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  • 特開-プロセスチーズ類 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180838
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】プロセスチーズ類
(51)【国際特許分類】
   A23C 19/093 20060101AFI20231214BHJP
   A23L 29/244 20160101ALI20231214BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20231214BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20231214BHJP
【FI】
A23C19/093
A23L29/244
A23L29/256
A23L33/125
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094464
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】中右 麻奈美
(72)【発明者】
【氏名】白庄司 宣明
【テーマコード(参考)】
4B001
4B018
4B041
【Fターム(参考)】
4B001AC02
4B001AC03
4B001AC06
4B001AC22
4B001AC40
4B001AC46
4B001BC02
4B001BC08
4B001BC99
4B018LB07
4B018MD47
4B018MD53
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF02
4B018MF04
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD01
4B041LH04
4B041LH08
4B041LH10
4B041LK03
4B041LK11
4B041LK14
4B041LK26
4B041LK37
4B041LK50
4B041LP01
4B041LP04
4B041LP05
4B041LP10
(57)【要約】
【課題】外観の良好なプロセスチーズ類の提供。
【解決手段】低分子水溶性食物繊維を含み、下記測定方法により測定される溶融粘度が4700mPa・s以上である、プロセスチーズ類。溶融粘度の測定方法:プロセスチーズ類を加熱して92℃まで昇温し、89℃以上で1分間保持した後、25℃の環境下で放冷するとともにB型粘度計を用いた粘度の測定を開始し、前記プロセスチーズ類の温度が85℃になったときの粘度を溶融粘度とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低分子水溶性食物繊維を含み、下記測定方法により測定される溶融粘度が4700mPa・s以上である、プロセスチーズ類。
溶融粘度の測定方法:プロセスチーズ類を加熱して92℃まで昇温し、89℃以上で1分間保持した後、25℃の環境下で放冷するとともにB型粘度計を用いた粘度の測定を開始し、前記プロセスチーズ類の温度が85℃になったときの粘度を溶融粘度とする。
【請求項2】
前記低分子水溶性食物繊維がイヌリンを含む、請求項1に記載のプロセスチーズ類。
【請求項3】
高分子水溶性食物繊維をさらに含む、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ類。
【請求項4】
前記高分子水溶性食物繊維がグルコマンナン及び寒天からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3に記載のプロセスチーズ類。
【請求項5】
たんぱく質含量が25g/100g以下である、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ類。
【請求項6】
脂質含量が15g/100g以上である、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ類。
【請求項7】
食物繊維含量が3g/100g以上である、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ類。
【請求項8】
食品粉砕物を含む、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスチーズ類に関する。
【背景技術】
【0002】
食物繊維が整腸作用等の有用な効果を有することは良く知られており、イヌリン等の食物繊維が様々な食品に好適に用いられることが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-173115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者らの検討によれば、イヌリン等の低分子水溶性食物繊維をチーズ類の原料として用いた場合、保存中のチーズ類の表面に析出物が生じたり、当該析出物がチーズ類を包装する容器に付着することがあり、チーズ類の外観を損ねることがある。
