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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180825
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】基板装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20231214BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H01L23/12 501B
H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094438
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 絵理子
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB05
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD04
5E319CD06
5E319GG03
5E319GG05
(57)【要約】
【課題】部品と基板とを強固に接合できる基板装置を提供する。
【解決手段】基板装置は、平面視矩形状とされ、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品と、該複数のパッドとはんだを介して接続される複数の第二パッドが表面に形成された基板と、該表面に形成され、該第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する金属層と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視矩形状とされ、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品と、
該複数のパッドとはんだを介して接続される複数の第二パッドが表面に形成された基板と、
該表面に形成され、該第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する金属層と、
を備える基板装置。
【請求項2】
前記部品は、半導体を有し、
前記金属層は、前記半導体と導通されていない前記第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する
請求項1に記載の基板装置。
【請求項3】
前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、
前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない
請求項2に記載の基板装置。
【請求項4】
前記金属層は、3個以上の第二パッドを直線状に接続する
請求項2に記載の基板装置。
【請求項5】
前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、
前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドは、直線状に複数配置され、
前記金属層は、当該第二パッドの配置方向に沿って、前記基板に直線状に形成されている
請求項4に記載の基板装置。
【請求項6】
前記金属層は、前記隅部において最外周に配置された第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する
請求項3に記載の基板装置。
【請求項7】
前記金属層は、
前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁から遠い位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する
請求項1に記載の基板装置。
【請求項8】
前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁に近接する位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない
請求項7に記載の基板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリント配線基板の配線に接続された多数のランドに接続手段を介して接続される多数のランドを備えたグリッドアレイLSIチップが配設されるグリッドアレイ電子部品において、前記グリッドアレイLSIチップに対応するプリント配線基板におけるランドと前記配線としての配線パターンとの間に過大な引張応力が作用する部位のランドの前記配線パターンとの接続部に補助ランドが形成されていることを特徴とするグリッドアレイ電子部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3570679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板装置としては、平面視矩形状とされ、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品と、該複数のパッドとはんだを介して接続される複数の第二パッドが表面に形成された基板と、を備える基板装置が考えられる。
【0005】
当該基板装置において、該第一パッドと接続される第二パッドが独立して、基板の表面に形成されている場合では、はんだによる部品と基板との接合面積が小さく、部品と基板との接合が弱い場合がある。
【0006】
本発明は、部品の隅部に形成された該第一パッドと接続される第二パッドが独立して、基板の表面に形成されている場合に比べ、部品と基板とを強固に接合できる基板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、平面視矩形状とされ、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品と、該複数のパッドとはんだを介して接続される複数の第二パッドが表面に形成された基板と、該表面に形成され、該第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する金属層と、を備える。
【0008】
