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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180934
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ハイブリッド車
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/16 20160101AFI20231214BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20231214BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20231214BHJP
   B60K 6/24 20071001ALI20231214BHJP
   F02D 13/02 20060101ALI20231214BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20231214BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231214BHJP
【FI】
B60W20/16
B60K6/445 ZHV
B60W10/06 900
B60K6/24
F02D13/02 J
F02D13/02 H
B60L50/16
B60L50/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094621
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井戸側 正直
(72)【発明者】
【氏名】内田 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】藪下 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】縄田 英和
(72)【発明者】
【氏名】那須 隼平
(72)【発明者】
【氏名】浅見 良和
(72)【発明者】
【氏名】加地 雅広
【テーマコード(参考)】
3D202
3G092
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202BB09
3D202CC43
3D202DD18
3D202DD20
3D202DD22
3D202EE01
3G092AA06
3G092AA11
3G092AC02
3G092DA08
3G092FA06
3G092GA04
3G092GA08
3G092HA01X
3G092HA09Z
3G092HC09Z
3G092HE01Z
3G092HE03Z
3G092HE06Z
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA04
5H125BD17
(57)【要約】
【課題】急速触媒暖機制御を実行する際の吸気弁の開閉タイミングをより適正なものとする。
【解決手段】点火時期を遅角して運転することにより浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行する際に、エンジンのアイドル運転が指示されているときには、吸気弁の開閉タイミングが第1所定目標バルブタイミングとなるように可変バルブタイミング機構を制御する。アイドル運転しながら触媒暖機を行なうのに適した吸気弁の開閉タイミングとして第1所定目標バルブタイミングを用いることにより、アイドルオン時に触媒暖機制御を実行する際の吸気弁の開閉タイミングをより適正なものとすることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられており、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を有し、筒内噴射弁を有するエンジンと、
前記エンジンの出力軸に機械的に接続された発電可能な第1電動機と、
走行用の動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電装置と、
前記エンジンと前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド車であって、
前記制御装置は、点火時期を遅角して運転することにより前記浄化装置の触媒を暖機する触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されているときには、前記吸気弁の開閉タイミングが第1所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御する、
ことを特徴とするハイブリッド車。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド車であって、
前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されていないときには、前記吸気弁の開閉タイミングが前記第1所定目標バルブタイミングとは異なる第2所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御する、
ハイブリッド車。
【請求項3】
請求項2記載のハイブリッド車であって、
前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されておらず、前記エンジンの定点運転が許可されているか或いは前記エンジンへのトルク要求値が所定値未満であるときには、前記吸気弁の開閉タイミングが第3所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御する、
