(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180836
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】制御装置及び制御システム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20231214BHJP
A47C 7/72 20060101ALI20231214BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20231214BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20231214BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20231214BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20231214BHJP
H04R 1/02 20060101ALN20231214BHJP
【FI】
H04R3/00 310
A47C7/72
B60N2/90
H04R1/00 310G
G10K15/04 302F
G10K15/04 302M
B60R11/02 S
H04R1/02 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094456
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐樹
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3D020
5D017
5D208
5D220
【Fターム(参考)】
3B084JD07
3B087DE10
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC11
3D020BE03
5D017AA13
5D017AA14
5D017AE12
5D017AE18
5D208DA01
5D208DC02
5D220AA12
5D220AA34
5D220AB04
5D220AB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】音声と振動刺激とによって、多くの場面でユーザに対して所望の効果を与える制御装置及び制御システムを提供する。
【解決手段】制御装置と、選択装置5と、を備える環境管理システム1において、ユーザ10が着席する着席部(シート6)を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置(第1音響装置3a、第2音響装置3b)及び複数の振動装置(第1振動装置2a、第2振動装置2b、第3振動装置2c)を制御する制御装置は、設定部と、制御部4と、を備える。設定部は、複数のモードの中から1つのモードを設定する。制御部は、複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、設定部により設定されたモードに応じた組み合わせで、少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ(10)が着席する着席部(6)を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置(3,3a,3b)及び複数の振動装置(2,2a,2b,2c)を制御する制御装置であって、
複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成された設定部(S101)と、
前記複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、前記複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、前記設定部により設定された前記モードに応じた組み合わせで、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成された制御部(S102~S105)と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記複数の音響装置は、第1音響装置(3a)と、前記第1音響装置よりも着席時の前記ユーザの耳の位置から遠い位置に設けられた第2音響装置(3b)と、を含み、
前記複数の振動装置は、着席時の前記ユーザの背中に接触する位置に配置される背中用振動装置(2a)を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記第1音響装置に音声を出力させるとともに、前記背中用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記第1音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致するように、前記背中用振動装置に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の制御装置であって、
前記複数の振動装置は、着席時の前記ユーザの背中に接触する位置に配置される背中用振動装置を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記背中用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記少なくとも1つの音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、かつ、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の振幅が他のモードよりも小さくなるように、前記背中用振動装置に断続的に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の制御装置であって、