第2態様では、第1態様において、前記部品は、半導体を有し、前記金属層は、前記半導体と導通されていない前記第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する。
【0009】
第3態様では、第2態様において、前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない。
【0010】
第4態様では、第2態様において、前記金属層は、3個以上の第二パッドを直線状に接続する。
【0011】
第5態様では、第4態様において、前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドは、直線状に複数配置され、前記金属層は、当該第二パッドの配置方向に沿って、前記基板に直線状に形成されている。
【0012】
第6態様では、第3態様において、前記金属層は、前記隅部において最外周に配置された第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する。
【0013】
第7態様では、第1態様において、前記金属層は、前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁から遠い位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する。
【0014】
第8態様では、第7態様において、前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁に近接する位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない。
【発明の効果】
【0015】
第1態様の構成によれば、部品の隅部に形成された該第一パッドと接続される第二パッドが独立して、基板の表面に形成されている場合に比べ、部品と基板とを強固に接合できる。
【0016】
第2態様の構成によれば、金属層が、半導体と導通されている第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する場合に比べ、半導体と導通されているパッドが、短絡することが抑制される。
【0017】
第3態様の構成によれば、機能パッドに最も近接して配置された第一パッドと接続される第二パッドに対して、金属層が設けられている場合に比べ、機能パッドが、短絡することが抑制される。
【0018】
第4態様の構成によれば、金属層が、3個以上の第二パッドを階段状に接続する場合に比べ、部品と基板とを強固に接合できる。
【0019】
第5態様の構成によれば、金属層は、第二パッドの配置方向に直交する方向に沿って基板に直線状に形成されている場合に比べ、当該第二パッドと金属層との間隔のばらつきが小さくなる。
【0020】
第6態様の構成によれば、金属層が、隅部において最外周に配置された第一パッドよりも内側に配置された第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する場合に比べ、機能パッドが、短絡することが抑制される。
【0021】
第7態様の構成によれば、金属層が、部品の4つの隅部のうち、基板の外縁に最も近接する位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される第二パッド同士のみを接続する場合に比べ、基板において反りが生じやすい中央側の部分で、部品と基板とを強固に接合できる。
【0022】
第8態様の構成によれば、金属層が、部品の4つの隅部に形成された第一パッドと接続される第二パッドのすべてを接続する場合に比べ、金属材料の使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る基板装置を示す側断面図である。
図2】本実施形態に係る基板装置においてプリント基板へ電子部品を実装した状態を示す側断面図である。
図3】本実施形態に係る基板装置を示す平面図である。
図4】本実施形態に係る電子部品の一部を示す底面図である。
図5】本実施形態に係るプリント基板の一部を示す平面図である。
図6】金属層の形成態様の第一変形例に係るプリント基板の一部を示す平面図である。
図7】金属層の形成態様の第二変形例に係るプリント基板の一部を示す平面図である。
図8】金属層の形成態様の第三変形例に係るプリント基板の一部を示す平面図である。
図9】プリント基板における金属層を適用する箇所の第一変形例に係る基板装置を示す平面図である。
図10】プリント基板における金属層を適用する箇所の第二変形例に係る基板装置を示す平面図である。
図11】プリント基板における金属層を適用する箇所の第三変形例に係る基板装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0025】
(基板装置10)
本実施形態に係る基板装置10の構成を説明する。図1及び図2は、基板装置10の構成を示す概略図である。
【0026】
なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方を示し、矢印DOは、装置の下方を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して示す場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と示す場合がある。
【0027】
また、下記の説明では、「上下方向」を、「上方及び下方の両方」又は「上方及び下方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」を、「右方及び左方の両方」又は「右方及び左方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「左右方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。「前後方向」を、「前方及び後方の両方」又は「前方及び後方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「前後方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0028】
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、各図に示す各部分同士の上下方向、左右方向、前後方向の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
