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特開2023-180754レンズ装置、撮像装置、制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180754
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】レンズ装置、撮像装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20210101AFI20231214BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20231214BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20231214BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G03B13/36
G02B7/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094307
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】兼岡 新司
【テーマコード(参考)】
2H011
2H044
2H151
【Fターム(参考)】
2H011BA23
2H011CA16
2H011CA19
2H011CA22
2H044DA01
2H044DC08
2H044DE06
2H151BA02
2H151CE24
2H151CE31
2H151CE33
2H151DB01
2H151DD14
2H151EA10
2H151FA50
(57)【要約】
【課題】 動体に対する合焦に有利なレンズ装置を提供すること。
【解決手段】 レンズ装置(100)は、フォーカスレンズ群(101)と、フォーカスレンズ群を駆動する駆動部(102)と、フォーカスレンズ群の位置を検出する第1検出部(103)と、駆動部を制御する制御部(110)とを有する。制御部は、フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、複数の時刻でのデフォーカス量に基づくフォーカスレンズ群の目標位置と、フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、駆動部への第1指令を生成し、第1指令により駆動部を制御する第1制御を行い、複数の時刻でのデフォーカス量に基づくフォーカスレンズ群の目標速度と、フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、駆動部への第2指令を生成し、第2指令により駆動部を制御する第2制御を行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズ群と、
前記フォーカスレンズ群を駆動する駆動部と、
前記フォーカスレンズ群の位置を検出する第1検出部と、
前記駆動部を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第1指令を生成し、前記第1指令により前記駆動部を制御する第1制御を行い、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標速度と、前記フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、前記駆動部への第2指令を生成し、前記第2指令により前記駆動部を制御する第2制御を行うことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記デフォーカス量に関する検出を行う第2検出部を有し、
前記制御部は、前記第2検出部の出力に基づいて前記デフォーカス量を取得することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置の差の絶対値が第1閾値より大きい場合は、前記第1制御を行い、前記絶対値が前記第1閾値より小さい場合は、前記第2制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記レンズ装置の焦点深度に関する情報に基づいて前記第1閾値を生成することを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1制御において、比例制御により前記第1指令を生成することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2制御において、前記第2指令による前記フォーカスレンズ群の速度と、前記目標速度との差に比例する量を前記第2指令に加えることにより前記第2指令を更新することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1指令および前記第2指令に基づいて、前記駆動部への指令を生成することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第2閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