ハイブリッド車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車に関し、詳しくは、可変バルブバルブタイミング機構を備えるエンジンの出力軸に機械的に接続された発電可能な第1電動機と、走行用の動力を入出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として、排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられており、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を有するエンジンを備えるハイブリッド車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、浄化触媒の暖機要求がなされていて走行用パワーが出力制限相当パワーより大きいときにおいて、触媒暖機程度が所定程度に至っていないときには、触媒暖機程度が所定程度に至った後よりも早いタイミングで吸気バルブが開閉されながらエンジンが運転されるよう制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-071664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浄化装置の触媒暖機を行なう際には、迅速に触媒暖機が完了することが望まれることから、ハイブリッド車の状態によりエンジンの運転を変更することが望まれる。ハイブリッド車の状態として、エンジンに対してアイドル運転が指示されてエンジンからトルク出力が不要である状態のときには、エンジンの運転状態を迅速な触媒暖機に適したものとすることができる。一方、エンジンに対してアイドル運転が指示されておらずエンジンからトルク出力が要求される状態では、エンジンからのトルク出力と触媒暖機との両立を図る必要がある。可変バルブタイミング機構を備えるエンジンでは、吸気弁の開閉バルブタイミングもエンジンの運転状態の一つであるから、触媒暖機の際にも適正な開閉タイミングとすることが望まれる。
【0005】
本発明のハイブリッド車は、触媒暖機制御を実行する際の吸気弁の開閉タイミングをより適正なものとすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のハイブリッド車は、
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられており、吸気弁の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を有し、筒内噴射弁を有するエンジンと、
前記エンジンの出力軸に機械的に接続された発電可能な第1電動機と、
走行用の動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやりとりが可能な蓄電装置と、
前記エンジンと前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御装置と、
を備えるハイブリッド車であって、
前記制御装置は、点火時期を遅角して運転することにより前記浄化装置の触媒を暖機する急速触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されているときには、前記吸気弁の開閉タイミングが第1所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御する、
ことを特徴とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド車では、点火時期を遅角して運転することにより浄化装置の触媒を暖機する急速触媒暖機制御を実行する際に、エンジンのアイドル運転が指示されているとき(アイドルオンのとき)には、吸気弁の開閉タイミングが第1所定目標バルブタイミングとなるように可変バルブタイミング機構を制御する。アイドルオンのときには、エンジンへのトルク要求はなされて得おらず、エンジンは予め定めた回転数でアイドル運転するように制御されるから、これに適した吸気弁の開閉タイミング(第1所定目標バルブタイミング)とすることにより、アイドルオン時に触媒暖機制御を実行する際の吸気弁の開閉タイミングをより適正なものとすることができる。第1所定目標バルブタイミングは、実験や機械学習などにより定めることができる。
【0009】
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されていないときには、前記吸気弁の開閉タイミングが前記第1所定目標バルブタイミングとは異なる第2所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御するものとしてもよい。アイドルオフのときに触媒暖機を行なうときには、エンジンを所定回転数(例えば1100rpmや1300rpmなど)で所定トルク(例えば20Nmや30Nmなど)が出力されるようにして行なう場合がある。このため、こうしたエンジンの運転に適した吸気弁の開閉タイミング(第2所定目標バルブタイミング)とすることにより、アイドルオフ時に触媒暖機制御を実行する際の吸気弁の開閉タイミングをより適正なものとすることができる。第2所定目標バルブタイミングは、実験や機械学習などにより定めることができ、第1所定目標バルブタイミングより遅角側である。
【0010】
