(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180928
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20231214BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G06F3/0354 432
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094615
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】林 達也
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 一則
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 昌之
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼田 浩一
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB02
5B087AB11
5B087AC02
5B087BC13
5B087DD03
5E555AA01
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC17
5E555BE08
5E555CA01
5E555CA28
5E555CA44
5E555CB20
5E555CB42
5E555DA02
5E555DB44
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】選択動作によって選択された項目が決定動作によって変化してしまうことを抑制することができる入力装置を提供する。
【解決手段】項目を選択する操作を受け付ける選択操作部と、前記選択操作部以外の箇所に設けられているセンサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサの検出結果に基づく値が所定条件を満たすことを判定した場合、前記選択操作部の操作によって選択されている前記項目に対応する処理を実行する、入力装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
項目を選択する操作を受け付ける選択操作部と、
前記選択操作部以外の箇所に設けられているセンサと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記センサの検出結果に基づく値が所定条件を満たすことを判定した場合、前記選択操作部の操作によって選択されている前記項目に対応する処理を実行する、
入力装置。
【請求項2】
前記センサは、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ、または、地磁気を検出する地磁気センサ、のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記所定条件は、少なくとも、前記センサの検出結果に基づく値が1個以上の閾値を用いた所定の範囲にあるという条件を含む、
請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記所定条件は、少なくとも、前記センサの検出結果に基づく値の正負が反転したという条件を含む、
請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記選択操作部は、操作量が可変である機構を有しており、
前記選択操作部は、前記操作量に対応する前記項目を選択する、
請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項6】
前記選択操作部の前記機構は、相対的に移動する2つの部位の一方に磁石を備え、他方に磁気センサを備えており、
前記制御部は、前記磁気センサの検出結果に基づいて、前記操作量に対応する前記項目を特定する、
請求項5に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の手で操作を行う入力装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載された入力装置では、2次元面内に設定される複数の区域に対応して移動可能に支持された操作部材と、当該操作部材の位置する区域を検出する区域検出部と、当該操作部材の決定動作を検出する決定動作検出部と、当該区域検出部により検出された区域と当該決定動作検出部により検出された決定動作とに基づいて、当該操作部材の位置する区域に対応した処理を実行する実行部と、を備える。当該入力装置では、当該決定動作は、当該2次元面に平行な方向である決定方向に向かう当該操作部材の動きである(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、区域を選択する選択動作を行うために操作部材が移動させられる向きと、決定動作を行うために当該操作部材が移動させられる向きとが、同じ2次元平面に平行な向きであるため、当該選択動作によって選択された項目が当該決定動作によって変化してしまう可能性が考えられた。つまり、項目を選択するために操作部材が移動させられている方向に対して、平行な方向に当該操作部材に力が加えられることで決定動作が行われるため、選択された項目が当該決定動作によってずれてしまう可能性が考えられた。
【0005】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、選択動作によって選択された項目が決定動作によって変化してしまうことを抑制することができる入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、項目を選択する操作を受け付ける選択操作部と、前記選択操作部以外の箇所に設けられているセンサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサの検出結果に基づく値が所定条件を満たすことを判定した場合、前記選択操作部の操作によって選択されている前記項目に対応する処理を実行する、入力装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る入力装置によれば、選択動作によって選択された項目が決定動作によって変化してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る入力装置の概略的な外観の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る入力装置の持ち方の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る入力装置のレバー部の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図4】(A)および(B)は実施形態に係る入力装置の操作レバーの押下の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る入力装置の操作レバーの押し量に応じたA/D変換出力値の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る入力装置の概略的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る入力装置において行われる決定指示を受け付ける処理の手順の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る入力装置においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る入力装置においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
【
図13】入力装置がユーザーの手で持たれて振られた場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
【
図14】入力装置を携帯するユーザーが電車に座って乗った場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
【
図15】入力装置を携帯するユーザーがバスに座って乗った場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
【
図16】実施形態に係る入力装置においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
【
図17】入力装置がユーザーの手で持たれて振られた場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
【
図18】入力装置を携帯するユーザーが電車に座って乗った場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
【
図19】入力装置を携帯するユーザーがバスに座って乗った場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
【
図20】実施形態に係る入力装置においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0010】
[入力装置]
図1は、実施形態に係る入力装置1の概略的な外観の一例を示す図である。
入力装置1は、筐体11と、画面12と、レバー部13と、レバー部14と、スピーカ15と、を備える。
【0011】
なお、
図1では、入力装置1の外観ではないが、入力装置1の内部に備えられた決定センサ部371を示してある。本実施形態では、入力装置1は、筐体11の内部に、決定センサ部371を備えている。
本実施形態では、決定センサ部371は、選択された項目を決定する指示を受け付けるために用いられるセンサ(説明の便宜上、決定センサと呼ぶ。)を有するセンサ部である。
決定センサ部371に備えられる決定センサの数は、例えば、1個であってもよく、あるいは、2個以上であってもよい。
決定センサ部371が1個の決定センサを備える場合、例えば、決定センサ部371は当該決定センサと同一であると捉えられてもよい。
【0012】
ここで、
図1に示される決定センサ部371の位置は、必ずしも厳密な位置ではなく、決定センサ部371の位置は
図1の例に限られない。
また、決定センサ部371が複数の決定センサを備える場合には、必ずしも、これら複数の決定センサが近隣の箇所に配置されていなくてもよい。
図1では、説明の便宜上、入力装置1の内部に備えられた決定センサ部371を図示したが、他の図において入力装置1の外観を図示する場合には、決定センサ部371の図示を省略する。