、前記第2閾値より小さい第3閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、前記絶対値が前記第2閾値より小さく前記第3閾値より大きい場合は、前記絶対値に応じた重みでの前記第1指令および前記第2指令の加重平均として前記駆動部への第3指令を生成することを特徴とする請求項7に記載のレンズ装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1制御において、前記第1指令による前記フォーカスレンズ群の位置と、前記目標位置との差に比例する量として前記第1指令を更新し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第4指令を生成し、前記第4指令により前記駆動部を制御し、前記第4指令による前記フォーカスレンズ群の位置と、前記目標位置との差に比例する量を前記第4指令に加えることにより前記第4指令を更新する第3制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第4閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、前記第4閾値より小さい第5閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、前記絶対値が前記第4閾値より小さく前記第5閾値より大きい場合は、前記第4指令を生成することを特徴とする請求項9に記載のレンズ装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2指令および前記第4指令に基づいて、前記駆動部への指令を生成することを特徴とする請求項9に記載のレンズ装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第4閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、前記第4閾値より小さい第5閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、前記絶対値が前記第4閾値より小さく、前記第5閾値より大きい第6閾値より大きい場合は、前記第4指令を生成し、前記絶対値が前記第6閾値より小さく前記第5閾値より大きい場合は、前記絶対値に応じた重みでの前記第2指令および前記第4指令の加重平均として前記駆動部への第5指令を生成することを特徴とする請求項11に記載のレンズ装置。
【請求項13】
前記レンズ装置の瞳における互いに異なる2つの領域を介してそれぞれ形成された2つの像を検出する検出部を有し、
前記制御部は、前記2つの像の間隔に基づいてデフォーカス量を取得することを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項14】
請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置により形成された像を撮る撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項15】
レンズ装置が有する駆動部を制御する制御方法であって、
前記レンズ装置は、フォーカスレンズ群と、前記フォーカスレンズ群の位置を検出する検出部とを有し、前記駆動部は、前記フォーカスレンズ群を駆動し、
前記制御方法は、
前記フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第1指令を生成し、前記第1指令により前記駆動部を制御する第1制御を行い、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標速度と、前記フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、前記駆動部への第2指令を生成し、前記第2指令により前記駆動部を制御する第2制御を行うことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置、撮像装置、制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の機能として、撮像装置からの距離が変化する被写体(動体)への継続的な自動合焦(AF)を行う機能(追従AF機能ともいう)が知られている。また、動体が特定の合焦状態にない場合は予め指定された一定速度で、動体が特定の合焦状態にある場合はデフォーカス量に応じた速度で(デフォーカス量が大きいほど速く)フォーカスレンズ群を駆動制御することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-36509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動体に対しては、合焦状態にない場合には合焦状態までフォーカスレンズ群が素早く駆動され、合焦状態にある場合には合焦状態が安定的に保たれるようにフォーカスレンズ群が駆動されるのが好ましい。ところが、特許文献1の駆動制御では、動体が特定の合焦状態にない場合は予め指定された一定速度で移動するようにフォーカスレンズ群が駆動制御されるため、特定の合焦状態に至るまでに過度の時間を要しうる。また、動体が特定の合焦状態にある場合はデフォーカス量に応じた速度でフォーカスレンズ群が移動するようにフォーカスレンズ群が駆動制御されるため、合焦状態が安定的に保たれ難い。本発明は、例えば、動体に対する合焦に有利なレンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、フォーカスレンズ群と、