本発明は、外観の良好なプロセスチーズ類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]低分子水溶性食物繊維を含み、下記測定方法により測定される溶融粘度が4700mPa・s以上である、プロセスチーズ類。
溶融粘度の測定方法:プロセスチーズ類を加熱して92℃まで昇温し、89℃以上で1分間保持した後、25℃の環境下で放冷するとともにB型粘度計を用いた粘度の測定を開始し、前記プロセスチーズ類の温度が85℃になったときの粘度を溶融粘度とする。
[2]前記低分子水溶性食物繊維がイヌリンを含む、[1]に記載のプロセスチーズ類。
[3]高分子水溶性食物繊維をさらに含む、[1]又は[2]に記載のプロセスチーズ類。
[4]前記高分子水溶性食物繊維がグルコマンナン及び寒天からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[3]に記載のプロセスチーズ類。
[5]たんぱく質含量が25g/100g以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
[6]脂質含量が15g/100g以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
[7]食物繊維含量が3g/100g以上である、[1]~[6]のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
[8]食品粉砕物を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、外観の良好なプロセスチーズ類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例1で得たアルミニウム箔容器入りプロセスチーズ類からプロセスチーズ類を取出した後のアルミニウム箔容器内面の折り目付近を撮影した写真。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において「プロセスチーズ類」とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)(以下、「乳等省令」とも記す。)、並びに公正競争規約で定められるプロセスチーズ、チーズフード、乳等を主要原料とする食品の規格のうちいずれかに該当するものであって、一般にプロセスチーズ類又はプロセスチーズ様食品とされるものをすべて包含するものとする。
本明細書において「ナチュラルチーズ」とは、乳等省令で定められるナチュラルチーズに該当するものである。ただし、ナチュラルチーズの原料である乳は、乳等省令で定義される乳(生乳、牛乳、特別牛乳、生やぎ乳、生めん羊乳、殺菌やぎ乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳等)のほかに、水牛の乳、ラクダの乳など、チーズの原料として公知の動物一般の乳も含むことができる。
【0009】
本明細書において、たんぱく質含量は、ケルダール法により測定される。
本明細書において、脂質含量は、酸分解法により測定される。
本明細書において、食物繊維含量は、酵素-高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により測定される。
本明細書において、水溶性食物繊維含量、低分子水溶性食物繊維含量、及び高分子水溶性食物繊維含量は、AOAC2011.25法により測定される。
本明細書において、水分含量は、常圧加熱乾燥法により測定される。
本明細書において、数値範囲に用いられる記号「~」は、その下限値及び上限値を含む。
【0010】
〔プロセスチーズ類〕
本発明のプロセスチーズ類は、下記測定方法により測定される溶融粘度が4700mPa・s以上である。
溶融粘度の測定方法:プロセスチーズ類を加熱して92℃まで昇温し、89℃以上で1分間保持した後、25℃の環境下で放冷するとともにB型粘度計を用いた粘度の測定を開始し、前記プロセスチーズ類の温度が85℃になったときの粘度を溶融粘度とする。ここで、「25℃の環境下」は、空調設備等により25℃設定することで、測定室内の温度が約25℃に保たれていればよい。
溶融粘度については後で詳しく説明する。
【0011】
本発明のプロセスチーズ類は、低分子水溶性食物繊維を含む。プロセスチーズ類が低分子水溶性食物繊維を含むことで、整腸効果を得ることや、プロセスチーズ類の脂肪含量を増やすことなく脂肪感を増やしたり、プロセスチーズ類の脂肪感を損なうことなく脂肪含量を減らしたりすることができる。
ここで、低分子水溶性食物繊維とは、78質量%エタノール水溶液に可溶である水溶性食物繊維であり、AOAC2011.25法において低分子量水溶性食物繊維として定量される食物繊維を意味する。
