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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180872
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/40 20230101AFI20231214BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231214BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N5/225 000
G03B17/02
H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094526
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】重松 正康
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA11
2H100AA12
2H100CC07
5C122EA42
5C122GE01
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】 振動デバイスの振動を、電子機器筐体には伝えづらく、ユーザーの指などの把持部には伝わりやすい電子機器を提供すること。
【解決手段】 そこで、本発明の電子機器は、所定の状態を通知する振動手段100と、ユーザーが把持する把持部90と、前記振動手段を保持する保持部材2000と、前記振動手段の振動を減衰させる振動減衰手段2001と、を有し、前記保持部材2000は、前記把持部90に直接的に接触することなく、前記振動減衰手段2001に直接的に接触して固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の状態を通知する振動手段と、ユーザーが把持する把持部と、前記振動手段を保持する保持部材と、前記振動手段の振動を減衰させる振動減衰手段と、を有する電子機器であって、
前記保持部材は、前記把持部に直接的に接触することなく、前記振動減衰手段に直接的に接触して固定されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記振動減衰手段の振動伝達力は、前記振動手段の振動方向と直交する方向より前記振動手段の振動方向の方が小さいことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記振動減衰手段は、前記振動手段の振動方向と直交する方向よりも前記振動手段の振動方向の方が少ない面積で前記把持部と接触することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記振動減衰手段はシリコーンラバーであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記把持部及び前記保持部材を覆う弾性力のあるシート部材を有することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記シート部材は孔部を有し、前記保持部材は突起部を有し、
前記突起部は前記シート部材の孔部から突出していることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記シート部材及び前記保持部材は接触していないことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記振動手段は、操作手段の操作をフィードバック制御して所定の状態を通知する機能を有する請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイスを有するデジタルカメラやスマートフォン等の電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような光学機器として、特許文献1には、ユーザーが把持するグリップ部に設けた振動デバイスに振動を発生させる。
【0003】
それにより、例えば、音などが出せないコンサート等の環境下において、ユーザーが操作部材を操作した際に、ユーザー操作がされたことを振動でユーザーに通知することができるカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-005250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、振動デバイスを用いて、電子機器の筐体自体を振動させてユーザーに振動を伝える構成である。
【0006】
そのため、例えば、撮像中に振動させてしまうと、電子機器自体の振動により画像が鮮明に写らなくなってしまう。
【0007】
また、手振れ補正の制御に振動デバイスの振動が影響してしまい、適切な補正制御ができなくなってしまうという恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、振動デバイスの振動を、電子機器筐体には伝えづらく、ユーザーの指などの把持部には伝わりやすい電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、所定の状態を通知する振動手段と、ユーザーが把持する把持部と、前記振動手段を保持する保持部材と、前記振動手段の振動を減衰させる振動減衰手段と、を有する電子機器であって、
