(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180966
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/543 20210101AFI20231214BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231214BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20231214BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20231214BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20231214BHJP
【FI】
H01M50/543
H01M10/04 Z
H01M50/548 101
H01G11/78
H01G11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094668
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】青沼 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】福田 滋
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
【テーマコード(参考)】
5E078
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AB02
5E078HA23
5E078KA01
5E078KA06
5H028AA05
5H028CC01
5H028CC05
5H028CC19
5H043AA02
5H043AA19
5H043AA20
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA13
5H043DA08
5H043DA18
5H043HA25D
5H043JA01D
5H043JA03D
5H043JA13D
5H043JA26D
5H043LA21D
5H043LA22D
(57)【要約】
【課題】端子ボルトに配線が接続される際に、ナットと配線との共回りの発生を抑制できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置は、端子台に装着される端子カバーを備え、端子カバーは、端子台に取り付けられて端子台を覆い、端子ボルトを露出させる開口を有するベース部と、ベース部に取り付けられ、少なくとも開口を覆うカバー部と、を含み、ベース部は、ベース部から第2方向に突出し、配線を挟んで互いに対向する第1壁及び第2壁を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバイポーラ電極を含む電極が第1方向に沿って積層された蓄電モジュールを有する積層体と、
前記第1方向において前記積層体の両端に積層される一対の集電板と、
前記積層体及び前記一対の集電板を前記第1方向から挟んで拘束する拘束板と、
少なくとも一つの前記集電板の端子に電気的に接続された前記第1方向に交差する第2方向に突出する端子ボルトが固定され、前記拘束板における前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向と前記第1方向とに延在する側面である端子台設置面に設けられた端子台と、
前記端子ボルトに固定された電力取出用の配線と、
前記端子台に装着される端子カバーと、を備え、
前記端子カバーは、
前記端子台に取り付けられて前記端子台を覆い、前記端子ボルトを露出させる開口を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、少なくとも前記開口を覆うカバー部と、を含み、
前記ベース部は、前記開口に隣接して設けられ、前記端子台から前記第2方向に取り出される前記配線を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記ベース部から前記第2方向に突出し、前記配線を挟んで互いに対向する第1壁及び第2壁を有する、蓄電装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記ベース部から前記第2方向に突出して、前記第1壁と前記第2壁とを接続する第3壁をさらに有しており、前記開口に面する側にスリットが形成された略筒状を呈している、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記カバー部が前記ベース部に取り付けられている状態において、
前記カバー部は、前記配線を挟んで前記第3壁に対向して前記スリットを覆う壁体を有する、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記ベース部と前記カバー部とは、互いに係合して固定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記ベース部と前記カバー部とはヒンジ部によって互いに接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記ベース部は、前記第2方向から見て前記端子台を囲む側壁と、前記開口が設けられる端部壁と、を含み、
前記カバー部は、前記端部壁を覆う板状部と、前記側壁の一部を覆うように前記板状部から突出した突出片と、を含み、
前記ベース部の前記側壁には第1係合部が形成され、前記カバー部の前記突出片には第1係合部に係合される第2係合部が形成されている、請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記カバー部が前記ベース部に係合されている状態において、前記ベース部の外面と前記カバー部の内面との間には、前記開口から前記端子カバーの外部まで連通する間隙が形成されている、請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記ベース部の前記側壁の外面は、前記第1係合部に隣接する外側リブを有している、請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記ベース部の前記端部壁の内面は、内側リブを有している、請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記拘束板は、前記第1方向から見て、前記端子台設置面よりも前記第2方向に張り出した一対の張出部を有し、
前記端子台は、前記第1方向から見て、前記一対の張出部同士の間において前記端子台設置面に配置されている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記電極は、前記第1方向において第1面と前記第1面とは逆側の第2面とを有する電極板を含み、
前記積層体は、前記第1方向に沿って前記電極板の前記第1面が同じ方向を向くように積層された複数の前記電極と、前記第1方向に隣り合う前記電極とともに電解質を収容する空間を画成する封止部と、を含む蓄電モジュールを有し、
前記蓄電モジュールに含まれる前記電極は、
前記電極板と、前記電極板の前記第1面に設けられた正極活物質層と、前記電極板の前記第2面に設けられた負極活物質層と、を有する前記バイポーラ電極と、
前記電極板と前記電極板の前記第1面に設けられた前記正極活物質層とを有し、前記電極板の前記第2面が前記封止部から露出した電流取出面を形成している正極終端電極と、
