(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180916
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】界面活性剤を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/37 20060101AFI20231214BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20231214BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20231214BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20231214BHJP
A61K 31/80 20060101ALI20231214BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20231214BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20231214BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20231214BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20231214BHJP
C09K 23/54 20220101ALI20231214BHJP
A61K 8/34 20060101ALN20231214BHJP
A61K 8/894 20060101ALN20231214BHJP
A61Q 19/10 20060101ALN20231214BHJP
C09K 3/00 20060101ALN20231214BHJP
【FI】
C11D3/37
A61P31/12
A61P31/04
A61K31/045
A61K31/80
A61K9/08
A61K47/34
C11D3/20
C11D17/04
C09K23/54
A61K8/34
A61K8/894
A61Q19/10
C09K3/00 111B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094599
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】399101201
【氏名又は名称】健栄製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】沖見 卓哉
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
4C206
4H003
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB31
4C076CC32
4C076CC35
4C076EE27V
4C076FF54
4C083AC101
4C083AC102
4C083AD161
4C083AD162
4C083CC22
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE12
4C086AA02
4C086FA05
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086NA05
4C086NA20
4C086ZB33
4C086ZB35
4C206AA02
4C206CA03
4C206MA03
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4C206NA20
4C206ZB33
4C206ZB35
4H003BA12
4H003BA20
4H003BA21
4H003DA02
4H003EA08
4H003EB04
4H003EB37
4H003ED02
4H003FA16
4H003FA17
4H003FA28
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】新規な組成物(界面活性剤を含有する組成物)を提供する。
【解決手段】組成物を、ジメチコン(a)、エタノール及び水を含み、ジメチコン(a)が、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコン及び/又はPEG-20~40ジメチコンである組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジメチコン(a)、エタノール及び水を含み、ジメチコン(a)が、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコン及び/又はPEG-20~40ジメチコンである、組成物。
【請求項2】
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-50~60/50~60ジメチコン及び/又はPEG-20~40ジメチコンである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコン及びPEG-32メチルエーテルジメチコンからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコンを含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項5】