低分子水溶性食物繊維の平均分子量は、典型的には1万未満であり、5000以下が好ましく、3000以下がより好ましい。また、低分子水溶性食物繊維の平均分子量は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましい。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができるが、良好な脂肪感という観点から、低分子水溶性食物繊維の平均分子量は500~4000が好ましく、1000~3000がより好ましく、1500~2800がさらに好ましく、2000~2500が特に好ましい。
低分子水溶性食物繊維の例としては、イヌリン、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、分岐マルトデキストリン等が挙げられる。これらの低分子水溶性食物繊維は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
低分子水溶性食物繊維としては、チーズの濃厚感(脂肪感)及びなめらかさを高める効果に優れる点から、イヌリンが好ましい。イヌリンと他の低分子水溶性食物繊維とを併用してもよい。
【0012】
本明細書において、平均分子量は、「重量平均分子量」を意味し、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0013】
イヌリンは市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。市販のイヌリンとしては、例えば、Fuji FF(フジ日本精糖株式会社製)、イヌリア(帝人株式会社製)を用いることができる。
イヌリンの製造方法としては、例えば、イヌリン合成酵素を用いる方法が挙げられる。イヌリン合成酵素としては、バチラス属に属する微生物に由来する酵素、具体的にはバチラスsp.217C-11株(FERM BP-7450)の培養液もしくは培養菌体又はその処理物から得られるものを使用できる。
イヌリンを製造する際の、イヌリン合成酵素の濃度は、反応液中のスクロース(基質)を十分に利用し得る濃度であればよい。例えば、スクロース40~60質量%の場合、イヌリン合成酵素の活性が0.4unit/mLの反応液となる濃度が好ましい。
スクロースを基質としてイヌリンを生成するのに適切な条件として、反応液のpHは6~8が好ましい。反応液のpHを保つためにリン酸緩衝液を使用してもよい。反応時間は、イヌリン合成酵素の使用量等により適宜変更できるが、通常0.1~100時間であり、好ましくは0.5~72時間である。
反応液中で生成したイヌリンは、公知の方法を用いて精製することができる。例えば、得られた反応液をイオン交換樹脂あるいは活性炭等で精製し、これを減圧濃縮あるいは逆浸透膜によって濃縮し、次いで冷却してイヌリンの結晶を得ることができる。あるいは、反応液にエタノール等の有機溶媒を添加することによってイヌリンを沈殿させて回収することも可能である。
【0014】
プロセスチーズ類は、通常、ナチュラルチーズ及び溶融塩を含む。
ナチュラルチーズとしては、プロセスチーズ類の製造に用いられる公知のナチュラルチーズを適宜使用できる。ナチュラルチーズの例としては、クリームチーズ、クワルク、ニューシャテル、フロマージュブラン、トフェン、マスカルポーネ、リコッタ、プチスイス、ベーカーズチーズ、ラブネ、トヴォログ等の軟質チーズ;モッツァレラ、ストリング、エダム(ソフトエダム)、ステッペン、サムソー、マリボー、エグモント、チルジット、ダンボー、ロックフォール、ブルー、クリームハバティ等の半硬質チーズ;エダム(ハードエダム)、ゴーダ、チェダー、エメンタール、グリィエール、プロボローネ等の硬質チーズ;パルメザン、グラナ、パルミジャーノレッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノ、スブリンツ等の特別硬質チーズ等が挙げられる。これらのナチュラルチーズは1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明のプロセスチーズ類においては、ナチュラルチーズは、軟質チーズであることが好ましく、クリームチーズがより好ましい。
【0015】
溶融塩としては、チーズの分野において公知の溶融塩を適宜使用できる。溶融塩の例としては、モノリン酸塩(オルトリン酸ナトリウム等)、ジリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム等)、ポリリン酸塩(ポリリン酸ナトリウム等)等のリン酸塩;クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等)等が挙げられる。これらの溶融塩は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0016】
プロセスチーズ類に低分子水溶性食物繊維を含有させると、溶融粘度が低くなる傾向がある。
