(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180767
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20231214BHJP
F24F 8/167 20210101ALI20231214BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20231214BHJP
【FI】
A61L9/00 C
F24F8/167
F24F8/80 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094329
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 陽
(72)【発明者】
【氏名】小池 正啓
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 健
(72)【発明者】
【氏名】荒起 聡直
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180CC03
4C180CC12
4C180DD09
4C180FF10
4C180HH05
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】高い集塵性能および高い除菌性能を得ることが可能な空気清浄機を提供する。
【解決手段】ファンと、筐体と、筐体内の第三空気流路40に配置された光触媒フィルタ50(第一光触媒フィルタ50A、第二光触媒フィルタ50B)と、を備える。光触媒フィルタ50の内部に頂部開口部51が設けられ、光触媒フィルタ50と筐体(左側壁10L、右側壁10R)との間に側部開口部52(左側部開口部52L、右側部開口部52R)が設けられる。第三空気流路40の流路方向に直交する平面視において、第三空気流路40の全流路面積S0に対する頂部開口部51の頂部開口面積S1の割合である頂部流路開口率が16%以下であり、かつ、頂部流路開口率および第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部52の側部開口面積S2(左側部開口面積S2L及び右側部開口面積S2R)の割合である側部流路開口率の合計が55%以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンと、
筐体と、
前記筐体の内部空間において、前記ファンの吸込口から排出口への流路に配置された光触媒フィルタと、
を備え、
前記光触媒フィルタの内部に第一開口部が設けられ、
前記光触媒フィルタと前記筐体との間に第二開口部が設けられ、
前記流路の流路方向に直交する平面視において、前記流路の流路面積に対する前記第一開口部の開口面積の割合である第一流路開口率が16%以下であり、かつ、前記第一流路開口率および前記流路面積に対する前記第二開口部の開口面積の割合である第二流路開口率の合計が55%以下である、空気清浄機。
【請求項2】
前記光触媒フィルタは山型であり、
前記光触媒フィルタの山型の頂部に前記第一開口部が設けられている、
請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記光触媒フィルタは谷型であり、
前記光触媒フィルタの谷形の底部に前記第一開口部が設けられている、
請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記光触媒フィルタは多孔体構造からなる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸込口から吐出口に至る空気通路上に上流側から下流側へと吸着脱臭部、送風機、およびオゾン脱臭部がこの順に配置された脱臭器が開示されている。オゾン脱臭部は、金属材料からなる箱型形状のケースと、紫外線ランプからなるオゾン発生部とから構成される。また、ケースの内壁面には紫外線の照射により水酸基ラジカルを発生させる光触媒(酸化チタン)が塗布されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光触媒による脱臭(除菌)効果は、脱臭対象物である空気が光触媒に接触することにより得られる。したがって、その接触量を増加させるためには空気通路上に配置される光触媒の配置領域を大きくする必要がある。
特許文献1のオゾン脱臭部における光触媒は、ケースの内壁面に塗布されているため、光触媒の配置領域を大きくするにはケースを大きくする必要がある。しかしながら、ケースを大きくすると空気通路をケースで塞ぐ領域が大きくなるため、空気通路を通過する空気の風量が減少し、脱臭器の換気風量を確保することが困難になる。したがって、集塵効果を得るための換気風量を維持しながら、光触媒による脱臭(除菌)効果を得るという点については、改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、高い集塵性能および高い除菌性能を得ることが可能な空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る空気清浄機は、