前記保持部材は、前記把持部に直接的に接触することなく、前記振動減衰手段に直接的に接触して固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、振動デバイスの振動を、電子機器筐体には伝えづらく、ユーザーの指などの把持部には伝わりやすい電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態による電子機器の外観を表す図である。
図2】本発明の実施の形態による電子機器の構成を表すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態による電子機器の構成を表す図である。
図4】本発明の実施の形態による電子機器の構成を表す図である。
図5】本発明の実施の形態による電子機器の構成を説明する図である。
図6】本発明の実施の形態による電子機器の保持構成を表す斜視図である。
図7】本発明の実施の形態による電子機器の保持構成を表す分解斜視図である。
図8図6のA-A位置の断面図である。
図9】本発明の実施の形態による振動減衰部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1(a)、(b)、図2に本発明を適用可能な撮像装置の一例としてのデジタルカメラ1(請求項に記載の電子機器に相当)の外観図およびブロック図を示す。
【0014】
(デジタルカメラ1の外観図)
図1(a)はデジタルカメラ1の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ1の背面斜視図である。図2はデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する、カメラ背面に設けられた表示部である。
【0016】
タッチパネル70aは、表示部28の表示面(操作面)に対するタッチ操作を検出することができる。
【0017】
ファインダー外表示部43は、カメラ上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0018】
横位置シャッターボタン61aは撮影指示を行うための操作部であり、押し込み方向に2段の検出部を持つスイッチである。
【0019】
前記スイッチは1段目ON検出においてオートフォーカス動作、1段目からさらに押し込むと2段目のON検出により撮影動作を行う。
【0020】
操作ボタンをカスタマイズする機能により、1段目ON検出時のカメラ動作は変更が可能であり、例えばオートフォーカスを動作させず、自動露出のみを動作させることもできる。
【0021】
なお、後述する縦位置シャッターボタン61bもまとめてシャッターボタン61として図2には記載されている。
【0022】
発光部110(請求項に記載の第2の通知手段に相当)はLED素子等で構成されており、システム制御部50(請求項に記載の状態検知手段、駆動判定部、影響判定部に相当)の指示に応じて所定のタイミングで発光する。
【0023】
発光によってユーザーに通知を行ったり、デジタルカメラ1の撮影機能の補助を行ったりする。
【0024】
モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。
【0025】
端子カバー40は外部機器とデジタルカメラ1とを接続するヘッドホン端子41等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。
【0026】
ヘッドホン端子41にヘッドホンを接続することで、デジタルカメラ1が発生する電子音などをヘッドホンで聞くことができる。
【0027】
横位置メイン電子ダイヤル71aは操作部70に含まれる回転操作部材であり、この横位置メイン電子ダイヤル71aを回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。
【0028】
電源スイッチ72はデジタルカメラ1の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。
【0029】
サブ電子ダイヤル73は操作部70に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。
【0030】
マルチ方向キー74は操作部70に含まれ、上、下、左、右、斜め右上、斜め右下、斜め左下、斜め左上の8方向に対して操作可能なマルチ方向キー(8方向キー)である。
【0031】
マルチ方向キー74の押した部分に応じた操作が可能である。
【0032】
SETボタン75は操作部70に含まれ、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0033】
動画ボタン76は、動画撮影(記録)の開始、停止の指示に用いられる。
【0034】
AEロックボタン77は操作部70に含まれ、撮影待機状態で押すことにより、露出状態を固定することができる。
【0035】
拡大ボタン78は操作部70に含まれ、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのON、OFFを行うための操作ボタンである。
【0036】
拡大モードをONとしてから横位置メイン電子ダイヤル71aを操作することにより、LV画像の拡大、縮小を行える。
【0037】
再生モードにおいては再生画像を拡大し、拡大率を増加させるための拡大ボタンとして機能する。
【0038】
再生ボタン79は操作部70に含まれ、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。
【0039】
撮影モード中に再生ボタン79を押すことで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。
【0040】
メニューボタン81は、操作部70に含まれ、メニューボタン81が押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。
【0041】
ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、マルチ方向キー74やSETボタン75を用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0042】
カメラ側通信端子10はデジタルカメラ1がレンズ側(着脱可能)と通信を行う為の通信端子である。
【0043】
接眼部16は、接眼ファインダー(覗き込み型のファインダー)の接眼部であり、ユーザーは、接眼部16を介して内部のEVFユニット29に表示された映像を視認することができる。
【0044】
接眼検知部57は、接眼部16に撮影者が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーであり接眼部16の内部に配置されている。
【0045】
スピーカー120(請求項に記載の第2の通知手段に相当)はシステム制御部50からの指示に基づいて、所定の電子音を再生したり、撮影した動画データの音声を再生したりすることができる。
【0046】
蓋202は、記録媒体200を格納したスロットの蓋である。
【0047】
フロントグリップ部90(請求項に記載の把持部に相当)は、図1に示す方向でデジタルカメラ1を保持するための横位置グリップ90aを備えている。
【0048】
また、フロントグリップ部90は、図示した姿勢からZ軸周りに90°回転した方向でデジタルカメラ1を保持するための縦位置グリップ90bの2か所で構成される。
【0049】
このように複数のグリップがある事で、デジタルカメラ1のユーザーは撮影スタイルに合わせてグリップを持ち換えて、快適に撮影することが可能である。
【0050】
フロントグリップ部90部の内面には、振動デバイス100(請求項に記載の第1の通知手段、把持部判定手段に相当)が取り付けられている。
【0051】
横位置グリップ90aの内面には、横位置振動デバイス100aが、縦位置グリップ90bの内面には、縦位置振動デバイス100bが配置されている。
【0052】
振動デバイス100は、後述する撮影状態に応じて多様な振動を発生する。
【0053】
振動デバイス100は、例えばリニアアクチュエータ(LRA)タイプ、圧電素子タイプまたはVCモータタイプの振動デバイスであり、振動強度(振幅)や振動周波数等の振動パラメータの可変設定が可能である。
【0054】
振動パラメータを変更することで、様々な振動パターンの振動を発生させることができる。
【0055】
横位置グリップ90aを右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置に横位置シャッターボタン61a、横位置メイン電子ダイヤル71aが配置されている。
【0056】
また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、マルチ方向キー74、サブ電子ダイヤル73が配置されている。
【0057】
また、縦位置グリップ90bを右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態を示す。
【0058】
右手の人差指で操作可能な位置に縦位置シャッターボタン61b(請求項に記載の把持部操作部材に相当)、縦位置メイン電子ダイヤル71bが配置されている。
【0059】
フロントグリップ部90に取り付けられる振動デバイスの例として、LRAタイプの振動デバイスについて図1(c)を用いて説明する。
【0060】
LRAタイプの振動デバイス100は、振動子1001、マグネット1002、バネ1003、コイル1004およびベース1005により構成されている。
【0061】
振動子1001は、マグネット1002を保持し、かつベース1005に対してバネ1003により移動可能に結合されている。
【0062】
コイル1004は、マグネット1002の近傍に配置され、回路基板(図4参照)と電気的に接続される。
【0063】
コイル1004は、回路基板から電流を与えられることで電磁力を発生する。
【0064】
その電磁力とマグネット1002との間の吸着力また反発力により振動子1001が往復運動することにより、振動デバイス100に図中の矢印方向に振動が発生する。
【0065】
(電子機器であるデジタルカメラ1のブロック図)
図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。
【0066】
レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。
【0067】
レンズ側通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ1側と通信を行う為の通信端子であり、カメラ側通信端子10はデジタルカメラ1がレンズユニット150側と通信を行う為の通信端子である。
【0068】
レンズユニット150は、このレンズ側通信端子6と、カメラ側通信端子10を介してシステム制御部50と通信している。
【0069】
そして、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り5の制御を行い、AF駆動回路3を介して、レンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0070】
レンズユニット150内にも振動デバイス100が配置されており、レンズシステム制御回路4の指示に基づいて振動を発生させることができる。
【0071】
AEセンサー17は、レンズユニット150を通した被写体の輝度を測光する。
【0072】
焦点検出部11は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する。
【0073】
