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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180748
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】車両監視装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/31 20130101AFI20231214BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20231214BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B60R25/31
B60R25/24
E05B49/00 J
E05B49/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094298
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木下 弘之
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰大
(72)【発明者】
【氏名】植藤 崇
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB05
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF11
2E250FF18
2E250FF25
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
2E250JJ05
(57)【要約】
【課題】車両に対する行動が許可されているか否かに基づいて車両の周囲の人物を監視する技術を提供する。
【解決手段】
本開示の1つの態様による車両監視装置は、検出部40と、認証部42と、を備える。検出部は、探査波を照射するセンサ12から取得する点群データに基づいて、車両の周囲の人物を検出する。認証部は、検出部が検出する人物が車両に対する行動を許可された正規な認証情報を有するか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
探査波を照射するセンサ(12)から取得する点群データに基づいて、車両の周囲の人物を検出するように構成された検出部(40、S400)と、
前記検出部が検出する前記人物が前記車両に対する行動を許可された正規な認証情報を有するか否かを判定するように構成された認証部(42、S402、S416、S424)と、
を備える車両監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両監視装置であって、
前記認証部は、前記人物が有する携帯端末(2)から前記認証情報を取得し、前記認証情報が正規であるか否かを判定するように構成されている、
車両監視装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両監視装置であって、
前記認証部(S402)は、前記人物が有する前記認証情報の有効期間が終了している場合、前記認証情報は正規ではないと判定するように構成されている、
車両監視装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両監視装置であって、
前記認証部(S416)は、前記認証情報が正規である場合、前記認証情報に基づいて前記車両に対して前記人物に許可されている行動を判定するように構成されている、
車両監視装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両監視装置であって、
少なくとも前記点群データに基づいて、前記人物がどのような行動を行っているかを判定するように構成された行動判定部(44、S404~S408、S412、S420、S422)を、
さらに備える車両監視装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両監視装置であって、
前記行動判定部(S420)は、前記人物は正規な前記認証情報を有しているが前記車両の運転が許可される前記認証情報ではないと前記認証部が判定すると、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っているか否かを判定するように構成されている、
車両監視装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物は正規な前記認証情報を有しているが前記車両の運転が許可される前記認証情報ではないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、前記人物に警告を与えるように構成された警告部(46、S426)を、
さらに備える車両監視装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物が有する前記認証情報は正規であるが前記車両の運転は許可されていないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、カメラ(18)を起動して前記人物を撮影するように構成された撮影部(48、S410、S426)を、
さらに備える車両監視装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物が有する前記認証情報は正規であるが前記車両の運転は許可されていないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、前記カメラが撮影する画像データと前記人物の時系列の前記点群データとを保存するように構成されたデータ保存部(50、S410、S426、S428)を、
さらに備える車両監視装置。
【請求項10】
請求項1に記載の車両監視装置であって、