ファンと、
筐体と、
前記筐体の内部空間において、前記ファンの吸込口から排出口への流路に配置された光触媒フィルタと、
を備え、
前記光触媒フィルタの内部に第一開口部が設けられ、
前記光触媒フィルタと前記筐体との間に第二開口部が設けられ、
前記流路の流路方向に直交する平面視において、前記流路の流路面積に対する前記第一開口部の開口面積の割合である第一流路開口率が16%以下であり、かつ、前記第一流路開口率および前記流路面積に対する前記第二開口部の開口面積の割合である第二流路開口率の合計が55%以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高い集塵性能および高い除菌性能を得ることが可能な空気清浄機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機の斜視図である。
【
図2】
図1に示す空気清浄機の内部構造を示す正面図である。
【
図3】
図2に示す空気清浄機のA-A線における断面図である。
【
図5】
図4に示す光触媒フィルタの配置の変形例を示す図である
【
図6】光触媒フィルタが山型に配置された場合における開口部の開口率と光触媒フィルタの除菌能力との関係を示すグラフである。
【
図7】頂部開口部及び側部開口部を閉じた状態で光触媒フィルタを空気流路内に配置した図である。
【
図8】頂部開口部及び側部開口部を設けた状態で光触媒フィルタを空気流路内に配置した図である。
【
図9】光触媒フィルタが山型に配置された場合における開口部の開口率と集塵フィルタの集塵能力及び光触媒フィルタの除菌能力との関係を示すグラフである。
【
図10】光触媒フィルタが谷型に配置された場合における開口部の開口率と光触媒フィルタの除菌能力との関係を示すグラフである。
【
図11】光触媒フィルタが谷型に配置された場合における開口部の開口率と集塵フィルタの集塵能力及び光触媒フィルタの除菌能力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す空気清浄機の内部構造を示す正面図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の空気清浄機1は、縦型タイプの空気清浄機であって、例えば床面に立設して使用可能である。
【0011】
空気清浄機1は、上下方向に長い箱型の筐体10を有している。筐体10の前面側には、前面を覆うように前面パネル11が取り付けられている。前面パネル11の上部には、空気清浄機1の運転状態を操作するための操作部12が設けられている。前面パネル11の裏側には、空気清浄機1の動作を制御する制御部13が設けられている。操作部12は、制御部13に接続されている。
【0012】
筐体10の左右両側面には、外部の空気を筐体10内に吸い込むための吸込口14が設けられている。図に示す例では、筐体10の左側面に第一吸込口14Aが設けられ、右側面に第二吸込口14Bが設けられている。
【0013】
筐体10の上面には、筐体10内を通過した空気、すなわち浄化された空気を外部に排出するための排出口15が設けられている。排出口15は、第一吸込口14Aから吸い込まれた空気、及び、第二吸込口14Bから吸い込まれた空気を排出する。
【0014】
筐体10の内部には、筐体10内に吸い込まれた空気が通過する空間である空気流路が設けられている。図に示す例では、第一吸込口14Aから筐体10内に吸い込まれた空気が通過する第一空気流路20と、第二吸込口14Bから筐体10内に吸い込まれた空気が通過する第二空気流路30と、第一空気流路20を通過した空気、及び、第二空気流路30を通過した空気が通過する第三空気流路40と、が設けられている。なお、第一空気流路20と第二空気流路30とは別々に設けられており、第一吸込口14Aから筐体10内に吸い込まれた空気が第二空気流路30を通過することはない。同様に、第二吸込口14Bから筐体10内に吸い込まれた空気が第一空気流路20を通過することはない。また、第三空気流路40の流路面積(流路方向に直交する面積)は、第一空気流路20の排出口である第一排出口15Aの流路面積と、第二空気流路30の排出口である第二排出口15Bの流路面積とを足し合わせた大きさである。
【0015】
第一空気流路20における空気の吸込口、すなわち第一吸込口14Aには、第一集塵フィルタ21が設けられている。第一集塵フィルタ21は、第一吸込口14Aから筐体10内に吸い込まれる空気を浄化するためのフィルタであり、第一吸込口14Aにおいて筐体10の外部と面するように第一空気流路20内に設けられている。
【0016】