溶融粘度を高める観点から、プロセスチーズ類は、高分子水溶性食物繊維をさらに含むことが好ましい。また、高分子水溶性食物繊維は、保水性が高く、プロセスチーズの保存中の離水を抑制することもできる。
ここで、高分子水溶性食物繊維とは、低分子水溶性食物繊維以外の水溶性食物繊維であり、一般的には、78質量%エタノール水溶液に不溶で、沈殿を生成し、AOAC2011.25法において高分子量水溶性食物繊維として定量される食物繊維である。
高分子水溶性食物繊維の平均分子量は、典型的には1万以上であり、溶融粘度や保水性の向上効果の観点から、3万以上が好ましく、5万以上がより好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上がより好ましく、20万以上がさらに好ましい。また、高分子水溶性食物繊維の平均分子量は、溶融粘度を後述する好ましい上限値以下とする観点から、500万以下が好ましく、400万以下がより好ましく、300万以下がより好ましく、200万以下がさらに好ましい。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができるが、1万~500万が好ましく、3万~400万がより好ましく、10万~400万がより好ましく、10万~300万がより好ましく、20万~200万がさらに好ましい。
高分子水溶性食物繊維の例としては、グルコマンナン、寒天、ペクチン、グアーガム、ローカストビーンガムが挙げられる。これらの高分子水溶性食物繊維は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
高分子水溶性食物繊維としては、溶融粘度及び保水性の向上効果の点から、グルコマンナン及び寒天からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。特に、グルコマンナンを含むことが好ましい。グルコマンナンと寒天とを併用してもよい。グルコマンナン及び寒天からなる群から選ばれる少なくとも1種と他の高分子水溶性食物繊維とを併用してもよい。
【0017】
溶融粘度や保水性を高める観点から、プロセスチーズ類は、ナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料をさらに含んでいてもよい。
ナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料としては、ナチュラルチーズ以外の乳たんぱく質含有原料、植物性たんぱく質含有原料等が挙げられる。ナチュラルチーズ以外の乳たんぱく質含有原料としては、乳清たんぱく質濃縮物(WPC)、乳清たんぱく質分離物(WPI)、乳たんぱく質濃縮物(MPC)、乳たんぱく質分離物(MPI)、全乳たんぱく質濃縮物(TMP)、ミセラカゼイン濃縮物(MCC)、ミセラカゼイン分離物(MCI)、カゼイネート等が挙げられる。植物性たんぱく質含有原料としては、大豆たんぱく質濃縮物(SPI)等が挙げられる。これらのたんぱく質含有原料は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。たんぱく質含有原料によりたんぱく質含量を増加させることで、プロセスチーズの溶融粘度を向上させることができる。
【0018】
プロセスチーズ類は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、植物油脂、調味料、保存料、溶融塩以外の乳化剤、pH調整剤、香料、乳素材、ビタミン類、乳酸菌やビフィズス菌等のプロバイオティクス素材、オリゴ糖等のプレバイオティクス素材等が挙げられる。植物油脂としては、パーム油、パーム核油、やし油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サンフラワー油等が挙げられる。調味料としては、食塩、糖質類、香辛料等が挙げられる。保存料としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ナイシン等が挙げられる。溶融塩以外の乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセライド類等が挙げられる。pH調整剤としては、重曹、乳酸等が挙げられる。乳素材としては、練乳、各種のヨーグルト(プレーンヨーグルト、濃縮タイプのヨーグルト等)等が挙げられる。ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。食品の栄養的観点からは、その他の成分として、ビタミン類を含むことが好ましい。
【0019】
本発明のプロセスチーズ類は、典型的には、ナチュラルチーズ及び溶融塩を含むプロセスチーズ部分を含み、プロセスチーズ部分に低分子水溶性食物繊維を含む。プロセスチーズ部分は、ナチュラルチーズ、溶融塩等を加熱溶融し、乳化し、冷却固化したものである。
プロセスチーズ部分は、高分子水溶性食物繊維をさらに含んでいてもよい。
プロセスチーズ部分は、ナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料をさらに含んでいてもよい。