前記電極板と前記電極板の前記第2面に設けられた前記負極活物質層とを有し、前記電極板の前記第1面が前記封止部から露出した電流取出面を形成している負極終端電極と、によって構成されている、請求項1に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池モジュールが開示されている。この電池モジュールは、複数のバイポーラ電極を積層したバイポーラ電池と、バイポーラ電池をバイポーラ電極の積層方向に挟み込んで保持する一対の保持板と、一方の保持板を介してバイポーラ電池の正極側に電気的に接続される正極端子と、他方の保持板を介してバイポーラ電池の負極側に電気的に接続される負極端子と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、電池モジュールから電力を取り出す場合、正極端子及び負極端子といった、電力取出用の端子ボルトを他の物体との接触から保護するために、当該端子ボルトを端子カバーで覆うことが考えられる。このような場合、端子ボルトに接続される電力取出用の配線が端子ボルトの軸方向に沿って端子カバーから取り出される構成では、ナットを用いて端子ボルトに配線が接続される際に、ナットと配線との共回りが発生することが考えられる。
【0005】
本開示は、端子ボルトに接続される電力取出用の配線が端子ボルトの軸方向に沿って端子カバーから取り出される構成において、端子ボルトに配線が接続される際に、ナットと配線との共回りの発生を抑制できる蓄電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の蓄電装置は、複数のバイポーラ電極を含む電極が第1方向に沿って積層された蓄電モジュールを有する積層体と、第1方向において積層体の両端に積層される一対の集電板と、積層体及び一対の集電板を第1方向から挟んで拘束する拘束板と、少なくとも一つの集電板の端子に電気的に接続された第1方向に交差する第2方向に突出する端子ボルトが固定され、拘束板における第1方向及び第2方向の両方に交差する第3方向と第1方向とに延在する側面である端子台設置面に設けられた端子台と、端子ボルトに固定された電力取出用の配線と、端子台に装着される端子カバーと、を備える。端子カバーは、端子台に取り付けられて端子台を覆い、端子ボルトを露出させる開口を有するベース部と、ベース部に取り付けられ、少なくとも開口を覆うカバー部と、を含み、ベース部は、開口に隣接して設けられ、端子台から第2方向に取り出される配線を保持する保持部を有し、保持部は、ベース部から第2方向に突出し、配線を挟んで互いに対向する第1壁及び第2壁を有する。
【0007】
この蓄電装置によれば、端子カバーが端子ボルトを覆うように端子台に取り付けられた状態で、端子ボルトと他の物体との接触を抑制しながら、端子ボルトに接続された配線を開口から外部に導くことができる。端子カバーには保持部が設けられているため、外部に導かれた配線は、第2方向、すなわち端子ボルトの延在する方向に沿って取り出されることになる。この場合、開口を通った配線は、互いに対向する第1壁及び第2壁によって画成される空間に保持されるため、第1壁又は第2壁に当接することで、配線の共回りが抑制される。
【0008】
保持部は、ベース部から第2方向に突出して、第1壁と第2壁とを接続する第3壁をさらに有しており、開口に面する側にスリットが形成された略筒状を呈していてもよい。この構成では、開口を通った配線は、スリットを介して略筒状をなす保持部内に保持されることになる。
【0009】
拘束板は、第1方向から見て、端子台設置面よりも第2方向に張り出した一対の張出部を有し、端子台は、第1方向から見て、一対の張出部同士の間において端子台設置面に配置されてもよい。この構成では、張出部が端子台を保護する保護壁として機能し得る。
【0010】
カバー部がベース部に取り付けられている状態において、カバー部は、配線を挟んで第3壁に対向してスリットを覆う壁体を有してもよい。この構成では、保持部のスリットが壁体で覆われることにより、端子ボルトの絶縁性を高めることができる。
【0011】
ベース部とカバー部とは、互いに係合して固定されていてもよい。この構成では、カバー部をベース部に対して簡便に固定することができる。
【0012】
ベース部とカバー部とはヒンジ部によって互いに接続されていてもよい。この構成では、ベース部とカバー部とが一体化していることにより、例えば、カバー部によってベース部を容易に覆うことができる。
【0013】
ベース部は、第2方向から見て端子台を囲む側壁と、開口が設けられる端部壁と、を含み、カバー部は、端部壁を覆う板状部と、側壁の一部を覆うように板状部から突出した突出片と、を含み、ベース部の側壁には第1係合部が形成され、カバー部の突出片には第1係合部に係合される第2係合部が形成されていてもよい。この構成では、簡易な構成によって、カバー部をベース部に係合することができる。
【0014】
カバー部がベース部に係合されている状態において、ベース部の外面とカバー部の内面との間には、開口から端子カバーの外部まで連通する間隙が形成されていてもよい。この構成では、間隙を介して、ベース部の内側にこもった熱を外部に導くことができる。
【0015】
ベース部の側壁の外面は、第1係合部に隣接する外側リブを有していてもよい。この構成では、第1係合部の強度を高めることができる。
【0016】
ベース部の端部壁の内面は内側リブを有していてもよい。この構成では、ベース部の強度を高めることができる。
【0017】
電極は、第1方向において第1面と第1面とは逆側の第2面とを有する電極板を含み、積層体は、第1方向に沿って電極板の第1面が同じ方向を向くように積層された複数の電極と、第1方向に隣り合う電極とともに電解質を収容する空間を画成する封止部と、を含む蓄電モジュールを有し、蓄電モジュールに含まれる電極は、電極板と、電極板の第1面に設けられた正極活物質層と、電極板の第2面に設けられた負極活物質層と、を有するバイポーラ電極と、電極板と電極板の第1面に設けられた正極活物質層とを有し、電極板の第2面が封止部から露出した電流取出面を形成している正極終端電極と、電極板と電極板の第2面に設けられた負極活物質層とを有し、電極板の第1面が封止部から露出した電流取出面を形成している負極終端電極と、によって構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、端子ボルトに接続される電力取出用の配線が端子ボルトの軸方向に沿って端子カバーから取り出される構成において、端子ボルトに配線が接続される際に、ナットと配線との共回りの発生を抑制できる蓄電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】一例の蓄電装置における、Z軸方向の一方側の端部付近の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】一例の蓄電装置における、端子台の近傍を示す斜視図である。
【
図4】一例の蓄電装置における、端子台の近傍を示す斜視図である。
【
図5】蓄電装置に装着された一例の端子カバーを示す斜視図である。
【
図8】他の例の蓄電装置における拘束板を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。なお、図面には、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を有する直交座標系が示される。以下、Z軸方向を上下方向として説明する場合がある。また、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の一方側及び他方側を各座標軸の向きに応じて正側及び負側として説明する場合がある。