前記ユーザの疲労位置を特定する特定部(S101)を更に備え、
前記複数の振動装置のうち、前記特定部により特定された前記ユーザの疲労位置に接触する位置に配置される振動装置を特定振動装置としたとき、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記複数の振動装置のうちの前記特定振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記特定振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記少なくとも1つの音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、前記特定振動装置に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の制御装置であって、
前記複数の音響装置は、第1音響装置と、前記第1音響装置よりも着席時の前記ユーザの耳の位置から遠い位置に設けられた第2音響装置と、を含み、
前記複数の振動装置は、前記ユーザが着座する座面の位置に配置される座面用振動装置(2c)を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記第1音響装置に音声を出力させるとともに、前記座面用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記座面用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記第1音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、前記座面用振動装置に断続的に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【請求項6】
ユーザが着席する着席部を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置及び複数の振動装置を制御する制御装置と、
前記ユーザが複数のモードの中から1つのモードを選択可能に構成された選択装置(5)と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成された設定部と、
前記複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、前記複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、前記設定部により設定された前記モードに応じた組み合わせで、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成された制御部と、
を備える、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、振動信号を楽曲の音声信号と同期した時間から所定の時間だけずらして出力する振動信号出力装置が記載されている。当該装置は、癒しモードが選択された場合、振動信号を楽曲の音声信号と同期した時間よりも第1の時間だけ遅れて出力する。また、当該装置は、覚醒モードが選択された場合、振動信号を楽曲の音声信号と同期した時間よりも第2の時間だけ早くなるように出力する。当該装置は、リラックス効果も覚醒効果もほとんどない楽曲であっても、その楽曲に基づいた振動により楽曲の聴者の心身の状態に所望の効果を与えることを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、以下の課題が見出された。特許文献1に記載の装置は、楽曲に基づいた振動しか出力することができず、当該目的と異なる効果を与えたい場合には不適切であり、効果的に使用できる状況が限定的であった。
【0005】
本開示の一局面は、音声と振動刺激とによって、多くの場面でユーザに対して所望の効果を与えることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ユーザ(10)が着席する着席部(6)を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置(3,3a,3b)及び複数の振動装置(2,2a,2b,2c)を制御する制御装置であって、設定部(S101)と、制御部(S102~S105)と、を備える。設定部は、複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成される。制御部は、複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、設定部により設定されたモードに応じた組み合わせで、少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成される。このような構成によれば、音声と振動刺激とによって、多くの場面でユーザに対して所望の効果を与えることができる。
【0007】
本開示の一態様は、制御システムであって、制御装置と、選択装置(5)と、を備える。制御装置は、ユーザが着席する着席部を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置及び複数の振動装置を制御する。選択装置は、ユーザが複数のモードの中から1つのモードを選択可能に構成される。制御装置は、設定部と、制御部と、を備える。設定部は、複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成される。制御部は、複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、設定部により設定されたモードに応じた組み合わせで、少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成される。このような構成によれば、音声と振動刺激とによって、多くの場面でユーザに対して所望の効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】環境管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】環境管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】集中モードの効果を確認する実験の実験結果を示す図である。
