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特開2023-18094アロステリックSHP2阻害剤としてのピリジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018094
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】アロステリックSHP2阻害剤としてのピリジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20230131BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230131BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230131BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230131BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230131BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230131BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20230131BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20230131BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61P43/00 111
A61P9/00
A61P35/02
A61P35/00
C07D401/14
C07D491/107
A61K31/4545
A61K31/438
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022187880
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2019539779の分割
【原出願日】2018-01-09
(31)【優先権主張番号】62/449,529
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519011784
【氏名又は名称】レヴォリューション・メディスンズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ジル
(72)【発明者】
【氏名】ナイン・エーイ
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・メレム
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・バックル
(72)【発明者】
【氏名】エレナ・エス・コルトン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・セムコ
(72)【発明者】
【氏名】ガート・キス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】SHP2の活性を阻害できる化合物を提供する。
【解決手段】式I-Y1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。

(A:5~12員の単環式または多環式のシクロアルキルなど。R:H、Dなど。R:OH、CN、C~Cアルキルなど。R:H、C~Cアルキルなど。R:H、D、C~Cアルキルなど。Y:Sまたは直接結合。Y:NHなど。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I-Y1:
【化1】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付
着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【請求項2】
は-NR-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は-(CR -である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
は-S-である、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
は直接結合である、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
は、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
は、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
は-Hである、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-(CHNH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
は-Hである、請求項10から13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
は、場合により置換されている-C~Cアルキルである、請求項10から13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
は、場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである、請求項10から13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
は、場合により置換されている-C~Cアルケニルである、請求項10から13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
式I-Y6:
【化2】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項19】
式I-Y7:
【化3】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、直接結合であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項20】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する、請求項18または19に記載の化合物。
【請求項21】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する、請求項18または19に記載の化合物。
【請求項22】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する、請求項18または19に記載の化合物。
【請求項23】
およびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである、請求項1から17のいずれか1項の化合物。
【請求項25】
Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである、請求項1から17のいずれか1項の化合物。
【請求項26】
Aは、単環式または多環式のアリールである、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである、請求項1から23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Aはフェニルである、請求項26に記載の化合物。
【請求項29】
Aはピリジニルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
nは1または2である、請求項1から29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NRである、請求項1から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
は独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである、請求項1から31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
は-OHである、請求項1から32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
は-C~Cアルキルである、請求項1から32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
はメチルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
は、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである、請求項1から35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
は、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
は-CH-OHである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
は-Hである、請求項1から35のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
は、-CFOHまたは-CHFOHである、請求項1から36のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
【表1】
【表2】
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【請求項42】
【表3】
【表4】
【表5】
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【請求項43】
請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項44】
請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法。
【請求項45】
疾患は、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんから選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
医薬としての使用のための、請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【請求項47】
SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【請求項48】
SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、請求項1から42のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体の使用。
【請求項49】
請求項43に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法。
【請求項50】
疾患は、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんから選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
医薬としての使用のための、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項52】
SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項53】
SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、請求項43に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2017年1月23日に出願された米国仮出願第62/449,529号の利益を主張し、その内容は、その全体で参照によって本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、疾患または障害の処置において有用なタンパク質チロシンホスファターゼSHP2の阻害剤に関する。詳細には、この開示は、SHP2を阻害する化合物および組成物、SHP2に関連する疾患を処置する方法、ならびにこれらの化合物を合成する方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
SH2ドメイン含有タンパク質チロシンホスファターゼ-2(SHP2)は、増殖、分化、細胞周期維持および遊走を含めた複数の細胞機能に寄与するPTPNl1遺伝子によってコード化される非受容体タンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2は、Ras-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、JAK-STATまたはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKTの経路を介するシグナル伝達に関与する。
【0004】
SHP2は、2つのN末端Src相同2ドメイン(N-SH2およびC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)およびC末端尾部を有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内の局在化および機能調節を制御する。該分子は、N-SH2およびPTPドメインの両方からの残基を伴う結合性ネットワークによって安定化される不活性な自己阻害コンフォメーションに存在する。例えば、サイトカインまたは成長因子による刺激は、触媒部位の曝露に至り、SHP2の酵素的活性化をもたらす。
【0005】
PTPNl1遺伝子および引き続いてSHP2における突然変異は、いくつかのヒト疾患、例えばヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんにおいて同定されている。SHP2は、そのため、様々な疾患の処置のための新規な治療の開発にとって高度に魅力的な標的を表す。本開示の化合物は、SHP2の活性を阻害する小分子の必要性を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、SHP2の活性を阻害できる化合物に関する。本開示は、本明細書において開示されている化合物の製造のためのプロセス、こうした化合物を含む医薬調製物、ならびにSHP2の異所性活性に関連する疾患または障害の管理においてこうした化合物および組成物を使用する方法をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、式I:
【化1】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0008】
本開示の別の態様は、式II:
【化2】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル
、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環また
は5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0009】
本開示の別の態様は、式III:
【化3】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)
NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~C
シクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0010】
本開示の一態様は、式I-X:
【化4】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリ
ール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C
アルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0011】
本開示の一態様は、式I-Y:
【化5】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニ
ル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、NH、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C
アルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0012】
本開示の一態様は、式I-Y1:
【化6】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリー
ル、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
である式I-Yの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0013】
本開示の一態様は、式I-Y6:
【化7】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
である式I-Yの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0014】
本開示の一態様は、式I-Y7:
【化8】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、直接結合であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
である式I-Yの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0015】
本開示の一態様は、式I-Z:
【化9】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-、直接結合、-NH-、-S(O)-、-S(O)-NH-、-C(=CH)-、-CH-または-S(O)-であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R
)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-NH、ハロゲン、-C(O)OR、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリ
ール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、NH、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関する。
【0016】
本開示の別の態様は、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法に関する。
【0017】
本開示の別の態様は、SHP2を阻害する方法に関する。該方法は、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0018】
本開示の別の態様は、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的
に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を対象とする。薬学的に許容される担体は、賦形剤、希釈液または界面活性剤をさらに含むことができる。該医薬組成物は、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置することに有効であり得る。
【0019】
本開示の別の態様は、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)を含む医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法に関する。
【0020】
本開示の別の態様は、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)を含む医薬組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、SHP2を阻害する方法に関する。
【0021】
本開示の別の態様は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)に関する。本開示の一態様は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0022】
本開示の別の態様は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)の使用に関する。本開示の別の態様は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の使用に関する。
【0023】
本開示の別の態様は、医薬としての使用のための、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)に関する。本開示の別の態様は、医薬としての使用のための、本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)を含む医薬組成物に関する。一部の実施形態において、該医薬は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するために使用される。
【0024】
本開示は、SHP2を阻害することにおいて有用である化合物および医薬組成物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の態様において、式I:
【化10】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体が記載され、式中、A、R、R、R、R、Y、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0026】
別の態様において、式II:
【化11】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体が記載され、式中、A、R、R、R、R、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0027】
別の態様において、式III:
【化12】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体が記載され、式中、A、R、R、R、R、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0028】
本開示の一態様は、式I-X:
【化13】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関し、式中、A、R、R、R、R、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0029】
本開示の一態様は、式I-Y:
【化14】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関し、式中、A、R、R、R、R、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0030】
本開示の一態様は、式I-Z:
【化15】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体に関し、式中、A、R、R、R、R、Yおよびnは、上記の通りに記載される。
【0031】
本開示の詳細は、下記の添付記載において説明されている。本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料は、本開示の実践または試験において使用することができるが、例示的な方法および材料がここに記載されている。開示の他の特徴、目的および利点は、記載および請求項から明らかである。本明細書および添付の請求項において、単数形は、別段に文脈が明らかに指示していない限り、複数形も含む。別段に定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的および科学的用語は、この開示が属する当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。この明細書において引用されている全ての特許および公報は、それらの全体で参照により本明細書に組み入れられる。
【0032】
一般情報
「a」および「an」という品詞は、この開示において使用され、該品詞の文法上の目的語の1つまたは1つ超(即ち、少なくとも1つ)を指すことができる。例として、「an element」は、1つの要素または1つ超の要素を意味することができる。
【0033】
「および/または」という用語は、この開示において、おそらく、別段に表示されていない限り「および」または「または」のいずれかを意味するために使用される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」または「場合により」は、引き続いて記載されている事象または状況は発生し得るまたは発生し得ないこと、ならびに該記載は、事象または状況が発生する場合およびそれが発生しない場合を含むことを意味することができる。例えば、「場合により置換されているアリール」は、本明細書において定義されている通りの「アリール」および「置換アリール」の両方を包含することができる。1つまたはそれ以上の置換基を含有する任意の基に関して、こうした基は、立体的に非実際的、合成的に実行不可能および/または本質的に不安定である任意の置換または置換パターンを導入すると意図されないことは、当業者によって理解されよう。
【0035】
「場合により置換されている」という用語は、おそらく、所与の化学的部分(例えば、アルキル基)が他の置換基(例えば、ヘテロ原子)に結合することができる(が、必要とはされていない)ことを意味すると理解される。例えば、場合により置換されているアルキル基は、完全飽和アルキル鎖(即ち、純粋な炭化水素)であり得る。代替として、同じ場合により置換されているアルキル基は、水素と異なる置換基を有することができる。例えば、それは、該鎖に沿った任意の点で、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または本明細書に記載されている任意の他の置換基に結合することができる。したがって、「場合により置換されている」という用語は、所与の化学的部分が他の官能基を含有する潜在性を有するが、任意のさらなる官能基を必ずしも有しているわけでないことを意味することができる。
【0036】
「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニルまたはナフチルなどの単環式基または二環式基を含めて、1個から2個の芳香族環を有する環式の芳香族炭化水素基を指すことができる。2個の芳香族環を含有する場合(二環式、など)、アリール基の芳香族環は、単一の点で接合(例えば、ビフェニル)または縮合する(例えば、ナフチル)ことができる。アリール基は、任意の付着点で、1つまたはそれ以上の置換基、例えば、1個から5個の置換基によって場合により置換することができる。例証的な置換基としては、以下に限定されないが、-H、ハロゲン、-O-C~Cアルキル、-C-Cアルキル、-OC-Cアルケニル、-OC-Cアルキニル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-OH、-OP(O)(OH)、-OC(O)C~Cアルキル、-C(O)C~Cアルキル、-OC(O)OC-Cアルキル、-NH、-NH(C~Cアルキル)、-N(C~Cアルキル)、-S(O)-C~Cアルキル、-S(O)NHC-Cアルキルおよび-S(O)N(C~Cアルキル)が挙げられる。該置換基は、それら自体、場合により置換することができる。
【0037】
別段に具体的に定義されていなければ、「ヘテロアリール」は、N、S、PおよびOから選択される1つまたはそれ以上の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである、5個から24個の環原子の一価または多価の単環式芳香族ラジカルまたは多環式芳香族ラジカルを意味することができる。本明細書において定義されている通りのヘテロアリールは、ヘテロ原子がN、S、PおよびOから選択される二環式複素芳香族基も意味することができる。該用語は、少なくとも1つのこうした芳香族環を有する多縮合環系を含むこともでき、多縮合環系は、下でさらに記載されている。該用語は、ヘテロアリール基が、上記
で定義されている通り、ヘテロアリール(例えば、1,8-ナフチリジニルなどのナフチリジニルを形成する)、複素環、(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジニルなどの1,2,3,4-テトラヒドロナフチリジニルを形成する)、炭素環(例えば、5,6,7,8-テトラヒドロキノリルを形成する)およびアリール(例えば、インダゾリルを形成する)から選択される1個またはそれ以上の環と縮合されることで多縮合環系を形成することができる多縮合環系(例えば、2個、3個または4個の環を含む環系)を含むこともできる。多縮合環系の環は、原子価の要件によって許される場合、縮合、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続することができる。多縮合環系の個々の環は、互いに対して任意の順序で接続することができると理解されるべきである。多縮合環系の付着点(ヘテロアリールについて上記で定義されている通り)は、多縮合環系のヘテロアリール、複素環、アリールまたは炭素環部分を含めた多縮合環系の任意の位置、ならびに炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素)を含めた多縮合環系の任意の適当な原子にあってよいことも理解されるべきである。芳香族ラジカルは、本明細書に記載されている1つまたはそれ以上の置換基で独立して場合により置換され得る。例としては、以下に限定されないが、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、インドリル、チオフェン-2-イル、キノリル、ベンゾピラニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾ[d]イミダゾリル、チエノ[3,2-b]チオフェン、トリアゾリル、トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピラゾリル、フロ[2,3-c]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、インダゾリル、1-メチル-1H-インダゾリル、ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[3,2-c]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、インドリニル、インドリノニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾフラン、クロマニル、チオクロマニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾチアジン、ジヒドロベンゾオキサニル、キノリニル、イソキノリニル、1,6-ナフチリジニル、ベンゾ[de]イソキノリニル、ピリド[4,3-b][1,6]ナフチリジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、キナゾリニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、イソインドリル、イソインドリン-1-オン、インドリン-2-オン、ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ピロロ[3,2-b]ピリジニル、イミダゾ[5,4-b]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、テトラヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジニル、3,4-ジヒドロ-2H-1λ-ピロロ[2,1-b]ピリミジン、ジベンゾ[b,d]チオフェン、ピリジン-2-オン、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1H-ピリド[3,4-b][1,4]チアジニル、2-メチルベンゾ[d]オキサゾリル、1,2,3,4-テトラヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾ[d]イソオキサゾリル、ベンゾ[d]オキサゾリル、フロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾチオフェニル、1,5-ナフチリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、ベンゾ[1,2,3]トリアゾリル、1-メチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、キノキサリニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-オン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[1,5-b][1,2]オキサジニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、チアゾロ[5,4-d]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、チエノ[2,3-b]ピロリル、3H-インドリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、および前述のいずれかの誘導体が挙げられる。
【0038】
「アルキル」は、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素を指すことができる。C~Cアルキル基は、1個から6個の炭素原子を含有する。C~Cアルキル基の例としては、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチル、イソペンチルならびにネオペンチルが挙げられ得る。
【0039】
「アルケニル」という用語は、炭素-炭素二重結合を含有するとともに鎖中に約2個から約6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状であり得る脂肪族炭化水素基を意味することができる。ある特定のアルケニル基は、鎖中に約2個から約4個の炭素原子を有することができる。分枝状とは、1つまたはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、線状アルケニル鎖に付着されていることを意味することができる。例証的なアルケニル基としては、以下に限定されないが、エテニル、プロペニル、n-ブテニルおよびi-ブテニルが挙げられる。C~Cアルケニル基は、2個から6個の間の炭素原子を含有するアルケニル基である。
【0040】
「アルキニル」という用語は、炭素-炭素三重結合を含有するとともに鎖中に約2個から約6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状であり得る脂肪族炭化水素基を意味することができる。ある特定のアルキニル基は、鎖中に約2個から約4個の炭素原子を有することができる。分枝状とは、1つまたはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、線状アルキニル鎖に付着されていることを意味することができる。例証的なアルキニル基としては、以下に限定されないが、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニルおよびn-ペンチニルを挙げることができる。C~Cアルキニル基は、2個から6個の間の炭素原子を含有するアルキニル基である。
【0041】
「シクロアルキル」という用語は、3~18個の炭素原子を含有する単環式または多環式の飽和炭素環を意味することができる。シクロアルキル基の例としては、限定せずに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル、ノルボラニル、ノルボレニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルまたはビシクロ[2.2.2]オクテニルを挙げることができる。C~Cシクロアルキルは、3個から8個の間の炭素原子を含有するシクロアルキル基である。シクロアルキル基は、縮合(例えば、デカリン)または架橋(例えば、ノルボルナン)することができる。
【0042】
「シクロアルケニル」という用語は、4~18個の炭素原子を含有する単環式の非芳香族不飽和炭素環を意味することができる。シクロアルケニル基の例としては、限定せずに、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルおよびノルボレニルを挙げることができる。C~Cシクロアルケニルは、4個から8個の間の炭素原子を含有するシクロアルケニル基である。
【0043】
一部の実施形態において、「ヘテロシクリル」もしくは「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」という用語は、炭素ならびに酸素、リン、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含有するとともに環炭素またはヘテロ原子の間で共有されている非局在化π電子(芳香族性)がない、単環式または多環式の3員から24員の環を指すことができる。ヘテロシクリル環としては、以下に限定されないが、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ピラニル、チオピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサリニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS-オキシド、チオモルホリニルS-ジオキシド、ピペラジニル、アゼピニル、オキセピニル、ジアゼピニル、
トロパニルおよびホモトロパニルを挙げることができる。ヘテロシクリル環またはヘテロシクロアルキル環は、縮合または架橋することもでき、例えば、二環式環であり得る。
【0044】
一部の実施形態において「ヘテロシクリル」もしくは「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」は、少なくとも1個の原子が窒素、硫黄または酸素から選択される3~24個の原子を含有する飽和、部分飽和または不飽和の単環式環または二環式環であり得、別段に特定されていない限り、炭素または窒素連結されており、ここで、-CH-基は、-C(O)-によって場合により置き換えることができ、または環硫黄原子は、場合により酸化されることで、S-オキシドを形成することができる。「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の原子が窒素、硫黄または酸素から選択される5個または6個の原子を含有する飽和、部分飽和または不飽和の単環式環または二環式環であり得、別段に特定されていない限り、炭素または窒素連結されており、ここで、-CH-基は、-C(O)-によって場合により置き換えることができ、または環硫黄原子は、場合により酸化されることで、S-オキシド(単数または複数)を形成する。「ヘテロシクリル」という用語の非限定的な例および適当な値としては、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2-ピロリドニル、2,5-ジオキソピロリジニル、2-ベンゾオキサゾリノニル、1,1-ジオキソテトラヒドロチエニル、2,4-ジオキソイミダゾリジニル、2-オキソ-1,3,4-(4-トリアゾリニル)、2-オキサゾリジノニル、5,6-ジヒドロウラシリル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,2,4-オキサジアゾリル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、4-チアゾリドニル、モルホリノ、2-オキソテトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドリル、ピペラジニル、チオモルホリノ、1,1-ジオキソチオモルホリノ、テトラヒドロピラニル、1,3-ジオキソラニル、ホモピペラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピロリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、ピラニル、インドリル、ピリミジル、チアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジル、4-ピリドニル、キノリルおよび1-イソキノロニルを挙げることができる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基を意味することができる。
【0046】
「カルボニル」という用語は、酸素原子に二重結合されている炭素原子を含む官能基を指すことができる。それは、本明細書において、「オキソ」、C(O)またはC=Oと省略することができる。
【0047】
「スピロ環」または「スピロ環式」は、両環が単一の原子を介して接続されている炭素二環式環(carbogenic bicyclic ring)系を意味することができる。該環は、サイズおよび性質が異なっていてよいまたはサイズおよび性質が同一であってよい。例としては、以下に限定されないが、スピロペンタン、スピロヘキサン、スピロヘプタン、スピロオクタン、スピロノナンまたはスピロデカンを挙げることができる。スピロ環における環の一方または両方は、別の炭素環式環、複素環式環、芳香族環またはヘテロ芳香族環に縮合することができる。スピロ環における炭素原子の1個またはそれ以上は、ヘテロ原子(例えば、O、N、SまたはP)で置換することができる。C~C12スピロ環は、5個から12個の間の炭素原子を含有するスピロ環である。該炭素原子の1個またはそれ以上は、ヘテロ原子で置換することができる。
