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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180654
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】人材育成支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20231214BHJP
   G06Q 10/105 20230101ALI20231214BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
G06Q10/10 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094138
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】520073689
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・アイ・エム
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】池田 時浩
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】従業者自身の心の状態をより良い方向に導くための工夫をした人材育成支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】人材育成支援サーバ1は、ユーザの思考傾向を把握する思考傾向把握部13と、ユーザが有する現状の課題を受け付ける課題受付部14と、思考傾向把握部13が把握した思考傾向と、課題受付部14が受け付けた課題とに合致する研修情報を、思考傾向を考慮し、及び、課題に対応した研修情報を記憶する研修情報記憶部25から抽出する研修情報抽出部15と、研修情報抽出部15が抽出した研修情報を、ユーザ端末3に出力する研修情報出力部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの思考傾向を把握する思考傾向把握手段と、
前記ユーザが有する現状の課題を受け付ける課題受付手段と、
前記思考傾向を考慮し、及び、前記課題に対応した研修情報を記憶する研修情報記憶部と、
前記思考傾向把握手段が把握した前記思考傾向と、前記課題受付手段が受け付けた前記課題とに合致する前記研修情報を、前記研修情報記憶部から抽出する研修抽出手段と、
前記研修抽出手段が抽出した前記研修情報を、前記ユーザの端末に出力する研修出力手段と、
を備える、人材育成支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の人材育成支援装置において、
心理思考に関する質問情報を、前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末から前記質問情報に対する回答情報を受け付ける質問回答手段を備え、
前記思考傾向把握手段は、思考の捉え方を評価する軸と思考のくせを評価する軸とを各軸にした思考傾向図に前記質問回答手段による前記質問情報に対する前記回答情報を当てはめて、前記思考傾向を把握する、人材育成支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の人材育成支援装置において、
前記ユーザは、企業の従業者であり、
所定期間ごとの前記企業の人材募集予算に対する実際の使用費用の差額を、ポイントの原資として記憶する原資記憶部と、
前記従業者の保有ポイントを含む価値情報を記憶する従業者価値記憶部と、
前記原資記憶部に記憶された前記原資を用いて各従業者に所定ポイントを付与するポイント付与手段と、
を備え、
前記研修情報記憶部は、前記研修情報に受講ポイントをさらに対応付けて記憶し、
前記研修抽出手段は、さらに従業者価値記憶部に記憶された前記従業者の前記保有ポイントから受講可能な前記研修情報を、前記研修情報記憶部から抽出する、人材育成支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の人材育成支援装置において、
前記ポイント付与手段は、他の前記従業者に贈与する贈与ポイントと、前記従業者が蓄積する蓄積ポイントとを含む前記所定ポイントを各従業者に付与し、
一の前記従業者からの依頼に応じて、一の従業者の有する所定の前記贈与ポイントのうち少なくとも一部である提供ポイントを、前記一の従業者が指定する指定従業者に贈与するポイント贈与手段と、
前記ポイント贈与手段により贈与された前記提供ポイントを、前記従業者価値記憶部の前記指定従業者の前記保有ポイントに加算して登録するポイント登録手段と、
を備え、
前記贈与ポイントは、指定期間内に贈与しない場合には消滅するものである、人材育成支援装置。
【請求項5】
請求項3に記載の人材育成支援装置において、
前記ポイント付与手段は、各従業者の勤務年数に応じて前記所定ポイントを付与する、人材育成支援装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の人材育成支援装置において、
