移動前に移動可能な敵キャラの数が調整されるので、過剰な数の敵キャラが移動先に送り込まれることはないが、同サブ機能が用意されない場合やサブ機能の実行が無効になっている場合も起こり得る。また、プレイヤが、移動可能な数を無視して敵キャラの移動を指示する可能性もある。
そこで、サブ機能SF11を設け、過剰な数の敵キャラの移動を抑制し、過剰な数の敵キャラの移動が発生した場合には移動元に送り返すことにする。
【0057】
なお、サブ機能SF11は、超過した数の敵キャラを、移動元のプレイヤのゲーム空間に再配置させる。この再配置の際には、移動先から送り返されたことや送り返された理由(例えば移動可能な数を超えたこと等)を表示する。この表示により、プレイヤは、移動したはずの敵キャラの一部又は全部がゲーム空間に再び出現した理由を理解することができる。
ちなみに、ペナルティとして、受け入れ可能な数を超過する敵キャラを移動させたプレイヤによる次回の移動を制限したり、移動が可能なゲーム状態の通知を制限したり、移動の回数を減少させたり、移動が可能な敵キャラの数を制限したり、パーティーへの参加の機会を制限したり、画面内に再配置される敵キャラの数を超過数より増やしたりしてもよい。このペナルティとの組み合わせにより、迷惑行為の抑制を図ってもよい。
このサブ機能SF11により、移動先のプレイヤの不利益を与えない、又は、負担を与えない敵キャラの移動を実現できる。
【0058】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF12」という。)は、複数のプレイヤからの敵キャラの移動が競合する場合、移動の指示の受付順に敵キャラの移動を実行し、移動された敵キャラの数が移動先のプレイヤによる受け入れが可能な敵キャラ数に達した後は、超過分に対応する敵キャラを移動元のゲーム空間に再配置する機能である。
このサブ機能SF12は、移動元が複数の場合を想定した機能である。パーティーを構成するメンバーの数は、2人とは限らず3人以上の場合もある。例えばパーティーの人数が3人の場合、必殺技の発動が可能なプレイヤのゲーム空間に敵キャラを移動できるプレイヤは2人になる。これら2人のプレイヤには、それぞれ必殺技の発動が可能になったプレイヤが現れたこと、同プレイヤに対して敵キャラの移動が可能になったこと等が通知される。
【0059】
このとき、敵キャラの移動が自動的に実行されない場合には、各プレイヤがそれぞれ敵キャラの移動を指示することで敵キャラの移動が実行される。なお、敵キャラの移動は必須ではないので、敵キャラを他のプレイヤに移動させないプレイヤがいてもよい。
いずれにしても、複数のプレイヤのそれぞれが別々に敵キャラの移動を指示すると、受け入れ可能な敵キャラの数を超過する事態が予想される。例えば5個の敵キャラを受け入れ可能な場合に、2人のプレイヤがそれぞれ5個の敵キャラの移動を指示する可能性がある。この場合、移動される敵キャラの総計は10個となる。
当然、移動先のプレイヤは、10個の敵キャラをそのまま受け入れることはできない。
【0060】
そこで、サブ機能SF12を設け、敵キャラの移動を希望する複数のプレイヤ間における敵キャラの移動を調整する。
調整方法には、複数のプレイヤからの移動数が均一化されるように交互又は順番に1つずつ移動させる敵キャラを決定する方法もあるが、サブ機能SF12では、移動の指示の受付順に敵キャラの移動を受け付ける。例えば移動先で受け入れ可能な敵キャラの総数が5個である場合に、2人のプレイヤがそれぞれ3個の敵キャラの移動を指示するとき、先に移動を指示したプレイヤからは3個の敵キャラの移動が実現する。一方、受付が後になったプレイヤからは2個の敵キャラの移動が実現する。すなわち、受付順が後になったプレイヤは、指定した3個のうち1個を移動することができない。
【0061】
この仕組みを採用すると、敵キャラの移動の指示にもゲーム性を持たせることが可能になる。もっとも、敵キャラの移動の指示が早いプレイヤと遅いプレイヤが固定化されると、指示が遅いプレイヤが不利になるだけでなく、パーティーに参加する意欲が低減する可能性も生じる。このため、純粋な受付順は初回だけとして、同じパーティーでの2回目以降の移動時には、前回の移動時に指定した全ての敵キャラを移動できなかったプレイヤを優先してもよい。
このサブ機能SF12により、移動先のプレイヤに負担のない敵キャラの移動を実現できる。
【0062】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF13」という。)は、複数のプレイヤから敵キャラの移動が競合する場合、ゲーム空間にある敵キャラの残数が多いプレイヤからの移動を、敵キャラの残数がより少ないプレイヤからの移動よりも優先する機能である。
このサブ機能SF13も、サブ機能SF12と同様、移動の指示が複数のプレイヤ間で競合する場合を想定する。
ただし、サブ機能SF13では、移動の受付順ではなく、ゲーム空間に存在する敵キャラの数が多いプレイヤからの移動を優先させる。換言すると、ゲームの進行が遅れているプレイヤからの移動が、ゲームの進行が速いプレイヤからの移動よりも優先される。この結果、敵キャラの移動が優先されたプレイヤのゲームクリアの可能性が高くなり、パーティー全体としてのゲームクリアの可能性も高くなる。
【0063】
なお、敵キャラの数ではなく、味方キャラ等の体力値が少ないプレイヤからの敵キャラの移動を優先させてもよい。体力値が少ないプレイヤがゲームクリアできない可能性は、より多くの体力値を有するプレイヤよりもゲームクリアできない可能性が高い。そこで、体力値が少ないプレイヤからの敵キャラの移動を優先させることにより、移動元のプレイヤを支援できる。
このサブ機能SF13により、協同関係になるプレイヤ間におけるゲームの進行の差を小さくできる。
【0064】
別のサブ機能の1つ(以下「サブ機能SF14」という。)は、移動先で発動されたゲーム効果が終了した後に、移動元のプレイヤから移動された敵キャラの一部が移動先のゲーム空間に残る場合、その敵キャラを移動元のゲーム空間に戻す機能である。
このサブ機能SF14は、他のプレイヤからの敵キャラの受け入れる数を制限しない場合を想定している。この場合、必殺技で倒せる敵キャラの数が10個であるのに、移動先に存在する敵キャラの数と他のプレイヤから移動された敵キャラの数との総数が10個を超えることが起こり得る。例えば総数が13個になる可能性がある。
【0065】
サブ機能SF14は、必殺技等のゲーム効果の発動後にゲーム空間に残った敵キャラの処分を規定する機能の一例である。残った敵キャラの全てを移動先のプレイヤに分担させることも可能ではあるが、それでは、移動先のプレイヤが不利になり、ゲームクリアに失敗する可能性を高めてしまう。
そこで、サブ機能SF14では、必殺技等のゲーム効果の発動後もゲーム空間に残った敵キャラは、移動元のプレイヤのゲーム空間に戻す方式を採用する。このとき、移動元のプレイヤが複数の場合も起こり得る。この場合には、残った敵キャラを移動元となった複数のプレイヤに均等に分配してもよいし、移動させた敵キャラの数の割合に応じて按分してもよい。
このサブ機能SF14により、移動先のプレイヤに負担のない敵キャラの移動を実現できる。
【0066】
通知部106は、必殺技等のゲーム効果の発動が可能になったプレイヤへの敵キャラの移動が可能であることを、他のプレイヤに通知する機能部である。
通知の方法には、ゲーム空間に文字等で表示する方法、ユーザ端末20(図1参照)に設けられているLED等を点灯させる方法、ユーザ端末20に設けられているスピーカから音声やブザー音を出力させる方法、ユーザ端末20に設けられている振動子を振動させる方法等がある。
各プレイヤが、それぞれ独立したゲーム空間をプレイする場合、一般には、他のプレイヤのゲーム状態を知ることはできないか、知ることが困難である。しかし、この通知があれば、各プレイヤは、他のプレイヤに敵キャラを移動できることに気づくことができる。換言すると、通知部106は、複数のプレイヤが協同する機会を提供することができる。
【0067】
なお、通知部106は、移動先となるプレイヤのゲーム空間にある敵キャラの数を、移動元となるプレイヤに通知してもよい。敵キャラの数が通知されることで、各プレイヤは、相手先のゲーム状態に応じて移動先を決定することができる。例えば必殺技の発動が可能なプレイヤとして、敵キャラの数が「10個」のプレイヤと「1個」のプレイヤの存在が通知されれば、例えば敵キャラの数が少ない方のプレイヤを移動先に決定することができる。もっとも、敵キャラの数が多い方のプレイヤを移動先に決定することも可能である。
【0068】
一方で、敵キャラの数が通知されない場合には、敵キャラの数が「10個」のプレイヤに移動させることも起こり得る。この場合、敵キャラの数が多いプレイヤに移動可能な敵キャラの数が「1個」であるが、敵キャラの数が少ないプレイヤに移動可能な敵キャラの数は「6個」となる可能性もある。
このように、複数の移動先の候補のそれぞれについて敵キャラの数を移動元のプレイヤに通知することで、移動元となるプレイヤによる移動の判断を支援することができる。
【0069】
<記憶データ>
記憶部110には、クエストのプレイに関する各種の情報が記憶されている。
図3には、これらの情報の一例として、プレイヤ情報111、パーティー情報112、クエスト情報113、キャラクタ情報114、ゲーム状態情報115が例示されている。
このうち、プレイヤ情報111は、クエストをプレイするプレイヤに関する各種の情報を記憶する。
また、パーティー情報112は、パーティーを構成するプレイヤの情報を記憶する。
【0070】
図4は、プレイヤ情報111とパーティー情報112に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図4の場合、プレイヤ情報111として、アカウント111A、クエストID111B、ゲーム空間内の味方キャラID111C、ゲーム空間内の敵キャラ(以下「モンスター」という。)ID111D、ゲーム空間で活動中のモンスターの数111E、必殺技の発動可否111F、モンスターの移動元/移動先の関係111Gが記憶されている。
【0071】
アカウント111Aは、プレイヤを特定する情報である。アカウント111Aには、例えばプレイヤの名前、電話番号、メールアドレス、口座情報が紐付けられている。アカウント111Aは、プレイヤの新規登録のたびに追加される。図4では、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤCが登録されている。もっとも、プレイヤA、B、Cは、図1の説明に合わせたもので、実際にはより多くのプレイヤが登録される。
クエストID111Bは、プレイヤがプレイしているクエストを特定するIDである。
ゲーム空間内の味方キャラID111Cは、プレイヤがプレイに使用する味方キャラを特定するIDである。ゲーム空間に複数の味方キャラが存在する場合には、複数のIDが登録される。
【0072】
ゲーム空間内のモンスターID111Dは、各プレイヤに対応するゲーム空間に存在するモンスターを特定するIDである。なお、同じゲームフィールドに存在するモンスターであっても、プレイヤのゲーム空間の外に位置するモンスターは除外される。ゲーム空間に複数のモンスターが存在する場合には、複数のIDが登録される。
ゲーム空間で活動中のモンスターの数111Eは、各プレイヤに対応するゲーム空間で体力値が「0」でないモンスターの数である。倒されたモンスター(すなわち体力値が「0」のモンスター)は、モンスターの数111Eに含まれない。従って、全てのモンスターが倒されると、モンスターの数111Eは「0」になる。図4の場合、プレイヤAには「5」、プレイヤBには「6」、プレイヤCには「3」が記録されている。
【0073】
必殺技の発動可否111Fは、必殺技の発動が可能か否かを示す情報である。図4では、発動が可能な状態を記号の「〇」で表し、発動が可能でないことを記号の「×」で表している。
モンスターの移動元/移動先の関係111Gは、パーティー内に必殺技の発動が可能なプレイヤが存在する場合にモンスターの移動先になるか移動元になるかを示す情報である。図4では、必殺技が発動可能なプレイヤAに「移動先」が記録され、プレイヤAとパーティーを組むプレイヤBに「移動元」が記録されている。なお、プレイヤCは、プレイヤA、Bとパーティーを組んでいないので無関係であることを示す記号「-」が記録されている。
【0074】
図4の場合、パーティー情報112は、パーティーID112A、「プレイヤ1」112B、「プレイヤ2」112Cが例示されている。
パーティーID112Aは、パーティーを特定する情報である。図4では、3つのIDが例示されている。