【0021】
図1は、一例の蓄電装置の概略図である。
図2は、一例の蓄電装置における、Z軸方向の上側の端部付近の構成を示す分解斜視図である。蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。一例の蓄電装置1は、積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体2と、集電板5A,5Bと、絶縁板20A,20Bと、拘束板8と、端子台70と、端子カバー100とを含む。本明細書では、便宜上、バイポーラ電極を含む電極の積層方向をZ軸方向とし、積層方向に略直交する方向であって、積層方向から見た蓄電モジュール3の長手方向をY軸方向とし、積層方向に略直交する方向であって、蓄電モジュール3の短手方向をX軸方向としている。本実施形態において、Z軸方向は鉛直方向に一致しており、Z軸方向の正側が鉛直方向上側に一致し、Z軸方向の負側が鉛直方向下側に一致する。
【0022】
一例の積層体2は、複数(本実施形態では7つ)の蓄電モジュール3と、複数(本実施形態では6つ)の導電板5Cと、を含む。蓄電モジュール3は、バイポーラ電極を含む複数の電極が積層されることにより構成されている。積層体2は、蓄電モジュール3と導電板5Cとが、交互に積層されてなる。なお、積層体2は、蓄電モジュール3を1つのみ有していてもよく、その場合、導電板5Cを有さない。蓄電モジュール3は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池である。ただし、蓄電装置1は、上記二次電池に限られず、例えば電気二重層キャパシタであってもよい。本実施形態では、蓄電装置1は、ニッケル水素二次電池である。
【0023】
蓄電モジュール3のバイポーラ電極は、電極板の一方の面である第1面(例えば下面)に正極(正極活物質層)が形成され、他方の面である第2面(例えば上面)に負極(負極活物質層)が形成されている。蓄電モジュール3は、バイポーラ電極とセパレータとが交互に複数枚積層されることによって構成された電極積層体13を含む(
図2参照)。また、電極積層体13の側面には枠状の絶縁性の樹脂からなるシール部材14(封止部)が設けられている。すなわち、電極積層体13の側面は、シール部材14でシールされている。電極積層体13の内部では、Z軸方向に隣り合う電極とシール部材14とによって画成された空間内に電解液(電解質)が封入されている。なお、蓄電モジュール3は、Z軸方向において両端に正極側及び負極側の電流取出面13aを有する正極終端電極及び負極終端電極を備える。電流取出面13aは、蓄電モジュール3から電流を取り出す面であり、シール部材14から電極積層体13の電極が露出することによって形成される。すなわち、正極終端電極は、電極板と電極板の第1面に設けられた正極とを有し、電極板の第2面がシール部材14から露出することによって電流取出面13aを形成している。また、負極終端電極は、電極板と電極板の第2面に設けられた負極とを有し、電極板の第1面がシール部材14から露出することによって電流取出面13aを形成している。
【0024】
複数の蓄電モジュール3は、導電板5Cを介してZ軸方向に積層されている。Z軸方向に互いに隣り合う蓄電モジュール3同士は、導電板5Cを介して電気的に接続されている。すなわち、積層体2は、蓄電モジュール3と導電板5Cとが交互に積層されることによって構成されている。Z軸方向に互いに隣り合う蓄電モジュール3間において、導電板5Cは、矩形板状に形成されており、互いに対向する電極積層体13の電流取出面13a間に接触配置されている。
【0025】
図1に示すように、集電板5A,5Bは、積層体2の積層方向でもあるZ軸方向(第1方向)において積層体2の両端である一方端及び他方端に積層されている。すなわち、一対の集電板5A,5Bは、積層方向であるZ軸方向において積層体2を挟む位置に配置される。一例の集電板5Aは、積層体2の一方端に位置する蓄電モジュール3の電極積層体13の負極側の電流取出面13aに接触される矩形板状の本体部15と、本体部15の外縁部15aを基端としてY軸方向に突出する負極端子7(端子)とを有する。例えば、負極端子7は、板状をなしており、本体部15に対して一体的に形成されている。
【0026】
集電板5Aは、集電板5Bと同様の形状を有している。すなわち、集電板5Bは、積層体2の他方端に位置する蓄電モジュール3の電極積層体13の正極側の電流取出面13aに接触される矩形板状の本体部と、本体部の外縁部を基端としてY軸方向に突出する正極端子6(端子)とを有する。蓄電装置1の充放電は、負極端子7及び正極端子6を介して実施される。なお、一例において、負極端子7は、X軸方向の正側に寄った位置に設けられ、正極端子6は、X軸方向の負側に寄った位置に設けられる。以下の説明では、集電板5A,5Bを集電板5という場合がある。
【0027】
拘束板8は、積層体2及び集電板5A,5BをZ軸方向において拘束する。拘束板8は、Z軸方向から見た蓄電モジュール3の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。拘束板8は、Z軸方向から見て積層体2に重なる本体部11と、本体部11からX軸方向に延在するとともにZ軸方向から見て積層体2に重ならない縁部10と、を有する。本実施形態では、一対の縁部10は、X軸方向における本体部11の両側に設けられている。すなわち、本体部11は、一対の縁部10に挟まれている。縁部10は、Z軸方向の内側を向く内面10bと、Z軸方向の外側を向く外面10aと、を有している。本体部11は、Z軸方向の内側(Z軸方向における蓄電モジュール3側)を向く内面11bと、内面11bとは反対側の面である、Z軸方向の外側(Z軸方向における蓄電モジュール3とは反対側)を向く外面11aと、を有している。外面10aは、外面11aの端縁からX軸方向の外側に向かってZ軸方向の内側に傾斜するように延在している。内面10bは、内面11bよりもZ軸方向の内側に位置している。
【0028】
一対の縁部10は、拘束板8の長手方向(Y軸方向)に延在する外縁部分である。一対の縁部10は、Z軸方向から見て積層体2と重ならないように配置されている。各縁部10には、ボルト9aが挿通される複数の挿通孔10cが設けられている。
図2に示すように、一例の挿通孔10cは、外面10aがXY平面に沿うように形成された切欠き状部分に設けられている。各縁部10において、複数の挿通孔10cは、拘束板8の長手方向(Y軸方向)に沿って互いに離間するように配置されている。本実施形態では、複数の挿通孔10cは、拘束板8の長手方向における縁部10の一端から他端まで等間隔に配置されている。図示例では、縁部10のX軸方向の外端縁に、Z軸方向の内側に突出する突出部10dが形成されている。複数の挿通孔10cは、突出部10dを貫通している。
【0029】
ボルト9aの頭部は、拘束板8Aの外面10a上に配置されている。ボルト9aの軸部の先端部(ネジ先)は、拘束板8Bの外面10aから突出している。ボルト9aの先端部には、ナット9bが螺合されている。ナット9bは、拘束板8Bの外面10a上に配置されている。これにより、複数の蓄電モジュール3、複数の導電板5C及び集電板5A,5Bが、拘束板8A,8Bによって挟持されている。また、Z軸方向の拘束荷重が積層体2に対して付加されている。
【0030】
絶縁板20A,20Bは、拘束板8と集電板5A,5Bとの間を絶縁する。集電板5Aと拘束板8Aとの間には、絶縁板20Aが設けられる。絶縁板20Aは、集電板5Aと拘束板8Aとの間の絶縁性を確保するための部材であり、例えば絶縁性を有する樹脂によって形成されている。また、集電板5Bと拘束板8Bとの間には、絶縁板20Bが設けられる。絶縁板20Bは、集電板5Bと拘束板8Bとの絶縁性を確保するための部材であり、例えば絶縁性を有する樹脂によって形成されている。
