(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180765
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】騒音情報提供装置および騒音情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231214BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20231214BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
G10K15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094327
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末廣 直人
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】土方 武
(72)【発明者】
【氏名】望月 綾子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 紀行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】指定地点の騒音レベルを容易に把握すること。
【解決手段】騒音情報提供装置は、指定地点から所定距離内に位置する施設に関する施設情報を地図情報に基づいて検出する検出部と、予め定められた施設ごとの騒音の影響度に基づいて、指定地点から所定距離内に位置する施設の騒音の影響度を集計する算出部と、算出部が集計した騒音の影響度の算出結果に基づいて、指定地点における騒音レベルを予測する予測部と、予測部が予測した指定地点における騒音レベルを表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定地点から所定距離内に位置する施設に関する施設情報を地図情報に基づいて検出する検出部と、
予め定められた前記施設ごとの騒音の影響度に基づいて、前記指定地点から所定距離内に位置する前記施設の騒音の影響度を集計する算出部と、
前記算出部が集計した騒音の影響度の算出結果に基づいて、前記指定地点における騒音レベルを予測する予測部と、
前記予測部が予測した前記指定地点における前記騒音レベルを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、騒音情報提供装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記指定地点から前記所定距離内に位置する前記施設の騒音の影響度を時間帯ごとに集計し、
前記予測部は、前記算出部が集計した騒音の影響度の算出結果に基づいて、前記指定地点における騒音レベルを時間帯ごとに予測し、
前記表示制御部は、前記予測部が予測した前記指定地点における前記騒音レベルを時間帯ごとに前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の騒音情報提供装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示部に表示された地図上の前記指定地点に前記騒音レベルを重畳して表示させる、
請求項1または2に記載の騒音情報提供装置。
【請求項4】
前記指定地点周辺の工事に関する工事情報を取得する工事情報取得部と、
前記工事の種類に応じた騒音の影響度と、前記工事の期間とに基づいてリスク度を算出するリスク度算出部と、を備え、
前記予測部は、前記リスク度が算出した前記リスク度の算出結果に基づいて、前記工事に起因する騒音レベルを含む前記指定地点における騒音レベルを予測する、
請求項1または2に記載の騒音情報提供装置。
【請求項5】
指定地点から所定距離内に位置する施設に関する施設情報を地図情報に基づいて検出するステップと、
予め定められた前記施設ごとの騒音の影響度に基づいて、前記指定地点から所定距離内に位置する前記施設の騒音の影響度を集計するステップと、
集計された騒音の影響度の算出結果に基づいて、前記指定地点における騒音レベルを予測するステップと、
予測された前記指定地点における前記騒音レベルを表示部に表示させるステップと、
を含む、騒音情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音情報提供装置および騒音情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不動産物件の検索時に移住予定者の住宅時間に応じた物件の騒音値を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、対象の物件について曜日および時間ごとの騒音値の測定結果を含む騒音情報データベースに基づいて、騒音値を判定する。しかしながら、騒音情報データベースを構成するのは大きな労力がかかる可能性がある。
【0005】