図4の場合、パーティーは、2人のプレイヤで構成される。このため、図4では、「プレイヤ1」112Bと「プレイヤ2」112CがIDに対応付けられている。図4の場合、「プレイヤ1」112Bは「プレイヤA」であり、「プレイヤ2」112Cは「プレイヤB」である。なお、3人のプレイヤでパーティーが構成される場合には、「プレイヤ3」の欄に対応するプレイヤが記録される。
【0075】
図5は、クエスト情報113とキャラクタ情報114に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図5の場合、クエスト情報113として、クエストID113A、マップ113B、プレイルール113Cが記録されている。
クエストID113Aは、クエストを特定するIDである。一般的に、クエストにより出現するモンスターの種類や数が異なる。また、ゲームクリアのための難易度も異なる。
【0076】
マップ113Bは、ゲーム空間のレイアウト情報である。マップ113Bは、例えばクエストを規定するオブジェクトの配置、モンスターの配置、障害要素の配置、味方キャラの配置を含む。
プレイルール113Cは、例えばクエストをクリアする条件、モンスターや味方キャラの攻撃や防御に関する制約、配置されるモンスターの数や属性の制約、配置される障害要素の数や属性の制約、必殺技の発動条件、モンスターの移動に関する条件を含む。発動条件には、例えば所定数のターン経過、所定の攻撃の実施、受けた又は与えたダメージ量が基準を満たすことなどがある。
【0077】
図5の場合、キャラクタ情報114として、キャラクタID114A、初期HP114B、現在HP114C、基本属性114D、スキル属性114Eが記憶されている。
キャラクタID114Aは、キャラクタを特定する情報である。ここでのキャラクタは、味方キャラと敵キャラの両方を含んでいる。
初期HP114Bは、キャラクタの体力値(HP)の初期値を示す情報である。初期値は、プレイの開始時における体力値である。なお、クエストにより初期値が異なる場合には、クエスト別に初期値が記録される。
【0078】
現在HP114Cは、プレイ中のキャラクタの体力値(HP)の現在値を示す情報である。現在値は、ダメージを受けるたびに更新される。現在値が「0」になると、該当するキャラクタは活動停止となる。
基本属性114Dは、キャラクタが有する属性を示す情報である。図5には、属性の例として、攻撃力、防御力、スピードが例示されている。もっとも、前述したように、火属性、水属性、雷属性、土属性、木属性等の相性に関する情報も含まれる。
スキル属性114Eは、キャラクタが有するスキルを示す情報である。前述したように、スキルには、ダメージを無効化や低減化に関する技能等がある。
【0079】
図6は、ゲーム状態情報115に対応するデータ構造の一例を説明する図表である。
図6の場合、ゲーム状態情報115として、アカウント115A、パーティーID115B、ゲーム空間内のキャラクタID115C、キャラクタの現在HP115D、ゲーム空間で活動中のモンスターの数115E、必殺技の発動タイマー115Fが記録されている。
アカウント115Aは、プレイヤを特定する情報である。図6には、プレイヤA、プレイヤB、プレイヤCが登録されている。
【0080】
パーティーID115Bは、パーティーを特定する情報である。図6では、パーティーを構成しているプレイヤAとプレイヤBについてのみ「0001」が記録されている。プレイヤCは、パーティーに参加していないので空欄である。
ゲーム空間内のキャラクタID115Cは、対応するプレイヤのゲーム空間に存在するキャラクタを特定する情報である。前述したように、ここでのキャラクタには、味方キャラと敵キャラの両方を含んでいる。
【0081】
キャラクタの現在HP115Dは、キャラクタID115Cで特定される各キャラクタのHPの現在値が記録される。
ゲーム空間で活動中のモンスターの数115Eは、キャラクタIDで特定されるキャラクタのうちモンスターの数を示す情報である。この情報は、必殺技の発動が可能になった場合に他のプレイヤから移動が可能なモンスターの数の決定等に使用される。
必殺技の発動タイマー115Fは、例えばカウントダウン型のタイマーであり、カウント値が「0」になると必殺技の発動が可能になる。なお、タイマーはカウントアップ式でもよい。
【0082】
<情報処理方法>
以下では、サーバ10(図2参照)で実行される代表的な情報処理方法について説明する。
【0083】
<情報処理1>
以下では、図7図19を用い、パーティーを構成するプレイヤ間におけるモンスターの移動処理について説明する。
<前提>
「情報処理1」と表記する処理では、以下に示す事項a1~c1を前提とする。
a1:必殺技の発動が可能な状態を「プレイヤに有利な状態」とする。
b1:必殺技の発動には、発動条件が満たされることに加え、プレイヤによる発動ボタンの操作が要求される。
c1:パーティーに参加するプレイヤ間で移動されるモンスターは、移動元のプレイヤの選択と移動先の指定が要求される。
【0084】
<処理の説明>
図7は、サーバ10が実行する「情報処理1」を説明するフローチャートである。図中に示す記号のSは、ステップを表す。また、以下では、各ステップの実行主体を、プログラムを実行するプロセッサ11(図2参照)とする。
「情報処理1」を開始したプロセッサ11は、最初に、パーティーを構成するプレイヤの情報を取得する(ステップ1)。この情報は、パーティー情報112(図3図4参照)から取得が可能である。もっとも、パーティー情報112の確認と、パーティーを構成するプレイヤの情報は、必要に応じて実行してもよい。
【0085】
次に、プロセッサ11は、ステップ1で取得された各プレイヤのゲーム状態を取得する(ステップ2)。
続いて、プロセッサ11は、必殺技の発動が可能なプレイヤがいるか否かを判定する(ステップ3)。ここでは、プレイヤのゲーム状態情報115(図3図6参照)に記録されている必殺技の発動タイマー115Fのカウント値が「0」か否かが判定される。
ここでは、発動タイマーが「0」の場合、必殺技の発動が可能である。従って、発動タイマーが「0」のプレイヤが見つかると、ステップ3で肯定結果が得られる。一方、発動タイマーが「0」のプレイヤが見つからない場合、ステップ3で否定結果が得られる。
【0086】
ステップ3で否定結果を得たプロセッサ11は、他のプレイヤへのモンスターの移動の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップ4)。
移動の指示の受付が検出されない場合、プロセッサ11は、ステップ4で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ステップ3に戻り、ステップ3の判定を繰り返す。
一方、移動の指示の受付を検出した場合、プロセッサ11は、ステップ4で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、モンスターを元の位置に配置した後(ステップ5)、ステップ3に戻る。本実施の形態では、プレイヤ間でモンスターの移動が可能になるのは、必殺技の発動が可能な場合に限られるためである。
【0087】
図7では省略しているが、ステップ3で肯定結果が得られるまでの間に、パーティー全体でクエストのクリアが確認された場合、「情報処理1」を終了する。
次に、ステップ3で肯定結果が得られた場合について説明する。
ステップ3で肯定結果を得たプロセッサ11は、対象プレイヤのゲーム空間に発動ボタンを表示する(ステップ6)。
次に、プロセッサ11は、発動ボタンの操作を検出したか否かを判定する(ステップ7)。
【0088】
発動ボタンの操作が検出されない場合、プロセッサ11は、ステップ7で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ステップ7の判定を繰り返す。なお、図7では省略しているが、予め定めた時間(例えば5秒)以内に発動ボタンの操作が検出されない場合には、必殺技を発動する権利が消滅される設定としてもよい。権利が消滅すると、カウント値が初期値にリセットされる。この場合、プロセッサ11は、例えばステップ1に戻る。
【0089】
一方、発動ボタンの操作が検出された場合、プロセッサ11は、ステップ7で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、発動ボタンを操作したプレイヤをモンスターの移動先に設定し、パーティーの残りのプレイヤをモンスターの移動元に設定する(ステップ8)。この設定は、プレイヤ情報111(図3図4参照)に記録される。
【0090】
続いて、プロセッサ11は、移動元のプレイヤのゲーム空間に、他のプレイヤで必殺技が発動される旨を表示する(ステップ9)。
この表示により、各プレイヤは、自分以外のプレイヤで必殺技が発動されること、該当するプレイヤのゲーム空間にモンスターを移動可能であることを知ることができる。
もっとも、これらの情報の通知には、LED等の点灯、ブザー音や音声の出力を用いることが可能である。
【0091】
次に、プロセッサ11は、移動元となるプレイヤから、移動するモンスターの指定を受け付ける(ステップ10)。なお、発動ボタンの操作から予め定めた時間(例えば10秒)が経過すると自動的に必殺技が発動される場合には、ここでの指定の受付は、必殺技の発動に間に合う時間内に行う必要がある。仮に必殺技が発動してしまった場合には、モンスターの移動は禁止される。必殺技の発動後に、他のプレイヤからモンスターが移動されると、移動先のプレイヤの不利益になるためである。
【0092】
続いて、プロセッサ11は、必殺技が発動されるプレイヤのゲーム空間にモンスターを移動し、ゲーム空間を更新する(ステップ11)。具体的には、移動元となるプレイヤのゲーム空間からは指定されたモンスターが消え、移動先となるプレイヤのゲーム空間には移動されたモンスターが追加される。
この後、プロセッサ11は、必殺技を発動する(ステップ12)。
続いて、プロセッサ11は、各プレイヤのゲーム空間の情報を更新する(ステップ13)。具体的には、移動先のゲーム空間からは、必殺技の発動によって倒されたモンスターが消去される。
この後、プロセッサ11は、「情報処理1」を終了する。もっとも、パーティーを構成する全てのプレイヤのゲーム空間からモンスターが消えるまでは、「情報処理1」が繰り返し実行される。
【0093】
<ゲーム空間の説明>
図8は、各プレイヤのユーザ端末20(図2参照)のディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ)に表示されるゲーム空間20Aの一例を説明する図である。ただし、図8に示すゲーム空間20Aでは、表示内容を簡略化している。
ゲーム空間20Aには、味方キャラ21、モンスター22、これらの体力値(HP)23、パーティーメンバー欄24が配置される。図8では、味方キャラ21とモンスター22がそれぞれ1つ配置されているが、実際には1つとは限らない。
また、体力値(HP)23は、個々のキャラクタ毎に表示してもよい。
【0094】
パーティーメンバー欄24には、パーティーを構成する自分以外のプレイヤが示される。例えばパーティーのメンバーが2人の場合、パーティーメンバー欄24には、他の1人のプレイヤの情報が表示される。パーティーメンバー欄24は、自身とパーティーを組んでいる他のプレイヤの確認に使用される他、必殺技の発動可能性やモンスターの移動先の指定に用いられる。
【0095】
<画面遷移例1>
図9は、必殺技の発動が可能になるまでの画面変化を説明する図である。なお、図中に示す記号のSTは、ステージを表す。
ステージST1は、パーティーを構成するプレイヤAとプレイヤBのいずれも、必殺技の発動が可能でない状態に対応する。
図9の場合、プレイヤAのゲーム空間には、3個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤB(図中は「PB」と示す。)が表示されている。
一方、プレイヤBのゲーム空間には、2個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤA(図中は「PA」と示す。)が表示されている。
【0096】
ステージST2は、プレイヤAで必殺技の発動が可能になった状態に対応する。
このため、プレイヤAのゲーム空間には、必殺技(図中は「SS」と示す。)の発動が可能になったことを示す発動ボタン25が出現している。
ただし、実際に必殺技の発動が可能になるには、発動ボタン25の操作が必要である。このため、プレイヤBのゲーム空間は、ステージST1と同じままである。
【0097】