【0031】
端子台70は、拘束板8に設けられた端子台設置面8aに固定されている。端子台設置面8aは、拘束板8の本体部11におけるX軸方向(第3方向)とZ軸方向とに沿って延在する側面であってよい。一例の蓄電装置1では、拘束板8A,8Bのそれぞれに同様に端子台70が設けられてもよい。拘束板8Aに設けられた端子台70には、集電板5Aの負極端子7が固定されている。一例の端子台70は、X軸方向に長手方向を有する略直方体形状の台座部71を有する。台座部71は、例えば絶縁性を有する樹脂によって形成されている。図示例の台座部71では、X軸方向の両端側の部分におけるY軸方向に沿った大きさが、X軸方向の中央部分におけるY軸方向に沿った大きさよりも小さい。すなわち、台座部71は、X軸方向の中央においてY軸方向に突出した中央部72と、X軸方向の両端側において中央部72よりもY軸方向に凹んだ一対の端部73,75とを含む。台座部71の中央部72にはZ軸方向に突出する端子ボルト32が設けられている。
【0032】
図3は、蓄電装置における負極側の端子台の近傍を下側から見た斜視図である。
図4は、蓄電装置における負極側の端子台の近傍を上側から見た斜視図である。
図3及び
図4では、蓄電装置1から端子台カバーが取り外された状態が示されている。なお、一例の蓄電装置1においては、正極端子の近傍も同様の構成を有していてよい。
【0033】
図3及び
図4に示すように、負極端子7は、第1の片部41と、第2の片部42と、屈曲部47とを有することで、X軸方向から見て略L字状に構成される。第1の片部41は、Z軸方向からみて、本体部15の縁である外縁部15aからY軸方向へ延びる板状の部分である。第2の片部42は、第1の片部41の先端部から端子台70側(Z軸方向の正側)へ積層方向に沿って屈曲し、端子台70に取り付けられる板状の部分である。第2の片部42の略中央位置には、Y軸方向に貫通する貫通孔43が形成される。当該貫通孔43には、端子ボルト32が挿通される。第1の片部41及び第2の片部42は、いずれもX軸方向に平行に広がっており、両者のX軸方向の大きさは同一である。屈曲部47は、第1の片部41と第2の片部42とを接続する部分であり、負極端子7を構成する板材が屈曲することで形成される。
【0034】
負極端子7には、当該負極端子7に作用する応力を緩和するバネ部50が形成される。このバネ部50は、負極端子7を端子ボルト32及びナット38を用いて端子台70に押圧された状態で取り付けた後、負極端子7に作用する応力を緩和し得る。一例のバネ部50は、曲げ部51と、延在部53と、曲げ部52とを含む。曲げ部51は、負極端子7のY軸方向の正側の端部であって外縁部15aと負極端子7とが接続される接続部46に形成されており、第1の片部41をZ軸方向において端子台70側に湾曲させる部分である。延在部53は、曲げ部51からY軸方向に沿って延びる部分である。曲げ部52は、延在部53のY軸方向の負側の端部から曲げ部51と逆側に第1の片部41に湾曲させる部分である。
【0035】
図4に示すように、端子台70の台座部71は、拘束板8Aの端子台設置面8aに固定ボルト19で固定されている。一例では、台座部71を構成する一対の端部73,75にY軸方向に端子台70を貫通する貫通孔がそれぞれ形成されている。台座部71は、貫通孔に挿通された固定ボルト19が拘束板8Aの端子台設置面8aに締結されることにより、端子台設置面8aに固定される。台座部71は、少なくとも蓄電モジュール3よりもY軸方向の負側へ突出する。
【0036】
端子ボルト32は、台座部71における中央部72の端面からY軸方向に突出している。端子ボルト32は、Y軸方向の負側へ向かって、Y軸方向と平行に延びる。この端子ボルト32に対しては、負極端子7の第2の片部42と、配線36に接続された接続端子37とが、端子ボルト32に締結されたナット38に押圧される形で取り付けられる。
【0037】
一例の接続端子37は、端子ボルト32が挿通されるワッシャ状部分37aと、配線36が接続される接続部分37bとを含む。配線36は、接続部分37bに対して圧着されてもよい。ワッシャ状部分37aは、板状を呈しており、端子ボルト32が挿通される貫通孔を含む。接続部分37bは、ワッシャ状部分37aに対して屈曲して延在している。すなわち、ワッシャ状部分37aの延在方向と接続部分37bの延在方向とは互いに交差している。図示例の接続端子37においては、ワッシャ状部分37aがXZ平面に沿って延在した状態で、接続部分37bは、配線36がY軸方向に沿いやすいように、XZ平面に交差するようにY方向の負側に向かって延在している。例えば、Z軸方向から見たときに、接続部分37bは、X軸に対して45度程度の角度で交差していてもよい。
【0038】
一例の絶縁板20Aは、樹脂などの絶縁性の材料によって形成される部材であり、集電板5Aと拘束板8Aとの間に設けられる。絶縁板20Aは、Z軸方向から見て集電板5Aの本体部15の全域と重なるように配置される。これにより、集電板5Aと拘束板8Aとが対向する箇所には、絶縁板20Aが介在することで、集電板5Aと拘束板8Aとの間の電気的な絶縁性が確保される。
【0039】
図3に示すように、絶縁板20Aは、本体部21と、壁部24と、を有する。絶縁板20Aの本体部21は、集電板5Aの本体部15と拘束板8の本体部11との間に配置される平板状の部分である。本体部21は、Y軸方向に長手方向を有する長方形状をなしている。壁部24は、本体部21のX軸方向に沿った外縁部21aから上方へ向かって延びる。壁部24は、外縁部21aに沿ってX軸方向に延びる。
【0040】
一例の壁部24には、台座部71及び固定ボルト19を被覆する端子台保護部16(被覆部)が形成される。端子台保護部16は、壁部24からY軸方向の負側へ突出するように設けられる。端子台保護部16は、内部に端子台70の台座部71を収容するような、箱形の形状を有している。
【0041】
端子台保護部16は、本体部21からY軸方向の負側へ延びる下壁部22と、壁部24からY軸方向負側へ延びる一対の側壁部23,23と、下壁部22及び側壁部23,23のY軸方向の負側の端部において壁部24と平行に延在する端壁部26と、を有する。下壁部22は、台座部71の端部を覆うように配置される。下壁部22には、他の領域よりも上方へ向かって窪んだ凹部27が形成されている。凹部27は、Z軸方向からみて、負極端子7のバネ部50と重複しており、バネ部50を収容するようになっている。
【0042】
側壁部23,23は、台座部71の端部をX軸方向の両側から覆うように配置される。端壁部26は、Y軸方向において、台座部71の端部を覆うように配置される。端壁部26は、台座部71の中央部72の位置において、当該中央部72が露出するように開口している。また、端壁部26の開口が形成された位置には、側壁部23に対向する袖壁部26aが形成されている(
図2、
図4参照)。台座部71を端子台設置面8aに固定する固定ボルト19は、側壁部23、下壁部22、端壁部26及び袖壁部26aによって形成される空間内に収容され得る。
【0043】
また、端子台保護部16は、係合壁26bを含む。係合壁26bは、X軸方向の正側の側壁部23及び端壁部26に沿ってZ軸方向の負側に向かって突出する壁体である。一例の係合壁26bは、Z軸方向から見てL字状を呈している。図示例の係合壁26bは、端壁部26のうち、開口よりもX軸方向の正側の部分に沿うとともに、側壁部23のうち、中央よりも端壁部26側の部分に沿って形成されている。
【0044】
続いて、端子カバーについて説明する。
図5は、蓄電装置に装着された一例の端子カバーを示す斜視図である。
