(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180734
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】トナーコンテナ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G03G15/08 380
G03G15/08 348B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094279
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 優里
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA05
2H077AA35
2H077FA21
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】トナー充填口やキャップを切除することなく再使用が可能なトナーコンテナを提供する。
【解決手段】トナーコンテナは、充填口43を有する容器本体41と、前記充填口43を閉止する取り外し可能なキャップ45と、前記容器本体41に設けられた複数本のボス59と、前記充填口43と前記ボス59とを覆うように前記容器本体41に取り外し可能に装着され、前記複数本のボス59のそれぞれが貫通する貫通孔61を有するカバー47と、を備える。前記ボス59は、前記貫通孔61を通って前記カバー47から突き出る先端部59aを有し、前記先端部59aがヘッド部59bに加工されることで、前記容器本体41からの前記カバー47の取り外しを規制し、前記ヘッド部59bを切除することで、前記容器本体41からの前記カバー47の取り外しを許容するように設けられ、最大で前記ボス59の本数に対応する回数だけ再使用可能である。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーの充填口を有する容器本体と、
前記充填口を閉止する、取り外し可能なキャップと、
前記容器本体に設けられた複数本のボスと、
前記充填口と前記ボスとを覆うように前記容器本体に取り外し可能に装着され、前記複数本のボスのそれぞれが貫通する貫通孔を有するカバーと、を備え、
前記ボスは、前記容器本体に前記カバーが装着された際に、前記貫通孔を通って前記カバーから突き出る先端部を有し、
前記先端部が前記貫通孔の断面積よりも大きい断面積を有するヘッド部に加工されることで、前記容器本体からの前記カバーの取り外しを規制し、前記ヘッド部を切除することで、前記容器本体からの前記カバーの取り外しを許容するように設けられ、
最大で前記ボスの本数に対応する回数だけ再使用可能であることを特徴とするトナーコンテナ。
【請求項2】
前記ボスの前記先端部は、超音波振動を加えることで前記ヘッド部に加工されることを特徴とする請求項1に記載のトナーコンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載のトナーコンテナと、
前記トナーコンテナから供給されるトナーを使用して画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再使用可能なトナーコンテナ及びトナーコンテナを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機やプリンター等、トナーを用いる電子写真式の画像形成装置においては、トナーコンテナを再使用(リユース)する傾向が高まっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の現像剤カートリッジ(トナーコンテナに相当)は、円筒状のトナー充填口を閉止するキャップを備えている。再使用時には、キャップと共にトナー充填口の一部を切除した後、別のキャップをトナー充填口に挿入して、トナー充填口を閉止する。また、特許文献2に記載のトナーコンテナは、筒状の充填口の先端面に接着される鍔部を有するキャップを備えている。再使用時には、鍔部を含むキャップを充填口とともに切除した後、別のキャップの鍔部を充填口の先端面に接着する。
【0004】
また、トナーコンテナを再使用する場合には、耐久性を考慮して、再使用回数を把握することも必要になる。このため、再使用時に使用するキャップの形状を変更することで、再使用回数を把握できるように構成される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-208837号公報