【0048】
「スピロ環式複素環」、「スピロヘテロシクリル」または「スピロ複素環」という用語は、おそらく、該環の少なくとも1つが複素環である(例えば、該環の少なくとも1つが、フラニル、モルホリニルまたはピペラジニルである)スピロ環を意味すると理解される
。スピロ環式複素環は、少なくとも1個がN、O、SおよびPから選択されるヘテロ原子である5個から12個の間の原子を含有することができる。
【0049】
本開示は、1種またはそれ以上の開示化合物の有効量および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体、希釈液または賦形剤」としては、限定せずに、ヒトまたは家畜における使用が許容されていると合衆国食品医薬品局によって承認された任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈液、保存料、染料/着色料、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、界面活性剤または乳化剤を挙げることができる。
【0050】
本開示は、本明細書に開示されている化合物の薬学的に許容される塩を含むことができる。代表的な「薬学的に許容される塩」としては、例えば、水溶性および水不溶性の塩、例えば酢酸塩、アムソン酸塩(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホネート)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、カルシウム塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フィウナレート塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエート塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、エインボン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド塩および吉草酸塩を挙げることができる。
【0051】
「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩および塩基付加塩の両方も含む。「薬学的に許容される酸付加塩」は、生物学的にまたはその他で望ましくなくないとともに、無機酸、例えば、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸など、ならびに有機酸、例えば、以下に限定されないが、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸の酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸の酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびウンデシレン酸などで形成されることができる、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持するような塩を指すことができる。
【0052】
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、生物学的にまたはその他で望ましくなくない、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持するような塩を指すことができる。これらの塩
は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の添加から製造され得る。無機塩基から誘導される塩としては、以下に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩およびアルミニウム塩などを挙げることができる。例えば、無機塩としては、以下に限定されないが、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩を挙げることができる。有機塩基から誘導される塩としては、以下に限定されないが、第一級、第二級および第三級アミン、自然置換アミンを含めた置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン類、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジンおよびポリアミン樹脂などの塩を挙げることができる。
【0053】
「互変異性体」という用語は、同じ数および型の原子を有するが結合接続性が異なり互いに平衡状態である一連の化合物を指すことができる。「互変異性体」は、この一連の化合物の単一のメンバーである。典型的に、単一の互変異性体が描かれているが、この単一の構造は、存在し得る全ての可能な互変異性体を表すことができると意味されることが理解され得る。例としては、エノール-ケトン互変異性が挙げられる。ケトンが描かれている場合、エノール形態およびケトン形態の両方が本開示の一部であると理解され得る。
【0054】
本開示は、本明細書に記載されている化合物のプロドラッグを含むことができる。「プロドラッグ」という用語は、この開示において使用される場合、インビボにおいて代謝手段によって(例えば、加水分解によって)開示化合物に変換可能である化合物を意味することができる。さらに、本明細書で使用される場合、プロドラッグは、体内で不活性であるが体内にて典型的に胃腸管から吸収中または吸収後のいずれかで活性化合物に転化することができる薬物であり得る。体内におけるプロドラッグから活性化合物への変換は、化学的または生物学的に(即ち、酵素を使用する)行うことができる。
【0055】
本開示は、本明細書に記載されている化合物の溶媒和物を含むことができる。「溶媒和物」という用語は、溶質および溶媒によって形成される可変化学量論の複合体を指すことができる。本開示の目的のためのこうした溶媒は、溶質の生物学的活性に干渉しないことがある。適当な溶媒の例としては、以下に限定されないが、水、MeOH、EtOHおよびAcOHを挙げることができる。水が溶媒分子である溶媒和物は、水和物と典型的に称される。水和物は、化学量論量の水を含有する組成物、ならびに可変量の水を含有する組成物を含むことができる。
【0056】
本開示は、本明細書に記載されている化合物の異性体を含むことができる。「異性体」という用語は、同じ組成物および分子量を有するが物理的および/または化学的な特性が異なる化合物を指すことができる。構造差は、構成(幾何異性体)に、または偏光の平面を回転させる能力(立体異性体)にあり得る。立体異性体に関して、本開示の化合物は、1個またはそれ以上の不斉炭素原子を有することができ、ラセミ体、ラセミ混合物、および個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして生じることができる。
【0057】
本開示は、本明細書に記載されている化合物の立体異性体を含むことができる。「立体異性体」という用語は、原子の同じ数および型を有するとともにそれらの原子間に同じ結合接続性を共有するが三次元構造が異なる該一連の化合物を指すことができる。「立体異性体」という用語は、この一連の化合物の任意のメンバーを指すことができる。例えば、
立体異性体は、エナンチオマーまたはジアステレオマーであり得る。
【0058】
加えて、本開示は、全ての幾何学的異性体および位置異性体を包含することができる。例えば、本開示の化合物が二重結合または縮合環を組み込むならば、シスおよびトランス形態の両方ならびに混合物が、本開示の範疇内に包含される。該化合物が二重結合を含有するならば、置換基は、EまたはZ立体配置であり得る。該化合物が二置換シクロアルキルを含有するならば、シクロアルキル置換基は、シスまたはトランス立体配置を有し得る。
【0059】
「エナンチオマー」という用語は、互いに重ねることができない鏡像である1対の立体異性体を指すことができる。「エナンチオマー」という用語は、この対の立体異性体の単一のメンバーを指すことができる。「ラセミの」という用語は、1対のエナンチオマーの1:1混合物を指すことができる。本開示は、本明細書に記載されている化合物のエナンチオマーを含むことができる。本明細書において開示されている各化合物は、化合物の一般構造に適合する全てのエナンチオマーを含む。該化合物は、ラセミ形態もしくはエナンチオマー的に純粋な形態、または立体化学の観点における任意の他の形態であり得る。一部の実施形態において、該化合物は(S)-エナンチオマーであり得る。他の実施形態において、該化合物は(R)-エナンチオマーであり得る。なお他の実施形態において、該化合物は、(+)または(-)エナンチオマーであり得る。
【0060】
一部の実施形態において、本開示の化合物および組成物は、本明細書に記載されている化合物の1つのエナンチオマーを主に提供するために富化することができる。エナンチオマー的に富化された混合物は、例えば、1つのエナンチオマーを少なくとも60molパーセント、またはより好ましくは少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5もしくはさらに100molパーセント含むことができる。一部の実施形態において、1つのエナンチオマーで富化された本明細書に記載されている化合物は、他のエナンチオマーを実質的に含み得ず、ここで、実質的に含まずとは、当該の物質が、例えば、該組成物または化合物混合物において、他のエナンチオマーの量と比較した場合に、10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満を構成することを意味することができる。例えば、組成物または化合物混合物が、第1のエナンチオマー98グラムおよび第2のエナンチオマー2グラムを含有するならば、第1のエナンチオマーを98molパーセントおよび第2のエナンチオマーを2molパーセントだけ含有すると言える。
【0061】
「ジアステレオマー」という用語は、単結合周りの回転によって重ねることができない一連の立体異性体を指すことができる。例えば、シスおよびトランス二重結合、二環式環系上のエンドおよびエキソ置換、ならびに異なる相対的立体配置を有する複数の不斉中心を含有する化合物は、ジアステレオマーであると考えられ得る。「ジアステレオマー」という用語は、この一連の化合物の任意のメンバーを指すことができる。提示されている一部の例において、合成経路は、単一のジアステレオマーまたはジアステレオマーの混合物を生成することができる。本開示は、本明細書に記載されている化合物のジアステレオマーを含むことができる。
【0062】
一部の実施形態において、本開示の化合物および組成物は、本明細書において開示されている化合物の1つのジアステレオマーを主に提供するために富化することができる。ジアステレオマー的に富化された混合物は、例えば、1つのジアステレオマーを少なくとも60molパーセント、またはより好ましくは少なくとも75、99、95、96、97、98、99もしくはさらに100molパーセント含むことができる。
【0063】
本明細書に記載されている化合物は、全ての薬学的に許容される同位体標識化化合物を
さらに含む。「同位体的に」または「放射標識化された」化合物は、1個またはそれ以上の原子が、自然界で典型的に見出される(即ち、自然発生の)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているまたは置換されている化合物であり得る。例えば、一部の実施形態において、本明細書に記載されている化合物において、水素原子は、1つまたはそれ以上の重水素またはトリチウムによって置き換えられているまたは置換されている。この開示のある特定の同位体標識化化合物、例えば、放射性同位元素を組み込むものは、薬物および/または基質組織分布の研究において有用であり得る。放射性同位元素トリチウム、即ちH、および炭素14、即ち14Cは、それらの組み込み簡便さおよび容易な検出手段の点からこの目的に特に有用であり得る。より重い同位体、例えば重水素、即ちHとの置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または投与量要求の低減に起因するある特定の治療的利点を可能にすることができ、それゆえに、一部の状況において好ましいことがある。本明細書に記載されている化合物に組み込むことができる適当な同位体としては、以下に限定されないが、H(重水素についてDとも記述される)、H(トリチウムについてTとも記述される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125Iおよび131Iが挙げられる。ポジトロン放出性同位体、例えば11C、18F、15Oおよび13Nとの置換は、ポジトロンエミッショントモグラフィー(PET)研究において有用であり得る。
【0064】
化合物に関連して使用される場合の「有効量」は、本明細書に記載されている通りの対象における疾患を処置または防止するのに有効な量であり得る。
【0065】
「担体」という用語は、この開示において使用される場合、担体、賦形剤および希釈剤を包含し得、医薬剤を保有するまたは対象の1つの器官または身体の一部から別の器官または身体の一部に輸送することに関与する材料、組成物またはビヒクル、例えば液体または固体の充填剤、希釈液、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料を意味することができる。
【0066】
対象に関して「処置すること」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症状を改善することを指すことができる。処置することは、障害を治癒すること、改善することまたは少なくとも部分的に寛解させることを含むことができる。
【0067】
対象に関して「防止する」または「防止すること」という用語は、疾患または障害が対象を苦しめないようにすることを指すことができる。防止することは予防処置を含むことができる。例えば、防止することは、対象が疾患に苦しめられる前に本明細書において開示されている1種またはそれ以上の化合物を対象に投与することを含み、投与は、対象が疾患に苦しめられないようにする。
【0068】
「障害」という用語は、この開示において使用され、別段に表示されていない限り疾患、状態または疾病という用語と相互交換可能に使用され得る。
【0069】
「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、この開示において使用される場合、1種もしくはそれ以上の開示化合物、もしくは1種もしくはそれ以上の開示化合物の薬学的に許容される塩、もしくは1種またはそれ以上の開示化合物を含む組成物のいずれかを対象に直接投与すること、または1種もしくはそれ以上の開示化合物のプロドラッグ誘導体もしくは類似体、もしくは1種もしくはそれ以上の開示化合物もしくは組成物の薬学的に許容される塩を対象に投与することを指すことができ、これは、対象の体内で等量の活性化合物を形成することができる。
【0070】
「患者」または「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、
イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、または非ヒト霊長類、例えばモンキー、チンパンジー、ヒヒまたはアカゲザルであり得る。
【0071】
本開示の化合物
本開示の化合物としては、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、および前述のいずれかの薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体が挙げられる。
【0072】
式Iの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-A:
【化16】
(式中:
Aは、アリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R
-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0073】
式Iの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-B:
【化17】
(式中:
Aは、ヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロ
アルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0074】
式Iの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-C:
【化18】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複
素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0075】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0076】
式I-Cの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式I-Cの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。式I-Cの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-S-である。式I-Cの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは直接結合である。
【0077】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0078】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0079】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0080】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0081】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0082】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0083】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0084】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0085】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、または-OHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0086】
式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Cの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0087】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-A:
【化19】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0088】
式II-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-A1:
【化20】
(式中:
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0089】
式II-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-A2:
【化21】
の化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0090】
式II-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-A3:
【化22】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0091】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B:
【化23】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0092】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B1:
【化24】
(式中:
Bは、それが付着されている炭素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0093】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B2:
【化25】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0094】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B3:
【化26】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0095】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B4:
【化27】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0096】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B5:
【化28】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0097】
式II-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-B6:
【化29】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0098】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-C:
【化30】
(式中:
Bは、3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、または-NHで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0099】
式II-Cの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-C1:
【化31】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0100】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-D:
【化32】
(式中:
Bは、3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、または-NHで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0101】
式II-Dの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-D1:
【化33】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0102】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-E:
【化34】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0103】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-F:
【化35】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0104】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-G:
【化36】
(式中、Rは、アリールまたはヘテロアリールである)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0105】
式IIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式II-H:
【化37】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキ
ル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0106】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0107】
式II-Hの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式II-Hの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。
【0108】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0109】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0110】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0111】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0112】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0113】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0114】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0115】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、または-OHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0116】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0117】
式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式II-Hの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、
それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0118】
式IIIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式III-A:
【化38】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0119】
式III-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式III-A1:
【化39】
(式中:
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0120】
式III-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式III-A2:
【化40】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または
異性体である。
【0121】
式III-Aの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式III-A3:
【化41】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0122】
式IIIの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式III-B:
【化42】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O
)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0123】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~C
ルキルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0124】
式III-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式III-Bの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。
【0125】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0126】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0127】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0128】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0129】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0130】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0131】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素
環を形成する。
【0132】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0133】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0134】
式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式III-Bの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0135】
式I-Xの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-X1:
【化43】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケ
ニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は、-H、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~C
シクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0136】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0137】
式I-X1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式I-X1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。式I-X1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-S-である。式I-X1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは直接結合である。
【0138】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0139】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0140】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0141】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0142】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0143】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0144】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0145】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0146】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0147】
式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NHまたは-OHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-X1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0148】
式I-Yの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-Y1:
【化44】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0149】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0150】
式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-S-である。式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは直接結合である。
【0151】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0152】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0153】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0154】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0155】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0156】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0157】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されて
いる3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0158】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0159】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0160】
式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0161】
式I-YまたはI-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は
、式I-Y2:
【化45】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0162】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0163】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0164】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0165】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0166】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0167】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されて
いる3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0168】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0169】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0170】
式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y2の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0171】
式I-YまたはI-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-Y3:
【化46】
(式中:
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。ある特定のこうした実施形態において、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている。
【0172】
式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0173】
式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0174】
式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0175】
式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0176】
式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y3の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0177】
式I-YまたはI-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は
、式I-Y4:
【化47】
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0178】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0179】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0180】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0181】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0182】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0183】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されて
いる3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0184】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0185】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0186】
式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y4の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0187】
式I-YまたはI-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-Y5:
【化48】
(式中:
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。ある特定のこうした実施形態において、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている。
【0188】
式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0189】
式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0190】
式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0191】
式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0192】
式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y5の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0193】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2ま
たはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0194】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、フェニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0195】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0196】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、ピリジニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0197】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0198】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、フェニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0199】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0200】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y2またはI-Y4の化合物を提供する:
a)Aは、ピリジニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されて
いる5員から12員のスピロ複素環を形成する;
f)Rは、-CH-OHである。
【0201】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0202】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、フェニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0203】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0204】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、ピリジニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0205】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0206】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、フェニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0207】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0208】
本開示は、以下の特徴の1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上を有する式I-Y3またはI-Y5の化合物を提供する:
a)Aは、ピリジニルである;
b)nは独立して、各出現で、1または2である;
c)Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NHである;
d)Rは、場合により置換されている-C~Cアルキル、例えばメチル、または-OHである;
e)Bは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環である;
f)Rは、-CH-OHである。
【0209】
式I-Yまたは式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物
は、式I-Y6:
【化49】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0210】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0211】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0212】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリ
ジニルである。
【0213】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0214】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0215】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0216】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0217】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0218】
式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y6の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0219】
式I-Yまたは式I-Y1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-Y7:
【化50】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、直接結合であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0220】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0221】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0222】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0223】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0224】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0225】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0226】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0227】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0228】
式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Y7の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0229】
式I-Zの化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、化合物は、式I-Z1:
【化51】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-、直接結合、-NH-、-S(O)-、-S(O)-NH-、-C(=CH)-、-CH-または-S(O)-であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、F、Br、I、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体である。
【0230】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CH-OHである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-C~Cハロアルキルまたは-C~Cヒドロキシアルキルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0231】
式I-Z1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式I-Z1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。式I-Z1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-S-である。式I-Z1の化合物の1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは直接結合である。
【0232】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のシクロアルキルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0233】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、0、1、2または3である。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、nは独立して、各出現で、1または2である。
【0234】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、ハロゲンまたは-NRである。ある特定のこうした実施形態において、RおよびRは、両方とも-Hである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである。
【0235】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rはメチルである。
【0236】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。
【0237】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。
【0238】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0239】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-NH、-OH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキルまたは-NHで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0240】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。
【0241】
式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式I-Z1の1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0242】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはフェニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Aはピリジニルである。
【0243】
式I、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-S-である。式I、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは直接結合である。
【0244】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-NR-である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-(CR -である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは-C(O)-である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは、-C(RNH-または-(CR O-である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(S)-または-C(S)N(R)-である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-または-C(O)N(R)O-である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Yは、-C(O)O-、-OC(O)-または-OC(O)O-である。
【0245】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲン、-OH、-CNおよび-NRから選択される。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲン、-OHおよび-NRから選択される。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、場合により置換されている-C~Cアルキル、ハロゲンおよび-NRから選択される。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロ、ブロモおよび-NHから選択される。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロおよび-NHから選択される。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-Hまたはハロゲンである。ある特定のこうした実施形態において、ハロゲンはクロロである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは独立して、各出現で、-Hまたは-NHである。
【0246】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、-C~Cアルキルはメチルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-CNである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルケニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cシクロアルケニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rはアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されているヘテロシクリルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されているヘテロアリールである。
【0247】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-OHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。
【0248】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RはHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されているC~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルケニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されているヘテロシクリルである。
【0249】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である。
【0250】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-Hである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで置換されている-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-OHで置換されている-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは-CHOHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、Rは、-CFOHまたは-CHFOHである。
【0251】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する。
【0252】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている単環式または多環式の3員から12員のシクロアルキルを形成する。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つまたはそれ以上の実施形態において、RおよびRは、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている単環式または多環式の3員から12員の複素環を形成する。
【0253】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つの変形において、Rは-C~Cアルキルであり、RはHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-C~Cアルキルであり、Rは-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-C~Cアルキルであり、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで置換されている-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-C~Cアルキルであり、Rは、-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CHOHである。
【0254】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つの変形において、Rは-OHであり、RはHである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-OHであり、Rは-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-OHであり、Rは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで置換されている-C~Cアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Rは-OHであり、Rは、-OHで置換されている-C~Cアルキルである。ある特定のこうした実施形態において、Rは-CHOHである。
【0255】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つの変形において、YはSであり、Aは、場合により置換されている5員から12員の単環式または多環式のシクロア
ルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、YはSであり、Aは、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、YはSであり、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、YはSであり、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、YはSであり、Aはフェニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、YはSであり、Aはピリジニルである。
【0256】
式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの1つの変形において、Yは直接結合であり、Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Yは直接結合であり、Aは、場合により置換されている単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Yは直接結合であり、Aは、単環式または多環式のアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Yは直接結合であり、Aは、単環式または多環式のヘテロアリールである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Yは直接結合であり、Aはフェニルである。式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zのある特定の例において、Yは直接結合であり、Aはピリジニルである。
【0257】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本開示の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物)は:
【表1】
【表2】
および前述のいずれかの薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体から選択することができる。
【0258】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本開示の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物)は:
【表3】
【表4】
【表5】
から選択することができる。
【0259】
開示化合物を合成する方法
本開示の化合物は、標準化学を含めて、様々な方法によって作製することができる。適当な合成経路は、下記に示されているスキームに図示されている。
【0260】
本明細書に記載されている式のいずれかの化合物は、以下の合成スキームおよび実施例
によって一部説明されている通り、有機合成の技術分野において公知の方法によって製造することができる。下に記載されているスキームにおいて、感受性基または反応性基のための保護基は、一般の原則または化学に従って必要な場合に用いられることがよく理解される。保護基は、有機合成の標準的方法(T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、Wiley、New York 1999)に従って操作される。これらの基は、当業者に容易に明らかである方法を使用して、化合物合成の好都合な段階で除去される。選択プロセス、ならびに反応条件およびそれらの実行の順序は、本開示の化合物の製造と一致する。
【0261】
当業者は、立体中心が本開示の化合物のいずれかに存在するかどうかを認識されよう。したがって、本開示は、(合成において特定されていない限り)両方の可能な立体異性体を含み、ラセミ化合物だけでなく個々のエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーも同様に含むことができる。化合物が単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして所望される場合、それは、立体特異的合成によってまたは最終生成物もしくは任意の好都合な中間体の分割によって得ることができる。最終生成物、中間体または出発材料の分割は、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって達成することができる。例えば、E.L.Eliel、S.H.WilenおよびL.N.Manderによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley-lnterscience、1994)を参照されたい。
【0262】
化合物の製造
本明細書に記載されている化合物は、市販されている出発材料から作製することができ、または公知の有機、無機および/もしくは酵素的プロセスを使用して合成することができる。
【0263】
本開示の化合物は、有機合成の当業者周知の多数のやり方で製造することができる。例として、本開示の化合物は、合成有機化学の技術分野において公知の合成方法または当業者によって認識されているその変形と一緒に、下に記載されている方法を使用して合成することができる。これらの方法としては、以下に限定されないが、下に記載されているような方法が挙げられる。
【0264】
スキーム1. 5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-3-メチルピリジンの一般的合成
【化52】
5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-3-メチルピリジンの一般的合成は、スキーム1に概説されている。2,5-ジブロモ-3-メチルピリジンは、銅触媒(例えば、CuI)の存在下で置換アリールまたはヘテロアリール1-チオールにカップリングすることができる。結果として得られたチオエーテルは次いで、置換第一級または第二級アミンにカップリングすることで、5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-3-メチルピリジンを得ることができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護および/または官能化ステップが必要な場合がある。
【0265】
スキーム2. 5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-3-メチルピリ
ジンの一般的合成
【化53】
5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-3-メチルピリジンの一般的合成は、スキーム2に概説されている。2,5-ジブロモ-3-メチルピリジンは、パラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl)の存在下で置換アリールまたはヘテロアリールボロン酸にカップリングすることができる。結果として得られたビアリール中間体は次いで、置換第一級または第二級アミンにカップリングすることで、5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-3-メチルピリジンを得ることができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護および/または官能化ステップが必要な場合がある。
【0266】
スキーム3. 5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-メチルピリジンおよび5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-メチルピリジンの一般的合成
【化54】
5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-メチルピリジンの一般的合成は、スキーム3に概説されている。5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-3-メチルピリジンは、臭素化することができ、その後、カルボニル化が続く。結果として得られたエステル中間体は、引き続いて還元することで、5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-メチルピリジンを生成することができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護および/または官能化ステップが必要な場合がある。
【0267】
スキーム4. 5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-ヒドロキシピリジンおよび5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-ヒドロキシピリジンの一般的合成
【化55】
5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-ヒドロキシピリジンsおよび5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-メチルヒドロキシ-3-ヒドロキシピリジンの一般的合成は、スキーム4に概説されている。2,5-ジブロモ-3-ベンジルオキシピリジンは、置換アリール(またはヘテロアリール)ボロン酸または置換アリールもしくはヘテロアリール1-チオールにカップリングすることができる。結果として得られた中間体は次いで、置換第一級または第二級アミンにカップリングすることで、5-アミノ-3-ベンジルオキシピリジンを得ることができる。後続の臭素化、続いてカルボニル化は、5-アミノ-2-アリール-(またはヘテロアリール)-6-カルボキシエチル-3-ベンジルヒドロキシピリジンおよび5-アミノ-2-チオアリール-(またはチオヘテロアリール)-6-カルボキシエチル-3-ベンジルヒドロキシピリジンの形成をもたらす。結果として得られたエステル中間体は、引き続いて還元することができる。最終化合物を生成するために、追加の脱保護および/または官能化ステップが必要な場合がある。
【0268】
開示されている化合物および組成物を使用する方法
本開示の方法および使用
本開示の別の態様は、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法に関する。該方法は、SHP2モジュレーションに関連する疾患または障害のための処置を必要とする患者に、本開示の1種もしくはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)または本開示の1種もしくはそれ以上の医薬組成物の有効量を投与することを伴うことができる。一部の実施形態において、疾患は、以下に限定されないが、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病ならびに乳房、肺および結腸のがんであり得る。SHP2は、血小板由来成長因子(PDGF
-R)、線維芽細胞成長因子(FGF-R)および上皮成長因子(EGF-R)の受容体を含めて、様々な受容体チロシンキナーゼにとって重要な下流シグナル伝達分子である。SHP2は、がんの発症のための前提条件である細胞形質転換に至り得るマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路の活性化にとって重要な下流シグナル伝達分子でもある。SHP2のノックダウンは、SHP2突然変異またはEML4/ALK転移を有する肺がん細胞株、ならびにEGFR増幅乳がんおよび食道がんの細胞成長を著しく阻害した。SHP2は、その上、胃癌腫、未分化大細胞リンパ腫および神経膠芽腫における癌遺伝子の下流で活性化される。
【0269】
加えて、SHP2は、以下に限定されないが、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)および細胞傷害性T-リンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)を含めて、免疫チェックポイント分子由来のシグナルを伝達するのに役割を果たす。この文脈において、SHP2機能のモジュレーションは、免疫活性化、具体的には抗がん免疫応答に至り得る。
【0270】
本開示の別の態様は、SHP2を阻害する方法を対象とする。該方法は、本開示の1種もしくはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)または本開示の1種もしくはそれ以上の医薬組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを伴う。
【0271】
本開示は、SHP2の活性をモジュレートできる(例えば、阻害できる)本明細書において開示されている化合物または組成物に関する。本開示は、こうした化合物および組成物の治療的使用にも関する。
【0272】
1種またはそれ以上の開示されている化合物または組成物は、対象において障害を処置もしくは防止するおよび/またはその発症を防止するための有効量で投与することができる。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物1000nM未満を用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約10nMから約100nMを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物10nMから100nMを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物10nM未満を用いる処置後に阻害される。
【0273】
1種またはそれ以上の開示されている化合物または組成物は、対象において障害を処置もしくは防止するおよび/またはその発症を防止するための有効量で投与することができる。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物1000nM未満を用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約1nmから約10nmを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約10nMから約100nMを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約100nMから約10μMを用いる処置後に阻害される。
【0274】
本開示の別の態様は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、本開示の1種もしくはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)または本開示の1種もしくはそれ以上の組成物に関する。一部の実施形態において、疾患は、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病ならびに乳房、肺および結腸のがんである。SHP2は、血小板由来成長因子(PDGF-R)、線維芽細胞成長因子(FGF-R)および上皮成長因子(EGF-R)の受容体を含めて、様々な受容体チロシンキナーゼにとって重要な下流シグナル伝達分子である
。SHP2は、がんの発症のための前提条件である細胞形質転換に至り得るマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路の活性化にとって重要な下流シグナル伝達分子でもある。SHP2のノックダウンは、SHP2突然変異またはEML4/ALK転移を有する肺がん細胞株ならびにEGFR増幅乳がんおよび食道がんの細胞成長を著しく阻害した。SHP2は、その上、胃癌腫、未分化大細胞リンパ腫および神経膠芽腫における癌遺伝子の下流で活性化される。
【0275】
別の態様において、本開示は、疾患を処置または防止するための医薬の製造における、本開示の1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)の使用に関する。一部の実施形態において、疾患は、SHP2モジュレーションに関連する。
【0276】
別の態様において、本開示は、医薬としての使用のための、本開示の1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)に関する。一部の実施形態において、該医薬は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するために使用される。
【0277】
一態様において、本開示は、医薬としての使用のための、本開示の1種またはそれ以上の化合物(例えば、式I、II、III、I-X、I-YまたはI-Zの化合物、およびその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体または異性体)を含む1種またはそれ以上の組成物に関する。一部の実施形態において、該医薬は、SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するために使用される。
【0278】
本開示の医薬組成物および投与モード
本開示の別の態様は、本開示の1種またはそれ以上の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。薬学的に許容される担体は、賦形剤、希釈液または界面活性剤をさらに含むことができる。
【0279】
本開示の組成物は、それぞれ従来の混合、顆粒化またはコーティングの方法に従って製造することができ、本医薬組成物は、重量または体積により1種またはそれ以上の開示化合物を約0.1%から約99%、約5%から約90%、または約1%から約20%含有することができる。
【0280】
開示されている化合物および組成物の投与は、治療剤の任意の投与モードを介して達成することができる。これらのモードとしては、全身性または局所性投与、例えば経口、経鼻、非経口、静脈内、経皮、皮下、腟内、頬側、直腸または局所の投与モードを挙げることができる。
【0281】
意図される投与モードに依存して、開示されている化合物または医薬組成物は、例えば、時々単位投与量でおよび従来の薬務と一致する、注射剤、錠剤、坐剤、丸剤、徐放性カプセル、エリキシル、チンキ剤、エマルジョン、シロップ、粉末、液体または懸濁液など、固体、半固体または液体剤形であり得る。同様に、それらは、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下または筋肉内の形態、および医薬技術分野の当業者周知の形態を使用する全てで投与することもできる。
【0282】
例示的な医薬組成物としては、本開示の1種またはそれ以上の化合物および薬学的に許容される担体、例えば、以下に限定されないが、a)希釈液、例えば、精製水、トリグリセリド油、例えば水素化もしくは部分硬化植物油、もしくはその混合物、コーン油、オリ
ーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、魚油、例えばEPAもしくはDHA、もしくはそれらのエステルもしくはトリグリセリド、もしくはその混合物、オメガ-3脂肪酸もしくはその誘導体、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコースおよび/またはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、それのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび/またはポリエチレングリコール;その上錠剤用に;c)バインダー、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、天然糖、例えばグルコースもしくはベータ-ラクトース、コーン甘味料、天然もしくは合成ガム、例えばアカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウム、ワックスおよび/またはポリビニルピロリドン、所望であれば;d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸もしくはそれのナトリウム塩、または発泡性混合物;e)吸収剤、着色料、風味料および甘味料;f)乳化剤または分散剤、例えばツイーン80、ラブラソール、HPMC、DOSS、カプロイル909、ラブラファク、ラブラフィル、ペセオール、トランスクトール、カプムルMCM、カプムルPG-12、カプテックス355、ゲルシア、ビタミンETGPSまたは他の許容される乳化剤;ならびに/またはg)化合物の吸収を増強する薬剤、例えばシクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-シクロデキストリン、PEG400、PEG200を含む錠剤およびゼラチンカプセルを挙げることができる。
【0283】
液体、特に注射可能な組成物は、例えば、溶解、分散などによって製造することができる。例えば、1種またはそれ以上の開示化合物は、薬学的に許容される溶媒、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセリン、エタノールなどの中に溶解されるまたはそれと混合されて、それによって注射可能な等張溶液または懸濁液を形成する。タンパク質、例えばアルブミン、カイロミクロン粒子、または血清タンパク質は、開示化合物を可溶化するために使用することができる。
【0284】
1種またはそれ以上の開示化合物または組成物は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造することができる坐剤として;プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールを使用して担体として製剤化することもできる。
【0285】
1種またはそれ以上の開示化合物または組成物は、小単層小胞、大単層小胞および多層状小胞などのリポソーム送達システムの形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンを含有する様々なリン脂質から形成することができる。一部の実施形態において、脂質構成成分の膜は、内容が本明細書によって参照によって組み入れられる米国特許第5,262,564号に記載されている通り、薬物の水溶液で水和されることで薬物をカプセル化する脂質層を形成する。
【0286】
1種またはそれ以上の開示されている化合物または組成物は、開示化合物がカップリングされる個々の担体として、モノクローナル抗体の使用によって送達することもできる。開示化合物は、標的化可能な薬物担体として、可溶性ポリマーとカップリングすることもできる。こうしたポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパンアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキシドポリリジンを挙げることができる。さらに、1種またはそれ以上の開示化合物は、薬物の制御放出を達成することにおいて有用な生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングすることができる。一部の実施形態において、1種または
それ以上の開示化合物は、ポリマー、例えば、ポリカルボン酸ポリマーまたはポリアクリレートに共有結合的に結合されない。
【0287】
1種またはそれ以上の開示化合物または組成物は、非経口投与によって送達することができる。非経口注射剤投与は、一般に、皮下、筋肉内または静脈内の注射および注入のために使用される。注射剤は、従来の形態で、注射の前に液体中に溶解させるのに適当な溶液形態または懸濁液形態または固体形態のいずれかとして調製することができる。