図6及び
図7は、一例の端子カバーを示す斜視図である。一例の端子カバー100は、ベース部110とカバー部130とを備える。
図5は、ベース部110に対してカバー部130が閉じられている状態を示す。
図6は、ベース部110に対してカバー部130が開いている状態を示す。
図7は、ベース部110の内側を示す。
【0045】
端子カバー100は、蓄電装置1の端子台70に装着されて、負極端子7及び端子ボルト32を覆う。一例においては、負極端子7、端子ボルト32、端子台70及び端子台保護部16の略全体が端子カバー100によって覆われている。端子ボルト32に接続される配線36は、端子カバー100によって、端子ボルト32の軸方向であるY軸方向に沿うように保持される。端子カバー100は、端子ボルト32に接続された配線36を外部に導くための開口128と、開口128から外部に導かれた配線36をY軸方向に沿って保持する保持部127と、を備える。なお、配線36をY軸方向に沿って保持するとは、配線36がXZ平面に交差した状態で保持されていればよく、配線36の延在方向がY軸方向に完全に一致している必要はない。
【0046】
一例の端子カバー100は、樹脂によって形成されている。例えば、端子カバー100を構成する樹脂は、蓄電モジュール3の電解液に対する耐性を有していてもよい。例えば、蓄電モジュール3がニッケル水素二次電池である場合、樹脂の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0047】
上述のとおり、一例の端子カバー100は、ベース部110とカバー部130とを備える。ベース部110とカバー部130とはヒンジ部150によって互いに接続されている。ベース部110とカバー部130とは、例えば射出成型によって一体的に形成されている。一例のヒンジ部150は、ベース部110とカバー部130とを接続する薄肉の板状部分である。薄肉に形成されることにより、ヒンジ部150は、適度な可撓性を有している。
【0048】
ベース部110は、端子台70に取り付けられて端子台70を覆う部分である。一例のベース部110は、Y軸方向(第2方向)から見て端子台70を囲む側壁110aと、側壁110aのY軸方向の負側の端部に形成される端部壁115と、を含む。側壁110aは、Y軸方向からみて枠状を呈しており、Z軸方向に互いに対向する第1側壁111及び第2側壁112と、X軸方向に互いに対向する第3側壁113及び第4側壁114と、を有している。一例において、第1側壁111はZ軸方向の正側に位置し、第2側壁112はZ軸方向の負側に位置する。また、第3側壁113はX軸方向の正側に位置し、第4側壁114はX軸方向の負側に位置する。
【0049】
第1側壁111は、Z軸方向から見て略矩形状をなしている。第1側壁111は、係合部121と、爪状の係合部(第1係合部)122と、外側リブ123とを含む。係合部121は、X軸方向の負側に形成されて端壁部26と重複する部分に形成されている。係合部121は、Y軸方向に沿って延在する板状部121aと、板状部121aの内面から突出する爪部121bとを含む。板状部121aは、第1側壁111の一部を兼ねている。図示例では、第1側壁111においてY軸方向の正側の端縁から負側に向かって形成された一対の切欠き部によって、板状部121aが画成されている。爪部121bは、端子台保護部16に形成された端壁部26の上端縁に係合される。
【0050】
係合部122は、第1側壁111の外面において、X軸方向の例えば略中央に形成されている。係合部122は、第1側壁111の外面からZ軸方向に沿って突出している。外側リブ123は、第1側壁111の外面に形成されている。一例の外側リブ123は、X軸方向に沿って形成された第1部分123aとY軸方向に沿って形成された第2部分123bとを含む。第1部分123aは、X軸方向及びY軸方向の例えば略中央に形成されている。図示例では、第1部分123aと係合部122とが互いに隣接している。また、一例の第2部分123bは一対形成されている。例えば、第2部分123bは、第1部分123aのX軸方向における正側の端部及び負側の端部にそれぞれ形成されている。第2部分123bは、第1側壁111のうちY軸方向の負側の端部から正側の端部にかけて形成されている。
【0051】
なお、図示例の外側リブ123は、X軸方向において、中央部72が形成されている位置に重複している。そのため、一対の第2部分123b同士の間の距離は、X軸方向における中央部72の幅と略同じとなっている。また、図示例では、一対の第2部分123b同士の間の領域に切欠き状部111aが形成されている。切欠き状部111aは、第1側壁111のY軸方向の負側の端部に形成されている。例えば、切欠き状部111aは、Y軸方向において、第2の片部42が形成された位置と同程度の位置まで形成されていてもよい。
【0052】
第2側壁112は、Z軸方向から見て略矩形状をなしている。第2側壁112は、係合部125を含む。係合部125は、X軸方向の正側に形成された端壁部26と重複する部分に形成されている。係合部125は、Y軸方向に沿って延在する板状部125aと、板状部の内面から突出する爪部125bとを含む。板状部125aは、第2側壁112の一部を兼ねている。図示例では、第2側壁112においてY軸方向の正側の端縁から負側に向かって形成された一対の切欠き部によって、板状部125aが画成されている。爪部125bは、端子台保護部16に形成された係合壁26bに係合される。
【0053】
また、第2側壁112は、第1側壁111と同様に、係合部122及び外側リブ123を有している。第2側壁112の係合部122及び外側リブ123の構成は、第1側壁111の係合部122及び外側リブ123と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
第3側壁113は、X軸方向から見て略矩形状をなしている。第3側壁113は、切欠き状部126を含む。切欠き状部126は、Y軸方向の正側の端縁から負側に向かって形成されている。図示例では、Z軸方向の負側に偏って切欠き状部126が形成されている。例えば、切欠き状部126のY軸方向における長さは、側壁部23のY軸方向における長さよりも大きくなっている。すなわち、切欠き状部126のY軸方向の負側の端部は、X軸方向の正側の端壁部26とベース部110の端部壁115との間の空間に連通している。一例においては、端子ボルト32に接続された電圧検知用の配線39が切欠き状部126を介して端子カバー100の外側に取り出されてもよい。第4側壁114は、X軸方向から見て矩形状をなしている。図示されていないが、第4側壁114は、第3側壁113と同様に切欠き状部を有してもよい。
【0055】
端部壁115は、Y軸方向から見て略矩形状をなしており、X軸方向の中央に形成されたY軸方向に臨む開口128を含んでいる。開口128は、上述のとおり、端子ボルト32に接続された配線36を外部に取り出すための部分である。そのため、一例の開口128は、端子台70のうち、端子ボルト32が設けられた中央部72に重複する領域、すなわち、X軸方向の中央の位置に形成されている。X軸方向において、開口128の幅は負極端子7の幅よりも大きくなっている。また、Z方向において、開口128の幅は第2の片部42の幅と同程度に形成されている。このように構成されることにより、Y軸方向から見たときに、第2の片部42及び端子ボルト32が開口128から外部に露出する。
【0056】