ジメチコン(a)を、組成物全体に対して0.1~10w/v%含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項6】
エタノールを、組成物全体に対して40v/v%以上含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項7】
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコン及びPEG-32メチルエーテルジメチコンからなる群より選択される1種以上を含み、ジメチコン(a)を、組成物全体に対して0.1~10w/v%含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項8】
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコン及びPEG-32メチルエーテルジメチコンからなる群より選択される1種以上を含み、エタノールを、組成物全体に対して40w/v%以上含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項9】
pHが3~5である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項10】
さらにpH調整剤を含む、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項11】
起泡性である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項12】
ポンプ式フォーム製剤用、スクイズ式フォーム製剤用又はエアゾール式フォーム製剤用である請求項1又は2記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な組成物(界面活性剤を含有する組成物)等に関する。
【背景技術】
【0002】
手指消毒剤等の消毒剤としては、液状、ゲル状、泡状等の種々の形状の製剤が使用されているが、液だれがしにくく使用感が良い等の観点から、泡状製剤が好まれる場合がある。
泡状製剤には、使用時に起泡性を示す製剤が使用される。
また、消毒剤には、エタノールが広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新規な組成物(界面活性剤を含有する組成物)等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エタノール含有製剤では、使用する界面活性剤の種類によっては十分な起泡性が得られにくく、シリコーン系界面活性剤の使用が検討されている(特許文献1等)。
しかし、シリコーン系界面活性剤は、酸性条件下又は塩基性条件下では、分解するため起泡性が消失する等の問題があり、エタノール含有製剤において起泡性を付与することは困難であった。
このような中、本発明者は、特定の構造を有するジメチコンが、酸性条件下においても、エタノールとの組み合わせにおいて良好な起泡性を示すこと等を見出し、さらに鋭意研究を重ね、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]
ジメチコン(a)、エタノール及び水を含み、ジメチコン(a)が、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコン及び/又はPEG-20~40ジメチコンである、組成物。
[2]
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-50~60/50~60ジメチコン及び/又はPEG-20~40ジメチコンである、[1]記載の組成物。
[3]
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコン及びPEG-32メチルエーテルジメチコンからなる群より選択される1種以上を含む、[1]又は[2]記載の組成物。
[4]
ジメチコン(a)が、PEG/PPG-53/54ジメチコンを含む、[1]又は[2]記載の組成物。
[5]
ジメチコン(a)を、組成物全体に対して0.1~10w/v%含む、[1]~[4]のいずれか記載の組成物。
[6]
エタノールを、組成物全体に対して40v/v%以上含む、[1]~[5]のいずれか記載の組成物。
[7]
pHが3~5である、[1]~[6]のいずれか記載の組成物。
[8]
さらにpH調整剤を含む、[1]~[7]のいずれか記載の組成物。
[9]
起泡性である、[1]~[8]のいずれか記載の組成物。
[10]
ポンプ式フォーム製剤用、スクイズ式フォーム製剤用又はエアゾール式フォーム製剤用である[1]~[9]のいずれか記載の組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新規な組成物(界面活性剤を含有する組成物)を提供できる。
このような組成物は、良好な気泡性を奏しうる。特に、酸性条件下においても良好な起泡性を奏しうる。
【0008】
本発明の組成物の一態様は、長期保管後も良好な起泡性を維持しうる。
【0009】
