(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180847
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネス及びこれを備えた戸開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/74 20150101AFI20231214BHJP
【FI】
E05F15/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094479
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丘 ズー馨
(72)【発明者】
【氏名】石井 雅
(72)【発明者】
【氏名】奥村 勝之
(72)【発明者】
【氏名】大野 宗一郎
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA02
2E052BA06
2E052CA06
2E052DA02
2E052DA03
2E052DB02
2E052DB03
2E052EA15
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
2E052GB12
2E052GC01
2E052GC02
2E052GC05
2E052GC06
2E052KA13
(57)【要約】
【課題】引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部のコンパクト化を図り得るワイヤーハーネス及びこれを備えた戸開閉装置を提供する。
【解決手段】ワイヤーハーネス10は、引戸パネル3を戸幅方向にスライドさせる駆動部27を制御する制御部21に設けられた被接続部22に接続される接続部11と、前記引戸パネルの周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され前記制御部に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部6A,6Bと前記接続部とを接続する信号線12と、を備え、該信号線は、前記戸厚方向両側の操作部のそれぞれに接続される操作部側信号線14A,14Bと、これら操作部側信号線が合流部12aを介して合流され、一端が前記接続部に接続された接続部側信号線13と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部に設けられた被接続部に接続される接続部と、前記引戸パネルの周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され前記制御部に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部と前記接続部とを接続する信号線と、を備え、該信号線は、前記戸厚方向両側の操作部のそれぞれに接続される操作部側信号線と、これら操作部側信号線が合流部を介して合流され、一端が前記接続部に接続された接続部側信号線と、を備えていることを特徴とするワイヤーハーネス。
【請求項2】
請求項1において、
前記戸厚方向両側の操作部と外部電源とを接続する電源線を備えていることを特徴とするワイヤーハーネス。
【請求項3】
引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部と、前記引戸パネルの周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され前記制御部に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部と、前記制御部と前記戸厚方向両側の操作部とを接続する請求項1または2に記載のワイヤーハーネスと、を備えていることを特徴とする戸開閉装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記戸厚方向両側の操作部を構成し検知エリア内の検知対象を検知する戸厚方向両側の検知部を備えていることを特徴とする戸開閉装置。
【請求項5】
請求項3において、
