IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図1
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図2
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図3
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図4
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図5
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図6
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図7
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図8
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図9
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図10
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図11
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図12
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図13
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図14
  • 特開-シート給送装置、及び画像形成装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180837
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】シート給送装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20231214BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20231214BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231214BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65H1/04 310A
B65H11/00 A
G03G15/00 401
B65H1/04 320A
B65H1/04 324
B65H3/48 320A
B65H3/48 320B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094463
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 洋
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輝
【テーマコード(参考)】
2H072
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072BA08
2H072BA12
2H072BA13
2H072BA19
2H072BA20
2H072BB04
2H072JA04
3F063BA04
3F063BA08
3F063BA10
3F063BC02
3F343FA02
3F343FA08
3F343FA09
3F343FA17
3F343FA18
3F343FB01
3F343FC04
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA21
3F343HA34
3F343HD02
3F343HD16
3F343HE04
3F343HE11
3F343HE27
3F343JD03
3F343JD04
3F343JD09
3F343JD28
3F343JD33
3F343JD35
3F343JD39
3F343KB03
3F343KB17
3F343KB18
3F343LA04
3F343LB08
3F343LD07
(57)【要約】
【課題】積載面に積載された最下位のシートを浮上することが可能でありながら、コストダウンを図ること。
【解決手段】シート給送装置(400)は、シートが積載される積載面(401S)を有する積載部材(401)と、積載面(401S)に積載されたシートを給送方向に給送する給送部(404)と、エアを送風する送風部(403A、403B)と、を備えている。そして、積載部材(401)は、積載面(401S)に対して溝状に形成され、送風部(403A、403B)からの送風を受け入れる溝部(401a)を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有する、
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記積載面に積載されたシートの前記給送方向と直交するシート幅方向と対向する第1規制面を有し、前記積載面に積載されたシートの位置を規制する第1側端ガイドと、
前記第1規制面に対向し、かつ前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向と対向する第2規制面を有し、前記積載面に積載されたシートの位置を規制する第2側端ガイドと、を備え、
前記第1側端ガイドは、前記送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向の端部に吹き付ける吹出口を有し、
前記溝部は、前記シート幅方向において前記吹出口と重なる位置を通るように配置され、前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記吹出口は、第1吹出口であり、
前記送風部は、第1送風部であり、
エアを送風する第2送風部を備え、
前記第2側端ガイドは、前記第2送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向の端部に吹き付ける第2吹出口を有し、
前記溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、かつ前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記溝部は、第1溝部であり、
前記第1溝部と並列に配置される第2溝部を備え、
前記第2溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、かつ前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記溝部は、終端となる終端部と、前記吹出口から前記終端部までを連通する連通部と、を含み、
前記終端部は、前記シート幅方向において、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第1規制面とは反対側に、かつ前記積載部材の前記シート幅方向における側面と前記第1規制面及び前記第2規制面の中央との間に配置される、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記第1側端ガイドと前記第2側端ガイドとは、前記第1規制面と前記第2規制面との距離が第1距離となる第1位置から、前記第1距離よりも大きい第2距離となる第2位置まで、連動して前記シート幅方向に移動し、
前記終端部は、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第1規制面とは反対側に、かつ前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載のシート給送装置。
【請求項7】
前記終端部は、第1終端部であり、
前記溝部は、終端となる第2終端部を含み、
前記連通部は、前記吹出口から分岐しつつ前記第1終端部及び前記第2終端部までを連通し、
前記第2終端部は、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第2規制面とは反対側に、かつ前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項8】
前記溝部は、第1溝部であり、
前記第1溝部と並列に配置される第2溝部を備え、
前記第1溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、
前記第2溝部は、前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れ、
前記第1終端部及び前記第2終端部は、前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする請求項7に記載のシート給送装置。
【請求項9】
前記終端部は、前記給送方向において、前記連通部の幅よりも大きい幅に形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項10】
前記連通部は、前記シート幅方向に対して前記給送方向に向けて屈曲された屈曲部を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項11】
前記終端部は、第1終端部であり、
前記溝部は、終端となる第2終端部を含み、
前記連通部は、前記吹出口から分岐して前記第1終端部及び前記第2終端部までを連通する、
ことを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
【請求項12】
前記第1側端ガイドは、前記積載面と摺動する摺動面と、前記摺動面よりも突出して前記溝部に挿入される凸部と、を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項13】
前記溝部は、底面と、前記底面から前記積載面まで繋ぐ第1側面と、前記底面から前記積載面まで繋ぎ、かつ前記第1側面に対して前記給送方向の下流に配置される第2側面と、を有し、
前記第2側面は、前記底面から前記積載面に向かうに連れて前記給送方向の下流に向かうように、前記積載面に対して傾斜する、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
【請求項14】
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、
前記送風部から送風されたエアを前記給送方向に吹き付ける吹出口と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有し、
前記溝部は、前記給送方向において前記吹出口と重なる位置を通るように配置され、前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項15】
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、
前記送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの端部に吹き付ける吹出口と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に形成された複数の穴と、前記複数の穴のそれぞれに埋設される移動部材と、前記移動部材を前記積載面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記積載面に所定枚数以上のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して前記複数の穴のそれぞれに埋没し、
