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特開2023-180773情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180773
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G08G1/127 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094342
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA16
5H181AA23
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181MA29
5H181MA34
(57)【要約】
【課題】車椅子の使用者によるバスの利用を促進することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、車椅子を使用してバスを利用する特定利用者のバスの乗降に関連する情報を含む特定情報を所定の表示装置を介して出力する。ここで、情報処理装置は、特定利用者によるバスの乗降のためにバスが停車する時刻の所定の時間前から、特定情報を所定の表示装置を介して出力する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車するまでの間に、前記特定情報を前記所定の表示装置を介して出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の表示装置は、前記バス内に設置されている、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記バス内に複数の前記所定の表示装置が設置されており、
前記制御部は、
前記複数の表示装置のうち、前記特定利用者以外の一般利用者が存在すると前記特定利用者による前記バスへの乗車の障害となる所定の第1範囲に対応する前記所定の表示装置を介して前記特定情報を出力する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記バス内を撮像するカメラが撮像した動画像に基づいて、前記所定の第1範囲内に存在する前記一般利用者を検出し、
検出された前記一般利用者に対応する前記所定の表示装置を介して前記特定情報を出力する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の表示装置は、前記特定利用者が前記バスから降車するために前記バスが停車する地点に設置されている、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の表示装置は、前記特定利用者以外の一般利用者に関連する端末である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の表示装置は、前記バスの前記バスの床面に埋め込まれており、
前記特定情報は、前記バス内における所定の第2範囲内に前記特定利用者以外の一般利用者が進入しないようにするための情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定情報は、前記特定利用者が前記バスの乗降を行うために前記バスの乗降口の周囲を空けることを依頼するための情報を含む、
請求項1、2、7、または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記バスは、前記特定利用者が使用する車椅子を停めるための複数のスペースを含んでおり、
前記制御部は、
複数の前記特定利用者が前記バスに搭乗する場合に、前記バスの利用者の人数と、前記複数の特定利用者それぞれが前記バスに乗車する地点と前記バスから降車する地点とに基づいて、前記複数のスペースの中から、前記複数の特定利用者それぞれが前記車椅子を停めるスペースを決定する、
請求項1、2、7、または8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特定情報は、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する期間に関する情報を含む、
請求項1、2、7、または8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記バスは、映像コンテンツまたは音楽コンテンツを含むコンテンツ情報を前記バスの利用者に対して提供するための装置を有しており、
前記制御部は、
前記特定利用者による前記バスの乗降の間、前記装置を介して前記コンテンツ情報を出力する、
請求項1、2、7、または8に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を含む、
情報処理方法。
【請求項14】
前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車するまでの間に、前記特定情報を前記所定の表示装置を介して出力する、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記所定の表示装置は、前記バス内に設置されている、
請求項13または14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記所定の表示装置は、前記特定利用者が前記バスから降車するために前記バスが停車する地点に設置されている、
請求項13または14に記載の情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を含む、
プログラム。
【請求項18】
前記情報処理方法において、
前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車するまでの間に、前記特定情報を前記所定の表示装置を介して出力する、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記所定の表示装置は、前記バス内に設置されている、
請求項17または18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記所定の表示装置は、前記特定利用者が前記バスから降車するために前記バスが停車する地点に設置されている、
請求項17または18に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車椅子乗車情報送信システムが開示されている。特許文献1に開示されている車椅子乗車情報送信システムにおいては、車椅子乗車スペースを備えた車両の当該車椅子乗車スペースに車椅子乗車がなされているか否かが検出される。そして、車椅子乗車情報送信システムにおいては、検出結果に基づいて、車椅子乗車がなされているか否かの情報が車両の外部へ送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-009452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車椅子の使用者によるバスの利用を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