プロセスチーズ部分は、その他の成分をさらに含んでいてもよい。
【0020】
プロセスチーズ類は、プロセスチーズ部分とは別に、副原料を含んでいてもよい。プロセスチーズ類において副原料は、均一なプロセスチーズ部分中に不均一な具材として存在する。副原料の例としては、肉類(例えば、サラミ等の食肉加工品)、魚介類(例えば水産加工品)、野菜、果物(例えばオレンジピール、レーズン、マンゴー、バナナ、プルーン、イチジク、アプリコット、クランベリー、ラズベリー、レモンピール等のドライフルーツ)、植物の種子(例えばアーモンド、ピスタチオ、ピーナッツ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、クルミ)等の食品を粉砕した食品粉砕物;それらの食品をペースト状に加工したペースト状食品;七味唐辛子、粉山葵等の粉末食品;ソース、シロップ等の液状食品が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
食感及び風味の点からは、副原料として、食品粉砕物を含むことが好ましい。食品粉砕物における食品としては、アーモンド、ピスタチオ、ピーナッツ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ及びクルミからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。とりわけ、これらの食品の粉砕物をプロセスチーズ類に配合することで、プロセスチーズ類の美観が向上するため、その外観を好ましいものにすることができる。これらの食品をペースト状に加工したペースト状食品を併用することも好ましい。
【0021】
プロセスチーズ類100g当たりのたんぱく質の質量であるたんぱく質含量は、25g/100g以下が好ましく、15g/100g以下がより好ましく、12g/100g以下がより好ましく、10g/100g以下がさらに好ましい。また、5g/100g以上が好ましく、7g/100g以上がより好ましい。たんぱく質含量は、上記上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、当該範囲内であれば、プロセスチーズ類の脂肪感がより優れる。
【0022】
プロセスチーズ類100g当たりの脂質の質量である脂質含量は、15g/100g以上が好ましく、18g/100g以上がより好ましく、20g/100g以上がさらに好ましく、また、40g/100g以下が好ましく、38g/100g以下がより好ましく、35g/100g以下がさらに好ましい。脂質含量が上記範囲内であれば、プロセスチーズ類の脂肪感がより優れる。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0023】
プロセスチーズ類100g当たりの食物繊維の質量である食物繊維含量は、3g/100g以上が好ましく、5g/100g以上がより好ましく、6g/100g以上がさらに好ましい。上限値は特に制限されないが、20g/100g以下であってよく、15g/100g以下であってよく、13g/100g以下であってよく、12g/100g以下であってよい。食物繊維含量は、上記上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、当該範囲内であれば、プロセスチーズ類の外観を保ちつつ、食物繊維による効果を十分に得ることができる。
【0024】
プロセスチーズ類に含まれる食物繊維の少なくとも一部は低分子水溶性食物繊維である。食物繊維は、低分子水溶性食物繊維のほかに、高分子水溶性食物繊維を含んでいてもよく、不溶性(非水溶性)食物繊維を含んでいてもよい。
【0025】
プロセスチーズ類100g当たりの水溶性食物繊維の質量である水溶性食物繊維含量(低分子水溶性食物繊維と高分子水溶性食物繊維の総量)は、3g/100g以上が好ましく、5g/100g以上がより好ましく、6g/100g以上がさらに好ましい。上限値は特に制限されないが、30g/100g以下であってよく、20g/100g以下であってよく、15g/100g以下であってよく、13g/100g以下であってよく、12g/100g以下であってよい。水溶性食物繊維含量は、上記上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、当該範囲内であれば、プロセスチーズ類の外観を保ちつつ、水溶性食物繊維による効果を十分に得ることができる。
【0026】
プロセスチーズ類100g当たりの低分子水溶性食物繊維の質量である低分子水溶性食物繊維含量は、2g/100g以上が好ましく、3g/100g以上がより好ましく、5g/100g以上がさらに好ましい。上限値は特に制限されないが、18g/100g以下であってよく、15g/100g以下であってよく、13g/100g以下であってよく、11g/100g以下であってよい。低分子水溶性食物繊維含量は、上記上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、当該範囲内であれば、プロセスチーズ類の外観を保ちつつ、低分子水溶性食物繊維による効果を十分に得ることができる。