前記積載面に所定枚数未満のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力により前記複数の穴のそれぞれから突出し、前記積載面と最下位のシートとの間に前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項16】
前記積載部材は、画像形成装置の装置本体に対して開閉自在であり、開いた状態で前記積載面にシートが積載される手差しトレイである、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項17】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在なシート収納部を備え、
前記積載部材は、昇降自在である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置から給送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを給送するシート給送装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、FAX、複合機等の画像形成装置において、高品位な成果物を得るため、コート紙や厚紙等の平滑度が高いシートを用いることが要求されている。このような平滑度が高いシートは、普通紙等よりも貼り付きがが生じ易いため、シートの端部にエアを吹き付けてシートを浮上させるものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1のようにシートの端部にエアを吹き付けてシートを浮上させるものでは、積載板に積載されたシートのうちの最下位のシートが積載板に貼り付いて浮上できないという現象が発生することがある。そのため、積載板に貫通孔を形成し、下方から最下位のシートにエアを吹き付けることで、最下位のシートの浮上を行うものも提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-223700号公報
【特許文献2】特開2011-57309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2のものは、積載板に貫通孔を形成し、下方から最下位のシートにエアを吹き付けるため、ファンで発生させた気流を貫通孔まで導通させるダクトを積載板の下方に設置したり、或いは積載板の下方に別のファンを設置したりする必要がある。このため、特許文献2の構成では、コストダウンを図ることが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、積載面に積載された最下位のシートを浮上することが可能でありながら、コストダウンを図ることが可能なシート給送装置、及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、シートが積載される積載面を有する積載部材と、前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、エアを送風する送風部と、を備え、前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有する、ことを特徴とするシート給送装置である。
【0008】
本発明の一態様は、シートが積載される積載面を有する積載部材と、前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、エアを送風する送風部と、前記送風部から送風されたエアを前記給送方向に吹き付ける吹出口と、を備え、前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有し、前記溝部は、前記給送方向において前記吹出口と重なる位置を通るように配置され、前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、ことを特徴とするシート給送装置である。
【0009】
本発明の一態様は、シートが積載される積載面を有する積載部材と、前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、エアを送風する送風部と、前記送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの端部に吹き付ける吹出口と、を備え、前記積載部材は、前記積載面に形成された複数の穴と、前記複数の穴のそれぞれに埋設される移動部材と、前記移動部材を前記積載面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、を有し、前記積載面に所定枚数以上のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して前記複数の穴のそれぞれに埋没し、前記積載面に所定枚数未満のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力により前記複数の穴のそれぞれから突出し、前記積載面と最下位のシートとの間に前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、ことを特徴とするシート給送装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、積載面に積載された最下位のシートを浮上することができるものでありながら、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す模式断面図である。
図2】第1の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図3】第1の実施の形態に係る手差し給送部の一部を示す拡大断面図である。
図4】第1の実施の形態に係る溝部の形状を示す拡大断面図である。
図5】第2の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図6】第2の実施の形態に係る手差し給送部の一部を示す拡大断面図である。
図7】第3の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図8】第4の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図9】第5の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図10】第6の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図11】第7の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。
図12】(a)は第7の実施の形態に係る手差し給送部においてシートが手差しトレイの積載面から浮上した状態を示す一部拡大断面図である。(b)は第7の実施の形態に係る手差し給送部においてシートが手差しトレイの積載面に積載されている状態を示す一部拡大断面図である。
図13】第8の実施の形態に係る給送デッキを示す斜視図である。
図14】第8の実施の形態に係る給送デッキを示す断面図である。
図15】第9の実施の形態に係る給送デッキを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態を図1乃至図4を用いて説明する。まず、第1の実施の形態に係る画像形成装置について図1を用いて説明する。図1は第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す模式断面図である。なお、本第1の実施の形態において説明する画像形成装置5は、デジタルカラー複合機であるが、これに限らず、プリンタ、複写機、商業印刷機など、どのような画像形成装置であってもよい。
【0013】
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置5は、大まかに装置本体1と、装置本体1の上方に配設される画像読取部2と、画像読取部2の上方に設置される原稿搬送部3を備える。また、装置本体1には、シート給送装置としての給送デッキ100及び手差し給送部400と、画像形成部120と、を有している。
【0014】
なお、本実施の形態において画像形成部120は、電子写真プロセスを利用したタンデム型・中間転写方式の画像形成部である。画像形成部120は、画像データに基づいて、フルカラー又は単色の画像をシートPに形成して出力することができる。シートPとしては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシートを使用可能である。
【0015】
[原稿搬送部]
原稿搬送部3は、原稿トレイ301上に上向きにセットされた原稿Dを、先頭頁から順に1枚ずつ給送し、湾曲したパスを介して画像読取部2のプラテンガラス201上を通過させた後に、排紙トレイ302に排出する。
【0016】
[画像読取部]
画像読取部2は、原稿搬送部3により搬送される原稿Dがプラテンガラス201上を左から右へ通過する際に、所定の位置に保持されたスキャナユニット202により画像読取処理を行う。具体的には、原稿Dの読取面をスキャナユニット202のランプ203の光で照射し、その原稿Dからの反射光を、ミラー204,205,206を介してレンズ207に導く。このレンズ207を通過した光を、イメージセンサ208の撮像面に結像し、電気的なデジタル信号に変換して伝送する。
【0017】
また、画像読取部2は、原稿搬送部3を使用せずに持ち上げて、プラテンガラス201上に原稿Dを直接セットし、スキャナユニット202を左から右へ走査させることによっても画像読取処理を行うことが可能である。即ち、画像読取部2は、必ずしも原稿搬送部3を装着しなくてもよく、プラテンガラス201上にセットした原稿Dを押さえる原稿押さえ部材を設けたものであってもよい。
【0018】
[画像形成部]
後述する給送デッキ100又はで手差し給送部400から給送されたシートPに画像を形成する画像形成部120は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のプロセスユニットを有する画像形成ユニット10を備える。各色の構成は同じであるため、Y(イエロー)のプロセスユニットを一例に説明し、他の色のステーションの説明は省略する。
【0019】
感光ドラム11Yは、帯電ローラ12Yによって表面を一様に帯電された後、伝送された画像情報の信号に基づいて駆動されるレーザスキャナ13によって、潜像を形成される。潜像は、現像器14Yによってトナー像として顕在化される。感光ドラム11Y上に顕在化したトナー像は、一次転写ローラ17Yにより所定の加圧力および静電的負荷バイアスを付与されることで、中間転写ベルト31に転写される。転写後、感光ドラム11Y上に残った僅かな残トナーは、感光ドラムクリーナ15Yによって除去回収され、再び、次の画像形成に備える。
【0020】
各色(Y、M、C、Bk)のプロセスユニットによって形成されたトナー像は、各色の一次転写ローラ17Y,17M,17C,17Bkにより、順次、中間転写ベルト31に一次転写される。フルカラー画像を形成する場合、各色のトナー像が中間転写ベルト31上で重なるように一次転写が行われることで、中間転写ベルト31上にカラーのトナー像が形成される。
【0021】
[給送デッキ]