【特許文献2】特開2010-96828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の原稿カートリッジや特許文献2に記載のトナーコンテナでは、再使用時には、キャップの一部と充填口の一部とを切除する必要がある。すると、切除時に発生する削り屑や破片が本体内に入り込んでしまう場合もあるため、本体を念入りに清掃する必要があり、再使用時の作業性が低下する。さらに、切除後のキャップは再利用不可能であり、廃棄される部分が多くなってしまう。また、再使用回数は、目視にて簡単に把握できることが好ましい。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、トナー充填口やキャップを切除することなく再使用が可能、かつ、再使用回数を簡単に把握できるトナーコンテナ及びこのトナーコンテナを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のトナーコンテナは、トナーの充填口を有する容器本体と、前記充填口を閉止する、取り外し可能なキャップと、前記容器本体に設けられた複数本のボスと、前記充填口と前記ボスとを覆うように前記容器本体に取り外し可能に装着され、前記複数本のボスのそれぞれが貫通する貫通孔を有するカバーと、を備え、前記ボスは、前記容器本体に前記カバーが装着された際に、前記貫通孔を通って前記カバーから突き出る先端部を有し、前記先端部が前記貫通孔の断面積よりも大きい断面積を有するヘッド部に加工されることで、前記容器本体からの前記カバーの取り外しを規制し、前記ヘッド部を切除することで、前記容器本体からの前記カバーの取り外しを許容するように設けられ、最大で前記ボスの本数に対応する回数だけ再使用可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記ボスの前記先端部は、超音波振動を加えることで前記ヘッド部に加工されることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の画像形成装置は、前記トナーコンテナと、前記トナーコンテナから供給されるトナーを使用して画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、再使用時に、キャップや容器本体を切除せず、充填口が閉止されたままであるので、切除によって生じる切り屑や破片が容器本体に入り込まない。したがって、容器本体の清掃作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図2A】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナを示す斜視図である。
【
図2B】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナを示す分解斜視図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(初回使用時)を示す断面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(ボスの先端部をヘッド部に加工した状態)を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(ボスの先端部をヘッド部に加工した状態)を示す側面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(ボスのヘッド部を切除した状態)を示す断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(再充填時)を示す断面図である。
【
図5C】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(ボスの先端部をヘッド部に加工した状態)を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ(ボスの先端部をヘッド部に加工した状態)を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置及びトナーコンテナについて説明する。
【0014】
まず、
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。
図1は画像形成装置1の内部を模式的に示す正面図である。各図に示すFr、Rr、L、Rは、それぞれ画像形成装置1の前側、後側、左側、右側を示す。
【0015】