【0013】
筐体11は、例えば、コンピューターの操作に使用されるマウスに似た形状(例えば、楕円に似た球状)を有している。なお、筐体11の形状は、他の形状であってもよい。
画面12は、筐体11の一面に備えられており、情報を表示出力する機能を有する。
レバー部13は、筐体11の所定位置に備えられており、人の指によって押し込まれることが可能である。
レバー部14は、筐体11の他の所定位置に備えられており、人の指によって押し込まれることが可能である。
スピーカ15は、発話用スピーカであり、音を出力する機能を有する。
【0014】
ここで、本実施形態では、レバー部13およびレバー部14は、それぞれ、磁気センサを内蔵しており、磁気センサにより押し込み量に応じた値を検出する。
レバー部13およびレバー部14は、それぞれ、複数の異なる操作位置に配置されている。
【0015】
なお、入力装置1は、レバー部13およびレバー部14以外の入力用の操作部を有していてもよい。当該操作部は、例えば、ボタン(図示を省略)から構成されてもよい。
【0016】
本実施形態では、入力装置1は、レバー部13の操作およびレバー部14の操作に基づいて1個のコマンド(項目の一例)を特定し、この状態で、別の所定の操作(例えば、所定の動作)が行われたことに応じて、当該コマンドの受付を確定して、当該コマンドに基づく処理を行ってもよい。
【0017】
本実施形態では、画面12は、人の手によって入力装置1が把持された場合に、人の手のひらと接触(または、近接)する面とは反対の面に備えられている。
入力装置1において、人の手のひらと接触(または、近接)する面の内部には、振動を発生させる機能を有する振動素子が備えらえている。
【0018】
図2は、実施形態に係る入力装置1の持ち方の一例を示す図である。
ユーザー(人)は、入力装置1を片方の手111で持つことができ、入力装置1を持ちながら、当該片方の手111でレバー部13およびレバー部14の操作を行うことができる。
図2の例では、ユーザーの左手により入力装置1が持たれており、親指によってレバー部13が操作され、人差し指によってレバー部14が操作される。
【0019】
また、ユーザーは、入力装置1を片方の手111で持った状態で、手111によって所定の動作を行うことにより、所定の操作(本実施形態では、選択された項目を決定するための操作)を行うことができる。
【0020】
図3は、実施形態に係る入力装置1のレバー部201の概略的な構成の一例を示す図である。
図3に示されるレバー部201の構成例は、
図1に示されるレバー部13の構成例およびレバー部14の構成例をまとめて説明するための構成例である。
つまり、本実施形態では、レバー部201の構成は、例えば、レバー部13とレバー部14との一方または両方に適用される。
【0021】
レバー部201は、ユーザーの指によって押し込まれるレバーである操作レバー211と、プラスチックバネ部212と、ハウジング213と、を備える。
また、レバー部201は、ハウジング213の内部に、磁気センサが取り付けられる部位である磁気センサ取付部221と、磁気センサの基板が取り付けられる部位である磁気センサ基板取付スリット222と、を有する。
【0022】
操作レバー211は、1軸の方向に沿って、移動することが可能である。操作レバー211の移動機構としては、例えば、ピストンの機構が用いられてもよい。
プラスチックバネ部212は、操作レバー211が押し込まれることに応じて、圧縮することが可能である。
プラスチックバネ部212に対して、操作レバー211とは反対側には、圧縮されたプラスチックバネ部212を受ける部位が備えられている。
これにより、操作レバー211は、ユーザーの指の力によって押し込まれることが可能であり、また、押し込まれる力が弱まると、プラスチックバネ部212の弾性力により元の状態に戻る。
【0023】
図4(A)および
図4(B)は、実施形態に係る入力装置1の操作レバー211の押下の例を示す図である。
図4(A)および
図4(B)には、レバー部201の概略的な構成例を示してある。なお、
図4(A)および
図4(B)では、一部が透視図となっている。
具体的には、操作レバー211、プラスチックバネ部212、ハウジング213、磁石251、磁石252、および、磁気センサ253が示されている。磁石251、磁石252、および、磁気センサ253は、レバー部201の内部に配置されている。
ここで、磁気センサ253は、操作レバー211の押し込み量によらずにレバー部201の固定位置に備えられている。一方、磁石251および磁石252は、操作レバー211の押し込み量に応じて移動する位置に備えられている。
これにより、操作レバー211の押し込み量に応じて、磁気センサ253によって検出される値が変化する。
【0024】
図4(A)には、ユーザーの指が操作レバー211から離れた状態を示してある。つまり、当該状態は、操作レバー211に押し込みの力が加えられていない初期の状態である。
図4(B)には、ユーザーの指によって操作レバー211が押し込まれた状態を示してある。当該状態では、操作レバー211が初期状態から操作位置[mm]の分だけ押し込まれている。
なお、
図4(A)および
図4(B)には、磁気センサ253の中心線A1を示してある。この中心線A1は、操作レバー211の押し込み方向に対して垂直な方向の線である。
【0025】
本実施形態では、操作位置の変化に応じて、磁気センサ253によって検出されるアナログ値が変化する。そして、A/D(Analog to Digital)変換器により当該アナログ値がデジタル値へ変換されて出力される。
ユーザーの指で操作レバー211が押し込まれて、操作位置が0から増加していくと、A/D変換出力値が0から増加していく。
【0026】
図5は、実施形態に係る入力装置1の操作レバー211の押し量に応じたA/D変換出力値の一例を示す図である。
図5に示されるグラフにおいて、横軸は操作位置[mm]を表しており、縦軸はA/D変換出力値[dec]を表している。
図5には、操作位置[mm]とA/D変換出力値[dec]との関係の特性2011を示してある。
なお、操作位置の単位、および、A/D変換出力値の単位としては、それぞれ、任意の単位が用いられてもよい。
【0027】
本実施形態では、操作レバー211の押し込み量(操作位置)が変化すると、磁気センサ253が受ける磁束密度がほぼ直線的に変化する。
これにより、特性2011は、ほぼ線形の特性となる。
【0028】
ここで、本実施形態では、A/D変換出力値は0以上で255以下の値をとる。
図5の例では、A/D変換出力値が0以上で5以下である領域を第1領域として設定してある。
図5の例では、A/D変換出力値が250以上で255以下である領域を第2領域として設定してある。
そして、第1領域と第2領域との間に存在する第3領域をN(Nは2以上の整数)個に分割する。
図5の例では、第3領域は、A/D変換出力値が5を超えて250未満である領域である。
第3領域をN個に分割すると、1個の分割領域の幅は{(255-5)-5}/Nに相当する。
【0029】
ここで、本実施形態では、1個の軸に沿ってスライドすることが可能なピストン状の操作レバー211が用いられる場合を示すが、操作レバーの構成としては、これに限られない。
例えば、所定の軸に対して回転することが可能な操作レバーが用いられてもよく、この場合、操作レバーの回転の量(例えば、回転の角度)に応じて操作量(操作位置)が特定されてもよい。このような操作レバーは、例えば、ユーザーの1本の指により回転可能な構成とされてもよい。
【0030】
図6は、実施形態に係る入力装置1の概略的な機能ブロックの一例を示す図である。
入力装置1は、磁気センサ311と、磁気センサ312と、A/D変換器313と、ディスプレイ314と、LED(Light Emitting Diode)315と、無線モジュール316と、音出力部317と、振動部318と、CPU(Central Processing Unit)319と、バッテリー351と、決定センサ部371と、を備える。
【0031】
磁気センサ311は、第1のレバー部(
図1の例では、レバー部13)の磁気センサである。磁気センサ311は、第1のレバー部の操作レバー(
図3および
図4の例では、操作レバー211)の押し込み量に応じた検出値(アナログ値)をA/D変換器313に出力する。
磁気センサ312は、第2のレバー部(
図1の例では、レバー部14)の磁気センサである。磁気センサ312は、第2のレバー部の操作レバー(
図3および
図4の例では、操作レバー211)の押し込み量に応じた検出値(アナログ値)をA/D変換器313に出力する。
ここで、本実施形態では、入力装置1が2個のレバー部を備える場合を示すが、入力装置1は3個以上のレバー部を備えてもよく、この場合、レバー部の数と同数の3個以上の磁気センサを備える。
【0032】
決定センサ部371は、1個以上の決定センサを備える。
本実施形態では、決定センサ部371は、加速度センサ、ジャイロセンサ(角速度センサと呼ばれてもよい。)、または、地磁気センサのうちの1以上のセンサを決定センサとして備える。
決定センサ部371に備えられたそれぞれの決定センサは、それぞれの検出値(アナログ値)をA/D変換器313に出力する。
【0033】
A/D変換器313は、それぞれの磁気センサ311、312から出力される検出値(アナログ値)および決定センサ部371に備えられたそれぞれの決定センサから出力される検出値(アナログ値)を入力して、当該検出値をアナログ値からデジタル値へ変換し、当該デジタル値(A/D変換出力値)をCPU319に出力する。
ここで、本実施形態では、複数の磁気センサ311、312および決定センサ部371に備えられた1以上の決定センサに対して共通のA/D変換器313が兼用される場合を示したが、他の構成例として、複数の磁気センサ311、312および決定センサ部371に備えられた1以上の決定センサのそれぞれごとに別のA/D変換器が備えられてもよい。
【0034】
ディスプレイ314は、情報を表示出力する画面(
図1の例では、画面12)を有する。
LED315(
図1の例では、図示を省略)は、光を点灯、点滅、消灯する。なお、LED315の数および配置は、任意であってもよい。
【0035】
無線モジュール316は、外部の装置と無線通信を行う機能を有する。当該外部の装置は、例えば、コンピューターあるいはスマートフォンなどであってもよい。
音出力部317は、音を出力する。音出力部317は、音信号を増幅する発話用アンプ321と、増幅された音信号を出力するスピーカ322(
図1の例では、スピーカ15)と、を備える。
【0036】
ここで、本実施形態では、入力装置1が無線モジュール316を備える場合を示したが、他の構成例として、入力装置1は、無線モジュール316とともに、または、無線モジュール316の代わりに、外部の装置と有線通信を行う機能を有してもよい。
