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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180772
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/08 20060101AFI20231214BHJP
   B65G 15/08 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65G21/08
B65G15/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094340
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AB01
3F023BA03
3F023BB01
3F023BC01
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で製造時の作業負担を軽減することができる、搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送方向に沿って延在するコンベヤフレーム2と、コンベヤフレーム2に沿って配置されて巻回作動することにより搬送物を搬送する無端状の搬送ベルト3と、搬送方向で互いに間隔をあけて並ぶ状態でコンベヤフレーム2に固定され、搬送ベルト3のキャリア部3Aを支持する複数のキャリア側支持ユニット4と、搬送方向に沿って設けられた仕切部材6と、を備えた搬送装置1であって、仕切部材6は、キャリア側支持ユニット4に支持されている。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に沿って延在するフレームと、
前記フレームに沿って配置されて巻回作動することにより搬送物を搬送する無端状の搬送ベルトと、
搬送方向で互いに間隔をあけて並ぶ状態で前記フレームに固定され、前記搬送ベルトのキャリア側を支持する複数のキャリア側支持ユニットと、
前記搬送ベルトのキャリア側において、搬送方向に沿って設けられた第1仕切部材と、
前記第1仕切部材を支持する支持部材と、
を備えた搬送装置であって、
前記キャリア側支持ユニットが備える部材により、前記支持部材が兼用されている搬送装置。
【請求項2】
前記キャリア側支持ユニットは、
前記搬送ベルトの両脇に配置され高さ方向に沿って延びる一対の縦部材と、
前記搬送ベルトの両端部を下方から支持する一対のローラを支持する、一対のローラ支持部材と、
を備え、
前記一対のローラ支持部材は、前記一対の縦部材のそれぞれの高さ方向の途中箇所において前記搬送ベルト側に向く姿勢で前記一対の縦部材に取り付けられ、
前記縦部材が前記支持部材を兼用している、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記キャリア側支持ユニットとして、搬送方向における上流端部に配置される上流端部キャリア側支持ユニットを備え、
前記複数のキャリア側支持ユニットのうち少なくとも一つは、互いに対向する方向を向く姿勢で配置された一対の内向部材を、前記一対の縦部材の上端に備え、
前記一対の内向部材により前記第1仕切部材とは別の部材を支持する、
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1仕切部材は、前記搬送ベルトの側方に沿って設置される柵である、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1仕切部材は、搬送幅方向における前記搬送ベルトの一側方、他側方、および、上方それぞれを覆う、トンネル状の丸カバーである、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記丸カバーは、搬送方向に沿って交互に凹凸が形成される波状カバーであり、前記凹凸の間隔の整数倍が、搬送方向における前記キャリア側支持ユニットの設置間隔と一致するように形成されている。
請求項5記載の搬送装置。
【請求項7】
前記波状カバーは、前記搬送ベルト側に凸となる部分において前記キャリア側支持ユニットで支持されている、