戸厚方向両側の操作部を構成し押操作されるスイッチを備えていることを特徴とする戸開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤーハーネス及びこれを備えた戸開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を備えたいわゆる自動ドアを構成する引戸装置が知られている。このような自動ドアの戸厚方向両側には、駆動部を制御する制御部に向けて引戸パネルを開放させる信号を出力する種々の操作部が設けられる。
例えば、下記特許文献1には、スライド式のドアの上端部を支持する無目の内側面と外側面とに取り付けられ、物体検出信号をコントローラへ出力する出力部を備えた一対のセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された一対のセンサは、それぞれの出力部をコントローラに接続する必要があるため、コントローラに各出力部がそれぞれに接続される被接続部を設ける必要があった。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部のコンパクト化を図り得るワイヤーハーネス及びこれを備えた戸開閉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係るワイヤーハーネスは、引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部に設けられた被接続部に接続される接続部と、前記引戸パネルの周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され前記制御部に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部と前記接続部とを接続する信号線と、を備え、該信号線は、前記戸厚方向両側の操作部のそれぞれに接続される操作部側信号線と、これら操作部側信号線が合流部を介して合流され、一端が前記接続部に接続された接続部側信号線と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示に係る戸開閉装置は、引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部と、前記引戸パネルの周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され前記制御部に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部と、前記制御部と前記戸厚方向両側の操作部とを接続する本開示に係るワイヤーハーネスと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るワイヤーハーネス及びこれを備えた戸開閉装置は、上述のような構成としたことで、引戸パネルを戸幅方向にスライドさせる駆動部を制御する制御部のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、本開示の一実施形態に係るワイヤーハーネスの一例を備えた本開示の一実施形態に係る戸開閉装置の一例を模式的に示す一部破断概略側面図、(b)は、同戸開閉装置を模式的に示す概略ブロック図である。
【
図2】(a)は、本開示の他の実施形態に係るワイヤーハーネスの一例を備えた本開示の他の実施形態に係る戸開閉装置の一例を模式的に示す一部破断概略側面図、(b)は、同戸開閉装置を模式的に示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本開示の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の各実施形態では、各実施形態に係る戸開閉装置の一例を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスの一例及びこれを備えた戸開閉装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係るワイヤーハーネス10は、
図1(a)、(b)に示すように、引戸パネル3を戸幅方向にスライドさせる駆動部27を制御する制御部21に設けられた被接続部22に接続される接続部11を備えている。このワイヤーハーネス10は、引戸パネル3の周囲において戸厚方向両側のそれぞれに配設され制御部21に向けて開信号を出力する戸厚方向両側の操作部を構成する検知部6A,6Bと接続部11とを接続する信号線12を備えている。本実施形態に係る戸開閉装置2は、駆動部27を制御する制御部21と、戸厚方向両側の操作部を構成する検知部6A,6Bと、ワイヤーハーネス10と、を備えている。このような構成とすれば、駆動部27を駆動すれば、引戸パネル3を開閉(開放及び閉鎖)方向に移動させることができる。つまり、引戸パネル3を自動ドアとして機能させることができる。この戸開閉装置2は、引戸パネル3とによって引戸装置1を構成してもよい。