車椅子を使用してバスを利用する特定利用者の前記バスの乗降に関連する情報を含む特定情報を、前記特定利用者による前記バスの乗降のために前記バスが停車する時刻の所定の時間前から、所定の表示装置を介して出力すること、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、車椅子使用者によるバスの利用を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る運行システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、第1実施形態におけるバスの運行の状況を示す図である。
図3図3は、第1実施形態におけるバスの内部の一例を示す図である。
図4図4は、管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図5図5は、利用者情報データベースに保持されている利用者情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図6図6は、運行情報データベースに保持されている運行情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図7図7は、指示処理のフローチャートである。
図8図8は、第1実施形態の変形例2におけるバスの内部の一例を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る運行システム2の概略構成を示す図である。
図10図10は、第2実施形態におけるバスの運行の状況を示す図である。
図11図11は、送信処理のフローチャートである。
図12図12は、第4実施形態におけるバスの内部の一例を示す図である。
図13図13は、第5実施形態におけるバスの内部の一例を示す図である。
図14図14は、決定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
車椅子の使用者がバスを利用する場合を想定する。この場合において、車椅子の使用者がバスを利用する際にバスの乗降口の周囲等に他の利用者が存在することが想定される。そうすると、車椅子の使用者以外のバスの利用者がバスの乗降口の周囲等に存在することにより、バスを利用する車椅子の使用者の乗降の障害となってしまうことが想定される。そうすると、車椅子の使用者がバスの乗降を行う際に、時間がかかってしまうことが想定される。また、車椅子の使用者が、バスの乗降を行うために、他のバスの利用者に乗降口の周囲等を空けてもらうように直接依頼しなければならないことが想定される。
【0011】
このように、車椅子の使用者がバスの乗降を行う際にバスの乗降口の周囲等に他の利用者が存在することによって、車椅子の使用者がバスを利用する際に煩わしさを感じてしまう虞がある。その結果、車椅子の使用者がバスを利用することが抑制されてしまうことが想定される。
【0012】
そこで、本開示の第1の態様に係る情報処理装置における制御部は、所定の表示装置を介して特定情報を出力する。ここで、特定情報は、車椅子を使用してバスを利用する特定利用者のバスの乗降に関連する情報を含んでいる。また、情報処理装置における制御部は、特定利用者によるバスの乗降のためにバスが停車する時刻の所定の時間前から、特定情報を所定の表示装置を介して出力する。
【0013】
特定利用者によるバスの乗降のためにバスが停車する時刻の所定の時間前から特定情報が所定の表示装置に出力されることによって、一般利用者は特定利用者がバスの乗降を行うことを、特定利用者がバスの乗降を行う前に把握することができる。これにより、特定利用者がバスの乗降を行う際に、バスの乗降口の周囲に一般利用者が存在することが抑制される。そうすると、特定利用者がバスの乗降を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。その結果、車椅子使用者によるバスの利用を促進することが可能となる。
【0014】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
<第1実施形態>
(システムの概略)
本実施形態における運行システム1について、図1から図3に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る運行システム1の概略構成を示す図である。運行システム1は、利
用者端末100、バス200、および管理サーバ300を含んで構成される。運行システム1においては、利用者端末100、バス200、および管理サーバ300がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0016】
(利用者端末)
利用者端末100は、利用者10に関連する端末である。利用者端末100として、利用者10が使用する、コンピュータまたは携帯情報端末等が例示できる。利用者10は、バス200を利用する場合には、利用者端末100を使用して、バス200の利用の申し込みを行う。利用者端末100は、利用者10によってバス200の利用の申し込みが行われると、ネットワークN1を経由して、申し込み情報を管理サーバ300に送信する。
【0017】
申し込み情報は、利用者10がバス200に乗車する地点と、利用者10がバス200から降車する予定の地点に関する情報が含まれている。本実施形態においては、利用者10がバス200に乗車する予定の地点と、利用者10がバス200から降車する予定の地点とは、バス200が停車するバス停である。なお、利用者10がバス200に乗車する予定の地点と、利用者10がバス200から降車する予定の地点とは、例えば、利用者10が指定した任意の地点であってもよい。この場合において、バス200は、管理サーバ300から、利用者10が指定した任意の地点を経由する走行予定経路を指定されることによって、利用者10が指定した任意の地点において停車し、利用者10を乗降させる。
【0018】
利用者10として、車椅子を使用してバス200を利用する利用者10(以下、「利用者10A」と称する場合がある。)と、車椅子を使用せずにバス200を利用する利用者10(以下、「利用者10B」と称する場合がある。)が存在する。利用者10Aによってバス200の利用の申し込みが行われた場合、利用者10Aが車椅子の使用者であることを示す情報を含んだ申し込み情報が管理サーバ300に送信される。
【0019】
(バス)
バス200は、利用者10からの利用の申し込みによって、複数のバス停間を運行するバスである。図2は、本実施形態におけるバス200の運行の状況を示す図である。図2に示すように、バス200には、利用者10Bが搭乗している。バス200は、利用者10Aがバス200に乗車するためにバス200の到着を待っているバス停(以下、「特定バス停」と称する場合がある。)に向けて走行している。
【0020】
図3は、本実施形態におけるバス200の内部の一例を示す図である。図3に示すように、バス200は、ディスプレイ210を含んでいる。ディスプレイ210は、利用者10Bに対して情報を表示するためのディスプレイである。ディスプレイ210は、バス200が特定バス停に到着する前に特定情報を表示させる。ここで、特定情報は、利用者10Aによるバス200への乗車に関連する情報である。本実施形態おいては、特定情報は、利用者10Aのためにバス200の乗降口の周囲を空けることを依頼するための情報を含む。