前記フォーカスレンズ群を駆動する駆動部と、
前記フォーカスレンズ群の位置を検出する第1検出部と、
前記駆動部を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第1指令を生成し、前記第1指令により前記駆動部を制御する第1制御を行い、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標速度と、前記フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、前記駆動部への第2指令を生成し、前記第2指令により前記駆動部を制御する第2制御を行うことを特徴とするレンズ装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、動体に対する合焦に有利なレンズ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る撮像装置の構成例を示す図
図2】実施形態1における処理の流れを例示する図
図3】実施形態1における目標位置生成処理の流れを例示する図
図4】実施形態1における第2制御処理の流れを例示する図
図5】実施形態2における制御切り替えのための閾値を例示する図
図6】実施形態2における処理の流れを例示する図
図7】実施形態2における第3制御処理の流れを例示する図
図8】実施形態3における制御切り替えのための閾値を例示する図
図9】実施形態3における処理の流れを例示する図
図10】実施形態3における第4制御処理の流れを例示する図
図11】実施形態4における制御切り替えのための閾値を例示する図
図12】実施形態4における処理の流れを例示する図
図13】実施形態4における第5制御処理の流れを例示する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、実施形態を説明するための全図を通して、原則として(断りのない限り)、同一の部材等には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
〔実施形態1〕
図1から図4を参照して実施形態1が説明される。ここで、図1は、実施形態1に係る撮像装置の構成例を示す図である。同図において、100は実施形態1に係るレンズ装置である。レンズ装置100は、フォーカスレンズ群101と、駆動部102と、位置検出部103(第1検出部)と、像検出部104(第2検出部)と、制御部110とを有している。200は実施形態1に係る撮像装置を構成するカメラ装置である。カメラ装置200は、撮像素子201を有する。撮像素子201は、レンズ装置100によりフォーカスレンズ101を介して形成された像を撮る(撮像する)。
【0010】
フォーカスレンズ群101は、レンズ装置100のフォーカス調整(物体距離変更)のために光軸方向において可動の光学部材(レンズ群)である。駆動部102は、フォーカスレンズ群101を光軸方向において駆動する。駆動部102は、例えば、DCモータ等のアクチュエータを含みうる。位置検出部103(第1検出部)は、フォーカスレンズ群101の位置を検出する。位置検出部103は、例えば、エンコーダを含みうる。像検出部104(第2検出部)は、いわゆる位相差検出方式の検出部であり、レンズ装置の瞳での異なる2つの領域を介してそれぞれ形成された2つの像を検出する。像検出部104は、例えば、光分割素子、一対のレンズ群、一対の撮像素子を含み、フォーカスレンズ群101を介した光の一部を光分割素子で分岐し、一対のレンズ群を介して一対の光束により形成される2つの像を一対の撮像素子で撮る(撮像する)。なお、像検出部104(第2検出部)は、上述のものには限定されない。第2検出部104は、フォーカスレンズ群101を介して形成された被写体像のデフォーカス量に関する検出を行い、当該検出(第2検出部の出力)に基づいて後述の制御部が当該デフォーカス量を取得できるような任意の検出部でありうる。
【0011】
制御部110は、駆動制御部111、デフォーカス量取得部112、位置取得部113、目標生成部114、速度取得部115を含んで構成されうる。駆動制御部111はフォーカスレンズ101を駆動するための操作量(制御指令)を駆動部102へ出力する。デフォーカス量取得部112は、上記の2つの像の間隔(位相差)に基づいてデフォーカス量を取得する。なお、当該間隔の取得は、当該2つの像に対応する2つの画像信号に対する周知の移動処理および相関演算処理によって行われうる。
【0012】