画像形成装置1は、略直方体形状の中空の筐体3を備える。筐体3の内部には、用紙が収容される給紙カセット5と、給紙カセット5から用紙を送り出す給紙装置7と、用紙にトナー像を形成する画像形成部9と、トナー像を用紙に定着する定着装置11と、用紙を排出する排出装置13と、が収容されている。筐体3の上面には、排出された用紙が積載される排紙トレイ15が形成されている。さらに、筐体3の内部には、給紙装置7から画像形成部9と定着装置11とを通って排出装置13まで用紙が搬送される搬送経路17が形成されている。さらに、筐体3の内部には、定着装置11の下流側で搬送経路17から分岐して、画像形成部9の上流側で搬送経路17に合流する反転経路19が形成されている。
【0016】
画像形成部9は、回転可能な感光体ドラム21と、感光体ドラム21の周囲に、感光体ドラム21の回転方向に沿って配置された、帯電装置23、現像装置25、転写ローラー27及びクリーニング装置29と、露光装置31と、トナーコンテナ33と、を有している。感光体ドラム21と転写ローラー27との間には、転写ニップが形成されている。また、トナーコンテナ33は現像装置25と接続されて、トナーコンテナ33から現像装置25にトナーが供給される。
【0017】
画像形成動作について簡単に説明する。給紙カセット5から給紙装置7によって送り出された用紙は、搬送経路17に沿って画像形成部9に搬送される。画像形成部9において、帯電装置23は、感光体ドラム21の表面を帯電させる。露光装置31は、帯電装置23によって帯電した感光体ドラム21の表面を露光し、感光体ドラム21の表面に画像データに対応した静電潜像を形成する。現像装置25は、トナーコンテナ33から供給されたトナーを用いて感光体ドラム21上の静電潜像をトナー像に現像する。転写ローラー27は、搬送経路17に沿って転写ニップに搬送された用紙にトナー像を転写する。トナー像が転写された用紙は、搬送経路17に沿って定着装置11に搬送される。クリーニング装置29は転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを除去する。定着装置11において、用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排出装置13によって排紙トレイ15に排出される。
【0018】
両面印刷の場合は、定着装置11で一方の面にトナー像が定着された用紙が、搬送経路17でスイッチバックされて反転経路19に搬送される。その後、反転経路19から搬送経路17に搬送されて、画像形成部9で他方の面にトナー像が形成され、定着装置11でトナー像が他方の面に定着される。このように両面にトナー像が定着された用紙は、排出装置13によって排紙トレイ15に排出される。
【0019】
次に、トナーコンテナ33について、
図2A及び
図2Bを参照して説明する。
図2Aはトナーコンテナ33を示す斜視図、
図2Bはトナーコンテナ33を示す分解斜視図である。
【0020】
トナーコンテナ33は、トナーの充填口43を有する容器本体41と、充填口43を閉止するキャップ45と、容器本体41に取り外し可能に装着されるカバー47と、を備える。
【0021】
容器本体41は、上面が開口した本体部51と、下面が開口した蓋部53と、を有している。本体部51は、前後方向に長い略半筒状の底板51aと、略半円状の前後の側板51bと、を有している。また、本体部51には、上面開口に沿って外側に張り出すフランジ51cが形成されている。蓋部53には、下面開口に沿って外側に張り出すフランジ53cが形成されている。両フランジ51c、53cが溶着されることで、本体部51と蓋部53とによって、トナーが収容される内空間を有する容器本体41が構成される。
【0022】
一方の側板51bには、トナーの充填口43が形成されている。さらに、側板51bには、充填口43に沿って、円筒状の筒部57が形成されている。さらに、側板51bには、充填口43の近傍に、複数本(この例では3本)の、円柱状のボス59(59A、59B、59C)が列上に並んで形成されている。3本のボス59は同じ長さで、筒部57の長さよりも長い。各ボス59の先端部は、超音波振動を加えることで加工可能に形成されている。例えば、容器本体41の全体、あるいは、本体部51の全体、あるいは、ボス59の全体が超音波振動を加えることで加工可能な材料(例えば樹脂)で作成されてもよい。
【0023】
容器本体41の内空間には、撹拌パドルと搬送スクリュー(いずれも図示省略)が回転可能に収容されている。さらに、本体部51の底板51aには、トナーの排出口(図示省略)が形成されている。排出口は、現像装置25のトナー供給口(図示省略)と連通している。排出口は、シャッター(図示省略)によって開閉可能である。
【0024】