前記研修抽出手段は、動画配信研修に係る前記研修情報を抽出し、
前記ユーザが視聴を希望する前記動画配信研修の申込を受け付けたことに応じて、前記動画配信研修の動画データを、前記ユーザの端末に出力する研修申込手段を備える、人材育成支援装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の人材育成支援装置において、
前記研修抽出手段は、対面又はオンラインによるリアルタイム研修の開催スケジュールを、前記研修情報として抽出し、
前記ユーザが参加を希望する前記リアルタイム研修の申込を受け付けたことに応じて、前記リアルタイム研修への申込を行う研修申込手段を備える、人材育成支援装置。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザの思考傾向を把握する思考傾向把握手段と、
前記ユーザが有する現状の課題を受け付ける課題受付手段と、
前記思考傾向把握手段が把握した前記思考傾向と、前記課題受付手段が受け付けた前記課題とに合致する研修情報を、前記思考傾向を考慮し、及び、前記課題に対応した前記研修情報を記憶する研修情報記憶部から抽出する研修抽出手段と、
前記研修抽出手段が抽出した前記研修情報を、前記ユーザの端末に出力する研修出力手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材育成支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業の経営者の中には、従業者の仕事に対するモチベーションを向上させて、企業の業績アップを図ることを日々考えている者がいる。
一例として、従業者が仕事に対するモチベーションを向上させるためにポイントを導入することが行われている。例えば、企業内において従業員が依頼し、あるいは請け負う業務に対し、該業務に応じたポイント(仮想通貨)を設定し、発注者及び受注者となる従業員の口座同士で該業務に応じたポイントを交換することで、その業務量や価値を定量化し、そのポイントを管理する口座の増加量を用いて所定期間における人事評価に活用することを提案している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6974027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような経営者の中には、従業者の仕事に対するモチベーションが向上すれば、それでよいと考えるのではなく、従業者に日々の生活を生き生きと送ってもらいたいとも考える者もいる。発明者は、上記の考えを実現するためには、従業者自身における物事の考え方のくせや現状抱える仕事面及び生活面を含めた悩みが反映される心の状態を、より良い方向に導くための工夫が必要ではないか、と考えた。
【0005】
本発明は、従業者自身の心の状態をより良い方向に導くための工夫をした人材育成支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザの思考傾向を把握する思考傾向把握手段と、前記ユーザが有する現状の課題を受け付ける課題受付手段と、前記思考傾向を考慮し、及び、前記課題に対応した研修情報を記憶する研修情報記憶部と、前記思考傾向把握手段が把握した前記思考傾向と、前記課題受付手段が受け付けた前記課題とに合致する前記研修情報を、前記研修情報記憶部から抽出する研修抽出手段と、前記研修抽出手段が抽出した前記研修情報を、前記ユーザの端末に出力する研修出力手段と、を備える、人材育成支援装置に関する。
【0007】
また、人材育成支援装置において、心理思考に関する質問情報を、前記ユーザの端末に送信し、前記ユーザの端末から前記質問情報に対する回答情報を受け付ける質問回答手段を備え、前記思考傾向把握手段は、思考の捉え方を評価する軸と思考のくせを評価する軸とを各軸にした思考傾向図に前記質問回答手段による前記質問情報に対する前記回答情報を当てはめて、前記思考傾向を把握してもよい。
【0008】
また、人材育成支援装置において、前記ユーザは、企業の従業者であり、所定期間ごとの前記企業の人材募集予算に対する実際の使用費用の差額を、ポイントの原資として記憶する原資記憶部と、前記従業者の保有ポイントを含む価値情報を記憶する従業者価値記憶部と、前記原資記憶部に記憶された前記原資を用いて各従業者に所定ポイントを付与するポイント付与手段と、を備え、前記研修情報記憶部は、前記研修情報に受講ポイントをさらに対応付けて記憶し、前記研修抽出手段は、さらに従業者価値記憶部に記憶された前記従業者の前記保有ポイントから受講可能な前記研修情報を、前記研修情報記憶部から抽出してもよい。
【0009】
また、人材育成支援装置において、前記ポイント付与手段は、他の前記従業者に贈与する贈与ポイントと、前記従業者が蓄積する蓄積ポイントとを含む前記所定ポイントを各従業者に付与し、一の前記従業者からの依頼に応じて、一の従業者の有する所定の前記贈与ポイントのうち少なくとも一部である提供ポイントを、前記一の従業者が指定する指定従業者に贈与するポイント贈与手段と、前記ポイント贈与手段により贈与された前記提供ポイントを、前記従業者価値記憶部の前記指定従業者の前記保有ポイントに加算して登録するポイント登録手段と、を備え、前記贈与ポイントは、指定期間内に贈与しない場合には消滅するものであってもよい。