【0288】
本開示の投与レジメン
1種またはそれ以上の開示化合物または組成物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種別、年齢、重量、性別および病状;処置されるべき状態の重症度;投与の経路;患者の腎機能または肝機能;ならびに用いられる特別な開示化合物を含めて、様々な因子に従って選択され得る。当業における通常技能の医師または獣医は、状態の進行を防止、対抗または抑止するのに必要とされる薬物の有効量を容易に決定および処方することができる。
【0289】
開示化合物の有効投薬量は、表示効果のために使用される場合、状態を処置するために必要とされるのに応じて開示化合物約0.5mgから約5000mgを範囲とすることができる。インビボまたはインビトロの使用のための組成物は、開示化合物約0.5mg、5mg、20mg、50mg、75mg、100mg、150mg、250mg、500mg、750mg、1000mg、1250mg、2500mg、3500mgまたは5000mgを含有することができ、または用量のリストにおける1つの量から別の量の範囲であり得る。一部の実施形態において、該組成物は、切れ目を入れることができる錠剤の形態である。
【0290】
所望であれば、この開示の1種またはそれ以上の化合物または組成物の有効な日用量は、場合により単位剤形で、1日を通して適切な間隔で別々に投与される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のサブ用量として投与することができる。この開示の一部の実施形態において、この開示の1種もしくはそれ以上の化合物もしくは組成物またはその混合物は、1日2回または3回投与することができる。一部の実施形態において、この開示の1種またはそれ以上の化合物または組成物は、1日1回投与される。
【0291】
一部の実施形態において、本明細書に記載されている1種またはそれ以上の化合物または組成物は、単独でもしくは一緒に使用することができ、または共同投与することができ、または別の型の治療剤との組合せで使用することができる。共同投与または組合せで使用されるのは、前に投与された治療的化合物または組成物が体内でまだ有効である間に第2の化合物または組成物が投与されるような、2つ以上の異なる治療的化合物または組成物の任意の投与形態を指すことができる。例えば、異なる治療的化合物または組成物は、同じ製剤または別々の製剤のいずれかにおいて、同時に、逐次に、または処置の個々の構成成分を別々の投薬によってのいずれかで投与することができる。一部の実施形態において、異なる治療的化合物または組成物は、互いに1時間内、12時間内、24時間内、36時間内、48時間内、72時間内または1週間内に投与することができる。したがって、こうした処置を受容する個体は、異なる治療的化合物または組成物の組合せ効果から利益を得ることができる。
【0292】
キット
一部の実施形態において、この開示は、この開示の少なくとも1種の化合物または組成物が充填された1つまたはそれ以上の容器を含む医薬パッケージまたはキットも提供する。こうした容器(単数または複数)に場合により関連するのは、医薬品または生物学的生成物の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式における通知で
あり得、この通知は、(a)ヒト投与についての製造、使用または販売の機関による認可、(b)使用説明書、または両方を反映する。一部の実施形態において、該キットは少なくとも2つの容器を含み、このうちの少なくとも1つは、この開示の少なくとも1種の化合物または組成物を含有する。一部の実施形態において、該キットは少なくとも2つの容器を含有し、少なくとも2つの容器の各々は、この開示の少なくとも1種の化合物または組成物を含有する。
【0293】
一部の実施形態において、該キットは、対象化合物および組成物の送達を容易にするために追加の材料を含む。例えば、該キットは、カテーテル、管類、注入バッグおよびシリンジなどの1つまたはそれ以上を含むことができる。一部の実施形態において、該化合物および組成物は凍結乾燥形態でパッケージ化され得、該キットは、少なくとも2つの容器:凍結乾燥させた化合物または組成物を含む容器および適当な量の水、緩衝液、または凍結乾燥材料を再構成するのに適当な他の液体を含む容器を含む。
【0294】
前述は、本明細書に記載されている化合物、組成物、方法および使用のいずれにも当てはまる。この開示は、こうした化合物、組成物、方法および使用と(単独でまたは組合せで)、このセクションに記載されている様々なキットについて記載されている特徴との特徴の任意の組合せを具体的に企図する。
【0295】
例証的な実施形態
この開示の一部の実施形態は、以下の通り、実施形態Iである:
【0296】
実施形態I-1。式I:
【化56】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニ
ル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C
アルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0297】
実施形態I-2。Aが、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキルである、実施形態I-1の化合物。
【0298】
実施形態I-3。Aが、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである、実施形態I-1の化合物。
【0299】
実施形態I-4。Aが単環式または多環式アリールである、実施形態I-1のの化合物。
【0300】
実施形態I-5。Aが単環式または多環式ヘテロアリールである、実施形態I-1の化合物。
【0301】
実施形態I-6。Yが-S-である、実施形態I-1からI-5のいずれか1種の化合物。
【0302】
実施形態I-7。Yが直接結合である、実施形態I-1からI-5のいずれか1種の化合物。
【0303】
実施形態I-8。Yが-NR-である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0304】
実施形態I-9。Yが-(CR -である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0305】
実施形態I-10。Yが-C(O)-である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0306】
実施形態I-11。Yが-C(RNH-または-(CR O-である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0307】
実施形態I-12。Yが-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(S)-、または-C(S)N(R)-である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0308】
実施形態I-13。Yが-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、または-C(O)N(R)O-である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0309】
実施形態I-14。Yが-C(O)O-、-OC(O)-、または-OC(O)O-
である、実施形態I-1からI-7のいずれか1種の化合物。
【0310】
実施形態I-15。Rが-ORである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0311】
実施形態I-16。Rが、-C~Cアルキルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0312】
実施形態I-17。Rが-CNである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0313】
実施形態I-18。R2が-C2~Cアルケニルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0314】
実施形態I-19。Rが-C~Cシクロアルケニルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0315】
実施形態I-20。Rが-C~Cアルキニルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0316】
実施形態I-21。Rが-C~Cシクロアルキルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0317】
実施形態I-22。Rがアリールである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0318】
実施形態I-23。Rが、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0319】
実施形態I-24。Rが、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールである、実施形態I-1からI-14のいずれか1種の化合物。
【0320】
実施形態I-25。Rが-Hである、実施形態I-1からI-24のいずれか1種の化合物。
【0321】
実施形態I-26。Rが-OHである、実施形態I-1からI-24のいずれか1種の化合物。
【0322】
実施形態I-27。Rが-C~Cシクロアルキルである、実施形態I-1からI-24のいずれか1種の化合物。
【0323】
実施形態I-28。Rが-C~Cアルキルである、実施形態I-1からI-24のいずれか1種の化合物。
【0324】
実施形態I-29。Rが-Hである、実施形態I-1からI-28のいずれか1種の化合物。
【0325】
実施形態I-30。Rが場合により置換されているC~Cアルキルである、実施
形態I-1からI-28のいずれか1種の化合物。
【0326】
実施形態I-31。Rが場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである、実施形態I-1からI-28のいずれか1種の化合物。
【0327】
実施形態I-32。Rが場合により置換されている-C~Cアルケニルである、実施形態I-1からI-28のいずれか1種の化合物。
【0328】
実施形態I-33。Rが、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルである、実施形態I-1からI-28のいずれか1種の化合物。
【0329】
実施形態I-34。Rが場合により置換されている-C~Cアルキルである、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0330】
実施形態I-35。Rが、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0331】
実施形態I-36。Rが、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0332】
実施形態I-37。Rが、場合により置換されている5員から12員の多環式複素環である、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0333】
実施形態I-38。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0334】
実施形態I-39。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0335】
実施形態I-40。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する、実施形態I-1からI-33のいずれか1種の化合物。
【0336】
実施形態I-41。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている単環式または多環式の3員から12員のシクロアルキルを形成する、実施形態I-1からI-24またはI-29からI-37のいずれか1種の化合物。
【0337】
実施形態I-42。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、場合により置換されている単環式または多環式の3員から12員の複素環を形成する、実施形態I-1からI-24またはI-29からI-37のいずれか1種の化合物。
【0338】
実施形態I-43。式I-A:
【化57】
(式中:
Aは、アリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロ
アルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0339】
実施形態I-44。式I-B:
【化58】
(式中:
Aは、ヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ
複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0340】
実施形態I-45。式II:
【化59】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)
、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR
、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0341】
実施形態I-46。式II-A:
【化60】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-45の化合物。
【0342】
実施形態I-47。式II-A1:
【化61】
(式中:
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-46の化合物。
【0343】
実施形態I-48。式II-A2:
【化62】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-46の化合物。
【0344】
実施形態I-49。式II-A3:
【化63】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-46の化合物。
【0345】
実施形態I-50。式II-B:
【化64】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-45の化合物。
【0346】
実施形態I-51。式II-B1:
【化65】
(式中:
Bは、それが付着されている炭素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0347】
実施形態I-52。式II-B2:
【化66】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0348】
実施形態I-53。式II-B3:
【化67】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0349】
実施形態I-54。式II-B4:
【化68】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0350】
実施形態I-55。式II-B5:
【化69】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0351】
実施形態I-56。式II-B6:
【化70】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-50の化合物。
【0352】
実施形態I-57。式II-C:
【化71】
(式中:
Bは、3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-45の化合物。
【0353】
実施形態I-58。式II-C1:
【化72】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-57の化合物。
【0354】
実施形態I-59。式II-D:
【化73】
(式中:
Bは、3員から12員の単環式または多環式の複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-57の化合物。
【0355】
実施形態I-60。式II-D1:
【化74】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-57の化合物。
【0356】
実施形態I-61。式II-E:
【化75】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-45の化合物。
【0357】
実施形態I-62。式II-F:
【化76】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-45の化合物。
【0358】
実施形態I-63。式II-G:
【化77】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体であり、式中、Rがアリールまたはヘテロアリールである、実施形態I-45の化合物。
【0359】
実施形態I-64。式III:
【化78】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロ
アルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-Dまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0360】
実施形態I-65。式III-A:
【化79】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-64の化合物。
【0361】
実施形態I-66。式III-A1:
【化80】
(式中
Bは、それが付着されている窒素原子と一緒に、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されている)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-65の化合物。
【0362】
実施形態I-67。式III-A2:
【化81】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-65の化合物。
【0363】
実施形態I-68。式III-A3:
【化82】
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態I-65の化合物。
【0364】
実施形態I-69。
【表6】
【表7】
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0365】
実施形態I-70
実施形態I-1からI-69のいずれか1つの化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0366】
実施形態I-71。実施形態I-1からI-69のいずれか1つの化合物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法。
【0367】
実施形態I-72。疾患が、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんから選択される、実施形態I-71の方法。
【0368】
実施形態I-73。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、実施形態I-1からI-69のいずれか1つの化合物。
【0369】
実施形態I-74。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、実施形態I-1からI-69のいずれか1つの化合物の使用。
【0370】
実施形態I-75。式I-X:
【化83】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキルまたは3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環であり、ここで、各アルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環また
は5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OHまたは-NHで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0371】
実施形態I-76。式I-Y:
【化84】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)
N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環また
は5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、NH、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0372】
実施形態I-77。式I-Z:
【化85】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル
、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-、直接結合、-NH-、-S(O)-、-S(O)-NH-、-C(=CH)-、-CH-または-S(O)-であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OR、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-NH、ハロゲン、-C(O)OR、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素
環、C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHR、-OR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、NH、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0373】
この開示の一部の実施形態は、以下の通り、実施形態IIである:
【0374】
実施形態II-1。式I-Y1:
【化86】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-または直接結合であり;
は、-NR-、-(CR -、-C(O)-、-C(RNH-、-(CR O-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)-、-S(O)N(R)-、-N(R)S(O)-、-N(R)C(O)N(R)-、-N(R)C(S)N(R)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(R)-、-N(R)C(O)O-、-C(O)N(R)O-、-N(R)C(S)-、-C(S)N(R)-または-OC(O)O-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO、-CN、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、-C(O)Rまたは-COであり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NO、オキソ、-CN、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
は、-OH、-CN、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
は独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C~Cシクロアルキルまたは-C~Cアルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NHで場合により置換されており、ここで2つのRは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
は独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cシクロ
アルキル、-C~Cアルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO、オキソ、-CN、-R、-OR、-NR、-SR、-S(O)NR、-S(O)、-NRS(O)NR、-NRS(O)、-S(O)NR、-S(O)R、-NRS(O)NR、-NRS(O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CHOH、-C~Cアルキル、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-C~Cアルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C~Cシクロアルキルまたは-(CH-Rであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-OR、-NHR、-(CHOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は、-H、-D、-C~Cアルキル、-NH-NHR、-NH-OR、-O-NR、-NHC(O)R、-NHC(O)NHR、-NHS(O)、-NHS(O)NHR、-S(O)OH、-C(O)OR、-NH(CHOH、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH、-C(O)R、-OH、-CN、-C(O)NR、-S(O)NR、C~Cシクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、-NHまたはハロゲンで場合により置換されており;または
およびRは、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わされて、単環式もしくは多環式のC~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)-を場合により含み;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR、-SR、ハロゲン、-NR、-NOまたは-CNであり;
およびRは独立して、各出現で、-H、-D、-C~Cアルキル、-C~Cアルケニル、-C~Cシクロアルケニル、-C~Cアルキニル、-C~Cシクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH、-NOまたは-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0375】
実施形態II-2。Yが-NR-である、実施形態II-1の化合物。
【0376】
実施形態II-3。Yが-(CR -である、実施形態II-1の化合物。
【0377】
実施形態II-4。Yが-S-である、実施形態II-1からII-3のいずれか1種の化合物。
【0378】
実施形態II-5。Yが直接結合である、実施形態II-1からII-3のいずれか1種の化合物。
【0379】
実施形態II-6。Rが、場合により置換されている3員から12員の単環式または多環式の複素環である、実施形態II-1からII-5のいずれか1種の化合物。
【0380】
実施形態II-7。Rが、場合により置換されている3員から12員の単環式複素環である、実施形態II-6の化合物。
【0381】
実施形態II-8。Rが、場合により置換されている3員から12員の多環式複素環である、実施形態II-6の化合物。
【0382】
実施形態II-9。Rが-Hである、実施形態II-1からII-8のいずれか1種の化合物。
【0383】
実施形態II-10。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する、実施形態II-1からII-5のいずれか1種の化合物。
【0384】
実施形態II-11。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する、実施形態II-1からII-5のいずれか1種の化合物。
【0385】
実施形態II-12。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する、実施形態II-1からII-5のいずれか1種の化合物。
【0386】
実施形態II-13。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CHNH、-COOR、-CONHR、-CONH(CHCOOR、-NHCOOR、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する、実施形態II-12の化合物。
【0387】
実施形態II-14。Rが-Hである、実施形態II-10からII-13のいずれか1種の化合物。
【0388】
実施形態II-15。Rが、場合により置換されている-C~Cアルキルである、実施形態II-10からII-13のいずれか1種の化合物。
【0389】
実施形態II-16。Rが、場合により置換されている-C~Cシクロアルキルである、実施形態II-10からII-13のいずれか1種の化合物。
【0390】
実施形態II-17。Rが、場合により置換されている-C~Cアルケニルである、実施形態II-10からII-13のいずれか1種の化合物。
【0391】
実施形態II-18。式I-Y6:
【化87】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、-S-であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である、実施形態II-1またはII-2の化合物。
【0392】
実施形態II-19。式I-Y7:
【化88】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のアリールまたはヘテロアリールであり;
は、直接結合であり;
は、-NR-であり;ここで、Yの左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y部分の右側の結合は、描かれている通り、Rに結合されており;
は、Rと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成し、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されており;
は独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、-OH、ハロゲンまたは-NRであり;
は、-C~Cアルキルまたは-OHであり;
は、-H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cヒドロキシアルキル、-CHOH、-CFOHまたは-CHFOHであり、ここで、アルキルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;または
およびRは各々独立して、各出現で、-Hまたは-C~Cアルキルであり;
nは独立して、各出現で、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体である実施形態II-1またはII-2の化合物。
【0393】
実施形態II-20。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の単環式複素環を形成する、実施形態II-18またはII-19の化合物。
【0394】
実施形態II-21。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている3員から12員の多環式複素環を形成する、実施形態II-18またはII-19の化合物。
【0395】
実施形態II-22。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている5員から12員のスピロ複素環を形成する、実施形態II-18またはII-19化合物。
【0396】
実施形態II-23。RおよびRが、それらが付着されている原子と一緒に、組み合わされて、1つまたはそれ以上の-C~Cアルキル、-OH、-NH、-CF、-CHFまたは-CHFで場合により置換されている10員から12員のスピロ複素環を形成する、実施形態II-22の化合物。
【0397】
実施形態II-24。Aが、単環式または多環式のシクロアルキルである、実施形態II-1からII-17のいずれか1種の化合物。
【0398】
実施形態II-25。Aが、単環式または多環式のヘテロシクロアルキルである、実施形態II-1からII-17のいずれか1種の化合物。
【0399】
実施形態II-26。Aが、単環式または多環式のアリールである、実施形態II-1からII-23のいずれか1種の化合物。
【0400】
実施形態II-27。Aが、単環式または多環式のヘテロアリールである、実施形態II-1からII-23のいずれか1種の化合物。
【0401】
実施形態II-28。Aがフェニルである、実施形態II-26の化合物。
【0402】
実施形態II-29。Aがピリジニルである、実施形態II-27の化合物。
【0403】
実施形態II-30。nが、1または2である、実施形態II-1からII-29のいずれか1種の化合物。
【0404】
実施形態II-31。Rが独立して、各出現で、-H、-C~Cアルキル、ハロゲンまたは-NRである、実施形態II-1からII-30のいずれか1種の化合物。
【0405】
実施形態II-32。Rが独立して、各出現で、-H、メチル、フルオロ、クロロまたは-NHである、実施形態II-1からII-31のいずれか1種の化合物。
【0406】
実施形態II-33。Rが-OHである、実施形態II-1からII-32のいずれか1種の化合物。
【0407】
実施形態II-34。Rが-C~Cアルキルである、実施形態II-1からII-32のいずれか1種の化合物。
【0408】
実施形態II-35。Rがメチルである、実施形態II-34の化合物。
【0409】
実施形態II-36。Rが、1つまたはそれ以上の-OH、-NH、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されている-C~Cアルキルである、実施形態II-1からII-35のいずれか1種の化合物。
【0410】
実施形態II-37。Rが、1つまたはそれ以上の-OHで置換されている-C~Cアルキルである、実施形態II-36の化合物。
【0411】
実施形態II-38。Rが-CH-OHである、実施形態II-37の化合物。
【0412】
実施形態II-39。Rが-Hである、実施形態II-1からII-35のいずれか1種の化合物。
【0413】
実施形態II-40。Rが、-CFOHまたは-CHFOHである、実施形態II-1からII-36のいずれか1種の化合物。
【0414】
実施形態II-41。
【表8】
【表9】
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0415】
実施形態II-42。
【表10】
【表11】
【表12】
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0416】
実施形態II-43。実施形態II-1~II-42のいずれか1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0417】
実施形態II-44。実施形態II-1~II-42のいずれか1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法。
【0418】
実施形態II-45。疾患が、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんから選択される、実施形態II-44の方法。
【0419】
実施形態II-46。医薬としての使用のための、実施形態II-1~II-42のいずれか1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0420】
実施形態II-47。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、実施形態II-1~II-42のいずれか1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【0421】
実施形態II-48。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、実施形態II-1~II-42のいずれか1種の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体の使用。
【0422】
実施形態II-49。実施形態II-43の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるSHP2モジュレーションに関連する疾患を処置する方法。
【0423】
実施形態II-50。疾患が、ヌーナン症候群、レオパード症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、メラノーマ、急性骨髄球性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんから選択される、実施形態II-49の方法。
【0424】
実施形態II-51。医薬としての使用のための、実施形態II-43の医薬組成物。
【0425】
実施形態II-52。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止することにおける使用のための、実施形態II-43の医薬組成物。
【0426】
実施形態II-53。SHP2モジュレーションに関連する疾患を処置または防止するための医薬の製造における、実施形態II-43の医薬組成物の使用。
【0427】
〔実施例〕
本開示を以下の実施例および合成例によりさらに例示するが、これらは、範囲または精神において本開示を本明細書に記載されている特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。実施例はある特定の実施形態を例示するために提供されるものであり、これにより本開示の範囲を何ら限定することを意図するものではないことを理解されたい。本開示の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者に示唆される様々な他の実施形態、改変およびそれらの均等物を用いてもよいことをさらに理解されたい。
【0428】
以下の実施例および本明細書中の他の箇所で使用される定義は次の通りである:
【表13】
【実施例0429】
5-[(4R)-4-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【化89】
【0430】
ステップ1
O(300mL)中の5-ブロモピリジン-3-オール(24g、137.9mmol)の溶液に、NaCO(29.2g、275.86mmol)およびI(35.0g、137.93mmol)を添加した。混合物を25℃で10時間撹拌した。反応混合物を0℃でHCl(1N)100mLの添加によりクエンチし(pH=6)、EtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の5-ブロモ-2-ヨード-ピリジン-3-オール(30g)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに供した。LCMS (ESI): m/z [M+H] C5H4BrINOの計算値: 299.8; 実測値299.8.
【0431】
ステップ2.
DMF(400mL)中の5-ブロモ-2-ヨード-ピリジン-3-オール(29g、
96.7mmol)の溶液に、KCO(20.0g、145.05mmol)および臭化ベンジル(18.2g、106.37mmol、12mL)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をHO(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-ベンジルオキシ-5-ブロモ-2-ヨード-ピリジン(33g、収率88%)を赤色固体として得た。1H NMR
(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.10 (s, 1 H) 7.48-7.34 (m, 5 H) 7.15 (s, 1 H)
5.16 (s, 2 H).
【0432】
ステップ3.
CHCN(20mL)およびHO(2mL)中の3-ベンジルオキシ-5-ブロモ-2-ヨード-ピリジン(1.2g、3.08mmol)および(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(588mg、3.08mmol)の溶液に、KPO(2g、9.24mmol)およびPd(dppf)Cl・CHCl(252mg、308.0μmol)をN下、25℃で添加した。混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物をHO20mLで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン100mLで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残りの残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-ベンジルオキシ-5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン(700mg、1.71mmol、収率56%)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.36 (s, 1 H) 7.51-7.47 (m, 2 H) 7.34-7.26 (m, 6 H) 5.09 (s, 2 H).