システム制御部50はそれに基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。
【0074】
焦点検出部11は、専用の位相差センサーでもよいし、撮像素子22の撮像面位相差センサーとして構成しても良い。
【0075】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像素子22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0076】
撮像素子22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。
【0077】
A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像素子22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0078】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。
【0079】
また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。
【0080】
画像処理部24により得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。
【0081】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。
【0082】
メモリ32は、撮像素子22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28、EVFユニット29に表示するための画像データを格納する。
【0083】
メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0084】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0085】
D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28、EVFユニット29に供給する。
【0086】
こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28、EVFユニット29により表示される。
【0087】
表示部28、EVFユニット29は、LCDや有機EL等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。
【0088】
ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0089】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。
【0090】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ1全体を制御する。
【0091】
システム制御部50は、デジタルカメラ1の撮影状態に応じて、もしくは前述した種々の操作部に対してユーザー操作が行われた際に振動デバイス100に振動を発生させる。
【0092】
前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。
【0093】
システムメモリ52には、例えばRAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。
【0094】
また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0095】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0096】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0097】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
【0098】
静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)、等がある。
【0099】
また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60より、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。
【0100】
あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。
【0101】
同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0102】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ1に設けられたシャッターボタン61(横位置シャッターボタン61a、縦位置シャッターボタン61b)の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。
【0103】
第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0104】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。
【0105】
システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像素子22からの信号読み出しから記録媒体200に撮像された画像を画像ファイルとして書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0106】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部としての前述した各種操作部材である。