装置本体1には、複数のシートPを収納し、シートPを画像形成部120に給送するシート給送装置としての給送デッキ100を備える。給送デッキ100は、シートPを収納するシート収納部100Aと、シートPを吸着して給送する給送部としてのシート給送ユニット100Bと、シート給送ユニット100Bにより給送を開始されたシートPを搬送する引抜ローラ110とを有する。
【0022】
シート収納部100Aにおいて、シートPは、給送デッキ100に備えられた積載部材としての積載板101上にシート束として積載される。シート束は、シートの給送方向と直交するシート幅方向を一対のサイド規制板102で、給送方向を給送デッキ100の壁面100a及び後端規制板104で、それぞれ挟まれることで位置決めされる。積載板101は、矢印a方向に昇降自在に構成され、積載された複数のシートPのうち、最上位のシートの上面が所定の高さになるように不図示の駆動モータ及びその駆動力で駆動される昇降機構により昇降される。
【0023】
一対のサイド規制板102は、シートPを挟んで互いに向かい合うように備えられ、図の前奥方向に連動して移動可能に設けられる。ユーザは、シートを載置すると一対のサイド規制板102をシート幅に合わせて移動させる。これにより、シート幅方向において、シートPの中央が各搬送ローラ等のシート幅方向の中央である搬送中心に一致するようにセットされる。後端規制板104は、ガイドレール105に沿って矢印b方向に移動可能で、載置されたシートの長さに応じてユーザが移動する。これにより、シートPは給送方向に対して適正な位置に位置決めされる。
【0024】
また、一対のサイド規制板102のそれぞれの内部には、図示を省略した浮上ファンが備えられている。その浮上ファンから送風されるエアは、吹出口102aから複数のシートPからなるシート束の側端に吹き付けられる。エアが吹き付けられたシート束のうちの上方にある数枚のシートPは、エアにより浮上すると共にそれらシートPの間にエアが流れることで1枚ずつに捌かれて分離される。なお、浮上ファンは、一対のサイド規制板102の一方にのみ備えた構成でも良い。また、一方のサイド規制板102に備える浮上ファン及び吹出口102aの個数はとのような個数でもよい。
【0025】
給送デッキ100の上部にあってシート収納部100Aの上方には、シート給送ユニット100Bが配置されている。シート給送ユニット100Bは、吸着ベルト106及び吸着ファン107を有している。吸着ベルト106には複数の孔が設けられており、吸着ファン107は吸着ベルト106の複数の穴を介してエアを吸引することで、最上位のシートPを吸着ベルト106に吸着する。
【0026】
吸着ベルト106は、不図示の駆動源により任意のタイミングで回転駆動することが可能であり、吸着ファン107の吸引によりシートPを吸着した状態で吸着ベルト106を回転駆動することで、吸着したシートPを搬送する。要するに、一対のサイド規制板102に備えられた浮上ファン103により分離及び浮上したシートPは、そのうちの最上位のシートPが吸着ファン107及び吸着ベルト106によって吸着されて搬送され、引抜ローラ110に向けて1枚ずつ給送される。
【0027】
[シートの給送]
上記給送デッキ100から引抜ローラ110に給送されたシートPは、レジストレーションローラ対23に搬送され、先端をレジストレーションローラ対23のニップ部に倣わせてループを形成することで、斜行が補正される。その後、レジストレーションローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取り、シートPを中間転写ベルト31と二次転写外ローラ35との間に搬送する。中間転写ベルト31上のカラーのトナー像は、対向配置された二次転写内ローラ34及び二次転写外ローラ35のニップ部において、所定の加圧力と静電的負荷バイアスが付与されることで、シートPに転写される。転写後、中間転写ベルト31上に残った僅かな残トナーは、クリーニングブレード36によって除去回収され、回収剤容器37に貯留される。そして画像形成部120は、再び次の画像形成に備える。シートP上に転写されたトナー像は、定着器40によって、加熱加圧されることで定着され、排紙ローラ対41により排紙トレイ50上に排出される。
【0028】
[手差し給送部]
次に、第1の実施の形態に係る手差し給送部について図1を参照しつつ図2乃至図4を用いて説明する。図2は第1の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。図3は第1の実施の形態に係る手差し給送部の一部を示す拡大断面図である。図4は第1の実施の形態に係る溝部の形状を示す拡大断面図である。
【0029】
図1に示すように、装置本体1の右側面に備えられた右扉80には、積載部材としての手差しトレイ401が右扉80に対して開閉自在に配置された手差し給送部400が備えられている。手差し給送部400は、大まかに、手差しトレイ401と、一対のサイド規制板402と、シート給送ユニット404と、を備えている。手差しトレイ401は、装置本体1(右扉80)に対して開いた状態で、その上面である積載面401SにシートPを載置可能である。また、手差しトレイ401の上には、シートPのシート幅方向にそれぞれ配置された一対のサイド規制板402が備えられている。
【0030】
図2に示すように、一対のサイド規制板402は、第1側端ガイドとしての第1サイド規制板402Aと、第2側端ガイドとしての第2サイド規制板402Bとを有する。第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとは、図示を省略したラックアンドピニオン機構等の連動機構によって、搬送中心Eを中心として、シート幅方向Wに移動可能に構成されている。第1サイド規制板402Aは、積載面401Sにシート幅方向に向けて形成された2箇所のガイド溝401dに嵌合して案内されつつ、下面である摺動面402Abが積載面401Sと摺動して移動する。同様に、第2サイド規制板402Bは、積載面401Sにシート幅方向に向けて形成された2箇所のガイド溝401eに嵌合して案内されつつ、下面である摺動面402Bbが積載面401Sと摺動して移動する。即ち、これらサイド規制板402は、第1規制面402ASと第2規制面402BSとの距離が最も近くなる第1距離となる第1位置から、その第1距離よりも大きく最も遠くなる第2距離となる第2位置まで、連動してシート幅方向に移動する。
【0031】
そして、第1サイド規制板402Aは、積載面401Sに積載されたシートPの給送方向Hと直交するシート幅方向と対向する第1規制面402ASを有している。同様に、第2サイド規制板402Bは、積載面401Sに積載されたシートPの給送方向Hと直交するシート幅方向Wと対向する第2規制面402BSを有している。第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとが互いにシート幅方向Wに移動され、第1規制面402ASと第2規制面402BSとによりシートPのシート幅方向の端部に当接して挟むことで、積載面401Sに積載されたシートの位置を規制する。これにより、シートPの姿勢を規制することができ、載置不良による斜行及び搬送過程における斜走を防止することができる。
【0032】
第1サイド規制板402Aには、エアを送風する第1送風部(送風部)としての2つの第1浮上ファン403Aが設置されている。また、第1サイド規制板402Aには、これら第1浮上ファン403Aから送風されたエアを積載面401Sに積載されたシートPのシート幅方向の一方側の端部に吹き付ける2つの第1吹出口402Aaが形成されている。これら第1吹出口402Aaは、第1浮上ファン403Aのそれぞれが設置された位置に対応して形成されている。
【0033】
また同様に、第2サイド規制板402Bには、エアを送風する第2送風部(送風部)としての2つの第2浮上ファン403Bが設置されている。また、第2サイド規制板402Bには、これら第2浮上ファン403Bから送風されたエアを積載面401Sに積載されたシートPのシート幅方向の他方側の端部に吹き付ける2つの第2吹出口402Baが形成されている。これら第2吹出口402Baは、第2浮上ファン403Bのそれぞれが設置された位置に対応して形成されている。
【0034】
なお、浮上ファンは、第1浮上ファン403Aだけ、或いは第2浮上ファン403Bだけのように、一方のサイド規制板402にだけ配置されたものでも構わない。また、一方のサイド規制板402に備えられる浮上ファン及び吹出口の個数はどのような個数でも構わない。
【0035】
そして、第1吹出口402Aa及び第2吹出口402Baからエアがシート束に吹き付けられると、シート束のうちの上方にある数枚のシートPがエアにより浮上すると共にそれらシートPの間にエアが流れることで1枚ずつに捌かれて分離される。これにより、シートPを給送する際に重送が生じることの防止が図られる。
【0036】
また、手差し給送部400は、図1に示すように、手差しトレイ401の給送方向の下流側(図の左隣)に給送部としてのシート給送ユニット404を備えている。シート給送ユニット404は、ピックアップローラ404aと、フィードローラ404bと、リタードローラ404cとを有して構成されている。ピックアップローラ404aは、手差しトレイ401に対して昇降可能に構成され、下降されて上記のようにエアにより捌かれた最上位のシートPに当接して回転し、そのシートPの給送を開始する。ピックアップローラ404aにより給送開始されたシートPは、フィードローラ404bにより給送される。この際、フィードローラ404bに圧接されて分離ニップを形成するリタードローラ404cにより給送方向とは逆方向に不図示のトルクリミッタを介して駆動モータからの回転トルクが付与される。これにより、シートPに重送して次のシートPが給送されても、リタードローラ404cにより分離されて手差しトレイ401に残される。なお、リタードローラ404cは、摩擦力によりシートを分離する分離部材の一例であり、例えば固定された軸にトルクリミッタを介して接続されたローラ部材や、フィードローラ404bと当接するパッド状の弾性部材を用いてもよい。
【0037】
このようにシート給送ユニット404によって手差しトレイ401から給送されたシートPは、装置本体1に配置された引抜ローラ対21により搬送され、その下流にある合流部22で給送デッキ100からの搬送経路と合流する。そして、レジストレーションローラ対23に搬送され、以降は、上述した給送デッキ100からの給送と同様に、シートPに画像形成が行われる。
【0038】
[第1の実施の形態に係る溝部の構成]
ついで、第1の実施の形態に係る手差しトレイ401に形成された溝部の構成について図2乃至図4を用いて説明する。図2に示すように、手差しトレイ401の積載面401Sには、シート幅方向Wが長手方向となるように複数の溝部401aが溝状に形成されている。
【0039】
詳細には、複数の溝部401aは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaと第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baとの両方に跨って給送方向Hにおいて重なる位置を通るように配置され、シート幅方向Wに直線状に形成されている。換言すると、複数の溝部401aは、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとのシート幅方向Wの中央である上記搬送中心Eを跨って越えるように形成されている。また、本第1の実施の形態においては、複数の溝部401aとして、1つの第1吹出口402Aa及び第2吹出口402Baに対応して2つの溝部401aが並列して形成されている。即ち、複数の溝部401aとして、給送方向Hの下流側に配置された第1溝部401a1と、その第1溝部401a1に対して並列に給送方向Hの上流側に配置された第2溝部401a2と、を含む。つまり、本第1の実施の形態では、上記第1サイド規制板402Aに2個所の第1吹出口402Aa及び上記第2サイド規制板402Bに2個所の第2吹出口402Baを有しているため、複数の溝部401aは4本形成されている。なお、本第1の実施の形態では、第1吹出口402Aa及び第2吹出口402Baに対して形成された溝部401aの本数が2本であるが、溝部401aの本数をこれに限定するものではない。