【0021】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、バス200の運行を管理するサーバである。管理サーバ300は、ネットワークN1を経由して、利用者端末100から申し込み情報を受信する。管理サーバ300は、申し込み情報に基づいて、バス200の走行予定経路等を決定する。また、管理サーバ300は、バス200におけるディスプレイ210に特定情報を表示させる。管理サーバ300がディスプレイ210に特定情報を表示させる方法の詳細については後述する。
【0022】
管理サーバ300は、プロセッサ310、主記憶部320、補助記憶部330、および通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ310は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部330は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部330は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。また、補助記憶部330は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F340は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0023】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0024】
(機能構成)
次に、運行システム1を構成する管理サーバ300の機能構成について、図4から図6に基づいて説明する。図4は、管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0025】
管理サーバ300は、制御部301、通信部302、利用者情報データベース303(利用者情報DB303)、運行情報データベース304(運行情報DB304)を含んで構成される。制御部301は、管理サーバ300の制御をするための演算処理を行う機能を有する。制御部301は、管理サーバ300におけるプロセッサ310によって実現できる。通信部302は、管理サーバ300をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部302は、管理サーバ300における通信I/F340によって実現できる。
【0026】
利用者情報DB303は、利用者情報を保持する機能を有する。利用者情報DB303は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。利用者情報は、バス200の利用者に関する情報である。制御部301は、通信部302によって、申し込み情報を利用者端末100から受信する。制御部301は、受信した申し込み情報に基づいて、利用者情報DB303に保持されている利用者情報を生成する。
【0027】
図5は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報のテーブル構成の一例を示す図である。図5に示すように、利用者情報は、利用者IDフィールド、端末情報フィールド、乗車地点フィールド、降車地点フィールド、および備考フィールドを有している。利用者IDフィールドには、バス200の利用者10を特定するための識別子(利用者ID)が入力される。端末情報フィールドには、利用者IDフィールドに入力されている利用者IDに対応する利用者10の利用者端末100に関する情報が入力される。端末情報フィールドには、利用者端末100を特定するための識別子および利用者端末100への情報の送信先に関する情報が入力される。
【0028】
乗車地点フィールドには、利用者IDフィールドに入力されている利用者IDに対応する利用者10がバス200に乗車する予定の地点に関する情報が入力される。乗車地点フィールドには、例えば、利用者10がバス200に乗車する予定のバス停を特定するための情報が入力される。降車地点フィールドには、利用者IDフィールドに入力されている利用者IDに対応する利用者10がバス200から降車する地点に関する情報が入力される。降車地点フィールドには、例えば、利用者10がバス200に降車する予定のバス停を特定するための情報が入力される。バス停を特定するための情報は、例えば、該バス停の名前、または該バス停の座標(例えば、緯度および経度)等である。
【0029】
備考フィールドには、利用者IDフィールドに入力されている利用者IDに対応する利用者10に関する備考が入力される。利用者10が車椅子の使用者である場合、備考フィールドには「車椅子使用」との情報が入力される。制御部301は、利用者10Aの利用者端末100から受信した申し込み情報に含まれる、利用者10Aが車椅子の使用者であることを示す情報に基づいて、備考フィールドに「車椅子使用」との情報を入力する。
【0030】
制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報を取得することによって、利用者10(利用者10Aおよび利用者10B)がバス200の乗降を行う地点(バス停)を把握することができる。また、制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報を取得することによって、利用者10(利用者10Aおよび利用者10B)が車椅子の使用者か否かを把握することができる。
【0031】
制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報における、各利用者10の、乗車地点と降車地点とに基づいて、バス200の運行計画を決定する。制御部301は、決定した運行計画に基づいて、運行情報を生成する。制御部301は、生成した運行情報を運行情報DB304に格納する。運行情報DB304は、運行情報を保持する機能を有する。運行情報DB304は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。運行情報は、バス200の運行に関する情報である。図6は、運行情報DB304に保持されている運行情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【0032】
図6に示すように、運行情報は、バスIDフィールド、発車地点フィールド、発車時刻フィールド、到着地点フィールド、到着時刻フィールド、および運行番号フィールドを有している。バスIDフィールドには、バス200を特定するための識別子(バスID)が入力される。
【0033】
発車地点フィールドには、バス200が、利用者10の乗降のために停車し、その後、運行のために発車する地点(バス停)を特定するための情報が入力される。発車時刻フィールドには、発車地点フィールドに入力されているバス200が発車する地点(発車地点)から発車する時刻が入力される。到着地点フィールドには、発車地点フィールドに入力されている発車地点から発車したバス200が次に停車する地点(バス停)を特定するための情報が入力される。到着時刻フィールドには、到着地点フィールドに入力されたバス200が停車する地点(到着地点)に、バス200が到着する時刻が入力される。