本発明は、指定地点の騒音レベルを容易に把握することのできる騒音情報提供装置および騒音情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る騒音情報提供装置は、指定地点から所定距離内に位置する施設に関する施設情報を地図情報に基づいて検出する検出部と、予め定められた前記施設ごとの騒音の影響度に基づいて、前記指定地点から所定距離内に位置する前記施設の騒音の影響度を集計する算出部と、前記算出部が集計した騒音の影響度の算出結果に基づいて、前記指定地点における騒音レベルを予測する予測部と、前記予測部が予測した前記指定地点における前記騒音レベルを表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0007】
本発明に係る騒音情報提供方法は、指定地点から所定距離内に位置する施設に関する施設情報を地図情報に基づいて検出するステップと、指予め定められた前記施設ごとの騒音の影響度に基づいて、前記指定地点から所定距離ア内に位置する前記施設の騒音の影響度を集計するステップと、集計された騒音の影響度の算出結果に基づいて、前記指定地点における騒音レベルを予測するステップと、予測された前記指定地点における前記騒音レベルを表示部に表示させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定地点の騒音レベルを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る騒音影響度情報を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る騒音レベル情報を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る周辺施設の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る騒音影響度の合計を算出する方法を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る騒音レベルを地図に重畳して表示させる方法を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の変形例に係る影響度情報を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る工事種類情報を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る工事期間情報を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係るリスク度を算出する方法を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る騒音レベル情報を説明するための図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、騒音情報提供装置10は、入力部20と、表示部22と、通信部24と、記憶部26と、制御部28と、を備える。騒音情報提供装置10は、ユーザが指定して指定地点における騒音レベルを提供可能な装置である。
【0013】
入力部20は、騒音情報提供装置10に対する各種の入力操作を受け付ける。入力部20は、例えば、騒音レベルを確認する指定地点を指定する操作を受け付ける。入力部20は、受け付けた入力操作に応じた操作信号を制御部28に出力する。入力部20は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン、スイッチ、マイクなどを含む。入力部20としてタッチパネルが用いられる場合には、入力部20は、表示部22上に配置される。
【0014】
表示部22は、各種の映像を表示する。表示部22は、指定地点の騒音に関する情報を表示する。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイである。
【0015】
通信部24は、騒音情報提供装置10と、外部装置との間の通信を実行する。通信部24は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)、およびBluetooth(登録商標)等の方式で通信を行う通信モジュールで実現される。
【0016】
記憶部26は、各種の情報を記憶している。記憶部26は、制御部28の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部26は、地図情報261と、騒音影響度情報262と、騒音レベル情報263とを記憶している。
【0017】
地図情報261は、各種の施設の位置情報を含む。本実施形態において、施設は、駅、学校、病院、私道、車の通過台数が1日4000台以下の一般道路、車の通過台数が1日4000台以上の幹線道路、線路、踏切、工場などが含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
騒音影響度情報262は、施設ごとの騒音影響度を含む情報である。
図2は、第1実施形態に係る騒音影響度情報を説明するための図である。
図2に示すように、騒音影響度情報262は、「周辺施設」、「位置情報」、「騒音影響度」といった項目を含む。
【0019】
「周辺施設」は、指定地点から所定距離以内に位置している施設を示す。所定距離は、例えば、10mであるがこれに限定されない。周辺施設は、駅、学校、公園、病院、私道、一般道路、幹線道路などが示されるが、これらに限定されない。
【0020】
位置情報は、対応する周辺施設の地図上の位置を示す。例えば、「駅」は、「(X1,Y1)」に位置していることを示す。なお、