【0029】
図1及び図2に示される基板装置10は、電子回路を有する回路基板を備える装置である。この基板装置10は、図1及び図2に示されるように、電子部品20と、プリント基板40と、金属層60と、を備えている。以下、基板装置10の各部について説明する。
【0030】
(電子部品20)
図1及び図2に示される電子部品20は、部品の一例である。この電子部品20は、平面視矩形状(図3参照)とされ、隅部20S(図3参照)に形成された2個以上の非導通パッド31を含む複数のパッド30が裏面20Bに形成されている(図1及び図4参照)。なお、平面視とは、電子部品20を上方側から下方側へ向けて見た場合をいう。本実施形態では、平面視とは、電子部品20を、後述のプリント基板40の厚み方向に見た場合ともいえる。
【0031】
電子部品20は、具体的には、BGA(ball grid array)であり、図1及び図2に示されるように、プリント基板22と、半導体チップ24と、パッド30と、はんだパンプ46と、を有している。
【0032】
プリント基板22は、FR(Flame Retardant)4、FR5等を基材として有し、上下方向を厚み方向とする板状に形成されている。FR4及びFR5は、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませ熱硬化処理を施し板状にしたものである。耐熱性は、FR4が120℃以上、FR5が150℃以上とされている。半導体チップ24は、半導体の一例であり、プリント基板22の表面22A(図1及び図2における上面)に搭載されている。パッド30は、プリント基板22の裏面22B(図1及び図2における下面)に二次元状に複数配置されている(図4参照)。
【0033】
なお、プリント基板22の表面22A及び裏面22Bの各々は、電子部品20の表面20A及び裏面20Bの各々と把握することが可能である。
【0034】
複数のパッド30は、図4に示されるように、半導体チップ24と導通され予め定められた機能を有する機能パッド33と、半導体チップ24と導通されていない非導通パッド31と、を含んでいる。
【0035】
非導通パッド31は、第一パッドの一例であり、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に2個以上が形成されている。具体的には、本実施形態では、非導通パッド31は、図4に示されるように、電子部品20の4つの隅部20Sの各々において、例えば、9個設けられている。
【0036】
9個の非導通パッド31は、機能パッド33に最も近接して配置された近接パッド31Aを含んでいる。近接パッド31Aは、9個の非導通パッド31の中に4個が備えられている。4個の近接パッド31Aの各々は、例えば、図4に示されるように、機能パッド33に対して右方側及び前方側で隣接している。さらに、4個の近接パッド31Aは、右斜め後方側から左斜め前方側に向かって直線状に配置されている。すなわち、4個の近接パッド31Aは、右斜め後方側から左斜め前方側に向かう配置方向(図4の矢印HA参照)に沿って配置されている。
【0037】
なお、図4には、電子部品20の4つの隅部20S(図3参照)のうち、右斜め前方側に配置された隅部20Sが図示されているが、電子部品20の4つの隅部20Sの各々において、同一、同等又は同様に構成されている。電子部品20の隅部20Sとは、平面視における四隅の部分(図3において二点鎖線で囲んだ部分)であり、電子部品20の角部ともいえる。
【0038】
機能パッド33は、半導体チップ24がプリント基板22にワイヤーボンディングされる場合、半導体チップ24と一端が導通(電気的に接続)された配線(例えば、ワイヤー)、当該配線の他端と導通されプリント基板22の表面22Aに形成された配線パターン、及び、当該配線パターンと導通されプリント基板22の厚み方向へ導通する導通層などを有する導通部(図示省略)によって、半導体チップ24と導通している。半導体チップ24がプリント基板22にフリップチップ実装される場合、機能パッド33は、半導体チップ24と導通されプリント基板22の表面22Aに形成された配線パターン、及び、当該配線パターンと導通されプリント基板22の厚み方向へ導通する導通層などを有する導通部(図示省略)によって、半導体チップ24と導通している。すなわち、機能パッド33は、半導体チップ24と電気的に接続されている。本実施形態では、機能パッド33は、予め定められた機能を有する半導体チップ24と、他の部品と、を導通させる端子として機能する。
【0039】
機能パッド33は、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に9個設けられた計36個の非導通パッド31に対して、電子部品20の平面視における中央側に複数形成されている。換言すれば、非導通パッド31は、電子部品20の平面視において、機能パッド33の外側に配置されている。なお、本実施形態では、機能パッド33は、非導通パッド31の数よりも多い数がプリント基板22に形成されている。
【0040】
はんだパンプ46は、非導通パッド31及び機能パッド33を含む複数のパッド30の各々に設けられている。はんだパンプ46は、予め複数のパッド30に塗布され、電子部品20のプリント基板40への実装前(図1参照)において、半球状に形成される。
【0041】
(プリント基板40)
図1及び図2に示されるプリント基板40は、FR4、FR5等を基材として有する基板の一例であり、電子部品20の複数のパッド30とはんだを介して接続される複数のパッド50が表面40A(図1及び図2における上面)に形成されている。このプリント基板40は、電子部品20が実装される電子回路基板である。
【0042】
パッド50は、はんだパンプ46によって、電気的及び機械的にパッド30と接続(はんだ付け)される。このパッド50は、プリント基板40の表面40Aに二次元状に複数配置されている(図5参照)。なお、パッド50は、第二パッドの一例である。
【0043】
具体的には、パッド50は、図2に示されるように、非導通パッド31と接続されるパッド51と、機能パッド33と接続されるパッド53と、を含んでいる。
【0044】