本発明のハイブリッド車において、前記制御装置は、前記触媒暖機制御を実行する際に、前記エンジンのアイドル運転が指示されておらず、前記エンジンの定点運転が許可されているか或いは前記エンジンへのトルク要求値が所定値未満であるときには、前記吸気弁の開閉タイミングが第3所定目標バルブタイミングとなるように前記可変バルブタイミング機構を制御するものとしてもよい。第3所定目標バルブタイミングとしては、エンジンへのトルク要求値が所定値未満であるときには吸気弁のバルブタイミングを変更しなくてもエンジンからのトルク出力が可能な開閉タイミングが用いられる。これにより、吸気弁の開閉タイミングを変更することなく、触媒暖機を行ないながらエンジンからトルク要求値までのトルクを出力することができる。第3所定目標バルブタイミングは、第2所定目標バルブタイミングと同一のものとしてもよいが、第2所定目標バルブタイミングより若干進角側としたり、第2所定目標バルブタイミングより若干遅角側としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。
図2】エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
図3】可変バルブタイミング機構160の構成の概略を示す構成図である。
図4】可変バルブタイミング機構160の構成の概略を示す構成図である。
図5】エンジンECU24により実行される通常触媒暖機制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70とを備える。
【0014】
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気、圧縮、膨張(爆発燃焼)、排気の4行程により動力を出力する6気筒の内燃機関として構成されている。図2に示すように、エンジン22は、吸気ポートに燃料供給装置150から低圧供給管153を介して供給される燃料を噴射するポート噴射弁126と、筒内に燃料供給装置150から高圧供給管158を介して供給される燃料を噴射する筒内噴射弁127とを有する。筒内噴射弁127は燃焼室129の頂部の略中央に配置されており、燃料をスプレー状に噴射する。点火プラグ130は、筒内噴射弁127からスプレー状に噴霧される燃料に点火できるように筒内噴射弁127の近傍に配置されている。エンジン22は、ポート噴射弁126と筒内噴射弁127とを有することにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転可能となっている。ポート噴射モードでは、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124やサージタンク125を通過させると共に、吸気管123のサージタンク125よりも下流側のポート噴射弁126から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、シリンダボア内でそのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト23の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室129に吸入し、吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。共用噴射モードでは、空気を燃焼室129に吸入する際にポート噴射弁126から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。これらの噴射モードは、エンジン22の運転状態に基づいて切り替えられる。燃焼室129から排気バルブ133を介して排気管134に排出される排気は、浄化装置135を介して外気に排出される。浄化装置135は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)135aを有する。
【0015】
燃料供給装置150は、燃料タンク151内の燃料をエンジン22のポート噴射弁126や筒内噴射弁127に供給する装置として構成されている。燃料供給装置150は、燃料タンク151と、フィードポンプ152と、低圧供給管153と、逆止弁154と、リリーフ管155と、リリーフバルブ156と、高圧ポンプ157と、高圧供給管158とを備える。
【0016】
フィードポンプ152は、図示しないバッテリからの電力の供給を受けて作動する電動ポンプとして構成されており、燃料タンク151内に配置されている。このフィードポンプ152は、燃料タンク151内の燃料を低圧供給管153に供給する。低圧供給管153は、ポート噴射弁126に接続されている。逆止弁154は、低圧供給管153に設けられており、フィードポンプ152側からポート噴射弁126側の方向の燃料の流れを許容すると共に逆方向の燃料の流れを規制する。
【0017】
リリーフ管155は、低圧供給管153と燃料タンク151とに接続されている。リリーフバルブ156は、リリーフ管155に設けられ、低圧供給管153内の燃圧が閾値Pflolim未満のときには閉弁すると共に低圧供給管153内の燃圧が閾値Pflolim以上のときには開弁する。リリーフバルブ156が開弁すると、低圧供給管153内の燃料の一部がリリーフ管155を介して燃料タンク151に戻される。このようにして、低圧供給管153内の燃圧が過剰になるのを抑制する。
【0018】
高圧ポンプ157は、エンジン22からの動力(実施例では、吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト119の回転)により駆動されると共に低圧供給管153の燃料を加圧して高圧供給管158に供給するポンプとして構成されている。高圧ポンプ157は、その吸入口に接続されて燃料を加圧する際に開閉する電磁バルブ157aと、その吐出口に接続されて燃料の逆流を規制すると共に高圧供給管158内の燃圧を保持するチェックバルブ157bと、エンジン22の回転(インテークカムシャフト119の回転)により作動する(図1における上下方向に移動する)プランジャ157cとを有する。この高圧ポンプ157は、エンジン22の運転中に、電磁バルブ157aが開弁されたときに、低圧供給管153の燃料を吸入し、電磁バルブ157aが閉弁されたときに、プランジャ157cによって圧縮した燃料をチェックバルブ157bを介して高圧供給管158に断続的に送り込むことにより、高圧供給管158に供給する燃料を加圧する。