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記キャリア側支持ユニットは、高さ方向で複数の位置で前記第1仕切部材を支持する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
搬送方向で互いに間隔をあけて並ぶ状態で前記フレームに固定され、前記搬送ベルトのリターン側を支持する複数のリターン側支持ユニットと、
前記搬送ベルトのリターン側において、搬送方向に沿って設けられた第2仕切部材と、
を備え、
前記第2仕切部材は、前記リターン側支持ユニットに支持されている、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項10】
搬送方向に隣接する前記リターン側支持ユニットの間において前記フレームに固定され、前記第2仕切部材を支持する、補間支持部、
を備える、請求項9に記載の搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾施設において、貨物船から陸揚げされた鉄鉱石等のバラ物原料を搬送するために、ベルトコンベヤが利用されている。ベルトコンベヤは、一般的に、コンベヤフレームに設けられた複数のローラによりループ状に支持された無端状の搬送ベルトを備える。バラ物原料は、この搬送ベルトにより搬送される。そして、搬送ベルトの周囲には、雨天時のバラ物原料の濡れ防止、強風時の飛散防止、または作業者の巻きこみ防止を目的として、カバーまたはフェンスといった仕切部材が搬送ベルトの搬送方向に沿って設けられることがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、搬送ベルトの周囲に仕切部材としてのフェンスを容易に取り付けることができる搬送装置が開示されている。特許文献1の搬送装置では、コンベヤフレームに、フェンスを支持する支持部材が取り付けられている。このように、従来の搬送装置では、仕切部材を支持するための支持部材がコンベヤフレームに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-016627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の搬送装置のように、コンベヤフレームに取り付けられた支持部材に仕切部材を支持させる場合、コンベヤフレームに支持部材を設けるため、搬送装置の構成が煩雑になるという問題がある。また、支持部材をコンベヤフレームに取り付ける作業が必要となるため、製造時の作業負担が増すという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的の一つは、簡素な構成で製造時の作業負担を軽減することができる、搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の搬送装置は、
搬送方向に沿って延在するフレームと、
前記フレームに沿って配置されて巻回作動することにより搬送物を搬送する無端状の搬送ベルトと、
搬送方向で互いに間隔をあけて並ぶ状態で前記フレームに固定され、前記搬送ベルトのキャリア側を支持する複数のキャリア側支持ユニットと、
前記搬送ベルトのキャリア側において、搬送方向に沿って設けられた第1仕切部材と、
を備えた搬送装置であって、
前記第1仕切部材は、前記キャリア側支持ユニットに支持されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現地での仕切部材の設置作業の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る搬送装置全体を示す概略側面図である。
図2図2は、図1のII-II部分を示す概略断面図である。
図3図3は、側方から見た仕切部材の一部を示す図である。
図4図4は、仕切部材をスタンドに固定する構造を説明するための図である。
図5図5は、図4のV-V線における断面図である。
図6図6は、別の例の仕切部材を備えた搬送装置を示す図である。
図7図7は、仕切部材と、スカートボードとを支持した搬送装置を示す図である。
図8図8は、実施形態2に係る搬送装置全体を示す概略側面図である。
