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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180968
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20231214BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20231214BHJP
   H01M 50/543 20210101ALI20231214BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 10/6553 20140101ALI20231214BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20231214BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20231214BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20231214BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/262 Z
H01M50/543
H01M50/262 S
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6556
H01M10/6553
H01M50/503
H01G11/10
H01G11/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094672
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100190470
【弁理士】
【氏名又は名称】谷澤 恵美
(72)【発明者】
【氏名】柘植 昭人
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】福田 滋
(72)【発明者】
【氏名】森岡 怜史
【テーマコード(参考)】
5E078
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AB02
5E078HA23
5E078JA07
5H031AA02
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA20
5H040AS06
5H040AS07
5H040AT02
5H040CC13
5H040CC34
5H040DD03
5H040NN03
5H043AA09
5H043AA12
5H043AA19
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA21
5H043DA08
5H043DA18
5H043FA04
5H043JA17D
(57)【要約】
【課題】ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置を提供する。
【解決手段】
蓄電装置1は、モジュール積層体2と、第1方向D1においてモジュール積層体2の両側に積層され、第1方向D1においてモジュール積層体2に拘束荷重を付加する拘束板8A,8Bと、モジュール積層体に接続された配線Lと、配線Lを側面2c上に配置するガイド部材30Aと、を備える。ガイド部材30Aは、第2方向D2に沿って延在すると共に、配線Lを側面2eへ向かって案内する配線案内部33と、配線案内部33に接続され、第1方向D1に沿って延在する第1延在部31と、を有する。第1延在部31は、端部31aに設けられ、拘束板8Aに固定された固定部34と、端部31bに設けられ、蓄電モジュール3の膨張収縮時に第1方向D1及び第2方向D2において移動可能となるように拘束板8Bに係合された係合部35と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において積層された複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体であって、前記第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向とにおいて延在している第1側面、及び、前記第1側面と隣り合い、前記第1方向と、前記第1側面及び前記第2方向に直交する第3方向とにおいて延在している第2側面を有するモジュール積層体と、
前記第1方向において前記モジュール積層体の両側に積層され、前記第1方向において前記モジュール積層体に拘束荷重を付加する第1拘束板及び第2拘束板と、
前記モジュール積層体に接続された配線と、
前記第1拘束板及び前記第2拘束板に連結され、前記配線を前記第1側面上に配置するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、
前記第2方向に沿って延在すると共に、前記配線を前記第2側面へ向かって案内する配線案内部と、
前記配線案内部に接続され、前記第1方向に沿って延在する第1延在部と、
を有し、
前記第1延在部は、
前記第1延在部の前記第1方向における一端部である第1端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第1固定部と、
前記第1延在部の前記第1方向における他端部である第2端部に設けられ、前記蓄電モジュールの膨張収縮時に第1方向及び前記第2方向において移動可能となるように前記第2拘束板に係合された第1係合部と、
を有する、
蓄電装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記第2方向において前記第1延在部から離隔した位置で前記配線案内部に接続されると共に、前記第1方向に沿って延在する第2延在部を更に有し、
前記第1延在部は、前記第2延在部よりも前記第2側面に近い場所に設けられ、
前記第2延在部は、
前記第2延在部の前記第1方向における一端部である第3端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第2固定部と、
前記第2延在部の前記第1方向における他端部である第4端部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向において移動可能に前記第2拘束板に係合された第2係合部と、
を有する、
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1側面を覆い、冷却用流体を記第2方向に沿って流通させる空間を前記側面との間に形成するダクトを更に備え、
前記配線案内部は、前記第1側面に向けて前記第3方向に突出する脚部によって、前記空間を前記第1方向において分割している、
請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記配線案内部は、前記第1端部及び前記第2端部のそれぞれから前記第1方向において離隔していると共に、前記第3端部及び前記第4端部のそれぞれから前記第1方向において離隔している、
請求項2記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第1拘束板は、前記第1方向から見て、前記第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う第1縁部を有し、
前記配線案内部は、
前記第1縁部上に配置されると共に、前記第1縁部に沿って前記第2方向に延在し、
前記配線案内部の前記第2方向の一端部である第5端部側で前記第1端部と接続され、
前記配線案内部の前記第2方向の他端部である第6端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第3固定部を有し、
前記第5端部は、前記第6端部よりも前記第2側面に近い場所に設けられている、
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項6】
複数の前記ガイド部材は、前記第2方向において並んで設けられている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記ガイド部材は、複数の前記配線を前記第1側面上でひとまとめにする配線結束部を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記モジュール積層体は、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュールを電気的に接続すると共に、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュール間に設けられた集電板を更に有し、