【0019】
また、エンジン22は、インテークカムシャフト119に、吸気バルブ128の開閉タイミングVT(開タイミングVToinおよび閉タイミングVTcin)を作動角(開タイミングVToinと閉タイミングVTcinとの間の角度)を維持した状態で連続的に変更可能な可変バルブタイミング機構160を備える。図3および図4は、可変バルブタイミング機構160の構成の概略を示す構成図である。
【0020】
可変バルブタイミング機構160は、図示するように、ベーン式のVVTコントローラ162と、ベーンポジションセンサ163と、オイルコントロールバルブ166と、を備える。VVTコントローラ162は、ハウジング部162aと、ベーン部162bと、図示しないアシストスプリングと、により構成されている。ハウジング部162aは、各バンクのクランクシャフト23にタイミングチェーン172を介して接続されたタイミングギヤ174に固定されている。ベーン部162bは、吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト119に固定されている。アシストスプリングは、両端がハウジング部162aとベーン部162bとに取り付けられており、ベーン部162bを進角方向に付勢している。ベーンポジションセンサ163は、ベーン部162bの位置を検出する。オイルコントロールバルブ166は、スリーブ,スプール弁,リニアソレノイド,プランジャなどを有する周知のオイルコントロールバルブとして構成されており、図示しない電流調整部から供給される電流に応じて作動して(スプール弁が移動して)VVTコントローラ162の進角側油室および遅角側油室に油圧を作用させる。
【0021】
可変バルブタイミング機構160では、オイルコントロールバルブ166を介してVVTコントローラ162の進角側油室および遅角側油室に作用させる油圧を調節することにより、ハウジング部162aに対してベーン部162bを相対的に回転させる。これにより、吸気バルブ128の開閉タイミングVTにおけるインテークカムシャフト119の角度を連続的に変更する。実施例では、エンジン22から効率よく動力を出力可能な吸気バルブ128の開閉タイミングVTに対応するインテークカムシャフト119の角度を基準角とする。そして、インテークカムシャフト119の角度をその基準角よりも進角させることにより、エンジン22から高トルクを出力可能な運転状態とすることができる。また、インテークカムシャフト119の角度を遅角側の所定角度(例えば、最遅角)とすることにより、エンジン22の気筒内の圧力変動を小さくし、エンジン22の運転停止や始動に適した運転状態とすることができる。
【0022】
エンジン22は、エンジンECU24により運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。
【0023】
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフト119の回転位置や排気バルブ133を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ124aからのスロットル開度THや、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ123aからの吸入空気量Qa、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられた温度センサ123tからの吸気温Ta、サージタンク125に取り付けられた圧力センサ125aからのサージ圧Psも挙げることができる。排気管134の浄化装置135よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ137からのフロント空燃比AF1や、排気管134の浄化装置135とPMフィルタ136との間に取り付けられたリヤ空燃比センサ138からのリヤ空燃比AF2も挙げることができる。燃料タンク151に取り付けられた燃温センサ151tからの燃温Tftnkや、フィードポンプ152に取り付けられた回転数センサ152aからのフィードポンプ152の回転数Np、低圧供給管153のポート噴射弁126付近(例えば、低圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ153pからの低圧燃圧(ポート噴射弁126に供給する燃料の圧力)PL、高圧供給管158の筒内噴射弁127付近(例えば、高圧デリバリパイプ)に取り付けられた燃圧センサ158pからの高圧燃圧(筒内噴射弁127に供給する燃料の圧力)PHも挙げることができる。
【0024】
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124への制御信号や、ポート噴射弁126への制御信号、筒内噴射弁127への制御信号、点火プラグ130への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構160への制御信号などを挙げることができる。燃料供給装置150のフィードポンプ152への制御信号や、高圧ポンプ157の電磁バルブ157aへの制御信号も挙げることができる。
【0025】
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのエンジン22のクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、エアフローメータ123aからの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。
【0026】