図10は、移動対象のモンスターが指定されるまでの画面変化を説明する図である。
ステージST3では、プレイヤAが、ゲーム空間内の発動ボタン25を指26でタップしている。このタップにより、必殺技の発動の受付が確定する。ただし、本実施の形態では、プレイヤBからモンスターの移動を受け付ける期間を設けるため、必殺技は直ぐには発動しない。
ステージST3においても、プレイヤBのゲーム空間に変化はない。換言すると、プレイヤBは、プレイヤAのゲーム状態を知るすべがない。
【0098】
ステージST4では、プレイヤAのゲーム空間中の発動ボタン25の表示が、必殺技の準備中(Ready)を示すオブジェクト27に変更されている。この表示の変更により、プレイヤAは、自分の操作が受け付けられたことを知ることができる。
一方、プレイヤBのゲーム空間には、プレイヤAで必殺技が発動されることが、案内文28の表示やパーティーを組むプレイヤAを示すアイコンの点滅29等によって通知されている。
なお、点滅29に代えて、ハイライトによる表示や表示色の変化によって必殺技が発動される旨を通知してもよい。
【0099】
図10の場合、案内文28には、「プレイヤAでSS(必殺技)が発動する!」と表示されている。
もっとも、原因の通知と一緒にモンスターの移動が可能になったことを文字等により通知してもよい。この通知の例には、例えば「プレイヤAにモンスターを移動できるぞ!」等がある。
【0100】
また、案内文28には、移動が可能なモンスターの数の情報を含めてもよい。この通知の例には、「プレイヤAにモンスターを2個まで移動できるぞ!」等がある。移動可能な数が分かると、プレイヤBによるモンスターの選択の判断が容易になる。例えばどのモンスター22の移動を優先するかの判断が容易になる。
ところで、移動可能なモンスター22の数の上限に達した場合には、「これ以上は移動できません」等の表示を追加することで、プレイヤBによる無駄な選択が実行されないようにしてもよい。
【0101】
なお、ステージST4になると、プレイヤAとプレイヤBのゲーム空間でプレイが進行しない状態としてもよい。この仕様の場合、プレイヤBは、移動の対象とするモンスター22の選択に注力することができる。
もっとも、モンスター22に対する攻撃等が自動実行されるゲームの場合(すなわちプレイヤが攻撃や防御を指示しなくても必要な攻撃や防御が実行される場合)には、モンスターの選択中もプレイヤBのゲーム空間でプレイが進行する仕様とすることも可能である。攻撃等が自動実行される場合には、プレイを停止しなくてもプレイヤBのプレイに格段の不利益が生じないためである。
図10の場合、ステージST4では、プレイヤBが2個のモンスター22のうち左側のモンスターを指30でタップしている。このタップが、移動の対象となるモンスター22の指定となる。
【0102】
図11は、必殺技の発動直前までの画面変化を説明する図である。
ステージST5では、プレイヤBが、選択したモンスター22をプレイヤAのアイコンの上までドラッグしている。この状態で指30を離すと、プレイヤAのゲーム空間へのモンスターの移動が実行される。
図11の場合、モンスター22の移動は1個ずつ実行されるが、パーティーメンバー欄24に示されているプレイヤAのアイコンをタップすると、プレイヤBのゲーム空間から移動可能な最大範囲でモンスター22の移動が実行されるようにしてもよい。なお、必殺技の発動が可能になると、移動可能な最大範囲でモンスター22の移動を指示する専用のボタンをプレイヤBのゲーム空間に別途表示してもよい。
【0103】
図11のステージST5では、プレイヤBからプレイヤAへのモンスター22の移動を太線の矢印で示している。
矢印の先端であるプレイヤAのゲーム空間には、プレイヤBから移動されてきたモンスター22が出現している。
図11では、モンスター22の出現を点滅31によりプレイヤAに知らせている。なお、点滅31に代えて、出現したモンスター22をハイライトで表示してもよい。また、プレイヤAのゲーム空間に元々存在したモンスター22とは異なる色で、移動によって出現したモンスターを表示してもよい。この表示により、プレイヤAは、他のプレイヤからモンスター22が移動されたことに気付くことができる。
【0104】
なお、プレイヤAのゲーム空間には、モンスター22の移動元であるプレイヤの情報を表示してもよい。例えば「プレイヤBからモンスターが1個移動されました!」等と表示してもよい。
本実施の形態では、パーティーが2人のプレイヤで構成されるため、モンスター22の移動元はプレイヤBに確定されるが、パーティーが3人以上で構成される場合には、移動元の情報を表示することで、モンスター22の移動元を知らせることが可能になる。ちなみに、移動元の通知は文字によるだけでなく、パーティーメンバー欄24のプレイヤのアイコンの点滅等によって通知してもよい。モンスター22の出現とアイコンの点滅等とを同期させることにより、出現したモンスター22の移動元の確認が容易になる。
【0105】
ステージST6は、必殺技の発動直前のゲーム空間を表している。図11では、プレイヤAとプレイヤBの両方に共通のカットイン画像32を表示させている。
プレイヤBにおけるカットイン画像32の表示は、必殺技が発動の通知に用いられる他、モンスター22の移動の受付の終了通知としても用いられる。
他方、プレイヤAにおけるカットイン画像32の表示は、必殺技の発動タイミングの到来を知らせる役割を果たす。
なお、本実施の形態では、予め定めた時間(例えば発動ボタン25のタップから10秒)の経過により必殺技が自動的に発動する場合を想定するが、予め定めた時間内でもオブジェクト27をプレイヤAがタップすると、必殺技が発動される仕様としてもよい。
【0106】
図12は、必殺技の発動とその後の画面変化を説明する図である。
ステージST7では、プレイヤAのゲーム空間で必殺技の演出画面が表示されている。図12の場合、ゲーム空間内の4個のモンスター22の全てに雷が落ちている。図中では、雷が当たったことを「Hit」で表している。
なお、プレイヤBのゲーム空間には、モンスター22が1個だけ残っている。プレイヤBのゲーム空間にモンスター22が残っているのは、ステージST5の間にモンスター22を1個しか移動させなかったからである。
ステージST8は、必殺技の発動が終わった状態を表している。図12の場合、プレイヤAのゲーム空間のモンスター22は「0」である。一方、プレイヤBのゲーム空間にはモンスター22が1個残っている。
【0107】
<画面遷移例2>
図13は、必殺技の発動が可能になる前に、プレイヤBがプレイヤAへのモンスター22の移動を指示した場合の画面変化を説明する図である。
ステージST9の場合、プレイヤAのゲーム空間では、必殺技の発動が予定されていない。このため、プレイヤBのゲーム空間におけるパーティーメンバー欄24でも、プレイヤAのアイコンは点滅29の表示はない。
しかし、プレイヤBは、ステージST5の場合と同様、選択したモンスター22をプレイヤAのアイコンの上までドラッグしている。
【0108】
当然ながら、移動先のプレイヤAで必殺技が発動しない状態では、プレイヤBからプレイヤAへのモンスター22の移動は実行されない。
このため、ステージST10では、プレイヤBのゲーム空間に注意文34が表示されている。図13の場合、注意文34として「移動できません!」が表示されている。
また、プレイヤAのアイコン上にドラッグしたモンスター22も元の位置に配置されている。
なお、図13では、モンスター22のドラッグは可能であるが、ドラッグも受け付けない仕様としてもよい。
【0109】
<画面遷移例3>
図14は、必殺技の発動が可能な場合でも、プレイヤBからプレイヤAへのモンスター22の移動が失敗する場合の画面変化を説明する図である。図14には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
図14に示すステージST11の場合、プレイヤBは、選択したモンスター22を移動先であるプレイヤAのアイコンとは異なる位置にドラッグして指30を離している。
この場合、プロセッサ11(図2参照)は、モンスター22のドラッグが、プレイヤAへの移動を意図するものか特定することができない。
このため、選択されたモンスター22のプレイヤAへの移動は実行されず、ステージST12に示すように、移動前の位置に表示されている。
【0110】
また、ステージST12では、プレイヤBのゲーム空間に、注意文35が表示されている。図14の場合、注意文35として「移動に失敗しました!」と表示され、プレイヤBに注意が喚起されている。
画面遷移例2の場合とは異なり、この画面遷移例3では、モンスター22のプレイヤAへの移動が可能であるので、プレイヤBはモンスター22をプレイヤAに移動できたものと勘違いする可能性もある。
しかし、注意文35が表示されれば、モンスター22をプレイヤAに移動できなかったことに気づきやすくなる。
因みに、ステージST11とST12のいずれにおいても、プレイヤAのゲーム空間の表示には何の変化もない。
【0111】
<モンスターの移動を支援する機能の説明>
以下では、プレイヤBからプレイヤAへのモンスター22の移動を支援する各種の機能に関連する画面例を説明する。
<画面例1>
図15は、移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスター22の最大数を通知する機能を例示する図である。図15には、図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15の場合、プレイヤAのゲーム空間には3個のモンスター22が存在し、プレイヤBのゲーム空間には5個のモンスター22が存在している。
このとき、必殺技の効果によって5個のモンスター22を倒せる場合、プレイヤBのゲーム空間からプレイヤAのゲーム空間には2個のモンスター22を移動することができる。
【0112】
そこで、「画面例1」では、プレイヤBのゲーム空間に存在する5個のモンスター22のうち移動可能な数に対応する2個のモンスター22の色を、他のモンスター22と変更する。図15においては、移動可能な数のモンスター22を白色で示し、その他のモンスター22を網掛けで示している。
この他、移動可能なモンスターはカラー画像で表示するが、その他のモンスター22はグレースケール画像で表示したり、半透明で表示したりしてもよい。
色だけで移動可能な数を表現する場合には、移動可能な数の理解を間違えないように色を選択することが求められる。
【0113】
なお、図15の場合、「最大2個まで移動できます!」という説明文36も表示している。図15の場合は説明文36とモンスター22の表示色の違いと組み合わせているが、説明文36だけで移動可能な最大数を通知してもよい。
この他、移動可能な最大数のモンスター22はハイライトで表示し、それ以外のモンスター22はグレーアウトで表示してもよい。
この画面例1により、プレイヤBは、事前に選択可能なモンスター22の数を把握することができる。
なお、図15に示す画像は、ステージST4の変形例、ステージST4の前段階の画面、ステージST5の変形例として表示される。因みに、通知後のプレイヤBの選択を不要とする仕様、すなわちプレイヤBによる指定がなくても移動を実行する仕様としてもよい。
【0114】
<画面例2>
図16は、移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスター22の候補を通知する機能を例示する図である。図16には、図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
図16の場合も、移動可能なモンスター22の最大数は「2」とする。ただし、図16の場合には、個々のモンスター22の体力値(HP)を基準に候補をプレイヤBに提示している。
図16の例では、説明の都合上、モンスター22に対応付けて体力値(HP)を表示している。ここでの体力値は、降順に、「HP6」、「HP5」、「HP4」、「HP3」、「HP1」である。体力値が大きいモンスター22には、多くの攻撃が必要になる。つまり、プレイヤBにとっては、「HP6」のモンスター22と、「HP5」のモンスター22がゲーム空間からいなくなると、その分、ゲームクリアが容易になる。
そこで、画面例2では、体力値(HP)を基準に移動するモンスター22の候補を決定している。
なお、図16に示す画像も、ステージST4の変形例、ステージST4の前段階の画面、ステージST5の変形例として表示される。因みに、通知後のプレイヤBの選択を不要とする仕様、すなわちプレイヤBによる指定がなくても移動を実行する仕様としてもよい。
【0115】
<画面例3>