【0012】
戸開閉装置2を含む引戸装置1の設置箇所としては、戸建住宅や集合住宅等の一般住宅であってもよく、宿泊施設や医療施設、福祉施設等の公共的な施設や、事務所等の商業施設、各種店舗等、種々の箇所でもよい。
この引戸装置1には、片引き状に建て付けられる一枚の引戸パネル3が設けられていてもよく、引分状に建て付けられる二枚の引戸パネル3が設けられていてもよい。
引戸パネル3の戸先側端部の戸厚方向両側には、手掛操作可能な引手4,4が設けられている。
戸開閉装置2は、
図1(a)に示すように、引戸パネル3の上端側を戸幅方向にガイドする上レール5を備えている。上レール5は、例えば、固定対象としての上枠等に固定されてもよい。図例では、簡略化して示しているが、引戸パネル3の戸幅方向両側の上端部には、上レール5にスライド自在に吊下保持される被ガイド部材として、上レール5に設けられたガイド片部上を走行する転動体を備えたランナーが連結されている。この場合は、引戸パネル3の下端部に、床側に設けられるガイドピン等の下端ガイド部材が差し込まれるガイド溝等が設けられていてもよい。
【0013】
これら戸幅方向両側の被ガイド部材のうちの一方側(例えば、戸先側)の被ガイド部材に、駆動部27を含む駆動機構26(
図1(b)参照)が連結されていてもよい。つまり、駆動部27を駆動すれば、一方側の被ガイド部材が駆動機構26によって戸幅方向にスライドされ、駆動機構26に連結されていない他方側の被ガイド部材が言わば従動的に戸幅方向にスライドされてもよい。
駆動機構26は、例えば、上レール5の上方側に固定的に設けられていてもよい。駆動機構26としては、被ガイド部材に連結された紐状伝動体が巻き掛けられた従動回転車及び駆動回転車や、駆動回転車を回転させる駆動部27を構成するモータ等を備えた構成でもよい。駆動機構26としては、このような駆動回転車によって変位される紐状伝動体を備えた構成に限られない。例えば、駆動部27によって回転されるスクリューによって戸幅方向に変位される連結部を被ガイド部材に連結したような構成等でもよく、駆動機構26としては、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0014】
駆動部27は、
図1(b)に示すように、適宜の信号線等を介して制御部21に接続されている。この制御部21は、駆動部27を構成するモータの回転を制御する。この制御部21によって駆動部27が制御されて正回転または逆回転され、引戸パネル3が閉鎖位置から全開位置に移動され、また、全開位置から閉鎖位置に移動される。この制御部21は、CPU等の制御回路や、種々のプログラム等を記憶するROMやRAM等の各種のメモリー(記憶部)等を含むマイコン(MCU)等であってもよい。この制御部21は、例えば、上レール5の上方側に固定的に設けられた制御ブロック20に設けられていてもよい。この制御ブロック20には、駆動部27に駆動電源を供給する電源部23等が設けられている。この電源部23は、電源線24や、ブレーカー等を含む分電盤などを介して適宜の外部電源9に接続されていてもよい。図例では、電源線24に、電源入切スイッチ25を設けた例を示している。この電源入切スイッチ25は、戸開閉装置2の主電源スイッチを構成してもよい。
【0015】
戸開閉装置2は、引戸パネル3の位置を検知する位置検知部28を備えている。この位置検知部28としては、少なくとも引戸パネル3の閉鎖位置及び全開位置を検知可能な構成であってもよく、また、引戸パネル3の絶対位置を検知可能な構成とされていてもよい。このような位置検知部28としては、例えば、駆動機構26の紐状伝動体によって回転されて可変抵抗器を回転させる検知回転車を有した構成とされていてもよい。この位置検知部28は、制御部21に信号線等を介して接続されている。この位置検知部28による引戸パネル3の位置情報や移動方向(閉鎖側または開放側)情報に応じて駆動部27が制御され、引戸パネル3が開閉方向に移動される。
戸開閉装置2は、制御ブロック20の制御部21に信号線等を介して接続され、引戸パネル3の開閉モードを切り替える切替操作部や、開閉速度を変更する速度変更操作部等を備えていてもよい。
【0016】