第二空気流路30における空気の吸込口、すなわち第二吸込口14Bには、第二集塵フィルタ31が設けられている。第二集塵フィルタ31は、第二吸込口14Bから筐体10内に吸い込まれる空気を浄化するためのフィルタであり、第二吸込口14Bにおいて筐体10の外部と面するように第二空気流路30内に設けられている。
【0017】
第一集塵フィルタ21及び第二集塵フィルタ31は、空気中のゴミ、塵埃などを取り除くためのフィルタであり、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタが用いられる。
【0018】
第一空気流路20において、第一集塵フィルタ21の下流側には、第一ファン22が設けられている。第一ファン22は、筐体10の外部から第一吸込口14Aを通じて空気を第一空気流路20に吸入するとともに、吸入した空気を、第一空気流路20を通じて第一排出口15Aへ送風するためのファンである。第一ファン22には、第一ファン22を駆動するための駆動モータ(不図示)が設けられている。第一ファン22の駆動モータは、制御部13に接続されている。第一ファン22は、例えば、シロッコファンにより構成されている。
【0019】
第二空気流路30において、第二集塵フィルタ31の下流側には、第二ファン32が設けられている。第二ファン32は、筐体10の外部から第二吸込口14Bを通じて空気を第二空気流路30に吸入するとともに、吸入した空気を、第二空気流路30を通じて第二排出口15Bへ送風するためのファンである。第二ファン32には、第二ファン32を駆動するための駆動モータ(不図示)が設けられている。第二ファン32の駆動モータは、制御部13に接続されている。第二ファン32は、例えば、シロッコファンにより構成されている。
【0020】
空気清浄機1において、第一空気流路20には、第一吸込口14A、第一排出口15A、第一集塵フィルタ21、及び第一ファン22が設けられ、第二空気流路30には、第二吸込口14B、第二排出口15B、第二集塵フィルタ31、及び第二ファン32が設けられている。第一空気流路20と第二空気流路30は、互いに独立した空気流路である。また、第一空気流路20と第二空気流路30は、筐体10の中央で区画された左右対称の構造を有する空気流路として設けられている。第三空気流路40は、第一空気流路20の第一排出口15Aから排出された空気と、第二空気流路30の第二排出口15Bから排出された空気を、排出口15へ送るための空気流路である。第三空気流路40は、第一空気流路20及び第二空気流路30の下流側に設けられている。
【0021】
筐体10の内部空間において、第三空気流路40に光触媒フィルタ50が配置されている。光触媒フィルタ50は、第一空気流路20の第一排出口15Aから排出された空気及び第二空気流路30の第二排出口15Bから排出された空気の細菌、有害物質、悪臭物質などを、例えば酸化分解するフィルタである。また、光触媒フィルタ50は、接触した物質を分解することが可能であり、例えば硬質のスポンジのように、多くの孔が設けられた多孔体構造を有する。なお、図示は省略するが、光触媒フィルタ50の周辺には光触媒フィルタ50に対して光を照射するランプが配置されている。当該ランプは制御部13に接続されている。
【0022】
光触媒フィルタ50は、第三空気流路40内に山型状に設けられている。図に示す例では、光触媒フィルタ50は、第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bとの二つの光触媒フィルタで構成されている。第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bとは、空気清浄機1の正面視において、頂部が下流側を向くように山型状に設けられている。頂部は、空気清浄機1の左右方向における中央部に位置する。第一光触媒フィルタ50Aは、空気清浄機1の左右方向における中央部から筐体10の左側壁10Lに向かって左下り傾斜となるように設けられている。第二光触媒フィルタ50Bは、空気清浄機1の左右方向における中央部から筐体10の右側壁10Rに向かって右下り傾斜となるように設けられている。第一光触媒フィルタ50Aは、第一空気流路20の第一排出口15Aの上方を覆うように設けられている。第二光触媒フィルタ50Bは、第二空気流路30の第二排出口15Bの上方を覆うように設けられている。
【0023】
制御部13は、例えば、操作部12の操作に基づく操作信号に従って、第一ファン22及び第二ファン32の動作を制御する。また、制御部13は、第一ファン22と第二ファン32とをそれぞれ個別に制御可能である。例えば、制御部13は、第一ファン22の駆動モータ、及び、第二ファン32の駆動モータの回転数を相違させて制御することも可能である。
【0024】
図3は、
図2に示した空気清浄機1のA-A線における断面図である。
図4は、
図2に示した空気清浄機1における鎖線で囲むB領域の拡大図である。
図3及び