例えば、入力装置1と外部の装置とが通信することで、入力装置1に記憶されたプログラムまたは他のデータが外部の装置によって変更されてもよい。
【0037】
振動部318は、振動の動作を行う。振動部318は、振動信号を増幅する振動用アンプ331と、増幅された振動信号により振動する振動素子332(
図1の例では、図示を省略)と、を備える。なお、振動部318の数および配置は、任意であってもよい。
例えば、振動素子332は、入力装置1の内部において、それぞれのレバー部(
図1の例では、レバー部13、14)ごとに、それぞれのレバー部の付近に埋め込まれて備えられてもよい。
なお、振動素子332としては、例えば、圧電素子、あるいは、振動モータなどが用いられてもよい。
【0038】
CPU319は、各種の処理および制御を行う。
また、CPU319は、記憶部(図示を省略)を備えており、各種の情報を当該記憶部に記憶することが可能である。
CPU319は、例えば、当該記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、各種の処理および制御を行う。
【0039】
本実施形態では、CPU319は、A/D変換器313から各磁気センサ311、312の検出値に応じたデジタル値(A/D変換出力値)を入力し、当該デジタル値に基づく処理を行う。
本実施形態では、例えば、複数のレバー部(
図1の例では、レバー部13およびレバー部14)は、それぞれ独立しており、同時に操作されることが可能である。また、A/D変換器313およびCPU319は、これら複数のレバー部が同時に操作される場合に、それぞれのレバー部ごとのデジタル値(A/D変換出力値)を区別して処理することが可能である。
【0040】
また、本実施形態では、CPU319は、A/D変換器313から決定センサ部371に備えられたそれぞれの決定センサの検出値に応じたデジタル値(A/D変換出力値)を入力し、当該デジタル値に基づく処理を行う。
本実施形態では、CPU319は、1以上の所定のレバー部について入力されたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて選択された項目(本実施形態では、コマンド)を特定し、決定センサ部371に備えられた1以上の所定の決定センサについて入力されたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて当該項目の決定指示を受け付ける。これにより、CPU319は、決定指示が受け付けられたときに選択されている項目を特定し、特定した当該項目に対応する処理を実行する。
【0041】
ここで、本実施形態に係る入力装置1では、レバー部13およびレバー部14は、ユーザーによって項目を選択する操作(選択操作)を受け付けるための選択操作部として用いられる。ユーザーは、選択操作部に対して所定の動作(選択動作)を行うことで、選択操作を行う。
また、本実施形態に係る入力装置1では、決定センサ部371の決定センサが、選択操作部により選択されている項目を決定する指示(決定指示)を受け付けるために用いられる。ユーザーは、入力装置1に対して所定の動作(決定動作)を行うことで、決定指示を入力装置1に伝える。入力装置1は、選択操作部の操作によって選択されている項目が決定指示により決定されると、決定された項目に対応する処理を実行する。
なお、選択操作部としては、例えば、ストロークモジュールなどが用いられてもよい。
【0042】
また、CPU319は、ディスプレイ314に表示情報を出力することで、ディスプレイ314の画面に情報を表示出力する。
また、CPU319は、LED315に制御信号を出力することで、LED315の点灯、点滅、消灯を行う。
また、CPU319は、無線モジュール316により、無線通信を行うことが可能である。
また、CPU319は、音出力部317に音信号を出力することで、スピーカ322から音を出力する。
また、CPU319は、振動部318に振動信号を出力することで、振動素子332を振動させる。
【0043】
バッテリー351は、入力装置1の各部に電力を供給する。
バッテリー351としては、例えば、1次電池が用いられてもよく、または、2次電池が用いられてもよい。
なお、入力装置1が外部から電力の供給を受ける機能を有する場合には、バッテリー351とともに、または、バッテリー351の代わりに、外部から供給される電力を用いてもよい。
【0044】
なお、入力装置1は、例えば、音を入力するマイクを備えてもよい。この場合、マイクにより収集された音の信号がCPU319に入力される。
そして、CPU319は、入力された音の信号に基づく処理を行う。当該処理は、例えば、入力された音(ここでは、音声)を認識して、認識した音声の内容をテキスト情報としてディスプレイ314の画面に表示出力する処理であってもよい。この場合、入力装置1では、例えば、ユーザーが聴覚障害者であるときに、健常者の発話の内容をテキストとして視認可能に表示することができる。
ここで、例えば、入力装置1とは異なる装置(例えば、サーバー装置など)が音声認識機能を備え、CPU319が音の信号を当該装置に送信し、当該装置によって当該音の信号を音声認識した結果の情報を入力装置1が当該装置から受信して利用する構成が用いられてもよい。
マイクとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクが用いられてもよい。
【0045】
<位置検出の他の例>
本実施形態では、磁気センサ(
図4の例では、磁気センサ253)を用いて操作レバー(
図4の例では、操作レバー211)の押し込み量(操作位置)を検出する構成例を示したが、操作レバーの押し込み量を検出する手法としては他の手法が用いられてもよい。 例えば、操作レバーの押し込み量を検出する手法として、透過型の光学式ロータリーエンコーダ、反射型のロータリーエンコーダ、透過型の光学式リニアエンコーダ、磁気式ロータリーエンコーダ、あるいは、磁気式リニアエンコーダを用いて、操作レバーの押し込み量(操作位置)に応じた値を出力する手法が用いられてもよい。
これらのような操作レバーの押し込み量を検出する手法では、例えば、相対的な移動を行う操作レバーと固定部(例えば、ハウジング)との一方に出力素子を配置し、他方に入力素子を配置し、当該出力素子からの出力を当該入力素子により入力することで、操作レバーの押し込み量を検出する。
【0046】
本実施形態では、
図1に示されるレバー部13とレバー部14とをまとめて説明するときに、
図3~
図6に示される構成部の名称および符号を使用する場合がある。
本実施形態では、
図1に示されるレバー部13とレバー部14とは、物理的な構成は同様である。
なお、他の構成例として、複数のレバー部の物理的な構成が互いに異なっていてもよい。
【0047】
<文字等のコマンドテーブルの例>
図7は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの一例を示す図である。
図8は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
図9は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
【0048】
ここで、本実施形態では、XGはコマンドグループを識別する情報を表し、当該情報として整数が用いられている。
図7には、XG=0のコマンドテーブルが示されている。
図8には、XG=1のコマンドテーブルが示されている。
図9には、XG=2のコマンドテーブルが示されている。
【0049】
これらのコマンドテーブルは、入力装置1の内部の記憶部に記憶される。
なお、他の構成例として、これらのコマンドテーブルは、入力装置1の外部のデータベース等に記憶されてもよく、この場合、これらのコマンドテーブルの内容に関する情報が入力装置1に提供される。
また、これらのコマンドテーブルは、例えば、あらかじめ設定されるが、任意のタイミングで更新可能であってもよい。
【0050】
また、本実施形態では、Xは所定の1個のレバー部(本実施形態では、レバー部13とする。)の操作レバーの押し込み量に応じたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて特定される値を表す。
Yは他の所定の1個のレバー部(本実施形態では、レバー部14とする。)の操作レバーの押し込み量に応じたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて特定される値を表す。
【0051】
図7に示されるXG=0のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1~7)を示してあり、縦軸にYの値を(本例では、1~7)示してある。
当該コマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「ありがとうございます」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「発払い伝票を下さい」というコマンドが特定される。
XG=0のコマンドテーブルでは、対話文(複数の文字からなる文字列)に関するコマンドが格納されている。
【0052】
図8に示されるXG=1のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1(8)~7(14))を示してあり、縦軸にYの値(本例では、1~7)を示してある。
ここで、説明の便宜上、Xの値である1~7に(8)~(14)を付してあるが、これは、他のXGのコマンドテーブルと区別するためである。
XG=1のコマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「か」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「の」というコマンドが特定される。
なお、当該コマンドテーブルでは、Y=6~7にはコマンドが割り当てられていないが、これは一例であり、これに限定されない。
XG=1のコマンドテーブルでは、文字に関するコマンドが格納されている。
【0053】
図9に示されるXG=2のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1(15)~7(21))を示してあり、縦軸にYの値(本例では、1~7)を示してある。
ここで、説明の便宜上、Xの値である1~7に(15)~(21)を付してあるが、これは、他のXGのコマンドテーブルと区別するためである。
XG=2のコマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「ら」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「L」というコマンドが特定される。
