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特開2023-180802出力用文書又は出力用画像の審査を支援するための情報処理装置、方法、プログラム、及び情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180802
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】出力用文書又は出力用画像の審査を支援するための情報処理装置、方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094401
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 克彦
(72)【発明者】
【氏名】堀田 基貴
(72)【発明者】
【氏名】森谷 武司
(72)【発明者】
【氏名】林 なぎさ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】出力用文書又は出力用画像の審査業務を省力化することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、出力用文書の審査を支援するための情報処理装置であって、入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定し、要素領域の各々において、該認識した文字列が出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定し、要素領域の各々において、該認識した文字列が出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定し、原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した領域又は規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した領域が明示された出力用文書を含む確認用画面を表示装置に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力用文書の審査を支援するための情報処理装置であって、
出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する記憶部と、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定部と、
前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記確認用画面内に、要素領域の各々に対する前記原稿判定部又は前記規則判定部の判定結果を示す判定結果表示領域を表示するように制御し、
前記判定結果表示領域は、前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域に対応付けられた確認用オブジェクトを含み、
前記確認用オブジェクトの各々は、該確認用オブジェクトを確認したか否かを示すチェック入力オブジェクトを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、ユーザ入力に応じて、前記確認用画面内に、前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用文書と前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書とを切り替えて表示するように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記原稿データは、各々が出力される内容に応じた文字列を含む複数の要素原稿データを含み、
前記原稿判定部は、要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記複数の要素原稿データのいずれか1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定し、
前記表示制御部は、前記確認用画面内に、前記原稿判定部が一致すると判定した文字の領域及び前記原稿判定部が一致しないと判定した文字の領域に対して異なる色又は模様で塗りつぶした出力用文書を表示するように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記規則データが定める所定条件は、前記認識部が認識した文字列が所定の禁止文言を含まないこと、前記認識部が認識した文字列が所定の誤字を含まないこと、前記認識部が認識した文字列が所定の必須文言を含むこと、及び前記認識部が認識した特定の文字が所定の形式で表示されることの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置はサーバであり、
前記表示制御部は、前記確認用画面をクライアント端末の表示装置に表示するように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は第2の記憶部であり、前記認識部は第2の認識部であり、前記原稿判定部は第2の原稿判定部であり、前記規則判定部は第2の規則判定部であり、前記表示制御部は第2の表示制御部であり、
前記情報処理装置は、前記第2の記憶部、前記第2の認識部、前記第2の原稿判定部、前記第2の規則判定部、及び前記第2の表示制御部を備える第2の情報処理部と、第1の情報処理部と、を備え、
前記第1の情報処理部は、
出力用画像を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用画像に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する第1の記憶部と、
入力を受け付けた出力用画像に含まれる文字列と非文字オブジェクトとを認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する第1の認識部と、
要素領域の各々において、前記第1の認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する第1の原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記第1の認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する第1の規則判定部と、
前記第1の原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記第1の規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する第1の表示制御部と、
を備え、
前記情報処理装置は、出力用画像又は出力用文書の選択情報を取得する取得部を更に備え、前記取得部から取得した選択情報に基づき、前記第1の情報処理部又は前記第2の情報処理部が出力用画像又は出力用文書の審査を支援するための処理を実行する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータにより実行される出力用文書の審査を支援するための方法であって、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識ステップと、
要素領域の各々において、前記認識ステップにおいて認識した文字列の各文字が、出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定ステップと、
要素領域の各々において、前記認識ステップにおいて認識した文字列が、出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定ステップと、
前記原稿判定ステップが前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定ステップが前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する表示制御ステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
情報処理装置及びユーザ端末を含む、出力用文書の審査を支援するための情報処理システムであって、
出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する記憶部と、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定部と、
前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面をユーザ端末の表示装置に表示するように制御する表示制御部と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力用文書又は出力用画像の審査を支援するための情報処理装置、方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告、商品ラベルやパッケージなどを作成する際に用いられる様々な出力用画像(例えば印刷用画像)や出力用文書(例えば印刷用文書)を出力する(例えば印刷する)前には、当該出力用画像や出力用文書に対して、校正、校閲などの審査業務を行っている。審査業務は、出力用画像や出力用文書を生成する基となる原稿と比較する原稿比較審査、或いは対象の業界や組織に特有の禁止文言や必須文言をチェックするレギュレーション審査などである。審査業務においては、文字認識可能なアプリケーションを用いて抽出した文字を用いるものの、人間の目で確認を行うことが多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-67159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な分野で業務自動化が進められている。例えば特許文献1は、英語のスペルミスをチェックする答案採点の自動化に関する技術であって、原稿画像から取得される文章を校閲してその結果及び正解を当該文書に示した画像を簡単に作成可能にする技術を開示している。
【0005】
このような状況において、出力用画像や出力用文書の審査業務は、原稿比較審査やレギュレーション審査などの複数の審査に複数の人間が関与するものであり、省力化を実現するのが難しかった。本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、出力用文書又は出力用画像の審査業務を省力化することが可能な情報処理装置等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本発明の一実施形態の情報処理装置は、
出力用文書の審査を支援するための情報処理装置であって、
出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する記憶部と、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定部と、