図4に示すように、光触媒フィルタ50を構成する第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bは、第三空気流路40内に山型状に設けられている。第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50Bは、それぞれ矩形状に形成されている。
【0025】
光触媒フィルタ50の内部、すなわち山型状の光触媒フィルタ50の頂部には、頂部開口部51(第一開口部の一例)が設けられている。頂部開口部51は、対向して配置される第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bの上端部間に設けられている。なお、頂部開口部51には、頂部開口部51が閉じた(開口ゼロ)の状態、すなわち第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bとが接触している状態を含むものとする。
【0026】
山型状の光触媒フィルタ50の裾部には、光触媒フィルタ50と筐体10との間に側部開口部52(第二開口部の一例)が設けられている。例えば、第一光触媒フィルタ50Aと左側壁10Lとの間には、左側部開口部52Lが設けられている。また、第二光触媒フィルタ50Bと右側壁10Rとの間には、右側部開口部52Rが設けられている。
【0027】
なお、
図3の例示では、光触媒フィルタ50の前側部及び後側部と筐体10との間には、開口部(隙間)が設けられていない。具体的には、第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50Bのそれぞれの前側部及び後側部と筐体10の前側壁10F及び後側壁10Bとの間には、開口部が設けられていない。
【0028】
このように構成される空気清浄機1において、頂部開口部51及び側部開口部52の開口率は以下のように設定されている。例えば、筐体10における第三空気流路40の流路方向に直交する平面視において、第三空気流路40の全流路面積S0に対する頂部開口部51の頂部開口面積S1の割合である頂部流路開口率P1(第一流路開口率の一例)は16%以下である。また、頂部流路開口率P1と、第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部52(左側部開口部52L及び右側部開口部52R)の側部開口面積S2(左側部開口面積S2L及び右側部開口面積S2R)の割合である側部流路開口率P2(第二流路開口率の一例)と、の合計である総流路開口率PTtは55%以下である。
【0029】
すなわち、
頂部流路開口率P1=(頂部開口部51の頂部開口面積S1)/(第三空気流路40の全流路面積S0)≦16%である。
総流路開口率PTt=(頂部開口部51の頂部開口面積S1+側部開口部52の側部開口面積S2)/(第三空気流路40の全流路面積S0)≦55%である。
【0030】
図5は、
図4に示す光触媒フィルタ50の配置の変形例を示す図である。
図5に示すように、光触媒フィルタ50は、第三空気流路40内に谷型状に設けられてもよい。
【0031】
光触媒フィルタ50を構成する第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bとは、空気清浄機1の正面視において、底部が上流側を向く谷型状に設けられている。底部は、空気清浄機1の左右方向における中央部に位置するように設けられている。第一光触媒フィルタ50Aは、空気清浄機1の左右方向における中央部から筐体10の左側壁10Lに向かって左上り傾斜となるように設けられている。第二光触媒フィルタ50Bは、空気清浄機1の左右方向における中央部から筐体10の右側壁10Rに向かって右上り傾斜となるように設けられている。第一光触媒フィルタ50Aは、第一空気流路20の第一排出口15Aの上方を覆うように設けられている。第二光触媒フィルタ50Bは、第二空気流路30の第二排出口15Bの上方を覆うように設けられている。
【0032】
光触媒フィルタ50の内部、すなわち谷型状の光触媒フィルタ50の底部には、底部開口部61(第一開口部の一例)が設けられている。底部開口部61は、対向して配置される第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bの下端部間に設けられている。なお、底部開口部61には、底部開口部61が閉じた(開口ゼロ)の状態、すなわち第一光触媒フィルタ50Aと第二光触媒フィルタ50Bとが接触している状態を含むものとする。
【0033】
谷型状の光触媒フィルタ50の上部には、光触媒フィルタ50と筐体10との間に側部開口部62(第二開口部の一例)が設けられている。例えば、第一光触媒フィルタ50Aと左側壁10Lとの間には、左側部開口部62Lが設けられている。また、第二光触媒フィルタ50Bと右側壁10Rとの間には、右側部開口部62Rが設けられている。
【0034】