キャップ45は、閉止部45aと、閉止部45aの外周から外方向に張り出す張り出し部45bと、を有しており、ゴムなどの樹脂で作成される。閉止部45aは、有底円筒状を有している。張り出し部45bは、断面形状が三角形状を有している。キャップ45は、容器本体41の筒部57に圧入される。すなわち、閉止部45aを筒部57に押し込み、閉止部45aと張り出し部45bとの間に筒部57を嵌め込む。すると、筒部57の内周面と閉止部45aの外周面とが密接し、筒部57の外周面と張り出し部45bの内周面が密接する。これにより、キャップ45によって筒部57、すなわち、充填口43が閉止される。このようにキャップ45と筒部57とは一体に固定されないので、キャップ45は筒部57から取り外し可能である。
【0025】
カバー47は、側板51bと同形状の端壁47aと、端壁47aの外周に沿った側壁47bと、を有している。カバー47は、筒部57(充填口43)と3本のボス59とを覆うように、容器本体41の本体部51にスナップフィット結合により装着される。端壁47aには、3本のボス59がそれぞれ貫通する3個の円形の貫通孔61が開けられている。カバー47が本体部51に装着されると、筒部57に装着されたキャップ45はカバー47によって覆われる。3本のボス59の先端部59aは、それぞれ貫通孔61を通ってカバー47から突出する。
【0026】
次に、上記構成を有するトナーコンテナ33の再使用方法について、
図3A~
図6を参照して説明する。
図3A、
図3B、
図5A~
図5Cはトナーコンテナ33を示す断面図であり、
図4及び
図6はトナーコンテナ33を示す側面図である。
【0027】
初回(1回目)にトナーが充填される際は、カバー47とキャップ45とを容器本体41から取り外した状態で、充填口43から所定量のトナーを充填する。その後、
図3Aに示されるように、キャップ45を筒部57に圧入して充填口43を閉止した後、カバー47を本体部51にスナップフィット結合により装着する。3本のボス59はカバー47の貫通孔61を通って、先端部59aがカバー47から突き出す。
【0028】
そして、
図3Bに示されるように、一番端(左端)のボス59Aの先端部59aに、超音波振動を加えて、径が貫通孔61の径よりも大きい、言い換えると、断面積が貫通孔61の断面積よりも大きい、扁平な円板状のヘッド部59bに加工する。ヘッド部59bはカバー47の端壁47aにほぼ接触するように加工される。以上の工程を開始工程とする。ボス59の先端部59aをヘッド部59bに加工することで、本体部51からのカバー47の取り外しがヘッド部59bによって規制される。そして、このようにカバー47の取り外しが規制されることで、筒部57からのキャップ45の取り外しも規制される。この状態で1回目の出荷を行う。
【0029】
1回目の出荷時、
図4に示されるように、トナーコンテナ33の側面を見ると、一番端(左端)のボス59Aはヘッド部59bが露出し、その他のボス59B、59Cは先端部59aが露出している。ヘッド部59bの径と先端部59aの径は異なっているので、一番端のボス59Aとその他のボス59B、59Cとは外観上に差が生じる。このように一番端のボス59Aの形状がその他のボス59B、59Cの形状と異なることを確認することで、トナーコンテナ33が1回目の出荷であることが判定される。
【0030】
出荷後、トナーコンテナ33は筐体3の内部の所定位置に装着され、前述の画像形成動作が実行される。画像形成動作中に、現像装置25のトナー濃度が所定の濃度以下に低下すると、トナー補給動作が実行され、トナーコンテナ33から現像装置25にトナーが補給される。トナー補給動作においては、撹拌パドルと搬送スクリューとが回転すると共に、シャッターが開かれる。撹拌パドルが回転することで、容器本体41内のトナーが撹拌されて搬送スクリューに向けて搬送される。そして、搬送スクリューの回転によってトナーが排出口に向けて搬送されて、排出口を通って現像装置25に供給される。現像装置25内のトナー濃度が所定の濃度に達すると、トナーの補給が停止される。このような補給動作を繰返し、容器本体41内のトナーが消費されると、トナーコンテナ33の交換が指示され、トナーコンテナ33が交換される。
【0031】
トナーコンテナ33交換時には、トナーコンテナ33を筐体3から取り外す。そして、
図5Aに示されるように、一番端のボス59Aのヘッド部59bを、工具(ペンチやニッパー等)を使用して切除する。これにより、ヘッド部59bによるカバー47の取り外しの規制が解除され、容器本体41からのカバー47の取り外しが可能となる。なお、ヘッド部59bが切除されると、微細な切り屑が発生する場合もあるが、充填口43はキャップ45で閉止されたままであるので、これらが充填口43から容器本体41内に入り込む可能性はない。
【0032】
そして、