前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する表示制御部と、
を備える情報処理装置である。
【0007】
〔2〕本発明の一実施形態では、
前記表示制御部は、前記確認用画面内に、要素領域の各々に対する前記原稿判定部又は前記規則判定部の判定結果を示す判定結果表示領域を表示するように制御し、
前記判定結果表示領域は、前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域に対応付けられた確認用オブジェクトを含み、
前記確認用オブジェクトの各々は、該確認用オブジェクトを確認したか否かを示すチェック入力オブジェクトを含む、
〔1〕に記載の情報処理装置である。
【0008】
〔3〕本発明の一実施形態では、
前記表示制御部は、ユーザ入力に応じて、前記確認用画面内に、前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用文書と前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書とを切り替えて表示するように制御する、
〔1〕又は〔2〕に記載の情報処理装置である。
【0009】
〔4〕本発明の一実施形態では、
前記原稿データは、各々が出力される内容に応じた文字列を含む複数の要素原稿データを含み、
前記原稿判定部は、要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記複数の要素原稿データのいずれか1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定し、
前記表示制御部は、前記確認用画面内に、前記原稿判定部が一致すると判定した文字の領域及び前記原稿判定部が一致しないと判定した文字の領域に対して異なる色又は模様で塗りつぶした出力用文書を表示するように制御する、
〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の情報処理装置である。
【0010】
〔5〕本発明の一実施形態では、
前記規則データが定める所定条件は、前記認識部が認識した文字列が所定の禁止文言を含まないこと、前記認識部が認識した文字列が所定の誤字を含まないこと、前記認識部が認識した文字列が所定の必須文言を含むこと、及び前記認識部が認識した特定の文字が所定の形式で表示されることの少なくとも1つを含む、
〔1〕から〔4〕のいずれか1つに記載の情報処理装置である。
【0011】
〔6〕本発明の一実施形態では、
前記情報処理装置はサーバであり、
前記表示制御部は、前記確認用画面をクライアント端末の表示装置に表示するように制御する、
〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の情報処理装置である。
【0012】
〔7〕本発明の一実施形態では、
前記記憶部は第2の記憶部であり、前記認識部は第2の認識部であり、前記原稿判定部は第2の原稿判定部であり、前記規則判定部は第2の規則判定部であり、前記表示制御部は第2の表示制御部であり、
前記情報処理装置は、前記第2の記憶部、前記第2の認識部、前記第2の原稿判定部、前記第2の規則判定部、及び前記第2の表示制御部を備える第2の情報処理部と、第1の情報処理部と、を備え、
前記第1の情報処理部は、
出力用画像を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用画像に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する第1の記憶部と、
入力を受け付けた出力用画像に含まれる文字列と非文字オブジェクトとを認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する第1の認識部と、
要素領域の各々において、前記第1の認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する第1の原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記第1の認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する第1の規則判定部と、
前記第1の原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記第1の規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する第1の表示制御部と、
を備え、
前記情報処理装置は、出力用画像又は出力用文書の選択情報を取得する取得部を更に備え、前記取得部から取得した選択情報に基づき、前記第1の情報処理部又は前記第2の情報処理部が出力用画像又は出力用文書の審査を支援するための処理を実行する、
〔1〕から〔6〕のいずれか1つに記載の情報処理装置である。
【0013】
本発明の一実施形態の方法は、
コンピュータにより実行される出力用文書の審査を支援するための方法であって、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識ステップと、
要素領域の各々において、前記認識ステップにおいて認識した文字列の各文字が、出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定ステップと、
要素領域の各々において、前記認識ステップにおいて認識した文字列が、出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定ステップと、
前記原稿判定ステップが前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定ステップが前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面を表示装置に表示するように制御する表示制御ステップと、
を含む方法である。
【0014】
本発明の一実施形態のプログラムは、上記の方法の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明の一実施形態の情報処理システムは、
情報処理装置及びユーザ端末を含む、出力用文書の審査を支援するための情報処理システムであって、
出力用文書を生成する基となる文字列を含む原稿データ及び出力用文書に含まれる文字列をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する記憶部と、
入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する認識部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列の各文字が前記原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する原稿判定部と、
要素領域の各々において、前記認識部が認識した文字列が前記規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する規則判定部と、
前記原稿判定部が前記原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は前記規則判定部が前記規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書を含む確認用画面をユーザ端末の表示装置に表示するように制御する表示制御部と、
を備える、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、出力用文書又は出力用画像の審査業務を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態のユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態の情報処理装置の機能ブロック図である。
図5】出力用画像が印刷された印刷対象物の一例を示す図である。
図6図5に示す出力用画像の一例を示す図である。
図7】原稿データの一部の一例を示す図である。
図8a】要素原稿データに対応する要素領域の一例を示す図である。
図8b】要素原稿データに対応する要素領域の一例を示す図である。
図9】規則データの一部の一例を示す図である。
図10】出力用画像の一例を示す図である。
図11図10の出力用画像における認識部が認識した文字列を含む要素領域と文字列を含まない要素領域の一例を示す図である。
図12】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図13】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図14】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図15】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図16】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図17】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図18】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図19】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図20】表示制御部が表示装置に表示させる確認用画面の一例を示す図である。
図21】本発明の第1の実施形態の情報処理装置において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
図22】出力用文書の一例を示す図である。
図23図22の出力用文書における認識部が認識した文字列を含む要素領域の一例を示す図である。
図24】本発明の第2の実施形態の情報処理装置において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
図25】本発明の第3の実施形態の情報処理装置において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