図17は、移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスター22の候補を通知する他の機能を例示する図である。図17には、図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17の場合も、移動可能なモンスター22の最大数は「2」とする。また、画面例3、体力値(HP)に着目する。ただし、画面例3では、必殺技がモンスター22に与えるダメージの総量を考慮して移動するモンスター22の候補を決定する。
【0116】
図17では、必殺技がモンスター22に与えるダメージの総量が30HPとする。また、移動先となるプレイヤAのゲーム空間に存在するモンスター22の体力値(HP)の総量が20HPとする。
この場合、プレイヤBから受け入れるモンスター22の体力値(HP)の総量が10HP(HP=30HP-20HP)以内であれば、プレイヤAは、必殺技の発動によって負担なくモンスター22を倒すことができる。以下では、ここでの10HPを「移動可能HP」ともいう。
そこで、画面例3では、体力値(HP)の総量が10HPとなる組み合わせのモンスター22が候補として提示される様子を表している。
【0117】
具体的には、例1の場合である。
なお、体力値(HP)の総量が10HPとなるモンスター22の組み合わせは例1に限らず、例2や例3もある。このように複数の候補が存在する場合、組み合わせの候補を選択可能にプレイヤBに提示してもよい。
例1-例3は、必殺技の効力を最大限活用する移動例であるが、例4のように3個のモンスター22をプレイヤAに移動させることも可能であるし、例5のように2個のモンスター22をプレイヤAに移動させることも可能である。また、1個のモンスター22だけをプレイヤAに移動させることも可能である。
【0118】
因みに、単独の体力値(HP)が10HPより大きいモンスター22がプレイヤBにより移動の対象に指定された場合や組み合わせた体力値(HP)の総量が10HPより大きくなるモンスター22がプレイヤBにより移動の対象に指定された場合には、画面上にアラートを表示し、プレイヤBに注意を促してもよい。
また、注意を無視してモンスター22の移動を実行しようとしても、モンスター22の移動が実行されないように制御してもよい。モンスター22の移動は、移動先となるプレイヤの攻撃力の余力を活用することで、パーティーを構成するプレイヤの助け合いを図る機能であり、移動先となるプレイヤのプレイを妨害するための機能ではないためである。
【0119】
もっとも、移動されるモンスター22の単独のHPや組み合わせのHPが、必殺技の効果から算出される移動可能HPを超過する移動を一律に禁止しない仕様も可能である。例えば移動先となるプレイヤAが許容する場合である。もっとも、何らかの上限を設けないと、移動先となるプレイヤAがゲームクリアに失敗してしまい、パーティー全体で効率的にゲームをクリアするという目的が実現されなくなる。
このため、移動可能HPを超過するHPを、移動先であるプレイヤAが事前に設定した許容範囲以内に制限する仕組み、移動先であるプレイヤAから対応する移動の許可が事前に得られた場合に限る仕組みなどの採用が望ましい。
なお、図17に示す画像も、ステージST4の変形例、ステージST4の前段階の画面、ステージST5の変形例として表示される。因みに、通知後のプレイヤBの選択を不要とする仕様、すなわちプレイヤBによる指定がなくても移動を実行する仕様としてもよい。
【0120】
<画面例4>
図18は、移動元となるプレイヤBに移動可能なモンスター22の候補を通知する他の機能を例示する図である。図18には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
図18の場合も、移動可能なモンスター22の最大数は「2」とする。図18では、キャラクタの相性に着目し、移動するモンスター22の候補を通知する。
図18の例では、必殺技が発動するプレイヤAの味方キャラ21が雷属性である。このため、雷属性の必殺技が発動されるものとする。
一方、移動元となるプレイヤBの味方キャラ21は火属性である。火属性の攻撃は、水属性のモンスター22には効きにくい。
【0121】
そこで、図18では、プレイヤBとは相性が悪い水属性のモンスター22が候補として提示されている。なお、プレイヤBのゲーム空間には、水属性のモンスター22が3個存在しているが、移動可能なモンスター22の最大数が2個であるので、2個だけが候補として提示されている。
この場合も、説明文を表示して、候補として提示する理由等をプレイヤBに通知してもよい。
なお、図18の場合、プレイヤAに移動される水属性のモンスター22は、雷属性を有するプレイヤAの味方キャラ21との相性も良い。このため、図18におけるモンスター22の移動は、移動先の味方キャラ21と相性のよい属性のモンスター22が候補として通知される例ともいえる。
【0122】
ところで、移動先の味方キャラ21の属性に応じて移動されるモンスター22の属性を変更する機能が搭載されている場合には、移動元であるプレイヤBの味方キャラ21との相性だけに着目すればよい。
図19は、モンスター22の属性が移動先の必殺技の属性に応じて変化する例を説明する図である。
図19には、図18との対応部分に対応する符号を付している。図19の場合も、プレイヤBからプレイヤAには、水属性のモンスター22が2個移動される。
【0123】
ところで、プレイヤAがプレイに使用する味方キャラ21は火属性であるが、火属性は、水属性に弱い。このため、本来であれば、水属性のモンスター22の移動は、プレイヤAにとってうれしくない。しかし、図19では、プレイヤBのゲーム空間では水属性であったモンスター22が、プレイヤAのゲーム空間では木属性に変化している。
そして、火属性の攻撃は、木属性のモンスター22に効きやすい。この場合、プレイヤBは、移動先の不利益を考えずに、自分にとって相性の悪いモンスター22を移動の対象に指定することが可能になる。
なお、図18及び図19に示す画像も、ステージST4の変形例、ステージST4の前段階の画面、ステージST5の変形例として表示される。因みに、通知後のプレイヤBの選択を不要とする仕様、すなわちプレイヤBによる指定がなくても移動を実行する仕様としてもよい。
【0124】
<情報処理2>
以下では、図20図22を用い、パーティーを構成するプレイヤ間におけるモンスターの移動処理について説明する。
<前提>
「情報処理2」と表記する処理では、以下に示す事項a2、c1、d1を前提とする。
a2:ゲーム空間内のモンスターの数が「0」の状態を「プレイヤに有利な状態」とする。
c1:パーティーに参加するプレイヤ間で移動されるモンスターは、移動元のプレイヤの選択と移動先の指定が要求される。
d1:モンスターの数が「0」になったプレイヤは、他のプレイヤからのモンスターの移動を拒否できない。
【0125】
<処理の説明>
図20は、サーバ10が実行する「情報処理2」を説明するフローチャートである。図20には、図7との対応部分に対応する符号を付して示す。また、以下では、各ステップの実行主体を、プログラムを実行するプロセッサ11(図2参照)とする。
「情報処理2」を開始したプロセッサ11は、最初に、パーティーを構成するプレイヤの情報を取得する(ステップ1)。
次に、プロセッサ11は、ステップ1で取得された各プレイヤのゲーム状態を取得する(ステップ2)。
続いて、プロセッサ11は、モンスターの数が「0」のプレイヤがいるか否かを判定する(ステップ21)。
【0126】
ここでは、モンスターの数が「0」のプレイヤが見つかると、ステップ21で肯定結果が得られる。一方、モンスターの数が「0」のプレイヤが見つからない場合、ステップ21で否定結果が得られる。
ところで、「情報処理2」は、ゲームの進行に余力があるプレイヤによる他のプレイヤの支援を目的とする。このため、受け入れ可能なタイミングとしてのモンスターの数や受け入れ可能なモンスターの数は、受け入れ側のプレイヤに依存する。このため、ステップ21の判断基準を一律に定めるのではなく、プレイヤ毎に自由に設定可能としてもよい。例えばステップ21の判断基準として「1」を用いてもよい。
【0127】
ステップ21で否定結果を得たプロセッサ11は、他のプレイヤへのモンスターの移動の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップ4)。
移動の指示の受付が検出されない場合、プロセッサ11は、ステップ4で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ステップ21に戻り、ステップ21の判定を繰り返す。
一方、移動の指示の受付を検出した場合、プロセッサ11は、ステップ4で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、モンスターを元の位置に配置した後(ステップ5)、ステップ21に戻る。本実施の形態では、プレイヤ間でモンスターの移動が可能になるのは、移動先となるプレイヤのゲーム空間にいるモンスターの数が「0」の場合に限るためである。
【0128】
図20では省略しているが、ステップ21で肯定結果が得られるまでの間に、パーティー全体でクエストのクリアが確認された場合、「情報処理2」を終了する。
次に、ステップ21で肯定結果が得られた場合について説明する。
ステップ21で肯定結果を得たプロセッサ11は、モンスターの数が「0」のプレイヤをモンスターの移動先に設定し、パーティーの他のプレイヤをモンスターの移動元に設定する(ステップ22)。この設定は、プレイヤ情報111(図3図4参照)に記録される。
【0129】
次に、プロセッサ11は、移動元のプレイヤのゲーム空間に、モンスターの数が「0」のプレイヤが存在する旨を表示する(ステップ23)。
この表示により、各プレイヤは、自分以外のプレイヤにモンスターの移動が可能になったことを知ることができる。
もっとも、これらの情報の通知には、LED等の点灯、ブザー音や音声の出力を用いることが可能である。
続いて、プロセッサ11は、移動元となるプレイヤから、移動するモンスターの指定を受け付ける(ステップ10)。
その後、プロセッサ11は、移動先のプレイヤのゲーム空間にモンスターを移動し、ゲーム空間の情報を更新する(ステップ24)。
この後、プロセッサ11は、「情報処理2」を終了する。もっとも、パーティーを構成する全てのプレイヤのゲーム空間からモンスターが消えるまでは、「情報処理2」が繰り返し実行される。
【0130】
<画面遷移例1>
図21は、ゲーム空間内のモンスターの数が「0」になるプレイヤAが現れるまでの画面変化を説明する図である。
ステージST21は、パーティーを構成するプレイヤAとプレイヤBのいずれのゲーム空間にもモンスターがいる状態に対応する。
図21の場合、プレイヤAのゲーム空間には、2個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤB(図中は「PB」と示す。)が表示されている。
一方、プレイヤBのゲーム空間には、2個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤA(図中は「PA」と示す。)が表示されている。
【0131】
ステージST22は、プレイヤAのゲーム空間のモンスター22の数が「0」になった状態を表している。図21では、モンスター22が倒されたことを×印で表現している。
「情報処理2」の場合、モンスター22の数が「0」になったプレイヤAは、プレイヤBからのモンスター22の移動を拒むことはできない。
ステージST22のプレイヤBのゲーム空間には、プレイヤAのゲーム空間のモンスター22の数が「0」になったことを説明する案内文41やパーティーを組むプレイヤAを示すアイコンの点滅42等によって通知されている。
なお、点滅42に代えて、ハイライトによる表示や表示色の変化によってモンスター22の数が「0」になった旨を通知してもよい。
図21の場合、案内文41には、「プレイヤAでモンスターが0!」と表示されている。
【0132】
もっとも、移動が可能になった原因の通知ではなく、又は、原因の通知と一緒にモンスターの移動が可能になったこと文字等で通知してもよい。この通知の例には、例えば「プレイヤAにモンスターを移動できるぞ!」等がある。
また、移動が可能になる原因の通知ではなく、又は、原因の通知と一緒に移動可能なモンスターの数の情報を通知してもよい。この通知の例には、例えば「プレイヤAにモンスターを1個移動できるぞ!」等がある。移動可能な数が分かると、プレイヤBによるモンスターの選択の判断が容易になる。例えばどのモンスター22の移動を優先するかの判断が容易になる。