図2に示す例では、位置情報は、「(X1,Y1)」などと概念的に示されているが、実際には、緯度および経度の情報などが示される。
【0021】
「騒音影響度」は、指定地点の騒音レベルに与える影響を示す指標となる情報である。「騒音影響度」は、例えば、「朝」、「昼」、「夜」などの時間帯に応じて、施設の種類にごとに予め定められている。「騒音影響度」は、例えば、「3」、「2」、「1」などのように3段階で示される。この場合、数値が大きいほど、影響度が高いことを意味する。例えば、周辺施設が「駅」である場合には、騒音影響度は、朝で「3」、昼で「2」、夜で「2」であることが示されている。
【0022】
図2に示す例では、「朝」、「昼」、および「夜」ごとの「騒音影響度」を示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、「騒音影響度」は、「7:00から12:00」、「12:00から17:00」、「17:00から22:00」のように時間帯ごとに示されていてもよい。例えば、「騒音影響度」は、「春」、「夏」、「秋」、「冬」のように季節ごとに示されていてもよい。例えば、「騒音影響度」は、「月曜日」、「火曜日」、「水曜日」、「木曜日」、「金曜日」、「土曜日」、「日曜日」のように曜日ごとに示されていてもよい。
【0023】
騒音レベル情報263は、騒音影響度に基づいて騒音の程度を示す騒音レベルを示す情報である。
図3は、第1実施形態に係る騒音レベル情報を説明するための図である。
図3に示すように、騒音レベル情報263は、「騒音レベル」、「騒音影響度合計値」といった項目を含む。
【0024】
「騒音レベル」は、騒音の程度の示す情報である。本実施形態では、「騒音レベル」は、例えば、「0」、「1」、「2」、「3」の4段階で示される。この場合、数値が大きいほど、騒音が大きいことを意味する。
【0025】
「騒音影響度合計値」は、指定地点から所定距離内にある施設の騒音影響度の合計値を示す。本実施形態では、「騒音影響度合計値」によって「騒音レベル」が予め定められている。
【0026】
「騒音影響度合計値」が「0」の場合、「騒音レベル」は「0」である。「騒音影響度合計値」が「1」の場合、「騒音レベル」は「1」である。「騒音影響度合計値」が「2」または「3」の場合、「騒音レベル」は「2」である。「騒音影響度合計値」が「4」以上の場合、「騒音レベル」は「3」である。
【0027】
図3に示す例では、「騒音レベル」は「0」から「3」の4段階で示されているが、本発明はこれに限定されない。「騒音レベル」の段階数は、4段階よりも多くてもよいし、少なくてもよい。「騒音レベル」の段階数を多くすることで、対象地点の騒音レベルをより細かく評価できるので、ユーザの提供する情報の精度を向上させることができる。
【0028】
制御部28は、騒音情報提供装置10の各部を制御する。制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などの記憶装置とを有する。制御部28は、本発明に係る騒音情報提供装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部28は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部28は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0029】
制御部28は、検出部30と、騒音影響度付与部32と、入力情報取得部34と、算出部36と、予測部38と、表示制御部40と、を備える。
【0030】
検出部30は、施設に関する施設情報を記憶部26に記憶されている地図情報261に基づいて検出する。
【0031】
騒音影響度付与部32は、検出部30が検出した施設情報に含まれる施設に応じた騒音の影響度に関する騒音影響度を、施設ごとに付与して、騒音影響度情報262を生成する。騒音影響度情報を付与する処理については、後述する。騒音影響度付与部32は、生成した騒音影響度情報262を記憶部26に記憶させる。
【0032】
入力情報取得部34は、入力部20に入力された入力に関する入力情報を取得する。入力情報取得部34は、例えば、騒音レベルを判定する地点である指定地点を指定する操作を受け付ける。
【0033】
算出部36は、指定地点から所定距離内に位置する施設の騒音の影響度を騒音影響度情報262に基づいて、集計する。
【0034】
予測部38は、算出部36が集計した影響度の算出結果に基づいて、指定地点における騒音レベルを予測する。騒音レベルを予測する処理の詳細は、後述する。
【0035】
表示制御部40は、予測部38が予測した指定地点における騒音レベルを表示部22に表示させる。
【0036】
[周辺施設登録処理]
図4を用いて、第1実施形態に係る周辺施設の登録処理の一例について説明する。
図4は、第1実施形態に係る周辺施設の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
入力情報取得部34は、指定地点情報を取得する(ステップS10)。具体的には、入力情報取得部34は、入力部20に入力された指定地点を指定する指定地点情報を取得する。そして、ステップS12に進む。
【0038】