また、低分子水溶性食物繊維としてイヌリンを使用する場合、プロセスチーズ類100g当たりのイヌリンの含量は、2g/100g以上であってよく、5g/100g以上であってよい。上限値は特に制限されないが、上記低分子水溶性食物繊維含量の上限値と同様であってよく、上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。数値範囲としては、例えば1~18g/100gであってよく、3~15g/100gであってよい。
【0027】
プロセスチーズ類100g当たりの高分子水溶性食物繊維の質量である高分子水溶性食物繊維含量は、0.1g/100g以上が好ましく、0.1g/100g超がより好ましく、0.15g/100g以上がより好ましく、0.2g/100g以上がより好ましく、0.3g/100g以上がさらに好ましい。上限値は特に制限されないが、10g/100g以下であってよく、5g/100g以下であってよく、3g/100g以下であってよく、1g/100g以下であってよい。高分子水溶性食物繊維含量は、上記上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、当該範囲内であれば、プロセスチーズ類の外観を保ちつつ、高分子水溶性食物繊維による効果を十分に得ることができる。
また、高分子水溶性食物繊維としてグルコマンナンを使用する場合、プロセスチーズ類100g当たりのグルコマンナンの含量は、0.1g/100g以上であってよく、0.15g/100g以上であってよい。上限値は特に制限されないが、上記高分子水溶性食物繊維含量の上限値と同様であってよく、上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。数値範囲としては、例えば0.1~5g/100gであってよく、0.15~3g/100gであってよい。
【0028】
食物繊維の総質量に対する低分子水溶性食物繊維の割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。低分子水溶性食物繊維の含有量が上記下限値以上であれば、プロセスチーズ類の脂肪感がより優れる。
食物繊維の総質量に対する低分子水溶性食物繊維の割合は、100質量%であってもよい。食物繊維が高分子水溶性食物繊維を含む場合には、食物繊維の総質量に対する低分子水溶性食物繊維の割合は、95質量%以下が好ましく、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。低分子水溶性食物繊維の含有量が上記上限値以下であれば、高分子水溶性食物繊維を十分に配合でき、低分子水溶性食物繊維の析出抑制効果がより優れる。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0029】
食物繊維の総質量に対する高分子水溶性食物繊維の割合は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。高分子水溶性食物繊維の含有量が上記下限値以上であれば、低分子水溶性食物繊維の析出抑制効果がより優れ、上記上限値以下であれば、プロセスチーズ類の脂肪感がより優れる。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0030】
高分子水溶性食物繊維/低分子水溶性食物繊維で表される質量比は、0.01~0.20が好ましく、0.02~0.10がより好ましく、0.03~0.09がより好ましく、0.04~0.08がさらに好ましい。高分子水溶性食物繊維/低分子水溶性食物繊維が上記下限値以上であれば、低分子水溶性食物繊維の析出抑制効果がより優れ、上記上限値以下であれば、プロセスチーズ類の脂肪感がより優れる。
【0031】
プロセスチーズ類100g当たりの水分の質量である水分含量は、42~55質量%が好ましく、45~52質量%がより好ましく、48~49質量%がさらに好ましい。水分含量が上記下限値以上であれば、食感のなめらかさがより優れる。水分含量が上記上限値以下であれば、保存中の離水がさらに抑制され、低分子水溶性食物繊維の析出抑制効果がより優れる。
【0032】
プロセスチーズ類が副原料を含む場合、副原料の含有量は、プロセスチーズ類の総質量に対し、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、また、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。副原料の含有量が上記下限値以上であれば、副原料の存在感を十分に感じることができ、上記上限値以下であれば、チーズの風味やなめらかさを十分に感じることができる。上記上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0033】