前記集電板には、前記第3方向に沿って冷却用流体を流通させる流路が設けられている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記第2拘束板は、前記第1方向から見て、前記第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う第2縁部を有し、
前記第2縁部は、
前記第1方向において前記ガイド部材と対向する内面と、
前記内面に開口し、前記第2方向に沿って延在する凹部と、を有し、
前記第1係合部は、前記凹部内に圧入されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記第1固定部は、前記第1拘束板を前記第1方向において貫通する貫通孔、又は、前記第3方向において貫通する貫通孔に挿通されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記配線は、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュール間に配置された電圧検出素子及び温度検出素子の少なくとも一方と接続されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項12】
前記配線案内部の前記第2側面側の端部に設けられ、前記第1側面から前記第2側面へ向かって前記配線を曲げる配線曲げ部を更に備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体と、モジュール積層体に接続された配線と、配線をモジュール積層体の側面に沿って案内するガイド部材と、を備える蓄電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のバッテリパックでは、電池集合体に接続された電線が、電池集合体の側面に設けられたケースに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-207394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記蓄電装置では、モジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で膨張収縮することにより、ガイド部材が破損する場合がある。
【0005】
本開示の目的は、ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る蓄電装置は、第1方向において積層された複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体であって、第1方向と、第1方向に直交する第2方向とにおいて延在している第1側面、及び、第1側面と隣り合い、第1方向と、第1側面及び第2方向に直交する第3方向とにおいて延在している第2側面を有するモジュール積層体と、第1方向においてモジュール積層体の両側に積層され、第1方向においてモジュール積層体に拘束荷重を付加する第1拘束板及び第2拘束板と、モジュール積層体に接続された配線と、第1拘束板及び第2拘束板に連結され、配線を第1側面上に配置するガイド部材と、を備え、ガイド部材は、第2方向に沿って延在すると共に、配線を第2側面へ向かって案内する配線案内部と、配線案内部に接続され、第1方向に沿って延在する第1延在部と、を有し、第1延在部は、第1延在部の第1方向における一端部である第1端部に設けられ、第1拘束板に固定された第1固定部と、第1延在部の第1方向における他端部である第2端部に設けられ、蓄電モジュールの膨張収縮時に第1方向及び第2方向において移動可能となるように第2拘束板に係合された第1係合部と、を有する。
【0007】
上記蓄電装置では、ガイド部材の配線案内部は、第2方向に延在しているので、配線を第2方向に案内することができる。ガイド部材の第1延在部は、第1方向に延在しており、第1延在部の第1端部は第1固定部により第1拘束板に固定され、第1延在部の第2端部は、第1係合部により第2拘束板に係合されている。よって、ガイド部材は、第1拘束板及び第2拘束板から外れることなく、配線をモジュール積層体の第1側面上に確実に配置することができる。第1係合部は、第1方向及び第2方向において移動可能に第2拘束板に係合されている。よって、例えば、蓄電装置の異常時にモジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で第1方向及び第2方向において膨張収縮した場合は、第1係合部が第2拘束板に連結されたまま第1方向及び第2方向に移動する。また、蓄電装置の充放電時にモジュール積層体が第1方向において膨張収縮した場合も、第1係合部が第2拘束板に連結されたまま第1方向に移動する。これにより、モジュール積層体とガイド部材との間に生じた膨張収縮量の差が吸収され、ガイド部材の破損が抑制される。
【0008】
ガイド部材は、第2方向において第1延在部から離隔した位置で配線案内部に接続されると共に、第1方向に沿って延在する第2延在部を更に有し、第1延在部は、第2延在部よりも第2側面に近い場所に設けられ、第2延在部は、第2延在部の第1方向における一端部である第3端部に設けられ、第1拘束板に固定された第2固定部と、第2延在部の第1方向における他端部である第4端部に設けられ、第1方向及び第2方向において移動可能に第2拘束板に係合された第2係合部と、を有してもよい。この場合、ガイド部材の第2延在部は、第1方向に延在しており、第2延在部の第3端部は第2固定部により第2方向に移動可能に第1拘束板に固定され、第2延在部の第4端部は、第2係合部により第2拘束板に係合されている。よって、ガイド部材は、第1拘束板及び第2拘束板に連結されたまま、第1拘束板及び第2拘束板から外れることなく、配線をモジュール積層体の側面に沿って確実に案内することができる。第1固定部及び第2固定部の少なくとも一方は、第2方向に移動可能に第1拘束板に係合され、第2係合部は、第1方向及び第2方向において移動可能に第2拘束板に係合されている。よって、例えば、蓄電装置の異常時にモジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で第1方向及び第2方向において膨張収縮した場合は、第1係合部及び第2係合部が第2拘束板に連結されたまま第1方向及び第2方向に移動する。また、蓄電装置の充放電時にモジュール積層体が第1方向において膨張収縮した場合も、第1係合部及び第2係合部が第2拘束板に連結されたまま第1方向に移動する。これにより、モジュール積層体とガイド部材との間に生じた膨張収縮量の差が吸収され、ガイド部材の破損が抑制される。
【0009】
上記蓄電装置は、第1側面を覆い、冷却用流体を記第2方向に沿って流通させる空間を側面との間に形成するダクトを更に備え、配線案内部は、第1側面に向けて第3方向に突出する脚部によって、空間を第1方向において分割していてもよい。蓄電モジュールの積層数を増やしたとき、蓄電モジュール間に熱がたまり易い。本構成ではブロアを増やすことができるため、冷却効率が偏ることなく、蓄電モジュールをまんべんなく冷却することができる。さらに、分割された空間ごとにブロアを設けることができるので、それぞれのブロアから流入された冷却用流体が、配線案内部によって整流される。この結果、冷却効果を高めることができる。
【0010】
配線案内部は、第1端部及び第2端部のそれぞれから第1方向において離隔していると共に、第3端部及び第4端部のそれぞれから第1方向において離隔していてもよい。この場合、分割された空間の大きさが偏り難い。よって、冷却効果を高め易い。
【0011】
第1拘束板は、第1方向から見て、第3方向においてモジュール積層体と隣り合う第1縁部を有し、配線案内部は、第1縁部上に配置されると共に、第1縁部に沿って第2方向に延在し、配線案内部の第2方向の一端部である第5端部側で第1端部と接続され、配線案内部の第2方向の他端部である第6端部に設けられ、第1拘束板に固定された第3固定部を有し、第5端部は、第6端部よりも第2側面に近い場所に設けられてもよい。この場合、配線案内部は、第5端部側で第1延在部の第1端部と接続されている。第1端部には、第1拘束板に固定された第1固定部が設けられているので、配線案内部の第5端部側が第1拘束板に固定される。また、配線案内部は、第6端部に設けられた第3固定部によっても第1拘束板に固定されている。更に、第1延在部が接続された第5端部は、第2側面に近い場所に設けられている。よって、ガイド部材をより強固に第1拘束板及び第2拘束板に連結することができる。
【0012】
複数のガイド部材は、第2方向において並んで設けられていてもよい。この場合、各ガイド部材の第2方向の長さを短くすることができる。よって、モジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で第2方向に膨張収縮した場合において、ガイド部材の破損が更に抑制される。
【0013】