検知部6A,6Bは、引戸パネル3をスライドさせるための起動操作を受け付ける操作部を構成し、検知エリア内の検知対象を検知する構成とされている。このような構成とすれば、人体や動物等の検知対象が検知エリア外から検知エリア内に移動すれば、開閉釦等を操作することなく非接触式によって引戸パネル3を開閉方向に移動させることができる。これにより、利便性を向上させることができ、また、衛生面においても良好なものとなる。
検知部6A,6Bは、いわゆるエリアセンサーでもよい。検知部6A,6Bは、戸厚方向一方側(例えば室内側)の検知エリア内の検知対象を検知する室内側検知部6Aと、戸厚方向他方側(例えば室外側)の検知エリア内の検知対象を検知する室外側検知部6Bと、を含んでいる。これら室内側検知部6A及び室外側検知部6Bは、互いに同様の構成とされている。
【0017】
これら室内側検知部6A及び室外側検知部6Bは、引戸パネル3によって開閉される出入口の上方側に位置するように設けられてもよい。図例では、上レール5の戸厚方向一方側に沿うように室内側検知部6Aが固定され、上レール5の戸厚方向他方側に沿うように室外側検知部6Bが固定された例を示している。これら室内側検知部6A及び室外側検知部6Bは、上レール5に固定されてもよく、上レール5の上方側に設けられる制御ブロック20等を覆う幕板状のカバーに固定されてもよく、更には、上枠や、その上方側の垂れ壁等に固定されてもよい。このような態様に代えて、これら室内側検知部6A及び室外側検知部6Bは、天井に固定されてもよく、出入口側方の壁面に固定されてもよい。室内側検知部6A及び室外側検知部6Bが配設される引戸パネル3の周囲とは、上記のような箇所に限られず、室内側及び室外側から出入口に接近する検知対象の検知が可能な箇所であれば、どのような箇所でもよい。
【0018】
これら検知部6A,6Bの検知エリアは、室内側及び室外側から出入口に接近する検知対象の検知が可能なように、また、設置箇所等に応じて適宜の範囲とされていてもよい。これら検知部6A,6Bの検知エリアは、互いの一部が引戸パネル3の移動軌跡上において重なる構成とされていてもよい。これら検知部6A,6Bの検知エリアは、床側に向かうに従い広がる構成とされている。これら検知部6A,6Bの検知エリアは、床面において、戸幅方向に1m~4m程度でもよく、戸厚方向に0.5m~3m程度でもよい。これら検知部6A,6Bは、検知エリアの変更が可能とされていてもよい。
【0019】
これら検知部6A,6Bの検知方式は、近赤外線反射方式でもよく、超音波式でもよく、その他、種々の方式でもよい。これら検知部6A,6Bには、各検知部6A,6Bを制御する制御部や検知信号(開信号)を出力する出力部等が設けられている。これら検知部6A,6Bには、作動状態を表示する表示部としてLED等の発光部が設けられていてもよい。
これら検知部6A,6Bには、後記するワイヤーハーネス10の接続部18A,18Bが接続される被接続部7A,7Bが設けられている。これら被接続部7A,7B及び接続部18A,18Bには、互いに電気的に接続される端子や互いを着脱可能に連結する連結部等が設けられている。これら被接続部7A,7Bの端子には、各検知部6A,6Bの電源線や信号線が電気的に接続されている。図例では、各被接続部7A,7Bと各検知部6A,6Bとを、それぞれ2本の電源線及び2本の信号線によって接続した例を示している。これら検知部6A,6Bに加えて、引戸パネル3の移動軌跡上に存在する検知対象を検知して意図しない引戸パネル3の閉鎖を防止する補助センサー等が設けられていてもよい。
【0020】
ワイヤーハーネス10の信号線12は、
図1(b)に示すように、戸厚方向両側の操作部を構成する検知部6A,6Bのそれぞれに接続される操作部側信号線14A,14Bを備えている。信号線12は、これら操作部側信号線14A,14Bが合流部12aを介して合流され、一端が接続部11に接続された接続部側信号線13を備えている。このような構成とすれば、戸厚方向両側の検知部6A,6Bのそれぞれに接続される操作部側信号線14A,14Bが合流部12aを介して合流された接続部側信号線13の一端の接続部11を、制御部21の被接続部22に接続することができる。これにより、戸厚方向両側の検知部6A,6Bのそれぞれの信号線を接続する被接続部を制御部21側に設ける必要がなく、制御部21を含む制御ブロック20のコンパクト化を図ることができる。
【0021】