前記人物が有する前記認証情報は正規であると前記認証部が判定すると、前記人物の時系列の前記点群データを保存するように構成されたデータ保存部(50、S414、S428)を、
さらに備える車両監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の周囲の人物を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲の人物を監視する技術が知られている。例えば、下記特許文献1に開示されている技術では、車両に人物が接近するか、あるいは、車両の周囲を人物がうろつくかなどの行動をする場合、不審者と判定してカメラの電源をオンにする。この場合、特許文献1に開示されている技術では、カメラの電源をオンにするが撮影と録画を行わない待機状態にする。
【0003】
そして、車両に衝撃が加わるかドアが開く等の異常が検出されると、カメラによる撮影と録画が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-090645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、車両に接近したり、車両の周囲をうろついたりする人物が不審者とは限らない。例えば、車両の所有者が車両を運転するためか、あるいは、車両に対して依頼されたサービスを行う人物が、車両に接近するか、あるいは、車両の周囲をうろつくなどの許可された行動をすることがある。
【0006】
特許文献1に開示された技術では、車両に対して許可された行動を行う人物であっても、車両に接近するか、あるいは、車両の周囲をうろつくと、不審者と判定されるという課題が見出された。
【0007】
本開示の1つの局面は、車両に対する行動が許可されているか否かに基づいて車両の周囲の人物を監視する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様による車両監視装置は、検出部(40、S400)と、認証部(42、S402、S416、S424)と、を備える。
検出部は、探査波を照射するセンサ(12)から取得する点群データに基づいて、車両の周囲の人物を検出する。認証部は、検出部が検出する人物が車両に対する行動を許可された正規な認証情報を有するか否かを判定する。
【0009】
このような構成によれば、正規な認証情報を有するか否かに基づいて、車両の周囲の人物を適切に監視できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】車両の構成を示すブロック図。
図2】車両監視装置を示すブロック図。
図3】車両監視処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
図1に示す車両監視装置30は、車両10に搭載されており、車両10の周囲の人物を監視する。車両監視装置30は、CPU32、ROM34、RAM36、フラッシュメモリ38などを備える周知のマイクロコンピュータである。車両監視装置30は、車両10が停止し、エンジンが停止すると起動され、ROM34またはフラッシュメモリ38に記憶されているプログラムに基づいて、後述する車両監視処理を実行する。
【0012】
車両監視装置30の監視モードは、車両監視装置30が起動されると、まず、ミリ波レーダ12から取得する点群データに基づいて車両10の周囲の人物を検出する通常モードに設定される。
【0013】
図2に示すように、車両監視装置30は、検出部40と、認証部42と、行動判定部44と、警告部46と、撮影部48と、データ保存部50と、として機能する。
検出部40は、探査波としてミリ波を照射するミリ波レーダ12から、物体までの距離とミリ波の照射方向が示す物体が存在する方向とを測定結果として取得する。ミリ波レーダ12は、水平方向と垂直方向とのそれぞれの所定の角度範囲において、所定の時間間隔でミリ波を照射するので、検出部40は、測定結果を点群データとして取得する。
【0014】
検出部40は、ミリ波レーダ12から取得する点群データの形状から、車両10の周囲の人物を検出する。
認証部42は、近距離通信モジュール14を介して、車両10の周囲の人物が所持する携帯端末2から、認証情報の一部として、例えば認証コードを取得する。認証コードには有効期間が設定されている。携帯端末2は専用端末であってもよいし、スマートフォン等の汎用端末であってもよい。
【0015】
認証部42は、携帯端末2から取得する認証情報が車両10に対する行動を許可された正規なものであるか否かを判定する。認証情報の一部として前述したように認証コードを取得する場合、認証情報が正規であることは、認証コードが正規であり、かつ認証コードが有効期間内であることを表す。
【0016】
認証情報の有効期間は、例えば、車両10の所有者であれば無期限に設定される。また、認証情報の有効期間として、例えば、レンタカーまたはカーシェアリングシステムで契約した借り主、または車両10に対して行動によるサービスを所定の期間内で依頼されたサービス提供者であれば、サービスが有効な契約期間が設定される。
【0017】
また、認証部42は、車両10に対して検出された人物に許可されている行動を、認証情報と対応付けられたテーブル等から取得する。認証部42は、車両10に対して許可されている行動を、遠距離通信モジュール16を介してサーバ4に問い合わせてもよい。
【0018】
行動判定部44は、検出された人物の点群データから、人物の数と、人物と車両10との距離とを取得する。また、行動判定部44は、検出された人物の点群データの位置と軌跡とに基づいて、人物の行動を判定する。例えば、行動判定部44は、検出された人物が車両10に対して近づくか停止しているか離れるか、車あるいは車両10に入ってくるかを判定する。
【0019】
また、行動判定部44は、点群データ以外にも、車両10の各種信号により、検出された人物がドア20またはトランク22を開けたか、車両10のエンジンを始動させたか等、人物がどのような行動を行っているかを判定する。
【0020】