【0040】
また、本第1の実施の形態において、溝部401aは、シート幅方向Wの長さが手差しトレイ401と同じであり、手差しトレイ401のシート幅方向Wの全域に亘って形成されている。そのため、溝部401aのそれぞれの端部は、手差しトレイ401の一方側の側面401bと他方側の側面401cとに開口している。即ち、図3に示すように溝部401aの一方側の端部401aaは、手差しトレイ401の一方側の側面401bにおいて開口している。
【0041】
なお、第1の実施の形態では、溝部401aの端部が手差しトレイ401のシート幅方向Wの全域に亘って形成されているもの説明している。しかしながら、一対のサイド規制板402をシート幅方向Wに最大まで遠ざけた状態で、第1吹出口402Aaと第2吹出口402Baとの両方に跨って配置されていれば、手差しトレイ401のシート幅方向Wの全域に亘っていなくてもよい。つまり、一対のサイド規制板402をシート幅方向Wに最大まで遠ざけた状態で、溝部401aの端部が、第1吹出口402Aaと第2吹出口402Baと同じ位置、或いは手差しトレイ401のシート幅方向Wの端部の領域c内に位置すればよい。これにより、一対のサイド規制板402をシート幅方向Wに移動しても第1吹出口402Aa及び第2吹出口402Baは、常に溝部401aの上部に位置して溝部401aに対する送風が可能となる。
【0042】
続いて、溝部401aにおけるエアの流れについて図3を用いて説明する。なお、図3は、1つの溝部401aの断面を示す図で、図1におけるB-B矢視断面図である。第1浮上ファン403Aにより発生して送風されたエアは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaを介してその一部が、手差しトレイ401の積載面401Sよりも下方である溝部401aに受け入れられる。つまり、第1浮上ファン403Aにより発生して送風されたエアの一部は、最下位のシートPの下部に配置された溝部401aへと流入する。
【0043】
また、図2に示すように、第2浮上ファン403Bにより発生して送風されたエアの一部も、同様に第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baを介して、最下位のシートPの下部に配置された溝部401aへと流入する。従って、同じ溝部401aのシート幅方向Wの両端から第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403Bからの送風が流入される。このため、溝部401aに流入したエアは、溝部401aの内部で圧力を発生し、シートPを上方に押圧する。このシートPを上方に押圧する力(浮上力)は、所定枚数以上で積載されたシートのシート束を浮上させるほどの力はなく、所定枚数以下である残りが少数枚になってから、それら少数枚のシートPを浮上させる。
【0044】
なお、シートPが残り何枚で浮上するかは、シートのサイズや坪量、ファン性能、通風抵抗、溝形状等に影響される。そのため、溝形状を決める際には、それらを考慮して決めると良い。シートのサイズ及び坪量においては、表面をコーティングされたコート紙が特に浮上しにくいため、画像形成装置5の仕様に含まれるコート紙のうち、最もサイズと坪量が大きいシートが所定枚数以上浮上できる条件で決めると良い。本第1の実施の形態における一例としては、画像形成装置5で、最大サイズ:A3、最大坪量:150gsmのコート紙まで対応しているため、各吹出口に対する溝部401aの数:2個、溝断面積:60mm2とした。
【0045】
次に、溝部401aの給送方向Hに対する断面形状を図4を用いて説明する。図4は溝部近傍を拡大した図で、図1におけるA部分の拡大図である。溝部401aは、大まかに、給送方向Hの下流側の第2側面である側面401ab、底面401ac、給送方向Hの上流側の第1側面である側面401ad、によって形成されている。このうちの給送方向Hの下流側の側面401abは、給送方向Hの上流側の側面401adに比して、その上方が給送方向Hの下流側に向かって傾斜するように形成され、つまり積載面401Sと側面401abとが鈍角を成すように形成されている。これにより、シートを手差しトレイ401の積載面401S上に載置する際に、シート先端が溝部401aに落ち込んだとしても、給送方向Hの下流側に向けて引っ掛かることが防止されている。
【0046】
以上説明したように、本第1の実施の形態に係る手差し給送部400においては、手差しトレイ401の積載面401Sに、第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403Bからのエアを受け入れる溝部401aを形成した。これにより、溝部401aを形成するだけの簡易な構成で、手差しトレイ401に積載されたシートPの下部における溝部401aにエアによる浮上力を発生させることができ、シートPが少数枚になったときに最下位のシートPを浮上させることができる。従って、手差しトレイ401に穴開けして下方にダクトを設けたり、或いはシート端部にエアを吹き付ける第1浮上ファン403Aや第2浮上ファン403Bとは別のファンを設けたりすることも不要とすることができる。このため、コストダウンを図ることができる。
【0047】
また、特開2011-57309号公報の図4には、シート幅方向におけるシートの端部に対して下方からエアを吹き付けるダクト(流路変更ガイド)を設けてシートの浮上を図る構成が示されている。しかしながら、シートの端部だけがめくれあがり、シートの中央部分が浮上できないという課題がある。このような課題に対し、本第1の実施の形態においては、溝部401aがシート幅方向における中央の搬送中心Eに跨って配置されていることで、シートPの中央部分に浮上力を付与することができ、安定的に最下位のシートPを浮上することができる。
【0048】
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について図5及び図6を用いて説明する。図5は第2の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。図6は第2の実施の形態に係る手差し給送部の一部を示す拡大断面図である。なお、本第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態と同様な部分に同符号を用い、その説明を省略する。
【0049】
上記第1の実施の形態に係る手差し給送部400においては、溝部401aが手差しトレイ401のシート幅方向Wの全域に亘って形成されているものであった。これに比して、本第2の実施の形態に係る手差し給送部420において、溝部421aが終端となる終端部421bと、第1吹出口402Aa又は第2吹出口420Baから終端部421bまでを連通する連通部421aaと、を含むものである。そして、溝部421aにおけるエアの流入方向における最下流の端部(終端)である終端部421bが搬送中心Eを越えたところで途中に配置されたものである。
【0050】
詳細には、図5に示すように、手差し給送部420において、手差しトレイ421の積載面421Sには、シート幅方向Wが長手方向となるように複数の溝部421aが形成されている。複数の溝部421aは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに跨って連通するように形成された第1溝部421a1と、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに跨って連通するように形成された第2溝部421a2と、を含んでいる。
【0051】
このうちの第1溝部421a1は、手差しトレイ421の一方側の側面421fから、手差しトレイ421の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと他方側の側面421gまでの間に第1終端部421b1が位置するように形成されている。また、この第1終端部421b1は、シート幅方向Wにおいて、第2サイド規制板402Bを案内するガイド溝421eよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、第1終端部421b1は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第2吹出口402Baに連通しないように形成されている。従って、第1溝部421a1は、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で第1終端部421b1がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0052】
また同様に、第2溝部421a2は、手差しトレイ421の他方側の側面421gから、手差しトレイ421の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと一方側の側面421fまでの間に第2終端部421b2が位置するように形成されている。また、この第2終端部421b2は、シート幅方向Wにおいて、第1サイド規制板402Aを案内するガイド溝421dよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、第2終端部421b2は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第1吹出口402Aaに連通しないように形成されている。従って、第2溝部421a2は、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で第2終端部421b2がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0053】
続いて、複数の溝部421aのうちの一例として、第1溝部421a1におけるエアの流れについて図6を用いて説明する。なお、図6は、1つの第1溝部421a1の断面を示す図である。第1浮上ファン403Aにより発生して送風されたエアは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaを介してその一部が、手差しトレイ421の積載面421Sよりも下方である第1溝部421a1に受け入れられる。つまり、第1浮上ファン403Aにより発生して送風されたエアの一部は、最下位のシートPの下部に配置された第1溝部421a1へと流入する。
【0054】
第1溝部421a1に受け入れられたエアは、シートPが手差しトレイ421に積載されている状態では、第1終端部421b1で堰き止められるため、第1溝部421a1の内部で圧力として溜まる。シートPが所定枚数以下である残りが少数枚である状態では、第1終端部421b1に至る経路の途中でシートPを持ち上げるのにエアの圧力が徐々に消費される。そして、第1終端部421b1の近傍においてシートPを持ち上げるのに残りのエアの圧力が全て費やされる。
【0055】