本発明のプロセスチーズ類は、前記した測定方法により測定される溶融粘度が4700mPa・s以上である。
従来のプロセスチーズ類に低分子水溶性食物繊維を添加した場合、溶融粘度が低くなる傾向がある。このようなプロセスチーズ類は、保存中に離水が生じやすい。離水が生じると、低分子水溶性食物繊維が水分とともにプロセスチーズ類の表面に溶出し、その後、水分が乾燥することで、低分子水溶性食物繊維が析出すると考えられる。
プロセスチーズ類の溶融粘度が4700mPa・s以上であれば、保存中のプロセスチーズ類の表面に低分子水溶性食物繊維が析出することを抑制できる。溶融粘度は、低分子水溶性食物繊維の析出抑制の観点から、5000mPa・s以上が好ましく、6000mPa・s以上がより好ましく、7000mPa・s以上がより好ましく、8000mPa・s以上がさらに好ましい。
また、プロセスチーズ類の溶融粘度は、ハンドリングしやすさ、充填しやすさ等の製造適性の観点から、20000mPa・s以下が好ましく、15000mPa・s以下がより好ましく、13000mPa・s以下がさらに好ましい。
上記溶融粘度の上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0034】
<プロセスチーズ類の製造方法>
本発明のプロセスチーズ類は、例えば、ナチュラルチーズ、溶融塩、低分子水溶性食物繊維及び水を含む原料組成物を加熱乳化して加熱乳化物を得る工程(加熱乳化工程)と、前記加熱乳化物を冷却固化する工程(固化工程)とを有する製造方法により製造できる。
プロセスチーズ類に高分子水溶性食物繊維を含有させる場合は、加熱乳化前又は加熱乳化の途中で原料組成物に高分子水溶性食物繊維を含有させる。プロセスチーズ類にナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料やその他の成分を含有させる場合も同様である。
プロセスチーズ類に副原料を含有させる場合は、加熱乳化前又は加熱乳化の途中で原料組成物に副原料を添加してもよく、加熱乳化後、固化させる前の加熱乳化物に副原料を添加してもよい。
【0035】
(加熱乳化工程)
加熱乳化工程は、具体的には、原料組成物を構成する各原料を乳化機に投入して加熱乳化する。加熱乳化は、原料組成物を撹拌しながら加熱処理を行う工程であり、殺菌工程も兼ねる。加熱処理は、好ましくは直接又は間接蒸気を用いて行われる。乳化機は、例えば、高速せん断型、ケトル型、2軸スクリューをもつクッカー型、サーモシリンダー型等の乳化機を用いることができる。
【0036】
ナチュラルチーズ、低分子水溶性食物繊維、高分子水溶性食物繊維、ナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料、及びその他の成分の配合量は、製造するプロセスチーズ類の乳固形分、たんぱく質含量、脂質含量、食物繊維含量、溶融粘度等を考慮して設定される。
プロセスチーズ類として、乳等省令で定義されるプロセスチーズを製造する場合には、固化工程後の乳固形分が40質量%以上となるように設定される。
【0037】
溶融塩の配合量は、原料組成物の総質量に対し、0.1~3.0質量%が好ましく、0.5~2.5質量%がより好ましい。溶融塩の配合量が上記下限値以上であれば、溶融塩の添加による乳化性の向上効果が充分に得られやすく、上記上限値以下であれば、溶融塩の添加による風味の低下が充分に抑えられる。
原料組成物の総質量とは、ナチュラルチーズ、溶融塩、低分子水溶性食物繊維、水、高分子水溶性食物繊維、ナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料、及びその他の成分の合計である(高分子水溶性食物繊維やナチュラルチーズ以外のたんぱく質含有原料、その他の成分の含有量が0質量%である場合も含む)。副原料を用いる場合、副原料の質量は、原料組成物の総質量には含まれない。
【0038】
水の配合量は、加熱乳化工程を終えた時点での加熱乳化物の水分含量を考慮して設定される。乳化機においてスチーム(蒸気)を用いる場合は、原料組成物がスチームと接触することによって増加する水分も、加熱乳化物の水分含量に含まれる。
【0039】
加熱乳化の条件は特に限定されない。例えば、回転数120~1500rpmで撹拌しながら、加熱して乳化するとともに、所定の加熱殺菌条件を満たしたら、乳化を終了させる。加熱温度は70℃以上が好ましく、80~90℃がより好ましい。
【0040】
加熱乳化物の水分含量は、加熱乳化物の総質量に対し、42~55質量%が好ましく、45~50質量%がより好ましく、48~49質量%がさらに好ましい。加熱乳化物の水分含量が上記下限値以上であれば、加熱乳化物の粘度を低く抑えて良好な乳化状態を得ることができる。加熱乳化物の水分含量が上記上限値以下であれば、加熱乳化物の取り扱いが容易である。また、固化工程で大きく変形することを抑制できる。
【0041】
(固化工程)
固化工程では、加熱乳化工程で得られた加熱乳化物を冷却固化する。