図9図9は、仕切部材がリターンローラ支持部に支持された状態を示す図である。
図10図10は、仕切部材が補間支持部に支持された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る搬送装置1全体を示す概略側面図である。また、図2は、図1のII-II部分を示す概略断面図である。
【0011】
搬送装置1は、コンベヤフレーム2と、無端状の搬送ベルト3と、複数のキャリア側支持ユニット4と、リターン側支持ユニット5と、仕切部材6と、を備えている。なお、後述するが、仕切部材6は、搬送ベルト3のキャリア部3Aの周囲を覆うように設けられている。このため仕切部材6で覆われた部分は視認できないが、図1では、仕切部材6により視認できない部材は破線で示している。
【0012】
コンベヤフレーム2は、搬送物であるバラ物原料10が搬送ベルト3によって搬送される搬送方向(図1の矢印Xで示す方向)に沿って延びている。コンベヤフレーム2は、複数の支持体2Aと、複数の上弦材2Bと、複数の架設材2Cとを備えている。
【0013】
複数の支持体2Aは、地面Gに支持された柱部材であって、搬送方向に沿って間隔をあけて設けられている。また、複数の支持体2Aは、搬送幅方向(図2の矢印Yで示す方向)における両側に設けられている。上弦材2Bは、搬送方向に沿って延び、搬送方向に沿って並ぶ複数の支持体2Aの上部で支持されている。複数の架設材2Cそれぞれは、搬送経路の直交方向に沿って延び、その方向の両側に設けられた二つの上弦材2Bに架け渡されるように設けられている。また、複数の架設材2Cは、搬送方向に沿って間隔をあけて設けられている。
【0014】
無端状の搬送ベルト3は、コンベヤフレーム2に沿って配置され、巻回作動することによりバラ物原料10を搬送する。搬送ベルト3の長さ方向は、上記した搬送方向と一致する。また、搬送ベルト3の幅方向は、上記した、図2に矢印Yで示す搬送幅方向と一致する。搬送ベルト3のキャリア部3Aは、コンベヤフレーム2の架設材2Cの上方において複数のキャリア側支持ユニット4で支持されている。また、搬送ベルト3のリターン部3Bは、架設材2Cの下方において複数のリターン側支持ユニット5で支持されている。
【0015】
複数のキャリア側支持ユニット4は、一対の縦部材4Aと、ローラ支持部4Bと、中央ローラ4Cと、一対の傾斜ローラ4Dとを有している。
【0016】
一対の縦部材4Aは、高さ方向に沿って延び、その間に搬送ベルト3が介在するように、搬送ベルト3の幅方向に沿って架設材2Cに設けられている。一対の縦部材4Aそれぞれは、後述の仕切部材6を支持できるようになっている。その構造については後述する。
【0017】
ローラ支持部4Bは、縦部材4Aおよび架設材2Cに設けられ、中央ローラ4Cおよび一対の傾斜ローラ4Dを回転自在に支持している。ローラ支持部4Bにより支持される中央ローラ4Cおよび一対の傾斜ローラ4Dは、トラフ形状となるように、搬送ベルト3の両端部を下方から支持している。
【0018】
中央ローラ4Cは、搬送ベルト3のキャリア部3Aの中央部を支持している。一対の傾斜ローラ4Dは、中央ローラ4Cを挟むように設けられ、搬送ベルト3のキャリア部3Aの両端部を支持している。また、一対の傾斜ローラ4Dは、搬送ベルト3のキャリア部3Aの両端部を持ち上げるように、傾斜して設けられている。このような構成により、複数のキャリア側支持ユニット4は、搬送ベルト3のキャリア部3Aをトラフ状に湾曲させて支持している。
【0019】
複数のリターン側支持ユニット5は、搬送ベルト3のリターン部3Bを支持するリターンローラ5Aと、そのリターンローラ5Aを回転自在に支持する一対のリターンローラ支持部5Bとを有している。一対のリターンローラ支持部5Bそれぞれは、コンベヤフレーム2の上弦材2Bに吊り下がるように設けられている。
【0020】
仕切部材6(第1仕切部材)は、搬送方向に沿って延び、搬送ベルト3のキャリア部3Aの両側方および上方それぞれを覆う、トンネル状の丸カバーである。この仕切部材6は、図2に示すように、キャリア側支持ユニット4の縦部材4Aで支持されている。
【0021】
図3は、側方から見た仕切部材6の一部を示す図である。
【0022】