ワイヤーハーネス10は、戸厚方向両側の検知部6A,6Bと外部電源9とを接続する電源線15を備えている。このような構成とすれば、戸厚方向両側の検知部6A,6Bを、電源線15を介して外部電源9に接続することができる。これにより、例えば、電源の供給が必要な検知部6A,6Bに給電するための電源部や電源線が接続される被接続部を制御部21に設ける必要がなく、制御部21を含む制御ブロック20のコンパクト化を図ることができる。
具体的には、室内側検知部6Aの被接続部7Aに接続される接続部18Aから延びるように2本の操作部側信号線14Aが設けられている。室外側検知部6Bの被接続部7Bに接続される接続部18Bから延びるように2本の操作部側信号線14Bが設けられている。これら操作部側信号線14A及び操作部側信号線14Bは、接続部18A及び接続部18Bのそれぞれの端子に電気的に接続されている。これら操作部側信号線14Aと操作部側信号線14Bとは、それぞれが各検知部6A,6Bに接続されるように言わば並列的に設けられている。
【0022】
これら操作部側信号線14Aと操作部側信号線14Bとを合流させる2つの合流部12aは、各検知部6A,6Bの検知信号を、接続部側信号線13を介して送信先となる制御部21に向けて送信可能なように適宜のコネクタや端子等によって構成されていてもよい。
これら2つの合流部12aからそれぞれに延びるように2本の接続部側信号線13が設けられている。これら2本の接続部側信号線13は、接続部11の端子に電気的に接続されている。
ワイヤーハーネス10の接続部11及び制御部21の被接続部22には、上記同様、互いに電気的に接続される端子や互いを着脱可能に連結する連結部等が設けられている。制御部21の被接続部22は、ワイヤーハーネス10の接続部11が差し込まれる差込口でもよい。
【0023】
電源線15は、ブレーカー等を含む分電盤などを介して適宜の外部電源9に接続される2本の電源側電源線16と、これら2本の電源側電源線16のそれぞれから分岐部15aを介して分岐された操作部側電源線17A,17Bと、を備えている。電源側電源線16の外部電源9側の端部に、接続対象に簡易に接続可能な適宜の接続部が設けられていてもよい。2つの分岐部15aは、外部電源9からの電源を、各検知部6A,6Bに供給可能なように適宜のコネクタや端子等によって構成されていてもよい。
室内側検知部6Aに接続される2本の操作部側電源線17Aは、被接続部7Aに接続される接続部18Aの端子に電気的に接続されている。室外側検知部6Bに接続される2本の操作部側電源線17Bは、被接続部7Bに接続される接続部18Bの端子に電気的に接続されている。これら操作部側電源線17Aと操作部側電源線17Bとは、それぞれが各検知部6A,6Bに接続されるように言わば並列的に設けられている。
【0024】
このワイヤーハーネス10の信号線12及び電源線15は、適宜の導電材料によって形成された芯線と、絶縁材料によって形成され芯線を被覆する被覆部材と、を備えた構成でもよい。信号線12の芯線の径よりも電源線15の芯線の径が大とされていてもよい。2本の接続部側信号線13は、適宜の外皮によってまとめられていてもよい。2本の操作部側信号線14A及び2本の操作部側信号線14Bも同様、それぞれに外皮によってまとめられていてもよい。2本の電源側電源線16、2本の操作部側電源線17A及び2本の操作部側電源線17Bも同様、それぞれに外皮によってまとめられていてもよい。接続部18Aから延びる2本の操作部側信号線14Aと2本の操作部側電源線17Aとが制御部21側及び外部電源9側に分岐する部位まで外皮によってまとめられていてもよい。接続部18Bから延びる2本の操作部側信号線14Bと2本の操作部側電源線17Bとも同様、制御部21側及び外部電源9側に分岐する部位まで外皮によってまとめられていてもよい。
【0025】
上記構成とされたワイヤーハーネス10を備えた戸開閉装置2(引戸装置1)においては、戸厚方向一方側の検知部6A,6Bが検知対象を検知すれば、駆動部27が制御部21に制御されて引戸パネル3が閉鎖位置から全開位置にスライドされる。そして、両側の検知部6A,6Bが検知対象を非検知となれば、駆動部27が制御部21に制御されて引戸パネル3が全開位置から閉鎖位置にスライドされてもよい。または、所定時間が経過すれば、引戸パネル3が全開位置から閉鎖位置にスライドされてもよい。
各検知部6A,6Bに電源が供給されずに各検知部6A,6Bが作動不能状態において、例えば、閉鎖位置の引戸パネル3の引手4を開放側に僅かに(例えば、10mm~50mm程度)移動させれば、駆動部27が制御部21に制御されて引戸パネル3が全開位置にスライドされてもよい。例えば、引戸パネル3の移動に連動して変位する紐状伝動体によって回転される駆動回転車の回転が開信号として制御部21に送信される態様でもよい。戸開閉装置2(引戸装置1)において実行される引戸パネル3の開閉制御態様としては、上記のような態様に限られず、その他、種々の態様でもよい。