【0010】
また、人材育成支援装置において、前記ポイント付与手段は、各従業者の勤務年数に応じて前記所定ポイントを付与してもよい。
【0011】
また、人材育成支援装置において、前記研修抽出手段は、動画配信研修に係る前記研修情報を抽出し、前記ユーザが視聴を希望する前記動画配信研修の申込を受け付けたことに応じて、前記動画配信研修の動画データを、前記ユーザの端末に出力する研修申込手段を備えてもよい。
【0012】
また、人材育成支援装置において、前記研修抽出手段は、対面又はオンラインによるリアルタイム研修の開催スケジュールを、前記研修情報として抽出し、前記ユーザが参加を希望する前記リアルタイム研修の申込を受け付けたことに応じて、前記リアルタイム研修への申込を行う研修申込手段を備えてもよい。
【0013】
また、本発明は、上記の人材育成支援装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従業者自身の心の状態をより良い方向に導くための工夫をした人材育成支援装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る人材育成支援システムの全体構成図及び人材育成支援サーバの機能ブロック図である。
図2】本実施形態に係る人材育成支援サーバの記憶部の例を示す図である。
図3】本実施形態に係る人材育成支援サーバで用いる思考傾向図の例を示す図である。
図4】本実施形態に係る人材育成支援サーバで用いる思考傾向図を説明するための図である。
図5】本実施形態に係る人材育成支援サーバのポイント処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態に係る人材育成支援サーバのユーザ思考把握処理を示すフローチャートである。
図7】本実施形態に係る人材育成支援サーバで用いる思考傾向図を用いた研修による効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
〔人材育成支援システム100の全体構成〕
図1は、本実施形態に係る人材育成支援システム100の全体構成図及び人材育成支援サーバ1の機能ブロック図である。
図2は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1の記憶部20の例を示す図である。
【0017】
人材育成支援システム100は、各企業に対して人材育成支援のためのサービスを提供するためのシステムである。例えば、複数の企業の各々が、人材育成支援システム100が提供するサービスに申し込むと、人材育成支援システム100は、申込をした各企業の従業者に対して当該サービスを提供する。ここで、人材育成支援のためのサービスとは、例えば、従業者に対する研修受講のためのサービスである。人材育成支援システム100は、従業者自身の心の状態をより良い方向に導くため、従業者に対して研修サービスを提供する。
【0018】
図1に示す人材育成支援システム100は、人材育成支援サーバ1(人材育成支援装置)と、従業者が用いるユーザ端末3と、研修処理サーバ4とを備える。
人材育成支援サーバ1と、ユーザ端末3と、研修処理サーバ4との間は、データ通信網Nによってデータ通信が可能になっている。データ通信網Nは、例えば、インターネット回線や携帯端末通信網等である。なお、データ通信網Nは、これに限定するものではなく、その他の通信回線を用いてもよいし、有線通信であるか無線通信であるかを問わない。
【0019】
〔人材育成支援サーバ1〕
次に、人材育成支援サーバ1について説明する。
人材育成支援サーバ1は、人材育成支援システム100を運営する運営企業が有するサーバである。
人材育成支援サーバ1は、制御部10と、記憶部20と、データ通信IF(インタフェース)29とを備える。
制御部10は、人材育成支援サーバ1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0020】
制御部10の各機能を説明する前に、記憶部20について説明する。
記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム記憶部21と、ユーザ価値記憶部22(従業者価値記憶部)と、ユーザ情報記憶部23と、原資記憶部24と、研修情報記憶部25とを備える。
プログラム記憶部21は、次に説明する制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域である。なお、複数のアプリケーションプログラムによって、制御部10が行う各種機能を実行してもよい。
【0021】
ユーザ価値記憶部22は、従業者であるユーザ(以降、従業者であるユーザを、単にユーザという。)が有するポイント(価値情報)を記憶する記憶領域である。
図2(A)にユーザ価値記憶部22の各項目を例示する。
ユーザ価値記憶部22は、ユーザID(IDentification)と、保有ポイントと、贈与ポイントと、贈与期限との各項目を記憶する。
ユーザIDは、従業者であるユーザを一意に識別する識別情報である。ユーザIDは、例えば、社員番号等であってもよい。