検出部30は、入力情報取得部34が取得した指定地点情報が示す指定地点の所定距離内に施設があるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、検出部30は、地図情報261に基づいて、指定地点の所定距離内に施設があるか否かを判定する。所定距離内に施設があると判定された場合(ステップS12;Yes)、ステップS14a、ステップS14b、ステップS14c、ステップS14d、ステップS14e、およびステップS14fに進む。ステップS14aからステップS14fの処理は、並列に実行される。所定距離内に施設があると判定されない場合(ステップS12;No)、
図4の処理を終了する。
【0039】
検出部30は、所定距離内の施設は駅であるか否かを判定する(ステップS14a)。施設は駅であると判定された場合(ステップS14a;Yes)、ステップS16に進む。施設は駅であると判定されない場合(ステップS14a;No)、
図4の処理を終了する。
【0040】
検出部30は、所定距離内の施設は学校であるか否かを判定する(ステップS14b)。施設は学校であると判定された場合(ステップS14b;Yes)、ステップS16に進む。施設は学校であると判定されない場合(ステップS14b;No)、
図4の処理を終了する。
【0041】
検出部30は、所定距離内の施設は公園であるか否かを判定する(ステップS14c)。施設は公園であると判定された場合(ステップS14c;Yes)、ステップS16に進む。施設は公園であると判定されない場合(ステップS14c;No)、
図4の処理を終了する。
【0042】
検出部30は、所定距離内の施設は病院であるか否かを判定する(ステップS14d)。施設は病院であると判定された場合(ステップS14d;Yes)、ステップS16に進む。施設は病院であると判定されない場合(ステップS14d;No)、
図4の処理を終了する。
【0043】
検出部30は、所定距離内の施設は幹線道路であるか否かを判定する(ステップS14e)。施設は幹線道路であると判定された場合(ステップS14e;Yes)、ステップS16に進む。施設は幹線道路であると判定されない場合(ステップS14e;No)、
図4の処理を終了する。
【0044】
検出部30は、所定距離内の施設は一般道路であるか否かを判定する(ステップS14f)。施設は一般道路であると判定された場合(ステップS14f;Yes)、ステップS16に進む。施設は一般道路であると判定されない場合(ステップS14f;No)、
図4の処理を終了する。
【0045】
ステップS14aからステップS14fでYesと判定された場合、騒音影響度付与部32は、施設を登録する(ステップS16)。具体的には、騒音影響度付与部32は、施設に応じた影響度を付与して登録する。そして、
図4の処理を終了する。
【0046】
[騒音レベル表示処理]
図5を用いて、第1実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理について説明する。
図5は、第1実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
入力情報取得部34は、指定地点情報を取得する(ステップS20)。具体的には、入力情報取得部34は、入力部20に入力された物件などの指定地点を指定する指定地点情報を取得する。そして、ステップS22に進む。
【0048】
検出部30は、指定された物件から所定距離内の施設を抽出する(ステップS22)。具体的には、検出部30は、地図情報261および騒音影響度情報262に基づいて、指定された物件から所定距離内の施設を抽出する。そして、ステップS24に進む。
【0049】
算出部36は、騒音影響度の合計を算出する(ステップS24)。具体的には、算出部36は、騒音影響度情報262に基づいて、騒音影響度の合計を算出する。
図6は、第1実施形態に係る騒音影響度の合計を算出する方法を説明するための図である。
図6に示すように、物件101から所定距離R1内に一般道111と、学校112が抽出されたとする。この場合、算出部36は、騒音影響度情報262に基づいて、物件101から所定距離R1内の施設の騒音影響度の合計を、朝の場合は「1+3=4」、昼の場合は「1+2=3」、夜の場合は「1+1=2」と算出する。また、例えば、物件102から所定距離R2内に私道113が抽出されたとする。この場合、算出部36は、騒音影響度情報262に基づいて、物件102から所定距離R2内の施設の騒音影響度の合計を、朝、昼、夜のいずれの場合も「0」と算出する。
【0050】
予測部38は、対象の物件の騒音レベルを予測する(ステップS26)。具体的には、予測部38は、算出部36が算出した騒音影響度の合計値と、騒音レベル情報263とに基づいて、対象の物件の騒音レベルを予測する。例えば、予測部38は、物件101(
図6参照)の騒音レベルを、朝の場合は「3」、昼の場合は「2」、夜の場合は「2」と予測する。例えば、予測部38は、物件102(
図6参照)の騒音レベルを、朝、昼、夜のいずれの場合も「0」と算出する。
【0051】
表示制御部40は、物件ごとの騒音レベルを表示部22に表示させる(ステップS28)。具体的には、表示制御部40は、予測部38が予測した物件ごとの騒音レベルを朝、昼、夜などの時間帯ごとに表示部22に表示させる。表示制御部40は、例えば、予測部38が予測した物件ごとの騒音レベルを表またはグラフなどで表示部22に表示させる。
【0052】
表示制御部40は、表示部22に表示された物件ごとに騒音レベルを重畳して表示させてもよい。
図7は、第1実施形態に係る騒音レベルを地図に重畳して表示させる方法を説明するための図である。