【
図5】リラックスモードの効果を確認する実験の実験結果を示す図である。
【
図6】
図6A,6Bは、疲労軽減モードの効果を確認する実験の実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1及び
図2に示す環境管理システム1は、一例として、車両に搭載される。環境管理システム1は、第1振動装置2aと、第2振動装置2bと、第3振動装置2cと、第1音響装置3aと、第2音響装置3bと、制御部4と、モニタ5と、シート6と、を備える。以下、第1振動装置2a、第2振動装置2b及び第3振動装置2cをまとめて振動装置2と表すことがある。また、第1音響装置3a及び第2音響装置3bをまとめて音響装置3と表すことがある。環境管理システム1は、振動装置2及び音響装置3を制御可能であり、音響装置3から音声が出力されるときに振動装置2による振動動作を実行することによって、乗員10を、複数の状態のうちのいずれか1つの状態に誘導する。以下、音声とは音響装置3から出力される可聴音をいい、音楽とは音声のうち芸術性をもつものをいう。
【0010】
振動装置2は、乗員10に振動刺激を付与するための装置である。振動装置2は、制御部4にて設定された振動波形に合わせて振動する。
第1振動装置2aは、シート6の背凭れにおいて、乗員10の背中付近に接触し、振動刺激を付与できる位置に埋め込まれている。
【0011】
第2振動装置2bは、シート6の背凭れにおいて、乗員10の腰付近に接触し、振動刺激を付与できる位置に埋め込まれている。
第3振動装置2cは、シート6の座面において、乗員10の裏腿付近に接触し、振動刺激を付与できる位置に埋め込まれている。
【0012】
音響装置3は、音声を流すためのスピーカである。音響装置3は、制御部4にて設定された音声を出力する。
第1音響装置3aは、シート6において、乗員10の耳元付近に設置されている。
【0013】
第2音響装置3bは、ナビゲーション装置近傍に設置されている。第2音響装置3bは、第1音響装置3aよりも着席時の乗員10の耳の位置から遠い位置に設けられている。
制御部4は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、制御部4は当該プログラムに従い、後述する
図7に示すモード処理を実行する。なお、制御部4は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
【0014】
制御部4に含まれる各部の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の機能は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、デジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
【0015】
制御部4は、複数の音響装置3のうちの少なくとも1つの音響装置3と、複数の振動装置2のうちの少なくとも1つの振動装置2との組み合わせのうちの、後述する状態モードに応じた組み合わせで、少なくとも1つの音響装置3に音声を出力させるとともに、少なくとも1つの振動装置2に振動動作を実行させることができるように構成されている。
【0016】
制御部4は、音楽発生装置41と、振動発生装置42と、を備える。
音楽発生装置41は、フラッシュメモリや、CD(Compact Disc)などの記憶媒体、クラウドなどに記憶された音楽のデータを取得し、この取得したデータから音楽の音声信号を生成する。音楽発生装置41は、生成した音声信号を音響装置3に出力する。このとき、音楽発生装置41は、状態モードに応じた音響装置3に音声信号を出力する。より詳しくは、音楽発生装置41は、第1音響装置3aに接続する端子6a、又は、第2音響装置3bに接続する端子6bに選択的に接続可能である。なお、音楽発生装置41は、端子6a及び端子6bに同時に接続可能であってもよい。
【0017】
制御部4は、状態モードに応じた振動装置2に振動信号を出力する。制御部4は、音楽発生装置41から出力される音声信号を振動信号として振動装置2に出力することもできるし、振動発生装置42が設定した振動信号を振動装置2に出力することもできる。
【0018】
音楽発生装置41から出力される音声信号は、ローパスフィルタ43を通過し、低周波成分のみ振動信号として振動装置2に出力される。例えば、ローパスフィルタ43のカットオフ周波数は、可聴周波数の下限付近又はそれよりも低い周波数に設定されている。本実施形態では、ローパスフィルタ43のカットオフ周波数は、20Hz~40Hzの間に設定されている。第1振動装置2aに接続する端子6c、第2振動装置2bに接続する端子6d及び第3振動装置2cに接続する端子6eのいずれか1つ以上と、端子7aと、が接続されることで、ローパスフィルタ43を通過した低周波帯域の振動信号が振動装置2に出力される。なお、制御部4は、ローパスフィルタ43に替えて、バンドパスフィルタを備えていてもよい。
【0019】
振動発生装置42は、振動波形を設定し、振動波形に応じた振動信号を振動装置2に出力する。例えば、振動発生装置42は、振動の周波数、周期、強さ及び振動刺激を与える時間等を設定する。第1振動装置2aに接続する端子6c、第2振動装置2bに接続する端子6d及び第3振動装置2cに接続する端子6eのいずれか1つ以上と、端子7bと、が接続されることで、設定した振動信号が振動装置2に出力される。