仕切部材6は、搬送方向に沿って交互に凹凸が形成される波状カバーである。以下の説明では、キャリア側支持ユニット4で仕切部材6を支持した状態において、仕切部材6の内側に凸となる部分は谷部と言い、外側に凸となる部分は山部と言う。
【0023】
仕切部材6は、その凹凸の間隔(図3の距離L2)の整数倍が、搬送方向におけるキャリア側支持ユニット4の設置間隔(図1に示す距離L1)と一致するように形成されている。ここで、距離L1は、縦部材4Aの搬送方向における中心と、その縦部材4Aと搬送方向に隣接する縦部材4Aの搬送方向における中心との間の距離である。この構成により、仕切部材6を設置する際に、一の縦部材4Aに仕切部材6の谷部が位置するように設置すれば、他の縦部材4Aにも仕切部材6の谷部が位置するようになる。このため、複数の仕切部材6を搬送方向に沿って設置する場合、縦部材4Aに谷部が位置するように仕切部材6を設置すれば、既設の仕切部材6の凹凸とずれることなく、仕切部材6を設置することができる。また、何れの縦部材4Aにも仕切部材6の谷部が位置することで、縦部材4Aにも仕切部材6の山部が位置する場合と比べて、仕切部材6と縦部材4Aとをより密接させることができ、仕切部材6を縦部材4Aに固定しやすくなる。
【0024】
また、仕切部材6は搬送方向に沿って複数配置されている。上記のように、縦部材4Aに対して仕切部材6を設置することで、図3に示すように、搬送方向に隣接する仕切部材6は、その一部が重なって配置されるようになる。
【0025】
図4は、仕切部材6を縦部材4Aに固定する構造を説明するための図である。図4は、図2における破線の円領域を拡大した図である。図5は、図4のV-V線における断面図である。
【0026】
縦部材4Aには、搬送ベルト3の幅方向に沿って延びる平板状のコッター用ブラケット7、および、高さ調整用ブラケット8が取り付けられるようになっている。なお、コッター用ブラケット7、および、高さ調整用ブラケット8は、予め縦部材4Aに溶接などで固定されていてもよいし、ネジなどにより取り付けられていてもよい。コッター用ブラケット7、および、高さ調整用ブラケット8は、設置する仕切部材6の高さに合わせて設けられている。コッター用ブラケット7は、縦部材4Aから突出し、その先端部に後述のコッター9が差し込まれる矩形状の差込穴7Aが設けられている。
【0027】
高さ調整用ブラケット8は、縦部材4Aに接触する背面8Aと、その背面8Aに垂直な底面8Bとを有している。仕切部材6は、その下端を底面8Bに載置し、縦部材4Aとの間で背面8Aを挟むように配置される。図3に示すように、仕切部材6の谷部であって、縦部材4Aと接触する位置には、貫通孔6Aが設けられている。仕切部材6の下端を底面8Bに載置することで、仕切部材6の貫通孔6Aと、コッター用ブラケット7との高さ位置が合うようになっている。仕切部材6を設置する場合、コッター用ブラケット7が仕切部材6の貫通孔6Aに差し込まれるようになっている。
【0028】
仕切部材6を縦部材4Aに固定する場合、仕切部材6の下端を高さ調整用ブラケット8の底面8Bに置くように設置することで、仕切部材6の高さ合わせが容易となる。仕切部材6の貫通孔6Aにコッター用ブラケット7を差し込み、コッター用ブラケット7の差込穴7Aに、楔形のコッター9を上方から差し込む。これにより、縦部材4Aに仕切部材6を固定することができる。
【0029】
また、コッター9には、コッター用ブラケット7の差込穴7Aに差し込んだ際にコッター用ブラケット7より下方となる位置に、ピン(不図示)が差し込まれるピン穴9Aが設けられている。コッター用ブラケット7の差込穴7Aにコッター9を差し込んだ状態で、ピン穴9Aにピンを差し込むことで、コッター9が差込穴7Aから抜け落ちることを防止できる。
【0030】
なお、コッター9は、ワイヤー9Bを有し、そのワイヤー9Bは、高さ調整用ブラケット8に接続されている。このワイヤー9Bにより、コッター9をコッター用ブラケット7の差込穴7Aに差し込む際、または取り外す際に、コッター9の落下を防止できる。
【0031】
また、仕切部材6は、縦部材4Aの1カ所で固定されているが、縦部材4Aの高さ方向における複数の位置で、固定されていてもよい。
【0032】