【0433】
ステップ4.
トルエン(10mL)中の3-ベンジルオキシ-5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン(680mg、1.66mmol)およびN-[(4R)-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(643mg、2.49mmol)の溶液に、t-BuONa(319mg、3.32mmol)、[1-(2-ジフェニルホスファニル-1-ナフチル)-2-ナフチル]-ジフェニル-ホスファン(103mg、166μmol)およびPd(dba)(76mg、83μmol)をN下、25℃で添加した。混合物を120℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残りの残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N-[(4R)-8-[5-ベンジルオキシ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(700mg、収率72%)を黄色固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H] C31H38Cl2N3O2Sの計算値: 586.2; 実測値586.1.
【0434】
ステップ5.
DCM(15mL)中のN-[(4R)-8-[5-ベンジルオキシ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.15g、1.96mmol)の溶液に、NBS(1.05g、5.88mmol)を0℃で添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHSO(5mL)の添加によりクエンチした。次いで、溶液に、TEA(540mg、5.3mmol、740.2μL)およびBocO(777mg、3.56mmol、818μL)を添加した。得られた混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチルN-[(4R)-8-[5-ベンジルオキシ-2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(900mg、収率76%)を黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.49 - 7.33 (m, 1 H) 7.32 - 7.28 (m, 9
H) 5.09 (s, 1 H) 4.42 - 4.54 (m, 1 H) 3.85-3.83 (d, J=7.95 Hz, 1 H) 3.36 - 3.24
(m, 1 H) 2.85-2.80 (t, J=10.27 Hz, 1 H) 1.95 - 1.76 (m, 1 H) 1.90 - 1.87 (m, 1 H) 1.81 - 1.62 (m, 3 H) 1.60 - 1.52 (m, 3 H) 1.49 - 1.45 (m, 10 H); LCMS (ESI): m/z [M+H] C32H36BrCl2N3O3の計算値: 662.1; 実測値662.0.
【0435】
ステップ6.
MeOH(10mL)およびTHF(10mL)中の(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(700mg、1.06mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl(155mg、212μmol)およびEtN(322mg、3.18mmol、441μL)を25℃で添加した。混合物をCO(50psi)下、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残りの残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-メチル5-(ベンジルオキシ)-3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)ピコリネート(400mg、収率59%)を赤色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロ
ロホルム-d) δ ppm 7.40-7.38 (dd, J=7.89, 1.53 Hz, 1 H) 7.25 - 7.14 (m, 8 H) 6.83 (s, 1 H) 5.05 (s, 2 H) 4.39-4.36 (d, J=9.05 Hz, 1 H) 3.83 - 3.70 (m, 3 H) 3.19-3.16 (d, J=7.95 Hz, 1 H) 2.87-2.85 (dd, J=17.55, 13.02 Hz, 2 H) 2.83 - 2.82 (m,
2 H) 2.02-1.95 (m, 1 H) 1.88 - 1.52 (m, 7 H) 1.59-1.38 (m, 10 H); LCMS (ESI): m/z [M+H] C34H40Cl2N3O5の計算値: 640.2; 実測値640.1.
【0436】
ステップ7.
THF(5mL)中の(R)-メチル5-(ベンジルオキシ)-3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)ピコリネート(400mg、624.4μmol)の溶液に、LiBH(27mg、1.25mmol)を0℃で添加した。混合物を40℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃でHO(5mL)の添加によりクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(350mg、粗製)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H] C33H40Cl2N3O4の計算値: 612.2; 実測値612.2
【0437】
ステップ8.
HCl/MeOH(5.00mL、4N)中のtert-ブチルN-[(4R)-8-[5-ベンジルオキシ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(200mg、326.49μmol)の溶液を、90℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCにより精製して、5-[(4R)-4-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(100mg、236.77μmol、収率73%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.53 (s, 1 H) 7.57-7.54 (m, 1 H) 7.36-7.31 (d, 2 H) 7.30-7.06 (m, 1 H) 4.66 (s, 2 H) 3.26 - 3.14 (m, 3 H) 2.92-2.86 (m, 2 H) 1.90-1.85 (m, 2 H) 1.84-1.57 (m, 10 H); LCMS (ESI): m/z [M+H] C21H26Cl2N3O2の計算値: 422.1; 実測値422.1.
【実施例0438】
5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【0439】
【化90】
【0440】
ステップ1.
下でジオキサン(50mL)中の3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-ヨードピリジン(5.0g、12.82mmol)および2,3-ジクロロベンゼンチオール(2.3g、12.82mmol)の混合物に、CuI(244mg、1.28mmol)、KPO(3.3g、15.38mmol)および1,10-フェナントロリン(231mg、1.28mmol)を添加した。混合物を70℃で3時間撹拌し、次いでHO50mLに注ぎ入れ、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン(4.6g、収率81%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.10 (d, J=17.10 Hz, 1 H) 7.59 - 7.37 (m, 7 H) 7.37 - 7.16 (m, 2 H) 5.22 (d, J=17.54 Hz, 2 H).
【0441】
ステップ2.
マイクロ波管内で、3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン(1.1g、2.49mmol)、N-[(4R)-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(967mg、3.74mmol)、t-BuONa(479mg、4.99mmol)、
Pd(dba)(114mg、124.67μmol)およびBINAP(155mg、249.34μmol)を、トルエン(10mL)に溶解した。密封管をマイクロ波中、120℃で3時間加熱し、その後、反応混合物を室温に冷却し、HO100mLに注ぎ入れた。有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(R)-N-((R)-8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(5.1g、収率83%)を黄色固体として得た。注記:4つの同一の反応を平行に行い、後処理および精製のために合わせた。1H NMR (400 MHz, クロ
ロホルム-d) δ ppm 7.92 (d, J=2.32 Hz, 1 H) 7.39 - 7.31 (m, 3 H) 7.30 - 7.25 (m,
3 H) 7.03 (t, J=7.95 Hz, 1 H) 6.94 (dd, J=7.95, 1.10 Hz, 1 H) 6.76 (d, J=2.32 Hz, 1 H) 5.11 (s, 2 H) 3.57 (t, J=12.90 Hz, 2 H) 3.43 - 3.34 (m, 1 H) 3.22 (d, J=5.26 Hz, 1 H) 3.01-2.87 (m, 2 H) 2.20 - 2.09 (m, 1 H) 1.94 (td, J=12.53, 4.40 Hz, 1 H) 1.88 - 1.65 (m, 5 H) 1.58 - 1.51 (m, 1 H) 1.46 (d, J=13.57 Hz, 2 H) 1.25 (s, 9 H).
【0442】
ステップ3.
DCM(50mL)中の(R)-N-((R)-8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(3.0g、4.85mmol)の溶液に、NBS(2.6g、14.55mmol)を添加し、反応物を20℃で2時間撹拌した。次いで、TEA(1.47g、14.55mmol、2mL)およびBocO(2.12g、9.70mmol、2.2mL)を添加し、混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物をHOに注ぎ入れ、DCMで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-2-ブロモ-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(2.4g、3.42mmol、収率71%)を得た。
【0443】
ステップ4.
MeOH(30mL)およびEtOAc(30mL)中の(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-2-ブロモ-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(2.37g、3.42mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl(250mg、342μmol)およびTEA(692mg、6.84mmol、947μL)を添加した。反応容器を密封した後、得られた懸濁液を脱気した。反応容器のヘッドスペースを排気し、COで数回再充填した。混合物をCO(50psi)下、50℃で15時間撹拌し、次いで濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(R)-メチル5-(ベンジルオキシ)-3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピコリネート(1.5g、収率65%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C34H40Cl2N3O5Sの計算値: 672.2; 実測値672.1; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.38 - 7.27 (m, 5 H) 7.24 - 7.18 (m, 2 H) 7.06 - 6.97 (m, 2 H) 6.83 (s, 1 H) 5.13 (s, 2 H) 4.45 (br d, J=9.54 Hz, 1 H) 3.92 - 3.86 (m, 3 H) 3.86 - 3.76 (m, 1 H) 3.29 - 3.16 (m, 2 H) 3.01-2.89 (m, 2 H) 2.16-2.07 (m, 1 H) 1.95 - 1.85 (m, 1 H) 1.79- 1.62 (m, 5 H) 1.47 (s, 9 H).
【0444】
ステップ5.
THF(25mL)中のメチル(R)-メチル5-(ベンジルオキシ)-3-(1-(
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピコリネート(1.4g、2.08mmol)の溶液に、LiBH(272mg、12.48mmol)を添加した。70℃で2時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、HOに注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(1.04g、収率78%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホ
ルム-d) δ ppm 7.44 - 7.32 (m, 6 H) 7.31 - 7.26 (m, 1 H) 7.16 - 7.10 (m, 1 H) 6.94 (s, 1 H) 5.16 (s, 2 H) 4.57 - 4.52 (m, 2 H) 4.42 (br d, J=9.17 Hz, 1 H) 3.84 - 3.67 (m, 2 H) 2.95 - 2.85 (m, 2 H) 2.71 (t, J=11.19 Hz, 2 H) 2.14 - 2.06 (m, 1
H) 1.88 - 1.78 (m, 1 H) 1.77 - 1.59 (m, 5 H) 1.49 - 1.43 (m, 9 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C33H40Cl2N3O4Sの計算値: 644.2; 実測値644.2.
【0445】
ステップ6.
濃HCl(15mL)中の(R)-tert-ブチル(8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(500mg、775.61μmol)の溶液を、100℃に2時間加熱し、次いで室温に冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(60mg、収率17%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.28 (dd, J=7.89, 1.32 Hz, 1 H) 7.07 (t, J=8.11 Hz, 1 H) 6.94 (s, 1 H) 6.81 (dd, J=8.33, 1.32
Hz, 1 H) 4.58 - 4.55 (m, 2 H) 3.19 - 3.05 (m, 3 H) 2.86 (t, J=11.84 Hz, 2 H) 2.19 - 2.09 (m, 1 H) 2.04 (s, 1 H) 1.93 - 1.57 (m, 7 H) 1.56 - 1.43 (m, 2 H). LCMS
(ESI): m/z [M +H] C21H26Cl2N3O2Sの計算値: 454.1; 実測値454.1.
【実施例0446】
5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン-3-オールの合成。
【化91】
濃HCl(10mL)中の(R)-N-((R)-8-(5-(ベンジルオキシ)-6-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(700mg、1.19mmol)の溶液を、90℃で0.5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残りの残留物を分取HPLCにより精製して、5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.
5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)ピリジン-3-オール(61mg、収率13%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.421 (s, 1 H) 7.738-7.795 (m, 1 H) 7.471-7.491 (d, 1 H) 7.193-7.289 (m, 2 H)
6.811 (s, 1 H) 3.561 - 3.651 (m, 2 H) 3.164-3.198 (m, 1 H) 2.917-2.974 (m, 2 H)
1.701-1.814 (m, 1 H) 1.489 - 1.690 (m, 9 H). LCMS (ESI): m/z [M+H] C20H24Cl2N3Oの計算値: 392.1; 実測値392.3
【実施例0447】
{3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル}メタノールの合成。
【化92】
【0448】
ステップ1.
CHCN(150mL)およびMeOH(75mL)中の2,5-ジブロモ-3-メチルピリジン(5.0g、19.93mmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(4.2g、21.92mmol)、Pd(OAc)(447mg、1.99mmol)、PPh(1.1g、3.99mmol)、およびKCO(5.5g、39.86mmol)の混合物を、窒素雰囲気下、50℃で24時間撹拌した。反応混合物をH
O50mLに注ぎ入れ、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピリジン(5.1g、収率81%)を薄黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.57 (d, J=9.21 Hz, 1 H) 7.76 (d, J=8.77 Hz, 1 H) 7.52 (t, J=8.33 Hz, 1 H) 7.35 - 7.25 (m, 1 H) 7.23 - 7.15 (m, 1 H) 2.13 (d, J=9.21
Hz, 3 H).
【0449】
ステップ2.
トルエン(12mL)中の5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)-3-メチルピリジン(900mg、2.84mmol)、N-[(4R)-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.1g、4.26mmol)、t-BuONa(546mg、5.68mmol)、Pd(dba)(130mg、141.9μmol)およびBINAP(177mg、284μmol)の混合物を、120℃で3時間加熱した。反応混合物をHO50mLに注ぎ入れ、水相をEtOAcで洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-N-((R)-8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(4.0g、収率95%)を白色固体として得た。1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.08 (d, J=2.69 Hz, 1 H) 7.61 (dd, J=8.01, 1.41
Hz, 1 H) 7.43 - 7.37 (m, 1 H) 7.33 (d, J=2.57 Hz, 1 H) 7.26 (dd, J=7.64, 1.41 Hz, 1 H) 3.73 (td, J=7.83, 3.79 Hz, 2 H) 2.96 (qd, J=12.25, 2.75 Hz, 2 H) 2.12 - 2.03 (m, 4 H) 1.96 - 1.62 (m, 5 H) 1.61 - 1.38 (m, 3 H) 1.27 - 1.20 (m, 9 H).
【0450】
ステップ3.
DCM(50mL)中の(R)-N-((R)-8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(4g、8.09mmol)の混合物に、NBS(4.32g、24.27mmol)を20℃で添加し、2時間撹拌した。混合物に、TEA(2.46g、24.27mmol、3.3mL)およびBocO(3.53g、16.18mmol、3.72mL)を20℃で添加し、1時間撹拌した。反応混合物をHO100mLに注ぎ入れ、水相をDCMで洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-tert-ブチル(8-(2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(1.4g、収率30%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.50 (dd, J=7.89, 1.75 Hz, 1 H) 7.21 - 7.18 (m, 3 H) 4.47 (br d, J=9.65 Hz, 1 H) 3.83 (d, J=7.89 Hz, 1 H) 3.42
- 3.25 (m, 2 H) 2.87 (t, J=10.30 Hz, 2 H) 2.15 - 2.06 (m, 3 H) 1.96 (t, J=12.06
Hz, 2 H) 1.83 - 1.64 (m, 16 H) LCMS (ESI): m/z [M +Na] C26H32BrCl2N3ONaの計算値: 592.1; 実測値592.0.
【0451】
ステップ4.
MeOH(20mL)およびEtOAc(20mL)中の(R)-tert-ブチル(8-(2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(1.4g、2.46mmol)の溶液に、TEA(498mg、4.9mmol、681μL)およびPd(dppf)Cl(180mg、246μmol)をN下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、COで数回パージした。得られた混合物をCO(50psi)下、50℃で15
時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-メチル3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピコリネート(1g、1.82mmol、収率74%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.48 (dd, J=7.70, 1.96 Hz, 1 H) 7.28 (m, 2 H) 7.25 - 7.23 (m, 1 H) 7.22 (d, J=2.08 Hz, 1 H) 4.45 (br d, J=9.29 Hz, 1 H) 3.96 - 3.89 (m, 3 H) 3.87 - 3.71 (m, 1 H) 3.34 - 3.20 (m, 2 H) 3.04-2.89 (m, 2 H) 2.14 (s, 3 H) 2.09 (dd, J=12.96, 5.50 Hz, 1 H) 1.95 - 1.85 (m, 1 H) 1.79 - 1.63 (m, 4 H) 1.46 (s, 10 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C28H36Cl2N3O4の計算値: 548.2; 実測値548.2.
【0452】
ステップ5.
THF(15mL)中の(R)-メチル3-(1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピコリネート(800mg、1.46mmol)の溶液に、LiBH(191mg、8.76mmol)を一度に添加し、得られた混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物をHO30mLに注ぎ入れ、水相をEtOAcで洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-tert-ブチル(8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(570mg、収率75%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d)
δ ppm 7.52 (dd, J=8.01, 1.16 Hz, 1 H) 7.31 - 7.28 (m, 2 H) 7.23 - 7.18 (m, 1 H)
4.73 (s,2 H) 4.57 (br s, 1 H) 4.46 (d, J=9.41 Hz, 1 H) 3.82 (br d, J=8.19 Hz, 1
H) 3.04 (d, J=4.52 Hz, 2 H) 2.88 - 2.79 (m, 2 H) 2.14 (s, 3 H) 2.11 - 2.06 (m, 1 H) 1.94 - 1.85 (m, 1 H) 1.80 - 1.62 (m, 4 H) 1.48 (s, 10 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C27H36Cl2N3O3の計算値: 520.2; 実測値520.2.
【0453】
ステップ6.
HCl/MeOH(10mL)中の(R)-tert-ブチル(8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)カルバメート(520mg、1mmol)の溶液を、20℃で2時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取HPLCにより精製して、{3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(210mg、収率50%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.62 (dd, J=8.11, 1.53 Hz, 1 H) 7.54 (s, 1 H) 7.41 (t, J=7.67 Hz, 1 H) 7.27 (dd, J=7.67, 1.53 Hz, 1 H) 4.74 (br d, J=3.95 Hz, 2 H) 3.30 - 3.24 (m, 1 H) 3.24 - 3.10 (m, 2 H) 2.96 (br t, J=11.62 Hz, 2 H) 2.23 (br s, 1 H) 2.12 (s, 3 H) 1.99 - 1.69 (m, 7 H) 1.60 (br t, J=11.62 Hz, 2 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C22H28Cl2N3Oの計算値: 420.2; 実測値420.1.
【実施例0454】
(1R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミンの合成。
【化93】
HCl/EtOAc(20mL)中の(R)-N-((R)-8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(770mg、1.5mmol)の混合物を、N下、25℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取HPLCにより精製して、(R)-8-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(190mg、収率31%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メ
タノール-d4) δ ppm 8.09 (d, J=2.43 Hz, 1 H) 7.61 (d, J=8.16 Hz, 1 H) 7.33 - 7.42 (m, 2 H) 7.24 (d, J=7.72 Hz, 1 H) 3.65 - 3.79 (m, 2 H) 3.25 (t, J=6.73 Hz, 1 H) 3.21 - 3.27 (m, 1 H) 2.97 - 3.07 (m, 2 H) 2.17 - 2.29 (m, 1 H) 2.09 (s, 3 H) 1.68 - 1.92 (m, 8 H)1.53 - 1.65 (m, 2 H) LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H26Cl2N3の計算値: 390.1; 実測値390.1.
【実施例0455】
{3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]-5-メチルピリジン-2-イル}メタノールの合成。
【化94】
【0456】
ステップ1.