なお、当該コマンドテーブルでは、XおよびYの組み合わせのうちの一部にはコマンドが割り当てられていないが、これは一例であり、これに限定されない。
XG=2のコマンドテーブルでは、文字に関するコマンドが格納されている。
【0054】
ここで、例えば、入力装置1の内部の記憶部に、XGの値が記憶される。
また、入力装置1では、所定の操作に応じて、XGの値を切り替える。当該所定の操作は、例えば、レバー部13あるいはレバー部14の操作であってもよく、他の例として、レバー部13およびレバー部14とは異なる操作部の操作であってもよい。また、当該所定の操作は、例えば、レバー部13およびレバー部14の一方または両方の操作と、レバー部13およびレバー部14とは異なる操作部の操作との組み合わせであってもよい。
【0055】
CPU319は、記憶部に記憶されているXGの値に基づいて、1個のコマンドテーブルを特定し、特定したコマンドテーブルの内容を使用する。
そして、CPU319は、A/D変換器313から入力されるデジタル値(A/D変換出力値)に基づいてXの値およびYの値を取得し、これらの値に基づいて当該コマンドテーブルにおけるコマンドを特定し、コマンドの決定指示が受け付けられた場合に、特定したコマンドに基づく処理を行う。
当該処理は、任意の処理であってもよく、例えば、特定されたコマンドの文字または対話文を音信号として、当該文字または当該対話文の音(音声)をスピーカ322から出力する処理であってもよい。
【0056】
ここで、
図7~
図9の例において、CPU319は、2個のレバー部の操作(例えば、レバー部13の操作およびレバー部14の操作)に基づいて1個のコマンドを特定し、この状態で、別の所定の操作(例えば、所定の動作)が行われたことに応じて、当該コマンドの受付を確定して、当該コマンドに基づく処理を行ってもよい。
【0057】
また、
図7~
図9の例では、Xが取り得る値とYが取り得る値とが同一である場合を示したが、これに限られず、Xが取り得る値とYが取り得る値とは異なってもよい。
【0058】
また、
図7~
図9の例では、XG=0、1、2の3個のコマンドテーブルを示したが、このようなコマンドテーブルの数は、例えば、1個であってもよく、または、2個であってもよく、あるいは、4個以上であってもよい。
つまり、コマンドテーブルの数は1個であってもよく、この場合、XGの値によりコマンドテーブルを識別することは行われなくてもよく、XGというパラメーターは使用されなくてもよい。
また、
図7~
図9に示されるコマンドテーブルは、編集されることが可能であってもよい。それぞれのコマンドテーブルの編集は、例えば、コマンドテーブルの管理者(ここでは、入力装置1のユーザー以外の者)によって行われてもよく、あるいは、ユーザーによって行われてもよい。
【0059】
ここで、
図7~
図9に示されるコマンドテーブルでは、XおよびYについて、コマンドに割り当てられる領域(第3領域)の分割数Nが7である場合を示したが、例えば、XとYとの一方または両方の分割数Nが変更された場合には、変更後の分割数Nに適合したコマンドテーブルが用意される。
変更後の分割数Nに適合したコマンドテーブルは、例えば、入力装置1または他の装置(例えば、サーバ―など)によって自動的に生成されてもよく、あるいは、入力装置1のユーザーなどによって手動で生成されてもよい。
【0060】
なお、本実施形態では、コマンドが対話文(文字の列)あるいは文字に対応付けられている場合を示すが、コマンドに対応付けられる情報としては、特に限定はなく、例えば、画像の情報であってもよい。
CPU319は、画像の情報に対応付けられたコマンドが決定(確定)された場合に、例えば、当該画像を画面に表示出力する処理を実行してもよい。
【0061】
<決定指示を受け付ける処理の例>
図10は、実施形態に係る入力装置1において行われる決定指示を受け付ける処理の手順の一例を示す図である。
本実施形態では、決定センサ部371に備えられている決定センサを用いて、決定指示に対応する操作が行われた否かを判定する。
当該決定センサは、1個のセンサであってもよく、あるいは、2個以上のセンサであってもよい。当該決定センサは、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、地磁気センサのうちの1以上のセンサであってもよい。
【0062】
(ステップS1)
入力装置1では、CPU319は、決定センサの検出値に応じたデジタル値(A/D変換出力値)を取得する。
そして、入力装置1では、ステップS2の処理へ移行する。
【0063】
(ステップS2)
入力装置1では、CPU319は、取得したデジタル値(A/D変換出力値)を用いて、決定センサの検出値に基づく値を演算する。
そして、入力装置1では、ステップS3の処理へ移行する。
【0064】
ここで、CPU319は、例えば、取得したデジタル値(A/D変換出力値)をパラメーターとして所定の演算式を演算し、その演算結果の値を、決定センサの検出値に基づく値として取得する。なお、決定センサとして2個以上のセンサが用いられる場合には、CPU319は、それぞれのセンサ(決定センサ)について取得したそれぞれのデジタル値(A/D変換出力値)をパラメーターとして所定の演算式を演算し、その演算結果の値を、決定センサの検出値に基づく値として取得する。
所定の演算式としては、任意の演算式が用いられてもよく、例えば、あらかじめ設定されて入力装置1(例えば、CPU319の記憶部など)に記憶されていてもよい。
【0065】
(ステップS3)
入力装置1では、CPU319は、演算結果が所定条件を満たすか否かを判定する。
この判定の結果、CPU319は、演算結果が所定条件を満たすと判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、CPU319は、演算結果が所定条件を満たさないと判定した場合(ステップS3:NO)、本フローの処理を終了する。
【0066】
ここで、所定条件は、決定指示を受け付ける条件である。
所定条件としては、任意の条件が用いられてもよく、例えば、あらかじめ設定されて入力装置1(例えば、CPU319の記憶部など)に記憶されていてもよい。
また、所定条件としては、例えば、1つの条件が用いられてもよく、あるいは、2つ以上の異なる条件が用いられてもよい。所定条件として2つ以上の異なる条件が用いられる場合、例えば、CPU319は、これら2つ以上の異なる条件のうちの少なくとも1つの条件が満たされるときに、決定指示を受け付ける。所定条件として2つ以上の異なる条件が用いられる場合、それぞれの条件が満たされるか否かを判定するために使用される演算結果(ステップS3における演算結果)は、それぞれの条件ごとに異なっていてもよい。
【0067】
なお、1個の決定センサが用いられる構成において、当該決定センサの検出値に基づく値として、当該決定センサの検出値(自体)が用いられてもよい。この場合、例えば、ステップS2の処理は設けられなくてもよい。また、この場合、ステップS3の処理における演算結果の代わりに、当該決定センサの検出値(自体)が用いられる。
【0068】
(ステップS4)
入力装置1では、CPU319は、選択された項目で決定指示を受け付け、これにより、当該項目に対応する処理を実行する。
そして、入力装置1は、本フローの処理を終了する。
【0069】
ここで、本実施形態では、項目の選択は、1個以上のレバー部(
図1の例では、レバー部13とレバー部14との一方または両方)の操作レバーの押し込み量に応じて行われ、当該押し込み量の状態によって、選択されている項目が特定される。
【0070】
なお、
図10に示されるフローの処理は、例えば、任意のタイミングで繰り返して行われてもよい。
当該タイミングは、定期的なタイミングであってもよく、例えば、ユーザーによって決定動作(ステップS3の処理において演算結果が所定条件を満たすと判定される動作)が行われたときに当該決定動作を検知することが可能な程度の時間間隔のタイミングが用いられてもよい。
【0071】
<決定センサの配置の例>
本実施形態では、入力装置1において、項目の選択を行うためにユーザーによって操作される選択操作部(本実施形態では、レバー部13の操作レバー、および、レバー部14の操作レバー)以外の箇所に、決定センサが配置されている。
【0072】
ここで、決定センサが配置される態様として、例えば、選択操作部と物理的に接触しない箇所に決定センサが配置される態様が用いられてもよい。
また、決定センサが配置される態様として、例えば、選択操作部の機構が動かされるときに、当該機構の動きによって発生する力が決定センサに与える影響(例えば、決定センサに与える力)がゼロまたは小さい箇所に、決定センサが配置される態様が用いられてもよい。
【0073】
決定センサは、例えば、入力装置1の筐体11に対して、直接固定されていてもよく、あるいは、間接に固定されていてもよい。
例えば、決定センサは、入力装置1の筐体11の動きに応じた値を検出すると捉えられてもよいが、必ずしも、これに限られない。
同様に、決定センサは、入力装置1の全体の動きに応じた値を検出すると捉えられてもよいが、必ずしも、これに限られない。
【0074】
なお、決定センサは、必ずしも、入力装置1の筐体11に固定されていなくてもよく、筐体11の動きとは異なる動きをし得る構成であってもよい。
一例として、入力装置1にフレキシブル基板が備えられる場合に、当該フレキシブル基板に決定センサが配置されてもよい。
他の例として、入力装置1にケーブル(例えば、配線ケーブル)が備えられる場合に、当該ケーブルに決定センサが配置されてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、決定センサは、入力装置1の筐体11の内部に配置されている場合を示すが、他の構成例として、決定センサは、入力装置1の筐体11の外面または外部に配置されてもよい。
また、入力装置1に複数の決定センサが備えられる場合には、例えば、これら複数の決定センサが近隣に配置されてもよく、あるいは、それぞれの決定センサごとに異なる箇所に配置されてもよい。
【0076】
[決定指示を受け付けるための判定用値の例および所定条件の例]
本実施形態では、決定指示の有無(決定動作が行われたか否か)を判定するために、決定センサの検出値に基づく値(説明の便宜上、判定用値と呼ぶ。)が用いられる。
ここで、判定用値は、例えば、1個の決定センサの検出値(自体)であってもよく、または、1個の決定センサの検出値に基づいて得られる他の値であってもよく、あるいは、複数の決定センサの検出値(複数の検出値の組み合わせ)に基づいて得られる値であってもよい。
【0077】