図26】本発明の第4の実施形態の情報処理装置において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は、情報処理装置10又は情報処理装置10を含む情報処理システム1により実現される。各図において同一の符号は、特に言及が無い限り同一又は相当部分を示すものとし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。本発明の実施形態で説明するデータベースにおけるデータ構造やデータベース構造は一例であって、これらに限定されない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システム1の全体構成図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、1又は複数のユーザ端末30とを含み、これらはインターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。情報処理装置10は、一般的なサーバと同様の構成を含むことができる。1つの例では、情報処理装置10は、公知のサーバコンピュータである。情報処理装置10は、複数の装置を含んで構成されてもよい。情報処理装置10は、仮想マシン又はクラウドシステムにより実現されてもよいし、1つの装置により実現されてもよい。本実施形態では、説明の便宜上、情報処理装置10は、1つの装置により実現されるものとして説明する。ユーザ端末30は、出力用文書又は出力用画像の審査を支援するためのサービスを利用するユーザが使用するコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機などとすることができる。
【0020】
図2は本発明の一実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、プロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。
【0021】
プロセッサ11は、情報処理装置10全体の動作を制御する。例えばプロセッサ11は、CPUである。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成されてもよい。
【0022】
入力装置12は、情報処理装置10に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。表示装置13は、プロセッサ11の制御に従って、アプリケーション画面などを情報処理装置10のユーザに表示するディスプレイである。
【0023】
記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えばRAMのような半導体メモリである。RAMは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。主記憶装置は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であるROMを含んでいてもよい。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。
【0024】
通信装置15は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うものであり、例えば無線LANモジュールである。通信装置15は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの他の無線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできるし、イーサネット(登録商標)モジュールやUSBインタフェースなどの有線通信用のデバイスやモジュールなどとすることもできる。
【0025】
図3は本発明の一実施形態のユーザ端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末30は、プロセッサ31、入力装置32、表示装置33、記憶装置34、及び通信装置35を備える。これらの各構成装置はバス36によって接続される。なお、バス36と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。プロセッサ31、入力装置32、表示装置33、記憶装置34、及び通信装置35の各要素は、前述したプロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15に各々対応するものであり、同様の構成を有するため、説明は省略する。
【0026】
[第1の実施形態]
第1の実施形態の情報処理装置10は、出力用画像の審査を支援するための装置であり、ユーザ端末30に対してサービスを提供するサーバである。第1の実施形態の情報処理システム1は、第1の実施形態の情報処理装置10を含む。出力用画像は、任意の媒体に出力するための画像とすることができ、例えば印刷用画像である。出力用画像は、画像データや画像ファイルを示すこともできるし、これにより表示される画像そのものを示すこともできる。例えば出力用画像(出力用画像データ)は、JPEGやPINGなどの既知の画像データである。
【0027】
本実施形態では、情報処理装置10は、ユーザ端末30を介して、対象となる出力用画像の入力(送信)を受け付ける。
【0028】
図4は本発明の第1の実施形態の情報処理装置10の機能ブロック図である。情報処理装置10は、記憶部21、認識部22、原稿判定部23、規則判定部24、及び表示制御部25を備える。本実施形態においては、プログラムがプロセッサ11により実行されることにより又は記憶装置14によりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14に記憶されている又は通信装置15を介して受信したプログラムである。プログラム読み込みにより実現される機能は、1つのパート(機能ブロック)の一部又は全部の機能を他のパートが有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0029】
記憶部21は、プログラムやデータなどを記憶する機能を備える。記憶部21の当該機能は、記憶装置14により実現される。本実施形態では、記憶部21は、データベース機能を備える。データベース機能は、記憶装置14が各種データベース用のデータ(例えばテーブル)やプログラムを記憶し、プログラムが実行されることにより実現される。
【0030】
記憶部21は、ユーザ端末30を介して受け取った出力用画像を記憶する。記憶部21は、出力用画像を生成する基となる文字列(文字)を含む原稿データ及び出力用画像に含まれる文字列(文字)をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する。本実施形態では、文字列は、1文字も含む概念である。ここで出力用画像は、広告、商品ラベルやパッケージなどを作成する際に用いられる出力用画像であり、例えばパッケージ画像である。例えば出力用画像は、広告、商品ラベルやパッケージなどの印刷対象物(例えば紙媒体)への印刷用画像である。出力用画像は、あるデータを基に出力される画像を意味するものであって、電子媒体への出力用画像であってもよいし、審査を必要とするWeb画像や電子契約書(画像)であってもよい。
【0031】
図5は、出力用画像40が印刷された印刷対象物の一例を示す図である。出力用画像40は、ペットボトルに包装された広告ラベルに印刷された画像である。図6は、図5に示す出力用画像40の一例を示す図である。出力用画像40は、商品に関連するデザイン、イラストや文言が印刷される領域41、商品情報や会社情報が印刷される領域42、栄養成分表示が印刷される領域43、資源関連のロゴが印刷される領域44、商品関連のロゴが印刷される領域45、商品が属する業界共通の文言やデザインが印刷される領域46、商品識別用コードが印刷される領域47、及び印刷対象物を接着するための領域48を含む。このように、出力用画像40は、複数の要素領域(41a,41b,42a,42b,42c,43a,43b,44a,44b,44c,45,46a,46b,46c,47,48)から構成される。要素領域は、出力用画像を構成する単位領域であり、例えばある情報を伝えるための最小単位の領域である。例えば、複数の要素領域の各領域は、文字列及び色のみを含む領域、文字列並びに所定の画像若しくはイラストのみを含む領域、又は所定の画像若しくはイラストのみを含む領域のいずれかである。
【0032】
出力用画像は、文字列のデータを含む原稿データに基づいて生成される。例えば、情報処理装置10は、ユーザ端末30からユーザにより作成された原稿データを受け取り、記憶部21に記憶する。図7は、原稿データの一部の一例を示す図である。図7に示すシーケンス番号1~6とシーケンス番号7~11の各々は、要素原稿データであり、図7は、2つの要素原稿データを示すものである。要素原稿データは、1つの要素領域が含む文字列のデータである。図8は、要素原稿データに対応する要素領域の一例を示す図である。図8aが示す出力用画像の要素領域は、商品情報や会社情報が印刷される領域であり、図7に示すシーケンス番号1~6の要素原稿データに対応する。図8bが示す出力用画像の要素領域は、栄養成分表示が印刷される領域であり、図7に示すシーケンス番号7~11の要素原稿データに対応する。なお、本実施形態では、情報処理装置10は、ユーザにより作成された原稿データを記憶して利用する。ユーザにより作成されたデータが任意のフォーマットであった場合、情報処理装置10は、図7に示すような所定のフォーマットに予め変換された原稿データを記憶部21に記憶する。
【0033】
認識部22は、入力を受け付けた出力用画像に含まれる文字列と非文字オブジェクトとを認識し、該出力用画像内の複数の要素領域を決定する。複数の要素領域の各々は、認識された文字列を含む。認識部22は、既知の文字認識機能と画像認識機能を備えることができる。非文字オブジェクトは、写真画像、絵柄、又は図形である。なお、認識部22は、文字列を含まない領域であっても、予め定められた所定の非文字オブジェクトを含む領域を1つの要素領域として決定することができる。要素領域の定義は、認識部22の設定により変更することができる。
【0034】
1つの例では、認識部22は、文字を認識するとともに所定の非文字オブジェクトを認識し、文字や非文字オブジェクトの配置から複数の要素領域を認識し、各要素領域を決定する。1つの例では、認識部22は、出力用画像内の座標を用いて各要素領域を認識し、各要素領域を領域IDに関連付けて識別可能に記憶部21に記憶する。1つの例では、認識部22は、認識した文字を、該文字を含む要素領域に関連付けて記憶部21に記憶する。この場合、認識部22は、認識した非文字オブジェクトを、該非文字オブジェクトを含む要素領域に関連付けて記憶部21に記憶することもできる。1つの例では、認識部22は、文字を認識するとき、各文字の位置情報を記憶部21に記憶する。この場合、認識部22は、非文字オブジェクトを認識するとき、文字と同様にして非文字オブジェクトの位置情報を記憶することもできる。位置情報は、例えば出力用画像内の座標により表される。認識部22が要素領域や文字などの対象の位置情報を記憶する場合、認識した対象の所定位置(例えば中心や左上端)と対象の大きさを用いた位置情報を記憶してもよいし、認識した対象の占める範囲を示す位置情報を記憶してもよい。
【0035】
1つの例では、認識部22は、画像特徴量のパターンに基づく画像認識又はOCRのようなレイアウト解析に基づく画像認識を用いて実現することができる。
【0036】