保持部127は、開口128の縁に設けられている。図示例の保持部127は、開口128のX軸方向の正側に配置されている。保持部127は、開口128に面する側にスリット127sが形成された略筒状を呈している。一例の保持部127は、端部壁115の外面からY軸方向に突出する第1壁127a、第2壁127b及び第3壁127cを含む。第1壁127a及び第2壁127bは、開口128と保持部127との並び方向であるX軸方向に交差するZ軸方向において、配線36を挟んで互いに対向する位置に形成される。
図6に示すように、一例の第1壁127a及び第2壁127bは、それぞれXY平面に沿った平板状を有していてもよい。なお、Y軸方向からみたとき、第1壁127aは、Z軸方向の正側に凸となるように円弧状に湾曲していてもよい。また、Y軸方向からみたとき、第2壁127bは、X軸方向の負側に凸となるように円弧状に湾曲していてもよい。
【0057】
第3壁127cは、X軸方向において開口128から遠い側で第1壁127aと第2壁127bとを互いに接続する。
図6に示すように、一例の第3壁127cは、Y軸方向からみたとき、X軸方向の正側に凸となるように円弧状に湾曲していてもよい。なお、Y軸方向からみたとき、第3壁127cは、第1壁127aと第2壁127bとの間を直線状に接続してもよい。例えば、第3壁127cは、Y軸方向からみて、Z軸方向に沿って直線状に延在してもよい。また、保持部127は、第3壁127cを有さなくてもよい。この場合、配線36は、第1壁127a及び第2壁127bによって保持される。
【0058】
保持部127の内側において、端部壁115はスロープ127dを含んでいてもよい。スロープ127dは、保持部127の内側部分から開口128の縁に向かってY軸方向の正側に傾斜する面である。また、保持部127の内側には、Y軸方向の負側に突出した内部壁127eが形成されている。内部壁127eは、第1壁127aと第2壁127bとを接続している。また、Y軸方向において、内部壁127eの高さは第1壁127a及び第2壁127bの高さよりも低い。例えば、内部壁127eとスロープ127dとは互いに離間しており、内部壁127eはスロープ127dよりもX軸方向の正側に形成されている。
【0059】
また、端部壁115には、Y軸方向から見て係合部121と重なる位置に開口115aが形成されている。X軸方向において、開口115aの大きさは、係合部121の板状部131121aの大きさ以上である。また、Z軸方向において、開口115aの大きさは、爪部121bの大きさ以上である。端部壁115には、Y軸方向から見て係合部125と重なる位置に開口115bが形成されている。X軸方向において、開口115bの大きさは、係合部125の板状部131125aの大きさ以上である。また、Z軸方向において、開口115bの大きさは、爪部125bの大きさ以上である。図示例の端部壁115は、X軸方向において第3壁127cに重複する位置に段部115cを有している。これにより、X軸方向において、端部壁115のうち段部115cよりも正側の部分115dは、段部115cよりも負側の部分115eに比べてY軸方向の負側に飛び出している。
【0060】
また、端部壁115の内面には、内側リブ115fが設けられている(
図7参照)。内側リブ115fは、端部壁115の内面からY軸方向の正側に向かって突出している。図示例の内側リブ115fは、開口128よりもX軸方向の負側に形成されている。例えば、内側リブ115fは、端部壁115においてZ軸方向の正側端部から負側端部にかけて延在している。
【0061】
カバー部130は、ベース部110のうちの少なくとも開口128を覆う部分であり、ベース部110に取り付けられ得る。図示例では、カバー部130とベース部110とは、互いに係合して固定され得る。一例のカバー部130は、端部壁115を覆う板状部131と、板状部131から側壁110aの一部を覆うように突出した一対の突出片132,133と、を含む。図示例の板状部131は、Y軸方向から見て略矩形状をなしている。また、板状部131には、端子ボルト32に対応する位置に、端子ボルト32の先端を収容する収容部101dが形成されている。収容部101dは、Y軸方向の負側に突出するドーム状を呈している。
【0062】
板状部131は、保持部127に対応する位置に切欠き状部141を有している。また、板状部131は、切欠き状部141の周縁に沿って形成される周壁142(壁体)を有している。周壁142は、カバー部130が閉じられた状態において、保持部127のスリット127sを側方(すなわちX軸方向)から覆う(
図5参照)。一例の周壁142は、板状部131の外面からY軸方向に突出する第4壁142a、第5壁142b及び第6壁142c(壁体)を含む。第4壁142a及び第5壁142bは、Z軸方向において互いに対向する位置に形成される。Z軸方向において、第4壁142aと第5壁142bとの間の距離は、保持部127の第1壁127aと第2壁127bとの間の距離よりも大きい、すなわち、第1壁127a及び第2壁127bは、第4壁142aと第5壁142bとの間の空間に収容され得る。
【0063】
第6壁142cは、第4壁142aと第5壁142bとを互いに接続する。第6壁142cは、カバー部130が閉じられた状態で配線36を挟んで保持部127の第3壁127cに対向する位置に形成されている。すなわち、第6壁142cは、カバー部130が閉じられた状態で保持部127のスリット127sを覆うように配置されている。Y軸方向からみたとき、第6壁142cは、X軸方向の負側に凸となるように円弧状に湾曲していてもよい。また、第6壁142cは、Z軸方向から見て、スロープ127dの傾斜に平行になるように傾斜していてもよい。
【0064】
板状部131は、段部131aを有する(
図6参照)。段部131aの位置は、カバー部130が閉じられた状態で、開口128のX軸方向の負側の端部に対応する。
図6に示すように、板状部131のうち段部131aよりもX軸方向の負側の部分131dは、段部131aよりも正側の部分131eに比べてY軸方向の正側に飛び出している。すなわち、カバー部130が閉じられた状態では、段部131aよりもX軸方向の正側となる部分131dが、段部131aよりも負側となる部分131eに比べてY軸方向の負側に飛び出すことになる。Y軸方向において、ベース部110の端部壁115に形成された段部115cの高さと板状部131の段部131aの高さは略同一であってよい。
【0065】
一対の突出片132,133は、板状部131のうちのX軸方向に延在する端縁に形成されている。すなわち、一対の突出片132,133は、Z軸方向において互いに対向している。Z軸方向において、一対の突出片132,133同士の間の距離は、ベース部110における第1側壁111の外側リブ123と第2側壁112の外側リブ123との間の距離と略同じであってよい。一対の突出片132,133には、第1側壁111及び第2側壁112に形成された係合部122に係合する係合片(第2係合部)145がそれぞれ形成されている。
【0066】
ヒンジ部150が曲げられることにより、カバー部130における板状部131の内面とベース部110における端部壁115の外面とが合わせられると、一対の突出片132,133の間にベース部110が嵌入される。そして、一対の突出片132,133にそれぞれ設けられた係合片145と第1側壁111及び第2側壁112に形成された係合部122とが係合されることにより、ベース部110に対してカバー部130が閉じられた状態となる。一例の係合片145は、係合部122に対応する大きさの開口によって構成されていてよい。
【0067】
ベース部110に対してカバー部130が閉じられた状態において、板状部131の内面とベース部110における端部壁115の外面との間には、間隙が形成されている。また、第1側壁111及び第2側壁112の外面と突出片132,133の内面との間には、外側リブ123の厚さ分だけ間隙が形成されている。すなわち、カバー部130がベース部110に係合されている状態において、ベース部110の外面とカバー部130の内面との間には、開口128から端子カバー100の外部まで連通する間隙が形成されている。