ここで、例えば、判定用値として、1個の決定センサの検出値を積分した結果、あるいは、1個の決定センサの検出値を微分した結果(当該検出値の変化量でもよい。)が用いられてもよい。
検出値の変化量としては、例えば、当該検出値の初期値からの変化量などが用いられてもよい。
例えば、判定用値として、2個以上の決定センサの検出値について、加算、減算、乗算、除算、平均、または、2乗和の演算を行った結果が用いられてもよい。
【0078】
本実施形態に係る入力装置1では、CPU319は、判定用値が所定条件を満たすときに、決定指示を受け付ける。
ここで、所定条件としては、様々な条件が用いられてもよい。
なお、本実施形態では、所定の決定動作がユーザーによって入力装置1に対して行われたときに、判定用値が所定条件を満たすことを想定している。
【0079】
一例として、所定条件として、判定用値が1個以上の閾値を用いた所定の範囲にある、という条件が用いられてもよい。
他の例として、所定条件として、判定用値の正負が変化(反転)した、という条件が用いられてもよい。なお、正負の変化(反転)としては、正から負への変化、および、負から正への変化がある。
【0080】
具体例として、所定条件として、加速度センサにより検出される加速度、ジャイロセンサにより検出される角速度、または、地磁気センサにより検出される地磁気について、正負が変化(反転)した、という条件が用いられてもよい。
例えば、ユーザーが入力装置1に対して所定の加速度(または、角速度など)を発生させる動作を行った後に、その動作を停止する場合に、当該加速度(または、当該角速度など)の正負が反転し得る。
【0081】
なお、判定用値としては、2種類以上の判定用値が用いられてもよい。
また、所定条件としては、2種類以上の条件が用いられてもよい。
例えば、2種類以上の判定用値のそれぞれに、同じ種類の条件(所定条件)の判定が適用されてもよい。この場合、例えば、2種類以上の判定用値のうちの少なくとも1種類の判定用値が所定条件を満たすときに決定指示を受け付けてもよく、あるいは、2種類以上の判定用値のすべてが所定条件を満たすときに決定指示を受け付けてもよい。
例えば、1種類の判定用値に、2種類以上の条件(所定条件)の判定が適用されてもよい。この場合、例えば、判定用値が2種類以上の所定条件のうちの少なくとも1つの所定条件を満たすときに決定指示を受け付けてもよく、あるいは、判定用値が2種類以上の所定条件のすべてを満たすときに決定指示を受け付けてもよい。
【0082】
<ユーザーによって決定指示を行うための動作の例>
ユーザーによって決定指示を行うための動作の一例について説明する。
図11~
図12を参照して、入力装置1に対してユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す。
【0083】
図11および
図12は、実施形態に係る入力装置1においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
図11および
図12には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
図11および
図12には、同一のXYZ直交座標系および同一の入力装置1が示されており、それぞれ異なる視点で見た場合の様子である。
【0084】
図11および
図12には、XYZ直交座標系において、入力装置1を示してある。
図11および
図12に示される入力装置1の配置は、一例である。
本実施形態では、レバー部13の操作レバーが移動する方向d1と、レバー部14の操作レバーが移動する方向d2とは、平行である。つまり、方向d1と方向d2は、所定の面C1に平行である。
【0085】
さらに、本実施形態では、レバー部13の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有しており、レバー部14の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有している。そして、それぞれの面(ここでは、円状の面)の中心を通る方向d1および方向d2を想定した場合には、方向d1と方向d2とは同一の面C1に含まれる。
なお、面C1は、説明のための仮想的な面である。
【0086】
ここで、本実施形態では、方向d1および方向d2は、それぞれ、ピストン状の操作レバーの位置が動く(変位する)方向である。
そして、面C1は、当該操作レバーが動く方向(変位する方向)を含んでいる。
【0087】
図11および
図12の例では、面C1は、XZ平面に平行な面となっている。
図11および
図12には、面C1と平行な軸B1を示してある。なお、本実施形態では、軸B1は面C1に含まれている。
そして、本実施形態では、ユーザーが決定指示を行うための動作(決定動作)として、軸B1を回転軸(回転の中心軸)として、軸B1の周りの回転方向D1に入力装置1を回転させる動作が用いられる。この動作は、仮想的な面C1を用いて説明すると、軸B1の周りの回転となるように、面C1の各部の垂直方向に面C1の各部を回転させる動作である。
つまり、本実施形態では、ユーザーが決定指示を行うための決定動作として、ユーザーが選択操作を行うための選択操作部(本例では、レバー部13の操作レバーおよびレバー部14の操作レバー)が動く向きが為す面C1にある軸B1を回転軸とした回転動作が用いられている。
【0088】
本例では、決定センサ部371の決定センサとして、例えば、加速度センサ、または、ジャイロセンサ、あるいは、加速度センサとジャイロセンサとの組み合わせが用いられる。
入力装置1では、CPU319は、決定センサについて取得したデジタル値(A/D変換出力値)を用いて、決定センサの検出値に基づく値を取得する(当該検出値自体が用いられてもよい)。そして、CPU319は、当該値(決定センサの検出値に基づく値)が所定条件を満たすか否かを判定する。
【0089】
本例では、当該所定条件は、軸B1を回転軸として軸B1の周りの回転方向D1に入力装置1が回転させられているときに演算結果が取り得ると想定される範囲に、演算結果が含まれるという条件である。
本例では、当該所定条件は、例えば、あらかじめ計測または理論的な計算が行われることで、設定されてもよい。
当該範囲は、例えば、所定の閾値以下の範囲、所定の閾値未満の範囲、所定の閾値以上の範囲、所定の閾値を超える範囲、または、所定の下限閾値と所定の上限閾値との間の範囲などのいずれかであってもよい。
【0090】
ここで、本実施形態では、選択操作部として2個の操作レバー(レバー部13の操作レバーおよびレバー部14の操作レバー)が用いられており、これら2個の操作レバーの移動方向から面C1が定められるが、選択操作部として3個以上の操作レバーが備えられている場合には、これら3個以上の操作レバーのうちの所定の2個の操作レバーの移動方向から面(面C1として使用される面)が定められてもよい。
一例として、これら3個以上の操作レバーの移動方向がすべて平行である場合には、これら3個以上の操作レバーのうちの任意の2個の操作レバーの移動方向から面(面C1として使用される面)が定められてもよい。
他の例として、これら3個以上の操作レバーの移動方向のうちの少なくとも1つが他とは平行ではない場合には、これら3個以上の操作レバーのうちで、あらかじめ定められた2個の操作レバーの移動方向(例えば、平行な移動方向)から面(面C1として使用される面)が定められてもよい。
【0091】
なお、本実施形態では、選択操作部として操作レバーが用いられる場合を示したが、選択操作部が移動可能な他の機構を用いて構成される場合においても、当該他の機構の移動方向に基づいて、本実施形態と同様な面(面C1として使用される面)が定められてもよい。
【0092】
図13~
図15を参照して、閾値の設定の具体例を示す。
なお、本例では、
図11および
図12の例において、Z軸が重力方向に平行になるように、入力装置1がユーザーにより持たれた状態で計測が行われる場合を示すが、これに限られない。
【0093】
図13は、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られた場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
当該角速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより検出(計測)された角速度である。
【0094】
図13に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は角速度を表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
また、角速度は、回転の向きによって正と負を取り得る。
図13には、X軸回転(X軸周りの回転)の角速度1011と、Y軸回転(Y軸周りの回転)の角速度1012と、Z軸回転(Z軸周りの回転)の角速度1013と、を示してある。
また、
図13には、一例に係る閾値1111を示してある。
【0095】
図14は、入力装置1を携帯するユーザーが電車に座って乗った場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
当該角速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより検出(計測)された角速度である。
【0096】
図14に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は角速度を表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
また、角速度は、回転の向きによって正と負を取り得る。
図14には、X軸回転の角速度1021と、Y軸回転の角速度1022と、Z軸回転の角速度1023と、を示してある。
また、
図14には、
図13に示されるのと同じ閾値1111を示してある。
なお、
図14の例では、X軸回転の角速度1021と、Y軸回転の角速度1022と、Z軸回転の角速度1023とは、明確には区別されない程度に大きさが小さい。
【0097】
図15は、入力装置1を携帯するユーザーがバスに座って乗った場合における角速度の時間変化の一例を示す図である。
当該角速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより検出(計測)された角速度である。
【0098】
図15に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は角速度を表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
また、角速度は、回転の向きによって正と負を取り得る。
図15には、X軸回転の角速度1031と、Y軸回転の角速度1032と、Z軸回転の角速度1033と、を示してある。
また、