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪39a,39bにデファレンシャルギヤ38を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、エンジン22のクランクシャフト23が接続されている。
【0027】
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
【0028】
モータECU40は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置センサからの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる相電流を検出する図示しない電流センサからの相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2を挙げることができる。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置センサからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や回転数Nm1,Nm2を演算している。
【0029】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42に接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
【0030】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に取り付けられた図示しない電圧センサからのバッテリ50の電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた図示しない電流センサからのバッテリ50の電流Ib、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力量の割合である。
【0031】
HVECU70は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速Vも挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
【0032】
こうして構成された実施例のハイブリッド車20では、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40との協調制御により、基本的には、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)と、エンジン22の運転を伴わずに走行する電動走行モード(EV走行モード)と、を切り替えてエンジン22を間欠運転しながら走行する。
【0033】
HV走行モードでは、基本的には、HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に要求される)走行用トルクTd*を設定し、設定した走行用トルクTd*に駆動軸36の回転数Nd(モータMG2の回転数Nm2)を乗じて走行に要求される走行用パワーPd*を演算する。続いて、走行用パワーPd*とバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいてエンジン22の目標パワーPe*を設定し、エンジン22から目標パワーPe*が出力されると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。
【0034】
エンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいて運転されるように、エンジン22の運転制御、例えば、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御、開閉タイミング制御などを行なう。吸入空気量制御は、スロットルバルブ124の開度を制御することにより行なわれる。燃料噴射制御は、ポート噴射モードや筒内噴射モード、共用噴射モードでポート噴射弁126や筒内噴射弁127からの燃料噴射量を制御することにより行なわれる。点火制御は、点火プラグ130の点火時期を制御することにより行なわれる。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようにインバータ41,42の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0035】
EV走行モードでは、HVECU70は、HV走行モードと同様に走行用トルクTd*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に走行用トルクTd*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。モータECU40によるインバータ41,42の制御については上述した。
【0036】
HV走行モードでは、目標パワーPe*がパワー閾値Peref未満に至ったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判定して、エンジン22を運転停止してEV走行モードに移行する。EV走行モードでは、HV走行モードと同様に演算した目標パワーPe*がパワー閾値(Peref+α)以上に至ったときなどに、エンジン22の始動条件が成立したと判定して、エンジン22を始動してHV走行モードに移行する。
【0037】