位置取得部113は、デフォーカス量取得部112で取得されたデフォーカス量に基づいて、合焦対象の被写体(物体)に合焦するためのフォーカスレンズ群の位置を取得する。なお、合焦対象の被写体(物体)の特定(設定)は、例えば、像検出部104の像検出領域における部分領域を指定する周知の構成により行いうる。目標生成部114は、被写体に合焦するためのフォーカスレンズ群の目標位置と、制御周期における目標位置までの変位量としての目標速度とを生成する。目標生成部114は、位置取得部113で取得された位置と、デフォーカス量取得部112でデフォーカス量が取得された時刻との組合せの情報を参照する。目標生成部114は、複数の当該組合せ(複数の時刻でのデフォーカス量)の情報に基づいて、動体に合焦すべきフォーカスレンズ群の位置と当該時刻との関係を表す(近似する)直線(近似直線)を生成する。目標生成部114は、当該直線において制御周期分だけ後の時刻に対応する位置を目標位置として生成し、また、当該直線の傾きを目標速度として生成する。このように、目標生成部114は、複数の時刻でのデフォーカス量(およびフォーカスレンズ群の位置)に基づいて、目標位置および目標速度を生成することができる。
【0013】
速度取得部115は、位置検出部103で検出されたフォーカスレンズ群の位置と位置検出部103でフォーカスレンズ群の位置が検出された時刻とに基づいて、フォーカスレンズ群101の速度を取得する。フォーカスレンズ群101の速度V1(t1)は、当該位置と当該時刻との組合せを(P1、t1)、制御周期分だけ前の時刻における当該位置と当該時刻との組合せを(P2、t2)として、以下の式で表される。
V1(t1)=(P1-P2)/(t1-t2)
【0014】
なお、ここでは、フォーカスレンズ群101の速度は、2つの時刻t1、t2における位置P1、P2のみに基づいて取得されたが、3つ以上の時刻t1、t2、t3、・・・における位置P1、P2、P3、・・・に基づいて取得されてもよい。
【0015】
ここで、図2ないし図4を参照して、実施形態1における処理の流れを説明する。この処理は、制御部110によって実行される。図2は、実施形態1における処理の流れを例示する図、図3は、実施形態1における目標位置生成処理の流れを例示する図、図4は、実施形態1における第2制御処理の流れを例示する図である。
【0016】
図2において、まず、ステップS101では、位置検出部103から、フォーカスレンズ群の位置が取得される。つづくステップS102では、目標位置が生成される。ここでの処理は後述される。ステップS103では、ステップS101で取得されたフォーカスレンズ群の位置とステップS102で生成された目標位置との差が取得される。ステップS104では、S103で取得された差の絶対値が第1閾値より小さいか否かが判定される。当該絶対値が第1閾値より小さい場合にはステップS106に処理が進められ、当該絶対値が第1閾値より大きい場合にはステップS105に処理が進められる。ここで、第1閾値は、合焦状態か否かを判断するための閾値であり、例えば、焦点深度に基づいて決められる値である。
【0017】
ステップS105では、ステップS103で取得された差に第1ゲインを乗ずることにより第1操作量(第1指令;第1制御における出力値)が生成される。本処理は、合焦状態が成立するまでは、適切な第1ゲインでの当該差に比例する操作量を生成し、以って、フォーカスレンズ群101の駆動による迅速な合焦を実現し、よって、フォーカスレンズ群101の動体への追従制御に資することができる。
【0018】
ステップS106では、第2制御が行われ、駆動部102への第2操作量(第2指令;第2制御における出力値)が生成される。当該第2制御については後述される。ステップS107では、ステップS105またはS106で生成された操作量(制御出力値)が駆動部102へ出力される。
【0019】
続いて、上記ステップS102で行われる目標位置生成処理が図3を参照して説明される。ステップS201では、像検出部104の出力に基づいて、上記の2つの像の間隔(位相差)を取得する。ステップS202では、デフォーカス量取得部112により、ステップS201で取得された間隔(位相差)に基づいて、デフォーカス量が取得される。ステップS203では、位置取得部113により、ステップS202で取得されたデフォーカス量に基づいて、合焦対象物体が合焦されるフォーカスレンズ群101の位置が取得される。ステップS204では、目標生成部114により、目標位置および目標速度が生成される。
【0020】
続いて、上記ステップS106で行われる第2制御処理が図4を参照して説明される。ステップS301では、速度取得部115によりフォーカスレンズ群の速度が取得される。ステップS302では、ステップS301で取得されたフォーカスレンズ群の速度とステップS204で取得された目標速度との差を生成し、当該差に第2ゲインを乗じ、操作量に対する加算値A1を生成する。加算値A1は、フォーカスレンズ群の速度をV1、目標速度をV0、第2ゲインをG2として、以下の式で表される。
A1=(V0-V1)×G2
【0021】
すなわち、加算値A1は、フォーカスレンズ群の速度V1と目標速度V0との差に比例する値として生成される。制御部は、第2制御において、第2指令によるフォーカスレンズ群の速度と、目標速度との差に比例する量だけ第2指令を変更する。
