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特開2023-180883部品実装装置、バックアップピンの検索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180883
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】部品実装装置、バックアップピンの検索方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20231214BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H05K13/04 P
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094551
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 裕介
(72)【発明者】
【氏名】成田 佳貴
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353GG31
5E353KK03
5E353KK11
5E353PP02
5E353QQ03
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】バックアップピンの検索を効率的に行う。
【解決手段】部品実装装置1であって、バックアッププレート20と、バックアッププレート20上に配置されるバックアップピン22と、ヘッドユニット10と、前記ヘッドユニット10に取り付けられ、前記バックアッププレート20上の前記バックアップピン22を検索する検索装置12と、制御ユニット30と、を備える。前記制御ユニット30は、前記検索装置12を用いて、前記バックアッププレート20上の所定の検索エリアERを対象に前記バックアップピンを検索し、前記バックアップピンを発見した場合、発見したピン周囲のピン不存在範囲Wを除外して、次の検索エリアを設定する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装装置であって、
バックアッププレートと、
バックアッププレート上に配置されるバックアップピンと、
ヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットに取り付けられ、前記バックアッププレート上の前記バックアップピンを検索する検索装置と、
制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、前記検索装置を用いて、前記バックアッププレート上の所定の検索エリアを対象に前記バックアップピンを検索し、
前記バックアップピンを発見した場合、発見したピン周囲のピン不存在範囲を除外して、次の検索エリアを設定する、部品実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記検索装置は、撮影装置である、部品実装装置。
【請求項3】
バックアップピンの検索方法であって、
バックアッププレート上の所定の検索エリアを対象に前記バックアップピンを検索し、
前記バックアップピンを発見した場合、発見したピン周囲のピン不存在範囲を除外して、次の検索エリアを設定する、バックアップピンの検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バックアップピンを検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板等の基板に部品を自動搭載する部品実装装置が公知である。部品実装装置には、複数のバックアップピンを配置したバックアッププレートが装備されており、基板は、バックアップピンにより背面側から支持された状態で部品の実装作業を受ける。下記特許文献1は、バックアッププレートの画像認識結果を利用して、バックアッププレート上に配置されたバックアップピンを検索する点を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6823156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、カメラの視野はバックアッププレートよりも狭い。そのため、バックアッププレート上の全域についてバックアップピンの検索を行うには、カメラで複数回の撮影が必要である。バックアップピンの検索を効率的に行うには、カメラの撮影回数を少なくすることが好ましい。カメラ以外の検索手段を用いる場合も、同様の問題がある。
この発明の課題は、バックアップピンの検索回数、検索時間を短縮して、バックアップピンの検索を効率的に行う点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