【0107】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。
【0108】
また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0109】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0110】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。
【0111】
記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0112】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。
【0113】
通信部54は、無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。
【0114】
通信部54は撮像素子22で撮像した画像(LV画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0115】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ1の姿勢を検知する。
【0116】
姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像素子22で撮影された画像が、デジタルカメラ1を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。
【0117】
姿勢検知部55は、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
【0118】
姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ1の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0119】
接眼検知部57はファインダーの接眼部16に対する目(物体)の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。
【0120】
システム制御部50は、接眼検知部57で検知された状態に応じて、表示部28とEVFユニット29の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。
【0121】
より具体的には、少なくとも撮影待機状態で、かつ、表示先の切替が自動切替である場合において、非接眼中は表示先を表示部28として表示をオンとし、EVFユニット29は非表示とする。
【0122】
また、接眼中は表示先をEVFユニット29として表示をオンとし、表示部28は非表示とする。
【0123】
タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。
【0124】
例えば、タッチパネル70aは光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。
【0125】
そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示画面上の表示座標とを対応付ける。
【0126】
これにより、あたかもユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。
【0127】
(デジタルカメラ1のユーザーに通知を行う場合の挙動)
次に図3を用いて、本実施例におけるデジタルカメラ1がユーザーに通知を行う場合の挙動を説明する。
【0128】
この例では、ユーザーが撮影操作をした際に、撮影が行われた事を振動で通知する場合を説明する。
【0129】
ユーザーがシャッターボタン61を操作すると、ステップS100で、制御フローがスタートする。
【0130】
S101で、姿勢検知部55を用いて、デジタルカメラ1を手持ち状態で撮影しているかどうか判定する。
【0131】
手持ち撮影であると判定された場合はS102に進み、フロントグリップ部90の中で、保持荷重が強い部分を特定する。
【0132】
本実施例では振動デバイス100を用いて、把持部の荷重を検出する。
【0133】
前述したように、振動デバイス100は、電気信号を機械的な振動に変換するものなので、振動デバイス100が配置されているフロントグリップ部90に外力が加わった場合は電気信号が変化する。
【0134】
このため、振動デバイス100に関する電圧や電流値を測定することで、フロントグリップ部90に生じている荷重を測定することが可能である。
【0135】
また、振動デバイス100とは別に、荷重を検出する専用のセンサーを設けても良い。
【0136】
保持荷重が強い箇所が特定されると、S103で特定された保持部のアクチュエーター(振動デバイス100)を駆動する。
【0137】
このような制御を行うことで、本実施例のデジタルカメラ1の様に、複数のグリップ部があるような場合でも、ユーザーが強く把持している部分の振動デバイス100だけを駆動することができる。
【0138】
そのため、確実にユーザーに通知を行う事が可能である。
【0139】
また、ユーザーが把持していなかったり、弱く触れているだけの部分にある振動デバイス100は駆動しないため、消費電力を抑制することができる。
【0140】
また、ユーザーが強く把持している箇所のみ振動するため、複数の把持部が振動して、ユーザーが撮影に集中するのを妨げることもない。
【0141】