【0034】
運行番号フィールドには、バス200がバス停間を移動する順番が入力される。運行番号フィールドには、「1」、「2」、「3」、・・・と上から順に小さい自然数が入力される。このとき、運行番号フィールドに運行番号「1」が入力されている場合は、該運行番号に対応する発車地点フィールドに入力されている発車地点は、バス200の始発のバス停となる。また、運行番号フィールドに運行番号「1」が入力されている場合は、該運行番号に対応する到着地点フィールドに入力されている到着地点は、バス200の始発のバス停の次のバス停(以下、「第2バス停」と称する場合がある。)となる。
【0035】
また、運行番号フィールドに運行番号「2」が入力されている場合、該運行番号に対応する発車地点は、運行番号「1」に対応する到着地点と一致する。すなわち、運行番号フィールドに運行番号「2」が入力されている場合、該運行番号に対応する発車地点は、第2バス停となる。そして、運行番号フィールドに運行番号として「2」が入力されている場合、該運行番号に対応する到着地点は、第2バス停の次のバス停(以下、「第3バス停」と称する場合がある。)となる。運行番号フィールドに運行番号「3」が入力されている場合、該運行番号に対応する発車地点は、第3バス停となる。また、運行番号フィールドに運行番号「3」が入力されている場合、該運行番号に対応する発車地点は、第3バス停の次のバス停となる。このように、バス200は、運行情報における運行番号順に、バス停間を運行している。
【0036】
制御部301は、運行情報DB304に保持されている運行情報を取得することによって、バス200の発車地点、発車時刻、到着地点、および到着時刻を把握することができる。これにより、制御部301は、バス200の運行状況を把握することができる。なお、制御部301は、バス200の運行に遅れ、または経路変更等が生じた場合、運行情報を適宜更新することができる。
【0037】
制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、バス200の利用者の中に利用者10Aが存在するか否かを判別することができる。制御部301は、バス200の利用者の中に利用者10Aが存在すると判定した場合、指示情報をバス200に送信する。ここで、指示情報は、ディスプレイ210に特定情報を表示させるようにバス200に指示をする情報である。このようにして、制御部301は、バス200におけるディスプレイ210を介して特定情報を出力する。
【0038】
このとき、制御部301は、バス200が特定バス停に到着する時刻の所定の時間前からバス200が特定バス停に到着する間に、バス200におけるディスプレイ210に特定情報を表示させる。具体的には、制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、利用者10Aがバス200に乗車するためにバス200が停車する特定バス停を特定する。制御部301は、運行情報DB304に保持されている運行情報から、バス200が特定バス停に到着する時刻を取得する。
【0039】
制御部301は、バス200が特定バス停に到着する時刻の所定の時間前の時刻から、バス200が特定バス停に到着する時刻までの期間を、表示期間として決定する。所定の時間は、特定情報がディスプレイ210に表示されることによってバス200における利用者10Bに対して、利用者10Aがバス200に乗車するために乗降口の周囲を空けることを依頼するのに十分な期間が確保できるように設定されている。制御部301は、通信部302によって、表示期間を含む指示情報をバス200に送信する。バス200は、管理サーバ300から指示情報を受信すると、表示期間中にバス200におけるディスプレイ210に特定表示を表示させる。
【0040】
(指示処理)
次に、本実施形態に係る運行システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される指示処理について、図7に基づいて説明する。図7は、指示処理のフローチャートである。指示処理は、バス200に指示情報を送信するための処理である。指示処理は、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0041】
指示処理においては、まずS101において、利用者情報が利用者情報DB303から取得される。次に、S102において、S101において取得された利用者情報に基づいて、バス200の利用者に利用者10Aが存在するか否かが判別される。具体的には、制御部301は、利用者情報における備考フィールドにおいて、「車椅子使用」が入力され
ているか否かを判別することで、バス200の利用者に利用者10Aが存在するか否かを判別する。S102において否定判定がされた場合、バス200の利用者10の中に利用者10Aは存在しない。そのため、指示処理は一旦終了される。
【0042】
S102において肯定判定がされた場合、S103において運行情報が運行情報DB304から取得される。次に、S104において、S101において取得された利用者情報と、S103において取得された運行情報と、に基づいて、表示期間が決定される。次に、S104において、表示期間を含んだ指示情報がバス200に送信される。これによって、表示期間中にバス200におけるディスプレイ210に特定情報が表示される。そして、指示処理は一旦終了される。
【0043】
本実施形態においては、運行システム1において、表示期間中に特定情報がバス200におけるディスプレイ210に表示される。これにより、バス200における利用者10Bは、特定バス停に到着する前に、利用者10Aが特定バス停においてバス200に乗車してくることを把握することができる。そうすると、バス200における利用者10Bが乗降口の周囲を空ける等の対応をすることによって、利用者10Aがバス200に乗車する際に、バスの乗降口の周囲に利用者10Bが存在することが抑制される。また、利用者10Aがバス200への乗車のためにバス200の乗降口の周囲を空けてもらうように他のX10Bに直接依頼しなければならないことが抑制される。そのため、利用者10Aはスムースにバス200に乗車することができる。その結果、利用者10Aがバス200への乗車を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。
【0044】
また、本実施形態おいては、利用者10Aは、特定バス停においてバス200の到着を待っている。一方、表示期間が設定されているため、バス200が特定バス停に到着すると、ディスプレイ210における特定情報の表示が終了される。そのため、利用者10Aは、ディスプレイ210が利用者10Aのために乗降口の周囲を空けることを依頼する特定情報の表示を行っていることを視認することがない。つまり、利用者10Aは利用者10Bに対して特定情報の表示が行われたことを把握していない。したがって、利用者10Aは、利用者10Bが利用者10Aのためにバス200の乗降口の周囲を空けることに協力したことを知らずに、バス200に乗車することができる。その結果、利用者10Aは他の利用者10Bに気兼ねすることなくバス200に乗車することができる。