部品実装装置は、バックアッププレートと、バックアッププレート上に配置されるバックアップピンと、ヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに取り付けられ、前記バックアッププレート上の前記バックアップピンを検索する検索装置と、制御ユニットと、を備える。
【0006】
前記制御ユニットは、前記検索装置を用いて、前記バックアッププレート上の所定の検索エリアを対象に前記バックアップピンを検索し、前記バックアップピンを発見した場合、発見したピン周囲のピン不存在範囲を除外して、次の検索エリアを設定する。
【0007】
本構成では、バックアップピンの検索回数、検索時間を少なくして、バックアップピンの検索を効率的に行うことが出来る。
【0008】
上記部品実装装置の一実施態様として、前記検索装置は、撮影装置でもよい。この構成では、部品実装装置に標準的に装備される撮影装置を使用して、バックアップピンを検索できる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書で開示される技術によれば、バックアップピンの検索回数、検索時間を短縮して、バックアップピンの検索作業を効率化することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】部品実装装置の平面図である。
図2】ヘッドユニットの支持構造を示す図である。
図3】部品実装装置の電気的構成を示す図である。
図4】バックアッププレートの平面図
図5】ピンの形状を示す図
図6】ピンとピン孔の関係を示す図
図7】ピン孔と撮影エリアの関係を示す図
図8】ピン不存在範囲を示す図(発明適用)
図9】ピンの検索例を示す図(比較例)
図10】比較例を示す図
図11】ピン検索処理のフローチャート
図12】ピンの配列を示す図
図13】ピンの検索例を示す図(発明適用)
図14】ピンの検索例を示す図(比較例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.部品実装装置1の全体構成
図1は、本発明に係る部品実装装置1平面図、図2は、ヘッドユニットの支持構造を示す図である。同図中には、Z軸方向を鉛直方向とするXYZ直角座標軸を適宜示している。
【0012】
部品実装装置1は、プリント配線板等の基板Sに、電子部品を自動搭載する装置である。部品実装装置1は、基台2、基板搬送機構4、部品供給部8、部品の実装作業を行うヘッドユニット10および部品認識用のカメラ14等を備えている。
【0013】
基台2は、テーブル状の構造体である。基台2の前後方向(Y軸方向)中央部分は、基板Sに対して部品の実装作業を行う作業エリアであり、この作業エリアには、基板搬送機構4が配置されている。図1では、その下側が装置前側であり、上側が装置後側である。
【0014】
基板搬送機構4は、前後一対のコンベア5と、これらコンベア5によって搬送される基板Sを所定の作業位置(同図に示す位置)に固定する基板支持機構6とを備えている。
【0015】
コンベア5は、X軸方向に延在するベルトコンベアであり、基板Sは、装置左側(図1の左側)から装置内に搬入され、前記作業位置において部品の実装作業を受けた後、装置右側から装置外に搬出される。
【0016】
基板支持機構6は、基板Sをコンベア5のベルトから持ち上げて、コンベアフレームに設けられた固定バックアッププレート部に押し付けることで、前記作業位置に基板Sを固定する。詳しくは、基板支持機構6は、エアシリンダ等のアクチュエータによって昇降駆動されるバックアッププレート20を備えており、このバックアッププレート20を上昇させることで、その上面に挿着されたバックアップピン22で基板Sを背面(下面)側から支持する。バックアップピン22の配置は、基板Sの種類に応じて手動、又は自動で変更される。
【0017】
基板搬送機構4の前後両側に、部品供給部8が設けられている。部品供給部8には、各々、複数のテープフィーダ9がコンベア5に沿って配置されている。テープフィーダ9は、テープを担体(キャリア)として、実装用の部品を供給するものである。テープフィーダ9は、例えば、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品の他、SOP(Small Outline Package)等の小型のパッケージ部品を供給する。
【0018】
基台2の上方に、ヘッドユニット10が移動可能に装備されている。ヘッドユニット10は、テープフィーダ9から部品を取り出して基板Sに搭載するもので、サーボモータを駆動源とするヘッドユニット駆動機構により、前後左右(XY方向)に移動可能に駆動される。具体的には、左右方向(X軸方向)に延在して前後方向(Y軸方向)に移動可能なヘッドユニット支持部材16が上記作業エリアの上方に配備され、このヘッドユニット支持部材16にヘッドユニット10が移動可能に支持されている。
【0019】