ジオキサン(30mL)中の2,3-ジクロロベンゼンチオール(2.57g、14.35mmol)および2,5-ジブロモ-3-メチル-ピリジン(3g、11.96mmol)の溶液に、Pd(dba)(110mg、120μmol)、キサントホス(138mg、239μmol)およびDIPEA(3.1g、23.92mmol、4.2mL)をN下、25℃で添加した。反応混合物を90℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-3-メチル-ピリジン(2.8g、収率67%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.27-8.26 (d, J=2.08 Hz, 1 H) 7.59-7.48 (d, J=1.59 Hz, 1 H) 7.45-7.39 (dd, J=8.01, 1.53 Hz, 1 H) 7.39-7.37 (dd, J=7.82, 1.47 Hz, 1 H) 7.37 - 7.18 (m, 1 H) 2.37 (s, 3 H).
【0457】
ステップ2.
トルエン(10mL)中の5-ブロモ-2-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-3-メチル-ピリジン(1g、2.86mmol)およびN-[(4R)-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(961mg、3.72mmol)の溶液に、t-BuONa(550mg、5.72mmol)、[1-(2-ジフェニルホスファニル-1-ナフチル)-2-ナフチル]-ジフェニル-ホスファン(178mg、286μmol)およびPd(dba)(131mg、143μmol)を25℃で添加した。反応混合物を130℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.5g、収率50%)を黄色油状物として得た。
【0458】
ステップ3.
HCl/EtOAc(20mL)中のN-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.50g、2.85mmol)の溶液を、25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製の(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(1.5g、粗製、HCl塩)を黄色固体として得た。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI): m/z [M+H] C21H26Cl2N3Sの計算値: 422.1; 実測値422.0.
【0459】
ステップ4.
DCM(15mL)中の(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(1.5g、3.55mmol)の溶液に、BocO(1.16g、5.33mmol、1.2mL)およびTEA(1.1g、10.65mmol、1.5mL)を添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチルN-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(600mg、収率32%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H] C26H34Cl2N3O2Sの計算値: 522.2; 実測値522.1.
【0460】
ステップ5.
DCM(8mL)中のtert-ブチルN-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(600mg、1.15mmol)の溶液に、NBS(409.35mg、2.30mmol)を0℃で添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチルN-[(4R)-8-[2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(300mg、収率43%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): m/z [M+H] C26H33BrCl2N3O2Sの計算値: 602.1; 実測値602.0.
【0461】
ステップ6.
THF(5mL)およびMeOH(5mL)中のtert-ブチルN-[(4R)-8-[2-ブロモ-6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(400mg、665μmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl(97mg、133μmol)およびTEA(202mg、2.00mmol、277μL)を20℃で添加した。混合物をC
O(50psi)下、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~10:1)により精製して、メチル3-[(4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-ピリジン-2-カルボキシレート(500mg、粗製)を黄色固体として得た。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI): m/z [M+H] C28H36Cl2N3O4Sの計算値: 580.2; 実測値580.1.
【0462】
ステップ7.
THF(20mL)中のメチル3-[(4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-5-メチル-ピリジン-2-カルボキシレート(500mg、861μmol)の溶液に、LiBH(38mg、1.72mmol)を0℃で添加した。混合物を35℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃でHO(5mL)の添加によりクエンチし、HO(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチルN-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(400mg、粗製)を黄色固体として得た。粗残留物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI): m/z [M+H] C27H36Cl2N3O3SHの計算値: 552.2; 実測値552.0.
【0463】
ステップ8.
HCl/MeOH(10mL)中のtert-ブチルN-[(4R)-8-[6-(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-3-ピリジル]-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]カルバメート(400mg、724μmol)の溶液を、25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残りの残留物を分取HPLCにより精製して、{3-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(76mg、収率23%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.53 (s,1 H)7.46-7.43 (m, 1 H) 7.20-7.16 (m, 2 H) 7.05-7.03 (m, 2 H) 4.58 (s, 2 H) 3.24-3.21 (m, 1 H) 2.92
- 3.08 (m, 2 H) 2.89-2.86 (m, 2 H) 2.35 (s, 2 H) 1.88 - 1.86 (m, 1 H) 1.85-1.54
(m, 10 H). LCMS (ESI): m/z [M+H] C22H28Cl2N3OSの計算値: 452.1; 実測値452.1.
【実施例0464】
(1R)-8-{6-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]-5-メチルピリジン-3-イル}-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミンの合成。
【化95】
HCl/MeOH(5mL)中の(R)-N-((R)-8-(6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(500mg、949μmol)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗残
留物を分取HPLCにより精製して、(R)-8-(6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)-5-メチルピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン(170mg、収率42%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.36 (s, 1H), 8.00 (s, 1H),7.49 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.25 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 6.85 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 4.02-3.92 (m, 2 H), 3.30-3.23 (m, 2 H), 2.44 (s, 3H), 2.25-1.20 (m, 1 H), 1.93-1.63 (m, 10 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H26Cl2N3Sの計算値: 422.1; 実測値422.0.
【実施例0465】
5-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]ピリジン-3-オールの合成。
【化96】
【0466】
ステップ1.
O(300mL)中の5-ブロモピリジン-3-オール(5.0g、28.7mmol)の溶液に、NaCO(6.1g、57.5mmol)およびI(7.3g、28.7mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-2-ヨードピリジン-3-オール(7.5g、収率87%)を得た。1H NMR (400 MHz,
クロロホルム-d) δ ppm 8.09 (s,1H) 7.39 (s, 1 H).
【0467】
ステップ2.
DMF(20mL)中の5-ブロモ-2-ヨードピリジン-3-オール(4g、13.34mmol)の溶液に、KCO(2.77g、20.01mmol)およびブロモメチルベンゼン(2.51g、14.67mmol、1.74mL)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌し、その後、反応混合物をHOで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し
た。粗残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-ヨードピリジン(3.2g、収率62%)を得た。1H NMR (400 MHz, ク
ロロホルム-d) δ ppm 8.21 (s, 1 H) 7.47-7.59 (m, 5 H) 7.36 (s, 1 H) 5.27 (s, 2 H).
【0468】
ステップ3.
ジオキサン(30mL)中の3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-ヨードピリジン(3.2g、8.2mmol)および2,3-ジクロロベンゼンチオール(1.5g、8.2mmol)の溶液に、CuI(156mg、820μmol)、KPO(2.1g、9.8mmol)および1,10-フェナントロリン(148mg、820μmol)を25℃で添加した。混合物を70℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、HO(10mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン(2.80g、収率77%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.04 (s, 1 H) 7.48-7.49 (m, 2 H) 7.41-7.47 (m, 4 H) 7.18-7.20 (m, 1 H) 5.16 (s, 2 H).
【0469】
ステップ4.
トルエン(10mL)中の3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン(1g、2.27mmol)およびtert-ブチルN-(4-メチル-4-ピペリジル)カルバメート(632mg、2.95mmol)の溶液に、t-BuONa(436mg、4.54mmol)、[1-(2-ジフェニルホスファニル-1-ナフチル)-2-ナフチル]-ジフェニル-ホスファン(141mg、227μmol)およびPd(dba)(104mg、113.5μmol)を添加した。混合物をマイクロ波条件下、120℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル(1-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(300mg、収率23%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.92 (s, 1 H) 7.29 - 7.37 (m, 3 H) 6.95 - 7.03 (m, 2 H) 6.76 (s, 1 H) 5.12 (s, 2 H) 3.36 - 3.39 (m, 2 H) 3.09-3.14 (m, 2 H) 2.14 - 2.17 (m, 2 H) 1.69 - 1.76 (m, 2 H) 1.47 (s, 9 H) 1.41 (s, 3 H).
【0470】
ステップ5.
HCl(10mL、濃縮)を、tert-ブチル(1-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(200mg、348.09μmol)に添加した。混合物を90℃で20分間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、凍結乾燥した。残留物を分取HPLCにより精製して、5-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-オール(60mg、収率45%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.449 (s, 1 H) 7.806 (s, 1 H) 7.205 - 7.225 (m, 1 H) 6.969 - 7.009 (m, 1 H) 6.819 (s, 1 H) 6.535-6.555 (m, 1 H) 3.566-3.598 (m, 2 H) 3.117-3.181 (m, 2 H) 1.821 - 1.848 (m, 4 H) 1.383 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M+H] C17H20Cl2N3OSの計算値: 384.1; 実測値384.1.
【実施例0471】
5-[(1R)-1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-[(2,3-ジクロロフェニル)スルファニル]ピリジン-3-オールの合成。
【化97】
【0472】
ステップ1.
トルエン(10mL)中の3-(ベンジルオキシ)-5-ブロモ-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン(1g、2.27mmol)およびN-[(4R)-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(763mg、2.95mmol)の溶液に、t-BuONa(436mg、4.54mmol)、BINAP(141mg、227μmol)およびPd(dba)(104mg、114μmol)を添加した。混合物をマイクロ波条件下、130℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-N-((R)-8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(200mg、収率14%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.89 (s,
1 H) 7.29 - 7.34 (m, 4 H) 7.00 - 7.02 (t, J=7.95 Hz, 1 H) 6.90 - 6.98 (d, J=7.95 Hz, 1 H) 6.74 (s, 1 H) 5.03 (s, 2 H) 3.51 - 3.58 (m, 2 H) 3.35 - 3.36 (m, 1 H)
3.20 - 3.21 (d, J=5.01 Hz, 1 H) 2.90 - 2.96 (m, 2 H) 1.63 -1.79 (m, 13 H) 1.44 (s, 9 H).
【0473】
ステップ2.
(R)-N-((R)-8-(5-(ベンジルオキシ)-6-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-イル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(200mg、323μmol)および濃HCl(10mL)の混合物を、90℃で20分間撹拌し、次いで室温に冷却し、凍結乾燥した。残留物を分取HPLCにより精製して、(R)-5-(1-アミノ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-2-((2,3-ジクロロフェニル)チオ)ピリジン-3-オール(53mg、125μmol、収率39%)を白色固体として得た。1H NMR
(400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.77 (d, J=2.21 Hz, 1 H) 7.18 - 7.19 (d, J=7.94 Hz, 1 H) 6.95-6.99 (t, J=8.05 Hz, 1 H) 6.78 (s, 1 H) 6.49-6.51 (d, J=8.16 Hz, 1 H) 3.58 - 3.67 (m, 2 H) 3.11 - 3.15 (t, J=6.73 Hz, 1 H) 2.92 - 2.98 (m, 2 H) 2.12 (m, 1 H) 1.44 - 1.75 (m, 9 H). . LCMS (ESI): m/z [M+H] C20H24Cl2N3OSの計算値: 424.1; 実測値424.0.
【実施例0474】
2-[(2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)スルファニル]-5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【化98】
【0475】
ステップ1.
i-PrOH(30mL)中のメチル5-ブロモ-3-フルオロ-ピリジン-2-カルボキシレート(1.5g、6.41mmol)の溶液に、DIEA(8.3g、64.10mmol、11mL)およびtert-ブチルN-(4-メチル-4-ピペリジル)カルバメート(1.51g、7.05mmol)を添加した。混合物を70℃に5時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル5-ブロモ-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル
-1-ピペリジル]ピリジン-2-カルボキシレート(2.5g、5.84mmol、収率91%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.15 (d, J=1.76 Hz, 1 H) 7.75 (d, J=1.98 Hz, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 3.09 - 2.98 (m, 4 H) 2.14 (br d, J=13.23 Hz, 2 H) 1.72 - 1.60 (m, 2 H) 1.43 (s, 9 H) 1.34 (s, 3 H).
【0476】
ステップ2.
ジオキサン(37mL)中のメチル5-ブロモ-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]ピリジン-2-カルボキシレート(2.5g、5.84mmol)の溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.22g、8.76mmol)、KOAc(1.15g、11.67mmol)およびPd(dppf)Cl-CHCl(477mg、584μmol)を添加した。反応混合物を85℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗残留物を逆相カラムにより精製して、[5-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-6-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(1.2g、収率52%)を黄色固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C18H29BN3O6の計算値: 394.2; 実測値394.3; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.23 (br s, 1 H) 7.97 (s, 1 H) 3.99 - 3.93 (m, 3 H) 3.13 - 3.01 (m, 4 H) 2.17
(br d, J=12.35 Hz, 2 H) 1.74 - 1.65 (m, 2 H) 1.44 (s, 9 H) 1.36 - 1.33 (m, 3 H).
【0477】
ステップ3.
(1.04g、9.15mmol、880μL、純度30%)を、DCM(12mL)中の[5-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-6-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(1.2g、3.05mmol)の溶液に0℃でゆっくりと添加した。反応物を室温に加温し、5時間撹拌した。混合物を飽和Na水溶液でクエンチし、1N HClでpH<7に調整した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキシレート(0.83g、収率74%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C18H28N3O5の計算値: 366.2; 実測値366.2; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.68 (d, J=2.21 Hz, 1 H) 6.92 (d, J=2.43 Hz, 1 H) 3.88
(s, 3 H) 3.08 - 2.91 (m, 4 H) 2.19 - 2.08 (m, 2 H) 1.76 - 1.65 (m, 2 H) 1.43 (s, 9 H) 1.34 (s, 3 H).
【0478】
ステップ4.
DMF(16mL)中のメチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキシレート(0.83g、2.27mmol)の溶液に、1-(クロロメチル)-4-メトキシ-ベンゼン(534mg、3.41mmol、464μL)およびKCO(942mg、6.81mmol)を添加した。反応物を50℃で6時間撹拌し、次いで水とEtOAcとの間で分配した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、次いでNaSOで脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(1.1g、収率99%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C26H36N3O6の計算値: 486.3; 実測値486.3; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4)δ ppm 7.84 (br s, 1 H) 7.37 (br d, J=7.58 Hz, 2 H) 7.09 (br s, 1 H) 6.93 (br d, J=7.46 Hz, 2 H) 5.13 (br s, 2 H) 3.88 (br s, 3 H) 3.78 (br s, 3 H) 2.98 (br s, 4 H) 2.85 (br s, 3 H) 2.13 (br d, J=12.1
0 Hz, 2 H) 1.78 - 1.65 (m, 2 H) 1.43 (br s, 9 H) 1.34 (br s, 3 H).
【0479】
ステップ5.
DMF(10mL)中のメチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(1.1g、2.27mmol)の溶液に、NBS(403mg、2.27mmol)を添加した。反応物を20℃で3時間撹拌し、次いで飽和Na水溶液に注ぎ入れた。混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-ブロモ-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(1g、収率78%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.39 (d, J=8.77 Hz, 2 H) 7.06 (s, 1 H) 6.93 (d, J=8.77 Hz, 2 H) 5.19 (s, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 3.79 (s, 3 H) 3.00 (br d, J=15.79 Hz, 4 H) 2.13 (br d, J=13.15 Hz, 2 H) 1.72 - 1.60 (m, 2 H) 1.44 (s, 9 H) 1.33 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C26H35BrN3O6の計算値: 564.2; 実測値564.2.
【0480】
ステップ6.
メチル6-ブロモ-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.5g、885μmol)、2-アミノ-3-クロロ-ピリジン-4-チオール(285mg、1.77mmol)、1,10-フェナントロリン(32mg、177.16μmol)、KPO(376mg、1.77mmol)およびCuI(17mg、89μmol)を秤量してマイクロ波管に入れ、ジオキサン(5mL)を添加した。密封管をマイクロ波中、130℃で3時間加熱した。室温に冷却し、水とEtOAcとの間で分配した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機画分をブラインで洗浄し、次いでNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.41g、収率72%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C31H39ClN5O6Sの計算値: 644.3; 実測値644.2.
【0481】
ステップ7.
THF(2mL)中のメチル6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.36g、559μmol)の溶液に、LiBH(37mg、1.68mmol)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した後、HCl(1mL)を室温で添加し、混合物を30℃でさらに4時間撹拌した。混合物をNaHCOでpH=7に調整し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCにより精製して、2-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-5-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(23mg、収率10%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.56 - 8.27 (m, 1
H) 7.63 - 7.40 (m, 1 H) 7.16 - 7.00 (m, 1 H) 5.97 - 5.71 (m, 1 H) 4.65 - 4.49 (m, 2 H) 3.24 (br d, J=13.08 Hz, 2 H) 3.07 - 2.99 (m, 2 H) 2.06 - 1.88 (m, 4 H) 1.62 - 1.35 (m, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C17H23ClN5O2Sの計算値: 396.1; 実測値396.2.
【実施例0482】
5-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【化99】
【0483】
ステップ1.
DME(5mL)中のメチル6-ブロモ-3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.2g、354μmol)の溶液に、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(101mg、531μmol)、NaCO(75mg、709μmol)、HO(1mL)およびPd(PPh(82mg、71μmol)を添加した。反応物を85℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、水を添加し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、次いで脱水した。濾過した後、溶媒を減圧下で除去し、粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.15g、収率67%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.55 (dd, J=7.94, 1.54 Hz, 1 H) 7.36 - 7.31 (m, 1 H) 7.28 - 7.18 (m, 4 H) 6.87 (s, 1 H) 6.84 (s, 1 H) 5.12 (s, 2 H) 3.87 (s, 3 H) 3.76 (s, 3 H) 3.14 - 3.02 (m, 4 H) 2.16 (br d, J=13.01 Hz, 2 H) 1.75 - 1.66 (m, 2
H) 1.45 (s, 9 H) 1.36 (s, 3 H). %). LCMS (ESI): m/z [M +H] C32H38Cl2N3O6の計算
値: 630.2; 実測値630.3.
【0484】
ステップ2.
THF(2mL)中のメチル3-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチル-1-ピペリジル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.15g、238μmol)の溶液に、LiBH(16mg、714μmol)を添加した。反応物を50℃で2時間撹拌した。HCl(濃縮)を添加し、混合物を50℃でさらに2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液でpH=7に調整し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、5-(4-アミノ-4-メチル-1-ピペリジル)-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(49mg、129μmol、収率54%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノ
ール-d4) δ ppm 7.55 (m, 1 H) 7.33 (m, 2 H) 7.08 (s, 1 H) 4.65 (m, 2 H) 3.12 (m,
2 H) 3.00 (m, 2 H) 1.85 (m, 4 H) 1.34 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C18H22Cl2N3O2の計算値: 382.1; 実測値382.1.
【実施例0485】
{3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル}メタノールの合成。
【化100】
【0486】
ステップ1.
