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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180830
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20231214BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20231214BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02F1/1335 505
G02B5/20 101
G02B5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094445
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
【テーマコード(参考)】
2H148
2H249
2H291
【Fターム(参考)】
2H148BA02
2H148BD04
2H148BG02
2H148BH03
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA64
2H291FA05Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA48Z
2H291FA60Z
2H291FA65Z
2H291FA81Z
2H291FB13
2H291GA19
2H291LA32
2H291LA34
(57)【要約】
【課題】 カラーフィルタ(CF)側のフレーム領域での色分離光の遮蔽を抑制し、光の利用効率を向上させる。
【解決手段】 実施形態の表示装置は、液晶表示パネルと第1色分離素子基板と第2色分離素子基板とがそれぞれ周縁部で接合層を介して積層され、液晶表示パネルは、表示領域にCFが第1方向に色違いに配列され、第1方向に直交する第2方向に同一色が配列され、フレームによって第1方向及び第2方向に区切られる。第1色分離素子基板は、光源からのバックライトを入射し、表示領域に第1方向と同方向に形成される色分離溝によりCFの色の配列に合わせてそれぞれの波長光を分離して出力する。第2色分離素子基板は、第1色分離素子基板からの分離光を入射し、表示領域に第2方向と同方向に形成される色分離溝によりCFの第2方向の列毎の色に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色毎の波長光を対応する色の列のCFに向けて出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと第1色分離素子基板と第2色分離素子基板とがそれぞれ接合層によって周縁部で所定の厚さで接合されて積層される表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、表示領域に複数色のカラーフィルタが第1方向に色違いに配列され、前記第1方向に直交する第2方向に同一色が配列されるストライプ構造で、前記複数色のカラーフィルタがそれぞれフレームによって前記第1方向及び前記第2方向に区切られ、
前記第1色分離素子基板は、前記第2色分離素子基板を介して前記液晶表示パネルに対向配置され、光源からのバックライトを入射し、表示領域に前記第1方向と同方向に形成される溝の凹凸パターンにより前記カラーフィルタの色の配列に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色ごとの波長光を、第2色分離素子基板を介して、対応する色のカラーフィルタに向けて出力する色分離溝が形成され、
前記第2色分離素子基板は、前記液晶表示パネルと前記第1色分離素子基板との間に配置され、前記第1色分離素子基板からの分離光を入射し、表示領域に前記第2方向と同方向に形成される溝の凹凸パターンにより前記カラーフィルタの第2方向の列毎の色に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色毎の波長光を対応する色の列のカラーフィルタに向けて出力する色分離溝が形成される
表示装置。
【請求項2】
前記第1色分離素子基板に形成される前記第1方向に形成される前記溝及び前記第2色分離素子基板に形成される前記第2方向に形成される前記溝は、前記液晶表示パネルの画素領域を区切るマトリックス構造である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
液晶表示パネルと第1色分離素子基板と第2色分離素子基板とがそれぞれ接合層によって周縁部で所定の厚さで接合されて積層される表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、表示領域に複数色のカラーフィルタが第1方向に色違いに配列され、前記第1方向に直交する第2方向に同一色が配列されるストライプ構造で、前記複数色のカラーフィルタがそれぞれフレームによって前記第1方向及び前記第2方向に区切られ、
前記第1色分離素子基板は、前記第2色分離素子基板を介して前記液晶表示パネルに対向配置され、光源からのバックライトを入射し、表示領域に前記第1方向と同方向に形成される溝の凹凸パターンにより前記カラーフィルタの色の配列に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色ごとの波長光を、第2色分離素子基板を介して、対応する色のカラーフィルタに向けて出力する色分離溝が形成され、