原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列の各文字が原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する。本実施形態では、原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列が複数の要素原稿データのいずれか1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定する。本実施形態では、原稿判定部23は、要素領域の各々において、文字ごとに判定処理を行う。
【0037】
規則判定部24は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列が規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。規則判定部24は、要素領域の各々において、規則データの対象となる文字列(文字又は文言)ごとに判定処理を行うことができる。例えば、情報処理装置10は、作成する予定の出力用画像が用いられる分野や業界に応じて予め作成された規則データを記憶部21に記憶する。情報処理装置10は、これに加えて、又はこれに代えて、ユーザ端末30からユーザにより作成された規則データを受け取って記憶部21に記憶することもできる。情報処理装置10が、ユーザにより作成された任意のフォーマットの規則データを用いる場合、情報処理装置10は、図9に示すような所定のフォーマットに予め変換された規則データを記憶部21に記憶する。
【0038】
図9は、規則データの一部の一例を示す図である。ルールIDの各々が所定条件の1つを示す。例えばルールID1001の所定条件は、出力用画像から認識される文字列に「XX」又は「YY」が含まれる場合、当該文字列を修正する必要があることを定める。1つの例では、認識部22は、出力用画像から認識した文字列に対して自然言語処理である形態素解析・構文解析を行い、名詞・動詞・形容詞等を判定する。その結果、例えば所定条件が「[もつ]→[持つ]に修正してください」である場合、規則判定部24は、「商品をもって」「商品をもつ」「商品をもった」等の「もつ」という文字列をすべて認識し、判定処理を実行する。また1つの例では、禁止ワードとして最大級表現(「最高」「ナンバー1」「至上」等)が登録されている場合、規則判定部24は、最大級表現が商品名称にかかっているのか、その他の表現にかかっているのかなど、景品表示法の誇大表示への違反等の可否を判別し、判定処理を実行する。例えば規則判定部24は、「最高のビール」という表現に対しては誇大表示に該当すると判断して所定条件を満たさないと判定し、「ビール好きには最高の場所」という表現に対しては誇大表示に該当しないと判断して所定条件を満たすと判定する。
【0039】
1つの例では、規則データが定める所定条件は、認識部22が認識した文字列が所定の禁止文言を含まないこと、該認識した文字列が所定の誤字を含まないこと、及び該認識した文字列が必須文言を含むことの少なくとも1つを含む。所定の禁止文言や所定の必須文言は、作成する予定の出力用画像が用いられる分野や業界に基づいて予め定められるものであってもよいし、作成する予定の出力用画像ごとに予め定められるものであってもよい。所定の誤字のチェックは、予め定められる所定の誤字と比較して実行してもよいし、既知の誤字チェック用プログラムを用いて実行してもよい。例えば既知の誤字チェック用プログラムを用いる場合、1つの所定条件に当該プログラムが関連付けられ、規則判定部24は、当該プログラムを起動して誤字をチェックするように構成されてもよい。既知の誤字チェック用プログラムは、既知のプログラムにより作成された学習済みデータを用いてもよい。
【0040】
規則判定部24は、要素領域の各々において、認識部22が認識した非文字オブジェクトが規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定することもできる。例えば規則データが定める所定条件は、上記例示の代わりに、又は上記例示に加えて、認識部22が認識した画像が特定の画像を含むことができる。例えば規則データが定める所定条件は、上記例示の代わりに、又は上記例示に加えて、認識部22が認識した特定の文字又は特定の画像が所定の形式で表示されることの少なくとも1つを含むことができる。この場合、認識部22は、特定の文字又は特定の画像を、その位置及び形状とともに、認識することができる。
【0041】
表示制御部25は、原稿判定部23及び規則判定部24の判定結果に応じた画像処理又は加工が行われた出力用画像を含む確認用画面60を表示するためのデータを生成し、該確認用画面60を表示装置33又は表示装置13に表示するように制御する。ここで、表示制御部25が確認用画面60を表示装置33に表示するように制御することは、表示制御部25が確認用画面60を表示装置33に表示させることを含み、例えば表示制御部25(情報処理装置10)が確認用画面60を表示させるためのデータをユーザ端末30に送信し、表示装置33が当該画面を表示することを意味する。表示制御部25が確認用画面60を表示装置13に表示するように制御することは、表示制御部25(情報処理装置10)が確認用画面60を表示装置13に表示することである。表示制御部25は、確認用画面60を表示装置33及び表示装置13に表示するように制御してもよい。本明細書では、説明の便宜上、表示制御部25が画面や画像を表示するとは、画面や画像を表示装置33や表示装置13に表示するように制御することを意味することができる。
【0042】
1つの例では、記憶装置14は、Webアプリケーションを記憶し、情報処理装置10は、Webアプリケーションにアクセスするユーザ端末30に対してウェブページを提供する。ユーザは、ウェブページを介して、ユーザ端末30を操作することにより、出力用画像や出力用画像を生成する基となる文字列を含む原稿データなどを情報処理装置10に送信することができ、情報処理装置10は、当該データを受け付けることができる。表示制御部25は、ウェブページを介して、確認用画面60を表示装置33に表示させる。この場合、表示制御部25は、ユーザ端末30の画面にウェブページを表示させるために必要な一般的なサーバの機能を含むことができる。
【0043】
確認用画面60は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域(文字が表示される領域)又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域(文字又は文言が表示される領域)が明示された出力用画像を含む画面である。1つの例では、表示制御部25は、ユーザ操作に応じて、確認用画面60内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用画像又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像のいずれか一方を表示する。確認用画面60は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域が明示された出力用画像を含む画面であってもよい。
【0044】
1つの例では、表示制御部25は、確認用画面60を表示するときに、当該領域を明示するための描画オブジェクトを重畳させた出力用画像を表示する。この場合、表示制御部25は、例えば記憶部21に記憶された認識部22が記憶した文字又は非文字オブジェクトの位置情報を用いて、描画オブジェクトを重畳させる。1つの例では、表示制御部25は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域については、一文字単位で判定結果を確認できるように、各文字に対して描画オブジェクトを描画する。この場合、描画オブジェクトは、各文字を囲む枠状のオブジェクトとすることもできるし、各文字を塗りつぶすオブジェクトとすることもできる。1つの例では、表示制御部25は、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域については、当該領域が確認可能な位置に描画オブジェクトを描画する。この場合、描画オブジェクトは、識別可能な番号又は文字を含むオブジェクトとすることができる。なお、表示制御部25による出力用画像に対する描画オブジェクトを重畳させる画像処理又は加工は、領域を明示するための1つの例であって、同様の効果を与える画像処理や加工などであれば、これに限定されない。
【0045】
図10は、出力用画像50の一例を示す図である。以下に、一のユーザが図10に示す出力用画像50の審査を行う場合の情報処理装置10の動作について、図11~20とともに説明する。
【0046】
情報処理装置10は、ユーザ端末30を介して、出力用画像50の入力を受け付ける。認識部22は、入力を受け付けた出力用画像50に含まれる文字列と非文字オブジェクトとを認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する。
【0047】
図11は、図10の出力用画像50における認識部22が認識した文字列を含む要素領域51と文字列を含まない要素領域52の一例を示す図である。要素領域51は、文字列のみを含む領域であるか、文字列及び非文字オブジェクトを含む領域である。要素領域52は、非文字オブジェクトのみを含む領域である。認識部22は、文字列と非文字オブジェクトを認識し、文字列を含む要素領域51を決定する。認識部22は、文字列を含まない要素領域52を決定してもよい。
【0048】
原稿判定部23は、要素領域51の各々において、認識部22が認識した文字列が複数の要素原稿データのうちの対応する1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定する。1つの例では、原稿判定部23は、1つの領域IDに関連付けられた認識部22が認識した文字列が、複数の要素原稿データのうちの対応する1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定する。原稿判定部23は、文字ごとに判定処理を行う。判定処理される文字は、要素領域51(領域ID)に関連付けられている。
【0049】
規則判定部24は、要素領域51の各々において、認識部22が認識した文字列が規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。本例示では、規則判定部24が判定する文字列は、要素領域51に関連付けられている。
【0050】
図12は、表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。確認用画面60は、判定結果表示領域70、メイン画面領域80、及びサブ画面領域90を含む。表示制御部25は、メイン画面領域80内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像50を表示する。表示制御部25は、上記の明示に加えて、又は上記の明示に代えて、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域51又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域51が明示された出力用画像50を表示することもできる。1つの例では、メイン画面領域80は、確認用画面60内の中央部分に位置する。
【0051】