なお、光触媒フィルタ50の前側部及び後側部と筐体10の前側壁10F及び後側壁10Bとの間に開口部(隙間)が設けられていない点については、上述した光触媒フィルタ50が山型状に設けられた場合と同様である。
【0035】
このように構成される空気清浄機1において、底部開口部61及び側部開口部62の開口率は以下のように設定されている。例えば、筐体10における第三空気流路40の流路方向に直交する平面視において、第三空気流路40の全流路面積S0に対する底部開口部61の底部開口面積S3の割合である底部流路開口率P3(第一流路開口率の一例)は16%以下である。また、底部流路開口率P3と、第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部62(左側部開口部62L及び右側部開口部62R)の側部開口面積S4(左側部開口面積S4L及び右側部開口面積S4R)の割合である側部流路開口率P4(第二流路開口率の一例)と、の合計である総流路開口率PTbは55%以下である。
【0036】
すなわち、
底部流路開口率P3=(底部開口部61の底部開口面積S3)/(第三空気流路40の全流路面積S0)≦16%である。
総流路開口率PTb=(底部開口部61の底部開口面積S3+側部開口部62の側部開口面積S4)/(第三空気流路40の全流路面積S0)≦55%である。
【0037】
ところで、空気清浄機に集塵フィルタと光触媒フィルタを設けて、集塵フィルタによって集塵処理した空気をさらに光触媒フィルタによって除菌処理する場合、光触媒フィルタの除菌能力を高めるために、空気流路上に集塵フィルタと光触媒フィルタとを直列に配置することが考えられる。しかしながら、集塵フィルタの下流側に光触媒フィルタを直列に配置すると、光触媒フィルタの通風抵抗が付加されて大きくなるため、空気清浄機における換気風量を減少させて、集塵能力を低下させる要因となる。
【0038】
また、光触媒フィルタに多孔体構造のフィルタを用いる場合、光触媒フィルタによって除菌しようとする除菌対象(有機物)の大きさは、光触媒フィルタの多孔体構造における各々の孔の大きさに比べて小さいため、空気を光触媒フィルタに一回通過させるだけでは十分な除菌は難しい。したがって、光触媒フィルタによる除菌能力を高めるためには、除菌する空気を複数回光触媒フィルタに接触させる必要であり、十分な換気風量を維持することが求められる。
【0039】
そこで、発明者は、光触媒フィルタによる通風抵抗の増加分を抑えて換気風量を確保するために、光触媒フィルタを空気流路の全領域に配置するのではなく光触媒フィルタが配置されていない領域(空気抜き流路)を設けることを考えた。また、発明者は、光触媒フィルタを通過する空気量を増加させるために、光触媒フィルタを空気流路内に傾斜させて配置し光触媒フィルタの面積を大きくすることを考えた。そして、空気流路全体に対する空気抜き流路の開口率を最適化することにより、空気清浄機における換気風量(集塵能力)の確保と、光触媒フィルタによる除菌能力の向上とを両立させようと考えた。
【0040】
まず、発明者は、光触媒フィルタの除菌能力を検討するために、空気流路全体に対する空気抜き流路の開口率を変化させたときの除菌能力を測定した。ここで、空気流路全体とは、光触媒フィルタ50が
図4に示すように山型状に配置されている場合、第三空気流路40の全流路面積S0を意味する。空気抜き流路とは、
図4に示す場合、側部開口部52(左側部開口部52L+右側部開口部52R)の側部開口面積S2(左側部開口面積S2L+右側部開口面積S2R)を意味する。また、光触媒フィルタ50が
図5に示すように谷型状に配置されている場合、空気流路全体は、山型状の場合と同様に第三空気流路40の全流路面積S0を意味する。空気抜き流路とは、
図5に示す場合、側部開口部62(左側部開口部62L+右側部開口部62R)の側部開口面積S4(左側部開口面積S4L+右側部開口面積S4R)を意味する。そして、光触媒フィルタの除菌能力とは、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50(第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50B)を貫通する空気の風量、すなわち「貫通除菌能力」をいう。
【0041】
図6は、光触媒フィルタ50が山型状に配置された場合(
図4参照)における側部開口部52(側部開口面積S2)の開口率と光触媒フィルタ50の貫通除菌能力との関係を示すグラフである。グラフに示される「a/b」は、
図4における第三空気流路40の空気流路幅bに対する頂部開口部51の開口幅aの割合、つまり上述した頂部流路開口率P1を意味する。図に示す例では、a/bが0%、8%、16%、32%、48%、64%の場合について測定し、a/b=0%の場合における開口率0%のときの光触媒フィルタ50の貫通除菌能力を100%として表示する。また、側部開口部52(側部開口面積S2)の開口率は、上述したように側部流路開口率P2を意味する。