実施例のハイブリッド車20では、エンジン22の排気管134に取り付けられた浄化装置135の浄化触媒(三元触媒)135aに対して触媒暖機を行なう。浄化装置135の触媒暖機は、触媒温度Tcが活性化する温度未満の所定温度以下の条件やアクセルオフの条件が成立しているときに行なわれる。触媒暖機としては、通常触媒暖機と急速触媒暖機とがある。通常触媒暖機は、エンジン22の回転数Neを所定回転数(例えば1300rpmなど)Nsetで維持すると共に、筒内噴射弁127から吸気行程で1回~3回の燃料噴射を行なって燃焼室129の混合気を均質なものとし、点火時期を通常時期より遅角したベース点火時期近傍として爆発燃焼(均質燃焼)させることにより行なわれる。急速触媒暖機は、エンジン22の回転数Neを所定回転数(例えば1300rpmなど)Nsetで維持すると共に、筒内噴射弁127から吸気行程で燃料噴射を行なうだけでなく最終の燃料噴射を圧縮行程で行なって燃焼室129の混合気のうち点火プラグ130近傍の混合気の燃料濃度を高くした状態で点火時期を通常触媒暖機のベース点火時期より更に遅角したベース点火時期近傍として爆発燃焼(成層燃焼)させることにより行なう。点火時期を遅角すると、燃焼効率が低下するため、吸入空気量を増やすことによってエンジン22の回転数Neを維持する一方で、燃焼ガス量が増えることにより、エミッション成分の絶対量も増えるが、触媒暖機は促進される。したがって、急速触媒暖機は、通常触媒暖機に比して、点火時期を更に遅角することによって触媒暖機の更なる促進を図ることができる。なお、急速触媒暖機では、吸気行程や圧縮行程で1回~3回の燃料噴射を行ない、最終の燃料噴射を膨張行程で行なうと共にこの膨張行程における燃料噴射と同期して点火して爆発燃焼(成層燃焼)する場合もある。
【0038】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド車20の動作、特に、通常触媒暖機制御の最中の吸気バルブ128の開閉タイミングを設定する際の動作について説明する。図5は、エンジンECU24により実行される通常触媒暖機制御の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図5の通常触媒暖機制御が実行されると、エンジンECU24は、まず、エンジン22のアイドル運転が指示されているか否か(アイドルオンかアイドルオフか)を判定する(ステップS100)。アイドルオンであると判定したときには、エンジン22を所定回転数Nsetで自律運転(アイドル運転)するように且つ点火時期Tpを通常のアイドル運転時の時期Tp0より大幅に遅角した時期Tp1としてアイドルオン時の触媒暖機制御を実行すると共に(ステップS110)、可変バルブタイミング機構160の目標バルブタイミングを第1所定目標バルブタイミングに設定し(ステップS120)、本処理を終了する。第1所定目標バルブタイミングは、触媒暖機が促進するように実験や機械学習などにより定めることができる。なお、アイドルオン時の触媒暖機制御では、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsetとなるように点火時期Tpや吸入空気量Qaがフィードバック制御される。
【0040】
ステップS100でアイドルオフであると判定したときには、エンジン22の定点運転が許可されているか否か、エンジン22へのトルク要求値が所定値未満であるか否か、を判定する(ステップS130)。エンジン22の定点運転が許可されておらず且つエンジン22へのトルク要求値が所定値以上であると判定したときには、エンジン22を所定回転数Nsetでエンジン22から所定トルクTset(例えば20Nmや30Nmなど)が出力されるように且つ点火時期Tpをアイドルオン時の時期Tp1よりは若干進角した時期Tp2としてアイドルオフ時の触媒暖機制御を実行すると共に(ステップS140)、可変バルブタイミング機構160の目標バルブタイミングを第2所定目標バルブタイミングに設定し(ステップS150)、本処理を終了する。第2所定目標バルブタイミングは、エンジン22から所定トルクTsetを出力しながら触媒暖機を促進するように実験や機械学習などにより定めることができ、第1所定目標バルブタイミングより遅角側である。
【0041】
ステップS130でエンジン22の定点運転が許可されているか或いはエンジン22へのトルク要求値が所定値未満であると判定したときには、エンジン22を所定回転数Nsetでエンジン22から所定トルクTset(例えば20Nmや30Nmなど)が出力されるように且つ点火時期Tpをアイドルオン時の時期Tp1よりは若干遅角した時期Tp3とし、アイドルオフ時の所定触媒暖機制御を実行すると共に(ステップS160)、可変バルブタイミング機構160の目標バルブタイミングを第3所定目標バルブタイミングに設定し(ステップS170)、本処理を終了する。第3所定目標バルブタイミングは、触媒暖機を実行している最中では、所定トルクTsetまでのトルクを走行用のトルクとしてエンジン22から出力することができ、触媒暖機を中断すれば(点火時期Tpを早めれば)、開閉タイミングを変更することなく、ある一定のトルク(所定トルクTsetより大きなトルク)までのトルクを走行用のトルクとしてエンジン22から出力することができる。このため、ある一定のトルクまでのエンジン22へのトルク要求に対して、急速触媒暖機の実行と中断とを切り替えるものの、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更することなく、対応することができる。なお、第3所定目標バルブタイミングとしては、第2所定目標バルブタイミングと同一としてもよいし相違するものとしてもよい。実施例では、アイドルオフ時の触媒暖機制御として第2所定目標バルブタイミングを用いているため、その連続性を考慮して第3所定目標バルブタイミングとして第2所定目標バルブタイミングと同一のタイミングを用いた。
【0042】
以上説明した実施例のハイブリッド車20では、アイドルオンのときに触媒暖機を行なうときには、吸気バルブ128の開閉タイミングとして第1所定目標バルブタイミングを設定する。これにより、アイドルオン時に触媒暖機制御を実行する際の吸気バルブ128の開閉タイミングをより適正なものとすることができる。