行動判定部44は、有効期間内の正規な認証情報であるが車両10の運転が許可された認証情報ではないと認証部42が判定すると、認証情報を有する人物が、車両10の運転以外の認証情報に応じた行動を車両10に対して行っているか否かを判定する。
【0021】
車両10の運転以外の正規な認証情報に応じた行動とは、例えば以下の(1)または(2)に示す行動である。
(1)配達人が車両10のトランク22を開けて配達物をトランク22に入れる。
【0022】
(2)清掃人が車両10のドア20およびトランク22を開け、車両10の内部および外部を清掃する。
車両10の運転以外の正規な認証情報に応じていない行動とは、例えば以下の(3)または(4)に示す行動である。
【0023】
(3)配達人が車両10のドア20を開けて車内に入ろうとする。
(4)清掃人がエンジンを始動させる。
警告部46は、以下の(5)または(6)の場合、ホーン24を鳴らすか、ライト26を点滅させるか等により、対象の人物に警告を与える。
【0024】
(5)正規な認証情報を有していない複数の人物が車両10に近い位置にいるか、あるいは正規な認証情報を有していない1人の人物が車両10に近い位置におり所定時間内に車両10から離れない。
【0025】
(6)検出された人物が、前述した(3)、(4)のように、車両10の運転以外の正規な認証情報に応じた行動を車両10に対して行っていない。
撮影部48は、前述した(5)または(6)の場合、カメラ18を起動して対象の人物を撮影する。カメラ18は、車両10の内外のうち少なくとも車外を撮影する。
【0026】
データ保存部50は、検出された人物の点群データと撮影部48がカメラ18で撮影した画像データとをRAM36またはフラッシュメモリ38等の記憶装置に保存する。
さらにデータ保存部50は、記憶装置に保存した点群データと画像データとを、遠距離通信モジュール16を介してサーバ4に送信する。
【0027】
[2.処理]
次に、車両監視装置30が実行する車両監視処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3のフローチャートは、車両10が停止し、エンジンが停止すると実行される。
【0028】
S400において検出部40は、ミリ波レーダ12から取得する点群データに基づいて、車両10の周囲の人物を検出したか否かを判定する。
S400の判定がYesである、つまり車両10の周囲の人物を検出部40が検出すると、S402において認証部42は、検出された人物の携帯端末2から正規な認証情報を取得したか否かを判定する。前述したように、認証情報の一部として認証コードを取得する場合、認証情報が正規であることは、認証コードが正規であり、かつ認証コードが有効期間内であることを表す。
【0029】
S402の判定がYesである、つまり検出された人物の携帯端末2から正規な認証情報を取得した場合、認証部42は処理をS414に移行する。
S402の判定がNoである、つまり検出された人物の携帯端末2から認証情報を取得していないか、あるいは取得した認証情報が正規ではない場合、検出された人物は車両10に悪意のある行動を行う不審者である可能性がある。そこで、S404において行動判定部44は、ミリ波レーダ12から取得する点群データの軌跡に基づいて、検出された人物が車両10から離れて行くか否かを判定する。
【0030】
S404の判定がYesである、つまり検出された人物が車両10から離れて行く場合、行動判定部44は、検出された人物は車両10に悪意のある行動を行う不審者ではないと判定し、S400に処理を戻す。
【0031】
S404の判定がNoである、つまり検出された人物が車両10から離れない場合、S406において行動判定部44は、点群データが示す人物と車両10との距離に基づいて、検出された人物が車両10に近いか否かを判定する。例えば、車両10の周囲の1m以内に検出された人物がいる場合、行動判定部44は、検出された人物は不必要に車両10に近い不審者であると判定する。
【0032】
S406の判定がNoである、つまり検出された人物は車両10から離れないが、車両10の近くにいない場合、行動判定部44は、検出された人物は車両10に悪意のある行動を行う不審者ではないと判定し、S400に処理を戻す。
【0033】
S406の判定がYesである、つまり検出された人物が車両10に近い場合、S408において行動判定部44は、検出された人物が1人であるか否かを判定する。S408の判定がNoである、つまり検出された人物が複数の場合、行動判定部44は、車両10の近くに正規の認証情報を持たない複数の人物が存在する状況は異常であり、複数の人物は不審者であると判定し、処理をS426に移行する。
【0034】
S408の判定がYesである、つまり検出された人物が1人の場合、S410において警告部46は、監視モードを警戒モードに設定する。
データ保存部50は、警戒モードにおいて、ミリ波レーダ12から取得する人物の点群データを、記憶装置としてRAM36またはフラッシュメモリ38に時系列に保存する。さらに、S410において撮影部48は、カメラ18の電源をオンにし、検出された人物の行動を撮影する。データ保存部50は、撮影された人物の画像データを記憶装置に保存する。
【0035】
S412において行動判定部44は、検出された人物が所定時間内に車両10から離れるか否かを判定する。S412の判定がYesである、つまり検出された人物が所定時間内に車両10から離れると、行動判定部44は、検出された人物は不審者ではないと判定し、処理をS400に移行する。
【0036】
S412の判定がNoである、つまり検出された人物が所定時間内に車両10から離れない場合、行動判定部44は、検出された人物は不審者であると判定し、処理をS426に移行する。
【0037】
S414において警告部46は、監視モードを正規のユーザモードに設定する。正規のユーザモードにおいてデータ保存部50は、ミリ波レーダ12から取得した点群データを記憶装置に保存する。
【0038】
S416において認証部42は、取得した正規な認証情報に基づいて、検出された人物が車両10を運転して走行させることを許可された走行ユーザであるか否かを判定する。走行ユーザは、車両10の所有者か、あるいはレンタカーまたはカーシェアリングシステムで契約した借り主である。