以上のように、第2の実施の形態に係る手差し給送部420によると、複数の溝部421aのそれぞれの終端部421bを搬送中心Eの近傍で範囲Fの範囲内に配置する。これにより、溝部421aをエアが通り抜けることなく、終端部421bによりエアの圧力を溜めることができ、シートPの中央部分における浮上力を大きくすることができる。そのため、第2の実施の形態に係る手差し給送部420では、第1の実施の形態に係る手差し給送部400よりも、効率的にシートPを浮上させることができる。
【0056】
なお、シートPの積載枚数が所定枚数以上であって、エアの浮上力よりもシートの重量の方が大きい状態では、溝部421a内でエアが流れない。そのため、最下位のシートPにおける溝部421aを塞ぐ部分が乾燥し難い。例えばシートPが置かれた環境やシートPの物性等の条件によっては、1枚のシートの中で水分のムラが生じると、トナー像の転写性に差が出て、成果物に濃度ムラが起こってしまうことがある。しかしながら、本第2の実施の形態のように溝部421aによる乾燥が生じ難いことで、成果物の濃度ムラの発生を低減することができる。
【0057】
なお、以上説明した第2の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0058】
<第3の実施の形態>
ついで、上記第2の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について図7を用いて説明する。図7は第3の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。なお、本第3の実施の形態の説明においては、第1及び第2の実施の形態と同様な部分に同符号を用い、その説明を省略する。
【0059】
本第3の実施の形態に係る手差し給送部430は、上記第2の実施の形態に係る手差し給送部420に比して、終端部421bの形状を変更したものである。
【0060】
詳細には、図7に示すように、第2の実施の形態と同様に、手差し給送部430において、手差しトレイ431の積載面431Sには、シート幅方向Wが長手方向となるように複数の溝部431aが形成されている。それぞれの溝部431aは、終端となる終端部431bと、第1吹出口402Aa又は第2吹出口420Baから終端部431bまでを連通する連通部431aaとを含んでいる。複数の溝部431aは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに跨って連通するように形成された溝部431a1と、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに跨って連通するように形成された第2溝部431a2とを含んでいる。
【0061】
このうちの溝部431a1は、手差しトレイ431の一方側の側面431fから、手差しトレイ431の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと他方側の側面431gまでの間に第1終端部431b1が位置するように形成されている。また、この第1終端部431b1は、シート幅方向Wにおいて、第2サイド規制板402Bを案内するガイド溝431eよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、第1終端部431b1は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第2吹出口402Baに連通しないように形成されている。従って、溝部431a1は、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で第1終端部431b1がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0062】
また同様に、第2溝部431a2は、手差しトレイ431の他方側の側面431gから、手差しトレイ431の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと一方側の側面431fまでの間に第2終端部431b2が位置するように形成されている。また、この第2終端部431b2は、シート幅方向Wにおいて、第1サイド規制板402Aを案内するガイド溝431dよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、第2終端部431b2は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第1吹出口402Aaに連通しないように形成されている。従って、第2溝部431a2は、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で第2終端部431b2がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0063】
そして、本第3の実施の形態において、終端部431b(431b1,431b2)は、上方視で溝部431aの短手方向の幅よりも大きい直径の円形状に形成されており、底部431baと、その周囲に形成された縁部431bbとを有している。底部431baは、積載面431Sと平行な平面形状に形成され、縁部431bbは、底部431baから外径に向かって上方に広がる傾斜面に形成されている。
【0064】
以上のように形成された溝部431aに受け入れられたエアは、シートPが手差しトレイ431に積載されている状態では、終端部431bで堰き止められるため、溝部421aの内部で圧力として溜まる。そして、シートPが所定枚数以下である残りが少数枚である状態では、終端部431bに至る経路の途中でシートPを持ち上げるのにエアの圧力が徐々に消費され、終端部431bの近傍においてシートPを持ち上げるのに残りのエアの圧力が全て費やされる。そして、本第3の実施の形態においては、終端部431bが特に縁部431bbによって上方に向けて広がっているため、第2の実施の形態に比して、シートPの下面の広範囲に浮上力を付与することができる。これにより、シートPが浮上した際に、シートPの姿勢を安定させることができる。
【0065】
なお、以上説明した第3の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1及び第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0066】
<第4の実施の形態>
ついで、上記第3の実施の形態を一部変更した第4の実施の形態について図8を用いて説明する。図8は第4の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。なお、本第4の実施の形態の説明においては、第1乃至第3の実施の形態と同様な部分に同符号を用い、その説明を省略する。
【0067】
本第4の実施の形態に係る手差し給送部440は、上記第3の実施の形態に係る手差し給送部430に比して、2つの溝部441aにおいて、連通部441aaにシート幅方向Wに対して給送方向Hに向けて屈曲された屈曲部441c1を設けたものである。
【0068】
詳細には、図8に示すように、第3の実施の形態と同様に、手差し給送部440において、手差しトレイ441の積載面441Sには、シート幅方向Wが長手方向となるように複数の溝部441aが形成されている。それぞれの溝部441aは、終端となる終端部441bと、第1吹出口402Aa又は第2吹出口420Baから終端部441bまでを連通する連通部441aaとを含んでいる。複数の溝部441aは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに跨って連通するように形成された第1溝部441a1と、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに跨って連通するように形成された第2溝部441a2とを含んでいる。
【0069】
このうちの第1溝部441a1は、手差しトレイ441の一方側の側面441fから、手差しトレイ441の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと他方側の側面441gまでの間に終端部441b1が位置するように形成されている。また、この終端部441b1は、シート幅方向Wにおいて、第2サイド規制板402Bを案内するガイド溝441eよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、終端部441b1は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第2吹出口402Baに連通しないように形成されている。従って、第1溝部441a1は、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で終端部441b1がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0070】
また同様に、第2溝部441a2は、手差しトレイ441の他方側の側面441gから、手差しトレイ441の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと一方側の側面441fまでの間に終端部441b2が位置するように形成されている。また、この終端部441b2は、シート幅方向Wにおいて、第1サイド規制板402Aを案内するガイド溝441dよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、終端部441b2は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第1吹出口402Aaに連通しないように形成されている。従って、第2溝部441a2は、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で終端部441b2がエアの行き止まりとなるように構成されている。
【0071】
また、本第4の実施の形態においても、終端部441b(441b1,441b2)は、溝部441aの短手方向の幅よりも大きい直径の円形状に形成されており、底部441baと、その周囲に形成された縁部441bbとを有している。底部441baは、積載面441Sと平行な平面形状に形成され、縁部441bbは、底部441baから外径に向かって上方に広がる傾斜面に形成されている。
【0072】
そして、本第4の実施の形態においては、4つの溝部441aのうち、給送方向Hにおいて中間にある第1溝部441a1の連通部441aaは、シート幅方向Wに対して給送方向Hに向けて屈曲された屈曲部441c1を有している。さらに、第2溝部441a2の連通部441aaは、シート幅方向Wに対して給送方向Hに向けて屈曲された屈曲部441c2を有している。即ち、これら屈曲部441c1及び屈曲部441c2は、4つの終端部441bが給送方向Hにおいて等間隔に配置されるように形成されている。これにより、シートPに給送方向Hに略均等に浮上力を付与することができ、シートPが浮上した際にシートPの姿勢を安定させることができて、より確実にシートの全域を浮上させることができる。
【0073】
また、これら屈曲部441c1及び屈曲部441c2は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置されている。これにより、例えば手差しトレイ441に最小サイズのシートを積載し、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた場合でも、全ての溝部441aが第1吹出口402Aa又は第2吹出口402Baに連通するように位置する。従って、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた場合でも、全ての溝部441aに確実にエアを供給することができる。