【0068】
以上説明したように、蓄電装置1は、Z軸方向に沿って積層された積層体2と、Z軸方向において積層体の両端に積層される一対の集電板5と、積層体2及び一対の集電板5をZ軸方向から挟んで拘束する拘束板8と、集電板5の負極端子7に電気的に接続され、Z軸方向に交差するY軸方向に突出する端子ボルト32と、拘束板8におけるX軸方向とZ軸方向とに延在する端子台設置面8aに設けられ、端子ボルト32が固定された端子台70と、端子ボルト32に固定された電力取出用の配線36と、端子台70に装着される端子カバー100と、を備える。端子カバー100は、端子台70に取り付けられて端子台70を覆い、端子ボルト32を露出させる開口128を有するベース部110と、ベース部110に取り付けられ、少なくとも開口128を覆うカバー部130と、を含み、ベース部110は、開口128に隣接して設けられ、端子台70からY軸方向に取り出される配線36を保持する保持部127を有し、保持部127は、ベース部110からY軸方向に突出し、配線36を挟んで互いに対向する第1壁127a及び第2壁127bを有する。
【0069】
端子カバー100を蓄電装置1に取り付ける場合、作業者は、まず端子カバー100が開いている状態で、ベース部110を蓄電装置1に装着する。すなわち、ベース部110の係合部121及び係合部125を端壁部26及び係合壁26bにそれぞれ係合させる。続いて、作業者は、開口128内において、配線36が接続された接続端子37のワッシャ状部分37aの貫通孔に端子ボルト32を挿通させる。そして、ナット38を端子ボルト32に締め付けることにより、接続端子37を端子ボルト32に固定する。ナット38を締め付ける際、配線36又は接続部分37bは保持部127に保持されていてよい。また、配線36又は接続部分37bは、スロープ127d及び内部壁127eに当接していてもよい。配線36等がスロープ127d及び内部壁127eに当接することにより、配線36等の向きを確実にY軸方向に沿わせることができる。
【0070】
続いて、カバー部130が閉じられる。すなわち、ヒンジ部150が曲げられることにより、カバー部130の突出片132,133の間にベース部110が嵌入され、カバー部130の係合片145がベース部110の係合部122に係合される。カバー部130が閉じられた状態では、保持部127及び周壁142の内側から配線36がY軸方向に沿って端子カバー100の外部に取り出されている。
【0071】
このように、本開示の一実施形態においては、端子カバー100が負極端子7及び端子ボルト32を覆うように端子台70に取り付けられた状態で、端子ボルト32と他の物体との接触を抑制しながら、端子ボルト32に接続された配線36を開口128から端子カバー100の外部に導くことができる。端子カバー100には保持部127が設けられているため、外部に取り出される配線36は、Y軸方向、すなわち端子ボルト32の延在する方向に沿って取り出されることになる。例えば、配線がX軸方向に沿って外部に取り出される場合、配線と干渉するおそれがあるため、端子カバー100に隣接して部品等を配置することが困難なことがある。上記の蓄電装置では、配線36がY軸方向に沿って取り出されるため、端子カバー100に隣接して、例えば圧力監視のためのセンサなどの他の部品を端子台設置面8aに配置することができる。
【0072】
また、配線がX軸方向に沿って外部に取り出される場合には、配線36を保持する突起などを端子台に設けることで配線36の共回りを抑制することが考えられる。しかしながら、上記のように配線36をY軸方向に沿って取り出す場合には、配線36が端子台70から遠ざかる方向に延在するため、端子台に突起を設けても配線36を保持できない可能性がある。上記の蓄電装置1によれば、開口128を通った配線36は、互いに対向する第1壁127a及び第2壁127bによって画成される空間に保持される。したがって、配線36をナット38で締結する際には、第1壁127a又は第2壁127bに配線36が当接することで、配線36の共回りが抑制される。
【0073】
保持部127は、ベース部110からY軸方向に突出して、第1壁127aと第2壁127bとを接続する第3壁127cをさらに有しており、開口128に面する側にスリット127sが形成された略筒状を呈していている。この構成では、開口128を通った配線36は、スリット127sを介して略筒状をなす保持部127内に保持されることになる。スリット127sが形成されているため、ベース部110を蓄電装置1に固定した後に、容易に配線36の接続を行うことができる。
【0074】
カバー部130がベース部110に取り付けられている状態において、カバー部130は、配線36を挟んで第3壁127cに対向してスリット127sを覆う壁体(周壁142、特に第6壁142c)を有してもよい。この構成では、保持部127のスリット127sが壁体で覆われることにより、端子ボルト32の絶縁性を高めることができる。
【0075】
ベース部110とカバー部130とは、互いに係合して固定されていてもよい。この構成では、カバー部130をベース部110に対して簡便に固定することができる。
【0076】
ベース部110とカバー部130とはヒンジ部150によって互いに接続されている。この構成では、ベース部110とカバー部130とが一体化していることにより、例えば、カバー部130によってベース部110を容易に覆うことができる。
【0077】
ベース部110は、Y軸方向から見て端子台70を囲む側壁110aと、開口128が設けられる端部壁115と、を含み、カバー部130は、端部壁115を覆う板状部131と、板状部131から側壁110aの一部を覆うように突出した突出片132,133と、を含み、ベース部110の側壁110aには係合部122が形成され、カバー部130の突出片132,133には、係合部122に係合される係合片145が形成されていてもよい。この構成では、簡易な構成によって、カバー部130をベース部110に係合することができる。
【0078】
カバー部130がベース部110に係合されている状態において、ベース部110の外面とカバー部130の内面との間には、開口128から端子カバー100の外部まで連通する間隙が形成されていてもよい。例えば、負極端子7等の端子が端子カバーで覆われている場合、通電によって端子が発熱することにより、端子カバーに覆われた端子周辺に熱がこもることが考えられる。上記の構成では、間隙を介して、ベース部110の内側にこもった熱を外部に導くことができる。
【0079】
ベース部110の側壁110aの外面は、係合部122に隣接する外側リブ123を有している。この構成では、側壁110a及び係合部122の強度を高めることができる。
【0080】
ベース部110の端部壁115の内面は内側リブ115fを有している。この構成では、ベース部110の強度を高めることができる。
【0081】
以上、実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
【0082】
例えば、拘束板8のY軸方向に交差する端子台設置面8aがX軸方向に沿って平坦に形成されている例を示したが、端子台設置面8aの形状は平坦に限定されない。
図8は、他の例に係る拘束板を示す。蓄電装置1は、拘束板8に代えて、
図8に示す拘束板208を備えてもよい。拘束板208は、略矩形板状をなす本体部211と、本体部211よりもY軸方向に張り出した張出部218と、を有する。図示例の本体部211は、Z軸方向から見て、X軸方向に沿って延在する側面である端子台設置面208aを有する。また、本体部211は、X軸方向の両端縁において、Y軸方向に沿って形成される段部210を有する。段部210は、本体部211よりもZ軸方向の内側に下がった部分である。段部210には、挿通孔10cが設けられている。