【0039】
S416の判定がYesである、つまり、検出された人物が走行ユーザである場合、S418において認証部42は、検出された人物に車両10を運転することを許可し、処理をS400に移行する。走行ユーザの場合、車両10のドア20およびトランク22を開けることも許可される。
【0040】
S416の判定がNoである、つまり検出された人物は正規な認証情報を有しているが走行ユーザではない場合、S420において行動判定部44は、検出された人物が運転以外の正規な認証情報に応じた行動を行っているか否かを判定する。
【0041】
S420の判定がNoである、つまり検出された人物が正規な認証情報に応じた行動を行っていない場合、行動判定部44は処理をS426に移行する。
S420の判定がYesである、つまり検出された人物が正規な認証情報に応じた行動を行っている場合、S422において行動判定部44は、検出された人物の行動が終了したか否かを判定する。検出された人物の行動が終了したか否かは、車両10のドア20とトランク22とが閉じられて施錠され、検出された人物が車両10から離れたか否かによって判定される。
【0042】
S422の判定がNoである、つまり検出された人物の行動が終了していない場合、行動判定部44は処理をS420に戻す。S422の判定がYesである、つまり検出された人物の行動が終了すると、S424において認証部42は、行動を終了した人物の認証コードを無効にするか有効期間を終了させるかなどにより認証情報を無効にし、処理をS428に移行する。
【0043】
S426において警告部46は、監視モードを警告モードに設定し、ホーン24を鳴らしたりライト26を点滅させたりして、検出された人物に警告を与える。警告モードにおいてデータ保存部50は、点群データを保存していない場合は点群データを記憶装置に時系列に保存する。
【0044】
また、S426において撮影部48は、カメラ18の電源がオンにされていない場合はカメラ18の電源をオンにし、検出された人物の行動を撮影する。データ保存部50は、撮影された画像データを記憶装置に保存する。S426の処理の終了後、警告部46は処理をS428に移行する。
【0045】
S428においてデータ保存部50は、正規のユーザモードで保存した点群データ、あるいは警戒モードまたは警告モードで保存した点群データと画像データとを記憶装置からサーバ4に送信してサーバ4にデータを保存し、処理をS400に移行する。
【0046】
以上説明した実施形態では、ミリ波レーダ12がセンサに対応する。
また、S400が検出部40の処理に対応し、S402、S416、S424の処理が認証部42の処理に対応し、S404~S408、S412、S420、S422の処理が行動判定部44の処理に対応し、S426が警告部46の処理に対応し、S410、S426の処理が撮影部48の処理に対応し、S410、S414、S426、S428の処理がデータ保存部50の処理に対応する。
【0047】
[3.効果]
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(3a)ミリ波レーダ12から取得される人物の点群データだけではなく、検出された人物の認証情報に基づいて、検出された人物の車両10に対して許可された行動を判定できる。これにより、車両10の周囲の人物を適切に監視できる。
【0048】
(3b)監視モードが警戒モードまたは警告モードに設定されるまでカメラ18の電源がオンにならず、撮影が開始されないので、車両10が運転状態ではなく駐車中の場合に、消費電力を低減できる。
【0049】
(3c)検出された人物が正規な認証情報を持たない不審者の場合、点群データと画像データとのうち少なくとも点群データが車両10の記憶装置に保存され、さらにサーバ4に送信して保存される。これにより、車両10の記憶装置に保存されたか、サーバ4に送信された点群データと画像データとに基づいて、不審者の行動を検証できる。
【0050】
(3d)検出された人物が正規な認証情報を有していても走行ユーザではない場合、点群データと画像データとのうち少なくとも点群データが車両10の記憶装置に保存され、さらにサーバ4に送信して保存される。これにより、車両10の記憶装置に保存されたか、サーバ4に送信された点群データと画像データとに基づいて、人物の行動を検証できる。
【0051】
(3e)検出された人物が車両10の運転を許可された走行ユーザであっても、点群データが車両10の記憶装置に保存される。これにより、車両10の記憶装置に保存された点群データに基づいて、人物の行動を検証できる。
【0052】
(3f)認証情報の有効期間を含めて正規な認証情報であるか否かが判定されるので、正規な認証情報であるか否かを正確に判定できる。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0053】
(4a)上記実施形態では、検出された人物の携帯端末2から取得した認証情報が正規であるか否かの判定において、認証コードが正規であるか否かを判定したが、これに限定されるものではない。例えば、認証コードに代えて、カメラ18が撮影する人物の顔が登録された正規な人物の顔であるか否かを判定してもよい。登録された顔には、有効期間が設定されている。
【0054】
この場合、S400において人物が検出されたときに、S402において人物の顔を認証するためにカメラ18は起動され撮影が開始されるが、監視モードが警戒モードまたは警告モードに設定されるまで画像データは保存されない。
【0055】
(4b)前述した実施形態では、データ保存部50がRAM36またはフラッシュメモリ38に保存した点群データと画像データとをサーバ4に送信したが、サーバ4に送信せず車両10の記憶装置に保存したままでもよい。この場合でも、車両10が盗まれずに駐車位置に残っていれば、車両10の記憶装置に保存されたデータに基づいて、検出された人物の行動を検証できる。
【0056】