保有ポイントは、ユーザが保有しているポイントである。ここで、ポイントとは、金銭的な価値を有するものであり、人材育成支援システム100で用いることができる。
贈与ポイントは、ユーザが他のユーザに提供することができるポイントである。
贈与期限は、当該贈与ポイントを他のユーザに対して贈与可能な期限である。
【0022】
ユーザ情報記憶部23は、ユーザに関する情報を記憶する記憶領域である。
図2(B)に、ユーザ情報記憶部23の各項目を例示する。
ユーザ情報記憶部23は、ユーザIDと、勤務開始日と、傾向確認日と、思考傾向との各項目を有する。
勤務開始日は、例えば、ユーザが当該企業に就職して勤務を開始した日にちである。
傾向確認日は、後述する思考傾向を把握するための確認を行った日にちである。
思考傾向は、ユーザの思考傾向であり、例えば、マトリックスで表された思考傾向図(後述する)の位置情報である。
なお、ユーザ情報記憶部23は、ユーザ名や部署名等のユーザに関するその他の情報を有していてもよい。
【0023】
ここで、思考傾向図について説明する。
図3は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1で用いる思考傾向図50の例を示す図である。
図4は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1で用いる思考傾向図50を説明するための図である。
図3に示す思考傾向図50は、横軸Xを思考のくせに関する評価軸とし、縦軸Yを思考の捉え方に関する評価軸とした、マトリックス形式の図である。
思考のくせに関する評価軸の一例は、責任所在に関する評価であり、自分のせいにするか、又は、他人や環境のせいにするか、といった評価である。
思考の捉え方に関する評価軸の一例は、プラス思考か否かに関する評価であり、ポジティブか、又は、ネガティブか、といった評価である。
【0024】
思考傾向図50は、第1領域51と、第2領域52と、第3領域53と、第4領域54との4つの象限により構成される。
第1領域51は、前向きな考え方をもつ人が含まれる領域である。この第1領域51は、人にとって心の状態が一番良い領域である。
第2領域52は、自分を責めて悲観的な考え方をもつ人が含まれる領域である。
第3領域53は、他人に対して否定的な考え方をもつ人が含まれる領域である。
第4領域54は、他人を責めて攻撃的な考え方をもつ人が含まれる領域である。
そして、いずれの領域も、中心から遠くなるほど、その傾向が顕著であることを示す。
【0025】
次に、人の思考傾向の変遷について、図4に基づいて説明する。
図4(A)は、幼い子供について思考傾向図50aの例を示す。
幼い子供は、外部環境による影響が少ない。そのため、幼い子供の思考傾向は、基本的に中心位置に近い領域55の中に位置すると考えられる。
その後、成長と共に外部環境による影響が、思考傾向の変化として表れる。
図4(B)は、成長後の思考傾向図50bの例を示す。
子供が成長すると、外部環境による影響により、また、成長過程における成功体験等により、思考傾向の変化として、一部では歪みが生じる。そのため、思考傾向が、第2領域52や、第3領域53や、第4領域54に含まれるように変化していくと考えられる。
そこで、人材育成支援システム100では、思考傾向に歪みが生じたユーザを、第1領域51の方向に誘導するための支援を行う。
【0026】
図1の原資記憶部24は、ユーザに付与するポイントの原資を記憶する記憶領域である。
原資記憶部24は、例えば、年単位、半年、月単位等の所定のタイミングで、ポイントの原資を記憶する。例えば、企業において、人材の募集のためにプールした募集費用を予算として確保した場合に、募集費用から実際に人材募集のために使用した額を減算した残りの費用を原資として、原資記憶部24に記憶する。よって、人材育成支援システム100によるサービスを導入したことにより、人材募集における使用額が減った場合には、原資記憶部24に記憶される原資は増える。そして、原資記憶部24に記憶された原資は、ユーザに対してポイントとして付与することにより減ずる。
【0027】
研修情報記憶部25は、研修に係る情報を記憶する記憶領域である。
図2(C)に、研修情報記憶部25の各項目を例示する。
研修情報記憶部25は、研修IDと、思考傾向の範囲と、課題と、受講ポイントとの各項目を有する。
研修IDは、研修を一意に識別する識別情報である。研修IDは、例えば、同一の内容の研修であれば、開催日が異なっていても同じでもよい。他方、同一の内容であっても、思考傾向の範囲が異なれば、講師による教え方が異なるため別のIDである。
思考傾向の範囲は、思考傾向図50の位置の範囲を示す。
課題は、どういった課題を有する人を対象としているかを示す。
受講ポイントは、研修を受講するのに必要なポイントである。
なお、研修情報記憶部25は、研修名や研修の概要、動画配信の有無等、研修に関するその他の情報を有していてもよい。
【0028】
次に、制御部10について説明する。
図1に示す制御部10は、ポイント付与処理部11(ポイント付与手段、ポイント贈与手段、ポイント登録手段)と、質問回答部12(質問回答手段)と、思考傾向把握部13(思考傾向把握手段)と、課題受付部14(課題受付手段)と、研修情報抽出部15(研修抽出手段)と、研修情報出力部16(研修出力手段)と、研修申込処理部17(研修申込手段)とを備える。