ガイド部材は、複数の配線を第1側面上でひとまとめにする配線結束部を有してもよい。この場合、複数の配線を効率的に案内することができる。
【0014】
モジュール積層体は、第1方向において隣り合う蓄電モジュールを電気的に接続すると共に、第1方向において隣り合う蓄電モジュール間に設けられた集電板を更に有し、集電板には、第3方向に沿って冷却用流体を流通させる流路が設けられていてもよい。この場合、配線案内部は、第1拘束板の第1縁部上に配置され、第1縁部に沿って第2方向に延在しているので、流路と干渉し難い。よって、蓄電モジュールを効率よく冷却することができる。
【0015】
前記第2拘束板は、前記第1方向から見て、前記第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う第2縁部を有し、前記第2縁部は、前記第1方向において前記ガイド部材と対向する内面と、前記内面に開口し、前記第2方向に沿って延在する凹部と、を有し、前記第1係合部は、前記凹部内に圧入されていてもよい。この場合、第1係合部が第2拘束板に係合されつつ、第1方向及び第2方向に移動可能な構成が容易に実現できる。
【0016】
第1固定部は、第1拘束板を第1方向において貫通する貫通孔、又は、第3方向において貫通する貫通孔に挿通されていてもよい。この場合、第1固定部を第1拘束板に容易に固定することができる。
【0017】
配線は、第1方向において隣り合う蓄電モジュール間に配置された電圧検出素子及び温度検出素子の少なくとも一方と接続されていてもよい。この場合、蓄電モジュールの状態を外部装置で監視することができる。
【0018】
上記蓄電装置は、配線案内部の第2側面側の端部に設けられ、第1側面から第2側面へ向かって配線を曲げる配線曲げ部を更に備えてもよい。この場合、配線を第2側面へ向かって容易に案内することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第1実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、拘束板の内面を示す平面図である。
図5図5は、図1の蓄電装置の斜視図である。
図6図6は、ガイド部材の斜視図である。
図7図7は、ガイド部材の斜視図である。
図8図8は、固定部が拘束板に固定された状態を示す断面図である。
図9図9は、係合部の斜視図である。
図10図10は、係合部が拘束板に係合された状態を示す断面図である。
図11図11は、図11の蓄電装置の側面図である。
図12図12は、ガイド部材の斜視図である。
図13図13は、ガイド部材の斜視図である。
図14図14は、第2実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
図15図15は、図14の蓄電装置の側面図である。
図16図16は、ガイド部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0022】
[第1実施形態]
図1図13を参照して、第1実施形態に係る蓄電装置1について説明する。図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、例えば電気二重層キャパシタであってもよい。本実施形態では、蓄電装置1がニッケル水素電池である場合を例示する。
【0023】
図1図13に示されるように、蓄電装置1は、モジュール積層体2と、拘束部材4と、一対の絶縁板20と、ダクト21と、一対のガイド部材30と、ガイド部材60と、ガイド部材70と、複数の配線Lとを備えている。モジュール積層体2は、第1方向D1において積層された複数の蓄電モジュール3と、複数の集電板5と、を含んでいる。本実施形態では、蓄電モジュール3の数は10であり、集電板5の数は11である。蓄電モジュール3の数が10のとき、配線Lの数は少なくとも12であればよい。
【0024】
モジュール積層体2は、略直方体形状を有している。モジュール積層体2は、第1方向D1に直交する第2方向D2の両端部2a,2bを有している。モジュール積層体2は、端部2aと端部2bとを接続する側面2c及び側面2dを有している。側面2c及び側面2dは、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3において互いに反対の方向を向いている。側面2c及び側面2dは、第1方向D1及び第2方向D2において延在している。
【0025】
モジュール積層体2は、それぞれ側面2c及び側面2dと隣り合う側面2e,2fを更に有している。側面2eは、端部2aに配置されている。側面2fは、端部2bに配置されている。側面2e及び側面2fは、第2方向D2において互いに逆を向いている。側面2e及び側面2fは、第1方向D1及び第3方向D3において延在している。
【0026】
複数の蓄電モジュール3は、集電板5を介して第1方向D1において積層されている。複数の蓄電モジュール3は、集電板5を介して第1方向D1において電気的に直列に接続されている。集電板5は、例えば金属等の導電材料からなる板状部材である。集電板5の材料としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレスが挙げられる。集電板5は、複数の導電性部材が導電性接着剤を介して積層されたものであってもいい。集電板5の表面には、例えばニッケル等のめっき層や、カーボンコートなどの蒸着層やコーティング層が形成されていてもよい。本実施形態では、第1方向D1から見た集電板5の面積は、蓄電モジュール3の面積よりも小さい。
【0027】
図2に示されるように、複数の集電板5は、第1方向D1における一端側の集電板5Aと、他端側の集電板5Bと、蓄電モジュール3間に介在する複数の集電板5Cと、を含んでいる。本実施形態では、集電板5Cの数は9である。集電板5Cは、第1方向D1において互いに隣り合う蓄電モジュール3間に設けられ、複数の蓄電モジュール3と電気的に接続されている。
【0028】
集電板5A,5Bは、複数の蓄電モジュール3及び複数の集電板5Cを第1方向D1の両側から挟むように配置されている。集電板5A,5Bは、第1方向D1において、積層端に位置する蓄電モジュール3上にそれぞれ積層されている。集電板5Aは、第1方向D1において、一方の積層端に位置する蓄電モジュール3上に積層され、少なくとも当該蓄電モジュール3と電気的に接続されている。集電板5Bは、第1方向D1において、他方の積層端に位置する蓄電モジュール3上に積層され、少なくとも当該蓄電モジュール3と電気的に接続されている。
【0029】
集電板5Aには、負極端子7(図3参照)が接続されている。負極端子7は、集電板5Aの縁部から、第1方向D1に直交する第2方向D2に引き出されている。集電板5Bには、正極端子6(図3参照)が接続されている。正極端子6は、集電板5Bの縁部から第2方向D2に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0030】
図3に示されるように、集電板5Cには、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3に沿って冷却用流体を流通させる複数の流路5aが設けられている。ここで、冷却用流体としては、例えば、空気、水等が用いられる。流路5aは、第3方向D3において集電板5Cを貫通する貫通孔である。流路5aは、第2方向D2に沿って複数配列されている。複数の集電板5Cは、流路5aに冷却用流体を流通させることにより、蓄電モジュール3で発生した熱を放熱する放熱板として機能する。集電板5A,5Bには、流路は設けられていない。
【0031】
モジュール積層体2は、集電板5Cの第2方向D2の両側に配置された複数の検出素子12を有している。検出素子12は、モジュール積層体2の第2方向D2の両端部2a,2bに配置されている。検出素子12は、第1方向D1において互いに隣り合う蓄電モジュール3間に、集電板5Cと共に設けられている。検出素子12は、例えば、蓄電モジュール3の温度を検出する温度検出素子(不図示)及び蓄電モジュール3から出力される電圧を検出する電圧検出素子(不図示)を含み、蓄電モジュール3の状態を監視するセンサである。検出素子12は、例えば、ポリプロピレン(PP)のような耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂により、集電板5と同じ厚さで形成されている。検出素子12は、集電板5Cの第2方向D2の両端部に連結されている。
【0032】
図2に示されるように、ダクト21は、側面2cを覆い、冷却用流体を第2方向D2に沿って流通させる空間Sを側面2cとの間に形成する。ダクト21は、各流路5a(図3参照)の入口と第3方向D3で対向し、第2方向D2に延在している。図2に示されるように、空間Sは、ガイド部材30により第1方向D1において分割されている。空間Sは、第1方向D1において隣り合う2つの空間S1,S2に分割されている。空間S1は、集電板5A側に配置され、空間S2は集電板5B側に配置されている。