本発明の組成物の一態様は、酸性条件下においても分解しにくい。そのため、このような組成物は、無色透明な外観を維持しやすい。
【0010】
本発明の組成物の一態様は、溶解状態又は分離していない状態となりうる。
このような組成物は、ポンプ式フォーム製剤用として好適に使用しうる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[組成物]
本発明の組成物(製剤)は、特定のジメチコン(a)、エタノール及び水を含有する。
【0012】
ジメチコン(a)
ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)(a)は、ジメチルシロキサン単位(―[Si(CH3)2―O]―単位)と、オキシエチレン単位(以下、単に「PEG単位」ともいう。)及び/又はオキシプロピレン単位(以下、単に「PPG単位」ともいう。)とを有していればよい。
ジメチコン(a)において、各単位の結合形態や結合部位は特に限定されず、例えば、PEG単位やPPG単位は、ジメチルシロキサン単位(例えば、ジメチルシロキサン単位のメチル基)に結合して(又は、置換されて)いてもよく、ジメチコン(a)の末端に結合して(又は、置換されて)いてもよい。
なお、PEG単位やPPG単位は、ジメチルシロキサン単位とジメチコン(a)の末端の両方に結合して(又は、置換されて)いてもよく、いずれか一方に結合して(又は、置換されて)いてもよい。
PEG単位やPPG単位がジメチコン(a)の末端に結合している場合、どの程度末端に結合しているかは問われず、例えば、ジメチコン(a)の片末端に結合していてもよく、両末端に結合していてもよい。
【0013】
PEG単位やPPG単位が、ジメチルシロキサン単位に結合している場合、ジメチルシロキサン単位の(側鎖)メチル基の水素に置換されていてもよい。
PEG単位やPPG単位が、ジメチコン(a)の末端に結合している場合、例えば、(末端)メチル基の水素に置換されていてもよく、他の基の一部に置換されていてもよい。
PEG単位やPPG単位は、ジメチルシロキサン単位やジメチコン(a)の末端に直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。
【0014】
PEG単位やPPG単位が連結基を介して結合している場合、連結基としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素基や、エーテル結合、エーテル結合を有する基等であってもよい。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基{例えば、アルキレン基[例えば、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等のC1-20アルキレン基)等の飽和脂肪族炭化水素基;アルケニレン基[例えば、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)アルケニレン基(例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等のC2-20アルケニレン基)]等の不飽和脂肪族炭化水素基}等が挙げられ、好ましくは飽和脂肪族炭化水素基等であってもよく、より好ましくは鎖状アルキレン基(例えば、C1-10アルキレン基、C1-5アルキレン基等)等であってもよい。
【0015】
ジメチコン(a)は、好ましくは、PEG単位及びPPG単位を有するもの、PEG単位を有するもの等であってもよい。
【0016】
代表的なジメチコン(a)の一例としては、例えば、PEG/PPG-25~70/30~70ジメチコン、PEG-20~40ジメチコン等が挙げられる。
【0017】
PEG/PPG-x/yジメチコンは、ジメチコンのジメチルシロキサン単位及び/又は末端に、PEG単位とPPG単位が結合したものであり、xはPEG単位の重合度(平均重合度)、yはPPG単位の重合度(平均重合度)を示す。
【0018】
例えば、PEG/PPG-53/54ジメチコンは、重合度53のPEG単位及び重合度54のPPG単位を含むジメチコンであってよい。
同様に、PEG-20~40ジメチコンは、重合度20~40のPEG単位を含むジメチコンであってよい。
【0019】
PEG/PPG-25~70/30~70ジメチコンとしては、例えば、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコン、PEG/PPG-25~40/30~40ジメチコン等が挙げられ、好ましくは、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコン(例えば、PEG/PPG-45~65/45~65ジメチコン、PEG/PPG-50~60/50~60ジメチコン)等であってもよい。
【0020】
PEG-20~40ジメチコンは、好ましくはPEG-25~40ジメチコン(例えば、PEG-25~35ジメチコン)等であってもよい。
【0021】
ジメチルシロキサン単位にPEG単位とPPG単位が結合した、PEG/PPG-40~70/40~70ジメチコンの一例としては、下記式(1)で示される単位(又は、構造)を有するもの等であってもよい。
【0022】
【化1】
(式中、m及びnは、1以上の整数であり、R
1は、連結基を示し、R