図15には、
図13に示されるのと同じ閾値1111を示してある。
なお、
図15の例では、X軸回転の角速度1031と、Y軸回転の角速度1032と、Z軸回転の角速度1033とは、明確には区別されない程度に大きさが小さい。
【0099】
ここで、
図14の例では、例えば、X軸回転の角速度1021と、Y軸回転の角速度1022と、Z軸回転の角速度1023は、
図13の例と比べて、大きさが小さくなっている。このため、入力装置1を携帯するユーザーが電車に座って乗っただけでは決定動作と同様な動きは発生せず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときには決定動作が行われるように、閾値1111を設定することが可能である。
同様に、
図15の例では、例えば、X軸回転の角速度1031と、Y軸回転の角速度1032と、Z軸回転の角速度1033は、
図13の例と比べて、大きさが小さくなっている。このため、入力装置1を携帯するユーザーがバスに座って乗っただけでは決定動作と同様な動きは発生せず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときには決定動作が行われるように、閾値1111を設定することが可能である。
【0100】
このように、決定指示の有無を判定するために角速度に基づく値(ここで、説明の便宜上、第1判定用値と呼ぶ。)が用いられる場合、入力装置1を携帯するユーザーが電車あるいはバスに座って乗ったときに得られる第1判定用値では所定条件(ここでは、閾値の条件)を満たさず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときに得られる第1判定用値では当該所定条件(ここでは、閾値の条件)を満たすような閾値(
図13~
図15の例では、閾値1111)を設定することが可能である。
【0101】
ここで、
図11および
図12の例では、第1判定用値としては、Z軸回転の角速度が用いられる。
図13~
図15の例では、正の閾値1111が用いられており、Z軸回転の二方向のうちでZ軸回転の角速度が正となる回転方向の角速度が閾値1111以上であるとき(または、閾値1111を超えるとき)に所定条件を満たす。
他の例として、正の閾値1111の代わりに、負の閾値(図示を省略)が用いられてもよく、この場合、例えば、Z軸回転の二方向のうちでZ軸回転の角速度が負となる回転方向の角速度が閾値以下であるとき(または、閾値未満であるとき)に所定条件を満たす。
また、他の例として、正の閾値1111と負の閾値(図示を省略)との両方が用いられてもよく、つまり、Z軸回転の二方向のいずれの回転についても決定動作とする構成が用いられてもよい。
【0102】
他の例として、第1判定用値としては、X軸回転の角速度、Y軸回転の角速度、および、Z軸回転の角速度のすべてが用いられてもよく、X軸回転の角速度と、Y軸回転の角速度と、Z軸回転の角速度と、のうちの少なくとも1個の角速度が閾値以上となる(または、閾値を超える)場合に、所定条件が満たされると判定されてもよい。
【0103】
なお、第1判定用値としては、角速度に関する様々な値が用いられてもよく、例えば、X軸回転の角速度、Y軸回転の角速度、および、Z軸回転の角速度のうちの任意の1個が用いられてもよく、あるいは、これら3個の角速度(X軸回転の角速度、Y軸回転の角速度、および、Z軸回転の角速度)をパラメーターとして含む所定の演算式により得られる値(演算結果の値)が用いられてもよい。
当該演算式は、例えば、これら3個の角速度の2乗和を演算する式であってもよい。
【0104】
ユーザーによって決定指示を行うための動作の他の一例について説明する。
図16を参照して、入力装置1に対してユーザーによって決定指示を行うための動作の他の一例を示す。
【0105】
図16は、実施形態に係る入力装置1においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
図16には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
なお、
図16の例では、
図11および
図12の場合と同様な配置で、XYZ直交座標系および入力装置1が示されている。
【0106】
図16には、XYZ直交座標系において、入力装置1を示してある。
図16に示される入力装置1の配置は、一例である。
本実施形態では、レバー部13の操作レバーが移動する方向d1と、レバー部14の操作レバーが移動する方向d2とは、平行である。つまり、方向d1と方向d2は、所定の面C1に平行である。
【0107】
さらに、本実施形態では、レバー部13の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有しており、レバー部14の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有している。そして、それぞれの面(ここでは、円状の面)の中心を通る方向d1および方向d2を想定した場合には、方向d1と方向d2とは同一の面C1に含まれる。
なお、面C1は、説明のための仮想的な面である。
【0108】
ここで、本実施形態では、方向d1および方向d2は、それぞれ、ピストン状の操作レバーの位置が動く(変位する)方向である。
そして、面C1は、当該操作レバーが動く方向(変位する方向)を含んでいる。
【0109】
図16の例では、面C1は、XZ平面に平行な面となっている。
図16には、面C1と垂直な軸E1を示してある。
そして、本実施形態では、ユーザーが決定指示を行うための動作(決定動作)として、軸E1に平行に(つまり、面C1に対して垂直に)、入力装置1を移動させる動作が用いられる。この動作は、仮想的な面Cを用いて説明すると、面C1に対して垂直方向に面C1の各部を平行移動させる動作である。
つまり、本実施形態では、ユーザーが決定指示を行うための決定動作として、ユーザーが選択操作を行うための選択操作部(本例では、レバー部13の操作レバーおよびレバー部14の操作レバー)が動く向きが為す面C1に対して垂直な軸E1に平行な方向での移動動作が用いられている。
【0110】
本例では、決定センサ部371の決定センサとして、例えば、加速度センサ、または、ジャイロセンサ、あるいは、加速度センサとジャイロセンサとの組み合わせが用いられる。
入力装置1では、CPU319は、決定センサについて取得したデジタル値(A/D変換出力値)を用いて、決定センサの検出値に基づく値を取得する(当該検出値自体が用いられてもよい)。そして、CPU319は、当該値(決定センサの検出値に基づく値)が所定条件を満たすか否かを判定する。
【0111】
本例では、当該所定条件は、軸E1に平行に入力装置1が移動させられているときに演算結果が取り得ると想定される範囲に、演算結果が含まれるという条件である。
本例では、当該所定条件は、例えば、あらかじめ計測または理論的な計算が行われることで、設定されてもよい。
当該範囲は、例えば、所定の閾値以下の範囲、所定の閾値未満の範囲、所定の閾値以上の範囲、所定の閾値を超える範囲、または、所定の下限閾値と所定の上限閾値との間の範囲などのいずれかであってもよい。
【0112】
なお、選択操作部として3個以上の操作レバーが備えられている場合に面(面Cとして使用される面)を定める手法については、
図11および
図12の例の場合と同様である。
また、選択操作部として他の機構(操作レバー以外の移動可能な機構)が用いられる場合に面(面Cとして使用される面)を定める手法については、
図11および
図12の例の場合と同様である。
【0113】
図17~
図19を参照して、閾値の設定の具体例を示す。
なお、本例では、
図16の例において、Z軸が重力方向に平行になるように、入力装置1がユーザーにより持たれた状態で計測が行われる場合を示すが、これに限られない。
【0114】
図17は、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られた場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
当該加速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより計測(検出)された加速度である。
【0115】
図17に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は加速度の2乗和の大きさを表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
図17には、加速度の2乗和1211を示してある。加速度の2乗和1211は、X軸方向の加速度の2乗値と、Y軸方向の加速度の2乗値と、Z軸方向の加速度の2乗値と、の総和である。
また、
図17には、一例に係る閾値1311を示してある。
【0116】
図18は、入力装置1を携帯するユーザーが電車に座って乗った場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
当該加速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより計測(検出)された加速度である。
【0117】
図18に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は加速度の2乗和の大きさを表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
図18には、加速度の2乗和1221を示してある。
また、
図18には、
図17に示されるのと同じ閾値1311を示してある。
【0118】
図19は、入力装置1を携帯するユーザーがバスに座って乗った場合における加速度の2乗和の時間変化の一例を示す図である。
当該加速度は、入力装置1の決定センサ部371の決定センサにより計測(検出)された加速度である。
【0119】
図19に示されるグラフにおいて、横軸は計測時間を表しており、縦軸は加速度の2乗和の大きさを表している。
ここで、計測時間は計測ごとに異なり得る。
図19には、加速度の2乗和1231を示してある。
また、
図19には、
図17に示されるのと同じ閾値1311を示してある。
【0120】
ここで、
図18の例では、例えば、加速度の2乗和は、
図17の例と比べて、小さくなっている。このため、入力装置1を携帯するユーザーが電車に座って乗っただけでは決定動作と同様な動きは発生せず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときには決定動作が行われるように、閾値1311を設定することが可能である。
同様に、
図19の例では、例えば、加速度の2乗和は、