【0083】
張出部218は、本体部211の端子台設置面208aにおけるX軸方向の両端部において、Y軸方向に突出している。図示例の張出部218は、本体部211の端子台設置面208aのうち、X軸方向の両端であって、段部210を含む位置に形成されている。張出部218の形状は特に限定されないが、一例においては、略直方体形状であってよい。図示例の張出部218は、Z軸方向の大きさが端子台設置面208aの大きさと略同じであり、X軸方向の大きさが端子カバー100と略同じであり、Y軸方向の大きさが端子カバー100よりも大きくなるように構成された略直方体形状を呈している。
【0084】
端子カバー100は、Z軸方向から見て、一対の張出部218同士の間において、端子台設置面208aに配置された端子台(
図8において不図示)に取り付けられている。図示例において、一対の張出部218は、端子カバー100よりもY軸方向の負側に張り出している。端子カバー100及び端子台(
図8において不図示)は、一対の張出部218同士の間において、一方の張出部218の側に偏って配置されてもよい。例えば、図示例の端子カバー100及び端子台(
図8において不図示)は、X軸方向の正側に設けられた張出部218に近接して配置されている。例えば、端子カバー100と張出部218との間の距離は、配線36の直径よりも小さくてもよい。また、端子カバー100と張出部218とは、互いに接触していてもよい。
【0085】
このように、拘束板8は、Z軸方向から見て、X軸方向に沿って延在する端子台設置面8aから、Y軸方向に張り出した一対の張出部218を有し、端子台70は、Z軸方向から見て、一対の張出部218同士の間に配置されてもよい。配線36がX軸方向に沿って外部に取り出される場合、配線と干渉するおそれがあるため、張出部218に近接して端子カバー100を配置することが困難なことがある。本開示においては、配線36が端子カバー100からY軸方向に沿って取り出されるため、張出部218と端子台70とが近接していたとしても配線36が張出部218に干渉しない。張出部218同士の間に端子台70が配置されている場合、張出部218は端子台70を保護する保護壁として機能し得る。
【0086】
また、上記の実施形態では、Z軸方向の上側に設けられた負極端子を被覆する端子カバーを例示したが、Z軸方向の下側に設けられた正極端子にも同様の構成を備える端子カバーが設けられてもよい。また、正極端子については、上記の端子カバーと構成の異なる端子カバーが設けられてもよい。
【0087】
また、ベース部、カバー部及びヒンジ部が一体成型によって形成されている例を示したが、ベース部とカバー部とは、別体として形成されてもよい。この場合、ベース部とカバー部とは、ヒンジ部によって接続されてもよい。ヒンジ部は、ベース部又はカバー部と一体的に形成されていてもよい。
【0088】
本開示の形態は以下のように示され得る。
[形態1]
複数のバイポーラ電極を含む電極が第1方向に沿って積層された蓄電モジュールを有する積層体と、
前記第1方向において前記積層体の両端に積層される一対の集電板と、
前記積層体及び前記一対の集電板を前記第1方向から挟んで拘束する拘束板と、
少なくとも一つの前記集電板の端子に電気的に接続された、前記第1方向に交差する第2方向に突出する端子ボルトが固定され、前記拘束板における前記第1方向及び前記第2方向の両方に交差する第3方向と前記第1方向とに延在する側面である端子台設置面に設けられた端子台と、
前記端子ボルトに固定された電力取出用の配線と、
前記端子台に装着される端子カバーと、を備え、
前記端子カバーは、
前記端子台に取り付けられて前記端子台を覆い、前記端子ボルトを露出させる開口を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられ、少なくとも前記開口を覆うカバー部と、を含み、
前記ベース部は、前記開口に隣接して設けられ、前記端子台から前記第2方向に取り出される前記配線を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記ベース部から前記第2方向に突出し、前記配線を挟んで互いに対向する第1壁及び第2壁を有する、蓄電装置。
[形態2]
前記保持部は、前記ベース部から前記第2方向に突出して、前記第1壁と前記第2壁とを接続する第3壁をさらに有しており、前記開口に面する側にスリットが形成された略筒状を呈している、形態1に記載の蓄電装置。
[形態3]
前記カバー部が前記ベース部に取り付けられている状態において、
前記カバー部は、前記配線を挟んで前記第3壁に対向して前記スリットを覆う壁体を有する、形態2に記載の蓄電装置。
[形態4]
前記ベース部と前記カバー部とは、互いに係合して固定されている、形態1~3のいずれかに記載の蓄電装置。
[形態5]
前記ベース部と前記カバー部とはヒンジ部によって互いに接続されている、形態1~3のいずれかに記載の蓄電装置。
[形態6]
前記ベース部は、前記第2方向から見て前記端子台を囲む側壁と、前記開口が設けられる端部壁と、を含み、
前記カバー部は、前記端部壁を覆う板状部と、前記側壁の一部を覆うように前記板状部から突出した突出片と、を含み、
前記ベース部の前記側壁には第1係合部が形成され、前記カバー部の前記突出片には第1係合部に係合される第2係合部が形成されている、形態5に記載の蓄電装置。
[形態7]
前記カバー部が前記ベース部に係合されている状態において、前記ベース部の外面と前記カバー部の内面との間には、前記開口から前記端子カバーの外部まで連通する間隙が形成されている、形態6に記載の蓄電装置。
[形態8]
前記ベース部の前記側壁の外面は、前記第1係合部に隣接する外側リブを有している、形態6又は7に記載の蓄電装置。
[形態9]
前記ベース部の前記端部壁の内面は、内側リブを有している、形態6~8のいずれかに記載の蓄電装置。
[形態10]
前記拘束板は、前記第1方向から見て、前記端子台設置面よりも前記第2方向に張り出した一対の張出部を有し、
前記端子台は、前記第1方向から見て、前記一対の張出部同士の間において前記端子台設置面に配置されている、形態1~9のいずれかに記載の蓄電装置。
[形態11]
前記電極は、前記第1方向において第1面と前記第1面とは逆側の第2面とを有する電極板を含み、
前記積層体は、前記第1方向に沿って前記電極板の前記第1面が同じ方向を向くように積層された複数の前記電極と、前記第1方向に隣り合う前記電極とともに電解質を収容する空間を画成する封止部と、を含む蓄電モジュールを有し、
前記蓄電モジュールに含まれる前記電極は、
前記電極板と、前記電極板の前記第1面に設けられた正極活物質層と、前記電極板の前記第2面に設けられた負極活物質層と、を有する前記バイポーラ電極と、
前記電極板と前記電極板の前記第1面に設けられた前記正極活物質層とを有し、前記電極板の前記第2面が前記封止部から露出した電流取出面を形成している正極終端電極と、
前記電極板と前記電極板の前記第2面に設けられた前記負極活物質層とを有し、前記電極板の前記第1面が前記封止部から露出した電流取出面を形成している負極終端電極と、によって構成されている、形態1~10のいずれかに記載の蓄電装置。
【符号の説明】
【0089】
1…蓄電装置、2…積層体、5A…集電板、7…負極端子(端子)、8A…拘束板、32…端子ボルト、36…配線、70…端子台、100…端子カバー、128…開口、110…ベース部、130…カバー部、127…保持部、127a…第1壁、127b…第2壁。