【0033】
図1及び図2に示されるように、ダクト21の一端21a(端部2a側)には、空間S1を塞ぐ蓋21cが設けられている。蓋21cには、配線Lを通す穴が設けられている。ダクト21の他端21b(端部2b側)では、空間S1は開放されている。他端21bは、空間S1に冷却用流体を導入する入口を構成している。空間S1の入口(他端21b)から流入した冷却用流体は、空間S1を流通し、流路5a(図3参照)へと導かれる。冷却用流体は、流路5aを流通し、側面2d側から流出する。
【0034】
ダクト21の一端21a(端部2a側)では、空間S2は開放されている。一端21aは、空間S2に冷却用流体を導入する入口を構成している。ダクト21の他端21b(端部2b側)には、空間S2を塞ぐ蓋(不図示)が設けられている。空間S2の入口(一端21a)から流入した冷却用流体は、空間S2を流通し、流路5a(図3参照)へと導かれる。冷却用流体は、流路5aを流通し、側面2d側から流出する。
【0035】
空間S1の入口と空間S2の入口とには、それぞれブロア(不図示)が取り付けられる。ブロアは、空間S1及び空間S2に対し、それぞれ冷却用流体を送り込む。空間S1と空間S2とでは、冷却用流体が流れる方向が互いに逆になる。冷却用流体の冷却能力は、空間S1,S2の入口で最も高い。したがって、空間S1,S2の入口の位置を逆にすることで、モジュール積層体2の端部2a側と端部2b側とをバランスよく冷却することができる。
【0036】
図1及び図2に示されるように、ダクト21の第1方向D1の両端部は、後述する拘束板8の縁部10に固定ネジ19で固定されている。固定ネジ19は、ダクト21の第1方向D1の両端部に設けられた貫通孔(不図示)に挿通され、縁部10に設けられた穴部10c(図5参照)に螺合されている。これにより、ダクト21は、拘束板8に固定されている。
【0037】
図1図3に示されるように、拘束部材4は、一対の拘束板8と、一対の拘束板8を連結する複数の連結部材9とを含む。一対の拘束板8は、集電板5A側の拘束板8A及び集電板5B側の拘束板8Bを含む。図4には、集電板5A,5Bに接する拘束板8の内面が示されている。
【0038】
一対の拘束板8は、第1方向D1において、モジュール積層体2を挟むように、モジュール積層体2の両側に積層されている。一対の拘束板8は、複数の連結部材9により連結され、第1方向D1においてモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。複数の蓄電モジュール3及び複数の集電板5は、一対の拘束板8により挟持されることで、モジュール積層体2としてユニット化されている。本実施形態では、連結部材9は、一対のボルト9aと、ボルトカラー9bとによって構成されている。
【0039】
一対の絶縁板20は、絶縁性材料により形成される。一対の絶縁板20は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂からなる。一対の絶縁板20は、図2及び図3に示されるように、集電板5Aと拘束板8Aとの間に配置される絶縁板20Aと、集電板5Bと拘束板8Bとの間に配置される絶縁板20Bと、を含む。
【0040】
絶縁板20Aは、集電板5Aと拘束板8Aとの間の絶縁性を確保するための部材である。絶縁板20Aは、集電板5Aと拘束板8Aとに接触している。絶縁板20Aは、第1方向D1においてモジュール積層体2上に積層されている。絶縁板20Aは、第1方向D1から見て、集電板5Aの全域と重なるように配置される。拘束板8Aは、第1方向D1において絶縁板20A上に積層され、少なくとも絶縁板20A及びモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。
【0041】
絶縁板20Bは、集電板5Bと拘束板8Bとの間の絶縁性を確保するための部材である。絶縁板20Bは、集電板5Bと拘束板8Bとに接触している。絶縁板20Bは、第1方向D1においてモジュール積層体2上に積層されている。絶縁板20Bは、第1方向D1から見て、集電板5Bの全域と重なるように配置される。拘束板8Bは、第1方向D1において絶縁板20B上に積層され、少なくとも絶縁板20B及びモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。
【0042】
図1図4に示されるように、拘束板8は、第1方向D1から見て、蓄電モジュール3及び集電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。拘束板8の長手方向は、第2方向D2と一致している。拘束板8の短手方向は、第3方向D3と一致している。拘束板8は、本体部11及び一対の縁部10を有する。本体部11は、第1方向D1から見てモジュール積層体2と重なる。一対の縁部10は、本体部11から第3方向D3に延在する。一対の縁部10は、第1方向D1から見てモジュール積層体2と隣り合い、モジュール積層体2と重ならない。本実施形態では、一対の縁部10は、第3方向D3における本体部11の両側に設けられている。すなわち、本体部11は、第3方向D3において一対の縁部10に挟まれている。
【0043】
縁部10は、第1方向D1の外側(第1方向D1におけるモジュール積層体2は反対側)を向く外面10aと、第1方向D1の内側(第1方向D1におけるモジュール積層体2側)を向く内面10bと、を有している。本体部11は、第1方向D1の外側を向く外面11aと、第1方向D1の内側を向く内面11bと、を有している。内面11bは、絶縁板20と対向している。外面10aは、外面11aよりも第1方向D1の内側に位置している。内面10bは、内面11bよりも第1方向D1の内側に位置している。内面10bは、ガイド部材30,60,70と第1方向D1において対向する。
【0044】
一対の縁部10は、拘束板8の長手方向(第2方向D2)に延在する外縁部分である。各縁部10は、複数(本実施形態では5つ)の係合部分14を有している。係合部分14は、ボルト9aが係合される部分である。複数の係合部分14は、各縁部10において、第2方向D2に沿って互いに離隔するように配置されている。本実施形態では、複数の係合部分14は、第2方向D2において等間隔で縁部10に配置されている。
【0045】
各係合部分14には、ボルト9aが挿通される挿通孔14aが設けられている。挿通孔14aは、係合部分14を第1方向D1に沿って貫通している。挿通孔14aは、外面10aと内面10bとを接続するように第1方向D1に沿って延在している。ボルト9aの頭部は、拘束板8A,8Bの外面10a上に配置されている。ボルト9aの軸部の先端部(ネジ先)は、拘束板8A,8Bの内面10bから突出し、ボルトカラー9bの両端に螺合されている。ボルトカラー9bは、拘束板8Aと拘束板8Bとの間に配置され、拘束板8Aと拘束板8Bとを接続するように第1方向D1に延在する柱状部材である。ボルトカラー9bは、例えば、アルミニウムからなる。
【0046】
各縁部10は、内面10bに開口する複数(本実施形態では4つ)の凹部16及び一対の凹部17を有している。凹部16及び凹部17は、第2方向D2に沿って延在している断面U字形状の溝部である。凹部16の第2方向D2の長さは、凹部17の第2方向D2の長さよりも長い。一対の拘束板8は、互いの凹部16同士が第1方向D1において対向すると共に、互いの凹部17同士が第1方向D1において対向するように配置されている。
【0047】
凹部16は、第3方向D3で互いに対向している側壁16a,16bと、底壁16cと、を有している(図8又は図10参照)。第3方向D3の内側(モジュール積層体2側)に配置された側壁16aは、モジュール積層体2と第3方向D3で対向している。複数の凹部16は、第2方向D2において互いに隣り合う係合部分14間に配置されている。複数の凹部16は、集電板5Cに対応する位置に設けられている。すなわち、複数の凹部16の第2方向D2の位置範囲は、集電板5Cの第2方向D2の位置範囲と重なっている。凹部16は、第1方向D1から見て、複数の流路5aの入口又は出口と第3方向D3において隣り合うように第2方向D2に沿って延在している。
【0048】
凹部17は、第3方向D3で互いに対向している側壁と、底壁とを有している。一対の凹部17は、各縁部10の第2方向D2の一対の端部に配置されている。一対の凹部17の間には、複数の係合部分14及び複数の凹部16が配置されている。一対の凹部17は、第2方向D2において一対の検出素子12に対応する位置に設けられている。すなわち、各凹部17の第2方向D2の位置範囲は、対応する検出素子12の第2方向D2の位置範囲と重なっている。
【0049】
図4に示されるように、本体部11は、第1方向D1の内側に開口する複数の凹部18を有している。複数の凹部18は、様々な形状を有している。凹部16、凹部17及び凹部18は、拘束板8の肉盗み部(薄肉部)として機能している。
【0050】