図17の例と比べて、小さくなっている。このため、入力装置1を携帯するユーザーがバスに座って乗っただけでは決定動作と同様な動きは発生せず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときには決定動作が行われるように、閾値1311を設定することが可能である。
【0121】
このように、決定指示の有無を判定するために加速度に基づく値(ここで、説明の便宜上、第2判定用値と呼ぶ。)が用いられる場合、入力装置1を携帯するユーザーが電車あるいはバスに座って乗ったときに得られる第2判定用値では所定条件(ここでは、閾値の条件)を満たさず、入力装置1がユーザーの手で持たれて振られたときに得られる第2判定用値では当該所定条件(ここでは、閾値の条件)を満たすような閾値(
図17~
図19の例では、閾値1311)を設定することが可能である。
【0122】
ここで、
図17~
図19の例では、第2判定用値としては、例えば、3軸方向の加速度の2乗和が用いられている。
【0123】
なお、第2判定用値としては、加速度に関する様々な値が用いられてもよく、例えば、X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、および、Z軸方向の加速度のうちの任意の1個が用いられてもよく、あるいは、これら3個の加速度(X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、および、Z軸方向の加速度)をパラメーターとして含む所定の演算式により得られる値(演算結果の値)が用いられてもよい。
例えば、第2判定用値として、X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、および、Z軸方向の加速度のすべてが用いられてもよく、これらのうちの少なくとも1個の加速度が閾値以上となる(または、閾値を超える)場合に所定条件が満たされると判定される、構成が用いられてもよい。
【0124】
ここで、
図16の例では、第2判定用値としては、Y軸方向の加速度(図示を省略)が用いられる。
一例として、正の閾値(図示を省略)が用いられる場合、Y軸方向の二方向(ここでは、Y軸に平行な二方向)のうちでY軸方向の加速度が正となる移動方向の加速度が閾値以上であるとき(または、閾値を超えるとき)に所定条件を満たす。
他の例として、正の閾値の代わりに、負の閾値(図示を省略)が用いられてもよく、この場合、例えば、Y軸方向の二方向のうちでY軸方向の加速度が負となる移動方向の加速度が閾値以下であるとき(または、閾値未満であるとき)に所定条件を満たす。
また、他の例として、正の閾値と負の閾値との両方が用いられてもよく、つまり、Y軸方向の二方向のいずれの方向についても決定動作とする構成が用いられてもよい。
【0125】
ユーザーによって決定指示を行うための動作の他の一例について説明する。
図20は、実施形態に係る入力装置1においてユーザーによって決定指示を行うための動作の一例を示す図である。
図20には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
【0126】
図20には、XYZ直交座標系において、入力装置1を示してある。
図20に示される入力装置1の配置は、一例である。
本実施形態では、レバー部13の操作レバーが移動する方向d1と、レバー部14の操作レバーが移動する方向d2とは、平行である。つまり、方向d1と方向d2は、所定の面C1に平行である。
【0127】
さらに、本実施形態では、レバー部13の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有しており、レバー部14の操作レバーは移動方向に対して垂直な面(本実施形態では、円状の面)を有している。そして、それぞれの面(ここでは、円状の面)の中心を通る方向d1および方向d2を想定した場合には、方向d1と方向d2とは同一の面C1に含まれる。
なお、面C1は、説明のための仮想的な面である。
【0128】
ここで、本実施形態では、方向d1および方向d2は、それぞれ、ピストン状の操作レバーの位置が動く(変位する)方向である。
そして、面C1は、当該操作レバーが動く方向(変位する方向)を含んでいる。
【0129】
図20の例では、面C1は、XZ平面に平行な面となっている。
図20には、面C1と平行ではなく垂直でもない軸B2を示してある。
そして、本実施形態では、ユーザーが決定指示を行うための動作(決定動作)として、軸B2を回転軸(回転の中心軸)として、軸B2の周りの回転方向D2に入力装置1を回転させる動作が用いられる。
【0130】
本例では、決定センサ部371の決定センサとして、例えば、加速度センサ、または、ジャイロセンサ、あるいは、加速度センサとジャイロセンサとの組み合わせが用いられる。
入力装置1では、CPU319は、決定センサについて取得したデジタル値(A/D変換出力値)を用いて、決定センサの検出値に基づく値を取得する(当該検出値自体が用いられてもよい)。そして、CPU319は、当該値(決定センサの検出値に基づく値)が所定条件を満たすか否かを判定する。
【0131】
本例では、当該所定条件は、軸B2を回転軸として軸B2の周りの回転方向D2に入力装置1が回転させられているときに演算結果が取り得ると想定される範囲に、演算結果が含まれるという条件である。
本例では、当該所定条件は、例えば、あらかじめ計測または理論的な計算が行われることで、設定されてもよい。
当該範囲は、例えば、所定の閾値以下の範囲、所定の閾値未満の範囲、所定の閾値以上の範囲、所定の閾値を超える範囲、または、所定の下限閾値と所定の上限閾値との間の範囲などのいずれかであってもよい。
【0132】
なお、選択操作部として3個以上の操作レバーが備えられている場合に面(面Cとして使用される面)を定める手法については、
図11および
図12の例の場合と同様である。
また、選択操作部として他の機構(操作レバー以外の移動可能な機構)が用いられる場合に面(面Cとして使用される面)を定める手法については、
図11および
図12の例の場合と同様である。
【0133】
<
図11~
図20の例について>
ここで、ユーザーによって決定指示を行うための動作として、
図11および
図20の例のように入力装置1を回転させる動作が用いられる場合、回転の軸としては、任意の軸が用いられてもよい。つまり、当該軸としては、必ずしも
図11に示される軸B1または
図20に示される軸B2が用いられなくてもよく、他の向きの軸が用いられてもよく、また、軸が入力装置1と交わる箇所としても他の箇所が用いられてもよい。
例えば、
図11に示される面C1に垂直な軸を中心軸として入力装置1を回転させる動作が、決定動作として用いられてもよい。
【0134】
また、ユーザーによって決定指示を行うための動作として、
図16の例のように入力装置1を移動させる動作が用いられる場合、移動の方向としては、任意の方向が用いられてもよい。つまり、当該方向としては、必ずしも
図16に示される方向が用いられなくてもよく、他の方向が用いられてもよい。
例えば、
図16に示される面C1に平行な方向に入力装置1を移動させる動作が、決定動作として用いられてもよい。
【0135】
<ユーザーによって決定指示を行うための動作の他の例:地磁気センサの例>
決定センサ部371の決定センサとして、地磁気を検出する地磁気センサが用いられてもよい。
この場合、決定センサにより検出される地磁気は、決定センサと地面との相対的な配置関係が変化すると変化し得る。
【0136】
例えば、ユーザーによって決定指示を行うための動作として、地面に対する入力装置1の上下の向き(つまり、重力方向における上下の向き)を反転させる動作が用いられてもよい。入力装置1に対して地磁気センサが固定されている場合、地面に対する入力装置1の上下の向きが反転すると、地面に対する地磁気センサの上下の向きが反転し、地磁気センサによって検出される値が変化する。
ここで、地面に対する入力装置1の上下の向き(つまり、重力方向における上下の向き)を反転させる動作として、例えば、ユーザーが入力装置1を持った状態で、入力装置1を持っている手の平と甲とを反転させるように手首をねじる動作(または、ねじってから戻す動作など)が用いられてもよい。
なお、ユーザーによって決定指示を行うための動作として、地面に対する入力装置1の上下以外の向きを反転させる動作が用いられてもよい。
【0137】
本実施形態では、CPU319が、決定センサ部371の決定センサの検出結果に基づいて、ユーザーによって決定指示を行うための動作(決定動作)が行われたか否かを判定する。
このような判定を行う手法としては、例えば、加速度センサとジャイロセンサとの一方または両方の検出結果に基づいて閾値(例えば、一定の閾値)を用いて判定を行う手法、または、地磁気センサの検出結果に基づいて入力装置1の向きの反転の有無の判定を行う手法に限られず、他の手法が用いられてもよい。
他の手法として、例えば、加速度センサとジャイロセンサとの一方または両方の検出結果と、地磁気センサの検出結果と、を組み合わせて、判定を行う手法が用いられてもよい。
【0138】
<ユーザーによって決定指示を行うための動作の有無の判定:機械学習の例>
例えば、機械学習を使用して決定動作の有無を判定する手法が用いられてもよい。
例えば、CPU319は、あらかじめ機械学習が行われたモデル情報(例えば、ニューラルネットワークなど)に、決定センサ部371の決定センサの検出結果を入力し、これにより当該モデル情報から出力される値に基づいて、ユーザーによって決定指示を行うための所定の動作(決定動作)が行われたか否かを判定してもよい。
【0139】
この場合、決定センサ部371の決定センサの検出結果として、所定期間における検出結果(時系列的な情報)が用いられてもよい。
本実施形態では、所定期間における検出結果としては、所定期間における時間的に離散的な検出結果の並びが用いられる。
他の例として、決定センサによるアナログの検出結果を(A/D変換器313を介さずに)CPU319に入力し、CPU319がアナログの検出結果(時間的に連続的な検出結果)を機械学習(学習、および、学習結果を使用した判定)に用いてもよい。
【0140】
機械学習を使用して決定動作の有無を判定する手法では、例えば、入力装置1の動きそのものの判定が行われる。具体的には、入力装置1の所定の動き(本実施形態では、決定動作の動き)を学習させておいて、CPU319は、学習結果のモデル情報に基づいて、当該所定の動きと同じ特徴を持つ動きを入力装置1がしたと判定した場合に、ユーザーによって決定指示を行うための所定の動作(決定動作)が行われたと判定する。本例では、このような動きの学習に、決定センサの検出結果が使用される。
このような動き(決定動作の動き)としては、任意の動きが用いられてもよく、例えば、ユーザーが手首を回転させて円を描く、等の動きが用いられてもよい。
【0141】