【0020】
モニタ5は、乗員10に状態モードを提示するための表示装置である。例えば、モニタ5はタッチパネルを備えており、乗員10は表示された状態モードのアイコンの中から所望の状態モードのアイコンをタッチする。乗員10がタッチしたアイコンの状態モードを示す信号は、制御部4に入力される。また、状態モードのうち、後述する疲労軽減モードが選択された場合には、疲労軽減モードを実行したい疲労位置を選択できるように、疲労位置を示すアイコンが表示される。本実施形態では、疲労位置を示すアイコンとして、背中、腰、裏腿を示すアイコンが表示される。乗員10がタッチした、疲労位置を示すアイコンの信号は、制御部4に入力される。
【0021】
[1-2.状態モードの説明]
図3を用いて、各状態モードについて説明する。実線は、振動装置2の振動の波形、又は、音響装置3の音声の波形を表し、点線は、音響装置3の音声の包絡線を表す。
【0022】
まず、集中モードについて説明する。集中モードとは、乗員10の快適感や覚醒度を適度に上げて、乗員10の集中を高める効果が期待できるモードのことをいう。集中モードでは、制御部4は、第1音響装置3aに音声を出力させるとともに、第1振動装置2aに振動動作を実行させる。具体的には、制御部4は、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致するように、第1振動装置2aに振動動作を実行させる。特定の音声とは、ローパスフィルタ43を通過した、低周波帯域の音声をいう。例えば、音楽のテンポを刻むベースの音声が特定の音声に該当する。また、包絡線の形状が一致するとは、完全に一致することも実質的に一致することも含む。集中モードの一例として、制御部4は、音声としてテンポが速い音楽を出力し、音楽と連動した振動刺激を出力する。テンポが速い音楽とは、例えば人間の安静時の心拍数よりもテンポが速い音楽であり、一例として、特定の音声のテンポが140bpm程度の音楽をいう。
【0023】
続いて、リラックスモードについて説明する。リラックスモードとは、乗員10の快適感を上げて、覚醒度を下げることで、乗員10がリラックスするよう促す効果が期待できるモードのことをいう。なお、リラックスモードを長時間維持した場合、乗員10を入眠させる効果も期待できる。リラックスモードでは、制御部4は、第1音響装置3aに音声を出力させるとともに、第1振動装置2aに振動動作を実行させる。具体的には、制御部4は、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、かつ、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の振幅が他のモードよりも小さくなるように、第1振動装置2aに断続的に振動動作を実行させる。リラックスモードの一例として、制御部4は、乗員10が皮膚で感じやすい周波数の振動刺激を出力する。皮膚で感じやすい周波数とは、皮膚の受容体で振動を感じやすく、かつ、振動装置2から騒音が生じない周波数をいう。一例として、40Hz又は30Hz以下の周波数が好ましく、20Hz以下の周波数がより好ましい。また、例えば、制御部4は、音声としてテンポが遅い音楽を出力し、音楽よりもさらにテンポが遅い振動刺激を出力する。テンポが遅い音楽とは、例えば人間の安静時の心拍数よりもテンポが遅い音楽であり、一例として、特定の音声のテンポが65bpm程度の音楽をいう。音楽よりもさらにテンポが遅い振動刺激とは、一例として30bpm程度の振動刺激である。なお、リラックスモードにおいて、制御部4は、第2音響装置3bに音声を出力させてもよい。
【0024】
続いて、疲労軽減モードについて説明する。疲労軽減モードとは、乗員10の疲労感を軽減する効果が期待できるモードのことをいう。疲労軽減モードでは、制御部4は、第2音響装置3bに音声を出力させるとともに、乗員10が指定した疲労位置の振動装置2に振動動作を実行させる。本実施形態では、第1振動装置2a及び第2振動装置2bに振動動作を実行させる。具体的には、制御部4は、第1振動装置2a及び第2振動装置2bが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第2音響装置3bから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、第1振動装置2a及び第2振動装置2bに振動動作を実行させる。疲労軽減モードの一例として、制御部4は、音楽と連動しない、乗員10が皮膚で感じやすい周波数の振動刺激を出力する。なお、疲労軽減モードにおいて、制御部4は、第1音響装置3aに音声を出力させてもよいし、いずれの音響装置3にも音声を出力させなくてもよい。また、振動刺激を連続して出力し続けると、乗員10が振動刺激に慣れてしまい振動刺激を感じにくくなることがあるため、振動刺激を断続的に行ってもよい。
【0025】
続いて、覚醒モードについて説明する。覚醒モードとは、乗員10が眠った状態から瞬時に覚醒するという効果が期待できるモードのことをいう。覚醒モードでは、制御部4は、第1音響装置3aに音声を出力させるとともに、第3振動装置2cに振動動作を実行させる。具体的には、制御部4は、第3振動装置2cが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、第3振動装置2cに断続的に振動動作を実行させる。第1音響装置3aから出力する音声は、警報音であることが好ましい。警報音とは、乗員10がうるさいと感じる周波数が高めの音声であり、例えば、2000Hz程度の音声のことをいう。覚醒モードの一例として、制御部4は、警報音と、乗員10が皮膚で感じやすい周波数の振動刺激とを出力する。
【0026】
[1-3.官能評価]
[1-3-1.集中モードの効果を確認する実験]
6人の被験者に対し、画面上を移動する正弦波曲線をマウスで追跡するという試験を行った。正弦波曲線は一定の幅を有しており、中心線からのマウス操作のずれ量を記録した。