そして、Y軸モータ17を駆動源とするねじ送り機構によってヘッドユニット支持部材16が前後方向に駆動され、X軸モータ18を駆動源とするねじ送り機構によりヘッドユニット10がヘッドユニット支持部材16に沿ってX軸方向に駆動される。つまり、ヘッドユニット支持部材16及び上記ねじ送り機構によりヘッドユニット駆動機構が構成されている。
【0020】
ヘッドユニット10は、部品吸着用の複数のヘッド11と、基板認識用の2つのカメラ12(以下、第1カメラ12と称す/本発明の撮像装置に相当する)とを備えている。複数のヘッド11は、左右方向に一列に配置されている。各ヘッド11は、昇降および回転が可能であり、サーボモータを駆動源とする図外の昇降機構および回転機構により駆動される。部品は、これらヘッド11によって吸着されることでテープフィーダ9から取り出される。
【0021】
第1カメラ12は、前記作業位置における基板Sの正確な位置を認識するために、基板Sに付されたフィデューシャルマークを撮像するものである。第1カメラ12は、撮像素子を備えたカメラ本体と照明装置とを備えており、ヘッドユニット10の左右両端に下向きに配置されている。なお、第1カメラ12は、後述する通り、基板Sの認識以外に、上記バックアップピン22の検索にも用いられる。この場合には、2つの第1カメラ12のうちの一方又は双方が用いられる。第1カメラ12は、本願発明の「撮影装置」、「検索装置」に相当する。
【0022】
基台2上であって、各部品供給部8と基板搬送機構4との間には、各々、前記部品認識のカメラ14(以下、第2カメラ14と称す)が装備されている。第2カメラ14は、各ヘッド11によりテープフィーダ9から取り出された部品の吸着状態を認識するために当該部品を撮像するものであり、基台2上に上向き配置されている。第2カメラ14も、第1カメラ12と同様に、撮像素子を備えたカメラ本体と照明装置とを備えている。
【0023】
部品実装装置1における部品の実装動作は概略的には次の通りである。先ず、ヘッドユニット10が部品供給部8上に移動し、各ヘッド11によりテープフィーダ9から部品が取り出される。その後、ヘッドユニット10が第2カメラ14上を経由して基板Sの上方に移動し、各ヘッド11に吸着された部品が基板Sの実装ポイントに実装(搭載)される。この際、第2カメラ14により取得した吸着部品の画像に基づいてヘッドユニット10の位置等が補正されることにより、部品が実装ポイントに正しく実装される。これが実装動作の一サイクルであり、以後、このサイクルが繰り返し実施されることで所要の部品が基板Sに実装される。
【0024】
部品実装装置1で実行される上記動作は、図3に示すように、部品実装装置1に装備された制御ユニット30によって制御される。
【0025】
制御ユニット30は、CPUやメモリで構成されたコンピュータであり、制御ユニット30で実行される制御を管理する主制御部32を有する。さらに、制御ユニット30は、プログラムや各種データを記憶する記憶部33、主制御部32からの指令に基づき前記カメラ12、14の撮像動作を制御するカメラ制御部34、前記カメラ12、14から送信される画像データに所定の画像処理を施す画像処理部35、主制御部32からの指令に基づき前記モータ17、18等を制御する駆動制御部36、およびこれらと主制御部32とを接続するバス31を有する。
【0026】
部品実装装置1では、上記した通り、基板Sは、基板支持機構6のバックアッププレート20により支持された状態、詳しくは複数のバックアップピン22(以下、適宜ピン22と略す)により支持された状態で実装作業を受ける。
【0027】
2.バックアップピンについて
基板Sの支持に適したピン22の数や配置(以下、単に配置という)は、基板Sの種類によって異なる。そのため、基板Sの品種切り替えの際に、必要に応じてピン22の配置が変更される。詳しくは、図4に示すように、バックアッププレート20の上面20a(ピン支持面20aという)には、縦横の間隔が等しいマトリクス状の配列で複数のピン孔21が設けられている。
【0028】
当例では、バックアッププレート20には、X軸方向に等間隔で12個、Y軸方向に等間隔で8個の合計96個のピン孔21がマトリクス状に設けられている。そして、これらのピン孔21のうち、基板Sに適した位置のピン孔21にピン22が挿着され、生産される基板Sの品種切り替えの際には、切り替え後の基板Sに適合するようにピン22の配置が変更される。
【0029】
ピン22の配置の変更は、手動、又は自動で行われる。自動の場合は、ピン22を搬送するための専用ツールがヘッド11に装着され、ヘッド11の昇降動作およびヘッドユニット10の移動動作に基づき、バックアッププレート20に対してピン22が抜き差しされる。これによりピン22の配置が変更される。尚、部品実装装置1には、ピンステーションSTが設置されており、未使用のバックアップピン22を回収するようになっている。
【0030】
上記部品実装装置1では、バックアップピン22の配置を記憶部33に記憶している。そのため、例えば、バックアップピン22をピンステーションSTに回収する場合、記憶部33にアクセスしてデータを読み出すことで、現在のピン配置を確認でき、バックアッププレート20からピン22をピンステーションSTに回収することが出来る。