前記第2色分離素子基板は、前記液晶表示パネルと前記第1色分離素子基板との間に配置され、前記第1色分離素子基板からの分離光を入射し、表示領域に前記第2方向と同方向に形成される溝の段差により前記カラーフィルタの第2方向の列毎の色に合わせてそれぞれの波長光を分離し、前記列毎に分離された色毎の波長光を対応する色の列のカラーフィルタに向けて集光するように出力する色分離溝が形成される
表示装置。
【請求項4】
前記第1色分離素子基板に形成される前記第1方向に形成される前記溝及び前記第2色分離素子基板に形成される前記第2方向に形成される前記溝は、前記液晶表示パネルの画素領域を区切るマトリックス構造である、請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、色分離素子技術を用いる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示モジュールに用いられるカラーフィルタ(CF:Color Filter)方式の表示装置は、画素単位でRGBのCFを形成した液晶パネル(TFT(thin-film-transistor:薄膜トランジスタ)基板にCF基板を積層したパネル)に対して、光源からの白色のバックライトを表示映像に合わせてRGB画素それぞれのフィルタに入射することで、CF色の波長光を透過させ、CF以外の波長光を吸収する。このため、光の利用効率が低い。そこで、光の利用効率を高める目的で、光分離素子技術が提案されている。
【0003】
色分離素子技術は、ガラス基板の表面に所定のパターンの凹凸による色分離溝を形成した色分離素子により、白色のバックライトを入射してRGBそれぞれの波長成分ごとに特定の方向に回折させ分離するものである。この技術によれば、CF方式の表示装置において、上記色分離素子を形成したガラス基板(以下、色分離素子基板)をバックライトの光源とTFT基板との間に対向配置させ、色分離素子によって、バックライトをRGBのCFそれぞれに対応する波長に分離し、所定の方向に回折して、CFに対応する波長の光のみを、TFT基板を介してRGB画素それぞれのフィルタに入射させる。これによって、CFに対応する波長以外の光の吸収を低減し、光(輝度)の利用効率の向上を図っている。
【0004】
ただし、CFのRGB配列は、画面上、一方向に所定の順序で配列し、他方向には同一色とするストライプ配列であり、これに合わせて色分離素子基板の色分離溝も、複数の凹凸パターンが一方向に配列し、他方向には同一パターンが連続するストライプ構造としている。
【0005】
しかしながら、上記構成による表示装置では、RGBのCFがそれぞれフレームで区切られて配列されているのに対して、色分離素子基板の色分離溝は連続しており、CF側のフレーム領域で分離光が遮蔽されてしまう。ここで述べるフレームは、例えばCF基板上に形成され、画素を区画する既知のブラックマトリクスに相当するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-146750号公報
【特許文献2】特開平9-318942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、従来のCF方式の表示装置では、光分離素子技術の採用に際して、カラーフィルタがフレーム領域を配して配列されているのに対して、色分離素子基板の色分離溝は連続しており、カラーフィルタ側のフレーム領域で分離光が遮蔽され、ロスが生じてしまう。
【0008】
そこで、本実施形態は、カラーフィルタ側のフレーム領域での色分離光の遮蔽を抑制し、光の利用効率を向上させることのできる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態に係る表示装置は、液晶表示パネルと第1色分離素子基板と第2色分離素子基板とがそれぞれ接合層によって周縁部で所定の厚さで接合されて積層される表示装置である。前記液晶表示パネルは、表示領域に複数色のカラーフィルタが第1方向に色違いに配列され、前記第1方向に直交する第2方向に同一色が配列されるストライプ構造で、前記複数色のカラーフィルタがそれぞれフレームによって前記第1方向及び前記第2方向に区切られる。前記第1色分離素子基板は、前記第2色分離素子基板を介して前記液晶表示パネルに対向配置され、光源からのバックライトを入射し、表示領域に前記第1方向と同方向に形成される溝の凹凸パターンにより前記カラーフィルタの色の配列に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色ごとの波長光を、第2色分離素子基板を介して、対応する色のカラーフィルタに向けて出力する色分離溝が形成される。