【0045】
以上説明した通り、本実施形態における運行システム1において、利用者10Aがバス200への乗車を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。また、本実施形態における運行システム1において、利用者10Aは他の利用者10Bに気兼ねすることなくバス200に乗車することができる。そのため、利用者10Aによるバスの利用を促進することが可能となる。
【0046】
(第1実施形態の変形例1)
本実施形態においては、管理サーバ300が指示情報をバス200に送信することによって、ディスプレイ210に特定情報を表示させる。しかしながら、必ずしも管理サーバ300が指示情報をバス200に送信しなくてもよい。例えば、バス200における車載装置が、利用者情報と運行情報とを管理サーバ300から取得し、利用者情報と運行情報とに基づいてディスプレイ210に指示情報を直接送信してもよい。
【0047】
(第1実施形態の変形例2)
本変形例においては、バス200は複数のディスプレイ210を含んでいる。図8は、本変形例におけるバス200の内部の一例を示す図である。図8はバス200の内部を上方から見た図である。図8に示すように、バス200は複数の座席が用意されている。バス200における座席のうち、後方に他の座席が存在する座席の背もたれに、ディスプレ
イ210が設置されている。また、バス200の正面側の壁面にもディスプレイ210が設置されている。このように複数のディスプレイ210がバス200に配置されていることにより、バス200の各位置に存在する利用者10Bに対して、特定情報を表示することが可能となる。つまり、バス200においては、バス200における各利用者10Bに対応するディスプレイ210が存在しており、各利用者10Bに対して特定情報を表示することが可能となっている。
【0048】
そこで、本変形例においては、管理サーバ300は、バス200における複数のディスプレイ210のうち、図8に示す第1範囲内におけるディスプレイ210に特定情報を表示させる。管理サーバ300は、複数のディスプレイ210のうち、特定情報を表示させるディスプレイ210として第1範囲内に存在するディスプレイ210を指定する情報を含んだ指示情報をバス200に送信する。指示情報を受信したバス200は、第1範囲内に存在するディスプレイ210に特定情報を表示させる。このようにして、第1範囲内に存在する利用者10Bに対して情報の表示を行うディスプレイ210に特定情報を表示させることができる。
【0049】
ここで、第1範囲は、利用者10Bが存在すると利用者10Aが乗車する際に障害となることが想定される範囲として設定される。そのため、第1範囲内に存在するディスプレイ210に特定情報を表示させることで、利用者10Aの乗車の際に障害とならない利用者10Bに対して不要の特定情報の表示を行うことを抑制することができる。
【0050】
なお、本変形例においては、第1範囲内に存在するディスプレイ210全てに特定情報を表示させることで、第1範囲内に存在する利用者10Bに対して特定情報の表示が行われる。しかしながら、必ずしも、第1範囲内に存在するディスプレイ210全てに特定情報の表示をさせなくてもよい。
【0051】
図8に示すように、バス200は、カメラ211を含んでいる。カメラ211は、バス200の内部の撮像を行うカメラである。カメラ211は、バス200を経由して、撮像した動画像を管理サーバ300に送信する。ここで、カメラ211が管理サーバ300に送信する動画像には、バス200における利用者10Bが撮像されている場合がある。
【0052】
管理サーバ300は、バス200から受信したバス200の内部の動画像に基づいて、第1範囲内に存在する利用者10Bを検出する。そして、管理サーバ300は、検出した利用者10Bの位置に基づいて、複数のディスプレイ210のうち、該位置に存在する利用者10Bに対して情報の表示を行うディスプレイ210を特定する。管理サーバ300は、例えば、利用者10Bに対して情報の表示を行うディスプレイ210を、特定情報の表示を行わせるディスプレイ210として特定する。例えば、利用者10Bが座席に座っていた場合に、利用者10Bの座席の前の座席の背もたれに設置されたディスプレイ210を、利用者10Bに対して特定情報の表示を行わせるディスプレイ210(利用者10Bに対応するディスプレイ210)として特定する。
【0053】
管理サーバ300は、複数のディスプレイのうち特定したディスプレイ210を特定情報の表示を行わせるディスプレイ210として指定する情報を含んだ指示情報をバス200に送信する。指示情報を受信したバス200は、管理サーバ300によって指定されたディスプレイ210に特定情報を表示させる。このようにしても、利用者10Aの乗車の際に乗降の障害とならない利用者10Bに対して不要の案内を行うことを抑制することができる。
【0054】
(第1実施形態の変形例3)
利用者10Aがバス200の乗降を行うには、利用者10Bがバス200の乗降を行う
よりも時間がかかることが想定される。そうすると、バス200が特定バス停に停車する期間が利用者10Bの想定よりも長くなってしまう場合がある。これにより、バス200に搭乗している利用者10Bが苛立ちを感じることが想定される。そこで、本変形例においては、管理サーバ300は、特定バス停においてバス200が特定バス停に停車する期間を含む特定情報をディスプレイ210に表示させる。
【0055】
管理サーバ300は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、特定バス停において乗車する利用者10Aの人数を取得する。そして、管理サーバ300は、特定バス停において乗車する利用者10Aの人数と、一人の利用者10Aがバス200に乗車するのにかかると想定される時間との積によって、一または複数の利用者10Aが特定バス停においてバス200に乗車するのにかかると想定される時間を算出する。管理サーバ300は、一または複数の利用者10Aが特定バス停においてバス200に乗車するのにかかると想定される時間に基づいて、バス200が特定バス停に停車する期間(以下、「特定期間」と称する場合がある。)を算出する。
【0056】
管理サーバ300は、特定期間の表示の指示を含む指示情報をバス200に送信する。そうすると、バス200はディスプレイ210に特定期間を含む表示情報を表示させる。これにより、バス200に搭乗している利用者10Bが、バス200が発車するまでかかる時間を把握することができる。そのため、バス200が発車されないことで利用者10Bが感じる苛立ちを抑制することができる。その結果、利用者10Bが苛立った状況のバス200に利用者10Aが乗車することを抑制することができ、利用者10Aによるバス200の利用を促進することができる。
【0057】
(第1実施形態の変形例4)
本変形例においては、管理サーバ300は、コンテンツ情報をバス200に送信する。ここで、コンテンツ情報は、バス200が特定バス停に停車している間に利用者10Bに対して提供されるコンテンツを含む情報である。具体的には、コンテンツ情報は映像コンテンツまたは音楽コンテンツを含む情報である。
【0058】