【0022】
ステップS303では、ステップS302で生成された加算値A1が制御部110の一周期前の制御周期における駆動部102への操作量に加算され、第2操作量が生成される。本処理を行うことにより、合焦状態が維持されるよう、フォーカスレンズ群の速度を目標速度に近付ける制御を行うことができる。以って、目標位置とフォーカスレンズ群101の位置との距離がデフォーカスしない範囲に保たれ、移動する被写体に追従して合焦を行うことができ、よって、フォーカスレンズ群101の動体への追従制御が実現できる。
【0023】
以上のように、フォーカスレンズ群の位置と目標位置との差の絶対値によって第1制御と第2制御とを互いに切り替えているため、合焦状態への迅速な到達と合焦状態の安定的な維持に有利なレンズ装置を提供することができる。
【0024】
なお、第1制御と第2制御とを互いに切り替えるのに用いる当該差の絶対値に対する閾値(第1閾値)は、焦点深度に基づくものは限られず、合焦状態にあるか否かを区別できるものであればよい。また、第1閾値は、ユーザーによって設定されうる。また、第1閾値は、定数、または目標速度によって変化する変数とされうる。
【0025】
また、目標位置の生成は、直線近似により行われるのには限られず、例えば、n次多項式(nは2以上の整数)やスプライン関数を用いた近似等、フォーカスレンズ群の位置を予測する公知の適宜の手法により行われうる。また、目標速度の生成は、近似直線の傾きに基づいて行われるのには限られず、例えば、上述のn次多項式(nは2以上の整数)やスプライン関数の傾き等、フォーカスレンズ群の速度を予測する公知の適宜の手法により行われうる。また、第1制御と第2制御との互いの切り替えは、ステップS101で位置検出部103から取得されたフォーカスレンズ群の位置と目標位置との差に基づいて行われるのには限られない。当該切り替えは、ステップS101で取得されたフォーカスレンズ群の位置とステップS203で取得されたフォーカスレンズ群の位置との差に基づいて行われうる。
【0026】
〔実施形態2〕
図5ないし図7を参照して実施形態2が説明される。本実施形態に係るレンズ装置を含む撮像装置は、図1に示された実施形態1に係るものと同様である。本実施形態は、制御の切り替えに第1閾値に替えて第2閾値および第3閾値を用い、上記差の絶対値が第2閾値と第3閾値との間では第1制御および第2制御とは異なる制御(第3制御ともいう)が実行される点が実施形態1とは異なる。第2閾値は、第1制御と第3制御との切り替えに係る閾値であり、第3閾値は、第2制御と第3制御との切り替えに係る閾値である。
【0027】
ここで、第3制御が説明される。第3制御は、第1制御での出力(操作量)および第2制御での出力(操作量)の加重平均を操作量とする。当該加重平均において、第1制御の出力に対する重み(重みづけ係数)をW1、第2制御の出力に対する重み(重みづけ係数)をW2として、例えば、それには限定されないが、次式(1)が成立する。
W1+W2=1・・・(1)
【0028】
W1(W2)は、上記差の絶対値が第2閾値に近づくほど1(0)に近づき、上記差の絶対値が第3閾値に近づくほど0(1)に近づく重みである。第3制御の出力O3は、第1制御の出力をO1、第2制御の出力をO2として、次式(2)で生成される。
O3=W1*O1+W2*O2・・・(2)
【0029】
このような生成により、第3制御の出力は、第1制御の出力から第2制御の出力へ、フォーカスレンズ群の位置(上記差の絶対値)に応じて滑らかに変化することになり、好ましい。
【0030】
続いて、図5を参照して、目標位置と第1閾値・第2閾値・第3閾値との関係が説明される。図5は、実施形態2における制御切り替えのための閾値を例示する図である。同図において、横軸は、フォーカスレンズ群101の位置を示す。第3制御は、第1制御と第2制御とが互いに切り替えられる途上で行われる。したがって、第3制御が行われる範囲を特定する閾値は、実施形態1における第1閾値の両側に設定される。ここでは、第1閾値よりも大きい値として第2閾値が、第1閾値よりも小さい値として第3閾値が設定されている。
【0031】
ここで、図6は、実施形態2における処理の流れを例示する図である。また、図7は、実施形態2における第3制御処理の流れを例示する図である。これらの処理は、制御部110によって実行される。図6において、実施形態1にはないステップS401では、ステップS103で取得されたフォーカスレンズ群の位置と目標位置との差の絶対値が第2閾値より大きいか否かが判断される。当該絶対値が第2閾値より大きい場合には、ステップS105に処理が進められる。当該絶対値が第2閾値より小さい場合には、ステップS402に処理が進められる。
【0032】
ステップS402では、当該絶対値が第3閾値より小さいか否かが判断される。当該絶対値が第3閾値より小さい場合には、S106に処理が進められ、当該絶対値が第3閾値より大きい場合には、ステップS403に処理が進められる。
【0033】