【0133】
なお、「情報処理2」の場合、プレイヤBからモンスター22の移動を受け付けるプレイヤAは、必殺技を使用できるとは限らない。このため、「情報処理2」の場合に、プレイヤBから移動が可能なモンスター22の上限は、必殺技で倒せる数よりも少なくなる。本実施の形態では、移動可能なモンスター22の最大数を「1」とする。
ところで、プレイヤBが移動対象に指定したモンスター22の数が上限に達した場合には、「これ以上は移動できません」等の表示を追加することで、プレイヤBによる無駄な選択が実行されないようにしてもよい。
【0134】
図22は、モンスターの移動の実行までを説明する図である。
ステージST23の場合、プレイヤAのゲーム空間には、モンスター22がいない。
一方、プレイヤBのゲーム空間では、選択したモンスター22をプレイヤAのアイコンの上までドラッグしている。この状態で指30を離すと、プレイヤAのゲーム空間へのモンスターの移動が実行される。
ステージST24での場合、プレイヤAのゲーム空間には、プレイヤBから移動されてきたモンスター22が出現している。図22では、モンスター22の出現を点滅43によりプレイヤAに知らせている。
【0135】
なお、点滅43に代えて、出現したモンスター22をハイライトで表示してもよい。点滅43やハイライト表示により、他のプレイヤからモンスター22が移動されたことをプレイヤAに気づかせるようにする。「情報処理2」の場合、モンスター22の移動を想定するプレイヤAの操作はないので、プレイヤAの注意を引く必要性は、「情報処理1」よりも高くなる。
更に、図22では、説明文44とアイコンの点滅45により、モンスター22の移動と移動元の情報をプレイヤAに知らせる工夫を採用している。
【0136】
図22に示す説明文44では、「プレイヤBからモンスターを受け取り」と表示している。なお、説明文44とアイコンの点滅45のいずれかだけでもよい。
いずれにしても、ステージ24での、プレイヤAのゲーム空間とプレイヤBのゲーム空間には、モンスター22が1つずつ存在することになる。
この結果、プレイヤAは新たに出現した1個のモンスター22だけを倒せばよく、追加の負担は少なく済む。また、プレイヤBのゲーム空間内のモンスター22は1個だけになる。プレイヤBは、2個倒すべきだったモンスター22を1個だけ倒せばよいので、ゲームクリアが容易になる。
【0137】
<情報処理3>
以下では、図23図26を用い、パーティーを構成するプレイヤ間におけるモンスターの移動処理について説明する。
<前提>
「情報処理3」と表記する処理では、以下に示す事項a2、c1、d2を前提とする。
a2:ゲーム空間内のモンスターの数が「0」の状態を「プレイヤに有利な状態」とする。
c1:パーティーに参加するプレイヤ間で移動されるモンスターは、移動元のプレイヤの選択と移動先の指定が要求される。
d2:モンスターの移動には、モンスターの数が「0」であることに加え、プレイヤによる受付ボタンの操作が要求される。
【0138】
<処理の説明>
図23は、サーバ10が実行する「情報処理3」を説明するフローチャートである。図23には、図20との対応部分に対応する符号を付して示す。また、以下では、各ステップの実行主体を、プログラムを実行するプロセッサ11(図2参照)とする。
「情報処理3」を開始したプロセッサ11は、最初に、パーティーを構成するプレイヤの情報を取得する(ステップ1)。
次に、プロセッサ11は、ステップ1で取得された各プレイヤのゲーム状態を取得する(ステップ2)。
続いて、プロセッサ11は、モンスターの数が「0」のプレイヤがいるか否かを判定する(ステップ21)。ステップ21の処理は「情報処理2」と同じである。
【0139】
また、ステップ21で否定結果を得たプロセッサ11は、他のプレイヤへのモンスターの移動の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップ4)。
移動の指示の受付が検出されない場合、プロセッサ11は、ステップ4で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ステップ21に戻り、ステップ21の判定を繰り返す。
一方、移動の指示の受付を検出した場合、プロセッサ11は、ステップ4で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、モンスターを元の位置に配置した後(ステップ5)、ステップ21に戻る。
図23でも省略しているが、ステップ21で肯定結果が得られるまでの間に、パーティー全体でクエストのクリアが確認された場合、「情報処理3」を終了する。
【0140】
次に、ステップ21で肯定結果が得られた場合について説明する。
ステップ21で肯定結果を得たプロセッサ11は、モンスターの数が「0」のプレイヤのゲーム空間に他のプレイヤからモンスターを受け付けるための受付ボタンを表示する(ステップ31)。この受付ボタンの表示が「情報処理2」との違いである。「情報処理3」の場合、他のプレイヤの積極的な確認があった場合に初めてモンスターの移動が可能になる。
続いて、プロセッサ11は、プレイヤが受付ボタンを操作したか否かを検出する(ステップ32)。ここでの受付ボタンは、移動の許可を与えるボタンとして機能する。
【0141】
例えば予め定めた時間内に受付ボタンの操作が検出されない場合、プロセッサ11は、ステップ32で否定結果を得る。この場合、対象とするプレイヤは、他のプレイヤからのモンスターの移動を望んでいない。そこで、プロセッサ11は、該当するプレイヤについての「情報処理3」を終了する。
一方、受付ボタンの操作が検出された場合、プロセッサ11は、ステップ32で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、受付ボタンを操作したプレイヤをモンスターの移動先に設定し、パーティーの他のプレイヤをモンスターの移動元に設定する(ステップ33)。この設定は、プレイヤ情報111(図3図4参照)に記録される。
【0142】
次に、プロセッサ11は、移動元のプレイヤのゲーム空間に、モンスターの数が「0」のプレイヤが存在する旨を表示する(ステップ23)。
この表示により、各プレイヤは、自分以外のプレイヤにモンスターの移動が可能になったことを知ることができる。
もっとも、これらの情報の通知には、LED等の点灯、ブザー音や音声の出力を用いることが可能である。
続いて、プロセッサ11は、移動元となるプレイヤから、移動するモンスターの指定を受け付ける(ステップ10)。
その後、プロセッサ11は、移動先のプレイヤのゲーム空間にモンスターを移動し、ゲーム空間を更新する(ステップ24)。
この後、プロセッサ11は、「情報処理2」を終了する。もっとも、パーティーを構成する全てのプレイヤのゲーム空間からモンスターが消えるまでは、「情報処理2」が繰り返し実行される。
【0143】
<画面遷移例1>
図24は、ゲーム空間内のモンスターの数が「0」になるプレイヤAが現れるまでの画面変化を説明する図である。図24には、図21との対応部分に対応する符号を付して示している。
ステージST31は、パーティーを構成するプレイヤAとプレイヤBのいずれのゲーム空間にもモンスターがいる状態に対応する。
図24の場合、プレイヤAのゲーム空間には、2個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤB(図中は「PB」と示す。)が表示されている。
一方、プレイヤBのゲーム空間には、2個のモンスター22が配置されている。また、パーティーメンバー欄24には、プレイヤA(図中は「PA」と示す。)が表示されている。
【0144】
ステージST32は、プレイヤAのゲーム空間のモンスター22の数が「0」になった状態に対応する。図24では、モンスター22が倒されたことを×印で表現している。
図24に示すステージST32の場合、プレイヤAのゲーム空間には、モンスター22の数が「0」になった時点で、他のプレイヤ(ここではプレイヤB)からのモンスター22の移動を許可するための専用ボタン51が表示される。専用ボタン51が表示されただけでは、他のプレイヤからのモンスター22の移動は実行されない。
このため、ステージST32で、プレイヤBのゲーム空間に変化はない。
なお、専用ボタン51の表示だけではモンスター22の移動が実行されないことを明示するため、図24の例では、専用ボタン51に「くれ」との文字を表記している。「くれ」は能動的な言葉であり、プレイヤAによる専用ボタン51の操作が移動の許可又は要求として理解される。この他、「送って」等の言葉を用いてもよい。いずれも、他のプレイヤへの働きかけを表現する言葉であることが望ましい。
【0145】
図25は、移動元のプレイヤBによるモンスター22の指定までを説明する図である。
ステージST33では、モンスター22の数が「0」になったプレイヤAが、専用ボタン51を指26でタップする。操作の受付は、専用ボタン51の点滅52等によりプレイヤAに通知される。
なお、点滅52に代えて、ハイライト表示、表示色の変化、点滅等により操作の受付を表現してもよい。
ところで、専用ボタン51の操作時には、移動条件を指定できるようにしてもよい。例えば移動条件として、受け入れ可能なモンスターの数、受け入れるモンスターの属性等を指定できるようにしてもよい。移動条件の指定により、移動先となるプレイヤの都合を移動元となるプレイヤに知らせることができる。また、この指定により、移動先となるプレイヤは安心してモンスターを受入れることができる。
【0146】
さて、専用ボタン51の操作が受け付けられると、プレイヤBのゲーム空間に、モンスター22の移動が可能であることを示す案内文53がポップアップ表示される。なお、専用ボタン51の操作後に移動条件の指定があった場合には、移動条件の指定の後に案内文53がポップアップされるとともに、移動条件の内容がプレイヤBに通知される。
また、移動を許可したプレイヤの情報として、パーティーを組むプレイヤAを示すアイコンが点滅54等する。
図25の場合、案内文53には、「モンスターを送っていいよ!」と表示されている。この文面を、必殺技が発動する場合(情報処理1)等とは異ならせることで、移動が可能になった原因の推測が可能になる。
【0147】
なお、案内文53では、モンスターの移動が可能になったことのみを文字等により通知してもよい。例えば「プレイヤAにモンスターを移動できるぞ!」等でもよい。
また、案内文53には、移動が可能なモンスターの数の情報を含めてもよい。この通知の例には、「プレイヤAにモンスターを2個まで移動できるぞ!」等がある。
ステージST34では、案内文53による通知を受けたプレイヤBが、2個のモンスター22のうち右側のモンスターを指30でタップしている。このタップが、移動の対象となるモンスター22の指定となる。
【0148】
図26は、モンスターの移動の実行までを説明する図である。
ステージST35では、プレイヤBが、選択したモンスター22をプレイヤAのアイコンの上までドラッグしている。この状態で指30を離すと、プレイヤAのゲーム空間へのモンスターの移動が実行される。
図26のステージST36では、プレイヤAのゲーム空間に、プレイヤBから移動されてきたモンスター22が出現している。図26では、モンスター22の出現を点滅55によりプレイヤAに知らせている。なお、点滅55に代えて、出現したモンスター22をハイライトで表示してもよい。この表示により、プレイヤAは、他のプレイヤからモンスター22が移動されたことに気付くことができる。
【0149】
また、ステージST36では、プレイヤAのゲーム空間に、モンスター22の移動や移動元を示す案内文56が表示されている。図26の場合、案内文56には、「プレイヤBからモンスターを受け取り」と表示されている。
また、プレイヤAのゲーム空間では、パーティーを組むプレイヤBを示すアイコンが点滅57等する。
なお、案内文56と点滅57は、いずれか一方だけでもよい。いずれにしても、案内文56や点滅57の表示により、ゲーム空間に新たに出現したモンスター22の移動元の確認が可能になる。
この移動の結果、プレイヤAのゲーム空間とプレイヤBのゲーム空間には、それぞれ1個のモンスター22が残ることになる。
【0150】
<他の移動処理>
以下では、モンスターの他の移動処理について説明する。
<モンスターの一括移動>
前述の「情報処理1」等では、プレイヤBのゲーム空間からプレイヤAのゲーム空間にモンスター22を1個ずつ移動されているが、ここでは一括移動のための具体例を説明する。
図27は、モンスターの一括移動に関する処理動作例を説明するフローチャートである。なお、図27に示すフローチャートは、ステップ10(図7、20、23参照)での実行を想定している。