【0031】
しかしながら、ピン22を回収するときに、記憶部33のデータが消え、バックアップピン22の所在が不明の場合(例えば、部品実装装置1の電源OFFに伴いデータが消えた場合)、バックアッププレート上のどこにバックアップピン22があるのか、検索する必要がある。
【0032】
3.バックアップピンの検索
(1)前提条件1
図5は、バックアップピン22の正面図と、底面図である。バックアップピン22は、ピン本体23と、底部24と、挿入部25と、を備える。底部24は、ピン本体23より大径である。挿入部25は、ピン本体23より小径であり、ピン孔21に挿入される。図5に示すDは、ピンの底径(底部24の直径)を、示している。
【0033】
ピン22の底径D及びピン孔21のピッチPの寸法上、複数のピン配置では、ピン同士の距離を一定間隔空けなければ、ならない(隣接不可範囲)。つまり、ピン22が存在する位置から一定範囲にはピン22が存在しないことが確定(仮にピン22を配置すると、存在するピン22に干渉する)する。
【0034】
例えば、図6に示すように、ピン孔21Aにピン22が存在する場合、隣接する範囲、具体的には、ピン孔21B~21Fには、ピン22が存在しないことが確定する。
【0035】
(2)前提条件2
図7に示すように、第1カメラ12の撮影エリアERに複数のピン孔21が存在するため、一度の撮影で複数のピン孔21についてピン22の有無を画像認識できる。
【0036】
この実施形態では、第1カメラ12の撮影エリアERは、その一辺の長さがピン孔21のピッチPの2倍(2×P)とほぼ等しい正方形である。そのため、一度の撮影で、最大9個のピン孔21を視野内に収めて同時に撮影できる。
【0037】
(3)前提条件1、2の組み合わせ
前提条件1及び前提条件2より、カメラ12による撮影でピン22が発見された場合、発見されたピン周囲において、ピン22が不存在なピン不存在範囲(ピン不存在が確定したピン孔)Wを特定できる。図8に示すピン孔21Aを撮影中心とし、隣接する8個のピン孔21を撮影エリアERに収めて、撮影を行ったとする。
【0038】
その際、左上の角のピン孔21Bでピン22が発見された場合、左上のピン孔21Bの周囲は、ピンが存在しないピン不存在範囲Wである。具体的には、左上のピン孔21Bに隣接する5つのピン孔21(ハッチングの丸印で示す)には、ピン22が存在せず、ピン不存在範囲である。
【0039】
同様に、右下の角のピン孔21Cでピン22が発見された場合、右下のピン孔21Cの周囲は、ピンが存在しないピン不存在範囲Wである。具体的には、右下のピン孔21Cに隣接する5つのピン孔21(ハッチングの丸印で示す)は、ピン22が存在せず、ピン不存在範囲である。
【0040】
(4)ピン不存在範囲Wを除外したピン検索
上記の通り、ピン22の周囲に、ピン不存在範囲Wが存在するため、撮影結果(各ピン孔におけるピンの有無)からピン不存在範囲Wを特定し、ピン不存在範囲Wを除外して、次の撮影エリアERを決定することで、ピン検索に要する撮影回数を少なくすることが出来る。
【0041】
例えば、図9に示すように、ピン孔21が7×7の配列で一つ置きにピン22が配置されている場合、ピン不存在範囲Wを除外して、次の撮影エリアERを決めることで、全ピン孔21について、合計4回の撮影で、ピン検索を行うことが出来る。尚、図9において矢印は検索の順番を示し、ハッチングの丸印はピンの不存在が確定しているピン孔21を示している。
【0042】
これに対し、ピン不存在範囲Wを除外しない場合、図10に示すように、ピン検索に9回の撮影が必要であり、本技術を用いた場合、撮影回数が9回から4回に大幅に減少する。
【0043】
(5)ピン検索処理のフローチャートである。
図11に示すように、ピン検索処理は、S10~S80の8つのステップから構成されている。ピン検索処理は、例えば、バックアップピン22をピンステーションSTに回収する際し、その事前処理として、実行される。
【0044】
まず、S10において、制御ユニット30は、ピンステーションSTに全ピン22が格納されているか、判定する。この判定は、例えば、第1カメラ12でピンステーションSTを撮影し、ピンステーションSTの画像から判断することが可能である。
【0045】
ピンステーションSTに全ピン22が格納されている場合(S10:YES)、バックアッププレート20上にピン22は存在していないから、ピン22の検索処理は終了する。
【0046】
ピンステーションSTに格納されていないピン22が存在する場合(S10:NO)、S20に移行する。
【0047】
S20に移行すると、制御ユニット30は、ヘッドユニット10をバックアッププレート20上に移動し、バックアッププレート20上の未検索エリアを対象として、第1カメラ12により画像を撮影し、得られた画像に基づいて各ピン孔21におけるピン22の有無を検出する。