【0027】
図4に、(i)音楽も振動刺激も与えなかった場合と、(ii)集中モードの音楽と振動刺激を与えた場合と、におけるマウス操作のずれ量をプロットしたグラフを示す。
上述した(i)のパターンでは、6人の被験者におけるマウス操作のずれ量の平均値は12.1%であった。一方、(ii)のパターンでは、6人の被験者におけるマウス操作のずれ量の平均値は10.5%であった。(i)のパターンにおけるマウス操作のずれ量の平均値を基準としたときに、(ii)のパターンにおけるマウス操作のずれ量の平均値は、約13.5%減少したことになる。
【0028】
[1-3-2.リラックスモードの効果を確認する実験]
6人の被験者に対し、リラックスモードの効果を確認する実験を行った。
図5に、(iii)音楽も振動刺激も与えなかった場合と、(iv)リラックスモードの音楽と振動刺激を与えた場合と、における入眠までの時間をプロットしたグラフを示す。本実験では、消灯した部屋で、被験者の顔を撮影し、目をつぶった状態が一定時間継続した場合に、入眠したと判定した。
【0029】
上述した(iii)のパターンでは、6人の被験者における入眠までの時間の平均値は20分であった。一方、(iv)のパターンでは、6人の被験者における入眠までの時間の平均値は15分であった。(iii)のパターンにおける入眠までの時間の平均値を基準としたときに、(iv)のパターンにおける入眠までの時間の平均値は、25%減少したことになる。
【0030】
[1-3-3.疲労軽減モードの効果を確認する実験]
7人の被験者に対し、疲労軽減モードの効果を確認する実験を行った。本実験は、7人の被験者に対し、ドライビングシミュレータを操作させながら行われた。具体的には、被験者に対し、ドライビングシミュレータを50分間連続使用させた後、肩又は腰のうち疲労度が高い方に振動刺激を与えた。肩の方が疲労度が高いと回答した被験者は4人であり、腰の方が疲労度が高いと回答した被験者は3人であった。疲労度は0~5の6段階で示し、2分ごとに被験者に口頭でアンケートを採り回答してもらった。振動刺激は、周波数30Hz、周期1.5Hz、デューティ比90%に設定されており、15分間与えられた。
図6Aに示されるように、振動刺激を与える直前よりも、振動刺激を与えた後の方が、肩の疲労度が軽減した。また、
図6Bに示されるように、振動刺激を与える直前よりも、振動刺激を与えた後の方が、腰の疲労度が軽減した。
【0031】
[1-4.処理]
制御部4が実行するモード処理を、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、乗員10がモニタ5に表示された状態モードのアイコンの何れかをタッチすることで実行される。
【0032】
まず、S101で、制御部4は、状態モードを取得し、状態モードのうちいずれかのモードを設定する。具体的には、制御部4は、モニタ5から入力された状態モードを取得し、状態モードが、集中モード、リラックスモード、疲労軽減モード及び覚醒モードのうちのいずれのモードであるかを判定し、判定に応じた状態モードを設定する。疲労軽減モードが設定された場合には、モニタ5から入力された疲労位置も取得し、乗員10の疲労位置を特定する。なお、S101が設定部及び特定部に相当する。
【0033】
制御部4は、S101で状態モードが集中モードであると判定した場合、S102に移行する。S102で、制御部4は、上述した集中モードにおける音声と振動刺激とを出力する。その後、制御部4は、モード処理を終了する。
【0034】
制御部4は、S101で状態モードがリラックスモードであると判定した場合、S103に移行する。S103で、制御部4は、上述したリラックスモードにおける音声と振動刺激とを出力する。その後、制御部4は、モード処理を終了する。
【0035】
制御部4は、S101で状態モードが疲労軽減モードであると判定した場合、S104に移行する。S104で、制御部4は、上述した疲労軽減モードにおける音声と振動刺激とを出力する。その後、制御部4は、モード処理を終了する。
【0036】
制御部4は、S101で状態モードが覚醒モードであると判定した場合、S105に移行する。S105で、制御部4は、上述した覚醒モードにおける音声と振動刺激とを出力する。その後、制御部4は、モード処理を終了する。なお、S102~S105が制御部に相当する。
【0037】
[1-5.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)制御部4は、状態モードに応じた組み合わせで、少なくとも1つの音響装置3に音声を出力させるとともに、少なくとも1つの振動装置2に振動動作を実行させるように構成されている。このような構成によれば、様々な音声と振動刺激とによって、多くの場面で効果的な影響を与えることができる。
【0038】
(1b)集中モードでは、制御部4は、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致するように、第1振動装置2aに振動動作を実行させる。このような構成によれば、[1-3-1.集中モードの効果を確認する実験]で上述したように、乗員10の作業のパフォーマンスを上げることが可能となり、乗員10の集中を高める効果が期待できる。また、乗員10の耳元付近に設置されている第1音響装置3aから音声を出力するため、臨場感や快適度を高める効果が期待できるとともに、大音量でも周囲へ音漏れすることを抑制することができる。
【0039】
(1c)リラックスモードでは、制御部4は、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、かつ、第1振動装置2aが実行する振動動作における振動波形の振幅が他のモードよりも小さくなるように、第1振動装置2aに断続的に振動動作を実行させる。このような構成によれば、[1-3-2.リラックスモードの効果を確認する実験]で上述したように、乗員10がリラックスするよう促す効果が期待できる。また、振動波形の振幅が他のモードよりも小さくすることで、振動刺激が強すぎてリラックスの効果が弱まる状態を回避することができる。