図5Bに示されるように、カバー47を取り外した後、キャップ45を取り外す。すなわち、カバー47はスナップフィット結合で本体部51に装着されているので、スナップフィット結合を解除することで、本体部51から容易に取り外すことができる。また、キャップ45は筒部57に圧入されているのみであるので、手又は工具を用いて筒部57から容易に取り外すことができる。このようにカバー47とキャップ45を取り外した後、容器本体41の内空間をエアブローによって清掃する。以上の工程を終了工程とする。
【0033】
その後、1回目と同様に、所定量のトナーを充填口43から容器本体41に充填する。そして、取り外したキャップ45を筒部57に圧入した後、取り外したカバー47を本体部51にスナップフィット結合により装着する。すると、3本のボス59は、カバー47の貫通孔61に挿通される。この際、一番端のボス59Aはヘッド部59bが切除されているので、他の2本のボス59B、59Cよりも長さが短くなっている。他の2本のボス59B、59Cの先端部59aは、カバー47から突き出している。
【0034】
次に、二番目のボス59Bの先端部59aに、1回目と同様に超音波振動を加え、扁平な円板状のヘッド部59bに加工する。これにより、本体部51からのカバー47の取り外しがヘッド部59bによって規制され、キャップ45の取り外しも規制される。この状態で2回目の出荷を行う。
【0035】
2回目の出荷時、トナーコンテナ33の側面を見ると、
図6に示されるように、二番目(中央)のボス59Bはヘッド部59bが露出し、一番目のボス59Aは貫通孔61から露出せず、三番目のボス59Cは先端部59aが露出している。前述のように、ヘッド部59bの径と先端部59aの径が異なっているので、二番目のボス59Bとその他のボス59A、59Cとは外観上に差が生じる。さらに、2回目の出荷時のトナーコンテナ33の側面と、
図4に示される、1回目の出荷時のトナーコンテナ33の側面とは、ヘッド部59bの位置が異なっているので、1回目と2回目の側面の形状が異なることも容易に把握できる。したがって、トナーコンテナ33が2回目の出荷(使用)であると判定することができる。
【0036】
トナーが消費された後、上記の開始工程を実行し、3回目の出荷を行う。3回目の出荷の開始工程においては、三番目のボス59Cの先端部59aをヘッド部59bに加工する。出荷後、トナーが消費された後、上記の終了工程を実行する。このように、開始工程と終了工程とを、ボス59の本数分(3本)実行することで、トナーコンテナ33を3回再使用することができる。
【0037】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、トナーコンテナ33の再使用時に、キャップ45や筒部57を切除せず、充填口43が閉止されたままであるので、切除によって生じる切り屑や破片が容器本体41に入り込まない。したがって、清掃作業を効率的に行うことができる。さらに、ヘッド部59bの位置を確認することで、再使用回数を容易に把握することができる。この際、加工されたボス59のヘッド部59bと他のボス59の先端部59aとは明らかに外観が異なっているので、両者を容易に見分けることができる。さらには、再使用回数ごとにヘッド部59bの位置が異なるので、再使用回数ごとのトナーコンテナ33の外観の差を容易に把握できる。なお、カバー47に、ボス59のそれぞれに対応して使用回数を表す数字や記号を記してもよい。これにより、何回目の出荷(使用)であるかをより容易に把握できる。
【0038】
さらには、キャップ45の外側にカバー47を設けることで、充填口43からのトナーの漏れを確実に防止できると共にトナーコンテナ33の強度を高めることができる。さらには、容器本体41に加えて、キャップ45とカバー47も再使用することができるので、再使用時に発生する廃棄物の量を低減できる。
【0039】
なお、トナーコンテナ33の再使用回数は、必ずしもボス59の本数と同じでなくともよい。本来の再使用回数だけ使用される前に容器本体41が損傷したり劣化したりした場合は、再使用回数は、ボス59の本数よりも少ない回数となる。また、ボス59の本数は3本に限らず、画像形成装置1の機種等に応じて適宜変更できる。また、ボス59は必ずしも一列上に配置されなくてもよいが、再使用回数を確認しやすいので、一列上に配置されることが好ましい。また、キャップ45は、ネジによって筒部57に装着されてもよく、カバー47は、圧入によって本体部51に装着されてもよい。
【0040】
また、ボス59の先端部59aをヘッド部59bに加工する方法は、超音波振動を加える以外に、熱を加える方法も適用できる。
【0041】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
9 画像形成部
33 トナーコンテナ
41 容器本体
43 充填口
45 キャップ
47 カバー
59 ボス
59a 先端部
59b ヘッド部
61 貫通孔