判定結果表示領域70は、要素領域51の各々に対する原稿判定部23又は規則判定部24の判定結果を示す。判定結果表示領域70は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域51又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域51に対応付けられた確認用オブジェクト72を含む。判定結果表示領域70は、原稿判定部23による判定結果を表示するための「原稿比較」タブ及び規則判定部24による判定結果を表示するための「レギュレーション」タブを含むタブ領域71を含む。タブはボタンやスイッチなどでもよい。
【0052】
表示制御部25は、「原稿比較」タブが選択されている場合、判定結果表示領域70内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域51に対応付けられた確認用オブジェクト72を表示する。このとき表示制御部25は、メイン画面領域80内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用画像50を表示する。表示制御部25は、「レギュレーション」タブが選択されている場合、判定結果表示領域70内に、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域51に対応付けられた確認用オブジェクト72を表示する。このとき表示制御部25は、メイン画面領域80内に、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像50を表示する。
【0053】
表示制御部25は、「原稿比較」タブ又は「レギュレーション」タブが表示される位置へマウスのポインタを合わせてクリックするなどのユーザ入力に応じて、選択されるタブを切り替え、これに伴って、判定結果表示領域70及びメイン画面領域80の表示を切り替えて表示する。
【0054】
図12は、「原稿比較」タブが選択されている確認用画面60を示している。表示制御部25は、メイン画面領域80内に、原稿判定部23により原稿データに含まれる文字列と一致すると判定された文字の領域を示す描画オブジェクト82と、該原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定された文字の領域を示す描画オブジェクト83と、原稿判定部23により比較不可と判定された文字の領域を示す描画オブジェクト84とが描画された出力用画像50を表示する。描画オブジェクト82、83、及び84は、一文字単位で判定結果を確認できるように、各文字に対して描画される。描画オブジェクト82、83、及び84は、識別できるように、それぞれ異なる色、デザイン、又は形状を有する。例えば、描画オブジェクト82は、文字の領域を緑色の枠で覆うオブジェクトであり、描画オブジェクト83は、文字の領域を赤色の枠で覆うオブジェクトであり、描画オブジェクト84は、文字の領域を紫色の枠で覆うオブジェクトである。1つの例では、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、描画オブジェクト82、83、及び84を重畳させた出力用画像50を表示する。
【0055】
本例示では、原稿判定部23は、認識部22が認識した文字列が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した場合において、比較対象の要素原稿データが無い場合、比較不可と判定された文字と判定する。ただし、比較不可と判定される文字は、原稿データに含まれる文字と一致しないと判定される文字でもあるとすることができるため、原稿判定部23は、比較不可の判定を行わず、表示制御部25は、描画オブジェクト82及び83のみを表示するように構成されてもよい。
【0056】
表示制御部25は、メイン画面領域80内に、表示設定を変更するための設定用オブジェクト81を表示する。1つの例では、設定用オブジェクト81は、出力用画像50に対する判定結果に応じた画像加工の前後を切り替える第1のスイッチ、画像加工内容を切り替える第2のスイッチ、及びサブ画面領域90の表示有無を切り替える第3のスイッチを含む。切り替え用のスイッチは、ボタンなどでもよい。
【0057】
例えば、図12に示す確認用画面60において、ユーザ入力に応じて第1のスイッチの「AI指摘の表示」の「ON」が選択された場合、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、図10に示す出力用画像50を表示する。例えば、図12に示す確認用画面60において、ユーザ入力に応じて第2のスイッチの「AI指摘枠の塗潰し」の「ON」が選択された場合、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、描画オブジェクト82~84内の枠内を枠の色に応じた色又は模様で塗りつぶした出力用画像50を表示する。例えば、図12に示す確認用画面60において、ユーザ入力に応じて第3のスイッチの「追加指摘の表示」の「OFF」が選択された場合、表示制御部25は、サブ画面領域90を含まない確認用画面60を表示する。
【0058】
サブ画面領域90は、ユーザにより入力された追加指摘事項を示す追記事項表示領域91と、メイン画面領域80における出力用画像50の表示箇所を示すミニ画面92とを含む。
【0059】
確認用オブジェクト72の各々は、該確認用オブジェクト72を確認したか否かを示すチェック入力オブジェクトを含み、例えばチェック入力オブジェクトはチェックボックスである。確認用オブジェクト72の各々は、該確認用オブジェクト72に関連付けてコメントを受け付けるコメント入力オブジェクトを含むこともでき、例えばコメント入力オブジェクトは、コメント入力ボタンである。情報処理装置10は、確認用オブジェクト72の各々に対して、チェック入力又はコメント入力を受け付けることができるように構成される。
【0060】
図13は、図12に示す確認用画面60において、1つの確認用オブジェクト72が選択された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。表示制御部25は、選択された確認用オブジェクト72に対応する確認用フィールド73を表示するとともに、メイン画面領域80内に、該確認用オブジェクト72に対応する要素領域85にフォーカスした画面を表示する。図13に示すように、要素領域85は、原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定された文字の領域を示す描画オブジェクト83を含む。なお、図13においては、要素領域85は、原稿データに含まれる文字列と一致すると判定された文字の領域を示す描画オブジェクト82も含んでいる。表示制御部25は、確認用フィールド73内に、原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定された文字を表示し、当該判定の良否の入力を促すメッセージを表示する。表示制御部25は、ユーザ入力に応じて、当該判定の良否の入力を受け付けることができるように構成される。また表示制御部25は、ユーザ入力に応じて、当該判定に関連付けて、コメント入力を受け付けることができるように構成される。
【0061】
図14は、図12に示す確認用画面60において、ユーザ入力に応じて第2のスイッチの「AI指摘枠の塗潰し」の「ON」が選択された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60を示す図である。表示制御部25は、メイン画面領域80内に、描画オブジェクト82、83及び84内の枠内を枠の色に応じた色又は模様で塗りつぶした描画オブジェクト82a、83a、及び84aが描画された出力用画像50を表示する。1つの例では、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、描画オブジェクト82a、83a、及び84aを重畳させた出力用画像50を表示する。
【0062】
図15は、「レギュレーション」タブが選択された確認用画面60を示す。表示制御部25は、メイン画面領域80内に、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域を明示する描画オブジェクト86が描画された出力用画像50を表示する。1つの例では、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、描画オブジェクト86を重畳させた出力用画像50を表示する。表示制御部25は、判定結果表示領域70内に、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域51に対応付けられた確認用オブジェクト72を表示する。
【0063】
図16は、図15に示す確認用画面60において、1つの確認用オブジェクト72が含むコメント入力ボタンが選択された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。表示制御部25は、選択された確認用オブジェクト72に関連付けるコメントを入力させるためのコメント入力画面を表示する。
【0064】
図17は、図15に示す確認用画面60において、1つの確認用オブジェクト72が選択された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。表示制御部25は、判定結果表示領域70内に、規則データにより所定条件を満たさないと判定した内容を示す確認用オブジェクト72を表示し、該判定の良否の入力を促すメッセージオブジェクト74(例えばメッセージボックス)を該確認用オブジェクト72に紐付けるように表示する。このとき、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、該確認用オブジェクト72に対応する要素領域87にフォーカスした画面を表示する。
【0065】
図18は、図15に示す確認用画面60において、追記指摘事項91a、91bが入力された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。表示制御部25は、サブ画面領域90内に、追記指摘事項91a、91bを表示するとともに、メイン画面領域80内に、該追記指摘事項91a、91bの各々に関連付けられた追記事項表示オブジェクト88a、88bを表示する。図19は、図18に示す確認用画面60において、1つの追記指摘事項91bが選択された場合に表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。表示制御部25は、メイン画面領域80内に、追記指摘事項91bに関連付けられた追記事項表示オブジェクト88bにフォーカスした画面を表示する。
【0066】
図20は、ユーザ入力を介して、すべての確認用オブジェクト72のチェック入力オブジェクトに対してチェックが入力された場合に、表示制御部25が表示する確認用画面60の一例を示す図である。例えば、すべての確認用オブジェクト72とは、「原稿比較」タブ及び「レギュレーション」タブが選択されている場合に表示されるすべての確認用オブジェクト72である。表示制御部25は、判定結果表示領域70内に、確認済みであることを示すメッセージオブジェクト(例えばメッセージボックス)75を表示する。