パッド51及びパッド53の各々は、非導通パッド31及び機能パッド33の各々と対向して配置されており、非導通パッド31及び機能パッド33の各々と同数設けられている。したがって、パッド51は、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に対向するプリント基板40の各部分において、9個設けられている(図5参照)。さらに、9個のパッド51は、図5に示されるように、4個の近接パッド31Aの各々に接続される4個のパッド51Aを含んでいる。4個のパッド51Aは、4個の近接パッド31Aと同一、同等又は同様に、右斜め後方側から左斜め前方側に向かって直線状に配置されている。すなわち、4個のパッド51Aは、右斜め後方側から左斜め前方側に向かう配置方向(図5の矢印HA参照)に沿って配置されている。
【0045】
なお、図5には、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、右斜め前方側に配置された隅部20Sに対向するプリント基板40の一部が図示されているが、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に対向するプリント基板40の各部分において、同一、同等又は同様に構成されている。
【0046】
(金属層60)
図5に示される金属層60は、プリント基板40の表面40Aに形成され、非導通パッド31と接続されるパッド51同士を接続する金属層である。この金属層60は、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に対向するプリント基板40の4か所の各部分において、4個のパッド51Aを含む9個のパッド51同士を電気的及び機械的に接続している。
【0047】
具体的には、金属層60は、9個のパッド51において、前後方向に隣接するパッド51同士を前後方向に接続し、左右方向に隣接するパッド51同士を左右方向に接続する。したがって、金属層60は、前後方向に隣接するパッド51の間には、前後方向に形成され、左右方向に隣接するパッド51の間には、左右方向に形成されている。
【0048】
金属層60は、例えば、銅箔、その他の金属箔により構成されている。本実施形態では、金属層60は、例えば、パッド51の外径よりも小さい幅で形成されている。金属層60は、プリント基板40を製造する際に、パッド50(パッド51及びパッド53)と共に形成されるのが望ましい。このため、金属層60及びパッド50は、同じ材質で(例えば、銅)、板厚方向の厚さが同じであることが望ましい。また、プリント基板40の表面に絶縁層(例えば、ソルダーレジスト)が形成される場合、絶縁層は、金属層60及びパッド50上には形成されない。換言すると、少なくとも金属層60及びパッド50は、プリント基板40の表面において外部に露出している。なお、本実施形態では、電子部品20の各々の隅部20Sにおいて、9個のパッド51が金属層60で導通するため、9個のパッド51は同電位であるといえる。
【0049】
(電子部品20のプリント基板40への実装方法)
電子部品20のプリント基板40への実装方法について説明する。なお、電子部品20をプリント基板40へ実装することで、基板装置10が製造されるので、当該実装方法は、基板装置10の製造方法と把握することが可能である。
【0050】
本実装方法では、まず、プリント基板40のパッド50の各々及び金属層60の各々にクリームはんだ(ペーストはんだ)を塗布する。具体的には、クリームはんだ印刷装置にプリント基板40をセットし、全てのパッド50及び全ての金属層60と対応する部分に、これらと同一、同等又は同様の形状の貫通孔が形成されたメタルマスクをプリント基板40上に位置決めする。その後、スキージを用いて、メタルマスク上のクリームはんだを、メタルマスクの一端部から他端部に向けて移動させる。そうすると、パッド50上には、パッド50と同一、同等又は同様の形状のクリームはんだが塗布(印刷)され、かつ、金属層60上には、金属層60と同一、同等又は同様の形状のクリームはんだが塗布される。なお、プリント基板40へのクリームはんだの印刷は、複数(例えば、2枚)のメタルマスクを用いて複数回に分けて行っても良い。1枚のメタルマスクを用いて、1回でプリント基板40にクリームはんだを印刷する場合は、それぞれの金属層60上にクリームはんだを塗布するために形成した矩形の貫通孔を複数(例えば、2つ)に分割しても良い。これにより、例えば、図5に示すように、プリント基板40において2つの略正四角形状の未塗布部分(8つの金属層60で囲まれた部分)を形成するためのメタルマスクにおける部分(2つの略正四角形状の部分)を、当該メタルマスクに保持させることができる。
【0051】
次に、電子部品実装装置等を用いて、プリント基板40のパッド51の各々と、電子部品20の非導通パッド31の各々とが対向し、プリント基板40のパッド53の各々と、電子部品20の機能パッド33の各々とが対向するように、電子部品20をプリント基板40上に載せる。
【0052】
次に、電子部品20を載せたプリント基板40をリフロー加熱炉中に投入する等により、パッド50の各々及び金属層60の各々に塗布したクリームはんだ、及びはんだパンプ46を溶融して、パッド51の各々と非導通パッド31の各々とを接続し、パッド53の各々と、機能パッド33の各々とを接続する。
【0053】
これにより、金属層60及びパッド51に塗布されたクリームはんだと、非導通パッド31のはんだパンプ46とによって、非導通パッド31同士を跨るはんだブリッジが形成される。
【0054】
(本実施形態に係る作用)
本実施形態では、非導通パッド31と接続されるパッド51同士を接続する金属層60が、プリント基板40の表面40Aに形成されている。
【0055】
ここで、電子部品20の隅部20Sに形成された非導通パッド31と接続されるパッド51が独立して、プリント基板40の表面40Aに形成されている(以下、形態Aという)場合では、電子部品20の隅部20Sにおいて、はんだ(クリームはんだ及びはんだバンプ46)によって非導通パッド31とパッド51とでしか接続されないため、はんだによる電子部品20とプリント基板40との接合面積が小さく、電子部品20とプリント基板40との接合が弱い場合がある。
【0056】