【0053】
図7に示すように、表示制御部40は、例えば、物件101の騒音レベルを示すポップアップ121を地図上に重畳して表示させる。表示制御部40は、例えば、物件102の騒音レベルを示すポップアップ122を地図上に重畳して表示させる。表示制御部40が物件ごとに騒音レベルを重畳して表示させることで、ユーザは物件ごとの騒音レベルを把握することが容易になる。なお、表示制御部40が地図上に騒音レベルを重畳して表示させる方法はこれに限定されない。
【0054】
上述のとおり、第1実施形態は、対象の物件の所定距離内に位置する施設に応じた騒音レベルを算出し、算出した騒音レベルをユーザに提供する。これにより、第1実施形態は、ユーザは物件ごとの騒音レベルを容易に把握することができる。
【0055】
[第1実施形態の変形例]
図8は、第1実施形態の変形例に係る影響度情報について説明する。
図8は、第1実施形態の変形例に係る影響度情報を説明するための図である。影響度情報は、例えば、対象地点からの距離に応じて予め定められていてもよい。
図8に示す例では、「周辺施設」が「駅」の場合を示している。
【0056】
図8に示すように、影響度情報262Aは、「周辺施設」、「位置情報」、「時間帯」、および「騒音影響度」といった項目を含む。
【0057】
「時間帯」は、「朝」、「昼」、「夜」といった時間帯を示す。
【0058】
第1実施形態の変形例では、「騒音影響度」は、例えば、施設ごとに「遠」、「中」、「近」など距離に応じて予め定められている。この場合、「近」、「中」、「遠」の順に「駅」からの距離が近いことを意味する。例えば、「近」は「駅」から10mの範囲内、「中」は「駅」から10mから100mの範囲内、「遠」は100m以上とすることができるが、これに限定されない。これにより、第1実施形態の変形例では、対象の物件から施設までの距離に応じた騒音レベルを把握することができる。
【0059】
[第2実施形態]
[騒音情報提供装置]
図9を用いて、第2実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例について説明する。
図9は、第2実施形態に係る騒音情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【0060】
図9に示すように、騒音情報提供装置10Aは、記憶部26Aが工事種類情報264および工事期間レベル情報265を記憶している点と、制御部28Aが工事情報取得部42およびリスク度算出部44を備える点で、
図1に示す騒音情報提供装置10と異なる。
【0061】
騒音情報提供装置10Aは、工事の種類と、工事の種類に応じた騒音影響度と、工事期間とに基づいて、工事が騒音に与える影響を算出して提供する装置である。
【0062】
工事種類情報264は、工事の種類と、工事の種類に応じた騒音影響度が対応付けられた情報である。
図10は、第2実施形態に係る工事種類情報を説明するための図である。
図10に示すように、工事種類情報264は、「種類」および「騒音影響度」といった項目を含む。
【0063】
「種類」は、工事の種類を示す。「種類」は、例えば、「土木一式工事」、「建築一式工事」、「電気工事」、「舗装工事」、「とび・土木・コンクリート工事」、「解体工事」などが示される。「種類」は、
図10に示す例に限定されず、その他の工事が示されてよい。
【0064】
「騒音影響度」は、「種類」に応じて予め定められている。「種類」が「土木一式工事」である場合、「騒音影響度」は「3」である。「種類」が「建築一式工事」である場合、「騒音影響度」は「3」である。「種類」が「電気工事」である場合、「騒音影響度」は「1」である。「種類」が「舗装工事」である場合、「騒音影響度」は「2」である。「種類」が「とび・土木・コンクリート工事」である場合、「騒音影響度」は「2」である。「種類」が「解体工事」である場合、「騒音影響度」は「3」である。
【0065】
「騒音影響度」は、例えば、「朝」、「昼」、「夜」などの時間帯に応じて、定められていてもよい。「騒音影響度」は、例えば、「遠」、「中」、「近」など対象地点からの距離に応じて、定められていてもよい。
【0066】
工事期間レベル情報265は、工事期間と、工事期間に応じたレベルが対応付けられた情報である。
図11は、第2実施形態に係る工事期間情報を説明するための図である。
図11に示すように、工事期間レベル情報265は、「工事期間レベル」および「工事期間」といった項目を含む。
【0067】
「工事期間レベル」は、「工事期間」の長さに応じたレベルを示す。「工事期間レベル」は、例えば、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」のように5段階で示される。「工事期間」は、対象の工事の長さを示す情報である。「工事期間レベル」は、5段階に限定されず、5段階よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0068】
「工事期間」が「1週間以内」である場合、「工事期間レベル」は「1」である。「工事期間」が「1週間以上1カ月以内」である場合、「工事期間レベル」は「2」である。「工事期間」が「1カ月以上3カ月以内」である場合、「工事期間レベル」は「3」である。「工事期間」が「3カ月以上半年以内」である場合、「工事期間レベル」は「4」である。「工事期間」が「半年以上」である場合、「工事期間レベル」は「5」である。