【0074】
なお、以上説明した第4の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0075】
<第5の実施の形態>
ついで、上記第4の実施の形態を一部変更した第5の実施の形態について図9を用いて説明する。図9は第5の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。なお、本第5の実施の形態の説明においては、第1乃至第4の実施の形態と同様な部分に同符号を用い、その説明を省略する。
【0076】
本第5の実施の形態に係る手差し給送部450は、上記第4の実施の形態に係る手差し給送部440に比して、第1サイド規制板452Aと第2サイド規制板452Bとにおける第1吹出口452Aaと第2吹出口452Baとを1つずつ設けたものである。また、第1浮上ファン403Aと第2浮上ファン403Bとは、それぞれの第1吹出口452Aaと第2吹出口452Baとに対して設けられ、つまり第1浮上ファン403Aと第2浮上ファン403Bとも1つずつ設けている。また、溝部451a(451a1,451a2)はそれぞれの第1吹出口452Aaと第2吹出口452Baとに1つずつ設けられている。一方で、終端部451b(451b11,451b12,451b21,451b22)は、各溝部451aに対して2箇所ずつ、合計で4箇所に設けられている。そのため、それぞれ溝部451aにおいて、分岐部451h(451d1,451d2)が形成されていると共に、屈曲部451c(451c11,451c12,451c21,451c22)が形成されている。
【0077】
詳細には、図9に示すように、第4の実施の形態と同様に、手差し給送部450において、手差しトレイ451の積載面451Sには、シート幅方向Wが長手方向となるように複数の溝部451aが形成されている。それぞれの溝部451aは、終端となる2か所の終端部451bと、第1吹出口402Aa又は第2吹出口420Baから2か所の終端部451bまでを連通する連通部451aaとを含んでいる。複数の溝部451aは、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに跨って連通するように形成された第1溝部451a1と、第2サイド規制板402Bの第2吹出口402Baに跨って連通するように形成された第2溝部451a2とを含んでいる。
【0078】
このうちの第1溝部451a1は、手差しトレイ451の一方側の側面451fから、手差しトレイ451の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと他方側の側面451gまでの間に終端部451b11,451b12が位置するように形成されている。また、この終端部451b11,451b12は、シート幅方向Wにおいて、第2サイド規制板402Bを案内するガイド溝451eよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、終端部451b11,451b12は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第2吹出口402Baに連通しないように形成されている。従って、第1溝部451a1は、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で終端部451b11,451b12がエアの行き止まりとなるように構成されている。なお、終端部451b11,451b12は、第4の実施の形態と同様に、溝部451aの短手方向の幅よりも大きい直径の円形状に形成されている。
【0079】
そして、第1溝部451a1は、連通部451aaにおいて、2箇所の終端部451b11,451b12に連通するように分岐する分岐部451h1を有している。この分岐部451h1からは、それぞれシート幅方向Wに対して給送方向Hに向けて屈曲された屈曲部451c11,451c12を介して終端部451b11,451b12に連通している。なお、第1溝部451a1の連通部451aaにおける一方側の側面451fから分岐部451h1までの間は、分岐部451h1から終端部451b11,451b12までの間よりも、幅が広い所謂太溝に形成されている。また、これら屈曲部451c11,451c12は、4つの終端部451bが給送方向Hにおいて等間隔に配置されるように形成されている。また、これら屈曲部451c11,451c12は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置されている。
【0080】
同様に、第2溝部451a2は、手差しトレイ451の他方側の側面451gから、手差しトレイ451の中央である搬送中心Eを越えて、搬送中心Eと一方側の側面451fまでの間に終端部451b21,451b22が位置するように形成されている。また、この終端部451b21,451b22は、シート幅方向Wにおいて、第2サイド規制板402Bを案内するガイド溝451dよりも搬送中心Eの側に配置されている。つまり、終端部451b21,451b22は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置され、第1吹出口402Aaに連通しないように形成されている。従って、第2溝部451a2は、第1サイド規制板402Aの第1吹出口402Aaに連通し、そこからエアの送風を受け入れると共に、シートPが積載されている状態で終端部451b21,451b22がエアの行き止まりとなるように構成されている。なお、終端部451b21,451b22は、第4の実施の形態と同様に、溝部451aの短手方向の幅よりも大きい直径の円形状に形成されている。
【0081】
そして、第2溝部451a2は、連通部451aaにおいて、2箇所の終端部451b21,451b22に連通するように分岐する分岐部451h2を有している。この分岐部451h2からは、それぞれシート幅方向Wに対して給送方向Hに向けて屈曲された屈曲部451c21,451c22を介して終端部451b21,451b22に連通している。なお、第2溝部451a2の連通部451aaにおける他方側の側面451gから分岐部451h2までの間は、分岐部451h2から終端部451b21,451b22までの間よりも、幅が広い所謂太溝に形成されている。また、これら屈曲部451c21,451c22は、4つの終端部451bが給送方向Hにおいて等間隔に配置されるように形成されている。また、これら屈曲部451c21,451c22は、第1サイド規制板402Aと第2サイド規制板402Bとを最小まで近づけた範囲Fの範囲内に配置されている。
【0082】
以上のように第5の実施の形態に係る手差し給送部450は、第1溝部451a1及び第2溝部451a2を途中で分岐させることで、1つずつの第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403BによりシートPの広範囲に浮上力を付与することができる。即ち、手差しトレイ451に積載されるシートPのサイズや坪量が小さいものである場合、或いは第1溝部451a1及び第2溝部451a2に送るエアの風量及び風圧が大きい場合には、第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403Bの数を減らせる。これにより、手差し給送部450の低コスト化を図ることができる。
【0083】
なお、以上説明した第5の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第4の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0084】
<第6の実施の形態>
ついで、上記第5の実施の形態を一部変更した第6の実施の形態について図10を用いて説明する。図10は第6の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。なお、本第6の実施の形態の説明においては、第1乃至第5の実施の形態と同様な部分に同符号を用い、その説明を省略する。また、図10に示す手差し給送部460においては、説明を容易にするため、第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403Bを省略して示している。
【0085】
上述した第5の実施の形態においては、第1サイド規制板及び第2サイド規制板が溝部の上方に配置されているため、第1吹出口及び第2吹出口から溝部への送風が手差しトレイ451の側面から漏れ出る虞があった。そこで本第6の実施の形態における手差し給送部460おいては、図9に示すように、第1サイド規制板462A及び第2サイド規制板462Bに凸部462Ac及び凸部462Bcを設けたものである。
【0086】
詳細には、第1サイド規制板462Aは、第1吹出口462Aaと、手差しトレイ451の積載面451Sと摺動する摺動面462Abとを有している。その第1サイド規制板462Aは、第1吹出口462Aaの下方において、摺動面462Abよりも突出して第1溝部451a1に挿入されて嵌合する凸部462Acを有している。同様に、第2サイド規制板462Bは、第2吹出口462Baと、手差しトレイ451の積載面451Sと摺動する摺動面462Bbとを有している。その第2サイド規制板462Bは、第2吹出口462Baの下方において、摺動面462Bbよりも突出して第2溝部451a2に挿入されて嵌合する凸部462Bcを有している。
【0087】
以上のように第6の実施の形態に係る手差し給送部460は、凸部462Ac及び凸部462Bcにより第1浮上ファン403A及び第2浮上ファン403Bから第1溝部451a1及び第2溝部451a2に送風されたエアが漏れ出ることの防止が図られる。これにより、シートPに付与する浮上力の増大を図ることができる。
【0088】
なお、本第6の実施の形態の説明においては、第5の実施の形態を一部変更したものとして説明したが、これに限らず、第1乃至第4の実施の形態においても、同様の凸部を設けることができる。また、凸部462Ac及び凸部462Bcは、それぞれ第1サイド規制板462A及び第2サイド規制板462Bと一体に形成されたものを説明したが、これに限らず、別体の部材であっても構わない。
【0089】
なお、以上説明した第6の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0090】
<第7の実施の形態>
ついで、上記第1乃至第6の実施の形態を一部変更した第7の実施の形態について図11及び図12を用いて説明する。図11は第7の実施の形態に係る手差し給送部を示す斜視図である。図12(a)は第7の実施の形態に係る手差し給送部においてシートが手差しトレイの積載面から浮上した状態を示す一部拡大断面図である。図12(b)は第7の実施の形態に係る手差し給送部においてシートが手差しトレイの積載面に積載されている状態を示す一部拡大断面図である。
【0091】
上記第1乃至第6の実施の形態では、エアを用いてシートを浮上させるものであったが、本第7の実施の形態に係る手差し給送部470は、バネの付勢力によってシートを浮上させるものである。
【0092】
詳細には、図11図12(a)、図12(b)に示すように、手差しトレイ471には、複数の穴471aが設けられている。また、手差しトレイ471には、手差しトレイ471の積載面471Sとは反対側に外カバー473が配設されている。各穴471aには、手差しトレイ471と外カバー473との間に、積載面471Sと直交する方向に移動自在な移動部材472が穴471aから突出可能となるように埋設されている。そして、移動部材472と外カバー473との間には付勢部材としてのバネ474が縮設されており、移動部材472がバネ474によって穴471aから突出する方向に付勢されている。