【0029】
ポイント付与処理部11は、原資記憶部24に記憶された原資であるポイントの中から、各ユーザにポイントを付与する処理を行う。ここで、ポイント付与処理部11は、例えば、1ポイントを1円として、原資記憶部24にある原資の金額に応じたポイントを、各ユーザに付与してもよい。その際、ポイント付与処理部11は、各ユーザに対して一律の量のポイントを付与してもよいが、ユーザ情報記憶部23を参照し、勤務年数に応じて付与するポイントの量を変更してもよい。例えば、勤務年数が長いほど、付与するポイントの量を多くしてもよい。また、ポイント付与処理部11は、特定の勤務年数(例えば、1年、3年、5年、10年等)に達したユーザに対して、ポイントの量を多く付与してもよい。
【0030】
さらに、ポイント付与処理部11は、付与するポイントを、蓄積ポイントと贈与ポイントとに分けて付与する。ここで、蓄積ポイントとは、ユーザの保有ポイントとして蓄積するものであり、例えば、後述する研修の受講のために利用可能なものをいう。他方、贈与ポイントとは、ユーザが感謝の気持ちをポイントとして他のユーザに贈るものであり、贈与期限を有し、贈与期限が到来すると、未使用の贈与ポイントは消滅するものをいう。ポイント付与処理部11は、予め決められた割合で、蓄積ポイントと贈与ポイントとを付与してもよいし、贈与ポイントを予め決められた量として残りを蓄積ポイントとしてもよいし、またその逆であってもよい。
【0031】
そして、ポイント付与処理部11は、ユーザからポイントの提供依頼があった場合に、ユーザの贈与ポイントのうち、ユーザが指定する提供ポイントを、ユーザが指定する指定ユーザ(指定従業者)に贈与する処理を行う。より具体的には、ポイント付与処理部11は、ユーザの贈与ポイントから提供ポイントを減算し、指定ユーザの保有ポイントに提供ポイントを加算して登録する処理を行う。
また、ポイント付与処理部11は、ユーザから研修を受講するためのポイントの使用依頼があった場合に、ユーザの保有ポイントのうち、研修の受講に必要な受講ポイントを減算する処理を行う。
【0032】
質問回答部12は、心理思考に関する質問情報を、ユーザ端末3に送信する。また、質問回答部12は、ユーザ端末3から質問情報に対する回答情報を受け付ける。質問は、例えば、深層心理の簡易判断が可能なアンケート形式の質問であり、回答は、アンケートについての回答肢からユーザが選択したものの内容である。ここで、質問情報は、例えば、記憶部20に記憶されていてもよいし、図示しない外部サーバに記憶されたものを取得してもよい。
【0033】
思考傾向把握部13は、質問回答部12による質問情報に対する回答情報から分析したユーザの思考傾向を、思考傾向図50図3参照)に当てはめる。
また、思考傾向把握部13は、例えば、上司との面接結果によって、上司が面接結果を図示しない所定の回答ページに入力等することで、ユーザの思考傾向を把握してもよい。
思考傾向把握部13は、例えば、ユーザ端末3から定期的に回答情報を受け付けてもよい。また、思考傾向把握部13は、例えば、ユーザが研修の受講を検討する際に、回答情報を受け付けてもよい。
そして、思考傾向把握部13は、把握したユーザの思考傾向を、ユーザ情報記憶部23に記憶させる。
【0034】
課題受付部14は、ユーザが有する現状の課題を受け付ける。ここで、ユーザが有する現状の課題には、プライベートな私的な課題であってもよいし、仕事上の課題であってもよく、個人的な内容を含んでよい。
課題受付部14は、例えば、ユーザ端末3から定期的に課題を受け付けてもよい。また、課題受付部14は、例えば、ユーザが研修の受講を検討する際に、課題を受け付けてもよい。課題受付部14が受け付ける課題は、フリー形式でユーザが入力した文書であってもよいし、アンケート形式で選択させるようなものであってもよい。
【0035】
研修情報抽出部15は、思考傾向把握部13が把握したユーザの思考傾向と、課題受付部14が受け付けたユーザの加地とに合致する研修情報を、研修情報記憶部25から抽出する。その際、研修情報抽出部15は、ユーザ価値記憶部22を参照して、保有ポイントの範囲で受講可能な研修情報を抽出する。研修情報は、例えば、研修の名称や概要等を含む。
また、研修情報抽出部15は、動画配信研修に係る研修情報を抽出してもよいし、対面又はオンラインによるリアルタイム研修の開催スケジュールを研修情報として抽出してもよいし、両方であってもよい。その場合、研修情報抽出部15は、リアルタイム研修の開催スケジュールを、例えば、研修処理サーバ4に問い合わせることで、開催スケジュールを取得する。
【0036】
研修情報出力部16は、研修情報抽出部15が抽出した研修情報を、ユーザ端末3に送信する。
研修申込処理部17は、ユーザが視聴を希望する動画配信研修の申込を受け付けたことに応じて、動画配信研修の動画データを、ユーザ端末3に出力する。より具体的には、研修申込処理部17は、研修処理サーバ4に記憶された動画配信研修の動画データを、ユーザ端末3に出力するように制御する。
また、研修申込処理部17は、ユーザが参加を希望するリアルタイム研修の申込を受け付けたことに応じて、研修処理サーバ4に対してリアルタイム研修への申込を行う。
【0037】