2は、水素原子又は置換基を示し、xは、40~70を示し、yは、40~70を示し、X及びYは、置換基を示す。)
【0023】
式(1)において、m及びnは、1以上の整数であればよい。
mは、例えば、1~1000、好ましくは20~1000等であってよい。
nは、例えば、1~500、好ましくは1~100等であってよい。
【0024】
式(1)において、x及びyは、nごとに[すなわち、下記式(1A)で示される単位(以下、単に、「式(1A)」単位ともいう。)ごとに]異なっていてもよい。
xは、xの平均値(平均重合度)が40~70であればよく、yは、yの平均値(平均重合度)が40~70であればよい。
【0025】
【0026】
R1及びR2は、式(1A)単位ごとに異なっていてもよい。
【0027】
なお、式(1)において、「―[ジメチルシロキサン単位]m[式(1A)単位]n―」は、ジメチルシロキサン単位と式(1A)単位の結合順序を意味するではなく、単に、ジメチルシロキサン単位と式(1A)単位の比率がm:nであることを意味するに過ぎない。
【0028】
また、式(1)及び式(1A)単位において、「(C2H4O)x(C3H6O)y」は、(C2H4O)単位と(C3H6O)単位の結合順序を意味するのではなく、(C2H4O)と(C3H6O)の比率がx:yであることを意味するが、(C2H4O)単位と(C3H6O)単位のブロック構造である場合が多い。
【0029】
R1における連結基としては、例えば、炭化水素基、エーテル結合、エーテル結合を有する基等の上記例示の連結基等が挙げられる。
【0030】
R2における置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素基、アルキルオキシ基(例えば、C1-20アルキルオキシ基)、ヒドロキシ基等が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基{例えば、アルキル基[例えば、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のC1-20アルキル基)等の飽和脂肪族炭化水素基;アルケニル基[例えば、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)アルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等のC2-20アルケニル基)]等の不飽和脂肪族炭化水素基}等が挙げられ、好ましくは、飽和脂肪族炭化水素基等であってもよく、より好ましくは鎖状アルキル基(例えば、C1-10アルキル基、C1-5アルキル基等)等であってもよい。
【0031】
X及びYは、特に限定されず、例えば、上記R2において例示の置換基等であってもよく、連結基(例えば、―Si-結合や―O-Si-結合を有する基等)を介した置換基であってもよい。
X及びYは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0032】
ジメチルシロキサン単位にPEG単位が結合した、PEG-20~40ジメチコンの一例としては、下記式(2)で示される単位(又は、構造)を有するもの等であってもよい。
【0033】
【化3】
(式中、m及びnは、1以上の整数であり、R
1は、連結基を示し、R
2は、水素原子又は置換基を示し、zは、20~40を示し、X及びYは、置換基を示す。)
【0034】
式(2)において、m、n、R1及びR2は、上記例示の式(1)におけるm、n、R1及びR2と同様であってよい。
【0035】
式(2)において、zは、nごとに[すなわち、下記式(2A)で示される単位(以下、単に、「式(2A)」単位ともいう。)ごとに]異なっていてもよい。
zは、zの平均値(平均重合度)が20~40であればよい。
【0036】
【0037】
R1及びR2は、式(2A)単位ごとに異なっていてもよい。
【0038】
なお、式(2)において、「―[ジメチルシロキサン単位]m[式(2A)単位]n―」は、ジメチルシロキサン単位と式(2A)単位の結合順序を意味するではなく、単に、ジメチルシロキサン単位と式(2A)単位の比率がm:nであることを意味するに過ぎない。
【0039】
X及びYは、特に限定されず、例えば、上記式(1)のR2において例示の置換基等であってもよく、連結基(例えば、―Si-結合や―O-Si-結合を有する基等)を介した置換基であってもよい。
X及びYは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0040】
ジメチコン(a)におけるオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の重合度の測定(及び算出)方法は、特に限定されず、慣用の方法を使用してもよい。
例えば、1H-NMRを用いて測定された、オキシエチレン単位(―[O―(CH2)2]―)又はオキシプロピレン単位(―[O―CH(CH3)CH2]―)中の特定の基のピークの積分値と、「―[Si(CH3)2O]―」単位に由来する特定の基のピークの積分値との比率から重合度を算出してもよい。