【0093】
図12(b)に示すように、手差しトレイ471の積載面471Sに所定枚数以上である多数枚のシートPが積載された状態では、バネ474の付勢力にシートPの荷重が打ち勝る。これにより、移動部材472の先端(上面)が積載面471Sと略同じ位置まで移動して埋没する。これにより、最下位のシートPは積載面471Sに密着した状態となる。従って、第1浮上ファン403Aから第1吹出口402Aa及び第2浮上ファン403Bから第2吹出口402Baを介して送風されるエアは、最下位のシートPと積載面471Sとの間に入り込まず、最下位のシートPが乾燥することを防ぐことができる。
【0094】
そして、図12(a)に示すように、例えばシートPの給送が進むと、手差しトレイ471の積載面471Sに所定枚数未満のシートPが積載された状態となる。すると、シートPの荷重にバネ474の付勢力が打ち勝って、移動部材472の先端(上面)が積載面471Sから距離dの分だけ突出する。これにより、最下位のシートPは、積載面471Sから物理的に離間される。従って、第1浮上ファン403Aから第1吹出口402Aa及び第2浮上ファン403Bから第2吹出口402Baを介して送風されるエアが、最下位のシートPと積載面471Sとの間に入り込み、シートPが浮上する。
【0095】
なお、この距離dは、シートPと積載面471Sとの密着を解除すれば良いので、例えば3mm程度でよく、これに限らず、積載面471Sから移動部材472が僅かに突出する距離であればよい。また、バネ474の付勢力は、手差し給送部470が対応しているシートの種類の中で、最も浮上し難いシートの種類に基づいて設定することが好ましい。例えば、コート紙などの吸着しやすいシートの中で最も坪量が大きい紙であっても、最下位のシートPだけとなった1枚の時に浮上することができる付勢力にすることで、他のシートの種類で少数枚になったときに確実に浮上させることができる。また、バネ474の付勢力を設定する際には、手差しトレイ471における複数の移動部材472の配置及び単位面積当たりの個数も考慮するとよい。
【0096】
なお、以上説明した第7の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第6の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0097】
<第8の実施の形態>
ついで、上記第1乃至第7の実施の形態を一部変更した第8の実施の形態について図13及び図14を用いて説明する。図13は第8の実施の形態に係る給送デッキを示す斜視図である。図14は第8の実施の形態に係る給送デッキを示す断面図である。
【0098】
上述した第1乃至第7の実施の形態においては、手差し給送部で最下位のシートを浮上させる構成について説明したが、同様の構成を給送デッキにも適用可能である。本第8の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成を給送デッキ100に適用した場合について説明するが、第2乃至第7の実施の形態と同様の構成を給送デッキ100に適用してもよい。
【0099】
なお、エア浮上方式の給送デッキとしては、エアをシートに吹き付ける位置によって主に2種類に分けられる。1つ目はシート幅方向におけるシートの側端にエアを吹き付ける方式、2つ目は給送方向Hの下流側からシートの下流端部にエアを吹き付ける方式である。本第8の実施の形態に係る給送デッキ100は、1つ目のシート幅方向におけるシートの側端にエアを吹き付ける方式である。
【0100】
詳細には、図13及び図14に示すように、給送デッキ100において積載板101は、不図示のセンサによりシート束の上面が検出されることにより、最上位のシートが給送可能な位置となるように矢印a方向に昇降制御される。その積載板101の積載面101Sには、複数の溝部101aがシート幅方向Wを長手方向として形成されている。
【0101】
一方、一対のサイド規制板102の一方である第1サイド規制板102Aには複数の第1吹出口102Aaが形成され、一対のサイド規制板102の他方である第2サイド規制板102Bには複数の第2吹出口102Baが形成されている。また、第1サイド規制板102Aには、各第1吹出口102Aaに送風する第1送風部(送風部)としての複数の第1浮上ファン103Aが備えられている。また、第2サイド規制板102Bには、各第2吹出口102Baに送風する第2送風部(送風部)としての複数の第2浮上ファン103Bが備えられている。
【0102】
各溝部101aは、積載板101の積載面101Sにおいて、積載板101に積載されたシートが少なくなって上昇された場合に、第1吹出口102Aaと第2吹出口102Baとに連通する位置に形成されている。つまり、各溝部101aは、積載板101のシート幅方向Wに横断するように設けられている。
【0103】
第1浮上ファン103A及び第2浮上ファン103bは、第1吹出口102Aa及び第2吹出口102Baから、積載板101の積載面101Sに積載されたシートの側端にエアを送風し、シート束の上方にある数枚のシートを捌いて浮上させる。そして、積載板101に積載されたシートが少なくなって積載板101が上昇された場合に、各溝部101aが第1吹出口102Aaと第2吹出口102Baとの位置に到達し、各溝部101aにエアが流入する。各溝部101aに流入したエアは、溝部101aの内部で圧力を発生し、最下位のシートの中央部に浮上力を付与して、最下位シートの全面を浮上させることができる。
【0104】
なお、以上説明した第8の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第7の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0105】
<第9の実施の形態>
ついで、上記第1乃至第8の実施の形態を一部変更した第9の実施の形態について図15を用いて説明する。図15は第9の実施の形態に係る給送デッキを示す斜視図である。
【0106】
上述した第1乃至第8の実施の形態においては、溝部がシート幅方向Wに向けて形成され、第1サイド規制板の第1吹出口及び第2サイド規制板の第2吹出口から送風されるエアを流入させるものであった。本第9の実施の形態は、これらと異なり、シートを給送する給送方向Hの下流側から上流側に向けて溝部151aを形成し、かつ吹出口153aも給送方向Hの下流側に設けたものである。
【0107】
詳細には、図15に示すように、シート給送装置としての給送デッキ150において昇降制御される積載部材としての積載板151の積載面151Sには、複数の溝部151a1,151a2,151a3が給送方向Hを長手方向として形成されている。このうちの溝部151a2は、給送方向において積載板151の下流側の端部から積載板151の中央である中央線Kを越えて、後端規制板104をスライド自在に案内する案内溝151Vに連通している。また、溝部151a1,151a3は、給送方向において積載板151の下流側の端部から積載板151の中央である中央線Kを越えて、積載板151の上流側の端部までの間に終端部151bが位置するように形成されている。
【0108】
一方、一対のサイド規制板154の一方である第1サイド規制板154Aには複数の第1吹出口154Aaが形成され、一対のサイド規制板154の他方である第2サイド規制板154Bには複数の第2吹出口154Baが形成されている。また、第1サイド規制板154Aには、各第1吹出口154Aaに送風する複数の第1浮上ファン155Aが備えられており、第2サイド規制板154Bには、各第2吹出口154Baに送風する複数の第2浮上ファン155Bが備えられている。
【0109】
そして、本第9の実施の形態においては、積載板151の給送方向の下流側にあって、給送デッキ150の本体150Aの側面には、送風部としての第3浮上ファン152と、その第3浮上ファン152からのエアを案内するダクト153とを備えている。そして、ダクト153に形成された第3吹出口153aが、各溝部151aが連通するように配置されている。各溝部151aは、積載板151の積載面151Sにおいて、積載板151に積載されたシートが少なくなって上昇された場合に、第3吹出口153aに連通する位置に形成されている。
【0110】
なお、本第9の実施の形態では、第1浮上ファン155A及び第2浮上ファン155Bは、第3浮上ファン152からの送風でシートPを浮上させる浮上力を補助するファンであり、第3浮上ファン152よりも風圧及び風量が小さいファンを用いている。
【0111】
第1浮上ファン155A及び第2浮上ファン155bは、第1吹出口154Aa及び第2吹出口154Baから、積載板151の積載面151Sに積載されたシートの側端にエアを送風し、シート束の上方にある数枚のシートを捌いて浮上させる。そして、積載板151に積載されたシートが少なくなって積載板151が上昇された場合に、各溝部151aが第3吹出口153aの位置に到達し、各溝部151aにエアが流入する。各溝部151aに流入したエアは、溝部151aの内部で圧力を発生し、最下位のシートの中央部に浮上力を付与して、最下位シートの全面を浮上させることができる。
【0112】
なお、以上説明した第9の実施の形態における、その他の構成、作用、及び効果は、上記第1乃至第8の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0113】
<他の実施の形態の可能性>
なお、以上説明した第1乃至第8の実施の形態においては、シート幅方向の両側に浮上ファン及び吹出口を設けたものについて説明した。しかしながら、これに限らず、シート幅方向の一方側だけに浮上ファン及び吹出口を設けたものであってもよい。さらに、シート幅方向の両側に浮上ファン及び吹出口を設け、積載面に積載されたシートの種類、サイズ、坪量等のパラメータに応じて、一方の浮上ファンだけを駆動するように制御してもよいし、浮上ファンの出力を変更するように制御してもよい。
【0114】
また、以上説明した第1乃至第8の実施の形態においては、第1及び第2浮上ファンがサイド規制板に設けられたものを説明したが、これに限らず、手差しトレイや積載板の下方に浮上ファンを配置し、ダクト等でエアを吹出口まで導くものでもよい。また同様に、第9の実施の形態においては、第3浮上ファンが給送デッキの本体の側面に配置されたものを説明したが、積載板の下方に浮上ファンを配置してもよい。
【0115】
さらに、以上説明した第1乃至第8の実施の形態においては、複数の浮上ファンのそれぞれに吹出口を設けたものを説明したが、これに限らず、1つの浮上ファンから複数の吹出口にエアを送風するものでもよい。また反対に、1つの吹出口に対して複数の浮上ファンを設けても構わない。
【0116】
また、第3乃至第7の実施の形態、及び第9の実施の形態においては、溝部の終端部が上方視で円形状に形成されたものを説明したが、これに限らず、例えば四角形や三角形等の多角形や楕円形当であってもよい。
【0117】
また、上述した第1乃至第9の実施の形態では、主にオフィスで用いられる画像形成装置の側面部に設けられた手差し式のシート給送装置、或いは画像形成装置に着脱自在に装着されるデッキ式のシート給送装置について説明した。これに限らず、商業用のより大型の画像形成装置において、手差し式のシート給送装置、デッキ式のシート給送装置、或いは画像形成装置に連結して使用されるシート給送装置(オプションフィーダ)に本技術を適用してもよい。
【0118】
<本実施の形態のまとめ>
[構成1]
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有する、