縦部材4Aを上記のような構造とすることで、図3に示すように、仕切部材6を、その幅方向の両端側部分が、縦部材4Aの高さ方向に延びた部分に沿った姿勢で当接した状態で、縦部材4Aに支持することができる。この姿勢で仕切部材6を保持することで、仕切部材6を取り付けた際に、搬送装置1の幅方向への大型化を抑制できる。
【0033】
以上のように、搬送ベルト3のキャリア部3Aに仕切部材6を設置する際、高さ方向に長いキャリア側支持ユニット4の縦部材4Aで仕切部材6を支持することで、仕切部材6の剛性を確保するために、高さ方向に長い部材を別途用いる必要がない。このため、現場で仕切部材6を設置する際に、現地での作業者による設置作業の負担を軽減することができる。
【0034】
また、仕切部材6を溶接で固定する場合、コンベヤフレーム2またはキャリア側支持ユニット4等の部材の防食塗装皮膜を破壊され、腐食するおそれがあるが、コッターで仕切部材6を固定するため、腐食を防止することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、仕切部材6をトンネル状の丸カバーとして説明したが、これに限定されない。図6は、別の例の仕切部材を備えた搬送装置1を示す図である。図6に示すように、仕切部材11は、搬送ベルト3の側方に設置され、搬送装置1の側方の作業者が、搬送ベルト3等に接触しないようにするための安全柵であってもよい。安全柵は、金網またはメッシュ状のパネル等、少なくとも作業者の手先が通り抜けることがないサイズの開口部を備えている構成であればよい。また、開口部が、コッター用ブラケット7を差し込むことができる大きさを有していれば、仕切部材11は、図3で説明した貫通孔6Aに相当する穴を設ける必要がない。なお、仕切部材11は、貫通孔6Aに相当する、コッター用ブラケット7が差し込まれる穴を設けてもよい。
【0036】
また、仕切部材11が安全柵である場合、縦部材4Aの高さ方向の長さをより長くすることで、仕切部材11の剛性を確保しつつ、高さを高くすることができる。これにより、作業者が、搬送装置1の側方から内側に手を入れて、搬送ベルト3等に接触することを防止できる。また、縦部材4Aの高さ方向の長さをより長くした場合、搬送装置1の側方から作業者が仕切部材11に寄りかかった際の仕切部材11の撓みを抑制し、作業者が搬送ベルト3に巻き込まれるおそれを防止できる。
【0037】
仕切部材11が安全柵であっても、丸カバーの場合と同様、現地での作業者による仕切部材11の設置作業の負担を軽減することができる。
【0038】
また、搬送方向に沿って複数配置される一対の縦部材4Aの中には、安全柵である仕切部材11と、スカートボードとを支持する構成としてあるもでもよい。図7は、仕切部材11と、スカートボード21とを支持した搬送装置1を示す図である。
【0039】
この例の搬送装置1において、搬送方向における最下流に位置する一対の縦部材4Aそれぞれは、高さ方向において、搬送ベルト3よりも高い位置まで延び、その上端に、互いに対向する方向を向く姿勢で配置された一対の内向部材4Eを備えている。縦部材4Aと一対の内向部材4Eとは、溶接またはボルトで固定してもよいし、一方または双方が曲げ加工されて固定されてもよい。
【0040】
一対の縦部材4Aそれぞれの、対向する方向における先端部には、仕切部材11とは異なる別の部材、この例ではスカートボード21が支持されている。スカートボード21は、搬送装置1より上方に位置する他の搬送装置が、搬送してきたバラ物原料を落下させて搬送装置1へ受け渡す際に、バラ物原料の零れ落ちを防止して、搬送装置1の搬送ベルト3上にバラ物原料を排出させる部材である。
【0041】
スカートボード21は、図7に示すように、内向部材4Eから下方に垂れ下がる支持部21Aと、その支持部21Aに設けられたスカートゴム21Bとを備えている。スカートボード21は、一対の内向部材4Eそれぞれに設けられ、その間に、搬送ベルト3の中央部が介在するように設けられている。これにより、搬送装置1より上方に位置する他の搬送装置が排出し、上方から落下してきたバラ物原料が、搬送ベルト3の中央部に積載されるようになり、バラ物原料の零れ落ちが防止される。なお、スカートボード21は公知部材であり、その構成は、図7の構成に限定されず、公知のものを採用することができる。
【0042】