【0040】
(1d)疲労軽減モードでは、制御部4は、第1振動装置2a及び第2振動装置2bが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第2音響装置3bから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、第1振動装置2a及び第2振動装置2bに振動動作を実行させる。このような構成によれば、[1-3-3.疲労軽減モードの効果を確認する実験]で上述したように、疲労位置に振動刺激を与えることが可能となり、疲労感を軽減する効果が期待できる。
【0041】
(1e)覚醒モードでは、制御部4は、第3振動装置2cが実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、第1音響装置3aから出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、第3振動装置2cに断続的に振動動作を実行させる。このような構成によれば、乗員10を瞬時に覚醒させるという効果が期待できる。また、乗員10の耳元付近に設置されている第1音響装置3aから警報音を出力するため、より乗員10を覚醒させやすい。
【0042】
(1f)音楽発生装置41から出力される音声信号は、ローパスフィルタ43を通過し、低周波成分のみ振動信号として振動装置2に出力される。ローパスフィルタ43のカットオフ周波数は、可聴周波数の下限付近又はそれよりも低い周波数に設定されている。このような構成によれば、振動装置2の振動が音として乗員10に聞こえても、騒音として認識されないため、乗員10の快適さを阻害することを抑制できる。
【0043】
(1g)制御部4は、各状態モードにおいて、乗員10が皮膚で感じやすい周波数の振動刺激を出力する。このような構成によれば、皮膚の受容体で振動を感じやすいが、振動装置2から騒音が生じにくいため、より効果的に乗員10の状態を遷移させることができる。
【0044】
[1-6.対応関係]
第1振動装置2aが背中用振動装置に相当し、第1振動装置2a、第2振動装置2b及び第3振動装置2cが特定振動装置に相当し、第3振動装置2cが座面用振動装置に相当し、制御部4が制御装置に相当し、環境管理システム1が制御システムに相当する。また、モニタ5が選択装置に相当し、シート6が着席部に相当する。
【0045】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0046】
(2a)上記実施形態では、第1振動装置2a、第2振動装置2b及び第3振動装置2cの3つの振動装置2に振動を実行させる構成を例示した。しかし、上述した各モードにおいて、2つ以下の振動装置、又は、4つ以上の振動装置に振動を実行させてもよい。また、上記実施形態では、第1音響装置3a及び第2音響装置3bの2つの音響装置3に音楽を出力させる構成を例示した。しかし、上述した各モードにおいて、3つ以上の音響装置に音楽を出力させる構成であってもよい。
【0047】
(2b)上記実施形態では、乗員10はモニタ5に表示された状態モードのアイコンの中から所望の振動モードのアイコンをタッチすることで、所望の状態モードが実行される構成を例示した。しかし、状態モードの実行が開始されるタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、制御部4は、乗員10が眠気を感じていると判定した場合、振動装置2に覚醒モードを実行させることとしてもよい。一例として、制御部4は、ドライバステイタスモニタにて撮影された乗員10の顔の画像を解析し、乗員10が眠気を感じているか否かを判定してもよい。このように、乗員10の状態をトリガとして振動動作を開始してもよい。またこれ以外にも、明るさ、気温、道路属性などの車両の存在する環境、時刻、ナビゲーションシステムにより求められる目的地までの距離や時間などをトリガとしてもよい。
【0048】
(2c)上記実施形態の官能評価では、音楽と振動刺激との関係について詳述した。しかし、音楽の代わりに、音楽ではない音声を流し、音声と振動刺激との組み合わせにより乗員10の状態を誘導してもよい。
【0049】
(2d)上記実施形態では、環境管理システム1が車両に搭載される構成を例示したが、環境管理システム1が搭載される対象はこれに限定されるものではない。例えば、環境管理システム1は、鉄道車両、航空機、船舶など、自動車以外の移動体に搭載されていてもよい。また、例えば、環境管理システム1は、オフィスの椅子など、屋内で使用される、移動体以外の構成に搭載されてもよい。
【0050】
(2e)上記実施形態では、疲労位置を示すアイコンを乗員10が選択することにより、選択された部位に対して疲労軽減モードが実行される構成を例示した。しかし、疲労位置は選択されなくてもよい。例えば、振動する振動装置2を順次切り替えることにより、疲労軽減モードが実行されてもよい。このような構成によれば、全身の疲労を満遍なく軽減させることができる。
【0051】
(2f)上記実施形態の覚醒モードでは、第1音響装置3aに音声を出力させる構成を例示した。しかし、複数の音響装置3を用いて、音源が相対的に遠くから、相対的に近くへと移動してくるように音声を出力させてもよい。このような構成によれば、音源が移動することにより、より緊急度を演出することができる。
【0052】
(2g)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0053】
(2h)本開示は、前述した制御装置の他、当該制御装置を構成要素とするシステム、当該制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、振動制御の方法など、種々の形態で実現することができる。
【0054】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