データ通信IF29は、データ通信網Nを介してユーザ端末3や研修処理サーバ4との間で通信を行うためのインタフェースである。
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、人材育成支援サーバ1は、制御部10、記憶部20等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
また、人材育成支援サーバ1は、1つのサーバ装置ではなく、複数のサーバ装置に組み合わせによって実現されていてもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0038】
〔ユーザ端末3〕
次に、ユーザ端末3について説明する。
図1に示すユーザ端末3は、従業者であるユーザが使用する端末である。ユーザ端末3は、例えば、一般的なコンピュータの機能と電話機能とを有した端末であり、一般的なスマートフォン、タブレット等であってよい。また、ユーザ端末3は、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
ユーザ端末3は、図示しないが、制御部と、記憶部と、入出力部と、データ通信IF等とを備える。ユーザ端末3は、制御部と、記憶部とを備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0039】
〔研修処理サーバ4〕
次に、研修処理サーバ4について説明する。
図1に示す研修処理サーバ4は、研修に関する各種の情報を記憶したサーバである。研修処理サーバ4は、例えば、研修IDに対応付けて、動画配信研修の名称や概要及び動画データを記憶する。また、研修処理サーバ4は、研修IDに対応付けて、リアルタイム研修の名称や概要や開催日時及び申込状況を記憶する。
図示しないが、研修処理サーバ4は、制御部と、記憶部と、データ通信IF等とを備える。研修処理サーバ4は、制御部と、記憶部とを備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0040】
〔処理の説明〕
次に、人材育成支援サーバ1の処理について説明する。
最初に、ユーザに付与するポイントに関する処理を説明する。
図5は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1のポイント処理を示すフローチャートである。
当該ポイント処理は、時期やユーザによる操作を契機として適宜のタイミングで実行される。
図5のステップS(以下、「ステップS」を、単に「S」という。)11において、人材育成支援サーバ1の制御部10(ポイント付与処理部11)は、原資ポイントの付与タイミングであるか否かを判断する。ここで、原資ポイントの付与タイミングは、原資記憶部24に原資が記憶されたタイミングであってもよいし、予めスケジュールされたタイミングであってもよい。原資ポイントの付与タイミングである場合(S11:YES)には、制御部10は、処理をS12に移す。他方、原資ポイントの付与タイミングではない場合(S11:NO)には、制御部10は、処理をS13に移す。
【0041】
S12において、制御部10(ポイント付与処理部11)は、各ユーザに対してポイントを付与する。より具体的には、制御部10は、原資記憶部24に記憶された原資ポイントの少なくとも一部について、各ユーザの勤務年数に応じたポイントを、各ユーザに付与する。そして、制御部10は、ユーザ価値記憶部22の各ユーザの保有ポイント及び贈与ポイントを更新する。さらに、制御部10は、ユーザ価値記憶部22の各ユーザの贈与期限に、所定の期限を設定する。所定の期限は、例えば、付与日から1ヶ月後の日付である。所定の期限は、企業側で任意に設定してもよい。
【0042】
S13において、制御部10(ポイント付与処理部11)は、ユーザ端末3から他のユーザへの贈与に関する指示を受け付けたか否かを判断する。例えば、図示しないポイント照会画面において、ユーザがポイントを贈与する選択をし、贈与ポイントの範囲内での提供ポイントの量と贈与先ユーザとを指定することで、制御部10は、ユーザ端末3から他のユーザへの贈与に関する指示を受け付けたと判断する。他のユーザへの贈与に関する指示を受け付けた場合(S13:YES)には、制御部10は、処理をS14に移す。他方、他のユーザへの贈与に関する指示を受け付けていない場合(S13:NO)には、制御部10は、処理をS15に移す。
【0043】
S14において、制御部10(ポイント付与処理部11)は、指示にしたがって贈与ポイントを指定ユーザに贈与する。より具体的には、制御部10は、ユーザ価値記憶部22の贈与元ユーザの贈与期限を確認の上、贈与ポイントから提供ポイントの量を減算する処理を行う。また、制御部10は、ユーザ価値記憶部22の指定ユーザの保有ポイントに、提供ポイントの量を加算する処理を行う。
なお、図示しないポイント贈与画面において、例えば、指定ユーザに対する感謝の言葉を文字入力できるようにし、贈与元ユーザが文字入力をすることで、制御部10は、贈与元ユーザからの言葉を、指定ユーザのユーザ端末3に出力するようにしてもよい。
【0044】