具体的には、管理サーバ300は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報と、運行情報DB304に保持されている運行情報と、に基づいて、バス200が特定バス停に停車している期間(以下、「停車期間」と称する場合がある。)を特定する。停車期間は、運行情報における、特定バス停の到着時刻と、特定バス停の発車時刻とに基づいて、特定される。そして、管理サーバ300は、停車期間を含むコンテンツ情報をバス200に送信する。コンテンツ情報を受信したバス200は、ディスプレイ210によって、停車期間中にコンテンツ情報を利用者10Bに対して提供させる。
【0059】
ディスプレイ210によって停車期間中にコンテンツ情報が利用者10Bに対して提供されることによって、利用者10Bは、提供されるコンテンツ情報に注目することが想定される。そうすると、利用者10Aがバス200に乗車する際に、利用者10Bが利用者10Aに注目してしまうことを抑制することが可能となる。これにより、利用者10Aがバス200の乗車時に利用者10Bに注目されることを嫌がり、バス200の利用を控えることを抑制することが可能となる。その結果、利用者10Aによるバス200の利用を促進することができる。
【0060】
<第2実施形態>
第1実施形態においては、バス200におけるディスプレイ210に特定情報が表示される。一方、本実施形態においては、特定情報が特定バス停に設けられたサイネージ220に表示される。つまり、本実施形態においては、管理サーバ300がサイネージ220を介して特定情報を出力する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0061】
(システムの概略)
本実施形態における運行システム2について、図9および図10に基づいて説明する。図9は、本実施形態に係る運行システム2の概略構成を示す図である。本実施形態における運行システム2は、利用者端末100、バス200、サイネージ220、および管理サーバ300を含んで構成される。運行システム2においては、利用者端末100、バス200、サイネージ220および管理サーバ300がネットワークN1によって相互に接続される。
【0062】
(サイネージ)
サイネージ220は、バス停に設けられたサイネージである。サイネージ220は、バス停においてバス200の到着を待っている利用者10に対して情報を表示する。図10は、本実施形態におけるバス200の運行の状況を示す図である。図10に示すように、バス200には、利用者10Aと利用者10Bとが搭乗している。バス200は、利用者10Aがバス200から降車するバス停(以下、「特定バス停」と称する場合がある。)に向けて走行している。特定バス停には、利用者10Bがバス200への乗車のためにバス200の到着を待っている。
【0063】
図10に示すように、サイネージ220は、特定バス停に設置されている。つまり、本実施形態においては、第1実施形態におけるディスプレイ210の代わりに、サイネージ220に特定情報が表示される。つまり、本実施形態においては、利用者10Aが降車する特定バス停におけるサイネージ220によって、利用者10Bに対して特定情報が表示される。
【0064】
管理サーバ300における制御部301は、バス200が特定バス停に到着する時刻の所定の時間前からバス200が特定バス停に到着する間に、サイネージ220に特定情報を表示させる。具体的には、制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、利用者10Aがバス200から降車する予定の特定バス停を特定する。制御部301は、運行情報DB304に保持されている運行情報から、バス200が特定バス停に到着する時刻を取得する。制御部301は、バス200が特定バス停に到着する時刻の所定の時間前の時刻から、バス200が特定バス停に到着する時刻までの期間を、表示期間として決定する。そして、制御部301は、表示期間を含む指示情報をサイネージ220に送信する。
【0065】
サイネージ220は、管理サーバ300から受信した指示情報に基づいて、表示期間中に特定情報を表示させる。これにより、特定バス停における利用者10Bは、特定バス停に到着する前に、利用者10Aが特定バス停においてバス200から降車してくることを把握することができる。そうすると、特定バス停における利用者10Bが乗降口の周囲を空ける等の対応をすることによって、利用者10Aがスムースにバス200から降車することができる。その結果、利用者10Aがバス200から降車を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。
【0066】
また、本実施形態おいては、利用者10Aは、バス200に搭乗している。一方、表示期間が設定されているため、バス200が特定バス停に到着すると、サイネージ220における特定情報の表示が終了される。そのため、利用者10Aは、サイネージ220が、利用者10Aのために乗降口の周囲を空けることを依頼する特定表示を行っていることを視認することなく、バス200から降車する。そうすると、利用者10Aは利用者10Bに対して特定情報が行われたことを把握することなく、バス200から降車することができる。その結果、利用者10Aは他の利用者10Bに気兼ねすることなくバス200から降車することができる。
【0067】
以上説明した通り、本実施形態における運行システム2において、サイネージ220に特定情報が表示される。これにより、利用者10Aがバス200から降車を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。また、利用者10Aは他の利用者10Bに気兼ねすることなくバス200から降車することができる。その結果、利用者10Aによるバスの利用を促進することが可能となる。
【0068】
(第2実施形態の変形例1)
第1実施形態の変形例3と同様に、本実施形態においても、特定期間の表示を含む特定情報をサイネージ220に表示させてもよい。つまり、利用者10Aがバス200から降車する場合においても、バス200が特定バス停に停車する期間を含む特定情報をサイネージ220に表示させてもよい。
【0069】
具体的には、管理サーバ300は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、特定バス停において降車する利用者10Aの人数を取得する。管理サーバ300は、一または複数の利用者10Aが200から降車するのにかかる時間に基づいて、バス200が特定バス停に停車する時間を算出する。そして、管理サーバ300は、バス200が特定バス停に停車する時間を含む指示情報をバス200に送信する。このようにしても、利用者10Bが苛立った状況のバス200に利用者10Aが乗車することを抑制することができ、利用者10Aによるバス200の利用を促進することができる。
【0070】
(第2実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例4と同様に、本実施形態においても、管理サーバ300はコンテンツ情報をバス200に送信してもよい。つまり、管理サーバ300は、利用者10Aがバス200から降車する場合においても、コンテンツ情報をバス200に送信してもよい。
【0071】