これに対して、本実施形態では、非導通パッド31と接続されるパッド51同士を接続する金属層60が、プリント基板40の表面40Aに形成されているため、非導通パッド31の間にはんだプリッジが形成されやすく、このはんだブリッジにより、電子部品20とプリント基板40とを接合可能となる。このため、本実施形態によれば、形態Aに比べ、はんだによる電子部品20とプリント基板40との接合面積が大きくなり、電子部品20とプリント基板40とを強固に接合可能となる。この点について、隣り合う2つの非導通パッド31と、この2つの非導通パッド31と対応する2つのパッド51と、この2つのパッド51間に形成された金属層60の部分に着目してはんだ付け状態を説明する。この部分のはんだは、プリント基板40側が一方のパッド51から金属層60を介して他方のパッド51に至るまで連なった一体のものとなっており、一体に連なったはんだが一方のパッド51、金属層60及び他方のパッド51と強固に接続される。また、この部分のはんだは、プリント基板22側が2つの非導通パッド31と接続される。この結果、プリント基板40に反りなどの変形が生じた場合でも、電子部品20とプリント基板40との接合状態を長期にわたって維持可能となる。本実施形態では、金属層60上にクリームはんだが塗布されているため、非導通パッド31の間にはんだプリッジが形成されやすく、はんだブリッジが意図しない箇所に発生することが抑制される。また、金属層60上にクリームはんだが塗布されているため、前記したように、プリント基板40側における一方のパッド51から金属層60を介して他方のパッド51に至るまでの連なった一体のはんだの形成と、この一体のはんだと2つの非導通パッド31との接続に際して十分なはんだ量を確保することができる。このため、プリント基板40に反りなどの変形が生じた場合でも、電子部品20とプリント基板40との強固な接合状態をより長期にわたって維持可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、金属層60は、半導体チップ24と導通されていない非導通パッド31と接続されるパッド51同士を接続する。
【0058】
このため、金属層60が、半導体チップ24と導通されている機能パッド33と接続されるパッド53同士を接続する場合に比べ、機能パッド33が、短絡することが抑制される。
【0059】
(金属層60の形成態様の他の例)
金属層60の形成態様は、前述の態様に限られるものではなく、金属層60の形成態様としては、以下に説明する第一変形例、第二変形例、及び第三変形例を適用してもよい。
【0060】
(金属層60の形成態様の第一変形例)
第一変形例では、図6に示されるように、機能パッド33に最も近接して配置された近接パッド31Aと接続されるパッド51Aに対しては、金属層60が設けられていない。すなわち、パッド51A以外のパッド51に対して、金属層60が設けられている。具体的には、金属層60は、パッド51A以外の5個のパッド51同士を電気的及び機械的に接続している。
【0061】
さらに具体的には、金属層60は、当該5個のパッド51において、前後方向に隣接するパッド51同士を前後方向に接続し、左右方向に隣接するパッド51同士を左右方向に接続する。したがって、金属層60は、当該5個のパッド51において、前後方向に隣接するパッド51の間には、前後方向に形成され、左右方向に隣接するパッド51の間には、左右方向に形成されている。これにより、金属層60は、平面視にて、W字形状に形成される。
【0062】
(金属層60の形成態様の第一変形例の作用)
以上のように、第一変形例では、パッド51Aに対しては、金属層60が設けられていない。
【0063】
ここで、パッド51Aに対して金属層60が設けられている場合(以下、形態Bという)では、例えば、金属層60及びパッド51Aに塗布されるクリームはんだの量が過剰となって、パッド51A又は金属層60から加熱溶融したはんだ(クリームはんだ及びはんだバンプ)がはみ出すことがあり得る。このように、パッド51A又は金属層60からはんだがはみ出した場合では、パッド51Aと、このパッド51Aに近接する機能パッド33が当該はみ出したはんだによってはんだブリッジとなって導通して短絡するおそれがある。
【0064】
これに対して、第一変形例では、前述のように、パッド51Aに対しては、金属層60が設けられていないので、形態Bに比べ、機能パッド33が、短絡することが抑制される。つまり、第一変形例において、パッド51Aを除くパッド51又は金属層60から加熱溶融したはんだがはみ出した場合であっても、当該はんだは、パッド51Aとの間ではんだブリッジを形成し、当該はんだブリッジが機能パッド33まで延びることが抑制される。換言すると、パッド51Aは、パッド51Aを除くパッド51及び金属層60と、機能パッド33との間にはんだブリッジが発生することを抑制するための防波堤として機能する。さらに換言すると、隣接するパッド51A同士を結ぶ仮想線は、パッド51Aを除くパッド51及び金属層60と、機能パッド33と、を区分する。
【0065】
(金属層60の形成態様の第二変形例)
第二変形例では、図7に示されるように、機能パッド33に最も近接して配置された近接パッド31Aと接続されるパッド51Aに対しては、金属層60が設けられていない。すなわち、パッド51A以外のパッド51に対して、金属層60が設けられている。具体的には、金属層60は、パッド51A以外の5個のパッド51同士を電気的及び機械的に接続している。
【0066】
さらに具体的には、金属層60は、当該5個のパッド51において、4個のパッド51Aに近接して配置された3個のパッド51Bを直線状に接続する金属層60Aを有している。この金属層60Aは、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に沿って、プリント基板40に直線状に形成されている。
【0067】
なお、3個のパッド51Bの各々は、4個のパッド51Aに対して右方側及び前方側で隣接している。さらに、3個のパッド51Bは、右斜め後方側から左斜め前方側に向かって直線状に配置されている。3個のパッド51Bは、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に沿って配置されている。
【0068】
さらに、金属層60は、当該5個のパッド51において、2個のパッド51Cを直線状に接続する金属層60Bを有している。この金属層60Bは、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に沿って、プリント基板40に直線状に形成されている。
【0069】