図1に示される複数の配線Lは、モジュール積層体2の検出素子12(図3参照)と、外部装置である制御装置(不図示)の信号取り出し端子とに接続されている。制御装置は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。制御装置は、例えば、端部2a上に配置されている。検出素子12の検出信号は、複数の配線Lを通じて制御装置に送信される。検出素子12は、モジュール積層体2に配置されているので、複数の配線Lは、モジュール積層体2に接続されていると言える。
【0051】
複数の配線Lは、検出素子12に含まれる電圧検出素子及び温度検出素子(例えば、サーミスタ)の少なくとも一方に接続されている。本実施形態では、端部2bに配置された検出素子12が電圧検出素子を含み、端部2aに配置された検出素子12が温度検出素子を含む。したがって、電圧検出素子に接続された複数の配線Lは、端部2bから側面2c又は側面2dを通って端部2aまで引き出されている。複数の配線Lは、側面2c又は側面2d上では、ひとまとめに束ねられている。図2,5,11,15では、複数の配線Lが束ねられた状態が1本の配線Lとして示されている。
【0052】
図5に示されるように、一対のガイド部材30は、側面2c上に取り付けられ、配線Lをモジュール積層体2の側面2cに沿って案内する部材である。一対のガイド部材30は、拘束板8A,8Bに連結され、配線Lを側面2c上に配置する。図6及び図7に示されるように、ガイド部材30は、第1延在部31、第2延在部32、配線案内部33、一対の固定部34、一対の係合部35、複数(本実施形態では3つ)のカバー部36、複数(本実施形態では3つ)の突起部37、及び、配線曲げ部38を有する。ガイド部材30は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂からなる。ガイド部材30の各部は、例えば、樹脂の射出成形により一部材として一体的に形成されている。ガイド部材30の線膨張係数は、例えば、拘束板8やボルトカラー9bの線膨張係数よりも大きい。
【0053】
第1延在部31は、第1方向D1に沿って延在する。第2延在部32は、第2方向D2において第1延在部31から離隔すると共に、第1方向D1に沿って延在する。配線案内部33は、第1延在部31及び第2延在部32のそれぞれと接続され、第2方向D2に沿って延在する。配線案内部33は、第1延在部31の両端部31a,31bのそれぞれから第1方向D1において離隔していると共に、第2延在部32の両端部32a,32bのそれぞれから第1方向D1において離隔している。本実施形態では、配線案内部33は、第1延在部31の第1方向D1の略中央に接続されていると共に、第2延在部32の第1方向D1の略中央に接続されている。第1延在部31、第2延在部32、及び配線案内部33は、全体としてH字形状を有している。
【0054】
配線案内部33は、溝部33a及び脚部33bを含んでいる。溝部33aは、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字形状の部材であり、内部に配線Lを収容可能に構成されている。溝部33aは、周方向の切り欠かれた部分が側面2cの反対側に位置するように、側面2c上に配置されている。脚部33bは、溝部33aから側面2cに向かって延び、溝部33aを側面2cから離隔した位置で保持している。脚部33bは、ボルトカラー9bと干渉する位置には設けられていない。脚部33bの側面2cからの高さは、ボルトカラー9bの側面2cからの高さと略同等である。このため、溝部33aは、側面2cから略一定の高さ位置で第2方向D2に延在している。
【0055】
一対のガイド部材30は、第2方向D2において並んで設けられている。ガイド部材30Aは、端部2a側に設けられ、ガイド部材30Bは、端部2b側に設けられている。ガイド部材30A,30Bは、互いに同じ形状を有している。ガイド部材30A,30Bは、第2延在部32同士が隣り合うと共に、配線案内部33同士が第2方向D2に沿って連続するように配置されている。一対のガイド部材30は、端部2bの検出素子12から側面2cに引き出された配線Lを各配線案内部33により側面2cに沿って端部2aまで案内する。端部2aの検出素子12から配線曲げ部38を経て、側面2cに引き出された配線Lは、ガイド部材30Aの配線案内部33により側面2cに沿って端部2bまで案内される。配線案内部33は、第2方向D2に沿って延在すると共に、配線Lを側面2eに向かって案内する。配線曲げ部38は、配線案内部33の側面2e側の端部に設けられ、前記第1側面から前記第2側面へ向かって前記配線を曲げる。配線曲げ部38は、第1方向D1から見て、L字形状を有している。
【0056】
図2に示されるように、配線案内部33とダクト21との間には、押圧部材50及びシール部材51が挟み込まれている。押圧部材50は、シール部材51を押圧するための部材であり、配線案内部33上に取り付けられている。押圧部材50は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂からなる。押圧部材50は、例えば、樹脂の射出成形により形成されている。シール部材51は、例えば、エプトシールであり、絶縁性の樹脂からなる。配線案内部33は、押圧部材50及びシール部材51と共に、空間Sを第1方向D1において分割している。配線案内部33は、側面2cに向けて第3方向D3に突出する脚部33bによって、空間Sを第1方向D1において分割している。
【0057】
図6及び図7に示されるように、一対の固定部34は、第2方向D2において互いに離隔して設けられている。一方の固定部34は、第1延在部31の端部31aに設けられている。他方の固定部34は、第2延在部32の端部32aに設けられている。ガイド部材30Aでは、一対の固定部34は、それぞれ拘束板8Aに固定されている。ガイド部材30Bでは、一対の固定部34は、それぞれ拘束板8Bに固定されている。
【0058】
一対の係合部35は、第2方向D2において互いに離隔して設けられている。一方の係合部35は、第1延在部31の端部31bに設けられている。他方の係合部35は、第2延在部32の端部32bに設けられている。ガイド部材30Aでは、一対の係合部35は、端部31b,32bから第1方向D1において拘束板8B側に突出するように設けられ、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係合されている。ガイド部材30Bでは、一対の係合部35は、端部31b,32bから第1方向D1において拘束板8A側に突出するように設けられ、それぞれ拘束板8Aに係合されている。
【0059】
図8に示されるように、拘束板8の凹部16には、側壁16aを第3方向D3において貫通する貫通孔16dが設けられている。固定部34は、貫通孔16dに凹部16の内側から挿通され、拘束板8に固定されている。固定部34は、軸部34a及び一対の爪部34bを有している。軸部34aは、第3方向D3に沿って延在している。一対の爪部34bは、軸部34aを第2方向D2において挟むように、軸部34aの第2方向D2の両側に設けられている。爪部34bの先端には、段付き部34cが設けられている。
【0060】
一対の爪部34bは、弾性変形により第2方向D2に開閉可能に軸部34aの先端に取り付けられている。固定部34は、一対の爪部34bが第2方向D2において閉じた(爪部34bの先端が第2方向D2において軸部34aに近づいた)状態で、凹部16の内側から貫通孔16dに挿通された後、一対の爪部34bが第2方向D2において開き(爪部34bの先端が第2方向D2において34aから離れ)、段付き部34cが貫通孔16dの端部(貫通孔16dの内側面と凹部16の外側の面とがなす角部)と接して引っ掛かった状態となることで拘束板8に固定されている。
【0061】
貫通孔16dの第2方向D2の長さは、軸部34aと一対の段付き部34cとを合わせた第2方向D2の長さよりも長い。このため、固定部34は、貫通孔16dの範囲内であれば第2方向D2に移動可能に拘束板8に固定されている。貫通孔16dは、凹部16の底壁16cを第1方向D1において貫通し、軸部34aは第1方向D1に延在していてもよい。この場合も、固定部34を貫通孔16dに固定することができる。
【0062】
図9及び図10に示されるように、係合部35は、第3方向D3において互いに反対側を向き、凹部16の側壁16a,16bと対向する一対の側面35aを有している。係合部35には、係合部35を第3方向D3において貫通する複数の肉抜き部35bが形成されている。各側面35aの第3方向D3の両端部には、それぞれ突起部35cが設けられている。突起部35cは、第3方向D3に突出すると共に、第1方向D1に沿って延在している。
【0063】
係合部35は、拘束板8の凹部16内に圧入されている。係合部35の先端部は、第3方向D3において先窄まりの形状を有している。すなわち、係合部35の先端部では、突起部35cが設けられておらず、一対の側面35a間の長さが、係合部35の先端に近づくほど短くなっている。このため、係合部35を凹部16内に差し込み易い。