利用者10Aがバス200から降車する場合にコンテンツ情報がバス200に送信されることによって、利用者10Aがバス200から降車する際にも、利用者10Bが利用者10Aに注目することを抑制することが可能となる。その結果、利用者10Aによるバス200の利用を促進することができる。
【0072】
<第3実施形態>
第1実施形態においては、管理サーバ300は、バス200におけるディスプレイ210に特定情報を表示させる。また、第2実施形態においては、管理サーバ300は、サイネージ220に特定情報を表示させる。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、ディスプレイ210またはサイネージ220に特定情報を表示させなくてもよい。本実施形態においては、管理サーバ300は、バス200に搭乗している利用者10Bの利用者端末100に特定情報を表示させる。
【0073】
管理サーバ300における制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、利用者10Bの乗車地点と降車地点とを取得する。制御部301は、利用者10Bの乗車地点および降車地点に基づいて、利用者10Bがバス200に搭乗している区間を特定する。制御部301は、利用者10Bがバス200に搭乗している区間と、運行情報DB304に保持されている運行情報とに基づいて、利用者10Bのバス200に乗車する時刻とバス200から降車する時刻とを特定する。
【0074】
制御部301は、利用者10Bのバス200に乗車する時刻とバス200から降車する時刻とに基づいて、バス200が特定バス停に到着する時刻の所定の時間前の時刻(以下
、「表示時刻」と称する場合がある。)に、利用者10Bがバス200に搭乗しているか否かを判別する。このようにして、制御部301は、表示時刻にバス200に搭乗している利用者10Bを特定する。そして、管理サーバ300は、表示時刻にバス200に搭乗している利用者10B(以下、「対象利用者10B」と称する場合がある。)の利用者端末100に表示情報を送信する。ここで、表示情報は、対象利用者10Bの利用者端末100に、利用者10Aのために乗降口の周囲を空けることを依頼する特定情報を表示させるための情報である。このようにして、管理サーバ300は、表示時刻に対象利用者10Bに特定情報を表示させる。
【0075】
(送信処理)
次に、本実施形態における送信処理について、図11に基づいて説明する。図11は、送信処理のフローチャートである。送信処理は、対象利用者10Bの利用者端末100に表示情報を送信するための処理である。送信処理は、所定の間隔で繰り返し実行される。なお、送信処理におけるS101からS103の処理は、第1実施形態における指示処理と同様の処理のため、説明を省略する。
【0076】
送信処理におけるS201において、S103において取得された運行情報に基づいて、表示時刻が決定される。次に、S202において、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、対象利用者10Bが特定される。次に、S203において、対象利用者10Bの利用者端末100に表示情報が送信される。ここで、制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報における端末情報フィールドに入力されている、利用者端末100への情報の送信先に関する情報に基づいて、対象利用者10Bの利用者端末100に表示情報を送信する。そうすると、表示情報を受信した利用者端末100は、特定情報を表示させる。そして、表示処理は一旦終了される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態における運行システム1において、対象利用者10Bの利用者端末100に表示情報が表示時刻に表示される。これにより、対象利用者10Bは、特定バス停において利用者10Aがバス200に乗車することを把握することができる。その結果、利用者10Aがバス200への乗車を行う際に煩わしさを感じることが抑制される。また、利用者10Aは他の利用者10Bに気兼ねすることなくバス200に乗車することができる。そのため、利用者10Aによるバスの利用を促進することが可能となる。
【0078】
(第3実施形態の変形例1)
本実施形態においては、管理サーバ300は、バス200に搭乗している利用者10Bの利用者端末100に表示情報を送信する。一方、本変形例においては、管理サーバ300は、利用者10Aが降車する予定の特定バス停においてバス200の到着を待っている利用者10Bの利用者端末100に表示情報を送信する。
【0079】
管理サーバ300は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、利用者10Bの乗車地点を取得する。管理サーバ300は、利用者10Bの乗車地点が特定バス停である場合、該利用者10Bを対象利用者10Bとして特定する。そして、管理サーバ300は、対象利用者10Bの利用者端末100に表示情報を送信する。このようにしても、利用者10Aによるバスの利用を促進することが可能となる。
【0080】
<第4実施形態>
本実施形態においては、管理サーバ300は、バス200が、バス200の床面に埋め込まれた床面表示装置230に特定情報を表示させる。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0081】
図12は、本実施形態におけるバス200の内部の一例を示す図である。図12はバス200の内部を上方から見た図である。図12に示すように、バス200は床面に埋め込まれた床面表示装置230を含んでいる。また、図12に示すように、バス200の乗降口の前には第2範囲が設定されている。第2範囲は、利用者10Aの乗車時に利用者10Bが第2範囲内に存在していると障害となる虞のある範囲として設定されている。
【0082】
管理サーバ300が表示期間を含む指示情報をバス200に送信すると、指示情報を受信したバス200は床面表示装置230に特定情報を表示させる。本実施形態において、特定情報は、第2範囲内に利用者10Bが進入しないようにするための情報である。具体的には、床面表示装置230は、特定情報の表示として、床面における第2範囲を光らせる。これにより、特定情報の表示によって、第2範囲内に進入してはいけないことを利用者10Bに気づかせることができる。このように、床面表示装置230が特定情報を表示することで、バス200の乗車時に利用者10Bが第2範囲内に存在することが抑制され、利用者10Aがスムースにバス200に乗車することが可能となる。その結果、利用者10Aによるバス200の利用を促進することが可能となる。
【0083】