前記第2色分離素子基板は、前記液晶表示パネルと前記第1色分離素子基板との間に配置され、前記第1色分離素子基板からの分離光を入射し、表示領域に前記第2方向と同方向に形成される溝の凹凸パターンにより前記カラーフィルタの第2方向の列毎の色に合わせてそれぞれの波長光を分離し、分離された色毎の波長光を対応する色の列のカラーフィルタに向けて出力する色分離溝が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す分解斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る表示装置の積層構成を示す断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る表示装置の第1、第2色分離素子基板それぞれの色分離溝形成方向と色分離イメージ、集光イメージを示す分解斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る表示装置の色分離素子基板の色分離光がCFに集光される様子を従来構造と比較して示す斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る表示装置の色表示を従来と比較して示す正面図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る表示装置の色分離素子基板の構造を示す分解斜視図である。
図7図7は、図6に示す第2色分離素子基板の色集光機能と色集光例を示す斜視図である。
図8図8は、本実施形態に適用される色分離素子の具体的な構造を示す断面図である。
図9図9は、図8に示す色分離素子の具体的な処理例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態と称する)について詳細に説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
まず、本実施形態に適用される色分離素子について、図8及び図9を参照して説明する。
【0013】
図8は色分離素子の具体的な構造を示す断面図、図9図8に示す色分離素子によるバックライトの色分離例を示す断面図である。
【0014】
すなわち、色分離素子は、図8に示すように、ガラス基板に最小構造幅1μm~3μm、最大深さ3μm~4μmの溝をRGBに対応する所定のパターンで形成したものである。以下、上記溝を色分離溝111と称する。また、色分離溝111を形成したガラス基板を色分離素子基板11と称する。
【0015】
光源から照射されるバックライト(白色光)をそのままカラーフィルタに入射すると、図9(a)に示すように、R、G、BのフィルタでそれぞれR、G、B以外の光が吸収されてしまう。これに対して、バックライト(白色光)を、色分離素子基板11を介してカラーフィルタに入射すると、図9(b)に示すように、R、G、Bの光がそれぞれ異なる方向に回折され、各色のフィルタに集光される。これにより、カラーフィルタでの光吸収が低減されるため、光(輝度)の利用効率を向上させることができる。
【0016】
以下、上記色分離素子基板11を用いた表示装置の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、表示画面は横長とし、長方向を水平方向、短方向を垂直方向と称する。また、CFのR領域、G領域、B領域は、それぞれ水平方向に繰り返し配置され、垂直方向に連続配置されているものとする。表示画面を縦長とし、長方向を垂直方向、短方向を水平方向とする場合も、実施形態の構成とその作用効果は同様である。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す分解斜視図、図2は、図1の表示装置の積層構成をA-A線に沿った断面で示す断面図、図3は、図1に示す表示装置の第1、第2色分離素子基板それぞれの色分離溝形成方向と色分離イメージ、集光イメージを示す分解斜視図である。
【0018】
図1及び図2に示す表示装置は、第1色分離素子基板11と液晶パネル21との間に第2色分離素子基板41を配置し、第1色分離素子基板11と第2色分離素子基板41との間、第2色分離素子基板41と液晶パネル21との間をそれぞれ両面テープまたはギャップ材を含有したシール材による接合層31、51を介して一定の厚さで接合した積層構造となっている。
【0019】
まず、第1色分離素子基板11には、周縁部に一定幅の接合領域が確保され、その内側上面の表示有効領域に色分離溝111が形成される。色分離溝111は、溝の深さを垂直方向に連続させたストライプ構造としている。また、第2色分離素子基板41には、第1色分離素子基板11と同様に、周縁部に一定幅の接合領域が確保され、その内側上面の表示有効領域に色分離溝411が形成される。ただし、色分離溝411は、溝の深さを水平方向に連続させたストライプ構造としている。
【0020】
一方、液晶パネル21は、光源61から照射されるバックライトの入射側から順に、下偏光板211、TFT基板212、液晶層213、CF層214、CFガラス基板215、上偏光板216を積層した構造となっている。TFT基板212には、バックライトの入射面側に、周縁から一定幅で接合領域が確保されている。その接合領域の内側の表示有効領域には、下偏光板211が装着される。
【0021】
また、詳述しないが、TFT基板212には、ガラス基板上に複数の画素毎に設けられる画素TFTが形成されている。CF層214を含むCFガラス基板215をCF基板とする。TFT基板212とCF基板はギャップ材を含有したシール材層によって接着されており、シール材層により液晶層213がTFT基板212とCF基板との間に封止されることになる。
【0022】
なお、第1色分離素子基板11と第2色分離素子基板41とを貼り合わせる上記接合層31の一部と、第2色分離素子基板41と液晶パネル21とを貼り合わせる上記接合層51の一部には、それぞれ空気穴32、52となる切り欠き部が形成されている。空気穴32、52は、それぞれ表示装置の外部と第1色分離素子基板11と第2色分離素子基板41と下偏光板211との間の部分に温度差が生じて、内部が曇る(結露)するのを防ぐ、内部空間の結露防止策として機能する。