さらに具体的には、金属層60A及び金属層60Bは、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に対して平行に配置されている。
【0070】
(金属層60の形成態様の第二変形例の作用)
第二変形例は、第一変形例の前述の作用に加えて、以下の作用を有している。第二変形例では、前述のように、金属層60Aが、3個のパッド51Bを直線状に接続する。
【0071】
ここで、金属層60が、パッド51A以外の5個のパッド51を階段状に接続する場合(以下、形態Cという)では、屈曲部分に応力が集中しやすく、電子部品20とプリント基板40との接合強度が低下する場合がある。
【0072】
これに対して、第二変形例では、金属層60Aが、3個のパッド51Bを直線状に接続するので、形態Cに比べ、電子部品20とプリント基板40とを強固に接合可能となる。
【0073】
また、第二変形例では、金属層60A及び金属層60Bが、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に沿ってプリント基板40に直線状に形成されているため、金属層60A及び金属層60Bが、パッド51Aの配置方向(矢印HA参照)に直交する方向に沿ってプリント基板40に直線状に形成されている場合に比べ、4個のパッド51Aと金属層60A及び金属層60Bの各々との間隔のばらつきが小さくなる。
【0074】
(金属層60の形成態様の第三変形例)
第三変形例では、図8に示されるように、機能パッド33に最も近接して配置された近接パッド31Aと接続されるパッド51Aに対しては、金属層60が設けられていない。すなわち、パッド51A以外のパッド51に対して、金属層60が設けられている。
【0075】
さらに、金属層60は、パッド51A以外の5個のパッド51のうち、電子部品20の隅部20Sにおいて最外周に配置されたパッド31D(図4参照)と接続されるパッド51D同士を接続する。すなわち、金属層60は、パッド51A以外の5個のパッド51のうち、中央に配置されたパッド51E以外の4個のパッド51D同士を接続する。
【0076】
(金属層60の形成態様の第三変形例の作用)
第三変形例は、第一変形例の前述の作用に加えて、以下の作用を有している。第三変形例では、前述のように、金属層60が、電子部品20の隅部20Sにおいて最外周に配置されたパッド31D(図4参照)と接続されるパッド51D同士を接続する。
【0077】
第三変形例では、金属層60は、パッド51A以外の5個のパッド51のうち、電子部品20の隅部20Sにおいて最外周に配置されたパッド31D(図4参照)と接続されるパッド51D同士を接続するので、第一変形例に比べ、機能パッド33が、短絡することがさらに抑制される。つまり、パッド51Aのみならずパッド51Aも、パッド51D及び金属層60と、機能パッド33との間にはんだブリッジが発生することを抑制するための防波堤として機能させることができる。
【0078】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の他の例)
以下に記載するプリント基板40における金属層60を適用する箇所の変形例の番号は、前述の金属層60の形成態様の第一変形例から第三変形例との混同を避けるため、漢数字ではなく、算用数字を用いる。
前述の本実施形態では、金属層60は、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に対向するプリント基板40の4か所の各部分において、パッド51同士を接続していたが、これに限られない。例えば、以下の第1変形例、第2変形例、及び第3変形例で説明するように、金属層60は、電子部品20の4つの隅部20Sの各々に対向するプリント基板40の4か所の部分のうち、少なくとも1か所に適用されていればよい。また、以下の第1~3変形例は、前述の第一変形例から第三変形例のいずれの変形例も適用できることは言うまでもない。
【0079】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第1変形例)
第1変形例では、例えば、図9に示されるように、プリント基板40の外縁40Tに対して、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、1つの隅部20S(図9における実線で囲んだ隅部20S)が近接するように、電子部品20がプリント基板40に配置されている。
【0080】
この場合では、例えば、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、1つの隅部20S(図9における実線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tから遠い位置に配置された隅部20S(図9における二点鎖線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士を、金属層60が接続する。
【0081】
第1変形例では、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、3つの隅部20S(図9における二点鎖線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された隅部20S(図9における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51に対しては、金属層60が設けられていない。
【0082】
すなわち、第1変形例では、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、プリント基板40の外縁40Tに近接した1つの隅部20S(図9における実線で囲んだ隅部20S)よりも、プリント基板40の平面視における中央側に配置された3つの隅部20S(図9における二点鎖線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士のみを、金属層60が接続する。
【0083】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第1変形例の作用)