【0151】
まず、プロセッサ11は、画面の長押しを検出する(ステップ41)。ここでは、ユーザ端末20(図2参照)のディスプレイがタッチパネルである場合を想定している。
次に、プロセッサ11は、長押しを検出した座標に輪を表示する(ステップ42)。ここでの輪は、モンスターの捕獲用である。
プロセッサ11は、長押しの間、輪を拡大し(ステップ43)、一定範囲まで広がると、輪を縮小する(ステップ44)。輪の縮小時にモンスターが捕獲され、一か所にまとめられる。
【0152】
次に、プロセッサ11は、画面から指が離れたか否かを判定する(ステップ45)。
指が画面に触れたままである場合、プロセッサ11は、ステップ45で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ステップ45の判定を繰り返す。なお、この判定の間、画面上のドラッグ移動は可能である。
指が画面から離れた場合、プロセッサ11は、ステップ45で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、指が離れた座標はモンスターの受け入れが可能なプレイヤのアイコン上か否かを判定する(ステップ46)。ここでの「受け入れが可能」とは、前述した「情報処理1」等におけるプレイヤAのことである。
【0153】
指が離れた座標がモンスターを受け入れ可能なプレイヤのアイコン上であった場合、プロセッサ11は、ステップ46で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、輪の内側にモンスターがいるか否かを追加で判定する(ステップ47)。
輪の内側にモンスターがいる場合、プロセッサ11は、ステップ47で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、該当するモンスターを移動対象に設定する(ステップ48)。
【0154】
これに対し、ステップ46又はステップ47で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、指定をキャンセルする(ステップ49)。ここでの指定のキャンセルは、モンスターの移動のキャンセルを意味する。
なお、ステップ46で否定結果が得られる場合には、指が離れた座標がモンスターを受け入れ可能なプレイヤとは異なるプレイヤのアイコン上である場合やパーティーを構成する他のプレイヤを示すアイコン以外の場所である場合がある。
また、ステップ47で否定結果が得られる場合には、縮小された輪の中にモンスターがいない場合、すなわちモンスターが捕獲されていない場合がある。
【0155】
図28は、モンスターの一括移動を説明する図である。
ステージST41は、指30による画面の長押しが開始された場面を表している。ユーザ端末20の画面には、指30が触れている座標を中心とする輪60が出現する。
指30が長押しされている間、ステージST42に示すように、輪60は一定範囲まで拡大し、やがて縮小に転じる。ステージST42では、輪60の内側にモンスター22が含まれている。
縮小に転じた輪60は、輪60の内側にあるモンスター22をまとめるように縮小を続け、ある半径で縮小を停止する。この場面がステージST43である。
【0156】
その後、プレイヤBは、指30を画面上でドラッグし、目的の地点で指30を画面上から離す。
ステージST44は、指30を離した座標の違いを表している。なお、ステージST44では、画面から指30が離れたことを、広げた手30Aで表現している。
ステージST44のうち画面右上にドラッグされた例では、モンスターの受け入れが可能なプレイヤAのアイコン上で画面から指30が離れている。この場合、捕獲された2個のモンスター22が移動対象に設定される。
一方、ステージST44のうち画面右下にドラッグされた例では、モンスターの受けいれが可能なプレイヤAのアイコンが存在しない場所で指30が離れている。この場合、捕獲された2個のモンスター22の移動はキャンセルされる。
【0157】
<必殺技時の自動移動>
前述の「情報処理1」の場合には、必殺技が可能になっても、それだけではモンスターの移動は可能ではなく、少なくともプレイヤAによる発動ボタン25(図9参照)の操作が要求された。
ここでは、必殺技が可能になると、プレイヤ間でモンスターの移動が自動的に実行され、事後的に各プレイヤにモンスターの移動を通知する例を説明する。
図29は、モンスターの自動移動に関する処理動作例を説明するフローチャートである。図29には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0158】
図29に示す処理動作のうち、ステップ1~ステップ5の処理動作は、図7と同じであるので説明を省略する。
さて、ステップ3で肯定結果が得られた場合、すなわち必殺技の発動が可能なプレイヤがいる場合、プロセッサ11は、該当するプレイヤをモンスターの移動先に設定し、パーティーの残りのプレイヤをモンスターの移動元に設定する(ステップ51)。このように、必殺技の発動が可能になった時点で、移動先と移動元のプレイヤの設定が自動的に実行される。
【0159】
次に、プロセッサ11は、移動元のプレイヤのゲーム空間から移動先のプレイヤのゲーム空間にモンスターを自動的に移動する(ステップ52)。つまり、モンスターの移動も自動で実行される。換言すると、移動元のプレイヤのゲーム空間から移動対象のモンスターが突然いなくなり、移動先のプレイヤのゲーム空間には移動対象のモンスターが突然出現する。
なお、移動の対象とするモンスターを決定する方法には、例えば移動可能な数の範囲でランダムに決定する方法、プレイヤAで発動する必殺技がモンスターに与えるダメージ量の余剰分に応じて決定する方法、必殺技の属性との相性に応じて決定する方法がある。
【0160】
ところで、画面上にモンスターが突然出現したり、突然消えたりすると、プレイヤが戸惑う可能性がある。特にモンスターの移動機能に慣れていないプレイヤの場合、移動元のプレイヤになっても、移動先のプレイヤになっても、モンスターが出現する理由やモンスターが消える理由が分からないために戸惑い易い。
そこで、プロセッサ11は、移動元のプレイヤのゲーム空間には、他のプレイヤにモンスターを移動した旨を表示し、移動先のプレイヤのゲーム空間には、他のプレイヤからモンスターを受け取った旨を表示する(ステップ53)。
この後、プロセッサ11は、必殺技を発動し(ステップ12)、各プレイヤのゲーム空間の情報を更新する(ステップ13)。
【0161】
図30は、モンスター22の自動移動に伴う画面遷移を説明する図である。図30には、図9及び図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
ステージST2Aは、図9におけるステージST2に対応する。すなわち、プレイヤAで必殺技の発動が可能になった状態である。
ただし、図30におけるステージST2Aでは、プレイヤAが移動先に、プレイヤBが移動元に自動的に設定される。また、プレイヤBのゲーム空間からは、移動対象に自動的に設定されたモンスター22が消えている。
【0162】
プレイヤBのゲーム空間から消えたモンスター22は、ステージST5AのプレイヤAのゲーム空間に出現する。図30では、このモンスター22の移動を矢印で示している。
なお、プレイヤAのゲーム空間には、案内文70がポップアップ表示され、モンスター22が出現した理由が通知される。図30の場合、案内文70には、「プレイヤBからモンスターを受け取り」と表示されている。
また、プレイヤAのゲーム空間には、出現したモンスター22が点滅71等により表現される。他の通知例と同様、表示色を変更したり、ハイライトで表示したりするのも効果的である。点滅71等により、プレイヤAは、モンスター22の出現に気付き易くなる。特にモンスター22の数が多い場合には、モンスター22の増加に気づかないことも起こり得るが、点滅71等により出現したモンスター22の識別が容易になる。
さらに、プレイヤAのゲーム空間のうち、パーティーを組むプレイヤBを示すアイコンが点滅72等され、移動元が明示される。
【0163】
他方、モンスター22の移動元となったプレイヤBのゲーム空間にも、別の案内文73がポップアップ表示され、モンスター22が消えた理由が通知される。図30の場合、案内文73には、「プレイヤAにモンスターを送りました」と表示されている。
また、プレイヤBのゲーム空間でも、パーティーを組むプレイヤBを示すアイコンが点滅74等され、移動先が明示される。
ステージST5Aに示す各種の通知の1つ又は複数の組み合わせにより、モンスター22の自動移動を実行しても、プレイヤA及びBの戸惑いを軽減できる。
なお、この自動移動は、ゲーム空間のモンスターが「0」になった場合に実行される「情報処理2」の場合にも適用が可能である。
【0164】
<移動したモンスターの一部が戻される例1>
「情報処理1」等では、モンスターの移動前に移動するモンスターの数等を調整する。このため、ゲーム空間から消えたモンスターが再び出現されることは想定していない。
ここでは、移動対象に指定されたモンスターの移動そのものは一旦受け付ける場合について説明する。
図31は、移動先が受け入れ可能な数を超えるモンスター22の移動が指示された場合の処理動作例を説明する図である。
ステージST51は、プレイヤAが、必殺技の準備中(Ready)である場合を表している。この場面は、ステージST4(図10参照)等に対応する。なお、ステージST51におけるプレイヤBは、2個のモンスター22の一括移動を指示している。
【0165】
ステージST52は、モンスター22の移動の受け付けにより、プレイヤBのゲーム空間から2個のモンスター22が消えた状態を表現している。なお、移動先であるプレイヤAのゲーム空間に変化はない。
ステージST53は、モンスター22の移動の実行後の状態を表している。
まず、移動先となるプレイヤAのゲーム空間には、1個のモンスター22が新たに出現している。このモンスター22の出現は、点滅31等によりプレイヤAに通知されている。
他方、移動元となるプレイヤBのゲーム空間には、1個のモンスター22が新たに出現している。このモンスター22の出現は、点滅81等によりプレイヤBに通知されている。
また、プレイヤBのゲーム空間には、出現の理由を説明する案内文81が表示されている。図31の場合、案内文82には「移動できませんでした」等の理由が示される。なお、「移動可能なモンスターは1つでした」等の原因を表示してもよい。
なお、このようなモンスター22の戻りは、相性の悪いモンスター22の移動を指示した場合にも起こり得る。
【0166】
<移動したモンスターの一部が戻される例2>
「情報処理1」等では、モンスターの移動前に移動するモンスターの数等を調整する。このため、ゲーム空間から消えたモンスターが再び出現されることは想定していない。
ここでは、移動対象に指定されたモンスターの移動も必殺技も実行されるが、必殺技で倒せないモンスターが残った場合について説明する。
図32は、移動先が受け入れ可能な数を超えるモンスター22の移動が指示された場合の他の処理動作例を説明する図である。
【0167】
ステージST61は、プレイヤAのゲーム空間で必殺技が発動する場面を表している。このゲーム空間には3個のモンスター22が存在している。必殺技の攻撃は、3個のうちの2個にヒットしている。
因みに、プレイヤAのゲーム空間に存在する3個のモンスター22のうちの2個は、プレイヤBのゲーム空間から一括移動されたものである。ステージST61では、プレイヤBのゲーム空間に2個のモンスター22がプレイヤAを表すアイコンのうえにドラッグされた様子を示している。
ステージST62は、必殺技の発動後を表している。必殺技が発動されたプレイヤAのゲーム空間には、必殺技の攻撃がヒットしなかった1個のモンスター22が残っている。なお、移動元となったプレイヤBのゲーム空間には、この時点で、モンスター22が「0」である。モンスター22の一括移動が正常に実行されたためである。
【0168】
ところで、ステージST62の場合、必殺技を発動したプレイヤAのゲーム空間内のモンスター22の数が必殺技の発動前と同じ1個であるのに、移動可能な数を超過するモンスターを移動させたプレイヤBのゲーム空間にモンスターが「0」となっている。これでは、プレイヤAは、プレイヤBのために必殺技を発動したのと同じになってしまう。換言すると、プレイヤAは、必殺技を発動したのにモンスター22の数を減らすことができない点で不利益を被っている。
このような状態は、プレイヤAが想定する発動効果に反すると思われる。