また、強く把持し、デジタルカメラ1とユーザーの手が密着している部分を振動させるので、振動に必要なエネルギーを低く抑え、消費電力の低下やデバイスの長寿命化を実現することができる。
【0142】
S101において、手持ち撮影していないと判断された場合は、S111でフロントグリップ部90を握っているか判断する。
【0143】
フロントグリップ部90を握っていると判断された場合は、S112に進み、握っているグリップのアクチュエーターを駆動する。
【0144】
これは、例えば三脚にデジタルカメラ1を取り付けた状態でフロントグリップ部90を握っている状態が相当する。
【0145】
S111でグリップを握っていないと判断された場合は、S121に進みどのアクチュエーターも駆動しない。
【0146】
このような制御を行うことで、ユーザーが三脚等にデジタルカメラ1を取り付けているような場合でも、ユーザーが握っているフロントグリップ部90だけを振動させることができる。
【0147】
ユーザーがグリップに触れていない場合は振動デバイス100を駆動しないので、電力消費を抑えて、効率的に通知を行う事が可能である。
【0148】
なお、ユーザーの把持を検出するのはデジタルカメラ1のフロントグリップ部90だけに限定されるものではない。
【0149】
図3(b)に示すように、レンズユニット150の保持部(A)をグリップとして、振動デバイス100を配置しても良い。
【0150】
このような構成とすることで、重量が重いレンズを装着している場合には、レンズを保持して大きな荷重がかかっている箇所が振動するので、効率的に通知を行う事が可能である。
【0151】
次に振動デバイスの保持構成について、図6~9を用いて説明する。
【0152】
(振動デバイスの保持構成)
図6はフロントグリップ部90に取り付けられる振動デバイスの保持構成を表す正面図である(グリップラバー2002は不図示)。
【0153】
図7は分解斜視図、図8図6のA-A位置での断面図、図9は振動減衰部材2001の斜視図である。
【0154】
図8のように、振動デバイス100は振動デバイス保持部材2000に不図示の両面接着テープ等で接着固定されている。
【0155】
振動デバイスの保持部材2000は、振動の減衰し辛い剛性の高い物性の物が好ましく、本実施例ではポリカーボネートで形成されている。
【0156】
次に振動デバイス保持部材2000は振動減衰部材2001の凹部2001cに挿入されて保持されている。
【0157】
振動減衰部材2001は、振動を減衰させる能力が高く、また、温度等による硬度の変化の小さい耐熱、耐寒、耐候性の優れた材質が好ましく、本実施例では硬度30度の基本肉厚が1mm程度のシリコーンラバーの枠体形状で形成されている。
【0158】
振動減衰部材2001にはY方向の上下2か所の突起部2001b、X方向とZ方向に接続されたリブ形状の突起部2001a部を複数有している(図9参照)。
【0159】
本実施例では、リブ形状の突起部2001a、2001bの幅は1mm程度、枠体からの突出量は0.8mm程度で先端が半円形状になっており、後述するフロントグリップ部90の凹部90aに線接触する構成となっている。
【0160】
次に振動減衰部材2001はフロントグリップ部90の凹部90aに挿入されて保持される。
【0161】
その際、フロントグリップ部90の凹部90aと振動減衰部材2001は次の様な特徴を持って接触する。
【0162】
前提として、本実施例の振動デバイス100の振動方向は図6図7図8のY方向である場合として説明する。
【0163】
振動方向がY方向である場合、デジタルカメラ1に振動を伝えないようにするためには、振動減衰部材2001とデジタルカメラ1がY方向で接触しない事が望ましい。
【0164】
そこで、Y方向は振動減衰部材2001をフロントグリップ部90の凹部90aに接触させないか、もしくは図9の2001bのような微小な突起部で接触させる。
【0165】
次にX方向及び、Z方向については、デバイスの振動方向Yに対して屈曲することで振動を減衰しやすいリブ状の突起2001aで接触する構成になっている。
【0166】
つまり、振動デバイスの振動方向と直交するX方向、Z方向よりも振動方向であるY方向は振動伝達力が小さくなるように振動減衰部材2001を構成している。
【0167】
本実施例では、接触する面積で振動方向と振動と直交する方向の振動伝達力を変える構成としているが、例えば、材料や形状で振動方向と直交方向の振動伝達力を変えても良い。
【0168】
これによりデジタルカメラ1に振動を伝えにくい構成で振動デバイス100を所定の位置に保持することが出来る。
【0169】
次に、振動デバイス保持部材2000はフロントグリップ部90に不図示の両面テープ等で貼り付け固定されているグリップラバー2002と接触する構成になっている。
【0170】
グリップラバー2002は厚み1mm程度のニトリルゴム等で形成されている。
【0171】
これにより、振動デバイスの振動は薄いグリップラバー2002を介して手に伝わる為、振動が手に伝わりやすい構成にすることが出来る。
【0172】
また、グリップラバー2002には孔部2002aがあり、振動デバイス保持部材2000の凸部2000aがその孔から突出する。
【0173】
孔部2002a及び凸部2000aは直径7mm程度あれば、十分指で振動を感知することができる。
【0174】
それによって、撮影者がフロントグリップ部90を握った際に、凸部2002aを直接触ることが出来、さらに振動が撮影者の手に伝わりやすい構成にすることも可能である。
【0175】
また、グリップラバー2002を伝って、デジタルカメラ1のグリップ90の凹部2001b以外の面に振動が伝わってしまうのを防止する。
【0176】
その為に、振動デバイス保持部材2000とグリップラバー2002の間には両面接着テープを設定せず、グリップラバー2002と振動デバイス保持部材2000は固定しない方が望ましい。