0℃でメタノール(4mL):塩化メチレン(4mL)の1:1混合物中の6-ブロモ-3-クロロ-5-メチルピリジン-2-カルボン酸(200mg、798μmol)の溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(1.19mL、2.39mmol)を発熱がおさまるまでゆっくりと添加し、次いで室温に加温しながらさらに15分間撹拌した。得られた反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を、0~50%EtOAc/Hexを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物であるメチル6-ブロモ-3-クロロ-5-メチルピリジン-2-カルボキシレート(210mg、収率99%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C8H8ClBrNO2の計算値: 263.9; 実測値264.1.
【0487】
ステップ2.
DMA(3.96mL)中のエチル3-フルオロ-5-メチルピリジン-2-カルボキシレート(210mg、793μmol)の溶液に、N-[(3S,4S)-8-クロロ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル]クロランアミン(208mg、872μmol)およびDIPEA(690μL、3.96mmol)を添加した。反応混合物を120℃で終夜撹拌した。得られた反応混合物を真空中で濃縮
して、精製前にDMAの大部分を除去した。残留物を、0~10%MeOH/CHCl~20%MeOHを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物であるメチル3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-カルボキシレート(300mg、収率95%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C17H25BrN3O3
の計算値: 398.1; 実測値398.3.
【0488】
ステップ3.
塩化メチレン(8mL)中のメチル3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-カルボキシレート(315mg、790μmol)の溶液を-78℃に冷却した後、DCM中のDIBAL-Hの1M溶液(3.9mL、3.9mmol)をゆっくりと添加して入れた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物をロッシェル塩およびCHClで希釈した。混合物を室温で3時間撹拌した後、有機層を分離し、これをMgSOで脱水し、濾過し、次いで真空中で濃縮した。残留物を、0~10%MeOH/CHClを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物、{3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(210mg、収率72%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C16H25BrN3O2の計算値: 370.1; 実測値370.1.
【0489】
ステップ4.
DME(0.9mL、0.2M)およびHO(0.2mL、1M)中の{3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(70mg、0.189mmol)および(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(72mg、0.378mmol)の溶液に、NaCO(41mg、0.378mmol)を添加し、次いでPd(PPh(22mg、0.019mmol)を反応混合物に添加した。混合物を100℃で1時間撹拌した。その時点で、反応混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLCにより精製して、{3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(38mg、収率46%)を白色固体として得た。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 7.58 (dd, J = 8.1, 1.6 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.39 - 7.35 (m, 1H), 7.22 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.33 - 4.25 (m, 1H), 3.93 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.83 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.50 - 3.35 (m, 3H), 3.06 - 2.90 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.02 - 1.92 (m, 2H), 1.86 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 1.75 - 1.70 (m, 1H), 1.30 (d, J = 6.5 Hz, 3H). LC-MS (ESI): m/z [M + H]+ C22H28Cl2N3O2の計算値: 436.2; 実測値436.3.
【実施例0490】
{6-[(2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)スルファニル]-3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-メチルピリジン-2-イル}メタノールの合成。
【化101】
マイクロ波バイアルに、{3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-ブロモ-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(70mg、0.189mmol)、3-クロロ-4-(ポタシオスルファニル(potassiosulfanyl))ピリジン-2-アミン(75mg、0.377mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(17mg、0.0189mmol)、キサントホス(21mg、0.038mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.567mmol)を添加した。混合物をハウス真空下で15分間排気した後、脱気したジオキサン(1.9mL、0.1M)を添加した。反応バイアルを排気し、Nで3回パージした後、マイクロ波条件下、130℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、カラムに供した。逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-[(2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)スルファニル]-3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-メチルピリジン-2-イル}メタノール(43mg、0.096mmol、収率51%)を白色固体として得た。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 7.84 (s, 1H), 7.56 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.29 (qd, J = 6.5, 4.2 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.83 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.67 - 3.50 (m, 2H), 3.38 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 3.02 (dddd, J = 34.3, 13.3, 11.0, 2.7 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.01 - 1.91 (m, 2H), 1.89 -
1.82 (m, 1H), 1.71 (ddt, J = 12.7, 4.5, 2.4 Hz, 1H), 1.30 (d, J = 6.5 Hz, 3H); LC-MS (ESI): m/z [M + H]+ C21H29ClN5O2Sの計算値: 450.2; 実測値450.3.
【実施例0491】
[3-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル]メタノールの合成。
【化102】
【0492】
ステップ1.
DMF(10mL)中の3-フルオロ-5-メチル-ピリジン-2-カルボン酸(1.5g、9.6mmol)の溶液に、CHI(6.2g、43.5mmol、2.7mL)およびKCO(3.6g、26.1mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-フルオロ-5-メチルピコリネート(1.4g、収率85%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C8H9FNO2の計算値: 170.0; 実測値170.0.
【0493】
ステップ2.
i-PrOH(8mL)中のメチル3-フルオロ-5-メチルピコリネート(500mg、2.96mmol)の溶液に、tert-ブチルN-(4-メチル-4-ピペリジル)カルバメート(696mg、3.25mmol)およびDIEA(1.9g、14.7
mmol、2.6mL)を添加した。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。全ての揮発物を減圧下で除去し、粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(650mg、収率60%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.08 (s, 1 H) 7.21 (s, 1 H) 4.36 (s, 1 H) 3.95 (s, 3 H) 3.14 - 2.94 (m, 5 H) 2.34 (s, 3 H) 2.09 (d, J=13.33 Hz, 2 H) 1.86 - 1.74 (m, 2
H) 1.44 (s, 9 H) 1.41 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C19H30N3O4の計算値: 364.2; 実測値364.3;
【0494】
ステップ3.
DMF(1mL)中のメチル3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(250mg、687μmol)の溶液に、NBS(146mg、825μmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで追加のNBS(61mg、343μmol)を添加し、反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NaSO水溶液およびHOの添加によりクエンチした。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-ブロモ-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(175mg、収率57%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.25 (s, 1 H) 4.33 (s, 1 H) 3.93 (s, 3 H) 3.11 - 2.93 (m, 4 H) 2.38 (s, 3 H) 2.09 (d, J=13.82 Hz, 2 H) 1.82 - 1.74 (m, 2 H) 1.44 (s, 9 H) 1.40 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C19H29BrN3O4の計算値: 442.0; 実測値442.2.
【0495】
ステップ4.
DME(2mL)中のメチル6-ブロモ-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(140mg、316μmol)の溶液に、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(91mg、474μmol)、HO(0.4mL)中NaCO(67mg、633μmol)、およびPd(PPh(37mg、32μmol)を添加した。混合物を85℃で16時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピコリネート(85mg、収率52%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.54 -
7.45 (m, 1 H) 7.32 - 7.18 (m, 3 H) 4.38 (br s, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 3.22 - 3.00 (m, 5 H) 2.14 (s, 4 H) 1.89 - 1.76 (m, 2 H) 1.46 (s, 9 H) 1.42 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C25H32Cl2N3O4の計算値: 508.0; 実測値508.1;
【0496】
ステップ5.
THF(2mL)中のメチル3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピコリネート(80mg、157μmol)の溶液に、LiBH(7mg、314μmol)を0℃で添加した。反応混合物を40℃で1時間撹拌した。反応物をMeOH(2ml)の慎重な添加によりクエンチし、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を濃縮して、tert-ブチル(1-(6-(2,3-ジクロロフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(76mg、粗製)を白色固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。LCMS (ESI): m/z [M +H] C24H32Cl2N3O3の計算値: 480.0; 実測値480.0.
【0497】
ステップ6.
HCl/MeOH(2mL)中のtert-ブチル(1-(6-(2,3-ジクロロフ
ェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(74mg、154μmol)の混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗残留物を分取HPLCにより精製して、(3-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピリジン-2-イル)メタノール(17mg、収率29%)を得た。1H NMR
(400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.53 (br s, 1 H) 7.62 (d, J = 8.16 Hz, 1 H) 7.57 (s, 1 H) 7.40 (t, J = 7.83 Hz, 1 H) 7.26 (dd, J = 7.61, 1.43 Hz, 1 H) 4.72 (d,
J = 5.51 Hz, 2 H) 3.19 (d, J= 13.01 Hz, 2 H) 3.11 - 2.98 (m, 2 H) 2.12 (s, 3 H) 2.07 - 1.87 (m, 4 H) 1.48 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C19H24Cl2N3Oの計算
値: 380.1; 実測値380.1.
【実施例0498】
{6-[(2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)スルファニル]-3-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)ピリジン-2-イル}メタノールの合成。
【化103】
【0499】
ステップ1.
ジオキサン(3mL)中の2-アミノ-3-クロロ-ピリジン-4-チオール(154mg、960μmol)の溶液に、メチル6-ブロモ-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(170mg、384μmol)、KPO(163mg、768μmol)、1,10-フェナントロリン(14mg、77μmol)およびCuI(7mg、38μmol)を添加した。反応混合物を130℃で4時間撹拌し、次いで室温に冷却し、減圧下で濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(82mg
、収率41%)を得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C24H33ClN5O4Sの計算値: 522.0; 実測
値522.1.
【0500】
ステップ2.
THF(2mL)中のメチル6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピコリネート(80mg、157μmol)の溶液に、LiBH(7mg、314μmol)を0℃で添加した。反応混合物を40℃で1時間撹拌し、そこで反応物を室温でMeOH(2ml)の慎重な添加によりクエンチした。混合物を濃縮して、tert-ブチル(1-(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(76mg、粗製)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。LCMS (ESI): m/z [M +H] C23H33ClN5O3Sの計算値: 494.0; 実測値494.4.
【0501】
ステップ3.
HCl/MeOH(2mL)中のtert-ブチル(1-(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(76mg、153μmol)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで分取HPLCにより精製して、(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-3-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-イル)メタノール(11mg、収率17%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz,
メタノール-d4) δ ppm 7.87 (s, 1 H) 7.65 (d, J = 6.85 Hz, 1 H) 6.29 (d, J = 6.85 Hz, 1 H) 4.82 (s, 2 H) 3.38 (s, 2 H) 3.24 - 3.13 (m, 2 H) 2.50 (s, 3 H) 2.20 -
1.95 (m, 4 H) 1.53 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C18H25ClN5OSの計算値: 394.1; 実測値394.2.
【実施例0502】
[5-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-3-ピリジル]メタノールの合成。
【化104】
【0503】
ステップ1.
DMF(4mL)中の2-クロロ-6-メチル-ピリジン-3-カルボン酸(1g、5.83mmol)の撹拌溶液に、KCO(2.2g、15.74mmol)およびCHI(3.7g、26.23mmol、1.6mL)を20℃で添加した。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応物を水(40mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-クロロ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(1g、収率92%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.13 (d, J=7.89 Hz, 1 H) 7.49 - 7.22 (m, 1 H) 3.91 (s, 3 H) 2.54 (s, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C8H9ClNO2の計算値: 186.0; 実測値186.1.
【0504】
ステップ2.
i-PrOH(4mL)中のメチル2-クロロ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(0.14g、754μmol)の溶液に、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(220mg、905.14μmol、2HCl塩)、およびDIEA(975mg、7.54mmol、1.3mL)を20℃で添加した。反応混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物にBocO(658mg、3.02mmol、693μL)を添加し、混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(90mg、収率28%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.86 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 6.96 - 6.81 (m, 1 H) 6.68 - 6.57 (m, 1 H) 4.21 (dt, J=11.34, 5.52 Hz, 1 H) 3.96 - 3.90 (m, 1 H) 3.84 (s, 3 H) 3.73 - 3.68 (m, 1 H) 3.66 - 3.62 (
m, 1 H) 3.59 - 3.55 (m, 1 H) 3.51 - 3.43 (m, 1 H) 3.34 (s, 3 H) 3.22 - 3.09 (m, 1 H) 2.43 (s, 3 H) 1.85 - 1.71 (m, 2 H) 1.64 - 1.56 (m, 2 H) 1.45 - 1.44 (m, 9 H) 1.14 - 1.10 (m, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C22H34N3O5の計算値: 420.2; 実測値420.4
【0505】
ステップ3.
DMF(5mL)中のメチル2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(0.18g、429μmol)の溶液に、NBS(84mg、472μmol)を20℃で添加した。反応物を20℃で1時間撹拌した。混合物を飽和Na水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残りの残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル5-ブロモ-2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(0.14g、収率65%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.09 - 7.88 (m, 1 H) 4.28 - 4.17 (m, 1 H) 3.95 - 3.92 (m, 1 H) 3.91 - 3.88 (m, 1 H) 3.85 (s, 3 H) 3.73 - 3.68 (m, 1 H) 3.66 -
3.61 (m, 1 H) 3.59 - 3.56 (m, 1 H) 3.52 - 3.43 (m, 2 H) 3.40 - 3.33 (m, 1 H) 3.24 - 3.13 (m, 2 H) 2.49 (s, 3 H) 1.76 - 1.68 (m, 2 H) 1.62 - 1.56 (m, 2 H) 1.45 - 1.44 (m, 9 H) 1.14 - 1.10 (m, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C22H33BrN3O5の計算
値: 498.2, 500.2; 実測値498.2, 500.2.
【0506】
ステップ4.
ジオキサン(2mL)中のメチル5-ブロモ-2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(60mg、120μmol)、2-アミノ-3-クロロ-ピリジン-4-チオール(39mg、241μmol)、1,10-フェナントロリン(4mg、24μmol)、KPO(51mg、241μmol)およびCuI(2mg、12μmol)の混合物を、140℃で48時間加熱した。混合物を水で希釈し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル5-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(20mg、収率29%)を白色固体として得た。LCMS (ESI): m/z [M +H] C27H37ClN5O5Sの計算値: 578.2; 実測
値578.3.
【0507】
ステップ5.
THF(1mL)中のメチル5-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(20mg、35μmol)の溶液に、LiBH(2mg、104μmol)を20℃で添加した。反応物を50℃で12時間撹拌した。反応混合物にHCl(0.3mL)を20℃で添加し、反応物を30℃で2時間撹拌した。混合物をNaHCOでpH=7に調整し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残りの残留物を分取HPLCにより精製して、[5-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-3-ピリジル]メタノール(4.3m
g、収率28%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.63 - 8.40 (m, 1 H) 7.86 - 7.80 (m, 1 H) 7.58 - 7.53 (m, 1 H) 5.76 - 5.73 (m, 1 H)
4.60 - 4.52 (m, 2 H) 4.32 - 4.22 (m, 1 H) 3.94 - 3.87 (m, 1 H) 3.82 - 3.75 (m, 1 H) 3.60 - 3.35 (m, 2 H) 3.25 (br d, J=3.67 Hz, 1 H) 3.11 - 2.93 (m, 2 H) 2.44 (s, 3 H) 1.99 - 1.87 (m, 2 H) 1.85 - 1.77 (m, 1 H) 1.70 (br d, J=11.74 Hz, 1 H) 1.27 (d, J=6.48 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H29ClN5O2Sの計算値: 450.2;
実測値450.2.
【実施例0508】
{2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチルピリジン-3-イル}メタノールの合成。
【化105】
【0509】
ステップ1.
DME(1mL)中のメチル5-ブロモ-2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(50mg、100μmol)の溶液に、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(29mg、151μmol)、NaCO(21mg、201μmol)、HO(0.2mL)およびPd(PPh(23mg、20μmol)を添加した。反応物を85℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水で希釈し、有機層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、次いでNaSOで脱水した。濾過した後、溶媒を減圧下で除去し、粗残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(30mg、収率53%)を得た。1H NMR (400 MHz,
メタノール-d4) δ ppm 7.72 (s, 1 H) 7.57 (br d, J=6.61 Hz, 1 H) 7.36 (s, 1 H) 7.23 (br d, J=7.72 Hz, 1 H) 6.94 (br d, J=9.92 Hz, 1 H) 4.27 - 4.20 (m, 2 H) 3.97
(br s, 1 H) 3.85 (s, 3 H) 3.74 (br d, J=9.70 Hz, 2 H) 3.67 (br d, J=8.16 Hz, 1 H) 3.48 (br s, 2 H) 2.18 (s, 3 H) 1.78 - 1.72 (m, 2 H) 1.60 (br s, 3 H) 1.45 (br
d, J=3.31 Hz, 9 H) 1.15 - 1.11 (m, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C28H36Cl2N3O4
計算値: 564.2; 実測値564.4.
【0510】
ステップ2.
THF(1mL)中のメチル2-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート(30mg、53μmol)の溶液に、LiBH(4mg、159μmol)を添加した。反応物を50℃で2時間撹拌した。次いで、HCl(濃縮)を添加し、混合物を20℃で3時間撹拌した。混合物をNaHCOでpH=7に調整し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗残留物を分取HPLCにより精製して、[2-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-(2,3-ジクロロフェニル)-6-メチル-3-ピリジル]メタノール(3mg、収率13%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.57 (dd, J=8.05, 1.43 Hz, 1 H) 7.52 (s, 1 H) 7.36 (t, J=7.83 Hz, 1 H) 7.21 (dd, J=7.72, 1.32 Hz, 1 H) 4.63 (s, 2 H) 4.30 - 4.23 (m, 1 H) 3.88 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 3.77 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 3.43 - 3.34 (m, 2 H) 3.23 - 2.88 (m, 3 H) 2.19 (s, 3 H) 1.92 (br d, J=5.73 Hz, 2 H) 1.81 - 1.69 (m, 2 H) 1.25 (d, J=6.62 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C22H28Cl2N3O2の計算値: 436.2; 実測値436.2.
【実施例0511】
5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【化106】
【0512】
ステップ1.
i-PrOH(10mL)中のメチル5-ブロモ-3-フルオロ-ピリジン-2-カルボキシレート(0.5g、2.14mmol)の溶液に、(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(649mg、2.67mmol、HCl塩)およびDIEA(2.8g、21.37mmol、3.7mL)を20℃で添加した。反応混合物を110℃で12時間撹拌した。次いで、BocO(933mg、4.27mmol、982μL)をこの混合物に添加し、得られた混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を水とEtOAcとの間で分配し、有機層をブラインで洗浄し
、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル5-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ピリジン-2-カルボキシレート(1g、収率97%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.22 (s, 1 H) 7.79 (s, 1 H) 4.28 - 4.18 (m, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 3.74 - 3.55 (m, 2 H) 3.24 - 3.14 (m, 1 H) 3.10 - 3.00 (m, 2 H) 2.96 - 2.87 (m, 1 H) 1.92 - 1.73 (m, 3 H) 1.70 - 1.58 (m, 2 H) 1.46
(s, 9 H) 1.13 (d, J=6.39 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H31BrN3O5の計算値:
484.1; 実測値484.1.
【0513】
ステップ2.