【0042】
図6に示すように、貫通除菌能力は、側部開口部52の開口率が大きくなるにしたがって、つまり光触媒フィルタ50と筐体10との隙間が大きくなるにしたがって、第三空気流路40を通過する空気のうち側部開口部52へ流れる風量が増加するようになるため、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量が減少し貫通除菌能力が低減する。また、貫通除菌能力は、a/bの値が大きくなるにしたがって、つまり頂部開口部51が大きくなるにしたがって、第三空気流路40を通過する空気のうち頂部開口部51を流れる風量が増加するようになるため、同じ開口率で比較すると、a/bの値が大きいほど、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量が減少し貫通除菌能力が低減する。
【0043】
次に、発明者は、測定したなかで貫通除菌能力が最も高い条件である、a/b=0%の場合における開口率0%のときの光触媒フィルタ50を貫通する空気に着目した。
図7は、第三空気流路40内にa/b=0%、開口率0%とした状態で光触媒フィルタ50を配置した図である。a/b=0%、且つ、開口率0%とした場合、第三空気流路40の空気は、光触媒フィルタ50を貫通して第三空気流路40を通過することになる。この場合、光触媒フィルタ50を貫通する空気には、直接的に光触媒フィルタ50を貫通する空気w1の他に、光触媒フィルタ50に遮られ、傾斜する光触媒フィルタ50の表面で反射しながら失速した後に、最終的に光触媒フィルタ50を貫通する空気w2が含まれることが分かった。
【0044】
次に、発明者は、傾斜する光触媒フィルタ50の表面で反射しながら失速した後に、光触媒フィルタ50を貫通する空気w2に着目した。そして、第三空気流路40内に配置する光触媒フィルタ50の「a/b」及び「開口率」を変化させたときの光触媒フィルタ50の表面で反射する空気について検討した。
図8は、第三空気流路40内に光触媒フィルタ50を、例えばa/b=8%、開口率17%とした状態で配置した図である。a/b=8%、且つ、開口率17%とした場合、光触媒フィルタ50の表面で反射した空気w3は、第三空気流路40内に側部開口部52(左側部開口部52L、右側部開口部52R)が設けられているため、失速することなく側部開口部52へ漏れ出るような流路を形成し、その多くがこの流路を通って第三空気流路40の下流へ流れる。そして、この光触媒フィルタ50の表面で反射して側部開口部52へと漏れ出る空気について検討すると、当該反射した空気は、光触媒フィルタ50に接触した空気であるため、光触媒フィルタ50によって除菌された空気となっていることが分かった。つまり、光触媒フィルタ50は、光触媒フィルタ50を貫通する空気だけでなく、光触媒フィルタ50に反射する空気も除菌することが可能である。光触媒フィルタ50には、上述した貫通除菌能力だけでなく、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50(第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50B)で反射する空気の風量である「反射除菌能力」が含まれることが分かった。
【0045】
そして、これらの検討から、光触媒フィルタ50の除菌能力は、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50に接触する空気の風量のことであり、光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量である「貫通除菌能力」と光触媒フィルタ50に反射する空気の風量である「反射除菌能力」を足し合わせたものであるという結果を得た。
【0046】
そこで、発明者は、貫通除菌能力と反射除菌能力とを含めた光触媒フィルタ50の除菌能力に基づいて、側部開口部52及び頂部開口部51の開口率の最適化により、空気清浄機1における集塵能力(換気風量)の確保と光触媒フィルタ50による除菌能力の向上との両立について検討した。
【0047】
図9は、光触媒フィルタ50が山型状に配置された場合(
図4参照)における側部開口部52(側部開口面積S2)の開口率と、空気清浄機1における集塵能力(換気風量)及び光触媒フィルタ50の除菌能力(貫通除菌能力+反射除菌能力)との関係を示すグラフである。上述した通り、貫通除菌能力とは光触媒フィルタ50を貫通する風量のこと、反射除菌能力とは光触媒フィルタ50に反射する風量を意味する。また、「a/b」は第三空気流路40の空気流路幅bに対する頂部開口部51の開口幅aの割合(頂部流路開口率P1)を意味する。
【0048】