ユーザ(10)が着席する着席部(6)を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置(3,3a,3b)及び複数の振動装置(2,2a,2b,2c)を制御する制御装置であって、
複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成された設定部(S101)と、
前記複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、前記複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、前記設定部により設定された前記モードに応じた組み合わせで、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成された制御部(S102~S105)と、
を備える、制御装置。
【0055】
[項目2]
項目1に記載の制御装置であって、
前記複数の音響装置は、第1音響装置(3a)と、前記第1音響装置よりも着席時の前記ユーザの耳の位置から遠い位置に設けられた第2音響装置(3b)と、を含み、
前記複数の振動装置は、着席時の前記ユーザの背中に接触する位置に配置される背中用振動装置(2a)を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記第1音響装置に音声を出力させるとともに、前記背中用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記第1音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致するように、前記背中用振動装置に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【0056】
[項目3]
項目1又は項目2に記載の制御装置であって、
前記複数の振動装置は、着席時の前記ユーザの背中に接触する位置に配置される背中用振動装置を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記背中用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記少なくとも1つの音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、かつ、前記背中用振動装置が実行する振動動作における振動波形の振幅が他のモードよりも小さくなるように、前記背中用振動装置に断続的に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【0057】
[項目4]
項目1から項目3までのいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記ユーザの疲労位置を特定する特定部(S101)を更に備え、
前記複数の振動装置のうち、前記特定部により特定された前記ユーザの疲労位置に接触する位置に配置される振動装置を特定振動装置としたとき、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記複数の振動装置のうちの前記特定振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記特定振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記少なくとも1つの音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、前記特定振動装置に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【0058】
[項目5]
項目1から項目4までのいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記複数の音響装置は、第1音響装置と、前記第1音響装置よりも着席時の前記ユーザの耳の位置から遠い位置に設けられた第2音響装置と、を含み、
前記複数の振動装置は、前記ユーザが着座する座面の位置に配置される座面用振動装置(2c)を含み、
前記制御部は、前記複数のモードのうちのいずれか1つ以上のモードでは、前記第1音響装置に音声を出力させるとともに、前記座面用振動装置に振動動作を実行させ、
前記制御部は、前記座面用振動装置が実行する振動動作における振動波形の包絡線の形状が、前記第1音響装置から出力される音声のうちの特定の音声の包絡線の形状と一致しないように、前記座面用振動装置に断続的に振動動作を実行させることが可能に構成されている、制御装置。
【0059】
[項目6]
ユーザが着席する着席部を基準とした所定の位置に配置されている、複数の音響装置及び複数の振動装置を制御する制御装置と、
前記ユーザが複数のモードの中から1つのモードを選択可能に構成された選択装置(5)と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のモードの中から1つのモードを設定するように構成された設定部と、
前記複数の音響装置のうちの少なくとも1つの音響装置と、前記複数の振動装置のうちの少なくとも1つの振動装置と、の組み合わせのうちの、前記設定部により設定された前記モードに応じた組み合わせで、前記少なくとも1つの音響装置に音声を出力させるとともに、前記少なくとも1つの振動装置に振動動作を実行させるように構成された制御部と、
を備える、制御システム。
【符号の説明】
【0060】
1…環境管理システム、2…振動装置、2a…第1振動装置、2b…第2振動装置、2c…第2振動装置、3…音響装置、3a…第1音響装置、3b…第2音響装置、4…制御部、5…モニタ、6…シート、6a,6b,6c,6d,6e,7a,7b…端子、10…乗員、41…音楽発生装置、42…振動発生装置、43…ローパスフィルタ。