(4c)前述した実施形態で使用したミリ波レーダ12に代え、探査波を照射して車両10の周囲の物体を測定するセンサとして、例えばLidarを使用してもよい。Lidarは、Light Detection and Rangingの略である。
【0057】
(4d)本開示に記載の車両監視装置30およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つまたは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の車両監視装置30およびその手法は、1つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の車両監視装置30およびその手法は、1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと1つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。車両監視装置30に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、1つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0058】
(4e)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0059】
(4f)前述した車両監視装置30の他、当該車両監視装置30を構成要素とするシステム、当該車両監視装置30としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、車両監視方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0060】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
探査波を照射するセンサ(12)から取得する点群データに基づいて、車両の周囲の人物を検出するように構成された検出部(40、S400)と、
前記検出部が検出する前記人物が前記車両に対する行動を許可された正規な認証情報を有するか否かを判定するように構成された認証部(42、S402、S416、S424)と、
を備える車両監視装置。
【0061】
[項目2]
項目1に記載の車両監視装置であって、
前記認証部は、前記人物が有する携帯端末(2)から前記認証情報を取得し、前記認証情報が正規であるか否かを判定するように構成されている、
車両監視装置。
【0062】
[項目3]
項目1または項目2に記載の車両監視装置であって、
前記認証部(S402)は、前記人物が有する前記認証情報の有効期間が終了している場合、前記認証情報は正規ではないと判定するように構成されている、
車両監視装置。
【0063】
[項目4]
項目1から項目3のいずれか1項に記載の車両監視装置であって、
前記認証部(S416)は、前記認証情報が正規である場合、前記認証情報に基づいて前記車両に対して前記人物に許可されている行動を判定するように構成されている、
車両監視装置。
【0064】
[項目5]
項目4に記載の車両監視装置であって、
少なくとも前記点群データに基づいて、前記人物がどのような行動を行っているかを判定するように構成された行動判定部(44、S404~S408、S412、S420、S422)を、
さらに備える車両監視装置。
【0065】
[項目6]
項目5に記載の車両監視装置であって、
前記行動判定部(S420)は、前記人物は正規な前記認証情報を有しているが前記車両の運転が許可される前記認証情報ではないと前記認証部が判定すると、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っているか否かを判定するように構成されている、
車両監視装置。
【0066】
[項目7]
項目6に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物は正規な前記認証情報を有しているが前記車両の運転が許可される前記認証情報ではないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、前記人物に警告を与えるように構成された警告部(46、S426)を、
さらに備える車両監視装置。
【0067】
[項目8]
項目5から項目7のいずれか1項に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物が有する前記認証情報は正規であるが前記車両の運転は許可されていないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、カメラ(18)を起動して前記人物を撮影するように構成された撮影部(48、S410、S426)を、
さらに備える車両監視装置。
【0068】
[項目9]
項目8に記載の車両監視装置であって、
前記人物が正規な前記認証情報を有していないと前記認証部が判定するか、あるいは、前記人物が有する前記認証情報は正規であるが前記車両の運転は許可されていないと前記認証部が判定し、前記人物が前記車両の運転以外の前記認証情報に応じた行動を前記車両に対して行っていないと前記行動判定部が判定すると、前記カメラが撮影する画像データと前記人物の時系列の前記点群データとを保存するように構成されたデータ保存部(50、S410、S426、S428)を、
さらに備える車両監視装置。
【0069】
[項目10]
項目1から項目9のいずれか1項に記載の車両監視装置であって、
前記人物が有する前記認証情報は正規であると前記認証部が判定すると、前記人物の時系列の前記点群データを保存するように構成されたデータ保存部(50、S414、S428)を、
さらに備える車両監視装置。
【符号の説明】
【0070】
2:携帯端末、4:サーバ、10:車両、12:ミリ波レーダ(センサ)、18:カメラ、24:ホーン(警告装置)、26:ライト(警告装置)、30:車両監視装置、36:RAM(記憶装置)、38:フラッシュメモリ(記憶装置)、40:検出部、42:人称部、44:行動判定部、46:警告部、48:撮影部、50:データ保存部
図1
図2
図3