【0067】
このようにして、一のユーザは、出力用画像50の審査を行うことができる。情報処理装置10は、一のユーザのチェックやコメントの入力内容を記憶装置14に記憶し、一のユーザと同様のチェック入力やコメント入力を他のユーザからも受け付けることができるように構成される。この場合、表示制御部25は、一のユーザの入力内容を確認用画面60内の入力箇所に対応する位置に表示することができるように構成される。
【0068】
なお、図12図20が示す確認用画面60は1つの例示であって、同様の機能を実現できれば、この構成に限定されない。例えば、判定結果表示領域70ではなく、メイン画面領域80又はサブ画面領域90がタブ領域71を含んでいてもよい。
【0069】
図21は、本発明の第1の実施形態の情報処理装置10において実行される情報処理を説明するフローチャートである。ここで、情報処理装置10は、審査対象の出力用画像の入力を受け付け、記憶部21は、該出力用画像を記憶するものとする。
【0070】
ステップS1で、認識部22は、入力を受け付けた出力用画像に含まれる文字列と非文字オブジェクトとを認識し、複数の要素領域を決定する。
【0071】
ステップS2で、原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列の各文字が記憶部21に記憶される原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する。ステップS3で、規則判定部24は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列が記憶部21に記憶される規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。なお、ステップS2とS3は、同時に実行されてもよいし、順番が逆でもよい。
【0072】
ステップS4で、表示制御部25は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像を含む確認用画面60を表示装置33に表示する。
【0073】
次に、本発明の第1の実施形態の情報処理装置10(情報処理システム1)の作用効果について説明する。
【0074】
従来、広告、商品ラベルやパッケージなどを作成する際に用いられる出力用画像に対する校正、校閲などの審査業務は、原稿比較審査やレギュレーション審査などの複数の審査に複数の人間、あるいは審査の内容に応じて複数の関連部門が関与するものであった。また、原稿比較審査とレギュレーション審査は、別々に行われることも多い。これらの事情により、出力用画像の審査業務の省力化を実現するのが難しかった。
【0075】
本実施形態では、認識部22が、入力を受け付けた出力用画像において複数の要素領域を決定し、原稿判定部23及び規則判定部24が、要素領域の各々において、記憶部21が記憶する原稿データ及び規則データに基づいて判定処理を実行する。表示制御部25は、ユーザ操作に応じて、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用画像又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像のいずれか一方を含む確認用画面60を表示する。
【0076】
このような構成とすることにより、原稿比較審査及びレギュレーション審査の2つの審査の一部自動化が可能となる。これにより、ユーザは情報処理装置10により出力される判定結果が良好でない箇所のみをチェックすれば良いため、出力用画像の審査業務の省力化を実現することが可能となる。また、複数のユーザが、ユーザ端末30を介して、表示制御部25により出力される判定結果を確認することが可能となるため、出力用画像の審査業務の省力化を実現することが可能となる。
【0077】
また本実施形態では、表示制御部25は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した領域については、一文字単位で判定結果を確認できるように、各文字に対して描画オブジェクトを描画するように構成できる。このような構成とすることにより、原稿判定部23による判定結果が良好でない文字をより明確に確認することが可能となる。これにより、出力用画像の審査業務を省力化することが可能となる。
【0078】
また本実施形態では、表示制御部25は、確認用画面60内に、要素領域の各々に対する原稿判定部23又は規則判定部24の判定結果を示す判定結果表示領域70を表示する。判定結果表示領域70は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域に対応付けられた確認用オブジェクト72を含む。確認用オブジェクト72の各々は、該確認オブジェクトを確認したか否かを示すチェック入力オブジェクトを含む。このとき表示制御部25は、メイン画面領域80内に、選択された確認用オブジェクト72に対応する要素領域85にフォーカスした画面を表示することができる。
【0079】
このような構成とすることにより、ユーザは確認用画面60において、確認用オブジェクト72をチェックするだけで、情報処理装置10により出力される判定結果が良好でない箇所をすべて確認することができるため、出力用画像の審査業務を省力化することが可能となる。
【0080】
また本実施形態では、表示制御部25は、ユーザ操作に応じて、確認用画面60内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用画像と規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像とを切り替えて表示する。
【0081】
このような構成とすることにより、2つの審査の判定結果が良好でない箇所を分けて把握しつつ、1つの画面で確認することが可能となる。これにより、出力用画像の審査業務を省力化することが可能となる。
【0082】
また本実施形態では、原稿データは、各々が出力される内容に応じた文字列を含む複数の要素原稿データを含む。原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列が複数の要素原稿データのいずれか1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定する。表示制御部25は、確認用画面60内に、原稿判定部23が一致すると判定した文字の領域及び原稿判定部23が一致しないと判定した文字の領域に対して異なる色又は模様で塗りつぶした出力用画像を表示する。
【0083】
このような構成とすることにより、原稿判定部23による判定結果が良好でない箇所をより明確に確認することが可能となる。これにより、出力用画像の審査業務を省力化することが可能となる。
【0084】
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や他の実施例においても同様である。
【0085】
なお、上記の第1の実施形態において説明した、記憶部21、認識部22、原稿判定部23、規則判定部24、及び表示制御部25は、他の実施形態の説明において、記憶部21A、認識部22A、原稿判定部23A、規則判定部24A、及び表示制御部25Aと表す場合がある。
【0086】
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態の情報処理装置10について説明する。以下、主に第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態と同様である点については説明を省略又は簡略する。第1の実施形態の情報処理装置10において説明した内容は、不整合が無い限り、第2の実施形態の情報処理装置10においても適用することができる。
【0087】
第2の実施形態の情報処理装置10は、出力用文書の審査を支援するための装置であり、ユーザ端末30に対してサービスを提供するサーバである。出力用文書は、文書データや文書ファイルを示すこともできるし、これにより表示される文書そのものを示すこともできる。出力用文書(出力用文書データ)は、テキスト(文字列)の情報と、そのテキストが配置される位置情報とを含み、そのテキストのフォントなどの文字の書式情報も含むことができる。出力用文書(出力用文書データ)は、例えばPDFデータであり、例えばWordなどの文書がPDFに変換されたデータである。
【0088】
説明の便宜上、本実施形態の説明においては、第1の実施形態の情報処理装置10が備える機能部を記憶部21A、認識部22A、原稿判定部23A、規則判定部24A、及び表示制御部25Aと表し、第2の実施形態の情報処理装置10が備える機能部を記憶部21B、認識部22B、原稿判定部23B、規則判定部24B、及び表示制御部25Bと表す。
【0089】
記憶部21Bは、ユーザ端末30を介して受け取った出力用文書を記憶する。記憶部21Bは、出力用文書を生成する基となる文字列(文字)を含む原稿データ及び出力用文書に含まれる文字列(文字)をチェックするための所定条件を定める規則データを記憶する。本実施形態では、文字列は、1文字も含む概念である。ここで出力用文書は、広告や商品説明書などを作成する際に用いられる出力用文書であり、例えばPDF文書である。例えば出力用文書は、広告や商品説明書などの印刷対象物(例えば紙媒体)への印刷用文書である。出力用文書は、あるデータを基に出力される文書を意味するものであって、電子媒体への出力用文書であってもよいし、審査を必要とするHtmlや電子契約書であってもよい。
【0090】
出力用文書は、出力用画像と同様に、要素領域から構成される。要素領域は、出力用文書を構成する単位領域であり、例えばある情報を伝えるための最小単位の領域である。複数の要素領域の各領域は、文字列を含む領域である。
【0091】
出力用文書は、出力用画像と同様に、文字列のデータを含む原稿データに基づいて生成される。例えば、情報処理装置10は、ユーザ端末30からユーザにより作成された原稿データを受け取り、記憶部21Bに記憶する。原稿データは、図7に示すように、1つの要素領域が含む文字列のデータである要素原稿データを含む。
【0092】
認識部22Bは、入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する。第2の実施形態の認識部22Bは、認識対象がテキスト情報(文字列の情報)及びそのテキストが配置される位置情報である点で、第1の実施形態の認識部22Aと異なる。複数の要素領域の各々は、認識された文字列を含む。認識部22Bは、既知の文字認識機能を備えることができる。文字列のブロックの単位、換言すると要素領域の定義は、認識部22Bの設定により変更することができる。
【0093】