本実施形態においては、表示期間は、利用者10Aがバス200の到着を待っている特定バス停にバス200が到着する所定の時間前の時刻から、バス200が特定バス停を発車する時刻までの期間として決定されてもよい。このようにすることで、利用者10Aがバス200に乗車している間に、利用者10Bが第2範囲内に進入してしまうことを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態においては、管理サーバ300は、利用者10Aがバス200への乗車のためにバス200の到着を待っている特定バス停に向けて走行している場合に、床面表示装置230に特定情報を表示させる。しかしながら、必ずしも、管理サーバ300は、利用者10Aがバス200への乗車のためにバス200の到着を待っている特定バス停に向けて走行している場合に、床面表示装置230に特定情報を表示させなくてもよい。管理サーバ300は、利用者10Aが降車する特定バス停に向けて走行している場合にも、床面表示装置230に特定情報を表示させてもよい。このようにしても、利用者10Aによるバス200の利用を促進することが可能となる。
【0085】
<第5実施形態>
本実施形態においては、バス200は、利用者10Aが使用する車椅子を停めるための複数のスペース(以下、「車椅子スペース」と称する場合がある。)を含んでいる。この場合において、複数の利用者10Aがバス200に搭乗する場合には、各利用者10Aに対して使用する車椅子スペースを決定する必要がある。そこで、管理サーバ300は、複数の利用者10Aがバス200に搭乗する場合に、複数の車椅子スペースの中から、複数の利用者10Aそれぞれが車椅子を停める車椅子スペースを決定する。
【0086】
図13は、バス200の内部の一例を示す図である。図13に示すように、バス200は、複数の車椅子スペースを有している。図13に示す例においては、乗降口から近い順に、車椅子スペースA、車椅子スペースB、および車椅子スペースCを有している。
【0087】
制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、バス200に複数の利用者10Aが搭乗するか否かを判別する。具体的には、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、複数の利用者10Aが共通の利用区間を有しているか否かを判別する。
【0088】
制御部301は、バス200に複数の利用者10Aが搭乗すると判定した場合に、各利用者10Aがバス200に乗車する際にバス200に搭乗している利用者10(利用者1
0B)の人数、および各利用者10Aがバス200から降車する際にバス200に搭乗している利用者10Bの人数とを取得する。具体的には、制御部301は、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、各利用者10Aの乗車時と降車時それぞれにおいて、バス200に搭乗している利用者10Bの人数を取得する。そして、制御部301は、各利用者10Aがバス200に乗車する際のバス200に搭乗している利用者10Bの人数、および各利用者10Aがバス200から降車する際のバス200に搭乗している利用者10Bの人数との和を特定人数として算出する。
【0089】
このとき、特定人数が多ければ多いほど、利用者10Aがバス200に乗車する際にバス200内に存在する利用者10Bの人数と、利用者10Aがバス200から降車する際にバス200内に存在する利用者10Bの人数とが多くなる。そうすると、特定人数が多ければ多いほど、利用者10Aがバス200の乗降を行う際に、影響をうける利用者10Bの人数が多くなることが想定される。そこで、制御部301は、複数の利用者10Aがバス200に搭乗する場合に、各利用者10Aについての特定人数に基づいて、複数の車椅子スペースの中から、複数の利用者10Aそれぞれが車椅子を停める車椅子スペースを決定する。
【0090】
具体的に、制御部301は、利用者10Aの特定人数が多ければ多いほど、バス200において乗降口に近い車椅子スペースを該利用者10Aが車椅子を停車させる車椅子スペースとして決定する。図13に示す例において、3人の利用者10Aがバス200に搭乗する場合を想定する。この場合において、制御部301は、特定人数が最も多い利用者10Aの車椅子スペースを車椅子スペースAに決定する。また、制御部301は、特定人数が最も少ない利用者10Aの車椅子スペースを車椅子スペースCに決定する。
【0091】
そうすると、特定人数が最も多い利用者10Aは、乗降口に最も近い車椅子スペースAを利用する。そのため、車椅子スペースAを利用しているため、利用者10Aの乗降の影響を受ける利用者10Bの人数を、該利用者10Aが車椅子スペースBまたはCを利用するよりも少なくすることが可能となる。また、特定人数が最も少ない利用者10Aは、乗降口から最も遠い車椅子スペースCを利用する。そのため、特定人数が最も少ない利用者10Aが車椅子スペースCを使用することで、特定人数がより多い利用者10Aが車椅子スペースCを利用した場合よりも、利用者10Bに対する影響を抑制することができる。なお、制御部301が、バス200における利用者10Bの人数(混み具合)と、各利用者10Aの利用区間に基づいて、複数の利用者10Aそれぞれの車椅子スペースを決定する方法として、公知の方法を採用することができる。
【0092】
(決定処理)
次に、本実施形態における送信処理について、図14に基づいて説明する。図14は、決定処理のフローチャートである。決定処理は、複数の利用者10Aそれぞれの車椅子スペースを決定する処理である。決定処理は、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0093】
決定処理においては、まずS301において、利用者情報が取得される。次に、S302において、X200に複数の利用者10Aが搭乗する予定であるか否かを判別する。S302において否定判定がされた場合、少なくとも1人の利用者10AがX200に搭乗する。そのため、少なくとも1人の利用者10AがX200に搭乗する場合には、車椅子スペースを決定する必要がない。図13に示す例においては、少なくとも1人の利用者10Aは車椅子スペースAを使用する。そして、決定処理は一旦終了される。
【0094】
S302において肯定判定がされた場合、利用者情報DB303に保持されている利用者情報に基づいて、各利用者10Aについての特定人数が算出される。次に、S304において、特定人数に基づいて各利用者10A車椅子スペースが決定される。そして、決定
処理は一旦終了される。
【0095】
このように、特定人数に基づいて車椅子スペースを決定することにより、利用者10Aがバス200への乗降を行う際に影響を受ける利用者10Bの人数を抑制することが可能となる。そうすると、利用者10Aは、スムースにバス200の乗降ができるため、利用者10Aによるバス200の利用を促進することが可能となる。
【0096】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0097】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0098】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0099】
1・・運行システム
2・・運行システム
10・・利用者
100・・利用者端末
200・・バス
210・・ディスプレイ
211・・カメラ
220・・サイネージ
230・・床面表示装置
300・・管理サーバ
301・・制御部
302・・通信部
303・・利用者情報DB
304・・運行情報DB
図1
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