固化工程において、必要に応じて、加熱乳化物を冷却固化した後に、又は冷却固化しながら、水分の除去を行ってもよい。
【0042】
固化工程において加熱乳化物を所望の形状に成形することが好ましい。成形は加熱乳化物を冷却する前、又は冷却の途中で行うことが好ましい。
成形は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、容器に加熱乳化物を充填する方法で成形し、この状態で冷却固化を行うことが好ましい。
容器の材質としては、特に限定されず、公知のものを使用できる。例えばアルミニウム箔、プラスチック、紙等が挙げられる。中でも、製造適性、保存性の高さの点から、アルミニウム箔が好ましい。
容器の形状についても、特に限定されず、公知のものを使用できる。アルミニウム箔を用いた容器の具体的形状としては、例えば、特開平7-313054号公報に記載されたボトムシェルホイルとトップホイルを組み合わせた、いわゆる6Pチーズ形態のもの;正方形や長方形に成型したスクエア形状のもの等が挙げられる。
【0043】
こうしてプロセスチーズ類が得られる。
容器内に充填した状態で冷却固化されたプロセスチーズ類を製品化する際は、容器内に充填されたままの状態でもよく、容器から取り出した後に適宜な大きさに切断又はシュレッドしてもよい。
【実施例0044】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明はこれら実施例に限定されるものではない。「%」は「質量%」を示す。
【0045】
(測定方法)
溶融粘度:プロセスチーズ類を加熱して92℃まで昇温し、89℃以上で1分間保持した後、25℃の環境下で放冷するとともにB型粘度計を用いた粘度の測定を開始し、プロセスチーズ類の温度が85℃になったときの粘度を溶融粘度とした。B形粘度計はリオン社製ビスコテスタVT-06を用い、ローターNo.1で回転数62.5rpmで測定した。
たんぱく質含量:ケルダール法により測定した。
脂質含量:酸分解法により測定した。
食物繊維含量:酵素HPLC法により測定した。
水分含量:常圧加熱乾燥法により測定した。
【0046】
(使用材料)
クリームチーズ:オーストラリア産クリームチーズ(たんぱく質8%、脂肪34%、炭水化物4%、水分54%)。
乳たんぱく質:ホエイたんぱく質単離物(WPI)。
イヌリン(低分子水溶性食物繊維):フジ日本精糖社製「Fuji FF」。
ナッツペースト:ピスタチオペースト(水分2%)。
寒天(高分子水溶性食物繊維):伊那食品工業社製「ウルトラ寒天」。
溶融塩:リン酸ナトリウム及びクエン酸3ナトリウム。
乳化剤:グリセリン脂肪酸エステル。
グルコマンナン(高分子水溶性食物繊維):清水化学社製「レオレックスRS」。
【0047】
(試験例1)
本試験例は、溶融粘度が保存中のイヌリンの析出に与える影響を評価する目的で実施した。
【0048】
<試料の作製>
表1に示す配合に従って、クリームチーズ、乳たんぱく質、上白糖、イヌリン、ナッツペースト、アーモンド粒、溶融塩、乳化剤、寒天、及びグルコマンナンをカッター付き乳化釜に入れた。水分調整のための水を加え、上記乳化釜にて回転数750rpmで1分間撹拌後、1500rpmで92℃まで加熱しながら撹拌し乳化させ、原料組成物を調製する加熱溶融工程を行った。乳化後、乳化釜内の原料組成物を充填機に送り、アルミニウム箔容器に個包装充填する充填工程を行って、例1~3のアルミニウム箔容器入りプロセスチーズ類を得た。得られたアルミニウム箔容器入りプロセスチーズ類からプロセスチーズ類を取出し、溶融粘度、たんぱく質含量、脂質含量、食物繊維含量、水分含量を測定した。結果を表2に示す。なお、例1は比較例であり、例2及び3は実施例である。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
<評価>
得られたアルミニウム箔容器入りプロセスチーズ類を10℃で60日間保存した。その後、アルミニウム箔容器入りプロセスチーズ類からプロセスチーズ類を取出し、アルミニウム箔容器の内面(プロセスチーズ類との接触面)を目視で観察し、析出物の有無を評価した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
上記結果及び図1に示すとおり、溶融粘度が4700mPa・s未満の例1では、アルミニウム箔容器の折り目に沿って白色の析出物が確認された。なお、析出物をフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)により分析したところ、イヌリンの結晶であることが確認された。
これに対し、溶融粘度が4700mPa・s以上の例2では、析出物が僅かに確認されたものの例1に比して少なく(析出物は例1の量に比して20%に満たない量)、外観は良好であった。さらに、例3では、析出物が見られず、外観が非常に良好であった。
上記の結果から、本発明によれば、プロセスチーズ類の保存中の低分子食物繊維の析出、それに伴う外観の悪化を抑制できることが示された。
図1