図9に示すように、空気清浄機1の集塵能力は、a/b=0%の場合における開口率0%のときの集塵能力を100%とすると、側部開口部52を設けて開口率を高くすることにより、100%を超える集塵能力が得られる。これは、上述したように第三空気流路40を通過する空気のうち側部開口部52へ流れる風量が増加するためであり、これにより光触媒フィルタによる通風抵抗が低下して空気清浄機1における換気風量が増加するからである。この集塵能力の改善はa/bの値を変化させたときも同様である。ただし、開口率が50%を超えると集塵能力の増加(改善度)は緩やかになる。
【0049】
また、光触媒フィルタ50の除菌能力は、a/b=0%の場合における開口率0%のときの除菌能力を100%とすると、側部開口部52を設けることにより、光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量(貫通除菌能力)が僅かに減少するが、光触媒フィルタ50に反射する空気の風量(反射除菌能力)が加わるので、全体としての除菌能力は100%を超える除菌能力が得られる。例えば、a/b=0%の場合には開口率が55%以下のときに、a/b=8%の場合には開口率が47%以下のときに、a/b=16%の場合には開口率が40%以下のときに100%を超える除菌能力が得られる。
【0050】
これらのことから、第三空気流路40の全流路面積S0に対する頂部開口部51の頂部開口面積S1の割合(頂部流路開口率P1)が16%以下であって、頂部流路開口率P1と、第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部52(左側部開口部52L+右側部開口部52R)の側部開口面積S2(左側部開口面積S2L+右側部開口面積S2R)の割合(側部流路開口率P2)と、の合計である総流路開口率PTtが55%以下である場合に、a/b=0%、開口率0%のときの集塵能力及び除菌能力を超える高い集塵性能及び高い除菌性能を得られることが分かる。
【0051】
次に、光触媒フィルタ50が谷型状に配置された場合の「貫通除菌能力」について説明する。
図10は、光触媒フィルタ50が谷型状に配置された場合(
図5参照)における側部開口部62(側部開口面積S4)の開口率と光触媒フィルタ50の貫通除菌能力との関係を示すグラフである。グラフに示される「c/b」は、
図5における第三空気流路40の空気流路幅bに対する底部開口部61の開口幅cの割合、つまり上述した底部流路開口率P3を意味する。図に示す例では、c/bが0%、8%、16%、32%、48%、64%の場合について測定し、c/b=0%の場合における開口率0%のときの光触媒フィルタ50の貫通除菌能力を100%として表示する。また、側部開口部62(側部開口面積S4)の開口率は上述したように側部流路開口率P4を意味する。
【0052】
図10に示すように、貫通除菌能力は、側部開口部62の開口率が大きくなるにしたがって、つまり光触媒フィルタ50と筐体10との隙間が大きくなるにしたがって、第三空気流路40を通過する空気のうち側部開口部62へ流れる風量が増加するようになるため、第三空気流路40を通過する空気のうち光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量が減少し貫通除菌能力が低減する。また、貫通除菌能力は、c/bの値が大きくなるにしたがって、つまり底部開口部61が大きくなるにしたがって、第三空気流路40を通過する空気のうち底部開口部61を流れる風量が増加するようになるが、同じ開口率で比較すると、c/bの値が大きいほど上昇する傾向にある。
【0053】
次に、発明者は、光触媒フィルタ50が谷型状に配置された場合においても、上述した光触媒フィルタ50が山型状に配置された場合と同様に、傾斜する光触媒フィルタ50の表面で反射する空気について検討した。そして、光触媒フィルタ50が谷型状に配置された場合にも光触媒フィルタ50の除菌能力に含まれる貫通除菌能力と反射除菌能力に基づいて、側部開口部62及び底部開口部61の開口率の最適化により、空気清浄機1における集塵能力(換気風量)の確保と光触媒フィルタ50による除菌能力の向上との両立について検討した。
【0054】
図11は、光触媒フィルタ50が谷型状に配置された場合(
図5参照)における側部開口部62(側部開口面積S4)の開口率と、空気清浄機1における集塵能力(換気風量)及び光触媒フィルタ50の除菌能力(貫通除菌能力+反射除菌能力)との関係を示すグラフである。上述した通り、「c/b」は第三空気流路40の空気流路幅bに対する底部開口部61の開口幅cの割合(底部流路開口率P3)を意味する。
【0055】
図11に示すように、空気清浄機1の集塵能力は、c/b=0%の場合における開口率0%のときの集塵能力を100%とすると、側部開口部62を設けて開口率を高くすることにより、100%を超える集塵能力が得られる。これは、上述したように第三空気流路40を通過する空気のうち側部開口部62へ流れる風量が増加するためであり、これにより光触媒フィルタによる通風抵抗が低下して空気清浄機1における換気風量が増加するからである。この集塵能力の改善はc/bの値を変化させたときも同様である。ただし、開口率が50%を超えると集塵能力の増加(改善度)は緩やかになる。