【0069】
工事情報取得部42は、対象地点周辺の工事情報を取得する。工事情報取得部42は、例えば、通信部24を介して工事情報共有システム(ASP:Application Service Provider)から工事情報を取得する。
【0070】
リスク度算出部44は、工事情報取得部42が取得した工事情報が示す工事のリスク度を算出する。リスク度算出部44は、工事期間レベルと、騒音影響度とを乗じて、リスク度を算出する。
図12は、第2実施形態に係るリスク度を算出する方法を説明するための図である。
図12は、リスク度情報266を示す。
図12に示すように、リスク度情報266は、「種類」、「位置情報」、「騒音影響度」、「工事期間レベル」、「リスク度合い」といった項目を含む。
【0071】
「リスク度合い」は、工事の騒音レベルを予測するために使用するリスク度を示す。
【0072】
リスク度算出部44は、「騒音影響度」と、「工事期間レベル」とを乗算して、リスク度を算出する。例えば、「土木一式工事」は、「騒音影響度」は「3」であり、「工事期間レベル」は「5」である。この場合、リスク度算出部44は、リスク度を「3×5=15」と算出する。
【0073】
リスク度算出部44は、「騒音影響度」が時間帯に応じて定められている場合には、時間帯ごとのリスク度を算出することができる。リスク度算出部44は、「騒音影響度」が対象地点からの距離に応じて定められている場合には、対象地点からの距離に応じたリスク度を算出することができる。
【0074】
予測部38Aは、リスク度算出部44が算出したリスク度に基づいて、工事に起因する騒音レベルを含む指定地点における騒音レベルを予測する。予測部38Aは、リスク度算出部44が算出したリスク度と、騒音レベル情報263Aとに基づいて、工事に起因する騒音レベルを含む指定地点における騒音レベルを予測する。
図13は、第2実施形態に係る騒音レベル情報を説明するための図である。
図13に示すように、騒音レベル情報263Aは、「騒音レベル」と、「リスク度合い」といった項目を含む。
【0075】
予測部38Aは、「リスク度合い」が「1」である場合、「騒音レベル」を「0」と予測する。予測部38Aは、「リスク度合い」が「2以上4以下」である場合、「騒音レベル」を「1」と予測する。予測部38Aは、「リスク度合い」が「5以上8以下」である場合、「騒音レベル」を「2」と予測する。予測部38Aは、「リスク度合い」が「9以上15以下」である場合、「騒音レベル」を「3」と予測する。
【0076】
[騒音レベル表示処理]
図14を用いて、第2実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理について説明する。
図14は、第2実施形態に係る指定地点の騒音レベルの表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
ステップS40の処理は、
図5に示すステップS20の処理と同一なので、説明を省略する。
【0078】
工事情報取得部42は、工事情報を取得したか否かを判定する(ステップS42)。工事情報を取得したと判定された場合(ステップS42;Yes)、ステップS44に進む。工事情報を取得したと判定されない場合(ステップS42;No)、
図14の処理を終了する。
【0079】
ステップS42でYesと判定された場合、リスク度算出部44は、工事情報取得部42が取得した工事情報が示す工事の工事期間レベルを判定する(ステップS44)。具体的には、リスク度算出部44は、記憶部26Aに記憶されている工事期間レベル情報265に基づいて、工事期間レベルを判定する。そして、ステップS46に進む。
【0080】
リスク度算出部44は、対象の工事のリスク度を算出する(ステップS46)。具体的には、リスク度算出部44は、対象の工事の工事期間レベルと、騒音影響度とを乗じて、リスク度を算出する。そして、ステップS48に進む。
【0081】
予測部38Aは、リスク度に応じた騒音レベルを予測する(ステップS48)。具体的には、予測部38Aは、記憶部26Aに記憶されている騒音レベル情報263Aに基づいて、リスク度に応じた騒音レベルを予測する。そして、ステップS50に進む。
【0082】
表示制御部40Aは、リスク度に応じた騒音レベルを表示部22に表示させる(ステップS50)。表示制御部40Aは、リスク度に応じた騒音レベルを表示部22に表示させる方法は、施設に応じた騒音レベルを表示部22に表示させる方法と同じなので、説明を省略する。具体的には、第2実施形態では、リスク度に応じた騒音レベルと、第1実施形態で説明した周辺施設に応じた騒音レベルとを各々並べて表示させてもよいし、各々を単独で表示させてもよい。
【0083】
上述のとおり、第2実施形態は、予め期間が定められている工事に起因する騒音レベルを予測して、ユーザに提供することができる。これにより、第2実施形態は、指定地点の騒音レベルをより詳細に把握することができる。
【0084】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0086】
10,10A 騒音情報提供装置
20 入力部
22 表示部
24 通信部
26,26A 記憶部
28,28A 制御部
30 検出部
32 騒音影響度付与部
34 入力情報取得部
36 算出部
38,38A 予測部
40,40A 表示制御部
42 工事情報取得部
44 リスク度算出部