例えば、ジメチコン(a)がPEG/PPG-ジメチコンの場合は、後述の実施例に記載のようにしてオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の重合度を算出してもよく、ジメチコン(a)がPEG-ジメチコンの場合は、オキシエチレン単位(―[O―(CH2)2]―)中の「―(CH2)2―」ピークの積分値と、「―[Si(CH3)2O]―」単位に由来する「-Si-CH
2
-」中の「-CH2-」ピークの積分値との比率から重合度を算出してもよい。
【0041】
ジメチコン(a)がPEG単位とPPG単位を含有する場合、各単位の共重合形態は、特に限定されず、ランダム構造であってもよく、ブロック構造であってもよい。
ブロック構造は、特に限定されず、例えば、ジブロック(PEG/PPG)、トリブロック(PEG/PPG/PEG又はPPG/PEG/PPG)等であってよく、好ましくはジブロックであってもよい。
【0042】
ジメチコン(a)としては、代表的には、PEG/PPG-53/54ジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン等を好適に用いてもよい。
【0043】
ジメチコン(a)としては、市販品を使用してもよく、例えば、DBP-732(Gelest社製)、KF-6004(信越化学工業株式会社製)等を使用してもよい。
【0044】
なお、ジメチコン(a)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0045】
組成物中のジメチコン(a)の割合は、組成物全体に対して、例えば、0.01w/v%以上(例えば、0.05w/v%以上)、好ましくは0.1w/v%以上(例えば、0.3w/v%以上)であってもよく、例えば、20w/v%以下(例えば、15w/v%以下)、好ましくは10w/v%以下(例えば、5w/v%以下、3w/v%以下、1w/v%以下)であってもよい。
【0046】
なお、これらの範囲(上限値と下限値)を適宜組み合わせて範囲を選択してもよい(例えば、0.01~15w/v%、0.1~1w/v%等)。
【0047】
エタノール
エタノールとしては、特に限定されず、市販品を使用することができる。
使用するエタノールの濃度は、特に限定されず、例えば、95v/v%のエタノールを使用することができる。
【0048】
組成物中のエタノールの割合は、組成物全体に対して、消毒効果等の観点から、例えば、40v/v%以上(例えば、45v/v%以上、60v/v%以上、65v/v%以上等)であってもよく、例えば、100v/v%未満(例えば、99v/v%以下、95v/v%以下、90v/v%以下、85v/v%以下、80v/v%以下、75v/v%以下、70v/v%以下等)であってもよい。
【0049】
なお、これらの範囲(上限値と下限値)を適宜組み合わせて範囲を選択してもよい(例えば、40~95v/v%、45~90v/v%等)。
【0050】
組成物中のジメチコン(a)とエタノールの比率は、特に限定されないが、ジメチコン(a):エタノールの質量比が、例えば、1:30~1:50、好ましくは1:30~1:40、より好ましくは1:30~1:35であってもよい。
【0051】
水
水としては、特に限定されず、例えば、水道水、精製水、イオン交換水等であってよい。
【0052】
組成物中の水の割合は、組成物全体に対して、例えば、10w/v%以上(例えば、15w/v%以上、20w/v%以上、25w/v%以上等)であってもよく、例えば、60w/v%以下(例えば、55w/v%以下、50w/v%以下、45w/v%以下、40w/v%以下等)であってもよい。
【0053】
なお、これらの範囲(上限値と下限値)を適宜組み合わせて範囲を選択してもよい(例えば、10~60w/v%、25~50w/v%等)。
【0054】
他の成分
組成物は、ジメチコン(a)、エタノール及び水以外の他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、特に限定されず、消毒剤やフォーム製剤において通常使用される成分であってもよい。
他の成分としては、例えば、pH調整剤、ジメチコン(a)の範疇に属さない界面活性剤、エタノール以外の非水溶媒、消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤)、粘稠剤(粘度調整剤、高分子増粘剤等の増粘剤)、起泡剤、防腐剤、消臭剤、香料、安定(化)剤、改良剤、可塑剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、揮発補助剤、懸濁(化)剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、着香剤、着色剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、発泡剤、皮膚保護剤、浮遊剤、分散剤、噴射剤、芳香剤、防錆剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤等が挙げられる。
【0055】
なお、他の成分は、複数の機能を兼ね備えていてもよい。
【0056】