第1変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、プリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された隅部20S(図9における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士のみを接続する場合に比べ、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分で、電子部品20とプリント基板40とを強固に接合可能となる。
【0084】
また、第一変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sに形成された非導通パッド31と接続されるパッド51のすべてを接続する場合に比べ、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0085】
以上のように、第1変形例では、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分において、金属層60を配置することで、はんだブリッジを形成して、電子部品20とプリント基板40との接合性を向上させる。一方、プリント基板40において反りが生じにくい外縁40T側の部分においては、金属層60を配置しないことで、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0086】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第2変形例)
第2変形例では、例えば、図10に示されるように、プリント基板40の外縁40Tに対して、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、2つの隅部20S(図10における実線で囲んだ隅部20S)が近接するように、電子部品20がプリント基板40に配置されている。すなわち、電子部品20の一辺がプリント基板40の外縁40Tに沿うように、電子部品20がプリント基板40に配置されている。
【0087】
この場合では、例えば、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、2つの隅部20S(図10における実線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tから遠い位置に配置された2つの隅部20S(図10における二点鎖線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士を、金属層60が接続する。
【0088】
第2変形例では、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、2つの隅部20S(図10における二点鎖線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された2つの隅部20S(図10における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51に対しては、金属層60が設けられていない。
【0089】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第2変形例の作用)
第2変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、プリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された2つの隅部20S(図10における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士のみを接続する場合に比べ、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分で、電子部品20とプリント基板40とを強固に接合可能となる。
【0090】
また、第2変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sに形成された非導通パッド31と接続されるパッド51のすべてを接続する場合に比べ、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0091】
以上のように、第2変形例では、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分において、金属層60を配置することで、はんだブリッジを形成して、電子部品20とプリント基板40との接合性を向上させる。一方、プリント基板40において反りが生じにくい外縁40T側の部分においては、金属層60を配置しないことで、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0092】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第3変形例)
第3変形例では、例えば、図11に示されるように、プリント基板40の隅部40S(すなわち角部)に電子部品20が配置されている。この場合では、例えば、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、3つの隅部20S(図11における実線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tから遠い位置に配置された1つの隅部20S(図11における二点鎖線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士を、金属層60が接続する。
【0093】
第3変形例では、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、1つの隅部20S(図11における二点鎖線で囲んだ隅部20S)よりもプリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された3つの隅部20S(図11における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51に対しては、金属層60が設けられていない。
【0094】
すなわち、第3変形例では、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、プリント基板40の平面視における中央側に配置された1つの隅部20S(図11における二点鎖線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士のみを、金属層60が接続する。