ここで、図7を参照してステップS403での処理が説明される。同図において、実施形態1におけるものと同様の処理は、説明が省略される。ステップS501では、ステップS105で生成された第1操作量およびステップS106で生成された第2操作量に対する上記のような重みW1およびW2が取得される。ステップS502では、上記式(2)に基づいて第3制御における操作量(第3操作量または第3制御出力値)が生成される。第3制御の出力は、第1制御の出力から第2制御の出力へ、フォーカスレンズ群の位置(上記差の絶対値)に応じて滑らかに変化することになり、好ましい。
【0034】
本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、制御の切り替えによるフォーカスレンズ群101の振動を低減するのに有利なレンズ装置を提供することができる。なお、第3制御における操作量の生成は、第1操作量と第2操作量との加重平均によるものには限られず、上記差の絶対値の減少とともに第1操作量から第2操作量へ操作量が滑らかに変化するようなものであればよい。また、第2閾値が第1閾値よりも大きく第3閾値が第1閾値よりも小さいとしたが、これには限られない。第2閾値および第3閾値の大きさは、上記差の絶対値の減少とともに第1操作量から第2操作量へ操作量が滑らかに変化するようなものであればよい。
【0035】
〔実施形態3〕
図8ないし図10を参照して実施形態3が説明される。本実施形態に係るレンズ装置を含む撮像装置は、図1に示された実施形態1に係るものと同様である。本実施形態は、第3制御が第4制御に替わる点と、制御の切り替えが第1閾値および第4閾値に基づく点とが実施形態2とは異なる。
【0036】
ここで、図8を参照して、目標位置と第1閾値・第4閾値との関係が説明される。図8は、実施形態3における制御切り替えのための閾値を例示する図である。同図において、横軸はフォーカスレンズ群101の位置を示す。第4閾値は、フォーカスレンズ群101の駆動に要するトルクやレンズ装置1の姿勢等の影響により目標位置に到達する前に停止しうる位置よりも目標位置から離れたフォーカスレンズ群101の位置に対応する閾値である。第4閾値は、第1閾値よりも大きい値を有する。
【0037】
ここで、図9は、実施形態3における処理の流れを例示する図である。また、図10は、実施形態3における第4制御処理の流れを例示する図である。これらの処理は、制御部110によって実行される。図9において、実施形態2にはないステップS601では、ステップS103で取得されたフォーカスレンズ群の位置と目標位置との差の絶対値が第4閾値より大きいか否かが判断される。当該絶対値が第4閾値より大きい場合には、ステップS105に処理が進められ、当該絶対値が第4閾値より小さい場合には、ステップS602に処理が進められる。
【0038】
ここで、図10を参照して、ステップS602での処理が説明される。同図において、実施形態2におけるものと同様の処理は、説明が省略される。ステップS701では、S202で取得されたデフォーカス量に第3ゲインを乗ずることにより、加算値A2が生成される。ステップS702では、ステップS701で生成された加算値A2が制御部110の一周期前の制御周期における駆動部102への操作量に加算され、第4操作量(第4制御における操作量)が生成される。本処理を行うことにより、デフォーカス量に応じて駆動部102への操作量を増加させることができる。以って、フォーカスレンズ群101の駆動に要するトルクやレンズ装置1の姿勢等の何らかの影響によりフォーカスレンズ群101の駆動が阻害される場合であっても、合焦状態を得るのに有利なレンズ装置を提供することができる。
【0039】
本実施形態によれば、実施形態1おける効果に加え、動体に対する自動合焦制御のロバスト性の点で有利なレンズ装置を提供することができる。
【0040】
〔実施形態4〕
図11ないし図13を参照して実施形態4が説明される。本実施形態に係るレンズ装置を含む撮像装置は、図1に示された実施形態1に係るものと同様である。本実施形態は、第5制御が追加されている点と、制御の切り替えが第1閾値に替えて第5閾値および第6閾値に基づく点とが実施形態3とは異なる。第4制御と第5制御との互いの切り替えは、第5閾値に基づく。また、第2制御と第5制御との互いの切り替えは、第6閾値に基づく。
【0041】
ここで、第5制御が説明される。第5制御は、第2制御での出力(操作量)および第4制御での出力(操作量)の加重平均を操作量とする。当該加重平均において、第2制御の出力に対する重み(重みづけ係数)をW3、第4制御の出力に対する重み(重みづけ係数)をW4として、例えば、それには限定されないが、次式(3)が成立する。
W3+W4=1・・・(3)
【0042】
W3(W4)は、上記差の絶対値が第6閾値に近づくほど1(0)に近づき、上記差の絶対値が第5閾値に近づくほど0(1)に近づく重みである。第5制御の出力O5は、第2制御の出力をO3、第4制御の出力をO4として、次式(4)で生成される。
O5=W3*O3+W4*O4・・・(4)
【0043】
このような生成により、第5制御の出力は、第4制御の出力から第2制御の出力へ、フォーカスレンズ群の位置(上記差の絶対値)に応じて滑らかに変化することになり、好ましい。
【0044】