このような他の成分の一例としては、例えば、pH調整剤[例えば、無機酸(リン酸、塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム及びそれらの水和物等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等]、非イオン界面活性剤{例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、PEG[ポリエチレングリコール又はポリオキシエチレン(POE)]水添ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)、POEヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(POP)グリコール、POEアルキルエーテル類、POE-POPアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル等}、両性界面活性剤[例えば、カルボキシベタイン型(例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン)、スルホベタイン型(例えば、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン)、イミダゾリン系ベタイン型(例えば、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)等のベタイン型両性界面活性剤]、カチオン性界面活性剤(例えば、セチルピリジニウム塩化物、塩化ベンゼトニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ジデシルジメチルアンモニウム塩化物、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩等)、エタノール以外の低級アルコール(例えば、イソプロパノール等)、多価アルコール(例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等)、多糖類又はその誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム等)、消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤)(例えば、オラネキシジン、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルリン酸ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、ヨウ素剤、 次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、グルコン酸クロルヘキシジン、アクリノール、アルコール類、過酸化水素水、フェノール類等)等が挙げられる。
【0057】
他の成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0058】
組成物が他の成分を含有する場合、組成物中の他の成分の割合は、その種類や使用目的等に応じて適宜選択できる。
【0059】
組成物における他の成分(の総量)の割合は、組成物全体に対して、例えば、20w/v%以下(例えば、15w/v%以下、10w/v%以下、5w/v%以下、3w/v%以下、2w/v%以下、1w/v%以下、0.5w/v%以下)であってもよく、例えば、0.001w/v%以上(例えば、0.01w/v%以上、0.1w/v%以上)であってもよい。
【0060】
なお、これらの範囲(上限値と下限値)を適宜組み合わせて範囲を選択してもよい(例えば、0.001~20w/v%、0.01~1w/v%等)。
【0061】
組成物のpHは、特に限定されないが、例えば、2~6、好ましくは3~5であってもよい。
【0062】
[形態・製造方法]
本発明の組成物の形態(性状)は、特に限定されないが、通常、液状であってよい。液状の組成物は、組成物の成分等により、溶液、懸濁液、乳化物等であってもよい。
液状の組成物は、組成物を構成する成分が、溶解状態にある又は分離していないものであってもよい。
【0063】
組成物(使用時の組成物)は、フォーム(泡)状、霧状等であってよい。すなわち、組成物は、起泡性であってよく、容器からの吐出により泡状又は霧状となるものであってよい。
【0064】
組成物は、各成分を混合することより得ることができる。混合は、各成分を全て一度に混合してもよいし、予め調製した2種以上の成分を混合した後に、残りの成分を混合してもよい。混合方法(製造方法)は、特に限定されず、慣用の方法を利用できる。
【0065】
[用途]
本発明の組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、消毒剤、抗菌剤、除菌剤、殺菌剤、殺ウィルス(ノンエンベロープウィルス等を含む)剤、医薬品等として使用されうる。また、本発明の組成物は、ポンプ式フォーム製剤用、スクイズ式フォーム製剤用、エアゾール式フォーム製剤用等に好適に使用することができる。
【0066】
[使用方法]
本発明の組成物の使用形態(適用方法)は、組成物の使用目的等によって適宜選択でき、例えば、対象(適用)部位に適用することで使用できる。
【0067】
具体的な適用方法としては、対象部位への塗布(付着)が挙げられる。
例えば、組成物を容器から吐出させ、泡状として塗布してもよい。
なお、組成物は、適当な容器に収容されていてもよい。容器は、適用方法に合わせて選択することができる。
【0068】