【0095】
(プリント基板40における金属層60を適用する箇所の第3変形例の作用)
第3変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sのうち、プリント基板40の外縁40Tに近接する位置に配置された3つの隅部20S(図11における実線で囲んだ隅部20S)に形成された非導通パッド31と接続されるパッド51同士のみを接続する場合に比べ、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分で、電子部品20とプリント基板40とを強固に接合可能となる。
【0096】
また、第3変形例によれば、金属層60が、電子部品20の4つの隅部20Sに形成された非導通パッド31と接続されるパッド51のすべてを接続する場合に比べ、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0097】
以上のように、第3変形例では、プリント基板40において反りが生じやすい中央側の部分において、金属層60を配置することで、はんだブリッジを形成して、電子部品20とプリント基板40との接合性を向上させる。一方、プリント基板40において反りが生じにくい外縁40T側の部分においては、金属層60を配置しないことで、金属材料の使用量が低減され、また、機能パッド33が短絡するリスクが低減される。
【0098】
(部品の変形例)
本実施形態では、部品の一例として、BGAである電子部品20を用いたが、これに限られない。部品の一例として、BGA以外の電子部品であってもよく、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品であればよい。
【0099】
本実施形態では、非導通パッド31が9個設けられていたが、これに限られない。非導通パッド31は、2個以上8個以下であってもよいし、10個以上であってもよい。
また、本実施形態の第一パッドは、一例として半導体チップ24の端子と導通されていない非導通パッド31を示したが、半導体チップ24のNC端子と導通していても良い。ここで、NCは、Non Connection又はNo Connetingの意味であり、NC端子は、半導体チップ24に形成された端子あって、内部接続しておらず、半導体チップ24としての何らの機能も発揮しない端子である。第一パッドは、このようなNC端子と導通しているパッドと、非導通パッド31が混在していても良い。
【0100】
(金属層の変形例)
本実施形態では、金属層60は、パッド51の外径よりも小さい幅で形成されていたが、これに限られない。金属層60は、例えば、パッド51の外径と同じ幅又は、当該外径よりも大きい幅で形成されていてもよく、金属層60の幅は、適宜、設定可能である。
【0101】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
また、パッド50には、クリームはんだに代えて、フラックスのみを塗布しても良い。この場合は、電子部品20は、電子部品20のはんだバンプにより、プリント基板40のパッド50と接続(はんだ付け)されることになる。
【0102】
(((1)))
平面視矩形状とされ、隅部に形成された2個以上の第一パッドを含む複数のパッドが裏面に形成された部品と、
該複数のパッドとはんだを介して接続される複数の第二パッドが表面に形成された基板と、
該表面に形成され、該第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する金属層と、
を備える基板装置。
(((2)))
前記部品は、半導体を有し、
前記金属層は、前記半導体と導通されていない前記第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する
(((1)))に記載の基板装置。
(((3)))
前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、
前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない
(((2)))に記載の基板装置。
(((4)))
前記金属層は、3個以上の第二パッドを直線状に接続する
(((2)))又は(((3)))に記載の基板装置。
(((5)))
前記複数のパッドは、前記半導体と導通され予め定められた機能を有する機能パッドを含み、
前記機能パッドに最も近接して配置された前記第一パッドと接続される前記第二パッドは、直線状に複数配置され、
前記金属層は、当該第二パッドの配置方向に沿って、前記基板に直線状に形成されている
(((4)))に記載の基板装置。
(((6)))
前記金属層は、前記隅部において最外周に配置された第一パッドと接続される第二パッド同士を接続する
(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の基板装置。
(((7)))
前記金属層は、
前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁から遠い位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッド同士を接続する
(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の基板装置。
(((8)))
前記部品の4つの前記隅部のうち、一の隅部よりも前記基板の外縁に近接する位置に配置された隅部に形成された第一パッドと接続される前記第二パッドに対しては、前記金属層が設けられていない
(((7)))に記載の基板装置。
【符号の説明】
【0103】
10 基板装置
20 電子部品(部品の一例)
20A 表面
20B 裏面
20S 隅部
22 プリント基板(基板の一例)
22A 表面
22B 裏面
24 半導体チップ(半導体の一例)
30 パッド
31 非導通パッド(第一パッドの一例)
31A 近接パッド
33 機能パッド
40 プリント基板
40A 表面
40S 隅部
40T 外縁
46 はんだパンプ
50 パッド(第二パッドの一例)
51 パッド
53 パッド
60 金属層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11