続いて、図11を参照して、目標位置と第1閾値・第4閾値・第5閾値・第6閾値との関係が説明される。図11は、実施形態4における制御切り替えのための閾値を例示する図である。同図において、横軸は、フォーカスレンズ群101の位置を示す。
【0045】
第5制御は、第4制御と第2制御とが互いに切り替えられる途上で行われる。したがって、第5制御が行われる範囲を特定する閾値は、実施形態1における第1閾値の両側に設定される。ここでは、第1閾値よりも大きく第4閾値より小さい値として第5閾値が、第1閾値よりも小さい値として第6閾値が設定されている。
【0046】
以下、図12は、実施形態4における処理の流れを例示する図である。また、図13は、実施形態4における第5制御処理の流れを例示する図である。これらの処理は、制御部110によって実行される。図12において、実施形態3にはないステップS801では、ステップS103で取得されたフォーカスレンズ群の位置と目標位置との差の絶対値が第5閾値より大きいか否かが判断される。当該絶対値が第5閾値より大きい場合には、ステップS602に処理が進められ、当該絶対値が第5閾値より小さい場合には、ステップS802に処理が進められる。ステップS802では、当該絶対値が第6閾値より大きいか否かが判断される。当該絶対値が第6閾値より大きい場合には、ステップS803に処理が進められ、当該絶対値が第6閾値より小さい場合には、ステップS106に処理が進められる。
【0047】
続いて、図13を参照してステップS803での処理が説明される。同図において、実施形態1および3におけるものと同様の処理は、説明が省略される。ステップS901では、ステップS106で生成された第2操作量およびS602で生成された第4操作量に対する上記のような重みW3およびW4が取得される。ステップS902では、上記式(4)に基づいて第5制御における操作量(第5操作量または第5制御出力値)が生成される。第5制御の出力は、第4制御の出力から第2制御の出力へ、フォーカスレンズ群の位置(上記差の絶対値)に応じて滑らかに変化することになり、好ましい。
【0048】
本実施形態によれば、実施形態3における効果に加えて、第4制御と第2制御との互いの切り替えによるフォーカスレンズ群101の振動を低減するのに有利なレンズ装置を提供することができる。なお、第5制御における操作量の生成は、第4操作量と第2操作量との加重平均によるものには限られず、上記差の絶対値の減少とともに第4操作量から第2操作量へ操作量が滑らかに変化するようなものであればよい。また、第5閾値が第1閾値よりも大きく第4閾値よりも小さい、第6閾値が第1閾値よりも小さいとしたが、これには限られない。第5閾値および第6閾値の大きさは、上記差の絶対値の減少とともに第4操作量から第2操作量へ操作量が滑らかに変化するようなものであればよい。
【0049】
〔実施形態5〕
前述の実施形態の1以上の機能は、それを実現するプログラムによっても実現可能である。当該プログラムは、ネットワークまたは記憶媒体等を介して装置またはシステム等に供給され、その装置またはシステム等のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサにより読出されて実行されうる。また、当該機能は、それを実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0050】
なお、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0051】
(構成1)
フォーカスレンズ群と、
前記フォーカスレンズ群を駆動する駆動部と、
前記フォーカスレンズ群の位置を検出する第1検出部と、
前記駆動部を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第1指令を生成し、前記第1指令により前記駆動部を制御する第1制御を行い、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標速度と、前記フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、前記駆動部への第2指令を生成し、前記第2指令により前記駆動部を制御する第2制御を行うことを特徴とするレンズ装置。
【0052】
(構成2)
前記デフォーカス量に関する検出を行う第2検出部を有し、
前記制御部は、前記第2検出部の出力に基づいて前記デフォーカス量を取得することを特徴とする構成1に記載のレンズ装置。
【0053】
(構成3)
前記制御部は、前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置の差の絶対値が第1閾値より大きい場合は、前記第1制御を行い、前記絶対値が前記第1閾値より小さい場合は、前記第2制御を行うことを特徴とする構成1または2に記載のレンズ装置。
【0054】
(構成4)
前記制御部は、前記レンズ装置の焦点深度に関する情報に基づいて前記第1閾値を生成することを特徴とする構成3に記載のレンズ装置。
【0055】
(構成5)
前記制御部は、前記第1制御において、比例制御により前記第1指令を生成することを特徴とする構成1ないし4のうちいずれかに記載のレンズ装置。