【0056】
また、光触媒フィルタ50の除菌能力は、c/b=0%の場合における開口率0%のときの除菌能力を100%とすると、側部開口部62を設けることにより、光触媒フィルタ50を貫通する空気の風量(貫通除菌能力)が僅かに減少するが、光触媒フィルタ50に反射する空気の風量(反射除菌能力)が加わるので、全体としての除菌能力は100%を超える除菌能力が得られる。例えば、c/b=0%の場合には開口率が40%以下のときに、c/b=8%の場合には開口率が42%以下のときに、c/b=16%の場合には開口率が44%以下のときに100%を超える除菌能力が得られる。
【0057】
これらのことから、第三空気流路40の全流路面積S0に対する底部開口部61の底部開口面積S3の割合(底部流路開口率P3)が16%以下であって、底部流路開口率P3と、第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部62(左側部開口部62L+右側部開口部62R)の側部開口面積S4(左側部開口面積S4L+右側部開口面積S4R)の割合(側部流路開口率P4)と、の合計である総流路開口率PTbが55%以下である場合に、a/b=0%、開口率0%のときの集塵能力及び除菌能力を超える高い集塵性能及び高い除菌性能を得られることが分かる。
【0058】
上述したように、本実施形態の空気清浄機1によれば、光触媒フィルタ50が山型に配置された場合、第三空気流路40の全流路面積S0に対する頂部開口部51の頂部開口面積S1の割合である頂部流路開口率P1が16%以下であり、且つ、頂部流路開口率P1と、第三空気流路40の全流路面積S0に対する側部開口部52の側部開口面積S2の割合である側部流路開口率P2と、の合計である総流路開口率PTtが55%以下である。また、光触媒フィルタ50が谷型に配置された場合、全流路面積S0に対する底部開口部61の底部開口面積S3の割合である底部流路開口率P3が16%以下であり、且つ、底部流路開口率P3と、全流路面積S0に対する側部開口部62の側部開口面積S4の割合である側部流路開口率P4と、の合計である総流路開口率PTbが55%以下である。これにより、第三空気流路40の全流路面積S0に対する頂部開口面積S1と側部開口面積S2の割合、及び全流路面積S0に対する底部開口面積S3と側部開口面積S4の割合を最適化することができ、集塵フィルタ21,31による高い集塵能力と、光触媒フィルタ50による高い除菌能力を実現することができる。
【0059】
また、空気清浄機1によれば、光触媒フィルタ50として多孔体構造のフィルタが用いられている。これにより、光触媒フィルタ50の大きな表面積を確保することができ、高い除菌能力を実現することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0061】
例えば、上記実施形態では、第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50Bを矩形状のフィルタとして構成される場合を説明したが、これに限定されない。例えば、円形状、長円状などのフィルタであってもよい。また、第一光触媒フィルタ50A及び第二光触媒フィルタ50Bの前後側はそれぞれ前側壁10F及び後側壁10Bとの間に開口部が設けられていない場合を説明したがこれに限定されず、それぞれ開口部を有する構成であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、空気清浄機1に独立した2つの空気流路(第一空気流路20,第二空気流路30)を有する場合について説明したが、これに限られない。空気流路の数は、3つ以上の複数であってもよい。また、上記実施形態では、第一空気流路20と第二空気流路30の構造が左右対称構造の場合について説明したが、対称構造に限定されない。
【符号の説明】
【0063】
1 空気清浄機
10 筐体
10L 左側壁
10R 右側壁
14 吸込口
15 排出口
20 第一空気流路
21 第一集塵フィルタ
22 第一ファン
30 第二空気流路
31 第二集塵フィルタ
32 第二ファン
40 第三空気流路
50 光触媒フィルタ
50A 第一光触媒フィルタ
50B 第二光触媒フィルタ
51 頂部開口部(第一開口部の一例)
52 側部開口部(第二開口部の一例)
52L,62L 左側部開口部
52R,62R 右側部開口部
61 底部開口部(第一開口部の一例)
62 側部開口部(第二開口部の一例)
P1 頂部流路開口率(第一流路開口率の一例)
P2 側部流路開口率(第二流路開口率の一例)
P3 底部流路開口率(第一流路開口率の一例)
P4 側部流路開口率(第二流路開口率の一例)
PTb,PTt 総流路開口率
S0 全流路面積
S1 頂部開口面積
S2,S4 側部開口面積
S2L,S4L 左側部開口面積
S2R,S4R 右側部開口面積
S3 底部開口面積