S15において、制御部10(研修申込処理部17)は、研修へのポイントの利用を受け付けたか否かを判断する。研修へのポイントの利用を受け付けた場合(S15:YES)には、制御部10は、処理をS16に移す。他方、研修へのポイントの利用を受け付けていない場合(S15:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
S16において、制御部10(ポイント付与処理部11)は、ユーザ価値記憶部22にあるユーザの保有ポイントから研修に係る受講ポイント分を減算する処理を行う。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0045】
なお、ポイントの付与については、その他種々の手法がある。
例えば、ユーザが人材をスカウトして就職した場合に、人材育成支援サーバ1は、当該ユーザにスカウトポイントとして所定のポイントを付与してもよい。
また、人材育成支援サーバ1は、ユーザ価値記憶部22に記憶されている保有ポイントに、各ユーザの勤務年数に応じた倍率を乗じて、保有ポイントを増資するようにしてもよい。
【0046】
次に、ユーザ思考把握処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1のユーザ思考把握処理を示すフローチャートである。
ユーザ思考把握処理は、ユーザが研修を受講するタイミングや、月に1回等、適宜のタイミングで実行する。
図6のS31において、人材育成支援サーバ1の制御部10(質問回答部12)は、質問情報をユーザ端末3に送信する。
S32において、制御部10(質問回答部12)は、質問情報に対する回答情報を、ユーザ端末3から受信する。
【0047】
S33において、制御部10(思考傾向把握部13)は、思考傾向の把握処理を行う。一例として、制御部10は、質問情報に対する回答情報を、思考傾向図50図3参照)に当てはめて、ユーザの思考傾向を把握する。
S34において、制御部10(課題受付部14)は、ユーザが有する現状の課題を、ユーザ端末3から受け付ける。
【0048】
S35において、制御部10(研修情報抽出部15、研修情報出力部16)は、研修情報記憶部25を参照し、ユーザの保有ポイントで受講可能であって、ユーザの思考傾向及び課題に対応する研修情報を抽出して、ユーザ端末3に送信する。より具体的には、制御部10は、研修情報記憶部25を参照し、ユーザの保有ポイントで受講可能であって、ユーザの思考傾向及び課題に対応する研修IDを取得する。そして、制御部10は、例えば、研修処理サーバ4から研修IDに対応する研修情報を抽出し、ユーザ端末3に抽出した研修情報を送信する。
【0049】
S36において、制御部10(研修申込処理部17)は、研修の申込を受け付けたか否かを判断する。研修の申込を受け付けた場合(S36:YES)には、制御部10は、処理をS37に移す。他方、研修の申込を受け付けていない場合(S36:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
S37において、制御部10(研修申込処理部17)は、研修申込処理を行う。より具体的には、制御部10は、動画配信研修の申込を受け付けた場合には、研修処理サーバ4に記憶された動画配信研修の動画データを、ユーザ端末3に出力するように制御する。また、制御部10は、リアルタイム研修の申込を受け付けた場合には、研修処理サーバ4に対して申込を行う。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0050】
次に、研修を受講することによる効果について説明する。
図7は、本実施形態に係る人材育成支援サーバ1で用いる思考傾向図50cを用いた研修による効果を説明するための図である。
図7の思考傾向図50cには、例えば、同一の部署等に属するユーザ等の様々なユーザの思考傾向の位置が、黒い丸印によって示されている。
ここで、白い丸印61で示されたあるユーザ(ユーザAとする)の思考傾向は、研修受講前は、第4領域54に位置していたが、研修受講後は、矢印の方向に思考傾向が移動し、第1領域51に位置するようになったことを示す。
また、斜線の丸印62で示されたあるユーザ(ユーザBとする)の思考傾向は、研修受講前は、第2領域52に位置していたが、研修受講後は、同じ第2領域52ではあるが、中心方向に向かうようになったことを示す。
【0051】
研修は、各ユーザの思考傾向や現状の課題に合うものであるので、研修により各ユーザの心の状態をより良い方向に導くことができる。
なお、心の状態は、一定位置で継続するものではない。そのため、ユーザは、定期的に研修を受講することで、心の状態がより良い状態にいる時間を長くすることができる。
また、他のユーザから贈与ポイントが付与されることで、贈与ポイントが付与されたユーザの心の状態を、より良い状態に導くことができる。
【0052】
このように、本実施形態の人材育成支援システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)人材育成支援サーバ1は、ユーザの思考傾向を把握し、ユーザが有する現状の課題を受け付けると、思考傾向及び課題に合致する研修情報を、研修情報記憶部25から抽出してユーザ端末3に出力する。
よって、ユーザの思考傾向及び課題に適した研修情報を、ユーザに提供できる。提供する研修は、ユーザの思考傾向を考慮し、かつ、課題を解決するためのものであるので、ユーザが提供した研修情報の研修を受講すれば、ユーザの心の状態をより良い方向に導くことができると考えられる。