【0048】
初回の検索では、全エリアが未検索であることから、バックアッププレート20の4角いずれかのエリアを撮影エリアERに指定して撮影を行い、ピン22の有無を検出する。その後、S30に移行する。
【0049】
S30に移行すると、制御ユニット30は、初回の検索エリア(撮影エリアER)からピン22が検出されたか否か、判断する。ピン22が検出された場合(S30:YES)、S40に移行する。
【0050】
S40に移行した場合、制御ユニット30は、以下の2つを除外して、次の検索エリア(撮影エリアER)を決定する。
【0051】
(A)検索済みのエリア
(B)ピン不存在範囲W
【0052】
一方、初回の検索エリアからピン22が検出されなかった場合(S30:NO)、S50に移行する。
【0053】
S50に移行すると、制御ユニット30は、(A)の検索済みのエリアのみ除外して、次の検索エリア(撮影エリアER)を決定する。
【0054】
その後、S60に移行し、制御ユニット30は、S40で決定した次の検索エリア又はS50で決定した次の検索エリアを対象として、カメラ撮影を行い、得られた画像に基づいて、各ピン孔21におけるピン22の有無を検出する。その後、S70に移行する。
【0055】
S70に移行すると、制御ユニット30は、全ピン22が発見されたか、判定する。未発見ピン22が存在する場合(S70:NO)、S80に移行する。S80に移行すると、制御ユニット30は、未検索のエリアが残っているか、判定する。
【0056】
未検索のエリアが有る場合(S80:NO)、S30に移行し、既に説明したのと同じように処理が繰り返される。
【0057】
そして、全ピン22が発見されるか(S70:YES)、未検索エリアが無くなると(S80:YES)、ピン22の検索処理は終了する。
【0058】
図12は、ピン孔21の配列とピン22の配置を示す図である。この例では、12×8のピン孔21を有するバックアッププレート20に対して、9本のバックアップピン22が配置されている。
【0059】
図13は、ピン22の検索例を示す図である。白丸はピンが配置されていないピン孔21、黒丸はピンが配置されているピン孔21、ハッチングの丸印は、ピンの不存在が確定しているピン孔21である。この例では、1段目は、左隅から右隅に撮影エリアERを移動させている。ピン不存在範囲Wを除外して、撮影エリアERの位置を決定することで、1段目は、3回の撮影でピン検索を完了している。
【0060】
二段目は、右隅から左隅に撮影エリアERを移動させている。1段目同様に、ピン不存在範囲Wを除外して、撮影エリアERを設置することで、3回の撮影でピン検索を完了している。
【0061】
三段目は、左隅から右隅に撮影エリアERを移動させている。1段目、2段目同様に、ピン不存在範囲Wを除外して、撮影エリアERを設置することで、4回の撮影でピン検索を完了している。
【0062】
このように、全10回の撮影で、バックアッププレート20の全領域について、ピン検索を完了できる。これに対し、不存在範囲Wを除外しない場合、図14に示すように、ピン検索に12回の撮影が必要であり、本技術を用いた場合、撮影回数が12回から10回に減少する。尚、この技術は、ピンの検索結果(有無)に応じて、次の検索エリアの位置を動的に変更することが、特徴の一つになっている。
【0063】
4.効果説明
本構成では、バックアッププレート上のピン22を検索するに際し、ピン孔21の撮影回数を少なくすることができる。特に、検索済みのピン数が多くなればなるほど、ピン不存在範囲Wが広くなる。そのため、検索エリアERが減り、撮影回数を少なくすることが出来る。撮影回数を少なくすることで、検索時間も削減することができ、ピン22の検索作業を効率的に行うことが出来る。また、ピン22は、密集して配置される場合も多く、そうした場合、本技術の適用により、撮影回数、検索時間の大幅な削減が可能であり、効果的である。
【0064】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記既述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0065】
上記実施形態では、バックアップピン22の検索にカメラ12を使用したが、ピン22の検出が可能であれば、レーザ検出器やセンサ等を使用してもよい。
【0066】
上記実施形態では、本技術をバックアップピンの検索に使用した例を説明したが、バックアッププレート上に余分なバックアップピンがないかのチェックに応用することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1 部品実装装置
10 ヘッドユニット
12 第1カメラ(本発明の撮影装置、検索装置に相当する)
20 バックアッププレート
22 バックアップピン
30 制御ユニット
W ピン不存在範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14