【0177】
また、振動デバイス保持部材の領域は、X方向よりもY方向を長くし、横位置グリップ90aを右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、少なくとも2本の指の第一関節~第三関節の間に重畳するように配置する。
【0178】
それにより、握り方がユーザー個々により多少異なった場合でも、確実にいずれかの指に振動部が接触し、振動による通知をユーザーに伝える事が出来る。
【0179】
以上の構成にすることで、振動デバイスの振動を、電子機器側には伝えづらく、ユーザーに振動が伝わりやすい電子機器を提供することができる。
【0180】
本実施例は振動方向がY方向の場合について説明した。
【0181】
しかしながら、振動方向がX方向である場合は、振動減衰部材2001リブ形状の突起部2001aの向きを直交するY方向に配置する。
【0182】
それにより、振動方向と直交するY方向、Z方向よりも振動方向であるX方向は少ない面積で接触するように振動減衰部材を構成することで同様の効果を得ることが出来る。
【0183】
また、本実施例では振動減衰部材2001の接触面の形状をリブ形状とした。
【0184】
だが、例えばエンボス形状で接触する構成にしてもよく、振動デバイスの振動方向の方が、振動と直交する方向よりも接触面積が小さければ同様の効果を得ることが出来る。
【0185】
以下に、図6図9を用いて本実施例の要旨を整理した。
【0186】
撮像装置は、所定の状態を通知する振動手段100と、ユーザーが把持する把持部90と、振動手段を保持する保持部材2000と、振動手段の振動を減衰させる振動減衰手段2001と、を有する。
【0187】
保持部材2000は、把持部90に直接的に接触することなく、振動減衰手段2001に直接的に接触して固定されていることを特徴とする。
【0188】
また、振動減衰手段2001の振動伝達力は、振動手段100の振動方向と直交する方向より前記振動手段100の振動方向の方が小さいことを特徴とする。
【0189】
また、振動減衰手段2001は、振動手段100の振動方向と直交する方向よりも振動手段100の振動方向の方が少ない面積で前記把持部90と接触することを特徴とする。
【0190】
また、振動減衰手段2001はシリコーンラバーであることを特徴とする。
【0191】
また、把持部90及び保持部材2000を覆う弾性力のあるシート部材2002を有することを特徴とする。
【0192】
また、シート部材2002は孔部2002aを有し、保持部材2000は突起部2000aを有する。そして、突起部2000aはシート部材の孔部2002aから突出していることを特徴とする。
【0193】
また、シート部材2002及び保持部材2000は接触していないことを特徴とする。
【0194】
また、振動手段100は、操作手段の操作をフィードバック制御して所定の状態を通知する機能を有する。
【0195】
(第2の実施形態)
次に、図4を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。なお、説明を省略している部分は第1の実施形態と同様の構成である。
【0196】
図4は第2の実施形態を示すフローチャートである。この例でも、ユーザーが撮影操作をした際に、撮影が行われた事を通知する場合を説明する。
【0197】
ユーザーがシャッターボタン61を操作すると、ステップS200で、制御フローがスタートする。S201で、姿勢検知部55を用いて、デジタルカメラ1を手持ち状態で撮影しているかどうか判定する。
【0198】
手持ち撮影であると判定された場合はS202に進み、フロントグリップ部90の中で、保持荷重が強い部分を特定する。
【0199】
ここでの判定方法は第1の実施形態と同様である。S203で特定された保持部のアクチュエーター(振動デバイス100)を駆動する。
【0200】
S201で手持ち撮影ではないと判定された場合は、S211に進みフロントグリップ部90を握っているかどうかの判定を行う。
【0201】
フロントグリップ部90を握っていると判断された場合は、S212に進み、握っているグリップのアクチュエーターを駆動する。
【0202】
これは第1の実施例と同様に、三脚等にデジタルカメラ1を取り付けた状態でフロントグリップ部90を握っている状態が相当する。
【0203】
S211でフロントグリップ部90を握っていないと判断された場合は、S221に進み、デジタルカメラ1がサイレントモードに設定されているかどうかの判定を行う。
【0204】
サイレントモードはデジタルカメラ1から動作音等が発生することを抑えるためのモードである。
【0205】
サイレントモードに設定されている時は、S222に進みカメラが発光可能な状態にあるかどうか判定する。
【0206】
これは発光部110を光らせて良いかどうかの判定であり、ユーザーが発光部110の発光を許可しているかどうかや、デジタルカメラ1が置かれている環境の明るさを撮像素子22の出力から判断する事により行われる。
【0207】
発光が可能と判定された場合は、S223に進み、振動デバイス100は駆動せずに、発光部110を発光させる。
【0208】
このような制御を行う事で、ユーザーがデジタルカメラ1を保持しておらず、フロントグリップ部90にも触れていない場合、発光部110の光によって、ユーザーにレリーズタイミングの通知を行うことができる。
【0209】
このような制御を行う事で、ユーザーがデジタルカメラ1から離れている場合にも発光部110の光によって、ユーザーにレリーズタイミングの通知を行うことができる。
【0210】
S221でサイレントモードではないと判断された場合、S231に進み振動デバイス100を駆動しないで、スピーカー120からレリーズ音を再生する。