1つの例では、認識部22Bは、文字を認識し、文字の配置から複数の要素領域を認識、各要素領域を決定する。1つの例では、認識部22Bは、出力用文書内の座標を用いて各要素領域を認識し、各要素領域を領域IDに関連付けて識別可能に記憶部21に記憶する。1つの例では、認識部22Bは、認識した文字を、該文字を含む要素領域に関連付けて記憶部21に記憶する。1つの例では、認識部22Bは、文字を認識するとき、各文字の位置情報を記憶部21に記憶する。位置情報は、例えば出力用文書内の座標により表される。1つの例では、認識部22Bは、文字を認識するとき、各文字のフォント情報を記憶部21に記憶する。認識部22Bは、各文字のフォント情報以外の文字の書式情報を記憶部21に記憶することもできる。認識部22が要素領域や文字などの対象の位置情報を記憶する場合、認識した対象の所定位置(例えば中心や左上端)と対象の大きさを用いた位置情報を記憶してもよいし、認識した対象の占める範囲を示す位置情報を記憶してもよい。
【0094】
1つの例では、認識部22Bは、テキストの情報を有するPDFデータからテキストを抽出する既知のアプリケーションや、テキストの情報を有するPDFデータからテキスト並びにそのフォント及び配置位置を抽出する既知のアプリケーションを用いて実現することができる。
【0095】
原稿判定部23Bは、原稿判定部23Aと同様である。原稿判定部23Bは、要素領域の各々において、認識部22Bが認識した文字列の各文字が原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する。本実施形態では、原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22Bが認識した文字列が複数の要素原稿データのいずれか1つの要素原稿データに含まれる文字列と一致するか否かを判定する。本実施形態では、原稿判定部23Bは、要素領域の各々において、文字ごとに判定処理を行う。
【0096】
規則判定部24Bは、規則判定部24Bが参照する規則データにより定められる所定条件が画像などの非文字オブジェクトに関する条件を含まないことに関連する点を除き、規則判定部24Aと同様である。要素領域の各々において、認識部22Bが認識した文字列が規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。規則判定部24Bは、要素領域の各々において、規則データの対象となる文字列(文字又は文言)ごとに判定処理を行うことができる。例えば、情報処理装置10は、作成する予定の出力用文書が用いられる分野や業界に応じて予め作成された規則データを記憶部21に記憶する。情報処理装置10は、これに加えて、又はこれに代えて、ユーザ端末30からユーザにより作成された規則データを受け取って記憶部21に記憶することもできる。情報処理装置10が、ユーザにより作成された任意のフォーマットの規則データを用いる場合、情報処理装置10は、図9に示すような所定のフォーマットに予め変換された規則データを記憶部21に記憶する。
【0097】
1つの例では、規則データが定める所定条件は、認識部22Bが認識した文字列が所定の禁止文言を含まないこと、該認識した文字列が所定の誤字を含まないこと、該認識した文字列が必須文言を含むこと、及び該認識した特定の文字が所定の形式(例えば所定の文字の書式)で表示されることの少なくとも1つを含む。所定の禁止文言や所定の必須文言は、作成する予定の出力用文書が用いられる分野や業界に基づいて予め定められるものであってもよいし、作成する予定の出力用文書ごとに予め定められるものであってもよい。所定の誤字のチェックは、予め定められる所定の誤字と比較して実行してもよいし、既知の誤字チェック用プログラムを用いて実行してもよい。
【0098】
図22は、出力用文書150の一例を示す図である。情報処理装置10は、ユーザ端末30を介して、出力用文書150の入力を受け付ける。認識部22Bは、入力を受け付けた出力用文書150に含まれる文字列を認識し、各々が認識された文字列を含む複数の要素領域を決定する。
【0099】
図23は、図22の出力用文書150における認識部22Bが認識した文字列を含む要素領域151の一例を示す図である。
【0100】
表示制御部25Bは、表示対象が出力用文書であることに関連する点を除き、表示制御部25Aと同様である。表示制御部25Bは、原稿判定部23B及び規則判定部24Bの判定結果に応じた画像処理又は加工が行われた出力用文書を含む確認用画面60Bを表示するためのデータを生成し、該確認用画面60Bを表示装置33又は表示装置13に表示するように制御する。例えば、確認用画面60Bは、図12に示す確認用画面において原稿判定部23A及び規則判定部24Aの判定結果に応じた画像処理又は加工が行われた出力用画像50の代わりに原稿判定部23B及び規則判定部24Bの判定結果に応じた出力用文書150が表示された画面である。
【0101】
確認用画面60Bは、原稿判定部23Bが原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域(文字が表示される領域)又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域(文字又は文言が表示される領域)が明示された出力用文書を含む画面である。1つの例では、表示制御部25Bは、ユーザ操作に応じて、確認用画面60B内に、原稿判定部23Bが原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域が明示された出力用文書又は規則判定部24Bが規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用文書のいずれか一方を表示する。確認用画面60Bは、原稿判定部23Bが原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字を含む要素領域又は規則判定部24Bが規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列を含む要素領域が明示された出力用文書を含む画面であってもよい。
【0102】
1つの例では、表示制御部25Bは、確認用画面60Bを表示するときに、当該領域を明示するための描画オブジェクトを重畳させた出力用文書を表示する。この場合、表示制御部25Bは、例えば記憶部21に記憶された認識部22が記憶した文字の位置情報(又は位置情報とフォント情報)を用いて、描画オブジェクトを重畳させる。1つの例では、表示制御部25Bは、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域については、一文字単位で判定結果を確認できるように、各文字に対して描画オブジェクトを描画する。この場合、描画オブジェクトは、各文字を囲む枠状のオブジェクトとすることもできるし、各文字を塗りつぶすオブジェクトとすることもできる。1つの例では、表示制御部25Bは、規則判定部24Bが規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域については、当該領域が確認可能な位置に描画オブジェクトを描画する。この場合、描画オブジェクトは、識別可能な番号又は文字を含むオブジェクトとすることができる。なお、表示制御部25Bによる出力用文書に対する描画オブジェクトを重畳させる画像処理又は加工は、領域を明示するための1つの例であって、同様の効果を与える画像処理や加工などであれば、これに限定されない。
【0103】
一のユーザが出力用文書150の審査を行う場合の第2の実施形態の情報処理装置10の動作は、図12図20に示すような一のユーザが出力用画像50の審査を行う場合の第1の実施形態の情報処理装置10の動作と同様である。
【0104】
図24は、本発明の第2の実施形態の情報処理装置10において実行される情報処理を説明するフローチャートである。ここで、情報処理装置10は、審査対象の出力用文書の入力を受け付け、記憶部21Bは、該出力用文書を記憶するものとする。
【0105】
ステップS11で、認識部22Bは、入力を受け付けた出力用文書に含まれる文字列を認識し、複数の要素領域を決定する。
【0106】
ステップS12で、原稿判定部23Bは、要素領域の各々において、認識部22Bが認識した文字列の各文字が記憶部21Bに記憶される原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する。ステップS13で、規則判定部24Bは、要素領域の各々において、認識部22Bが認識した文字列が記憶部21Bに記憶される規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。なお、ステップS12とS13は、同時に実行されてもよいし、順番が逆でもよい。
【0107】
ステップS14で、表示制御部25Bは、原稿判定部23Bが原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は規則判定部24Bが規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像を含む確認用画面60を表示装置33に表示する。
【0108】
本発明の第2の実施形態の情報処理装置10(情報処理システム1)の作用効果は、本発明の第1の実施形態の情報処理装置10(情報処理システム1)の作用効果と同様である。ただ、本実施形態の構成とすることにより、出力用文書の審査を支援するための処理を実行する場合に、第1の実施形態の情報処理装置10を用いて実行するよりも、より速く、かつより正確に、実行することが可能となる。
【0109】
[第3の実施形態]
次に本発明の第3の実施形態の情報処理装置10について説明する。説明の便宜上、本実施形態の説明においては、第1の実施形態の情報処理装置10を情報処理装置10Aと表し、第2の実施形態の情報処理装置10を情報処理装置10Bと表す。また、第1の実施形態の情報処理装置10が備える機能部を記憶部21A、認識部22A、原稿判定部23A、規則判定部24A、及び表示制御部25Aと表し、第2の実施形態の情報処理装置10が備える機能部を記憶部21B、認識部22B、原稿判定部23B、規則判定部24B、及び表示制御部25Bと表す。
【0110】
第3の実施形態の情報処理装置10は、情報処理装置10Aが備える(記憶部21A、認識部22A、原稿判定部23A、規則判定部24A、及び表示制御部25Aを含む)機能部である第1の情報処理部、及び情報処理装置10Bが備える(記憶部21B、認識部22B、原稿判定部23B、規則判定部24B、及び表示制御部25Bを含む)機能部である第2の情報処理部を備える。第1の情報処理部が情報処理装置10Aにより実現され、第2の情報処理部が情報処理装置10Bにより実現される場合、第3の実施形態の情報処理装置10は、情報処理装置10A及び情報処理装置10Bを備える。
【0111】