ことを特徴とするシート給送装置。
[構成2]
前記積載面に積載されたシートの前記給送方向と直交するシート幅方向と対向する第1規制面を有し、前記積載面に積載されたシートの位置を規制する第1側端ガイドと、
前記第1規制面に対向し、かつ前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向と対向する第2規制面を有し、前記積載面に積載されたシートの位置を規制する第2側端ガイドと、を備え、
前記第1側端ガイドは、前記送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向の端部に吹き付ける吹出口を有し、
前記溝部は、前記給送方向において前記吹出口と重なる位置を通るように配置され、前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする構成1に記載のシート給送装置。
[構成3]
前記吹出口は、第1吹出口であり、
前記送風部は、第1送風部であり、
エアを送風する第2送風部を備え、
前記第2側端ガイドは、前記第2送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの前記シート幅方向の端部に吹き付ける第2吹出口を有し、
前記溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、かつ前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする構成2に記載のシート給送装置。
[構成4]
前記溝部は、第1溝部であり、
前記第1溝部と並列に配置される第2溝部を備え、
前記第2溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、かつ前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とする構成3に記載のシート給送装置。
[構成5]
前記溝部は、終端となる終端部と、前記吹出口から前記終端部までを連通する連通部と、を含み、
前記終端部は、前記シート幅方向において、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第1規制面とは反対側に、かつ前記積載部材の前記シート幅方向における側面と前記第1規制面及び前記第2規制面の中央との間に配置される、
ことを特徴とする構成3又は4に記載のシート給送装置。
[構成6]
前記第1側端ガイドと前記第2側端ガイドとは、前記第1規制面と前記第2規制面との距離が第1距離となる第1位置から、前記第1距離よりも大きい第2距離となる第2位置まで、連動して前記シート幅方向に移動し、
前記終端部は、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第1規制面とは反対側に、かつ前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする構成5に記載のシート給送装置。
[構成7]
前記終端部は、第1終端部であり、
前記溝部は、終端となる第2終端部を含み、
前記連通部は、前記吹出口から分岐しつつ前記第1終端部及び前記第2終端部までを連通し、
前記第2終端部は、前記第1規制面及び前記第2規制面の中央に対して前記第2規制面とは反対側に、かつ前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする構成6に記載のシート給送装置。
[構成8]
前記溝部は、第1溝部であり、
前記第1溝部と並列に配置される第2溝部を備え、
前記第1溝部は、前記第1吹出口を介して前記第1送風部からの送風を受け入れ、
前記第2溝部は、前記第2吹出口を介して前記第2送風部からの送風を受け入れ、
前記第1終端部及び前記第2終端部は、前記第1位置にある前記第1規制面と前記第2規制面との間に配置される、
ことを特徴とする構成7に記載のシート給送装置。
[構成9]
前記終端部は、前記給送方向において、前記連通部の幅よりも大きい幅に形成されている、
ことを特徴とする構成6乃至8の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成10]
前記連通部は、前記シート幅方向に対して前記給送方向に向けて屈曲された屈曲部を有する、
ことを特徴とする構成6乃至9の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成11]
前記終端部は、第1終端部であり、
前記溝部は、終端となる第2終端部を含み、
前記連通部は、前記吹出口から分岐して前記第1終端部及び前記第2終端部までを連通する、
ことを特徴とする構成6乃至10の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成12]
前記第1側端ガイドは、前記積載面と摺動する摺動面と、前記摺動面よりも突出して前記溝部に挿入される凸部と、を有する、
ことを特徴とする構成2乃至11の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成13]
前記溝部は、底面と、前記底面から前記積載面まで繋ぐ第1側面と、前記底面から前記積載面まで繋ぎ、かつ前記第1側面に対して前記給送方向の下流に配置される第2側面と、を有し、
前記第2側面は、前記底面から前記積載面に向かうに連れて前記給送方向の下流に向かうように、前記積載面に対して傾斜する、
ことを特徴とする構成2乃至12の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成14]
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、
前記送風部から送風されたエアを前記給送方向に吹き付ける吹出口と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に対して溝状に形成され、前記送風部からの送風を受け入れる溝部を有し、
前記溝部は、前記給送方向と直交するシート幅方向において前記吹出口と重なる位置を通るように配置され、前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とするシート給送装置。
[構成15]
シートが積載される積載面を有する積載部材と、
前記積載面に積載されたシートを給送方向に給送する給送部と、
エアを送風する送風部と、
前記送風部から送風されたエアを前記積載面に積載されたシートの端部に吹き付ける吹出口と、を備え、
前記積載部材は、前記積載面に形成された複数の穴と、前記複数の穴のそれぞれに埋設される移動部材と、前記移動部材を前記積載面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記積載面に所定枚数以上のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して前記複数の穴のそれぞれに埋没し、
前記積載面に所定枚数未満のシートが積載された状態で、前記移動部材が前記付勢部材の付勢力により前記複数の穴のそれぞれから突出し、前記積載面と最下位のシートとの間に前記吹出口を介して前記送風部からの送風を受け入れる、
ことを特徴とするシート給送装置。
[構成16]
前記積載部材は、画像形成装置の装置本体に対して開閉自在であり、開いた状態で前記積載面にシートが積載される手差しトレイである、
ことを特徴とする構成1乃至15の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成17]
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在なシート収納部を備え、
前記積載部材は、昇降自在である、
ことを特徴とする構成1乃至15の何れか1つに記載のシート給送装置。
[構成18]
構成1乃至17の何れか1つに記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置から給送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0119】
5…画像形成装置/100…給送デッキ(シート給送装置)/100A…シート収納部/100B…シート給送ユニット(給送部)/101…積載板(積載部材)/101S…積載面/101a…溝部/102A…第1サイド規制板(第1側端ガイド)/102Aa…第1吹出口/102B…第2サイド規制板(第2側端ガイド)/102Ba…第2吹出口/103A…第1浮上ファン(送風部、第1送風部)/103B…第2浮上ファン(送風部、第2送風部)/120…画像形成部/150・・・給送デッキ(シート給送装置)/151…積載板(積載部材)/151S…積載面/151a…溝部/151b…終端部/152…第3浮上ファン(送風部)/154A…第1サイド規制板(第1側端ガイド)/154B…第2サイド規制板(第2側端ガイド)/400…手差し給送部(シート給送装置)/401…手差しトレイ(積載部材)/401S…積載面/401a…溝部/401a1…第1溝部/401a2…第2溝部/401ac…底面/401ab…側面(第1側面)/401ad…側面(第2側面)/402A…第1サイド規制板(第1側端ガイド)/402AS…第1規制面/402Aa…吹出口/402Aa…第1吹出口/402Ab…摺動面/402B…第1サイド規制板(第2側端ガイド)/402BS…第2規制面/402Ba…吹出口/402Ba…第2吹出口/402Bb…摺動面/403A…第1浮上ファン(送風部、第1送風部)/403B…第2浮上ファン(送風部、第2送風部)/404…シート給送ユニット(給送部)/420…手差し給送部(シート給送装置)/421…手差しトレイ(積載部材)/421S…積載面/421a…溝部/421a1…第1溝部/421a2…第2溝部/421aa…連通部/421b…終端部/421b1…終端部(第1終端部)/421b2…終端部(第2終端部)/430…手差し給送部(シート給送装置)/431…手差しトレイ(積載部材)/431S…積載面/431a…溝部/431a1…第1溝部/431a2…第2溝部/431aa…連通部/431b…終端部/431b1…終端部(第1終端部)/431b2…終端部(第2終端部)/440…手差し給送部(シート給送装置)/441…手差しトレイ(積載部材)/441S…積載面/441a…溝部/441a1…第1溝部/441a2…第2溝部/441aa…連通部/441b…終端部/441b1…終端部(第1終端部)/441b2…終端部(第2終端部)/441c1…屈曲部/441c2…屈曲部/450・・・手差し給送部(シート給送装置)/451…手差しトレイ(積載部材)/451S…積載面/451a…溝部/451a1…第1溝部/451a2…第2溝部/451aa…連通部/451b…終端部/451c11…屈曲部/451c12…屈曲部/451c21…屈曲部/451c22…屈曲部/452A…第1サイド規制板(第1側端ガイド)/452Aa…第1吹出口/452B…第1サイド規制板(第2側端ガイド)/452Ba…第2吹出口/460…手差し給送部(シート給送装置)/462A…第1サイド規制板(第1側端ガイド)/462Aa…第1吹出口/462Ab…摺動面/462Ac…凸部/462B…第1サイド規制板(第2側端ガイド)/462Ba…第2吹出口/462Bb…摺動面/462Bc…凸部/470・・・手差し給送部(シート給送装置)/471…手差しトレイ(積載部材)/471S…積載面/471a…穴/472…移動部材/474…バネ(付勢部材)/P…シート/H…給送方向/W…シート幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15