【0211】
また、S222で発光不可と判定された場合は、S241に進み、振動デバイス100を駆動せずに、ヘッドホン端子41のみでレリーズ音を再生する。
【0212】
この場合、S221でサイレントモードであると判定されているので、スピーカー120から音を発生する事はない。
【0213】
ユーザーはカメラに接続したヘッドホンでレリーズ音を確認する事が可能である。
【0214】
なお、ヘッドホンの接続はヘッドホン端子41による有線接続に限定されるものではなく、通信部54を用いて無線で行っても良い。
【0215】
よって、ユーザーがデジタルカメラ1から離れた場所からリモコン等の手段によって撮影している場合に、カメラからの音の発生を抑えたいかどうかというユーザーの意図を反映して、最適な方法でユーザーにレリーズタイミングを通知することができる。
【0216】
図4のフローによって、ユーザーはカメラの保持状態やユーザーとカメラがどのような環境(カメラとユーザーの距離、発光やレリーズ音再生ができない劇場のような環境)に置かれていても、確実にレリーズタイミングを通知することが可能である。
【0217】
また、状況に応じた、最適な通知方法だけ仕様するため、消費電力の抑制とデバイスの長寿命化を達成することが可能である。
【0218】
(第3の実施形態)
図5は本発明の第3の実施形態を表すフローチャートである。説明を省略している部分は第1、第2の実施形態と同様の構成である。
【0219】
この例では、ユーザーの操作やデジタルカメラ1の状態に応じて、通知を行う場合を説明する。
【0220】
S300でユーザーに通知を行う必要があるイベントが発生する。
【0221】
S301でデジタルカメラ1が撮影モードに設定されているかどうか判定する。
【0222】
撮影モードでないと判定された場合は、S302に進み、発生したイベントの撮影結果に対する影響度が大きいか判定される。
【0223】
これは、デジタルカメラ1の故障や撮影画像の一括消去等の、撮影結果に対して重大な影響があるイベントを検出する目的である。
【0224】
影響度が大きいと判定された場合は、S303に進み振動デバイス100や発光部110、スピーカー120等の複数の通知手段を駆動して通知を行う。
【0225】
S301で撮影モードではないと判断された場合もS303に進む。
【0226】
一方、S302において影響度が大きくないと判定された場合は、S311に進み第1の実施形態や第2の実施形態で説明した様な、状況に応じた最適な手段で通知を行う。
【0227】
このような制御を行うことで、ユーザーが撮影に集中する必要がある撮影モードの時は状況に応じた最適な手段のみで通知を行い、通知によってユーザーの集中を阻害することを防止することができる。
【0228】
また、最適な通知手段だけ駆動することで消費電力を抑えることも可能である。また、再生モードで撮影結果に重大な影響を与えるイベントが発生した場合や故障が発生した場合は、触覚のみではなく、視覚、聴覚も利用した通知を行う。
【0229】
そのため、確実にユーザーがイベントを認識することができる。
【0230】
よって、ユーザーのデジタルカメラ1の使用状態に応じて、撮影行為を阻害することなく、必要な通知は確実に伝達することが可能である。
【0231】
本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
【0232】
(構成1)
所定の状態を通知する振動手段100と、ユーザーが把持する把持部90と、前記振動手段を保持する保持部材2000と、前記振動手段の振動を減衰させる振動減衰手段2001と、を有する電子機器であって、
前記保持部材2000は、前記把持部90に直接的に接触することなく、前記振動減衰手段2001に直接的に接触して固定されていることを特徴とする電子機器。
【0233】
(構成2)
前記振動減衰手段2001の振動伝達力は、前記振動手段100の振動方向と直交する方向より前記振動手段100の振動方向の方が小さいことを特徴とする構成1に記載の電子機器。
【0234】
(構成3)
前記振動減衰手段2001は、前記振動手段100の振動方向と直交する方向よりも前記振動手段100の振動方向の方が少ない面積で前記把持部90と接触することを特徴とする構成2に記載の電子機器。
【0235】
(構成4)
前記振動減衰手段2001はシリコーンラバーであることを特徴とする構成1乃至3の何れか一項に記載の電子機器。
【0236】
(構成5)
前記把持部90及び前記保持部材2000を覆う弾性力のあるシート部材2002を有することを特徴とする構成1乃至4の何れか一項に記載の電子機器。
【0237】
(構成6)
前記シート部材2002は孔部2002aを有し、前記保持部材2000は突起部2000aを有し、
前記突起部2000aは前記シート部材の孔部2002aから突出していることを特徴とする構成5に記載の電子機器。
【0238】
(構成7)
前記シート部材2002及び前記保持部材2000は接触していないことを特徴とする構成6に記載の電子機器。
【0239】
(構成8)
前記振動手段100は、操作手段の操作をフィードバック制御して所定の状態を通知する機能を有する構成1乃至7の何れか一項に記載の電子機器。
【0240】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0241】
1 デジタルカメラ
50 システム制御部
61a 横位置シャッターボタン
61b 縦置シャッターボタン
90 フロントグリップ部
100 振動デバイス
110 発光部
120 スピーカー
2000 振動デバイス保持部材
2001 振動減衰部材
2002 グリップラバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9