そこで、ステージST63のように、少なくとも必殺技の発動時において、実際に移動可能な数の上限を超えてモンスター22を移動させたプレイヤBには、必殺技の発動後に残ったモンスター22を戻す仕様とする。
【0169】
その結果、ステージST63におけるプレイヤAのゲーム空間からは、必殺技がヒットしなかったモンスター22が消えている。すなわち、モンスター22の数が「0」に変化している。
一方で、プレイヤBのゲーム空間には、1個のモンスター22が出現している。このモンスター22の出現は、点滅91によりプレイヤBに通知されている。
また、プレイヤBのゲーム空間には、出現の理由を説明する案内文92が表示されている。図32の場合、案内文92には「戻ってきました!」等の理由が示される。なお、「移動可能なモンスターは1つでした」等の出現の原因を表示してもよい。
このようなモンスター22の戻りは、相性の悪いモンスター22の移動を指示した場合にも起こり得る。
【0170】
<移動元が複数の場合の処理動作>
「情報処理1」等では、説明を簡単にするために、パーティーを構成するプレイヤの数が2の場合について説明したが、実際にはより多くのプレイヤによりパーティーが構成される場合がある。
図33は、移動元が複数の場合を想定したモンスターの移動を実現する処理動作例を説明するフローチャートである。
まず、プロセッサ11は、必殺技で倒せるモンスターの最大数Nmaxを取得する(ステップ61)。ステップ61では、必殺技の発動を想定するが、移動可能なモンスターの最大数Nmaxが定まる場合であれば、必殺技に限る必要はない。また、ステップ61では、移動可能なモンスターの最大数Nmaxが定まる場合を想定しているが、ダメージ量でもよい。
【0171】
次に、プロセッサ11は、移動先のプレイヤの現在のモンスターの数Nnowを取得する(ステップ62)。なお、ステップ61でダメージ量を用いる場合、ステップ62で、移動先のプレイヤのゲーム空間に存在するモンスターの体力値の合計値が取得される。
続いて、プロセッサ11は、移動可能なモンスターの数ND(=Nmax-Nnow)を算出する(ステップ63)。なお、ステップ61でダメージ量を用いる場合、ステップ62で、ダメージ量と移動先のプレイヤのゲーム空間に存在するモンスターの体力値(HP)の合計値との差分が算出される。
【0172】
以上の前処理が終了すると、プロセッサ11は、移動元となる複数のプレイヤに実行順を設定する(ステップ64)。
実行順を設定する方法には、例えば移動の指示を受け付けた順、対応するゲーム空間に存在するモンスターが多い順、対応するゲーム空間に存在するモンスターの体力値(HP)の合計値が大きい順、移動元のプレイヤが使用する味方キャラとの相性が悪いモンスターが多い順、移動先のプレイヤが使用する味方キャラと相性が良いモンスターが多い順がある。
因みに、モンスターの移動が1個ずつ指示される場合には、指示の受付順に実行順を決定する。
【0173】
実行順が設定されると、プロセッサ11は、順番iを1に初期化する(ステップ65)。
次に、プロセッサ11は、移動元のプレイヤPiが移動するモンスターの数niがND以下か否かを判定する(ステップ66)。
モンスターの移動が1個ずつ指示される場合、数niは「1」である。
モンスターの移動が一括で指示される場合、数niは輪60で捕獲されたモンスターの数である。
1人のプレイヤが移動可能なモンスターの数に上限が設定されている場合には、上限を与える数が数niとある。
この他、特定の属性を有するモンスターだけを移動の対象とする場合には、該当するモンスターの数が数niとなる。
【0174】
数niが移動可能なモンスターの数NDを超える場合、プロセッサ11は、ステップ66で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、移動可能なモンスターの数ND個のモンスターを移動する(ステップ67)。また、プロセッサ11は、そのまま処理を終了する。
これに対し、数niが移動可能なモンスターの数NDを超えない場合、プロセッサ11は、ステップ66で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、ni個のモンスターを移動する(ステップ68)。
さらに、プロセッサ11は、移動可能なモンスターの数NDを更新する(ステップ69)。具体的には、ND=ND-niとする。
【0175】
続いて、プロセッサ11は、順番iの値を1つ増加する(ステップ70)。その後、プロセッサ11は、iが移動元となるプレイヤの数を超えるか否かを判定する(ステップ71)。例えばパーティーを構成するプレイヤが「3」の場合、iが「2」を超えるか否かを判定する。
ステップ71で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ステップ66に戻り、次の順番のプレイヤについて同様の処理を実行する。
これに対し、ステップ71で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、この処理を終了する。
【0176】
図34は、2つの移動元からの移動が競合する場合に移動の受付順にモンスターを移動する例を説明する図である。
図34では、パーティーがプレイヤA、プレイヤB、プレイヤCで構成される場合を想定している。
また、必殺技が発動するプレイヤAへは3個のモンスターの移動が可能であるものとする。
ステージST71では、プレイヤAのゲーム空間には1個のモンスター22が存在し、プレイヤBのゲーム空間には2個のモンスター22が存在し、プレイヤCのゲーム空間には3個のモンスター22が存在している。
【0177】
ステージST71は、プレイヤBとプレイヤCが、プレイヤAに対する移動対象として、それぞれ2個のモンスターを指示した様子を表している。
つまり、4個のモンスターの移動を受け付けたことになる。
ステージST72は、受付順にモンスター22の移動を実行している。この例では、プレイヤBの受け付けがプレイヤCよりも早かった場合である。
このため、プレイヤBは、指示した2個のモンスターを全て移動できている。その結果、プレイヤBのゲーム空間に残るモンスターの数は「0」である。
一方、プレイヤCが移動可能な数は「1」となる。このため、指示した2個のモンスターのうち移動できたのは1個のみとなる。その結果、プレイヤCのゲーム空間には2個のモンスター22が残っている。
なお、移動先となるプレイヤAのゲーム空間に新たに出現した3個を加えた4個のモンスター22が存在することになる。もっとも、必殺技の発動により、プレイヤAのゲーム空間に存在するモンスター22の数は「0」になる。
【0178】
図35は、2つの移動元からの移動が競合する場合にゲーム空間に存在するモンスターが多い順にモンスターを移動する例を説明する図である。
図35も、パーティーがプレイヤA、プレイヤB、プレイヤCで構成される場合を想定している。
また、必殺技が発動するプレイヤAへは3個のモンスターの移動が可能であるものとする。
ステージST81では、プレイヤAのゲーム空間には1個のモンスター22が存在し、プレイヤBのゲーム空間には2個のモンスター22が存在し、プレイヤCのゲーム空間には3個のモンスター22が存在している。
【0179】
ステージST81の場合も、プレイヤBとプレイヤCが、プレイヤAに対する移動対象として、それぞれ2個のモンスターを指示した様子を表している。
つまり、4個のモンスターの移動を受け付けたことになる。
ステージST82は、ゲーム空間に存在するモンスターの数が多い順にモンスター22の移動を実行している。この例の場合、プレイヤBのモンスター22の数が「2」であるのに対し、プレイヤCの数が「3」である。
このため、プレイヤCは、指示した2個のモンスターを全て移動できている。その結果、プレイヤCのゲーム空間に残るモンスターの数は「1」である。
一方、プレイヤBが移動可能な数は「1」となる。このため、指示した2個のモンスターのうち移動できたのは1個のみとなる。その結果、プレイヤBのゲーム空間には1個のモンスター22が残っている。
なお、移動先となるプレイヤAのゲーム空間に新たに出現した3個を加えた4個のモンスター22が存在することになる。もっとも、必殺技の発動により、プレイヤAのゲーム空間に存在するモンスター22の数は「0」になる。
【0180】
<移動先が複数の場合の画面例1>
「情報処理1」等では、説明を簡単にするために、パーティーを構成するプレイヤの数が2の場合について説明した。このため、ほとんどの場合、移動先と移動元はそれぞれ1つとなる。しかし、3人以上のプレイヤでパーティーが構成される場合には、移動元が1つで移動先が複数になる可能性がある。
図36は、移動先が複数ある場合に移動先の決定を支援する情報を含む画面例を説明する図である。
図36も、パーティーがプレイヤA、プレイヤB、プレイヤCで構成される場合を想定している。
なお、プレイヤAとプレイヤCで必殺技の発動が可能であり、プレイヤBでは必殺技が発動しない。
【0181】
このため、プレイヤAとプレイヤCが移動先となり、プレイヤBが移動元になる。
ステージST91に特徴的な点は、パーティーを構成するプレイヤのアイコンの部分に各プレイヤのゲーム空間に存在するモンスターの数が表示される点である。
例えばプレイヤBのゲーム空間に表示されるプレイヤAのアイコンの並びには「1」の数字が表示され、プレイヤCの並びには「3」の数字が表示される。図36の場合、これらの数字は吹き出し93で表示されている。もっとも、表示の仕方は吹き出し93に限らない。例えばアイコンの中に表示してもよい。
【0182】
プレイヤBは、自分が選択したモンスター22をプレイヤAにも、プレイヤCにも移動させることが可能であるが、この数字を参考に移動先を決定することができる。
ステージST92では、プレイヤBは、1個のモンスター22をプレイヤCのアイコン上にドラッグしている。
このため、プレイヤCのゲーム空間のモンスター22の数は4個に増えている。なお、移動により出現したモンスター22は点滅94によって表示されている。
もっとも、一度に5個のモンスターを倒すことが可能な必殺技が発動される場合には、必殺技の発動によりゲーム空間内のモンスター22は全て倒されるため、プレイヤAとプレイヤCのいずれに移動しても結果は同じになる。つまり、必殺技発動後のプレイヤAとプレイヤCのモンスター22の数は「0」になる。
しかし、必殺技の発動により5個のモンスターしか倒せないことが分かっていれば、移動後のモンスター22の数が6個以上になるプレイヤへの移動は避ける判断が可能になる。
【0183】
<移動先が複数の場合の画面例2>
ここでは、移動の対象に選択したモンスターの属性と相性の良い必殺技等が発動されるプレイヤを移動元となるプレイヤに通知する仕組みについて説明する。
図37は、移動先が複数ある場合に移動先の決定を支援する情報を含む他の画面例を説明する図である。
図37も、パーティーがプレイヤA、プレイヤB、プレイヤCで構成される場合を想定している。
また、プレイヤAとプレイヤCで必殺技の発動が可能であり、プレイヤBでは必殺技が発動しない。
【0184】
このため、プレイヤAとプレイヤCが移動先となり、プレイヤBが移動元になる。
ステージST101は、プレイヤBが移動したいモンスター22を選択した状態を表している。この例の場合、モンスター22は木属性を有している。
ところで、プレイヤAで発動される必殺技は水属性であり、プレイヤCで発動される必殺技は火属性である。
火属性の攻撃は、木属性のモンスター22に大きなダメージを与えることができる。
【0185】
このため、ステージST102では、パーティーを構成するプレイヤCのアイコンが強調表示に変更されている。図37では、強調表示を太枠95で表現している。なお、強調表示としては、移動先として推奨されるアイコンのハイライト表示、点滅表示を用いてもよい。因みに、推奨されないアイコンが移動先に選択されないように、推奨されないプレイヤのアイコンをグレーアウト表示等してもよい。
いずれにしても、ステージST102の表示により、プレイヤBは、モンスター22の移動による負担又は不利益が少なく済むプレイヤを容易に判断することができる。
また、移動元となるプレイヤが、移動するモンスター22との相性等も判断して移動先を決定してもらえるので、モンスター22を受け入れるプレイヤの負担の低減が実現される。
【0186】
<他の実施の形態>
発明の形態は、前述した実施の形態に限らない。例えば各実施の形態の要素を適宜組み合わせることも可能である。