【0064】
係合部35が凹部16内に圧入されることにより、突起部35cは側壁16a,16bから第3方向D3の応力を受ける。これにより、図10に示されるように、突起部35cの頂部は、潰れるように塑性変形する。この結果、係合部35は、凹部16に係合される。凹部16は第2方向D2に沿って延在しているので、蓄電モジュール3の膨張収縮時に係合部35は拘束板8に連結されたまま、凹部16内を第2方向D2に沿ってスライド可能である。
【0065】
図6に示されるように、複数のカバー部36は、配線案内部33の溝部33aにおける周方向の切り欠かれた部分を覆っている。複数のカバー部36は、互いに離隔して配置されている。複数のカバー部36は、開閉可能に配線案内部33に取り付けられている。カバー部36は、例えば、配線案内部33と一体的に形成されている。複数の突起部37は、溝部33aの切り欠かれた部分に設けられ、配線Lが溝部33aから外れることを抑制している。
【0066】
図11に示されるように、ガイド部材60,70は、側面2d上に取り付けられ、配線Lをモジュール積層体2の側面2dに沿って案内する部材である。ガイド部材60,70は、第2方向D2において並んで設けられている。ガイド部材60は、端部2a側に設けられ、ガイド部材70は、端部2b側に設けられている。ガイド部材60,70は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂からなる。ガイド部材60,70の各部は、例えば、樹脂の射出成形により一部材として一体的に形成されている。ガイド部材60,70の線膨張係数は、例えば、拘束板8やボルトカラー9bの線膨張係数よりも大きい。ガイド部材60,70は、例えば、ガイド部材30と同じ材料により形成されている。
【0067】
図12及び図13に示されるように、ガイド部材60は、第1延在部61、配線案内部62、一対の固定部63、係合部64、複数(本実施形態では4つ)のカバー部65、及び、複数(本実施形態では2つ)の突起部66を有する。第1延在部61は、第1方向D1に沿って延在する。第1延在部61は、溝部61cを含んでいる。溝部61cは、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字形状の部材であり、内部に配線Lを収容可能に構成されている。溝部61cは、周方向の切り欠かれた部分が側面2dの反対側に位置するように、側面2d上に配置されている。
【0068】
配線案内部62は、第1延在部61と接続され、第2方向D2に沿って延在する。配線案内部62は、第1延在部61の端部61aに接続されている。配線案内部62は、拘束板8Bの縁部10の内面10bに沿って配置されている。配線案内部62は、拘束板8Bの縁部10の内面10b上に配置されると共に、縁部10に沿って第2方向D2に延在している。配線案内部62は、内面10bと接触していてもよいし、接触していなくてもよい。配線案内部62は、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字形状の溝部材であり、内部に配線Lを収容可能に構成されている。配線案内部62は、周方向の切り欠かれた部分が側面2dの反対側に位置するように、側面2d上に配置されている。
【0069】
配線案内部62は、第2方向D2の両端部62a,62bを有している。端部62aは、端部2a側に配置されている。端部62aは、端部62bよりも側面2eに近い場所に設けられている。端部62bは、端部2b側に配置され、ガイド部材70と隣り合っている。端部61aは、端部62aと端部62bとの間に接続されている。第1延在部61及び配線案内部62は、全体としてT字形状を有している。なお、端部61aは、端部62aに接続されていてもよく、この場合、第1延在部61及び配線案内部62は、全体としてL字形状を有する。端部62aは、複数の配線Lを側面2d上でひとまとめに束ねる配線結束部として機能する。
【0070】
一対の固定部63は、第2方向D2において互いに離隔して設けられている。一方の固定部63は、第1延在部61の端部61aに設けられている。他方の固定部63は、第2方向D2において端部61aから離隔して配線案内部62に設けられている。本実施形態では、他方の固定部63は、端部62bに設けられている。一対の固定部63は、それぞれ拘束板8Bに固定されている。固定部63は、固定部34と同等の構造を有し、固定部34と同様にして、凹部16の側壁16aに設けられた貫通孔16dに固定される。固定部63は、固定部34と同様に、貫通孔16dの範囲内であれば第2方向D2に移動可能に拘束板8Bに固定されている。
【0071】
係合部64は、第1延在部61の端部61bに設けられている。係合部64は、端部61bから第1方向D1において拘束板8A側に突出するように設けられ、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Aに係合されている。係合部64は、係合部35と同等の構造を有し、係合部35と同様にして、凹部16に係合される。
【0072】
複数のカバー部65は、第1延在部61の溝部61cにおける切り欠かれた部分、及び、配線案内部62の切り欠かれた部分を覆っている。複数のカバー部65は、互いに離隔して配置されている。複数のカバー部65は、開閉可能に第1延在部61及び配線案内部62に取り付けられている。複数のカバー部65は、例えば、第1延在部61及び配線案内部62と一体的に形成されている。突起部66は、配線案内部62の切り欠かれた部分に設けられ、配線Lが配線案内部62から外れることを抑制している。
【0073】
図11に示されるように、ガイド部材70は、第2方向D2において延在している。ガイド部材70は、ガイド部材60の第2延在部の端部62b(図12参照)と連続するように設けられている。ガイド部材70は、配線案内部62と共に、拘束板8Bの縁部10の内面10bに沿って配置されている。ガイド部材70は、拘束板8Bの縁部10の内面10b上に配置されると共に、縁部10に沿って第2方向D2に延在している。ガイド部材70は、第2方向D2において互いに離隔する一対の固定部(不図示)を有し、拘束板8Bに固定されている。ガイド部材70の固定部も固定部34と同等の構造を有し、固定部34と同様にして、凹部16の側壁16aに設けられた貫通孔16dに固定される。
【0074】
端部2bの検出素子12から側面2dに引き出された配線Lは、ガイド部材70と、ガイド部材60の配線案内部62とにより、側面2dに沿って端部2aまで案内される。端部2aの検出素子12から側面2dに引き出された配線Lは、ガイド部材60の第1延在部61及び配線案内部62により、側面2dに沿って端部2aまで案内される。
【0075】
[作用及び効果]
蓄電装置1では、ガイド部材30の第1延在部31は、第1方向D1に延在している。第1延在部31の端部31aは固定部34により一方の拘束板8に固定され、第1延在部31の端部31bは、係合部35により他方の拘束板8に係合されている。よって、ガイド部材30は、各拘束板8から外れることなく、配線Lをモジュール積層体2の側面2cに沿って確実に案内することができる。
【0076】
ガイド部材30の配線案内部33は、第2方向D2に延在している。よって、配線Lを第2方向D2に案内することができる。ガイド部材30の第2延在部32は、第1方向D1に延在している。第1延在部31の端部31a及び第2延在部32の端部32aは、固定部34により一方の拘束板8に固定されている。第1延在部31の端部31b及び第2延在部32の端部32bは、係合部35により他方の拘束板8に係合されている。よって、ガイド部材30は、各拘束板8から更に外れ難い。
【0077】
固定部34は、第2方向D2に移動可能であり、係合部35は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能である。よって、モジュール積層体2及びガイド部材30が互いに異なる線膨張係数で第1方向D1及び第2方向D2において膨張収縮した場合も、ガイド部材30の破損が抑制される。
【0078】
ダクト21と側面2cとの間に形成される空間Sは、ガイド部材30の配線案内部33、押圧部材50及びシール部材51により、第1方向D1において2つの空間S1,S2に分割されている。このため、分割された空間S1,S2ごとにブロアを設けることができる。よって、冷却効果を高めることができる。
【0079】
配線案内部33は、端部31a及び端部31bのそれぞれから第1方向D1において離隔していると共に、端部32a及び端部32bのそれぞれから第1方向D1において離隔している。このため、分割された空間S1,S2の大きさが偏り難い。よって、冷却効果を高め易い。
【0080】