例えば、組成物を、泡を形成可能な容器(例えば、泡ボトル、スクイズ式ボトル等)に収容し、当該容器から吐出させることにより、泡状として適用してもよい。
あるいは、組成物を噴射剤(例えば、LPG等の圧縮ガス)と共にスプレー容器(スプレーボトル)に収容し、当該容器から噴霧(噴射)又は吐出させることにより、霧状又は泡状として適用してもよい。
【0069】
組成物の適用量(使用量)は、使用対象の箇所、使用対象の皮膚の状態、年齢によって異なるが、例えば、手指消毒の場合、1回当たりの使用量は、1~10mL程度であってもよい。
【0070】
組成物の適用対象は、健常人であってもよいし、種々の疾患(又は症状)を有する人であってもよい。
【実施例0071】
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
試料
下記の界面活性剤を使用した。
PEG/PPG-53/54ジメチコン(製品名DBP-732、Gelest社)
PEG-32メチルエーテルジメチコン(製品名KF-6004、信越化学工業株式会社)
PEG-10ジメチコン(製品名Silsoft 860、モメンティブ社)
PEG-12ジメチコン(製品名Silsoft 870、モメンティブ社)
【0073】
重合度の測定
Gelest社の界面活性剤はPEG及びPPGの重合度が不明のため、下記の方法により測定した。
核磁気共鳴装置として日本電子株式会社性(JNM-ECZ400S FT-NMR)を用いた。
測定条件は、核種:1H、スキャン数:64、溶媒:重クロロホルム、試料濃度:約10mg/mLとした。重クロロホルム中のクロロホルムを化学シフト値の基準ピーク(7.26ppm)、0.5ppm付近の連結基R1付け根の「-Si-CH
2
-R1-」中の「-CH2-」ピークを積分比の基準ピーク(2H)とした。
PPG重合度は、1.14ppm付近のPPGの「-O-CH(CH
3
)CH2-」中の「(CH3)」ピークの積分比を3で割り求めた(例:1.14ppm付近のピークの積分比が162.82のとき、PPG重合度=162.82÷3≒54.3)。
PEG重合度は、3.3~3.8ppm付近のPEGの「-O-CH
2
CH
2
-」中の「-CH2CH2-」ピーク及びPPGの「-O-CH(CH3)CH
2
-」中の「-CH-CH2-」ピークの積分比から、PPG由来の積分比を引き、残余を4で割り求めた(例:3.3~3.8ppm付近のピークの積分比が373.73、PPG重合度が54.3のとき、PEG重合度={373.73-(3×54.3)}÷4≒52.7)。
【0074】
pHの測定
pHメータとして株式会社堀場製作所製(F-22)を用いた。pH標準液でpHメータを校正してpHを測定した。
【0075】
起泡性試験
50mLスクリュー管瓶(ラボランスクリュー管瓶No.7、アズワン株式会社)に被検試料50mLを取り、10秒間激しく振り混ぜた後の起泡性を目視で確認した。
【0076】
(実施例1~7)
表1及び表2に記載の処方で各成分(ジメチコン、エタノール、リン酸及び水)を混合し、組成物を得た。なお、ジメチコンをエタノールに溶解した後、リン酸を加えて表1に記載の各pHとした後、水を加えて全量を100mLとした。
【0077】
(比較例1~6)
表3に記載の処方で各成分(ジメチコン、エタノール、リン酸及び水)を混合し、組成物を得た。なお、ジメチコンをエタノールに溶解した後、リン酸を加えて表3に記載の各pHとした後、水を加えて全量を100mLとした。
【0078】
(参考例1~4)
表1~3に記載の処方で各成分(ジメチコン、エタノール及び水)を混合し、組成物を得た。なお、ジメチコンをエタノールに溶解した後、水を加えて全量を100mLとした。
【0079】
実施例1~7、比較例1~6及び参考例1~4の組成物について、調製直後に、前述の方法により起泡性を確認したところ、いずれの組成物も起泡性を有していた。(泡立ちを示した。)
【0080】
また、各組成物を50℃で保管し、前述の方法により起泡性を確認した。
起泡の有無は、下記基準に従って評価した。
[気泡の有無]
起泡性あり:参考例と同等の泡立ちを示す。
起泡性なし:参考例に劣る泡立ちを示す、若しくは泡立ちを示さない。
【0081】
上記基準に基づいて、保管期間中1週間ごとに気泡の有無を確認し、起泡性の安定性を下記基準に従って評価した。
[起泡性の安定性]
◎:保管4週間経過後も起泡性を有していた。
〇:保管3~4週間で起泡性が失われた。
△:保管2~3週間で起泡性が失われた。
▲:保管1~2週間で起泡性が失われた。
×:保管1週間未満で起泡性が失われた。
【0082】
結果を表1~3に示す。なお、表1~3において、エタノール(95)は95v/v%エタノールを示す。
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
表1~3が示すように、実施例では、参考例と同様に良好な起泡性を示し、起泡性の安定性も良好であった。
なお、界面活性剤が分解されない中性(付近)のものを、起泡性の基準となる参考例とした。
【0087】
実施例の各組成物を泡ボトル(ポンプ式フォーマー)に入れ、泡ボトルから吐出したところ、いずれの組成物も良好な泡を形成した。
【0088】
実施例の各組成物を、組成物:噴射剤(質量比)=9:1となるように、噴射剤(LPG)を加えた後、エアゾール缶に充填してエアゾール缶から吐出したところ、いずれの組成物も泡を形成した。