【0026】
次に、他の実施形態について説明する。
以下の実施形態では、先に説明した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。以下の実施形態では、先に説明した実施形態と同様に奏する作用効果についても説明を省略または簡略に説明する。
【0027】
図2は、第2実施形態に係るワイヤーハーネスの一例及びこれを備えた戸開閉装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係るワイヤーハーネス10Aは、
図2(a)、(b)に示すように、上記同様、接続部11と信号線12とを備えている。本実施形態では、ワイヤーハーネス10Aは、電源線15を備えていない。このワイヤーハーネス10Aは、上記同様、戸開閉装置2A(引戸装置1A)に設けられる。
本実施形態に係る戸開閉装置2Aは、戸厚方向両側の操作部の構成が上記した第1実施形態とは主に異なる。本実施形態では、戸開閉装置2Aは、戸厚方向両側の操作部を構成し押操作されるスイッチ8A,8Bを備えている。つまり、これらスイッチ8A,8Bは、上記のような非接触式の検知部6A,6Bとは異なり、接触式の操作部を構成する。このような構成とすれば、上記のような検知部6A,6Bを操作部として設けた構成と比べて、誤検知等による意図しない引戸パネル3のスライドを防止することができる。
【0028】
戸厚方向両側のスイッチ8A,8Bは、戸厚方向一方側(例えば室内側)の室内側スイッチ8Aと、戸厚方向他方側(例えば室外側)の室外側スイッチ8Bと、を含んでいる。これら室内側スイッチ8A及び室外側スイッチ8Bは、互いに同様の構成とされている。
これら室内側スイッチ8A及び室外側スイッチ8Bは、出入口側方の壁面等に配設されてもよい。
これら室内側スイッチ8A及び室外側スイッチ8Bのそれぞれには、ワイヤーハーネス10Aの信号線12を構成する操作部側信号線14A及び操作部側信号線14Bが接続されている。本例では、室内側スイッチ8A及び室外側スイッチ8Bのそれぞれに被接続部や接続部等を介さずに直接的に操作部側信号線14A及び操作部側信号線14Bを接続した例を示しているが、このような例に限られない。これら室内側スイッチ8A及び室外側スイッチ8Bは、電源線や電池による電源の供給が不要な構成とされている。
【0029】
戸厚方向両側のスイッチ8A,8Bのうちの一方が押操作されれば、操作部側信号線14A及び操作部側信号線14Bのうちの一方及び接続部側信号線13を介してそのON信号が開信号として制御部21に向けて送信される。
本実施形態においても上記同様、スイッチ8A,8Bの押操作に代えて、閉鎖位置の引戸パネル3の引手4を開放側に僅かに移動させれば、駆動部27が制御部21に制御されて引戸パネル3が全開位置にスライドされてもよい。
上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、必要に応じて変形し、組み替えて適用したり、組み合わせて適用したりしてもよい。例えば、戸厚方向一方側の操作部を検知部6A(6B)とし、戸厚方向他方側の操作部をスイッチ8B(8A)とした構成等でもよく、その他、種々の組み替えや組み合わせが可能である。
上記各実施形態に係る戸開閉装置2,2Aに、更に他の操作部が設けられていてもよい。例えば、引戸パネル3の引手位置に、接近する検知対象を検知する検知部等が操作部として設けられていてもよい。この場合は、検知部側に設けられた送信部からの信号を受信可能な受信部が制御ブロック20等に設けられていてもよい。
上記各実施形態に係るワイヤーハーネス10,10A及び戸開閉装置2,2Aの各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0030】
2,2A 戸開閉装置
3 引戸パネル
6A 室内側検知部(操作部、検知部)
6B 室外側検知部(操作部、検知部)
8A 室内側スイッチ(操作部、スイッチ)
8B 室外側スイッチ(操作部、スイッチ)
10,10A ワイヤーハーネス
11 接続部
12 信号線
12a 合流部
13 接続部側信号線
14A,14B 操作部側信号線
15 電源線
21 制御部
22 被接続部
27 駆動部
9 外部電源