第3の実施形態の情報処理装置10は、ユーザ入力に応じて、第1の情報処理部又は第2の情報処理部が出力用画像又は出力用文書の審査を支援するための処理を実行する。1つの例では、情報処理装置10は、出力用画像又は出力用文書の選択情報を取得する取得部を更に備え、情報処理装置10は、当該取得部から取得した選択情報に基づき、第1の情報処理部又は第2の情報処理部が出力用画像又は出力用文書の審査を支援するための処理を実行する。1つの例では、第1の情報処理部は、画像認識に基づいて出力用画像の審査を支援するための処理を実行するため、画像認識AIエンジンと呼ぶことができ、第2の情報処理部は、テキスト認識に基づいて出力用文書の審査を支援するための処理を実行するため、テキスト抽出エンジンと呼ぶことができる。1つの例では、情報処理装置10は、ユーザから審査対象ファイル(出力用画像又は出力用文書のファイル)の入力を受け付ける際に、画像認識AIエンジン(第1の情報処理部)又はテキスト抽出エンジン(第2の情報処理部)のいずれかを選択させる画面を表示する。この場合、情報処理装置10は、ユーザからの選択入力を受け付けると、当該選択入力(例えば取得した選択情報)に基づいて、第1の情報処理部又は第2の情報処理部が、入力を受け付けた審査対象ファイルの審査を支援するための処理を実行する。
【0112】
図25は、本発明の第3の実施形態の情報処理装置10において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
【0113】
ステップS21で、ユーザの選択入力が(1)画像認識AIエンジンの場合、本フローチャートは、図21に示すステップS1へ進み、ユーザの選択入力が(2)テキスト抽出エンジンの場合、本フローチャートは、図24に示すステップS11へ進む。
【0114】
第3の実施形態の情報処理装置10の構成とすることにより、ユーザは、審査対象ファイルに応じて、第1の情報処理部による審査を支援するための処理又は第2の情報処理部による審査を支援するための処理を選択することが可能となる。
【0115】
[第4の実施形態]
次に本発明の第4の実施形態の情報処理装置10について説明する。以下、主に第3の実施形態との相違点について説明し、第3の実施形態と同様である点については説明を省略又は簡略する。
【0116】
第4の実施形態の情報処理装置10は、入力を受け付けた審査対象のデータに応じて、前記第1の情報処理部又は前記第2の情報処理部が出力用画像又は出力用文書の審査を支援するための処理を実行する 。
【0117】
図26は、本発明の第4の実施形態の情報処理装置10において実行される情報処理を説明するフローチャートである。
【0118】
ステップS31で、情報処理装置10は、入力を受け付けたデータが画像データであるか否かを判定し、画像データである場合、本フローチャートは、図21に示すステップS1へ進む。ステップS32で、情報処理装置10は、入力を受け付けたデータが文書データであるか否かを判定し、文書データである場合、本フローチャートは、図24に示すステップS11へ進む。ステップS31とS32は、同時に実行されてもよいし、順番が逆でもよい。情報処理装置10は、入力を受け付けたデータが画像データでも文書データでも無い場合、本フローチャートの処理を終了する。
【0119】
第4の実施形態の情報処理装置10の構成とすることにより、入力を受け付けたデータの種類に応じて、第1の情報処理部による審査を支援するための処理又は第2の情報処理部による審査を支援するための処理を選択することが可能となる。
【0120】
本発明の実施形態(例えば第1の実施形態から第4の実施形態のうちのいずれかの実施形態)では、情報処理システム1は、情報処理装置10をサーバとし、ユーザ端末30をクライアントとしたサーバ‐クライアントシステムにより実現することができるが、これに限定されるものではない。
【0121】
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
【0122】
本発明の実施形態(例えば第1の実施形態から第4の実施形態のうちのいずれかの実施形態)では、本発明の実施形態の情報処理装置10が備える記憶部21、認識部22、原稿判定部23、規則判定部24、及び表示制御部25のうちの少なくとも一部をユーザ端末30が備えることもできる。この場合、情報処理装置10及びユーザ端末30の少なくとも一方が、記憶部21、認識部22、原稿判定部23、規則判定部24、及び表示制御部25を備える。例えば、情報処理装置10が備える表示制御部25が確認用画面60を表示するためのデータを生成してユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30の表示制御部25が表示装置33に確認用画面60を表示装置33に表示する。
【0123】
また本発明の他の実施形態では、出力用画像は、Web画像等以外に、文書作成ソフトで作成された書面データや表計算ソフトで作成されたリスト形式等のデータとすることもできる。
【0124】
以下に本発明の実施形態の応用例について説明する。例えば食品会社などの会社(A社)は、本発明の第1の実施形態の情報処理システム1を用いて、パッケージと広告物の両方の審査を行うことができる。
【0125】
第1の応用例では、原稿データの事前チェックを行わない場合における商品のパッケージ画像を審査する場面において、第1の実施形態の情報処理装置10(情報処理システム1)を用いる。A社の担当者は、所定のフォーマットのパッケージ画像用の原稿データ及びパッケージ画像のデザインに関するデータをパッケージ画像制作会社(B社)に受け渡す(例えばメールで送信する)。B社は、A社から受け取った原稿データに基づいてパッケージ画像を作成し、作成したパッケージ画像データをA社に受け渡す。
【0126】
A社の担当者は、ユーザ端末30aを介して、所定のフォーマットのパッケージ画像用の原稿データと、B社から受け取ったパッケージ画像データを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の原稿判定部23は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列の各文字が記憶部21に記憶される原稿データに含まれる文字列の各文字と一致するか否かを判定する。情報処理装置10の規則判定部24は、要素領域の各々において、認識部22が認識した文字列が記憶部21に記憶される規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。情報処理装置10の表示制御部25は、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域又は規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像を含む確認用画面60をユーザ端末30aに表示する。
【0127】
A社の担当者Pが確認用画面60を確認し、確認用オブジェクト72のチェック入力オブジェクトに対してチェック入力又はコメント入力を行い、必要に応じて追加指摘事項を入力することにより、審査を行う。情報処理装置10は、ユーザ端末30aから入力を受け付けたデータを記憶する。
【0128】
A社の他部門の担当者Qは、ユーザ端末30bを介して情報処理装置10にアクセスし、担当者Pが入力した内容が反映された確認用画面60を確認し、担当者Pと同様に、審査を行う。更にA社の他部門の1又は複数の担当者も、確認用画面60を通して、審査を行うことができる。A社の担当者Rは、ユーザ端末30cを介して、情報処理装置10から、A社の全担当者が入力した内容が反映された確認用画面60のデータを取得し、B社に当該データを受け渡し、修正依頼を行う。B社は、受け取ったデータに基づいてパッケージ画像を修正する。このような審査フローにより、パッケージ画像を審査し、修正することが可能となる。広告物においても同様である。
【0129】
第2の応用例では、原稿データを事前チェックする場合における商品のパッケージ画像を審査する場面において、第1の実施形態の情報処理装置10(情報処理システム1)を用いる。A社の担当者は、ユーザ端末30aを介して、所定のフォーマットのパッケージ画像用の原稿データを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の規則判定部24は、原稿データが含む文字列が規則データにより定められる所定条件を満たすか否かを判定する。この場合、情報処理装置10は、規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域を明示した原稿データを出力可能に構成される。ユーザ端末30aは情報処理装置10から当該原稿データを受け取る。A社の担当者又はその上長は、当該原稿データを確認し、必要に応じて修正し、B社に当該原稿データを受け渡す。B社は、A社から受け取った原稿データに基づいてパッケージ画像を作成し、作成したパッケージ画像データをA社に受け渡す。以後、第1の応用例と同様にして、A社は審査を行い、B社に対して修正依頼を行う。このような審査フローにより、パッケージ画像を審査し、修正することが可能となる。広告物においても同様である。
【0130】
以下に本発明の実施形態の変形例について説明する。以下、主に本発明の実施形態との相違点について説明する。以下で述べる変形例は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて本発明の任意の実施形態又は変形例に適用することができる。
【0131】
1つの変形例では、表示制御部25は、確認用画面60内に、原稿判定部23が原稿データに含まれる文字列と一致しないと判定した文字の領域及び規則判定部24が規則データにより定められる所定条件を満たさないと判定した文字列の領域が明示された出力用画像又は出力用文書を表示する。例えばこの場合、表示制御部25は、メイン画面領域80内に、出力用画像又は出力用文書を表示する。表示制御部25は、ユーザ操作に応じて、いずれかの領域のみが明示された出力用画像又は出力用文書を表示するように構成してもよい。
【0132】
1つの変形例では、複数の出力用画像を文字列及び非文字オブジェクトの配置情報とともに学習させることにより学習済みモデルを予め生成し、認識部22は、該学習済みモデルを用いて、複数の要素領域を認識し、各要素領域の文字列を認識する。例えば学習データを変更することなどにより、認識部22が決定する要素領域の定義を変更することができる。
【0133】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0134】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
10 情報処理装置
11 プロセッサ
12 入力装置
13 表示装置
14 記憶装置
15 通信装置
16 バス
21 記憶部
22 認識部
23 原稿判定部
24 規則判定部
25 表示制御部
30 ユーザ端末
31 プロセッサ
32 入力装置
33 表示装置
34 記憶装置
35 通信装置
36 バス
40、50 出力用画像
41、42、43、44、45、46、47、48 領域
51、52 要素領域
60 確認用画面
70 判定結果表示領域
71 タブ領域
72 確認用オブジェクト
73 確認用フィールド
74、75 メッセージオブジェクト
80 メイン画面領域
81 設定用オブジェクト
82、83、84、86 描画オブジェクト
85、87 要素領域
88 追記事項表示オブジェクト
90 サブ画面領域
91 追記事項表示領域
92 ミニ画面
150 出力用文書
151 要素領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26