ジオキサン(15mL)中のメチル5-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]ピリジン-2-カルボキシレート(1g、2.06mmol)の溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(786mg、3.10mmol)、KOAc(405mg、4.13mmol)およびPd(dppf)Cl.CHCl(169mg、206μmol)を20℃で添加した。反応混合物を85℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、[5-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(0.4g、収率43%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.26 (br s, 1 H) 7.87 - 7.72 (m, 1 H) 6.88 (br d, J=10.58 Hz, 1 H) 4.26 - 4.17 (m, 1 H) 3.92 (s, 3 H) 3.75 - 3.71 (m, 1 H) 3.69 - 3.64 (m, 1 H) 3.34 (s, 2 H) 3.21 - 3.12 (m, 1 H) 3.05 (br s, 2 H) 2.94 - 2.82 (m, 1 H) 1.92 - 1.75 (m, 3 H) 1.70 - 1.60 (m, 1 H) 1.46 (s, 9 H) 1.13 (d,
J=6.17 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H33BN3O7の計算値: 450.2; 実測値450.4.
【0514】
ステップ3.
(303mg、2.67mmol、257μL、純度30%)を、DCM(2mL)中の[5-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-メトキシカルボニル-3-ピリジル]ボロン酸(0.4g、890μmol)の溶液に0℃でゆっくりと添加した。反応混合物を20℃で5時間撹拌した。混合物を飽和Na水溶液(40mL)でクエンチし、1N HClでpH<7に調整した。混合物をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残りの残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキシレート(0.27g、収率72%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.70 (s, 1 H) 6.94 - 6.90 (s, 1 H) 4.26 - 4.19 (m, 1 H) 3.98 - 3.92 (m, 1 H) 3.88 (s, 3 H) 3.74 - 3.69 (m, 1 H) 3.65 - 3.61 (m, 1 H) 3.16 - 3.09 (m,
1 H) 3.05 - 2.96 (m, 2 H) 2.90 - 2.81 (m, 1 H) 1.93 - 1.78 (m, 3 H) 1.71 - 1.62
(m, 1 H) 1.46 (s, 9 H) 1.13 (d, J=6.39 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C21H32N3O6の計算値: 422.2; 実測値422.4.
【0515】
ステップ4.
DMF(6mL)中のメチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]
-5-ヒドロキシ-ピリジン-2-カルボキシレート(0.27g、641μmol)の溶液に、1-(クロロメチル)-4-メトキシ-ベンゼン(150mg、961μmol、131μL)およびKCO(266mg、1.92mmol)を25℃で添加した。反応物を50℃で6時間撹拌した。混合物を水(15ml)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.33g、収率95%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.84 (s, 1 H) 7.39 - 7.35 (m, 2 H)
7.09 (s, 1 H) 6.96 - 6.92 (m, 2 H) 5.17 - 5.10 (m, 2 H) 4.26 - 4.21 (m, 1 H) 3.97 - 3.94 (m, 1 H) 3.89 (s, 3 H) 3.79 (s, 3 H) 3.73 - 3.69 (m, 1 H) 3.66 - 3.61 (m, 1 H) 3.20 - 3.11 (m, 1 H) 3.07 - 3.00 (m, 2 H) 2.88 (br s, 1 H) 1.94 - 1.77 (m, 4 H) 1.70 - 1.61 (m, 1 H) 1.46 (s, 9 H) 1.13 (d, J=6.14 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C29H40N3O7の計算値: 542.3; 実測値542.4.
【0516】
ステップ5.
DMF(3mL)中のメチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.23g、424μmol)の溶液に、NBS(76mg、425μmol)を20℃で添加した。反応物を20℃で5分間撹拌した。混合物を飽和Na水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.3g、収率85%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.95 (s, 1 H) 7.39 (d, J=8.60 Hz, 2 H) 7.10 - 7.05 (m, 1 H) 6.94 (d, J=8.60 Hz, 2
H) 5.19 (s, 2 H) 4.26 - 4.19 (m, 1 H) 3.98 - 3.92 (m, 1 H) 3.87 (s, 3 H) 3.80 (s, 3 H) 3.73 - 3.69 (m, 1 H) 3.62 (d, J=8.60 Hz, 1 H) 3.20 - 3.12 (m, 1 H) 3.03 (ddd, J=11.74, 7.99, 3.20 Hz, 2 H) 2.93 - 2.87 (m, 1 H) 2.68 (s, 2 H) 1.91 - 1.73 (m, 3 H) 1.63 (dt, J=12.79, 3.97 Hz, 1 H) 1.46 (s, 9 H) 1.19 - 1.11 (m, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C29H39BrN3O7の計算値: 620.2; 実測値620.3.
【0517】
ステップ6.
DME(2mL)中のメチル6-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.1g、161.15μmol)の溶液に、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(46mg、242μmol)、NaCO(34mg、322μmol)、HO(0.4mL)およびPd(PPh(37mg、32μmol)を20℃で添加した。反応混合物を85℃で3時間撹拌した。混合物を水(5ml)で希釈し、有機層をEtOAcで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.05g、収率45%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタ
ノール-d4) δ ppm 7.57 - 7.54 (m, 1 H) 7.33 (t, J=7.72 Hz, 1 H) 7.27 (dd, J=7.61
, 1.65 Hz, 1 H) 7.24 - 7.21 (m, 3 H) 6.86 (d, J=8.60 Hz, 2 H) 5.12 (s, 2 H) 4.27
- 4.23 (m, 1 H) 3.98 (br d, J=4.19 Hz, 1 H) 3.87 (s, 3 H) 3.76 (s, 3 H) 3.73 (br d, J=8.38 Hz, 1 H) 3.66 (br d, J=8.60 Hz, 1 H) 3.23 (br s, 1 H) 3.11 (br d, J=10.58 Hz, 2 H) 2.97 (br d, J=12.35 Hz, 1 H) 1.94 - 1.80 (m, 3 H) 1.68 (br s, 1 H) 1.48 (s, 8 H) 1.15 (d, J=6.39 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C35H42Cl2N3O7の計算値: 686.2; 実測値686.3
【0518】
ステップ7.
THF(1mL)中のメチル3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(50mg、73μmol)の溶液に、LiBH(5mg、219μmol)を20℃で添加した。反応物を50℃で2時間撹拌した。混合物にHCl(0.3mL)を20℃で添加し、得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物をNaHCOでpH=7に調整し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残りの残留物を分取HPLCにより精製して、5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-2-(2,3-ジクロロフェニル)-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(6mg、収率18%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.49 (br s, 1 H) 7.57 (d, J=8.33 Hz, 1 H) 7.39 - 7.28 (m, 2 H) 7.06 (s, 1 H) 4.67 (s, 2 H) 4.32 - 4.24 (m, 1 H) 3.93 (d, J=9.21 Hz, 1 H) 3.83 (d, J=8.77 Hz, 1 H) 3.37 (br d, J=3.95 Hz, 1 H) 3.26 - 3.16 (m, 2 H) 2.88 - 2.72 (m, 2 H) 2.05 - 1.96 (m, 2 H) 1.93 - 1.87 (m, 1 H) 1.74 (br d, J=12.28 Hz, 1 H) 1.30 (d, J=6.14 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M
+H] C21H26Cl2N3O3の計算値: 438.1; 実測値438.1
【実施例0519】
2-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オールの合成。
【化107】
【0520】
ステップ1.
ジオキサン(4mL)中のメチル6-ブロモ-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキ
シレート(0.2g、322μmol)、2-アミノ-3-クロロ-ピリジン-4-チオール(104mg、645μmol)、1,10-フェナントロリン(12mg、65μmol)、KPO(137mg、645μmol)およびCuI(6mg、32μmol)の溶液を、130℃で3時間加熱した。混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、メチル6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.1g、収率44%)を白色固体として得た。1H
NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.15 - 7.09 (m, 3 H) 6.94 - 6.90 (m, 1 H) 6.85 - 6.81 (m, 2 H) 5.99 (br s, 1 H) 5.10 (s, 2 H) 4.27 - 4.20 (m, 1 H) 4.00 - 3.94 (m, 1 H) 3.88 (s, 3 H) 3.77 (s, 3 H) 3.72 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 3.66 - 3.62 (m, 1 H) 3.34 (s, 1 H) 3.25 (br d, J=7.94 Hz, 1 H) 3.17 - 3.10 (m, 2 H) 1.90 - 1.79 (m, 3 H) 1.72 - 1.62 (m, 1 H) 1.47 (s, 9 H) 1.15 (d, J=6.39 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M +H] C34H43ClN5O7Sの計算値: 700.2; 実測値700.3.
【0521】
ステップ2.
THF(3mL)中のメチル6-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-3-[(3S,4S)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-5-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]ピリジン-2-カルボキシレート(0.1g、143μmol)の溶液に、LiBH(9mg、428μmol)を20℃で添加した。反応物を50℃で2時間撹拌した。この混合物にHCl(1mL)を20℃で添加し、反応物を30℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaHCOでpH=7に調整し、濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。残りの残留物を分取HPLCにより精製して、2-[(2-アミノ-3-クロロ-4-ピリジル)スルファニル]-5-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-オール(8mg、収率12%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.52 (d, J=5.51 Hz, 1 H) 7.05 - 6.93 (m, 1 H) 5.93 (d, J=5.73 Hz, 1 H) 4.61 (s, 2 H) 4.32 - 4.17 (m, 1 H) 3.85 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 3.73 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 3.26 - 3.05 (m, 3 H) 2.94 - 2.71 (m, 2 H) 2.02 -
1.86 (m, 2 H) 1.83 - 1.65 (m, 2 H) 1.23 (d, J=6.39 Hz, 3 H). LCMS (ESI): m/z [M
+H] C20H27ClN5O3Sの計算値: 452.1; 実測値452.1.
【0522】
追加の化合物
本開示の化合物は、本明細書において提供される合成スキームに従って製造した。下記の表は、化合物および質量分析結果を示す。
【0523】
【表14】
【表15】
【0524】
生物学的実施例-SHP2アロステリック阻害アッセイ
理論に拘束されることを望まないが、SHPは、ビス-チロシル-リン酸化ペプチドとそのSrc相同2(SH2)ドメインとの結合を介して、アロステリックに活性化される。後者の活性化ステップによりSHP2の自己阻害界面の放出が起こり、次にこれによりSHP2タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)が活性となり、基質認識および反応触媒作用に利用可能となる。SHP2の触媒活性は、即発蛍光アッセイフォーマットで代用基質DiFMUPを使用してモニターした。
【0525】
ホスファターゼ反応は、100μLの最終反応体積および以下のアッセイ緩衝液条件:50mM HEPES、pH7.2、100mM NaCl、0.5mM EDTA、0.05%P-20、1mM DTTを使用して、96ウェル黒色ポリスチレンプレート、平底、非結合表面(Corning、カタログ番号3650)中、室温で行った。
【0526】
本開示の化合物(濃度が0.00005~10μMで変化する)によるSHP2の阻害を、0.2nMのSHP2を0.5μMの活性化ペプチド1(配列:HN-LN(pY)IDLDLV(dPEG8)LST(pY)ASINFQK-アミド)または活性化ペプチド2(配列:HN-LN(pY)AQLWHA(dPEG8)LTI(pY)ATIRRF-アミド)とともにインキュベートしたアッセイを使用してモニターした。25℃で30~60分間のインキュベーション後、代用基質DiFMUP(Invitrogen、カタログ番号D6567)を反応物に添加し、活性を、マイクロプレートリーダー(Envision、Perkin-ElmerまたはSpectramax M5、Molecular Devices)を使用した動力学的読み取りにより決定した。励起波長および発光波長は、それぞれ340nmおよび450nmとした。初期速度をデータの線形適合から決定し、阻害剤用量応答曲線を、対照に基づく正規化と適合する正規化IC50回帰曲線を使用して分析した。
【0527】
一部の実施形態において、上記アッセイで試験した本開示の化合物は、1000nM未満の活性を実証した。一部の実施形態において、上記アッセイで試験した本開示の化合物は、約10nMから約100nMの活性を実証した。一部の実施形態において、上記アッセイで試験した本開示の化合物は、10nMから100nMの活性を実証した。一部の実施形態において、上記アッセイで試験した本開示の化合物は、10nM未満の活性を実証した。
【0528】
1種またはそれ以上の開示されている化合物または組成物は、対象において障害を処置もしくは防止するおよび/またはその発症を防止するための有効量で投与することができる。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物1000nM未満を用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約1nMから約10nMを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約10nMから約100nMを用いる処置後に阻害される。一部の実施形態において、SHP2は、本開示の化合物約100nMから約10μMを用いる処置後に阻害される。
【0529】
上記プロトコールを使用して、SHP2阻害を、表1に説明されている通り測定した。
【0530】
【表16】
【0531】
均等物
本開示は、上で説明されている具体的な実施形態に関連して記載されているが、それらの多くの代替物、改変および他の変形は、当業者に明らかである。全てのこうした代替物、改変および変形は、本開示の精神および範囲内であることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
(式中:
Aは、5員から12員の単環式または多環式のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
1は、直接結合であり;
2は、-NRa-、-(CRa 2m-、-C(O)-、-C(Ra2NH-、-(CRa 2mO-、-C(O)N(Ra)-、-N(Ra)C(O)-、-S(O)2N(Ra)-、-N(Ra)S(O)2-、-N(Ra)C(O)N(Ra)-、-N(Ra)C(S)N(Ra)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)N(Ra)-、-N(Ra)C(O)O-、-C(O)N(Ra)O-、-N(Ra)C(S)-、-C(S)N(Ra)-または-OC(O)O-であり;ここで、Y2の左側の結合は、描かれている通り、ピリジン環に結合されており、Y2部分の右側の結合は、描かれている通り、R3に結合されており;
1は独立して、各出現で、-H、-D、-C1~C6アルキル、-C2~C6アルケニル、-C4~C8シクロアルケニル、-C2~C6アルキニル、-C3~C8シクロアルキル、-OH、ハロゲン、-NO2、-CN、-NR56、-SR5、-S(O)2NR56、-S(O)25、-NR5S(O)2NR56、-NR5S(O)26、-S(O)NR56、-S(O)R5、-NR5S(O)NR56、-NR5S(O)R6、-C(O)R5または-CO25であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-O
H、-NO2、オキソ、-CN、-OR5、-NR56、-SR5、-S(O)2NR56
-S(O)25、-NR5S(O)2NR56、-NR5S(O)26、-S(O)NR56、-S(O)R5、-NR5S(O)NR56、-NR5S(O)R6、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;
2は、-OH、-CN、-C1~C6アルキル、-C2~C6アルケニル、-C4~C8シクロアルケニル、-C2~C6アルキニル、-C3~C8シクロアルキル、アリール、N、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり;ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO2、オキソ、-CN、-R5、-OR5、-NR56、-SR5、-S(O)2NR56、-S(O)25、-NR5S(O)2NR56、-NR5S(O)26、-S(O)NR56、-S(O)R5、-NR5S(O)NR56、-NR5S(O)R6、複素環、アリールまたはヘテロアリールで場合により置換されており;ここで、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、窒素原子を介して付着されておらず;
aは独立して、各出現で、-H、-D、-OH、-C3~C8シクロアルキルまたは-C1~C6アルキルであり、ここで、各アルキルまたはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-NH2で場合により置換されており、ここで2つのRaは、それらが共に付着されている炭素原子と一緒に、組み合わされて3員から8員のシクロアルキルを形成することができ;
bは独立して、各出現で、-H、-D、-C1~C6アルキル、-C3~C8シクロアルキル、-C2~C6アルケニル、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり;ここで、各アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、ハロゲン、-NO2、オキソ、-CN、-R5、-OR5、-NR56、-SR5、-S(O)2NR56、-S(O)25、-NR5S(O)2NR56、-NR5S(O)26、-S(O)NR56、-S(O)R5、-NR5S(O)NR56、-NR5S(O)R6、複素環、アリール、ヘテロアリール、-(CH2nOH、-C1~C6アルキル、-CF3、-CHF2または-CH2Fで場合により置換されており;
3は、-H、-C1~C6アルキル、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環、-C3~C8シクロアルキルまたは-(CH2n-Rbであり、ここで、各アルキル、複素環またはシクロアルキルは、1つまたはそれ以上の-C1~C6アルキル、-OH、-NH2、-ORb、-NHRb、-(CH2nOH、ヘテロシクリルまたはスピロヘテロシクリルで場合により置換されており;または
3は、Raと組み合わされて、3員から12員の単環式もしくは多環式の複素環または5員から12員のスピロ複素環を形成することができ、ここで、各複素環またはスピロ複素環は、1つまたはそれ以上の-C1~C6アルキル、-OH、-NH2、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-(CH2nNH2、-COORb、-CONHRb、-CONH(CH2nCOORb、-NHCOORb、-CF3、-CHF2または-CH2Fで場合により置換されており;
4は、-H、-D、-C1~C6アルキル、-NH-NHR5、-NH-OR5、-O-NR56、-NHC(O)R5、-NHC(O)NHR5、-NHS(O)25、-NHS(O)2NHR5、-S(O)2OH、-C(O)OR5、-NH(CH2nOH、-C(O)NH(CH2nOH、-C(O)NH(CH2nb、-C(O)Rb、-OH、-CN、-C(O)NR56、-S(O)2NR56、C3~C8シクロアルキル、アリール、またはN、S、PおよびOからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルは、1つまたはそれ以上の-OH、-NH2、ハロゲンまたはオキソで場合により置換されており;ここで、各アリールは、1つまたはそれ以上の-OH、
-NH2またはハロゲンで場合により置換されており;または
aおよびR4は、それらが付着されている原子(単数または複数)と一緒に、組み合わ
されて、単環式もしくは多環式のC3~C12シクロアルキルまたは単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環を形成することができ、ここで、シクロアルキルまたは複素環は、オキソで場合により置換されており;ここで、複素環は、複素環中に-S(O)2-を場合により含み;
5およびR6は独立して、各出現で、-H、-D、-C1~C6アルキル、-C2~C6アルケニル、-C4~C8シクロアルケニル、-C2~C6アルキニル、-C3~C8シクロアルキル、単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環、-OR7、-SR7、ハロゲン、-NR78、-NO2または-CNであり;
7およびR8は独立して、各出現で、-H、-D、-C1~C6アルキル、-C2~C6アルケニル、-C4~C8シクロアルケニル、-C2~C6アルキニル、-C3~C8シクロアルキル、または単環式もしくは多環式の3員から12員の複素環であり、ここで、各アルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキルまたは複素環は、1つまたはそれ以上の-OH、-SH、-NH2、-NO2または-CNで場合により置換されており;
mは独立して、各出現で、1、2、3、4、5または6であり;
nは独立して、各出現で、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは異性体。
【外国語明細書】