【0056】
(構成6)
前記制御部は、前記第2制御において、前記第2指令による前記フォーカスレンズ群の速度と、前記目標速度との差に比例する量を前記第2指令に加えることにより前記第2指令を更新することを特徴とする構成1ないし5のうちいずれかに記載のレンズ装置。
【0057】
(構成7)
前記制御部は、前記第1指令および前記第2指令に基づいて、前記駆動部への指令を生成することを特徴とする構成1ないし6のうちいずれかに記載のレンズ装置。
【0058】
(構成8)
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第2閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、
前記第2閾値より小さい第3閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、
前記絶対値が前記第2閾値より小さく前記第3閾値より大きい場合は、前記絶対値に応じた重みでの前記第1指令および前記第2指令の加重平均として前記駆動部への第3指令を生成することを特徴とする構成7に記載のレンズ装置。
【0059】
(構成9)
前記制御部は、
前記第1制御において、前記第1指令による前記フォーカスレンズ群の位置と、前記目標位置との差に比例する量として前記第1指令を更新し、
第3制御を行い、前記第3制御において、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第4指令を生成し、前記第4指令により前記駆動部を制御し、
前記第4指令による前記フォーカスレンズ群の位置と、前記目標位置との差に比例する量を前記第4指令に加えることにより前記第4指令を更新することを特徴とする構成1ないし8のうちいずれかに記載のレンズ装置。
【0060】
(構成10)
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第4閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、
前記第4閾値より小さい第5閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、
前記絶対値が前記第4閾値より小さく前記第5閾値より大きい場合は、前記第4指令を生成することを特徴とする構成9に記載のレンズ装置。
【0061】
(構成11)
前記制御部は、前記第2指令および前記第4指令に基づいて、前記駆動部への指令を生成することを特徴とする構成9に記載のレンズ装置。
【0062】
(構成12)
前記制御部は、
前記フォーカスレンズ群の位置と前記目標位置との差の絶対値が第4閾値より大きい場合は、前記第1指令を生成し、
前記第4閾値より小さい第5閾値より前記絶対値が小さい場合は、前記第2指令を生成し、
前記絶対値が前記第4閾値より小さく、前記第5閾値より大きい第6閾値より大きい場合は、前記第4指令を生成し、
前記絶対値が前記第6閾値より小さく前記第5閾値より大きい場合は、前記絶対値に応じた重みでの前記第2指令および前記第4指令の加重平均として前記駆動部への第5指令を生成することを特徴とする構成11に記載のレンズ装置。
【0063】
(構成13)
前記レンズ装置の瞳における互いに異なる2つの領域を介してそれぞれ形成された2つの像を検出する検出部を有し、
前記制御部は、前記2つの像の間隔に基づいてデフォーカス量を取得することを特徴とする構成2に記載のレンズ装置。
【0064】
(構成14)
構成1ないし13のうちいずれか1項に記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置により形成された像を撮る撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【0065】
(構成15)
レンズ装置が有する駆動部を制御する制御方法であって、
前記レンズ装置は、フォーカスレンズ群と、前記フォーカスレンズ群の位置を検出する検出部とを有し、前記駆動部は、前記フォーカスレンズ群を駆動し、
前記制御方法は、
前記フォーカスレンズ群を介して形成された被写体像のデフォーカス量を取得し、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標位置と、前記フォーカスレンズ群の位置とに基づいて、前記駆動部への第1指令を生成し、前記第1指令により前記駆動部を制御する第1制御を行い、
複数の時刻での前記デフォーカス量に基づく前記フォーカスレンズ群の目標速度と、前記フォーカスレンズ群の速度とに基づいて、前記駆動部への第2指令を生成し、前記第2指令により前記駆動部を制御する第2制御を行うことを特徴とする制御方法。
【0066】
(構成16)
構成15に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 レンズ装置
101 フォーカスレンズ群
102 駆動部
103 検出部
111 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13