また、この例において、安全柵である仕切部材11は、図7に示すように、上端部が、搬送ベルト3の幅方向の内側に向かって折れ曲がり、搬送ベルト3の上方を覆うような構成であってもよい。この場合、仕切部材11の折れ曲がり部分は、内向部材4Eに支持されてもよい。
【0043】
(実施形態2)
実施形態1の搬送装置1は、搬送ベルト3のキャリア側のみ仕切部材6を備えていたが、実施形態2の搬送装置は、搬送ベルト3のリターン側にも仕切部材を備えている。以下、その相違点についてのみ説明する。
【0044】
図8は、本実施形態に係る搬送装置1A全体を示す概略側面図である。搬送装置1Aは、実施形態1で説明した搬送装置1の構成に加えて、搬送ベルト3のリターン側に仕切部材12(第2仕切部材)を備えている。なお、図1では、搬送ベルト3のキャリア側には丸カバーである仕切部材6が設置されているが、搬送ベルト3のキャリア側には、安全柵である仕切部材11が設置されていてもよい。
【0045】
仕切部材12は、搬送ベルト3のリターン部3Bの側方に設置され、搬送装置1Aの側方の作業者が、搬送ベルト3等に接触しないようにするための安全柵である。安全柵は、金網またはメッシュ状のパネル等、少なくとも作業者の手先が通り抜けることがないサイズの開口部を備えている構成であればよい。
【0046】
仕切部材12は、リターン側支持ユニット5のリターンローラ支持部5Bに支持されている。図9は、仕切部材12がリターンローラ支持部5Bに支持された状態を示す図である。仕切部材12をリターンローラ支持部5Bに固定するコッター構造は、実施形態1と同様である。すなわち、リターンローラ支持部5Bには、コッター用ブラケット7が設けられている。コッター用ブラケット7は、溶接によりリターンローラ支持部5Bに固定されていてもよいし、ネジなどにより取り付けられていてもよい。仕切部材12は、網目などの開口部にコッター用ブラケット7を差し込み、その状態で、コッター用ブラケット7の差込穴にコッター9を差し込むことで、リターンローラ支持部5Bに固定される。
【0047】
また、仕切部材12は、搬送方向において隣接するリターン側支持ユニット5の間では、補間支持部によって支持されている。図10は、仕切部材12が補間支持部13に支持された状態を示す図である。補間支持部13は、搬送方向に隣接するリターン側支持ユニット5の間において、上弦材2Bに設けられている。補間支持部13は、上弦材2Bを挟み込んで保持する上弦材保持部13Aと、上弦材保持部13Aから垂れ下がり、仕切部材12を支持する仕切部材支持部13Bとを有している。仕切部材12を仕切部材支持部13Bに固定する構造は、実施形態1と同様である。すなわち、仕切部材支持部13Bには、コッター用ブラケット7が設けられている。仕切部材12は、網目などの開口部にコッター用ブラケット7を差し込み、その状態で、コッター用ブラケット7の差込穴にコッター9を差し込むことで、仕切部材支持部13Bに固定される。
【0048】
このように、仕切部材12を、補間支持部13で吊り下げ支持することで、搬送方向におけるリターン側支持ユニット5の設置間隔が広い場合に、仕切部材12の保持力を高め、仕切部材12が落下することを防止できる。また、搬送方向において仕切部材12を支持する箇所を増やすことで、仕切部材12の剛性を高めることができ、作業者が搬送ベルト3と接触するおそれを回避することができる。
【符号の説明】
【0049】
1、1A:搬送装置
2 :コンベヤフレーム
2A :支持体
2B :上弦材
2C :架設材
3 :搬送ベルト
3A :キャリア部
3B :リターン部
4 :キャリア側支持ユニット
4A :縦部材
4B :ローラ支持部
4C :中央ローラ
4D :傾斜ローラ
5 :リターン側支持ユニット
5A :リターンローラ
5B :リターンローラ支持部
6 :仕切部材
6A :貫通孔
7 :コッター用ブラケット
7A :差込穴
8 :高さ調整用ブラケット
8A :背面
8B :底面
9 :コッター
9A :ピン穴
9B :ワイヤー
10 :バラ物原料
11 :仕切部材
12 :仕切部材
13 :補間支持部
21 :スカートボード
13A :上弦材保持部
13B :仕切部材支持部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10