【0053】
(2)人材育成支援サーバ1は、心理思考に関する質問情報をユーザ端末3に送信し、ユーザ端末3から質問情報に対する回答情報を受け付ける。そして、思考の捉え方を評価する軸と、思考のくせを評価する軸とを各軸にした思考傾向図50に質問情報に対する回答情報を当てはめてユーザの思考傾向を把握する。
よって、定量的にユーザの思考傾向を把握できる。また、思考傾向図50にユーザの思考傾向が位置として示されるので、思考傾向を可視化でき、直感的に分かりやすい。
【0054】
(3)所定期間ごとの企業の人材募集予算に対する実際の使用費用の差額を、ポイントの原資として記憶する原資記憶部24に記憶された原資を用いて、人材育成支援サーバ1は、従業者であるユーザに所定のポイントを付与し、ユーザの保有ポイントから受講可能な研修情報を、研修情報記憶部25から抽出する。
よって、人材募集予算として計上された費用から人材募集に用いられなかった費用を、ユーザにポイントとして付与して、そのポイントを用いて研修を受講できる。そのため、ユーザが研修を受講することで、心の状態がよい方向に導かれ、結果としてユーザが働き続けることで離職率が低下すれば、原資が増え、さらにユーザが研修を受講でき、離職率の低下及びユーザの心の状態の安定化、といった好循環を生むことができる。
【0055】
(4)人材育成支援サーバ1は、他のユーザに贈与する贈与ポイントと、ユーザが蓄積する蓄積ポイントとを含む所定ポイントを各ユーザに付与し、ユーザからの依頼に応じて、ユーザの有する贈与ポイントのうち少なくとも一部である提供ポイントを、ユーザが指定する指定ユーザに贈与する。また、贈与ポイントは、指定期間内に贈与しない場合には消滅するものである。
よって、ユーザは感謝の気持ちを、ユーザが指定する他のユーザに、贈与ポイントとして提供することができる。また、指定ユーザは、提供ポイントを受け取ることで、モチベーションが向上する。さらに、贈与ポイントは、贈与しない場合には消滅するため、積極的に贈与する環境を提供できる。
(5)人材育成支援サーバ1は、各ユーザの勤務年数に応じて所定ポイントを付与するので、離職率を低下させることに寄与し得る。
【0056】
(6)人材育成支援サーバ1は、動画配信研修に係る研修情報を抽出し、ユーザが視聴を希望する動画配信研修の申込を受け付けたことに応じて、動画配信研修の動画データを、ユーザ端末3に出力する。
よって、ユーザは、気軽に動画配信研修を受講でき、自身の成長や問題解決のヒントを得るきっかけになり得る。
(7)人材育成支援サーバ1は、対面又はオンラインによるリアルタイム研修の開催スケジュールを、研修情報として抽出し、ユーザが参加を希望するリアルタイム研修の申込を受け付けたことに応じて、リアルタイム研修への申込を行う。
よって、研修の申込までを行うことができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0058】
(変形形態)
(1)本実施形態では、原資に応じてポイントが増えるものを例に説明したが、これに限定されない。原資の増減にかかわらずポイントの量は一定であり、原資に応じてポイントの価値が変わるものであってもよい。その場合には、研修の受講ポイントに代わり、受講料にすればよい。
【0059】
(2)本実施形態では、企業が使用するサービスを例に説明したが、これに限定されない。例えば、学校や行政等で当該サービスを組み入れてもよい。
また、ポイントの用途として研修の受講に用いるものを説明したが、それにプラスして心の状態をより良い方向に導くための他の用途で、ポイントを用いるようにしてもよい。
【0060】
(3)本実施形態では、思考傾向図をユーザに対して出力するものではなかったが、例えば、ユーザが回答情報を送信した際に、ユーザに対して思考傾向図を出力してもよい。そのようにすれば、ユーザが客観的に自身の思考傾向を把握できる。また、思考傾向図に出力することで、ユーザに思考傾向を分かりやすく伝えることができる。
さらに、ユーザの思考傾向を定期的に把握し、時間の経過と共に変化する思考傾向を、思考傾向図に落とし込んで出力してもよい。そのようにすれば、ユーザは、自身の思考傾向の推移を確認できる。その際、研修受講のイベントを組み入れれば、研修を受講したことによる心の状態の変化を、思考傾向図から把握できる。また、心の状態の変化に応じて、例えば、マイナスの方向に移動した具合に応じて、研修の受講を促す通知をしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 人材育成支援サーバ
3 ユーザ端末
4 研修処理サーバ
10 制御部
11 ポイント付与処理部
12 質問回答部
13 思考傾向把握部
14 課題受付部
15 研修情報抽出部
16 研修情報出力部
17 研修申込処理部
20 記憶部
22 ユーザ価値記憶部
23 ユーザ情報記憶部
24 原資記憶部
25 研修情報記憶部
50,50a,50b,50c 思考傾向図
51 第1領域
52 第2領域
53 第3領域
54 第4領域
100 人材育成支援システム
N データ通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7