【0023】
上記構造による第1色分離素子基板11と第2色分離素子基板41による色分離処理は、図3に示すように、色分離溝111が垂直ストライプ状に形成される第1色分離素子基板11でバックライトを溝形成方向に沿ってRGBに分離し、そのRGB分離光を色分離溝411が水平ストライプ状に形成される第2色分離素子基板41で溝形成方向に同一色を分離し、結果的にRGBそれぞれで集光して液晶パネル21に出力する。
【0024】
上記構成による表示装置において、図4及び図5を参照して、従来の場合と比較して、その作用効果について説明する。
【0025】
図4は、実施形態に係る表示装置の色分離素子基板の色分離光がCFに集光される様子を示すもので、(a)従来の概略構造、(b)は本実施形態の概略構造を示す斜視図である。また、図5は、図1に示す表示装置の色表示を従来構造と比較して示すもので、(a)は従来の色表示、(b)は本実施形態の色表示を示す正面図である。
【0026】
従来構造では、第1色分離溝111は垂直方向に連続するのみなので、CFのRGB有効領域以外のフレーム領域の部分にもRGB有効領域に集光した光が当たり、その部分は輝度向上に寄与していない。そこで、輝度向上に寄与しない光をRGB有効領域に集光させることで、さらなる輝度向上を図る。
【0027】
その手法として、本実施形態では、図4(b)に示すように、色分離溝の形成方向が垂直方向の第1色分離素子基板11に重ねて、色分離溝の形成方向が水平方向の第2色分離素子基板41を配置する。この結果、従来では図5(a)に示すようにCFのフレーム領域に当たっていた光が第2色分離素子基板41の水平方向に形成した溝411によって屈折し、図5(b)に示すようにフレーム対向領域の光がRGB有効領域に集光されるようになり、色分離光の有効利用度が上がり、輝度向上に寄与されるようになる。
【0028】
従来の構造では、白色平行光を色分離素子でRGBに分離して、CFの各RGBの位置に集光している。色分離の溝は1方向のみなので、CFのRGB有効領域以外のフレームの部分にもRGBに集光した光が当たり、その部分は輝度増加に影響していない。
【0029】
そこで、本実施形態では、最下層の第1色分離とCFの間に第2色分離を追加して、フレーム領域に進む光をCFのRGB領域に集光させる。
【0030】
ただし、第2色分離の溝は第1色分離の溝とは直交する方向に形成してあるため、RGB全ての波長を集光させるのではなく、この列はRを集光し、隣の列はGを集光するというように、列ごとにRGBの何れかの光を集光させる働きをする。この働きは、RGBの各色で輝度にムラが生じている場合に、特定の波長の輝度を強める等に応用することができる。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、凹凸方向が90度異なる色分離素子を積層するようにているので、画面の垂直方向だけでなく、水平方向にもRGBに分離することができで、従来よりも輝度の増加を図ることができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図6及び図7を参照して、第2の実施形態を説明する。図6は、第2の実施形態に係る表示装置の色分離素子基板の構造を示す分解斜視図、図7は、図6に示す第2色分離素子基板の色集光機能と色集光例を示す斜視図である。
【0033】
第1の実施形態では、色分離溝の形成方向が垂直方向の第1色分離素子基板11に重ねて、色分離溝の形成方向が水平方向の第2色分離素子基板41を配置するようにしたが、第2の実施形態では、図6に示すように、色分離溝の形成方向が水平方向の第2色分離素子基板41に代わって、RGBの波長領域毎に集光可能な段差を有する溝を個別に形成してある第2色分離素子基板71を配置している。
【0034】
上記第2色分離素子基板71の構造は、図7(a)に示すように、RGB全ての波長域に対して、CFのフレーム領域に到達する光をRGBの各画素に集光可能な段差を形成したものである。この第2色分離素子基板71を第1色分離素子基板11に重ねることで、図7(b)に示すように、CFのフレーム領域に当たっていた光がRGB有効領域に集まるため、輝度が増加するようになる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る表示装置によれば、CF側のフレーム領域で遮蔽されていた色分離光がRGB有効領域に集光されるようになり、光の利用効率を向上させることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、色分離素子基板、TFT基板を、いずれもガラス材の加工品としたが、樹脂等の透明素材を用いてもよい。
【0037】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0038】
11…第1色分離素子基板、111…色分離溝、21…液晶パネル、211…下偏光板、212…TFT基板、213…液晶層、214…CF層、215…CFガラス基板、216…上偏光板、31…接合層、32…空気穴、41…第2色分離素子基板、411…色分離溝、51…接合層、52…空気穴、61…光源、71…第2色分離素子基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9