(1)例えば前述の「情報処理1」では、プレイヤAで発動される必殺技で倒せるモンスターの数を「5」とし、プレイヤBからプレイヤAに移動可能なモンスターの数を、プレイヤAのゲーム空間に存在するモンスターの数との差分である「2」とする例を説明したが、必殺技で倒せるモンスターの数が無制限の場合には、プレイヤBに存在する全てのモンスターを移動してもよい。もっとも、前述したように、プレイヤAの属性と相性が悪いモンスターについては移動の対象から除外されるようにしてもよい。
【0187】
(2)前述の実施の形態では、サーバ10でコンピュータゲームを実行しているが、ユーザ端末20で実行させてもよい。
【0188】
(3)前述の実施の形態では、1つのゲームフィールド上に各プレイヤのゲーム空間が設定される場合を例示したが、各プレイヤのゲーム空間はそれぞれ独立したゲームフィールドでもよい。
【0189】
<まとめ>
以下に、実施の形態で説明した情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴を示す。
[汎用課題]
本発明の目的の1つは、移動先となるプレイヤの負担にならないゲーム媒体の移動を可能にすることである。
【0190】
[付記1]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にすることである。
[付記1]情報処理装置は、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する検出部と、第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する制御部と、を有する。
この情報処理装置により、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にできる。
【0191】
[付記2]に対応する課題
本発明の目的の1つは、他のプレイヤからの望まないゲーム媒体の送り付けから各プレイヤを保護することである。
[付記2]第1プレイヤが第1ゲーム状態よりも不利な第2ゲーム状態にある場合、制御部は、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体を第1プレイヤのゲーム空間に移動できないように制御する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、他のプレイヤからの望まないゲーム媒体の送り付けから各プレイヤを保護できる。
【0192】
[付記3]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤが協同する機会を提供することである。
[付記3]第1プレイヤへのゲーム媒体の移動が可能であることを第2プレイヤに通知する通知部を更に有する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、複数のプレイヤが協同する機会を提供できる。
【0193】
[付記4]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体を他のプレイヤから受け付ける場面を明確化することである。
[付記4]通知部は、第1プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の数を、第2プレイヤに通知する、付記3に記載の情報処理装置。
これにより、対象プレイヤによる移動の判断を支援できる。
【0194】
[付記5]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体を他のプレイヤから受け付ける場面を明確化することである。
[付記5]検出部は、第1プレイヤが所定のゲーム効果を発動可能になった場合を、第1ゲーム状態として検出する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム媒体を他のプレイヤから受け付ける場面を明確化できる。
【0195】
[付記6]に対応する課題
本発明の目的の1つは、所定のゲーム効果を有効に活用することである。
[付記6]制御部は、ゲーム効果の種類に応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体を制御する、付記5に記載の情報処理装置。
これにより、所定のゲーム効果を有効に活用できる。
【0196】
[付記7]に対応する課題
本発明の目的の1つは、プレイヤによるゲーム媒体の選択を支援することである。
[付記7]制御部は、ゲーム効果がゲーム媒体に与える効果を示す数値に応じ、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体のうち移動可能なゲーム媒体の候補を識別可能に表示する、付記6に記載の情報処理装置。
これにより、プレイヤによるゲーム媒体の選択を支援できる。
【0197】
[付記8]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体の移動を移動先で対応可能な数に制限することである。
[付記8]制御部は、第1プレイヤが第2ゲーム状態から第1ゲーム状態に遷移した際の条件の違いに応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体数を制御する、付記2に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム媒体の移動を移動先で対応可能な数に制限できる。
【0198】
[付記9]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム効果の違いに応じたゲーム媒体の移動を実現することである。
[付記9]制御部は、第1プレイヤが発動可能なゲーム効果に対応するゲーム媒体数に応じ、第2プレイヤのゲーム空間から第1プレイヤのゲーム空間へのゲーム媒体の移動を制御する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム効果の違いに応じたゲーム媒体の移動を実現できる。
【0199】
[付記10]に対応する課題
本発明の目的の1つは、所定のゲーム効果を有効に活用することである。
[付記10]制御部は、第1プレイヤで発動可能なゲーム効果とゲーム媒体の持つ属性に応じて決定される効果の違いに基づいて、第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体のうち第1プレイヤのゲーム空間に移動可能なゲーム媒体を選択する、付記5に記載の情報処理装置。
これにより、所定のゲーム効果を有効に活用できる。
【0200】
[付記11]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体の移動先となるプレイヤの選択を容易化することである。
[付記11]制御部は、移動の対象に選択されたゲーム媒体に対する効果が大きいゲーム効果が発動可能な第1プレイヤと、移動の対象に選択されたゲーム媒体に対する効果が小さいゲーム効果が発動可能な第1プレイヤとを識別可能に第2プレイヤのゲーム空間に表示する、付記5に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム媒体の移動先となるプレイヤの選択を容易化できる。
【0201】
[付記12]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体の移動元となるプレイヤによる敵キャラの移動後のゲームの進行を容易にすることである。
[付記12]制御部は、第2プレイヤのゲーム空間では与えられる効果が小さいゲーム媒体を、第1プレイヤのゲーム空間への移動対象として選択可能に制御する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム媒体の移動元となるプレイヤによる敵キャラの移動後のゲームの進行を容易にできる。
【0202】
[付記13]に対応する課題
本発明の目的の1つは、ゲーム媒体の移動先となるプレイヤでの受付後のゲームの進行を容易にすることである。
[付記13]制御部は、第2プレイヤのゲーム空間から移動されたゲーム媒体の属性を、第1プレイヤのゲーム空間で発動されるゲーム効果がゲーム媒体に与える効果が大きい属性に変更する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ゲーム媒体の移動先となるプレイヤでの受付後のゲームの進行を容易にできる。
【0203】
[付記14]に対応する課題
本発明の目的の1つは、移動先に負担を与えないゲーム媒体の移動を実現することである。
[付記14]第2プレイヤから第1プレイヤのゲーム空間に移動するゲーム媒体の数が、第1プレイヤによる受け入れ可能なゲーム媒体数を超える場合、制御部は、超過する数のゲーム媒体を第2プレイヤのゲーム空間に再配置する、1に記載の情報処理装置。
これにより、移動先に負担を与えないゲーム媒体の移動を実現できる。
【0204】
[付記15]に対応する課題
本発明の目的の1つは、移動先に負担のないゲーム媒体の移動を実現することである。
[付記15]制御部は、複数の第2プレイヤからのゲーム媒体の移動が競合する場合、移動の指示の受付順にゲーム媒体の移動を実行し、移動されたゲーム媒体数が第1プレイヤによる受け入れ可能なゲーム媒体数に達した後は、超過分に対応するゲーム媒体を移動元である第2プレイヤのゲーム空間に再配置する、付記14に記載の情報処理装置。
これにより、移動先に負担のないゲーム媒体の移動を実現できる。
【0205】
[付記16]に対応する課題
本発明の目的の1つは、所定関係になるプレイヤ間におけるゲームの進行の差を小さくすることである。
[付記16]制御部は、複数の第2プレイヤからゲーム媒体の移動が競合する場合、ゲーム空間にあるゲーム媒体の残数が多い第2プレイヤからの移動を、ゲーム媒体の残数がより少ない第2プレイヤからの移動よりも優先する、1に記載の情報処理装置。
これにより、所定関係になるプレイヤ間におけるゲームの進行の差を小さくできる。
【0206】
[付記17]に対応する課題
本発明の目的の1つは、移動先に負担のないゲーム媒体の移動を実現することである。
[付記17]制御部は、発動されたゲーム効果が終了した後に、第2プレイヤから移動されたゲーム媒体の一部が第1プレイヤのゲーム空間に残る場合、ゲーム媒体を移動元である第2プレイヤのゲーム空間に戻す、付記5に記載の情報処理装置。
これにより、移動先に負担のないゲーム媒体の移動を実現できる。
【0207】
[付記18]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にすることである。
[付記18]プロセッサが、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出する処理と、プロセッサが、第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御する処理とを実行する情報処理方法。
これにより、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にできる。
【0208】
[付記19]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にすることである。
[付記19]プロセッサに、第1プレイヤに有利な第1ゲーム状態を検出させ、プロセッサに、第1ゲーム状態が検出された場合に、第1プレイヤと所定関係にある第2プレイヤのゲーム空間にあるゲーム媒体の少なくとも一部を第1プレイヤのゲーム空間に移動可能に制御させる、処理を実行させるプログラム。
これにより、複数のプレイヤ間におけるゲーム媒体の移動を、移動先となるプレイヤ側のゲーム状態に応じて発動可能にできる。
【符号の説明】
【0209】
1…ゲームシステム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…メモリ、13…補助記憶装置、14…通信インタフェース、20…ユーザ端末、20A…ゲーム空間、21…味方キャラ、22…モンスター、23…体力値(HP)、24…パーティーメンバー欄、101…受付部、102…ゲーム進行部、103…画像生成部、104…ゲーム状態検出部、105…媒体移動制御部、106…通知部、110…記憶部、111…プレイヤ情報、112…パーティー情報、113…クエスト情報、114…キャラクタ情報、115…ゲーム状態情報、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
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