このように、機械学習を使用して、ユーザーによって決定指示を行うための所定の動作(決定動作)自体を登録することで、例えば、誤判定を抑制する(例えば、防止する)ことができ、所定の動作(決定動作)が行われたことを認識する精度を向上させることが可能である。
【0142】
[以上の実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る入力装置1では、ユーザーによって項目を選択するために操作される選択操作部とは異なる箇所に、選択された項目の決定指示を受け付けるための決定センサが備えられている。これにより、本実施形態に係る入力装置1では、ユーザーによって行われる決定動作によって選択操作部に与えられる影響(例えば、力の影響)を抑制することが可能であるため、選択動作によって選択された項目が決定動作によって変化してしまうことを抑制することができる。
【0143】
本実施形態に係る入力装置1では、特に、選択操作部の選択機構が動く方向とは別の方向に力が加えられる決定動作が用いられる場合には、決定動作が選択機構の移動方向に余計な力を与えることを抑制する(例えば、防止する)ことができ、選択されている項目が決定動作によってずれてしまうことを抑制する(例えば、防止する)ことができる。
例えば、選択操作部の選択機構が動く方向が2次元平面にある場合に、当該2次元平面に平行な方向とは異なる方向を使用する決定動作が用いられる場合(全体の動作が3次元的になった場合)、決定動作が選択機構の移動方向に余計な力を与えることを抑制する(例えば、防止する)ことができ、選択されている項目が決定動作によってずれてしまうことを抑制する(例えば、防止する)ことができる。
【0144】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、平面(2次元平面)上で位置が連続的に変位する選択操作部(本実施形態では、レバー部13の操作レバー、および、レバー部14の操作レバー)と、選択操作部の変位量を電気信号へ変換する変換部(本実施形態では、A/D変換器313)と、決定指示を受け付けるための検出を行う決定センサ(本実施形態では、決定センサ部371の決定センサ)と、決定センサの検出結果に基づく値(信号)が所定条件を満たすことをトリガーとして当該電気信号に基づいた処理を行う実行部(本実施形態では、CPU319)と、を備える。
当該処理としては、特に限定はなく、例えば、画像の表示、音の出力、光の出力、または、振動の発生などのうちの1以上の処理が用いられてもよい。
【0145】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、決定センサ部の決定センサとして、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ、地磁気を検出する地磁気センサ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0146】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、所定条件として、決定センサの検出結果に基づく値が、1個以上の閾値を用いた所定の範囲にあるという条件が用いられてもよい。
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、所定条件として、決定センサの検出結果に基づく値の正負が反転したという条件が用いられてもよい。
【0147】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、選択操作部の選択機構の変位量が所定の領域ごとに区切られており、変換部は当該変位量を当該領域に紐づいた電気信号に変換する構成が用いられてもよい。
このような構成により、本実施形態に係る入力装置1では、例えば、予期(または、想定など)していない微小な揺れなどの影響が選択機構に与えられることを抑制する(例えば、防止する)ことが可能である。
【0148】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、選択操作部の選択機構に磁石および磁気センサを備え、当該選択機構の変位量に応じた磁気(あるいは、磁力、または、磁場)を当該磁気センサにより検出し、当該磁気センサの検出結果を変換部により変換し、当該変位量を電気信号に変換する。
このような構成により、本実施形態に係る入力装置1では、例えば、選択機構の変位量を非接触で取得することができるため、擦れによる摩耗を防ぎ易くなり、また、配線し易くなる。
【0149】
なお、選択操作部の選択機構の数としては、1以上の任意の数が用いられてもよい。
一例として、選択操作部が1個のピストン等を有しており、当該ピストン等の可変な押し量に応じて項目を選択する構成が用いられてもよい。
他の例として、選択操作部が2個以上のピストン等を有しており、これら2個以上のピストン等の可変な押し量の組み合わせに応じて項目を選択する構成が用いられてもよい。
選択機構としては、必ずしもピストン状の操作レバーの機構が用いられなくてもよく、例えば、1個以上のボタン、1個以上のスイッチ、または、1個以上のジョイスティックなどが用いられてもよい。
【0150】
また、選択操作部の選択機構の変位量を検出する手法としては、必ずしも磁気を用いる手法が用いられなくてもよく、他の手法が用いられてもよい。
また、選択機構により選択されている項目を特定する手法として、例えば、圧力センサを用いてピストン等に圧力が加えられている箇所に応じて項目を特定する手法、または、電気的な導通を検出するセンサを用いてピストン等と筐体とが導通している箇所に応じて項目を特定する手法などが用いられてもよい。
【0151】
また、選択可能な項目としては、必ずしも
図7~
図9に示されるような項目(例えば、コマンド)が用いられなくてもよく、他の任意の項目が用いられてもよい。
また、選択可能な項目の数としては、任意の数であってもよい。
【0152】
以上のように、本実施形態に係る入力装置1では、人の操作感覚に合わせて、操作性を向上させることができる。
本実施形態では、操作精度を向上させたスマートインプットデバイス(入力装置1)を実現することができる。
【0153】
本実施形態に係る入力装置1では、ユーザーの片手によって把持することができる筐体11と、ユーザーの1つの指によって1軸で動かすことができる複数の操作部(例えば、操作レバー)と、を有する。これにより、入力装置1では、多くの対話文等の辞書(コマンドテーブル)を検索して、ユーザーによって指定されるコマンドを決定することができる。
本実施形態では、例えば、ユーザーの複数の指のそれぞれに異なる操作レバーが設置され、これら複数の操作レバーの操作量(押し込み量)の組み合わせに応じてコマンドが割り当てられる。
本実施形態に係る入力装置1では、少ない指の操作で多数のコマンドを選択することができ、動かしづらい小指あるいは薬指を使用しなくても入力操作が可能な構成とすることができる。なお、他の構成例として、小指あるいは薬指を入力操作に使用する構成が用いられてもよい。
【0154】
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0155】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0156】
また、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0157】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0158】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0159】
[付記]
以下で、(構成例1)~(構成例5)を示す。
以下に示されるような各構成例(各構成要件)が様々に組み合わされた入力装置が実施されてもよい。
【0160】
(構成例1)
項目を選択する操作を受け付ける選択操作部と、
前記選択操作部以外の箇所に設けられているセンサと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記センサの検出結果に基づく値が所定条件を満たすことを判定した場合、前記選択操作部の操作によって選択されている前記項目に対応する処理を実行する、
入力装置。
なお、前記センサの一例は、実施形態における決定センサである。
【0161】
(構成例2)
前記センサは、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ、または、地磁気を検出する地磁気センサ、のうちの少なくとも1つを含む、
(構成例1)に記載の入力装置。
【0162】
(構成例3)
前記所定条件は、少なくとも、前記センサの検出結果に基づく値が1個以上の閾値を用いた所定の範囲にあるという条件を含む、
(構成例1)または(構成例2)に記載の入力装置。
【0163】
(構成例4)
前記所定条件は、少なくとも、前記センサの検出結果に基づく値の正負が反転したという条件を含む、
(構成例1)から(構成例3)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0164】
(構成例5)
前記選択操作部は、操作量が可変である機構を有しており、
前記選択操作部は、前記操作量に対応する前記項目を選択する、
(構成例1)から(構成例4)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0165】
(構成例6)
前記選択操作部の前記機構は、相対的に移動する2つの部位の一方に磁石を備え、他方に磁気センサを備えており、
前記制御部は、前記磁気センサの検出結果に基づいて、前記操作量に対応する前記項目を特定する、
(構成例5)に記載の入力装置。
【符号の説明】
【0166】
1…入力装置、11…筐体、12…画面、13、14…レバー部、15…スピーカ、111…手、201…レバー部、211…操作レバー、212…プラスチックバネ部、213…ハウジング、221…磁気センサ取付部、222…磁気センサ基板取付スリット、251、252…磁石、253、311、312…磁気センサ、313…A/D変換器、314…ディスプレイ、315…LED、316…無線モジュール、317…音出力部、318…振動部、319…CPU、321…発話用アンプ、322…スピーカ、331…振動用アンプ、332…振動素子、351…バッテリー、371…決定センサ部、1011、1021、1031…X軸回転の角速度、1012、1022、1032…Y軸回転の角速度、1013、1023、1033…Z軸回転の角速度、1111、1311…閾値、1211、1221、1231…加速度の2乗和、2011…特性、A1…中心線、B1、B2、E1…軸、C1…面、D1、D2…回転方向、d1、d2…方向