【0043】
また、実施例のハイブリッド車20では、アイドルオフのときに触媒暖機を行なうときには、吸気バルブ128の開閉タイミングとして、アイドルオンのときの第1所定目標バルブタイミングとは異なる第2所定目標バルブタイミングを設定する。これにより、アイドルオフ時に触媒暖機制御を実行する際の吸気バルブ128の開閉タイミングをより適正なものとすることができる。
【0044】
実施例のハイブリッド車20では、アイドルオフのときにエンジン22の定点運転が許可されているか或いはエンジン22へのトルク要求値が所定値未満であると判定したときには、吸気バルブ128の開閉タイミングとして第3所定目標バルブタイミング(実施例では、第2所定目標バルブタイミングと同一)を設定する。これにより、所定トルクTsetより大きなある一定のトルクまでのエンジン22へのトルク要求に対して、触媒暖機の実行と中断とを切り替えるものの、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更することなく、対応することができる。
【0045】
実施例のハイブリッド車20では、アイドルオフのときにエンジン22の定点運転が許可されているか或いはエンジン22へのトルク要求値が所定値未満であると判定したときには、アイドルオフのときに急速触媒暖機を行なうときと同様に、吸気バルブ128の開閉タイミングとして第2所定目標バルブタイミングと同一の第3所定目標バルブタイミングを設定するものとした。しかし、第3所定目標バルブタイミングは、第2所定目標バルブタイミングとは異なるタイミングとしてもよい。この場合、第3所定目標バルブタイミングは、第2所定目標バルブタイミングより進角側としてもよいし、遅角側としても構わない。
【0046】
実施例のハイブリッド車20では、エンジン22として、筒内噴射弁127が燃焼室129の頂部の略中央に配置されているものを用いたが、筒内噴射弁127が燃焼室129の側壁(サイド)に配置されているエンジンを用いるものとしても構わない。
【0047】
実施例のハイブリッド車20では、エンジン22として、ポート噴射弁126と筒内噴射弁127とを備えるものを用いたが、ポート噴射弁を備えずに筒内噴射弁だけを備えるエンジンを用いるものとしても構わない。
【0048】
実施例のハイブリッド車20では、蓄電装置として、バッテリ50を用いるものとしたが、蓄電可能な装置であればよく、キャパシタなどを用いるものとしてもよい。
【0049】
実施例のハイブリッド車20では、エンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とHVECU70とを備えるものとしたが、これらのうちの少なくとも2つを単一の電子制御ユニットとして構成するものとしてもよい。
【0050】
実施例では、本発明を、エンジン22とモータMG1,MG2とプラネタリギヤ30とを備えるハイブリッド車20に適用する場合について説明した。しかし、エンジンと、エンジンの出力軸に機械的に接続された発電可能な第1モータと、走行用の動力を入出力可能な第2モータとを備えるハイブリッド車であれば、如何なる構成のハイブリッド車としても構わない。
【0051】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、浄化装置135が「浄化装置」に相当し、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1電動機」に相当し、モータMG2が「第2電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電装置」に相当し、エンジンECU24とモータECU40とHVECU70とが「制御装置」に相当する。
【0052】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0053】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
20 ハイブリッド車、22 エンジン、23 クランクシャフト、24 エンジンECU、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリECU、54 電力ライン、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、119 インテークカムシャフト、122 エアクリーナ、123 吸気管、123a エアフローメータ、123t 温度センサ、124 スロットルバルブ、124a スロットルバルブポジションセンサ、125 サージタンク、125a 圧力センサ、126 ポート噴射弁、127 筒内噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気バルブ、134 排気管、135 浄化装置、135a 浄化触媒、136 PMフィルタ、136a 差圧センサ、137 フロント空燃比センサ、138 リヤ空燃比センサ、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、150 燃料供給装置、151 燃料タンク、151t 燃温センサ、152 フィードポンプ、152a 回転数センサ、153 低圧供給管、153p 燃圧センサ、154 逆止弁、155 リリーフ管、156 リリーフバルブ、157 高圧ポンプ、157a 電磁バルブ、157b チェックバルブ、157c プランジャ、158 高圧供給管、158p 燃圧センサ、160 可変バルブタイミング機構、162 VVTコントローラ、162a ハウジング部、162b ベーン部、163 ベーンポジションセンサ、166 オイルコントロールバルブ、172 タイミングチェーン、174 タイミングギヤ、MG1,MG2 モータ。
図1
図2
図3
図4
図5