側面2cでは、2つのガイド部材30は、第2方向D2において並んで設けられている。このため、各ガイド部材30の第2方向D2の長さを短くすることができる。よって、モジュール積層体2及びガイド部材30が互いに異なる線膨張係数で第2方向D2に膨張収縮した場合において、ガイド部材30の破損が更に抑制される。
【0081】
ガイド部材60の第1延在部61は、第1方向D1に延在している。第1延在部61の端部61aは固定部63により拘束板8Bに固定され、第1延在部61の端部61bは、係合部64により拘束板8Aに係合されている。よって、ガイド部材60は、各拘束板8から外れることなく、配線Lをモジュール積層体2の側面2dに沿って確実に案内することができる。配線結束部として機能する端部62aは、カバー部65が設けられていることにより、配線Lを側面2d上でひとまとめに束ねながら、配線Lを収容可能に構成されている。
【0082】
ガイド部材60の配線案内部62は、第2方向D2に延在している。よって、配線Lを第2方向D2に案内することができる。配線案内部62は、第1延在部61の端部61aと接続され、拘束板8Aの縁部10の内面10bに沿って配置されているので、流路5aから流出する冷却用流体の流れを妨げにくい。配線案内部62は、固定部63により拘束板8Bに固定されている。つまり、ガイド部材60は、2つの固定部63により拘束板8Bに固定されているので、拘束板8Bから更に外れ難い。
【0083】
固定部63は、第2方向D2に移動可能であり、係合部64は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能である。よって、モジュール積層体2及びガイド部材60が互いに異なる線膨張係数で第1方向D1及び第2方向D2において膨張収縮した場合も、ガイド部材60の破損が抑制される。また、モジュール積層体2が電池反応により第1方向D1に膨張収縮した場合も、ガイド部材60の破損が抑制される。
【0084】
側面2dでは、ガイド部材60がガイド部材70と共に、第2方向D2において並んで設けられている。このため、各ガイド部材60,70の第2方向D2の長さを短くすることができる。よって、モジュール積層体2及びガイド部材60,70が互いに異なる線膨張係数で第2方向D2に膨張収縮した場合において、ガイド部材60,70の破損が更に抑制される。
【0085】
各ガイド部材30,60において、係合部35,64は、拘束板8に設けられた凹部16内に圧入されている。凹部16は、第1方向D1の内側に開口し、第2方向D2に沿って延在している。よって、係合部35,64が拘束板8に係合されつつ、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能な構成が容易に実現できる。
【0086】
ガイド部材30,60において、固定部34,63は、拘束板8を第3方向D3又は第1方向D1において貫通する貫通孔16dに挿通されている。これにより、固定部34,63を拘束板8に容易に固定することができる。
【0087】
第1方向D1において隣り合う蓄電モジュール3間に設けられた集電板5Cには、第3方向D3に沿って冷却用流体を流通させる流路5aが設けられている。このため、モジュール積層体2を効率よく冷却することができる。
【0088】
モジュール積層体2は、第1方向D1において隣り合う蓄電モジュール3間に配置された電圧検出素子及び温度検出素子の少なくとも一方と接続されている。この場合、蓄電モジュール3の状態を外部装置で監視することができる。
【0089】
配線Lは、検出素子12に含まれる電圧検出素子及び温度検出素子のうち少なくとも一方に接続されてる。これにより、蓄電モジュール3の状態を外部装置で監視することができる。
【0090】
[第2実施形態]
図14図16を参照し、第2実施形態に係る蓄電装置1Aについて、蓄電装置1との相違点を中心に説明する。蓄電装置1Aでは、蓄電モジュール3の数は8であり、集電板5の数は9であり、配線Lの数は10である。蓄電モジュール3が小型電池である場合、もしくは、蓄電モジュール3の積層数が少ないため熱がこもりにくい場合、蓄電装置1Aでは、ダクト21と側面2cとの間に形成される空間S(図2参照)が分割されていなくてもよい。ダクト21の一端21aは、配線L2を通す穴を除いて、全体的に蓋21cで覆われている。ダクト21の他端21bは、全体的に開放され、空間Sの入口を構成している。空間Sの入口(他端21b)から流入した冷却用流体は、空間Sを流通し、流路5a(図3参照)へと導かれる。冷却用流体は、流路5aを流通し、側面2d側から流出する。空間Sでは、他端21bから一端21aに向かって一方向に冷却用流体が流れる。空間Sの入口には、ブロア(不図示)が取り付けられる。
【0091】
蓄電装置1Aは、一対のガイド部材30の代わりに、側面2cに取り付けられ、配線Lを側面2cに沿って案内するガイド部材80を備えている。ガイド部材80は、側面2cにおける端部2aの近傍に設けられている。ガイド部材80は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂からなる。ガイド部材80の各部は、例えば、樹脂の射出成形により一部材として一体的に形成されている。ガイド部材80の線膨張係数は、例えば、拘束板8やボルトカラー9bの線膨張係数よりも大きい。ガイド部材80は、例えば、ガイド部材30と同じ材料により形成されている。
【0092】
ガイド部材80は、第1延在部81、第2延在部82、配線案内部83、固定部84、係合部85、複数(本実施形態では2つ)のカバー部86、及び突起部87を有する。第1延在部81は、第1方向D1に沿って延在する。第2延在部82は、第1延在部81の端部81aに接続され、第2方向D2に沿って端部2a側に延在する。配線案内部83は、第1延在部81の端部81bに接続され、第2方向D2に沿って端部2b側に延在する。このため、ガイド部材80は、全体としてU字形状を有する。
【0093】
第1延在部81は、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字形状の溝部材であり、内部に配線Lを収容可能に構成されている配線結束部を有する。配線結束部によって、複数の蓄電モジュール3に接続された配線Lを側面2c上で、ひとまとめに束ねられている。第1延在部31は、周方向の切り欠かれた部分が側面2cの反対側に位置するように、側面2c上に配置されている。
【0094】
第2延在部82は、拘束板8Aの縁部10の内面10b上に配置されている。配線案内部83は、拘束板8Bの縁部10の内面10b上に配置されている。第2延在部82及び配線案内部83は、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字形状の溝部材であり、内部に配線Lを収容可能に構成されている。第2延在部82及び配線案内部83は、周方向の切り欠かれた部分が側面2cの反対側に位置するように、側面2c上に配置されている。
【0095】
固定部84は、第1延在部81の端部81aに設けられている。固定部84は、拘束板8Aに固定されている。固定部84は、固定部34と同等の構造を有し、固定部34と同様にして、凹部16の側壁16aに設けられた貫通孔16dに固定される。固定部84は、固定部34と同様に、貫通孔16dの範囲内であれば第2方向D2に移動可能に拘束板8Aに固定されている。
【0096】
係合部85は、第1延在部81の端部81bに設けられている。係合部85は、端部81bから第1方向D1において拘束板8B側に突出するように設けられ、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係合されている。係合部85は、係合部35と同等の構造を有し、係合部35と同様にして、凹部16に係合される。
【0097】
一方のカバー部86は、第1延在部81の切り欠かれた部分、及び、第2延在部82の切り欠かれた部分を連続して覆っている。他方のカバー部86は、配線案内部83の切り欠かれた部分を覆っている。複数の突起部87は、第1延在部81の切り欠かれた部分に設けられ、配線Lが第1延在部81から外れることを抑制している。
【0098】
端部2aの検出素子12から側面2cに引き出された配線Lは、ガイド部材80により、側面2cに沿って端部2aまで案内される。本実施形態では、端部2aの検出素子12は、温度検出素子及び電圧検出素子の両方を備えるので、端部2aの検出素子12だけで温度及び電圧を監視することができる。よって、配線Lを側面2cに沿って案内する距離を短くすることができる。蓄電装置1Aの側面2dでは、ガイド部材60,70の代わりに、一対のガイド部材30が取り付けられ、配線Lを側面2dに沿って案内していてもよい。
【0099】
[作用及び効果]
蓄電装置1Aの作用及び効果について、蓄電装置1との相違点を中心に説明する。蓄電装置1Aでは、ガイド部材80の第1延在部81は、第1方向D1に延在している。第1延在部81の端部81aは固定部84により拘束板8Aに固定され、第1延在部81の端部81bは、係合部85により拘束板8Bに係合されている。よって、ガイド部材80は、各拘束板8から外れることなく、配線Lをモジュール積層体2の側面2cに沿って確実に案内することができる。
【0100】
係合部85は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能である。よって、モジュール積層体2及びガイド部材80が互いに異なる線膨張係数で第1方向D1及び第2方向D2において膨張収縮した場合も、ガイド部材80の破損が抑制される。固定部84は、第2方向D2に移動可能である。よって、ガイド部材80の破損が更に抑制される。
【0101】
本開示は上記実施形態に限定されない。
【0102】
上記実施形態では、蓄電装置1は、一対のガイド部材30、ガイド部材60及びガイド部材70を備えるが、ガイド部材30及びガイド部材60のうち少なくとも一つを備えればよい。蓄電装置1Aは、少なくともガイド部材80を備えればよい。
【0103】
上記実施形態では、外面10aは、外面11aよりも第1方向D1の内側に位置しているが、外面10aは、外面11aと同一平面上に位置していてもよいし、外面11aよりも第1方向D1の外側に位置していてもよい。内面10bは、内面11bよりも第1方向D1の内側に位置しているが、内面10bは、内面11bと同一平面上に位置していてもよいし、内面11bよりも第1方向D1の外側に位置していてもよい。
【0104】
上記実施形態では、第1方向D1から見た集電板5の面積は、蓄電モジュール3の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、蓄電モジュール3の面積と同一であってもよく、蓄電モジュール3の面積よりも大きくてもよい。
【0105】
絶縁板20は、底部20aの第2方向D2の両端部に接続され、第1方向D1に延在する一対の側部を更に有する箱形状であってもよい。
【0106】
上述した実施形態及び変形例の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
第1方向において積層された複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体であって、前記第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向とにおいて延在している第1側面、及び、前記第1側面と隣り合い、前記第1方向と、前記第1側面及び前記第2方向に直交する第3方向とにおいて延在している第2側面を有するモジュール積層体と、
前記第1方向において前記モジュール積層体の両側に積層され、前記第1方向において前記モジュール積層体に拘束荷重を付加する第1拘束板及び第2拘束板と、
前記モジュール積層体に接続された配線と、
前記第1拘束板及び前記第2拘束板に連結され、前記配線を前記第1側面上に配置するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、
前記第2方向に沿って延在すると共に、前記配線を前記第2側面へ向かって案内する配線案内部と、
前記配線案内部に接続され、前記第1方向に沿って延在する第1延在部と、
を有し、
前記第1延在部は、
前記第1延在部の前記第1方向における一端部である第1端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第1固定部と、
前記第1延在部の前記第1方向における他端部である第2端部に設けられ、前記蓄電モジュールの膨張収縮時に第1方向及び前記第2方向において移動可能となるように前記第2拘束板に係合された第1係合部と、
を有する、
蓄電装置。
(付記2)
前記ガイド部材は、前記第2方向において前記第1延在部から離隔した位置で前記配線案内部に接続されると共に、前記第1方向に沿って延在する第2延在部を更に有し、
前記第1延在部は、前記第2延在部よりも前記第2側面に近い場所に設けられ、
前記第2延在部は、
前記第2延在部の前記第1方向における一端部である第3端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第2固定部と、
前記第2延在部の前記第1方向における他端部である第4端部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向において移動可能に前記第2拘束板に係合された第2係合部と、
を有する、
付記1に記載の蓄電装置。
(付記3)
前記第1側面を覆い、冷却用流体を記第2方向に沿って流通させる空間を前記側面との間に形成するダクトを更に備え、
前記配線案内部は、前記第1側面に向けて前記第3方向に突出する脚部によって、前記空間を前記第1方向において分割している、
付記1又は2に記載の蓄電装置。
(付記4)
前記配線案内部は、前記第1端部及び前記第2端部のそれぞれから前記第1方向において離隔していると共に、前記第3端部及び前記第4端部のそれぞれから前記第1方向において離隔している、
付記2又は3に記載の蓄電装置。
(付記5)
前記第1拘束板は、前記第1方向から見て、前記第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う第1縁部を有し、
前記配線案内部は、
前記第1縁部上に配置されると共に、前記第1縁部に沿って前記第2方向に延在し、
前記配線案内部の前記第2方向の一端部である第5端部側で前記第1端部と接続され、
前記配線案内部の前記第2方向の他端部である第6端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第3固定部を有し、
前記第5端部は、前記第6端部よりも前記第2側面に近い場所に設けられている、
付記1に記載の蓄電装置。
(付記6)
複数の前記ガイド部材は、前記第2方向において並んで設けられている、
付記1~5のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記7)
前記ガイド部材は、複数の前記配線を前記第1側面上でひとまとめにする配線結束部を有する、
付記1~6のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記8)
前記モジュール積層体は、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュールを電気的に接続すると共に、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュール間に設けられた集電板を更に有し、
前記集電板には、前記第3方向に沿って冷却用流体を流通させる流路が設けられている、
付記1~7のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記9)
前記第2拘束板は、前記第1方向から見て、前記第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う第2縁部を有し、
前記第2縁部は、前記第1方向の内側に開口し、前記第2方向に沿って延在する凹部を有し、
前記第1係合部は、前記凹部内に圧入されている、
付記1~8のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記10)
前記第1固定部は、前記第1拘束板を前記第1方向において貫通する貫通孔、又は、前記第3方向において貫通する貫通孔に挿通されている、
付記1~9のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記11)
前記配線は、前記第1方向において隣り合う前記蓄電モジュール間に配置された電圧検出素子及び温度検出素子の少なくとも一方と接続されている、
付記1~10のいずれか1つに記載の蓄電装置。
(付記12)
前記配線案内部の前記第2側面側の端部に設けられ、前記第1側面から前記第2側面へ向かって前記配線を曲げる配線曲げ部を更に備える、
付記1~11のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【符号の説明】
【0107】
1,1A…蓄電装置、2…モジュール積層体、2c,2d…側面、3…蓄電モジュール、5C…集電板、5a…流路、8,8A,8B…拘束板、10…縁部、16…凹部、16d…貫通孔、12…検出素子、30,30A,30B…ガイド部材、31…第1延在部、32…第2延在部、33…配線案内部、33b…脚部、34…固定部、35…係合部、38…配線曲げ部、60…ガイド部材、61…第1延在部、62…配線案内部、62a…端部(配線結束部)、63…固定部、64…係合部、70…ガイド部材、80…ガイド部材、81…第1延在部、82…第2延在部、83…配線案内部、84…固定部、85…係合部、L…配線、S…空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16